以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
図1は本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムの全体構成を示している。駐車場管理システム1は、商業施設や医療施設等に隣接して設けられる駐車場2と、この駐車場2を管理する駐車場管理装置4が設けられた駐車場管理室3とを備える。
駐車場2は、車両の出入口として第1車両入口5及び第1車両出口6を備え、利用者の出入口として商業施設等の近傍に利用者出入口7を備えている。図1では、第1車両入口5、第1車両出口6及び利用者出入口7をそれぞれ1つずつ例示しているが、駐車場2は、複数の第1車両入口5や複数の第1車両出口6を備えて構成されてもよく、複数の利用者出入口7を備えて構成されてもよい。
駐車場2は、段階的に駐車料金の異なる2以上の駐車領域を有していて、例えば、図1では、第1駐車領域8と、第2駐車領域9と、第3駐車領域10とを有する例を示す。第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10は、多数の駐車枠(図示せず)を備えて多数の車両を駐車可能であるが、図1では、第1駐車領域8に駐車された車両11、12と、第2駐車領域9に駐車された車両13のみを例示する。
第1駐車領域8は、例えば、道路に面していて利用者出入口7や商業施設等から最も遠く、利用者にとって利便性の悪い位置に設けられていて、駐車料金が最も低く設定され、一般車が駐車可能な領域である。なお、第1車両入口5が第1の駐車領域8への車両の入口となり、第1車両出口6が第1駐車領域8からの車両の出口となる。
第2駐車領域9は、例えば、第1駐車領域8に比べて利用者出入口7や商業施設等に近く、利便性の良い位置に設けられていて、第1駐車領域8よりも駐車料金が高く設定され、例えば、非接触IC媒体、磁気カード又は携帯端末等の定期券を用いて駐車場2を利用する定期契約車両(以下、定期車と称する)のみが利用可能になっている。定期券には定期車を特定する識別情報として定期IDが記憶されている。第2駐車領域9は、ブロック、柵、ロープ、ライン又は壁等の区画手段によって第1駐車領域8と区画されている。第1駐車領域8と第2駐車領域9との間には、第2車両入口14及び第2車両出口15が設けられていて、車両は、第2車両入口14を通り抜けることで第1駐車領域8から第2駐車領域9へと入場することができ、また、第2車両出口15を通り抜けることで第2駐車領域9から第1駐車領域8へと出場することができる。
第3駐車領域10は、例えば、最も利用者出入口7や商業施設等に近く、最も利便性の良い位置に設けられていて、最も駐車料金が高く設定され、定期車やVIP車両等の優遇車両が利用可能になっている。第3駐車領域10は、第2駐車領域9の一画に設けられ、例えば、雨天でも傘の必要が無い屋根が設けられたり、一台ごとの駐車区画(駐車スペース)が広く確保されたり、電気自動車用の充電器が設置されている等の、特別な利便性を備えていてもよい。
本実施形態では、第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10等の複数の駐車領域の間において、利便性が良い(駐車料金が高い)ものを上位の駐車領域と称し、利便性が悪い(駐車料金が低い)ものを下位の駐車領域と称する。
駐車場2は、料金等の契約条件の異なる2以上の定期契約種別(以下、定期種別と称する)のいずれかで、駐車の定期契約をすることができ、本実施形態では、主に第1駐車領域8での駐車を予定する定期種別Aと、主に第2駐車領域9での駐車を予定する定期種別Bと、主に第3駐車領域10での駐車を予定する定期種別Cと、が領域別定期種別として用意される。即ち、定期種別A、定期種別B、定期種別Cは、第1駐車領域8、第2駐車領域9、第3駐車領域10がそれぞれ契約領域となる。定期種別Aは最も定期契約料金(以下、定期料金と称する)が低く、定期種別Cは定期料金が最も高く設定される。
なお、定期種別Aでの定期車(領域別契約車両)は、追徴料金(領域別調整料金)の支払いにより上位の駐車領域である第2駐車領域9や第3駐車領域10に駐車可能になり、定期種別Bでの定期車(領域別契約車両)は、追徴料金(領域別調整料金)の支払いにより上位の駐車領域である第3駐車領域10に駐車可能になる。また、定期種別Bでの定期車は、第2駐車領域9を利用せずに下位の駐車領域である第1駐車領域8で駐車した場合には料金の割引(領域別調整料金)を受け、定期種別Cでの定期車(領域別契約車両)は、第3駐車領域10を利用せずに下位の駐車領域である第1駐車領域8や第2駐車領域9で駐車した場合には料金の割引(領域別調整料金)を受けることもできる。
第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10等の複数の駐車領域毎の契約条件について、図3及び図4の駐車領域契約条件テーブルを参照して説明する。駐車領域契約条件テーブルは、駐車場管理システム1で共有される情報を定めていて、例えば、駐車場2の駐車料金は、この駐車領域契約条件テーブルに基づいて定められる。駐車領域契約条件テーブルは、例えば、図3に示す平日用のテーブルと、図4に示す休日用のテーブルとを区別して備えていてよい。
図3及び図4において、「駐車領域ID」は、各駐車領域を特定するIDであり、例えば、第1駐車領域8には駐車領域Xが付され、第2駐車領域9には駐車領域Yが付され、第3駐車領域10には駐車領域Zが付される。
