JP7094656B2 - 吸収性物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品の製造方法に関する。
従来、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品の製造方法において、吸収性物品の吸収体は、パルプや高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」とも言う)等の吸収性材料を堆積させ、コアラップで被包したものを圧縮することで形成される。
吸収性材料の堆積工程では、堆積に偏りが生じている場合があるため、吸収性材料の堆積体のうち堆積量が多い部分は、その後の圧縮工程により硬化することがある。硬化が発生した部分(以下、「硬化部分」とも言う)は、着用者に違和感を与える等の不都合を生じるおそれがある。
そこで例えば、特許文献1では、吸収体を一対のロール間に導入して加圧し、加圧中に生じるロールの所定値以上の変位を検知することにより、吸収体に硬化が生じたか否かを検査している。
特許5357496号公報
しかしながら、特許文献1に記載の検査方法では、当該硬化部分が小さい場合、閾値以上の変位が検知されないまま、硬化部分を含んだ吸収体がその一対のロール間を通過し、吸収体に内在している硬化部分を検知できないという問題があった。またロール圧が不適切な場合、例えばロール圧が低い場合にはロールが振動で不用意にバウンドし、誤検知するという問題があり、ロール圧が高い場合には、当該硬化部分がロール加圧によって扁平に延ばされ、ロールの変位では吸収体に内在している硬化部分を検知できないという問題があった。なお、扁平により硬化部分が検出できない問題は、ロール加圧以外に、圧縮工程による加圧でも同様に起きてしまう。
よって従来では、吸収体に当該硬化部分が内在するか否かを精度良く検査することができない場合があった。
従って、本発明の目的は、吸収体に硬化部分が内在するか否かを精度良く検査する検査方法を用いた吸収性物品の製造方法を提供することにある。
本発明による製造方法は、搬送中の吸収体に塊が内在するか否かを検査する工程を含む吸収性物品の製造方法であって、前記検査する工程は、前記吸収体の表面に向けて光を投光する工程と、前記吸収体内を透過した前記光を受光する工程と、前記受光された光に基づいて受光量を導出する工程と、前記導出された受光量が所定の閾値を下回った場合、前記吸収体に前記塊が内在していると決定する工程と、を含むことを特徴とする。
本明細書および特許請求の範囲の記載において、「塊」とは、吸収性物品の製造方法のうち吸収性材料の堆積工程および/または吸収体の圧縮工程により、吸収体に硬化が発生した部分を指すものとして参照される。
本発明によれば、吸収体に塊が内在するか否かを精度良く検査することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る、吸収性物品の製造装置の全体概要図である。 本発明の第1実施形態に係る、検査部の機能を説明するためのブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る、検査部の詳細図であり、(a)は検査部の投光器の上面図、(b)は検査部の正面図、(c)は検査部の側面図をそれぞれ表す。 本発明の第2実施形態に係る、吸収性物品の製造装置のうち検査部近傍を示した概要図である。 本発明の他の実施形態に係る、検査部の詳細図であり、(a)は検査部の投光器の上面図、(b)は検査部の正面図、(c)は検査部の側面図をそれぞれ表す。
本発明による吸収性物品の製造装置の実施形態について、図1から図5を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。なお、本明細書では、説明の便宜のため、連続する吸収体11の搬送方向をX、連続する吸収体11の幅方向をY、連続する吸収体11の厚み方向をZとする。「X方向」、「Y方向」、および「Z方向」はそれぞれ直交するものとする。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る、吸収性物品の製造装置1の全体概要図である。
図1に示すように、本実施形態の製造装置1においては、帯状の上層ティシュ2uと帯状の下層ティシュ2dとの間に上層マット3uと下層マット3dとの2層のマット3を所定間隔で配置し圧縮することで連続する吸収体11を作製し、当該連続する吸収体11を切断して、別個の吸収体12を作製する。そして、帯状のトップシート4と帯状のバックシート5との間に別個の吸収体12が所定間隔で配置された帯状の吸収性物品連続体21を作製し、当該連続体21を切断して、吸収性物品22を製造する。なお、ここでは説明の便宜のため省略しているが、上記トップシート4にはサイドシート等が接合されてもよいし、上記バックシート5にはカバーシート等が接合されてもよい。