「A入場時刻」は、定期種別Aの定期車が、いずれかの駐車領域に駐車する際に、どの駐車領域に進入したときを入場時刻とするかを定義したものである。例えば、定期種別Aの定期車は、第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10のいずれに駐車する場合でも、最初に第1駐車領域8に進入したときを入場時刻として駐車時間等がカウントされる。
「B入場時刻」、「C入場時刻」は、「A入場時刻」と同様の項目であり、それぞれ定期種別B、定期種別Cについて定義する。例えば、定期種別Cの定期車は、第1駐車領域8に駐車する場合には最初に第1駐車領域8に進入したときを、第2駐車領域9に駐車する場合には第2駐車領域9に進入したときを、第3駐車領域10に駐車する場合には第3駐車領域10に進入したときを入場時刻としてそれぞれ駐車時間等がカウントされる。
「A料金」は、定期種別Aの定期車が、各駐車領域に駐車する際の調整料金を定義している。例えば、図3に示されるように、平日の定期種別Aの定期車は、第1駐車領域8に駐車する場合には調整料金はかからないが、第2駐車領域9に駐車する場合には1時間当たり100円の追徴料金を要し、第3駐車領域10に駐車する場合には1時間当たり200円の追徴料金を要していて、これらの追徴料金は後述するように定期料金支払時に精算される。
「B料金」、「C料金」は、「A料金」と同様の項目であり、それぞれ定期種別B、定期種別Cについて定義する。例えば、図3に示されるように、平日の定期種別Cの定期車は、第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10のいずれに駐車する場合でも、調整料金がかからない。他方、図4に示されるように、休日の定期種別Cの定期車は、第3駐車領域10に駐車する場合には調整料金がかからないが、第1駐車領域8に駐車する場合には1時間当たり100円の割引料金を受け、第2駐車領域9に駐車する場合には1時間当たり50円の割引料金を受け、これらの割引料金は後述するように定期料金支払時に精算される。
「Aサ時間」は、定期種別Aの定期車が、各駐車領域に入場してから駐車として認定されるまでのサービス時間である。例えば、定期種別Aの定期車は、第1駐車領域8に入場しても5分を経過するまでに退場すれば駐車時間が加算されず、同様に、第2駐車領域9に入場して3分を経過するまで、第3駐車領域10に入場して1分を経過するまではそれらの駐車領域の駐車時間として加算されず、駐車料金がかからない。図3及び図4では省略するが、定期種別B、定期種別Cについても「Aサ時間」と同様の「Bサ時間」、「Cサ時間」が定義される。
第1車両入口5は、第1駐車領域8(駐車場2)への車両の入場を制限する開閉可能な第1入口ゲート16と、第1入口ゲート16よりも第1駐車領域8の外側(道路側)に配置される入出場管理手段としての駐車券発行機17及び第1入口定期券読取機18と、第1駐車領域8の外側でこれらの入場管理機に接近した車両(進入車両)や、第1入口ゲート16を通過して第1駐車領域8の内側への入場を完了した車両を検知する第1入場車両検知器(図示せず)とを備えている。
第1入口ゲート16を駆動する第1入口ゲート開閉機19は、駐車券発行機17及び第1入場車両検知器と有線又は無線によって接続していて、駐車券発行機17で車両の入場を許可したときに開動作し、第1入場車両検知器で車両の入場完了を検知したときに閉動作する。
駐車券発行機17及び第1入口定期券読取機18は、有線又は無線によって相互に接続していて、また、第1入場車両検知器とも接続している。更に、駐車券発行機17は、駐車場管理装置4とLAN等のネットワークを介して情報通信可能に接続している。なお、駐車券発行機17及び第1入口定期券読取機18は、それぞれ独立した装置として構成されていてもよいが、1つの入場管理機として一体的に構成されていてもよい。
駐車券発行機17は、例えば、第1入場車両検知器で第1車両入口5への進入車両を検知したとき、現在時刻を取得して入場時刻とし、この入場時刻、駐車券ID(駐車券番号)等の入場情報を印字及び記憶した駐車券を発行して、利用者が駐車券を駐車券発行機17から引き抜いたとき、車両の入場を許可する。また、駐車券発行機17は、駐車券発行の際に、入場時刻及び駐車券ID等の入場情報を駐車場管理装置4へと通知する。
また、駐車券発行機17は、第1入口定期券読取機18による定期券の読取処理の際に、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの正常判定が通知されたとき、車両の入場を許可し、定期IDの正常判定を第1入口定期券読取機18へと通知する。駐車券発行機17は、定期IDの正常判定があったとき、現在時刻を取得して入場時刻とし、この入場時刻及び定期ID等の入場情報を駐車場管理装置4へと通知する。他方、駐車券発行機17は、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの無効判定が通知されたとき、車両の入場を許可しない。
第1入口定期券読取機18は、例えば、第1入場車両検知器で第1車両入口5への進入車両を検知したときにスタンバイ状態となって定期券を読取可能となる。第1入口定期券読取機18は、定期券から定期IDを読み取ると、定期IDを駐車券発行機17を介して駐車場管理装置4へと通知する。第1入口定期券読取機18は、駐車券発行機17から定期IDの正常判定が通知されると、第1車両入口5の通過を示す通過ステータスを定期券に書き込む。
また、第1車両出口6は、第1駐車領域8(駐車場2)からの車両の出場を制限する開閉可能な第1出口ゲート20と、第1出口ゲート20よりも第1駐車領域8の内側に配置される入出場管理手段としての出口精算機21及び第1出口定期券読取機22と、第1駐車領域8の内側で出口精算機21及び第1出口定期券読取機22に接近した車両や、第1出口ゲート20を通過して第1駐車領域8からの出場を完了した車両を検知する第1出場車両検知器(図示せず)とを備えている。
第1出口ゲート20を駆動する第1出口ゲート開閉機23は、出口精算機21及び第1出場車両検知器と有線又は無線によって接続していて、出口精算機21で車両の出場を許可したときに開動作し、第1出場車両検知器で車両の出場完了を検知したときに閉動作する。
出口精算機21及び第1出口定期券読取機22は、有線又は無線によって相互に接続していて、また、第1出場車両検知器とも接続している。更に、出口精算機21は、駐車場管理装置4とLAN等のネットワークを介して情報通信可能に接続している。なお、出口精算機及び第1出口定期券読取機22は、それぞれ独立した装置として構成されていてもよいが、1つの出場管理機として一体的に構成されていてもよい。
出口精算機21は、例えば、第1出場車両検知器で第1車両出口6への進入車両を検知したときにスタンバイ状態となって駐車券を挿入可能となる。また、出口精算機21は、駐車券が挿入されると、現在時刻を取得して出場時刻とし、この出場時刻と駐車券に記録された入場時刻とに基づいて、第1駐車領域8の駐車料金レートで駐車料金を算出し、算出した駐車料金を表示や音声によって利用者に提示する。出口精算機21は、提示した駐車料金が現金や電子マネーで支払われると、車両の出場を許可し、出場時刻及び駐車券ID等の出場情報を駐車場管理装置4へと通知する。なお、出口精算機21は、後述する事前精算情報が駐車券に記憶されている場合にも車両の出場を許可する。
また、出口精算機21は、後述する第1出口定期券読取機22による定期券の読取処理の際に、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの正常判定が通知されたとき、車両の出場を許可し、定期IDの正常判定を第1出口定期券読取機22へと通知する。出口精算機21は、定期IDの正常判定があったとき、現在時刻を取得して出場時刻とし、この出場時刻及び定期ID等の出場情報を駐車場管理装置4へと通知する。他方、出口精算機21は、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの無効判定が通知されたとき、車両の出場を許可しない。
第1出口定期券読取機22は、例えば、第1出場車両検知器で第1車両出口6への進入車両を検知したときにスタンバイ状態となって定期券を読取可能となる。また、第1出口定期券読取機22は、定期券から定期IDを読み取ると、定期IDを出口精算機21を介して駐車場管理装置4へと通知する。第1出口定期券読取機22は、出口精算機21から定期IDの正常判定が通知されると、第1車両出口6の通過を示す通過ステータスを定期券に書き込む。
第2車両入口14は、第2駐車領域9への車両の入場を制限する開閉可能な第2入口ゲート24と、第2入口ゲート24よりも第2駐車領域9の外側(第1の駐車領域8側)に配置される入出場管理手段としての第2入口定期券読取機25と、第2駐車領域9の外側で第2入口定期券読取機25に接近した車両(進入車両)や、第2入口ゲート24を通過して第2駐車領域9の内側への入場を完了した車両を検知する第2入場車両検知器(図示せず)とを備えている。
第2入口ゲート24を駆動する第2入口ゲート開閉機26は、第2入口定期券読取機25及び第2入場車両検知器と有線又は無線によって接続していて、第2入口定期券読取機25で車両の入場を許可したときに開動作し、第2入場車両検知器で車両の入場完了を検知したときに閉動作する。
第2入口定期券読取機25は、有線又は無線によって第2入場車両検知器と接続し、また、駐車場管理装置4とLAN等のネットワークを介して情報通信可能に接続している。
第2入口定期券読取機25は、例えば、第2入場車両検知器で第2車両入口14への進入車両を検知したときにスタンバイ状態となって定期券を読取可能となる。また、第2入口定期券読取機25は、定期券から定期IDを読み取ると、定期IDを駐車場管理装置4へと通知する。また、第2入口定期券読取機25は、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの正常判定が通知されたとき、車両の入場を許可し、第2車両入口14の通過を示す通過ステータスを定期券に書き込む。具体的には、定期券において、第1車両入口5の通過を示す通過ステータスが、第2車両入口14の通過を示す通過ステータスに書き換えられる。第2入口定期券読取機25は、定期IDの正常判定があったとき、現在時刻を取得して入場時刻とし、この入場時刻及び定期ID等の入場情報を駐車場管理装置4へと通知する。
また、第2車両出口15は、第2駐車領域9からの車両の出場を制限する開閉可能な第2出口ゲート27と、第2出口ゲート27よりも第2駐車領域9の内側に配置される入出場管理手段としての第2出口定期券読取機28と、第2駐車領域9の内側で第2出口定期券読取機28に接近した車両や、第2出口ゲート27を通過して第2駐車領域9からの出場を完了した車両を検知する第2入場車両検知器(図示せず)とを備えている。