上層マット3uは、パルプのみを堆積させて形成され、下層マット3dは、パルプとSAPとを混合させた状態で堆積させて形成される。上層マット3uと下層マット3dとの2層のマットは、上層ティシュ2uと下層ティシュ2dで構成されたコアラップで被包される。なお、本発明では、上層マット3uと下層マット3dとの2層のマットを、一枚のコアラップで包んでもよい。吸収性材料のパルプとしては、フラッフパルプが挙げられ、木材パルプや非木材パルプを綿状に解繊したものを用いることが好ましい。また、吸収性材料のSAPとしては、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることが好ましい。コアラップには、親水性シートや液透過性シートが用いられ、ティシュ、吸収紙、親水化処理を行った不織布が用いられることが好ましい。
製造装置1は、2層のマットを作製するための2台の第1フォーマー31a、第2フォーマー31bと、吸収体の厚み調整や成型状態の固定のための圧縮部32と、連続する吸収体11に塊(後述する図3および図5では符号81で表される)が内在するか否かを検査する検査部33と、吸収性物品連続体21を吸収性物品1枚分に切り分ける切断部34と、塊81が検出された吸収体12を有する吸収性物品22を排除する排除部35と、を含んで構成される。
第1フォーマー31aは、パルプを供給するための第1ダクト311aと、粉状のSAPを供給するためのSAP供給部312と、パルプとSAPとを混合したものを堆積させた状態で回転可能な第1フォーミングドラム313aと、を含んで構成される。第1フォーミングドラム313aには、パルプとSAPとを混合した状態で堆積させるための窪みを有する第1窪み部314aが、第1フォーミングドラム313aの周方向に沿って所定間隔で4箇所設けられている。
第1ダクト311aおよびSAP供給部312によって、パルプとSAPとを混合させながら第1窪み部314aに堆積させることによって、下層マット3dを作製する。第1フォーミングドラム313aは、下層マット3dを吸気することで保持し回転させる。その後、下層マット3dに空気を送り込むことで保持を解除し、第1接着剤塗布部41により接着剤が塗布され上流から搬送されてきた下層ティシュ2dに、下層マット3dを載置し接着させる。第1フォーマー31aの下流であって、第2フォーマー31bの上流にて下層マット3dにSAPを散布するようにしてもよい。
第2フォーマー31bは、パルプを供給するための第2ダクト311bと、パルプを堆積させた状態で回転可能な第2フォーミングドラム313bと、を含んで構成される。第2フォーミングドラム313bには、パルプを堆積させるための窪みを有する第2窪み部314bが、第2フォーミングドラム313bの周方向に沿って所定間隔で4箇所設けられる。
第2ダクト311bによって、パルプを第2窪み部314bに堆積させることによって、上層マット3uを作製する。第2フォーミングドラム313bは、上述した第1フォーミングドラム313aと同様に、上層マット3uを吸気し、下層ティシュ2dに接着され上流から搬送されてきた下層マット3dに載置させる。本実施形態では、上層マット3uは、幅方向Yにおいて下層マット3dより幅が広くなっている(図3(b)参照)。
その後、第2接着剤塗布部42により接着剤が塗布された帯状の上層ティシュ2uを、第1接着ロール51によって、上層マット3u、下層マット3d、帯状の下層ティシュ2dの3層の連続体の上層マット3u側に接着させて、連続する積層シート10を作製する。
圧縮部32は、上下に備えられた一対のロールによって構成される。搬送された当該連続する積層シート10は、圧縮部32の一対のロールによって挟搾され、連続する吸収体11が作製される。本実施形態では、連続する吸収体11は2層のマットを含んで構成されているが、本発明では、単層のマットや3層以上のマットを含んで構成されてもよい。
検査部33は、搬送中の連続する吸収体11に塊が内在するか否かを検査する。検査部33の各機能の詳細については、後述する。
検査工程を終えた後、連続する吸収体11は不図示の切断装置により切断され、第3接着剤塗布部43により接着剤が塗布されたバックシート5を、第2接着ロール52によって連続する吸収体11の下層ティシュ2d側に接着させて、連続するバックシート付き吸収体13を作製する。そして、第4接着剤塗布部44により接着剤が塗布されたトップシート4を、第3接着ロール53によって連続するバックシート付き吸収体13の上層ティシュ2u側に接着させて、吸収性物品連続体21を作製する。
切断部34は、吸収性物品連続体21を切断し、1枚分の吸収性物品22が製造される。
排除部35は、検査部33において、塊81が内在していると決定された別個の吸収体12を含む吸収性物品22を、不良品23として製造ラインから排除する。この排除工程については、公知のものが採用されうる。なお、本発明では、吸収性物品22の製造前の状態、例えば、別個の吸収体12の状態で製造ラインから排除してもよい。