第2出口ゲート27を駆動する第2出口ゲート開閉機29は、第2出口定期券読取機28及び第2出場車両検知器と有線又は無線によって接続していて、第2出口定期券読取機28で車両の出場を許可したときに開動作し、第2出場車両検知器で車両の出場完了を検知したときに閉動作する。
第2出口定期券読取機28は、有線又は無線によって第2出場車両検知器と接続し、また、駐車場管理装置4とLAN等のネットワークを介して情報通信可能に接続している。
第2出口定期券読取機28は、例えば、第2出場車両検知器で第2車両出口15への進入車両を検知したときにスタンバイ状態となって定期券を読取可能となる。また、第2出口定期券読取機28は、定期券から定期IDを読み取ると、定期IDを駐車場管理装置4へと通知する。また、第2出口定期券読取機28は、駐車場管理装置4から定期券の定期IDの正常判定が通知されたとき、車両の出場を許可し、第2車両出口15の通過を示す通過ステータスを定期券に書き込む。具体的には、定期券において、第1車両出口6の通過を示す通過ステータスが、第2車両出口15の通過を示す通過ステータスに書き換えられる。第2出口定期券読取機28は、定期IDの正常判定があったとき、現在時刻を取得して出場時刻とし、この出場時刻及び定期ID等の出場情報を駐車場管理装置4へと通知する。
また、駐車場2の内外には、複数の事前精算機30、31が備えられ、事前精算機30、31は、駐車場管理装置4と有線又は無線によって接続している。事前精算機30、31は、駐車券を挿入可能であって、出口精算機21での精算時に拘らず、駐車券を挿入したときの現在時刻を出場時刻として駐車料金を算出して利用者に提示する。事前精算機30、31は、提示した駐車料金が支払われると、事前精算機30又は31の機械番号、駐車券ID、精算時刻及び精算金額等の事前精算情報を駐車場管理装置4へと通知する。また、事前精算機30、31は、事前精算機30又は31の機械番号、精算時刻及び精算金額等の事前精算情報を駐車券に印字及び記憶して利用者に返却する。
駐車場管理装置4は、例えば、パーソナルコンピュータからなり、図2に示されるように、在車データベース(DB)32、定期車DB33及び履歴DB34と、調整料金記録装置として追徴料金DB35及び割引料金DBを備えている。駐車場管理装置4は、在車DB32、定期車DB33、履歴DB34、追徴料金DB及び割引料金DB36を、内蔵する記憶装置に設けてもよく、又は外部記憶装置に設けてもよい。
在車DB32は、例えば、図5に示されるように、駐車場2に入場した全ての車両について、第1駐車領域8への入場時刻(X入場日時)、駐車券や定期種別を特定する種別、一般車の駐車券の駐車券IDや定期車の定期券の定期ID等の券番号が記録される。また、在車DB32は、第2車両入口14や第2車両出口15を通過する定期車の通過ステータスの書込時刻(通過時刻)として、第2駐車領域9や第3駐車領域10への入場時刻(Y入場日時、Z入場日時)や第2駐車領域9や第3駐車領域10からの出場時刻(Y出場日時、Z出場日時)等が記録される。
定期車DB33は、例えば、定期契約された定期車の定期ID及び定期種別が記録される。また、定期車DB33は、定期券の無効情報や有効期限を記録してもよい。
例えば、定期券の無効情報は、第1入口定期券読取機18や第2入口定期券読取機25が定期券を読み取って正常判定があっても、定期車が入場しなかった場合に一時的に無効定期券として定期車DB33に記録される。この場合、定期車が再入場すれば無効解除されて定期車DB33に記録される。
また、例えば、月毎に駐車料金を決済するように定期契約した定期車について、有効期限を過ぎる半月前までに解約しない場合には1年間自動更新される契約をすれば、定期車の定期契約は半永久的に継続可能となる。この場合、定期契約の更新通知が、後述する事業者サーバ37から駐車場管理装置4に送信され、この更新通知に応じて、定期車DB33では、有効期限が書き換えられる。他方、定期車について定期契約が解約された場合には、事業者サーバ37から駐車場管理装置4に解約通知が送信され、定期車DB33では、有効期限が書き換えられず、無効情報が記録される。また、駐車料金の決済がされなかった場合には、事業者サーバ37から駐車場管理装置4に未決済通知が送信され、定期車DB33では、有効期限が書き換えられず、無効情報が記録される。
履歴DB34は、例えば、図6に示されるように、駐車場2から出場した全ての車両について、第1駐車領域8からの出場時刻(X出場日時)、駐車券や定期種別を特定する種別、一般車の駐車券の駐車券IDや定期車の定期券の定期ID等の券番号が記録される。また、履歴DB34は、各駐車領域(第1駐車領域8、第2駐車領域9、第3駐車領域10)への駐車時間(X駐車時間、Y駐車時間、Z駐車時間)、一般車の出場時に精算した駐車料金、及び定期車の契約領域以外への駐車に対する調整料金等が記録される。
追徴料金DB35は、例えば、図7に示されるように、駐車場2から出場した定期車の出場時刻(X出場日時)、定期種別、定期ID及び追徴料金(プラス調整料金)等が記録される。
割引料金DB36は、例えば、図8に示されるように、駐車場2から出場した定期車の出場時刻(X出場日時)、定期種別、定期ID及び割引料金(マイナス調整料金)等が記録される。
駐車場管理装置4は、駐車券発行機17から一般車又は定期車の入場情報が通知されたとき、この入場情報の入場時刻及び駐車券ID又は定期IDを在車DB32に記録する。
駐車場管理装置4は、出口精算機21から一般車又は定期車の出場情報が通知されたとき、この出場情報の駐車券ID又は定期IDに基づいて在車DB32を参照して必要な情報を取得し、出場情報の出場時刻及び駐車券ID又は定期IDと共に履歴DB34に記録する。
このとき、駐車場管理装置4は、この出場情報に係る定期車の定期種別を判定し、定期種別の対象の駐車領域より上位の駐車領域での駐車時間が確認された場合、例えば、定期種別Aの定期車について第2駐車領域9での駐車時間が確認された場合には、その上位の駐車領域での駐車時間に基づいて追徴料金を算出して追徴料金DB35に記録する。
また、駐車場管理装置4は、定期種別の対象の駐車領域より下位の駐車領域での駐車時間が確認された場合、例えば、定期種別Bの定期車について第1駐車領域8での駐車時間のみが確認された場合には、その下位の駐車領域での駐車時間に基づいて割引料金を算出して割引料金DB36に記録する。
駐車場管理装置4は、駐車券発行機17を介して第1入口定期券読取機18から定期IDが通知されたとき、又は出口精算機21を介して第1出口定期券読取機22から定期IDが通知されたときに、定期IDに基づいて定期車DB33を参照してこの定期IDが正常か否かを判定し、判定結果を駐車券発行機17又は出口精算機21へと通知する。
駐車場管理装置4は、第2入口定期券読取機25から定期車の入場情報が通知されたとき、この入場情報の定期IDに対応する在車DB32のデータについて、この入場情報の入場時刻を記録する。また、駐車場管理装置4は、第2出口定期券読取機28から定期車の出場情報が通知されたとき、この出場情報の定期IDに対応する在車DB32のデータについて、この出場情報の出場時刻を記録する。
駐車場管理装置4は、第2入口定期券読取機25又は第2出口定期券読取機28から定期IDが通知されたときに、定期IDに基づいて定期車DB33を参照してこの定期IDが正常か否かを判定し、判定結果を第2入口定期券読取機25又は第2出口定期券読取機28へと通知する。
なお、駐車場管理装置4は、事前精算機30又は31から事前精算情報が通知された場合には、この事前精算情報の精算時刻や精算金額を出場時刻や駐車料金として履歴DB34に記録してよい。
また、駐車場管理装置4は、図2に示されるように、駐車場2の外部で駐車場2を管理及び運営する事業者の事業者サーバ37とインターネットや広域回線電話網等のネットワークを介して情報通信可能に接続している。更に、事業者サーバ37は、クレジット決済を管理する信販会社や口座引き落としのできる銀行等の金融機関40とネットワークを介してアクセス可能に構成されている。
事業者サーバ37は、図2に示されるように、駐車料金算出部(駐車料金算出手段)38及び定期車料金管理DB39を備えていて、上記した図3及び図4に示される駐車領域契約条件テーブルを記憶している。事業者サーバ37は、定期車料金管理DB39を、内蔵する記憶装置に設けてもよく、又は外部記憶装置に設けてもよい。
定期車料金管理DB39は、例えば、図9に示されるように、定期契約した定期車の定期種別及び定期IDが記録される。また、定期車料金管理DB39は、定期車毎に有効期限、駐車料金の支払い金融機関や月毎の支払い締め日や決済日等の情報が記録されてもよい。
事業者サーバ37は、例えば、定期車料金管理DB39に記録されている定期車について支払い締め日を経過すると、この定期車の当月分の駐車料金の精算を駐車料金算出部38によって実行し、定期車の定期種別に基づいて当月分の定期料金の額を取得して定期車料金管理DB39に記録する。事業者サーバ37は、精算対象の定期車の定期ID等の定期情報をネットワークを介して駐車場管理装置4に通知して、この定期車(定期ID)に対応する追徴料金情報及び割引料金情報等の精算情報を駐車場管理装置4の追徴料金DB35及び割引料金DB36からネットワークを介して取得する。
駐車料金算出部38は、駐車場管理装置4から得られた追徴料金情報及び割引料金情報に基づいて、当月分の追徴料金及び割引料金を算出して定期車料金管理DB39に記録する。また、駐車料金算出部38は、定期車料金管理DB39に記録された当月分の定期料金(月次契約料金)と、当月分の追徴料金及び割引料金とに基づいて当月分の駐車料金の請求額(月次請求額)を算出し、定期車料金管理DB39に記録する。
また、事業者サーバ37は、定期車料金管理DB39に記録されている支払い金融機関39にアクセスして当月分の請求額に係るデータを通知する。支払い金融機関40は通知された請求額の決済を決済日に行い、例えば、信販会社であればクレジット決済を行い、銀行であれば口座自動振替を行う。事業者サーバ37は、決済後に支払い金融機関40にアクセスして決済確認を照会し、金融機関40から支払い済み又は未払い等の決済確認結果が通知されると、この決済確認結果を定期車料金管理DB39に記録する。
更に、事業者サーバ37は、定期車料金管理DB39に記録されている定期車の定期有効期限が更新されずに経過した場合や、上記の請求額の決済ができなかった場合には、この定期車の定期券を無効にして、定期車料金管理DB39に無効情報を記録し、また、この無効情報を駐車場管理装置4に通知して定期車DB33に記録させる。