<検査部>
図2は、本発明の第1実施形態に係る、検査部33の機能を説明するためのブロック図である。図2に示すように、連続する吸収体11は、上流側の第1サクションコンベア60aおよび下流側の第2サクションコンベア60bによって搬送される。第1サクションコンベア60aは、吸引装置61aと、吸引装置61aにより吸気搬送が可能なコンベア62aと、で構成され、第2サクションコンベア60bは、吸引装置61bと、吸引装置61bにより吸気搬送が可能なコンベア62bと、で構成される。
図2に示すように、第1サクションコンベア60aと第2サクションコンベア60bとの間には、間隙が設けられている。検査部33は、この間隙に搬送されてきた連続する吸収体11に光を投光し、且つ連続する吸収体11内を透過した光を受光するように配置されている。
検査部33は、投光素子が複数設けられた投光器331と、受光素子が複数設けられた受光器332と、連続する吸収体11から塊を検出し且つ不良品を排除するように制御する制御装置333と、受光器332の受光面に降り積もった紙粉をエアーで除去するエアーブロー部334と、を含んで構成される。検査部33は、投光器331および受光器332を、搬送される連続する吸収体11を挟むように配置することで、光の透過度を検知している。
投光器331は、連続する吸収体11の表面に向けて、投光素子から光を投光する。投光器331の投光素子から投光された光は、連続する吸収体11内を透過し、透過した光は、受光器332の受光素子によって受光される。なお、本実施形態では、投光器331は、吸収体11の厚み方向Z且つ吸収体11の肌対向面側に光を投光しているが、本発明では、様々な方向に光を投光する構成を採用することが可能である。受光器332は、その投光器の構成に応じて配置されうる。例えば、投光器331及び受光器332の配置を入れ替えて、投光器331を吸収体11の非肌対向面側に投光するように配置するとともに、受光器332を吸収体11の肌対向面側に対向するように配置してもよい。
投光器331は、光を投光する公知の照明装置が採用されうる。また、本実施形態に係る投光器331では、投光する光として赤外線を採用している。しかし、投光器331から投光される光は、他の不可視光や可視光であってもよい。受光器332は、公知のものが採用され、例えば透過型の光センサが用いられる。受光器332は、受光素子で受光した光の量を制御装置333へ出力する。
制御装置333は、受光量導出部71と、塊判別部72と、排除指令部73と、を含んで構成される。受光量導出部71は、受光器332が受光した光の量から、受光量を導出する。なお、本発明では、受光器332が受光量導出部71の代わりに受光量を導出してもよい。
塊判別部72は、受光量導出部71が導出した受光量から連続する吸収体11に塊が内在するか否かを判定する。導出された受光量が所定の閾値を下回った場合、塊判別部72は、連続する吸収体11に塊81が内在していると決定する。吸収体11のうち塊81が存在する部分は、塊がない部分からみて相対的に密度が増した状態となっており、光の透過を妨げ受光量を著しく低下させることになる。
排除指令部73は、連続する吸収体11に塊があったと決定した場合に、不図示の搬送量計測装置(例えば、エンコーダ)によって計測された連続する吸収体11の搬送量を用いて、不良と判断された別個の吸収体12を特定し、その吸収体12を有する吸収性物品22を排除するように、排除部35に対して排除指令を送信し排除工程を実行させる。この構成により、着用者に違和感を与える不良品を、消費者の手に渡ることを抑制しうる。
エアーブロー部334は、パイプ形状を有し、受光器332の受光素子に対応した部位に穴が開けられ、当該穴は、受光器332の受光素子に向くように配置される。エアーブロー部334は、搬送される連続する吸収体11の下層ティシュ2d側と受光器332との間の空間に隣接した場所に配置される。エアーブロー部334は、投光器331の投光素子と受光器332の受光素子とで挟まれた領域を避けるように配置される。エアーブロー部334は、上記穴から受光素子の受光面に向けてエアーを吹き込み、受光器332の受光素子の受光面に降り積もったティシュ等の紙粉をエアーで除去し、且つ、搬送される連続する吸収体11と受光素子との間に浮遊している紙粉をエアーによって吹き飛ばす。この構成により、受光器332の受光素子は、精度良く受光することが可能となる。なお、連続する吸収体11のうち塊81が存在しない領域における受光量が所定値以下となったときに、エアーブロー部334を稼動させるように制御してもよい。なお、エアーブロー部334に代えて、紙粉による受光素子の感度の低下に伴い、受光素子の感度を自動的に調整するようにしてもよい。
図3は本発明の第1実施形態に係る、検査部33の詳細図であり、図3(a)は検査部33の投光器331の上面図、図3(b)は検査部33の下流側から見た正面図、図3(c)は検査部33の側面図をそれぞれ表す。連続する吸収体11に内在している塊を符号81で表す。また、図3(b)には、説明のため、検査される連続する吸収体11を図示している。
投光素子91は、吸収体11の幅方向Yに沿って千鳥状に配置されている。詳しく説明すると、図3(a)に示されるように、投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で10個設けられた投光素子列と、当該投光素子列の下流に投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた投光素子列とを有し、上流側の投光素子列と下流側の投光素子列とが吸収体11の幅方向Yに4分の1ピッチずらした千鳥配列となっている。また、上流側の投光素子列の下方に投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた投光素子列を有するとともに、下流側の投光素子列の下方に投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた投光素子列を有し、これらの投光素子列とその上方の投光素子列とが吸収体11の幅方向Yに4分の1ピッチずらした千鳥配列となっている。
受光素子92は、投光素子91に対応して、吸収体11の幅方向Yに沿って千鳥状に配置されている。詳しく説明すると、受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で10個設けられた受光素子列と、当該受光素子列の下流に受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた受光素子列とを有し、上流側の受光素子列と下流側の受光素子列とが吸収体11の幅方向Yに4分の1ピッチずらした千鳥配列となっている。また、上流側の受光素子列の下方に受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた受光素子列を有するとともに、下流側の受光素子列の下方に受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた受光素子列を有し、これらの受光素子列とその上方の受光素子列とが吸収体11の幅方向Yに4分の1ピッチずらした千鳥配列となっている。なお、投光素子列とこれに対応する受光素子列とは、投光素子91とこれに対応する受光素子92との光軸が位置ずれないように、図3(b)、(c)に示されるように、一体型ブロックに組み込まれている。
この構成によって、投光素子91や受光素子92が互いに物理的に干渉することなく、検査範囲を吸収体11の幅方向Y全域亘って隙間のない範囲とすることができ、吸収体11に内在している塊81を吸収体11の幅方向Y全域亘って漏れなく検出することができる。これにより、吸収体11に塊が内在するか否かを精度良く検査することができる。なお、検査範囲を吸収体11の幅方向Y全域亘って隙間のない範囲とする場合に限らず、塊81を漏れなく検出できる構成であればよく、検査範囲を吸収体11の幅方向Yに若干の隙間を生じる範囲とする構成であってもよい。
なお、本実施形態では、検査部33の検査範囲の幅は、図3(b)に示すように、連続する吸収体11の上層マット3uの幅に合わせるように設定されているが、本発明では、これに限られず適宜設定可能である。例えば、後述する図5(b)に示すように、検査部33の検査範囲の幅は、連続する吸収体11の下層マット3dの幅に合わせるように設定されてもよい。
従来、吸収体を構成するマットの堆積工程では、堆積に偏りが生じ、吸収体内で堆積量が所望量よりも多い部分が生じ、その後の吸収体の圧縮工程により硬化することがあった。そこで、特許文献1では、吸収体を一対のロール間に導入して加圧し、加圧中に生じるロールの所定値以上の変位を検知することにより、当該吸収体に硬化が生じたか否かを検査していた。
しかしながら、特許文献1に記載の検査方法では、塊が小さい場合やロール圧が不適切な場合、当該塊の変位が検知されないまま、塊がそのロールの間を通過する可能性があった。これは特に、接触式の検査において生じうる問題であった。
本実施形態では、吸収体に光を透過して吸収体に塊が内在するか否かを吸収体に非接触で検査するので、従来と比較して吸収体に塊が内在するか否かを精度良く検出することが可能となる。塊は、圧縮工程の前にあることもあれば、圧縮工程により加圧されてしまうことで出来てしまう場合も考えられる。本実施形態では、そのどちらについても有効に機能する。特には、圧縮工程の後に検査工程を実行した場合、従来のように、吸収体を一対のロール間に導入して加圧し、加圧中に生じるロールの所定値以上の変位を検知することにより、吸収体に塊が生じたか否かを検査する方法では、吸収体が圧縮工程によって扁平に延ばされた場合、ロールの変位では吸収体に内在している塊を検知できないという問題があるが、本実施形態では、吸収体に光を透過して吸収体に塊が内在するか否かを吸収体に非接触で検査するので、従来のような問題を生ずることなく、吸収体に内在している塊を精度良く検出することが可能となる。よって、着用者に違和感を与える等の不都合を軽減することが可能となる。