図10は、第1の実施形態において、定期車が駐車場2から出場する際の調整料金算出処理の例を示すフローチャートである。この例では、例えば、図4に示すような休日の駐車領域契約条件テーブルが用いられ、定期車が契約領域より上位の駐車領域に駐車した場合には追徴料金が発生し、下位の駐車領域に駐車した場合には割引料金が発生するものとする。
先ず、利用者が正常な定期IDを有する定期券を第1出口定期券読取機22で読み取らせて定期車が駐車場2から出場するとき(ステップS1)、出口精算機21は、出場時刻及び定期ID等の出場情報を駐車場管理装置4へと通知する。以下、駐車場管理装置4における処理について説明する。
駐車場管理装置4では、出口精算機21から定期車の出場情報が通知されると、定期車の定期IDに対応する在車DB32のデータが履歴DB34に記録される。そして、定期IDに基づいて定期車DB33を参照して定期種別が取得され、その定期種別から定期車の契約領域が第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10のいずれであるかが特定される(ステップS2)。
また、定期車(定期ID)に対応する履歴DB34のデータから、第3駐車領域10の入場時刻や出場時刻、即ち第3駐車領域10での駐車履歴の有無を判定する(ステップS3)。
そして、第3駐車領域10での駐車履歴がある場合(ステップS3:YES)、第3駐車領域10が定期車の契約領域の上位であるか否かを判定する(ステップS4)。第3駐車領域10が契約領域の上位であれば(ステップS4:YES)、履歴DB34に記録された第3駐車領域10の入場時刻や出場時刻から駐車時間を算出し、この駐車時間に相当する追徴料金を駐車領域契約条件テーブルに基づいて算出して追徴料金DB35に記録する(ステップS5)。また、第3駐車領域10が契約領域の上位でなければ(ステップS4:NO)、定期料金がそのまま適用されるため、調整料金は発生しない(ステップS6)。
第3駐車領域10での駐車履歴がない場合には(ステップS3:NO)、次に、定期車に対応する履歴DB34のデータから、第2駐車領域9の入場時刻や出場時刻、即ち第2駐車領域9での駐車履歴の有無を判定する(ステップS7)。
そして、第2駐車領域9での駐車履歴がある場合(ステップS7:YES)、第2駐車領域9が定期車の契約領域の上位であるか否かを判定する(ステップS8)。第2駐車領域9が契約領域の上位であれば(ステップS8:YES)、履歴DB34に記録された第2駐車領域9の入場時刻や出場時刻から駐車時間を算出し、この駐車時間に相当する追徴料金を駐車領域契約条件テーブルに基づいて算出して追徴料金DB35に記録する(ステップS9)。
他方、第2駐車領域9が契約領域の上位でなければ(ステップS8:NO)、第2駐車領域9が定期車の契約領域の下位であるか否かを判定する(ステップS10)。第2駐車領域9が契約領域の下位であれば(ステップS10:YES)、履歴DB34に記録された第2駐車領域9の入場時刻や出場時刻から駐車時間を算出し、この駐車時間に相当する割引料金を駐車領域契約条件テーブルに基づいて算出して割引料金DB36に記録する(ステップS11)。また、第2駐車領域9が契約領域の下位でなければ(ステップS10:NO)、定期料金がそのまま適用されるため、調整料金は発生しない(ステップS6)。
第2駐車領域9での駐車履歴がない場合には(ステップS7:NO)、第1駐車領域8が定期車の契約領域の下位であるか否かを判定する(ステップS12)。第1駐車領域8が契約領域の下位であれば(ステップS12:YES)、履歴DB34に記録された第1駐車領域8の入場時刻や出場時刻から駐車時間を算出し、この駐車時間に相当する割引料金を駐車領域契約条件テーブルに基づいて算出して割引料金DB36に記録する(ステップS13)。また、第1駐車領域8が契約領域の下位でなければ(ステップS12:NO)、定期料金がそのまま適用されるため、調整料金は発生しない(ステップS6)。
本実施形態によれば、上述のように、駐車場管理装置4は、定期車の入出場管理手段として第1入口定期券読取機18、第1出口定期券読取機22、第2入口定期券読取機25及び第2出口定期券読取機28を備えて、第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10等の複数の駐車領域における定期車の入出場を検出する。駐車場管理装置4は、その検出結果に基づいて定期車の契約領域以外の駐車に係る追徴料金や割引料金等の調整料金を算出する。そして、事業者サーバ37の駐車料金算出部38は、所定期間内に発生した調整料金を定期料金と合わせて定期車に対する請求額として算出する。そのため、駐車場2の定期車の契約者は、契約領域以外の駐車に係る複雑な調整料金を定期料金と合わせて、定期料金の支払い方法であるクレジット決済や口座引き落とし等によって、一括で容易に精算することができる。そのため、定期車が契約領域以外で駐車しても出場時の煩わしい精算処理が省略されるという定期契約の利点を契約者に提供することができる。
また、本実施形態によれば、定期車の契約領域以外の駐車にかかる調整料金は、定期料金の支払い時に一括して支払われるため、短時間単位や少額単位で、例えば、10分単位又は分単位や、100円以下の単位で設定することができ、定期車の利用時間に適切に対応した細かい駐車料金を設定することができる。また、駐車券を利用する一般車とは異なり、少額の支払いの際に生ずる煩わしさがなく、利用者は円滑に出場することができ、駐車場2全体における車両の流れも円滑となる。