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と異なり、検査部33において、連続する吸収体11を鉛直方向において搬送するための第1搬送ローラ101a、第2搬送ローラ101bを設ける。
図4は本発明の第2実施形態に係る、吸収性物品の製造装置のうち検査部133近傍を示した概要図である。検査部133は、第1実施形態に係る検査部33と比較して、エアーブロー部334を設けないこと以外、検査部33と同一の構成になっている。本実施形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、検査部133において、連続する吸収体11を水平方向に搬送する第1実施形態と異なり、第1搬送ローラ101a、第2搬送ローラ101bにより、連続する吸収体11を鉛直方向において搬送する。この構成により、受光素子92の受光面に紙粉が付着しにくくすることが可能となっている。なお、本発明では、この構成に限られず、検査部において、連続する吸収体11を水平方向に交差する方向において搬送する場合にも、本実施形態を適用可能である。投光器331および受光器332は、第1実施形態と同様に、搬送される連続する吸収体11を挟むように配置される。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、吸収体に内在している塊を精度良く検出することが可能となる。また、第1実施形態と比較して、エアーブロー部334がないので、上記精度の良い検出が低コストで実現できる。なお、本発明では、さらに精度の良い検出のため、エアーブロー部334を設けてもよい。
<その他>
本発明は、上述した各実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、圧縮工程の後に検査工程が実行されるが、本発明では、検査工程の後に圧縮工程が実行される場合も許容するものである。
加えて、上記各実施形態に係る吸収体は、マットをティシュで包んだものに限られず、マットそのもので構成されてもよい。また、上記各実施形態では、上層マット3uと下層マット3dとの2層のマットは予め分割されているが、本発明では、分割されずに帯状のものであってもよい。この場合、フォーマーの窪み部の構成もこれに対応したものとなり、検査部では、帯状の吸収体が検査されることになる。
また、本発明が対象とする吸収体を備えた吸収性物品は、特許請求の範囲に規定された吸収体を含む吸収性物品でありさえすれば、どのような構成であってもよい。例えば、周知の展開型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、尿漏れパッドなどであっても本発明を適用可能である。
さらに、上記各実施形態に係る制御装置333は、制御部と、制御部で生成された各種データや閾値データを格納するための記憶部とを備えうる。制御部はCPU(Central Processing Unit)を備え、上述した各機能部は当該CPUによって実行されうる。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶領域で構成される。
また、本発明に係る検査部では、上述したような形態に限定されるわけではなく、種々の形態が採用可能である。
図5は本発明の他の実施形態に係る、検査部233の詳細図であり、図5(a)は検査部233の投光器2331の上面図、図5(b)は検査部233の下流側から見た正面図、図5(c)は検査部233の側面図をそれぞれ表す。また、図5(b)には、説明のため、検査される連続する吸収体11を図示している。本形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
検査部233は、投光素子が複数設けられた投光器2331と、受光素子が複数設けられた受光器2332と、連続する吸収体11から塊81を検出し且つ不良品を排除するように制御する制御装置333(図5(a)から図5(c)では不図示)と、受光器2332の受光面に降り積もった紙粉をエアーで除去するエアーブロー部334と、を含んで構成される。投光器2331および受光器2332は、搬送される連続する吸収体11を挟むように配置される。