更に、本実施形態によれば、駐車場2の経営者は、複数の駐車領域(第1駐車領域8、第2駐車領域9及び第3駐車領域10)のそれぞれを契約領域とする各定期種別について、他の駐車領域で駐車した場合の調整料金をフレキシブルに設定する運用が可能となる。また、定期車の契約者は、定期車の駐車が契約領域に限定されず、利用形態に応じて適宜、他の駐車領域を選択することができ、調整料金が適切に反映された駐車料金を支払うこととなる。
例えば、第1駐車領域8を契約領域とする定期種別Aでの契約者は、荷物搬入のために第2駐車領域9を利用したい場合には、わずかな差額の調整料金の支払いにより第2駐車領域9を利用可能となり、その支払いは定期料金と共に一括して精算される。また、例えば、第2駐車領域9を契約領域とする定期種別Bでの契約者は、利便性の良い第2駐車領域9を休日に開放し、第1駐車領域8に駐車することにより、インセンティブとして割引料金が発生し、その割引は定期料金と共に一括して精算される。
従って、駐車場2では、利便性の良い第2駐車領域9について一般車の利用を促して、第1駐車領域8における一般車の混雑を緩和することができ、一般車が第2駐車領域9を利用することで駐車場経営者や管理運営機関の収益に寄与することができ、また、定期種別Bでの契約者の駐車料金を削減することで契約者に便宜を図ることができる。このように、契約者には駐車領域を選択できる利点があるため、様々な利用形態を所望する様々な利用者に駐車場2の契約を提供できるようになる。これにより、駐車場2では、複数の駐車領域において利用率が均一化され、駐車場2全体の利用率を高めることができる。
また、本実施形態では、上記したように、駐車場管理装置4が、定期車の利用履歴として、第1車両入口5の入場時刻、第1車両出口6の出場時刻、第2車両入口14入場時刻及び第2車両出口15の出場時刻を履歴DB34に記録していて、この定期車が契約領域以外の駐車領域に駐車した場合の調整料金を追徴料金DB35及び割引料金DB36に記録している。そのため、定期車の利用履歴を参照することができるので、定期車の駐車料金の精算時には、記録された調整料金の額を取得することにより、駐車料金の算出が容易となる。
このように、定期車の利用履歴を参照することで定期車の行動履歴や行動パターンの把握が可能であり、定期車が他の定期種別を選択していた場合にかかる駐車料金を、これらの利用履歴に基づくシミュレーションにより算出することができる。従って、駐車場管理装置4又は事業者サーバ37にこのような算出を行う駐車料金シミュレーターを備えて、定期契約を更新しようとする契約者に、適切な定期種別を選択させることが可能となる。
例えば、第2駐車領域9を契約領域とする定期種別Bの定期車(定期ID)について、履歴DB34、追徴料金DB35及び割引料金DB36を参照して、第2駐車領域9での駐車時間よりも第1駐車領域8での駐車時間の方が長く、定期種別Bの契約条件で算出される駐車料金よりも、定期種別Aの契約条件で算出される駐車料金の方が安い場合に、契約者は定期種別Aを選択して契約更新できることとなる。また、この場合、定期種別Bでの契約者枠に空きができるため、他の契約者が定期種別Bを選択して契約できることとなる。
また、駐車場管理装置4又は事業者サーバ37は、駐車料金シミュレーターのシミュレーション結果を、印刷出力、Web上での画面表示、Eメール送信等の様々な手法で契約者に提示することができる。駐車場管理装置4又は事業者サーバ37は、駐車料金シミュレーターのシミュレーション結果をWeb上で画面表示した際に、次月契約継続更新等のWeb申し込み画面に自動的に移行する等の、ユーザーフレンドリーなオプションを提供することも可能となり、駐車場運営管理機関のサービスの幅を広げることができる。
このように、駐車料金シミュレーターは、履歴DB34、追徴料金DB35及び割引料金DB36を利用することにより、契約者に適切な定期種別の選択の機会を設けることが容易になり、様々な利用形態を所望する様々な利用者に駐車場2の契約を提供できるようになる。従って、駐車場2の利用率が均一化され、駐車場2全体の利用率を高めることができる。なお、上記したような駐車料金シミュレーターは、契約者だけでなく、契約を予定する利用者に対しても、利用を予定する駐車領域や時刻を入力することにより、駐車料金のシミュレーションが可能となる。
本実施形態では、事業者サーバ37が駐車場2の外部に設けられる構成を説明したが、事業者サーバ37は、駐車場2の構内に設けられてもよく、また、駐車場管理装置4と一体化して構成されてもよい。あるいは、駐車料金算出部38を、事業者サーバ37ではなく駐車場管理装置4に備えて構成されてもよい。
また、本実施形態では、事業者サーバ37が信販会社や銀行等の金融機関40とアクセスして、定期車の駐車料金を決済する構成を説明したが、定期車の駐車料金の請求書を利用者に発行するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、駐車料金算出部38が当月分の調整料金を当月分の定期料金と合わせて駐車料金の請求額を算出する構成を説明したが、駐車料金算出部38は、当月分の調整料金を次月分の定期料金と合わせて駐車料金の請求額を算出する等、契約車の要望に合わせた決済処理を行うように構成されてよい。