投光素子91は、第1実施形態と異なり、図5(a)において、吸収体11の搬送方向Xの上流側に12個、下流側に11個配置され、計23個の投光素子91は、吸収体11の幅方向Yに千鳥状に配置されている。詳しく説明すると、投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で12個設けられた投光素子列と、当該投光素子列の下流に投光素子91が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた投光素子列とを有し、上流側の投光素子列と下流側の投光素子列とが吸収体11の幅方向Yに半ピッチずらした千鳥配列となっている。上流側の投光素子列と下流側の投光素子列とは単一のブロックに組み込まれている。
受光素子92は、投光素子91と対向するように23個配置され、吸収体11の幅方向Yに沿って千鳥状に配置されている。詳しく説明すると、受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で12個設けられた受光素子列と、当該受光素子列の下流に受光素子92が吸収体11の幅方向Yに沿って等間隔で11個設けられた受光素子列とを有し、上流側の受光素子列と下流側の受光素子列とが吸収体11の幅方向Yに半ピッチずらした千鳥配列となっている。上流側の受光素子列と下流側の受光素子列とは単一のブロックに組み込まれている。
図5(b)および図5(c)に示すように、第1実施形態の検査部33と異なり、投光素子91および受光素子92は、Z方向において、1段ずつ配置されている。本形態によれば、第1実施形態と同様に、投光素子91や受光素子92が互いに物理的に干渉することなく、検査範囲を吸収体11の幅方向Y全域亘って隙間のない範囲とすることができる。これにより、吸収体11に内在している塊81を吸収体11の幅方向Y全域亘って漏れなく検出でき、吸収体11に塊が内在するか否かを精度良く検査することができる。
1 製造装置
2u 上層ティシュ
2d 下層ティシュ
3u 上層マット
3d 下層マット
4 トップシート(表面シート)
5 バックシート(裏面シート)
11 連続する吸収体
12 別個の吸収体
13 連続するバックシート付き吸収体
21 吸収性物品連続体
22 吸収性物品
31a、31b フォーマー
32 圧縮部
33、133、233 検査部
34 切断部
35 排除部
41、42、43、44 接着剤塗布部
51、52、53 接着ロール
60a、60b サクションコンベア
61a、61b 吸引装置
62a、62b コンベア
71 受光量導出部
72 塊判別部
73 排除指令部
81 塊
91 投光素子
92 受光素子
101a、101b 搬送ローラ
311a、311b ダクト
312 SAP供給部
313a、313b フォーミングドラム
314a、314b 窪み部
331、2331 投光器
332、2332 受光器
333 制御装置
334 エアーブロー部

Claims (4)

  1. 搬送中の吸収体に塊が内在するか否かを検査する工程を含む吸収性物品の製造方法であって、前記検査する工程は、
    前記吸収体の表面に向けて光を投光する工程と、
    前記吸収体内を透過した前記光を受光する工程と、
    前記受光された光に基づいて受光量を導出する工程と、
    前記導出された受光量が所定の閾値を下回った場合、前記吸収体に前記塊が内在していると決定する工程と
    を含み、
    前記投光する工程は、前記吸収体の幅方向に沿って千鳥状に配置され且つ前記吸収体の搬送方向において一部が重なるように配置された投光素子によって行われることを特徴とする吸収性物品の製造方法。
  2. 前記投光素子は、前記吸収体の幅方向に沿って互いに千鳥状に配置され且つ前記吸収体の搬送方向において一部が重なるように配置された第1投光素子列および第2投光素子列と、前記幅方向に沿って互いに千鳥状に配置され且つ前記搬送方向において一部が重なるように配置された第3投光素子列および第4投光素子列と、で構成され、
    前記第1投光素子列および前記第3投光素子列は、前記吸収体の厚み方向において2段に配置されており、前記第2投光素子列および前記第4投光素子列は、前記厚み方向において2段に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品の製造方法。
  3. 前記検査する工程により前記塊が内在していると決定された吸収体を排除する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収性物品の製造方法。
  4. 前記受光する工程を行う受光素子の受光面に向けてエアーを吹き込む工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の吸収性物品の製造方法。
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