また、本実施形態では、定期車の入出場を検出して管理する入出場管理手段として第1入口定期券読取機18、第1出口定期券読取機22、第2入口定期券読取機25及び第2出口定期券読取機28を備える構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、図11に示されるように、定期車の入出場管理手段として、車両のナンバーを撮影して検知するカメラ等の車両ナンバー検知装置41、42、43及び44を第1車両入口5、第1車両出口6、第2車両入口14及び第2車両出口15にそれぞれ備えて構成されてもよい。
このような他の実施形態では、例えば、駐車場管理装置4の定期車DB33や事業者サーバ37の定期車料金管理DB39は、定期車毎に定期IDと車両ナンバーとを対応付けて予め記録する。そして、車両ナンバー検知装置41、42、43及び44は、第1車両入口5、第1車両出口6、第2車両入口14及び第2車両出口15を通過する車両のナンバーを撮影して検知すると、その検知結果を駐車場管理装置4へと通知する。駐車場管理装置4は、車両ナンバー検知装置41、42、43及び44の検知結果である車両ナンバーが、定期車DB33に記録された車両ナンバーと一致すると、定期IDの正常判定を行い、駐車券発行機17、出口精算機21、車両ナンバー検知装置43及び44へと通知する。駐車券発行機17、出口精算機21、車両ナンバー検知装置43及び44は、定期IDの正常判定に応じて、第1入口ゲート16、第1出口ゲート20、第2入口ゲート24及び第2出口ゲート27の各ゲート開閉機19、23、26及び29を開動作させる。
このように、他の実施形態によれば、定期車の契約者は、停車や操作をすることなく正常な定期車であることを駐車場管理装置4に認識させて、第1入口ゲート16、第1出口ゲート20、第2入口ゲート24及び第2出口ゲート27の各ゲート開閉機19、23、26及び29を開動作させて、ノンストップで入出場することができ、契約者に特有の良好な利便性が提供される。
また、一般車が第2駐車領域9に進入して駐車した場合にも、車両ナンバー検知装置41、42、43及び44が一般車の車両ナンバーを検知して、駐車場管理装置4の在車DB32や履歴DB34に記録する。これにより、一般車の駐車料金を出口精算機21や事前精算機30、31を用いて精算する際に、第1駐車領域8での駐車料金に追徴料金を課金して請求することができる。なお、一般車の追徴料金は、図3や図4の駐車領域契約条件テーブルとは異なり、段階的な料金となっていて料金の端数が出ないように設定し、且つ、定期車に比べて小額で設定することが望ましい。
更に、例えば、更なる実施形態では、定期車の入出場管理手段として、ETC車載器を搭載した定期車と情報通信するETC通信装置を第1車両入口5、第1車両出口6、第2車両入口14及び第2車両出口15にそれぞれ備えて構成されてもよい。
このような更なる実施形態では、駐車場管理装置4の定期車DB33や事業者サーバ37の定期車料金管理DB39は、定期車毎に定期IDとETCカードに記憶された定期車を特定するETC情報(若しくはETC車載器情報)とを対応付けて予め記録する。そして、各ETC通信装置は、第1車両入口5、第1車両出口6、第2車両入口14及び第2車両出口15を通過する車両から定期車のETC情報を受信すると、その検知結果を駐車場管理装置4へと通知する。駐車場管理装置4は、各ETC通信装置の検知結果であるETC情報が、定期車DB33に記録されたETC情報と一致すると、定期IDの正常判定を行い、駐車券発行機17、出口精算機21やETC通信装置へと通知する。駐車券発行機17及び出口精算機21や、各ETC通信装置は、定期IDの正常判定に応じて、第1入口ゲート16、第1出口ゲート20、第2入口ゲート24及び第2出口ゲート27の各ゲート開閉機19、23、26及び29を開動作させる。
このように、更なる実施形態によれば、上記の他の実施形態と同様に、定期車の契約者は、停車や操作をすることなく、第1入口ゲート16、第1出口ゲート20、第2入口ゲート24及び第2出口ゲート27の各ゲート開閉機19、23、26及び29を開動作させて、ノンストップで入出場することができ、契約者に特有の良好な利便性が提供される。
なお、定期車の入出場管理手段としては、上記した定期券読取機、車両ナンバー検知装置及びETC通信装置を組み合わせて構成されてもよい。例えば、車両ナンバー検知装置及びETC通信装置を備えて、ETC車載器搭載車はETC情報で判断し、非搭載車は車両ナンバーで定期車を判断してもよい。
上記した実施形態では、所定の駐車領域を契約領域とする定期車について、他の駐車領域での駐車を検出した際に、追徴料金や割引料金等の調整料金を発生させる構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、一の時間帯を契約する定期種別(時間帯別定期種別)で定期契約した定期車(時間帯別契約車両)について、他の時間帯での駐車に対して発生するように調整料金(時間帯別調整料金)を予め設定し、駐車場管理装置4は、一の時間帯で定期契約した定期車の、他の時間帯での駐車に対して調整料金を算出するように構成されてもよい。
例えば、一の時間帯として平日の駐車を予定して定期契約した定期車について、他の時間帯として休日での駐車を検出した場合の駐車料金を、出場時の精算ではなく、定期料金の支払い時に追徴料金として合わせて一括精算するように構成されてもよい。これらの時間帯は、平日と休日とが逆の組み合わせでもよく、また、日中と夜間との組み合わせでもよい。
このように、契約者には時間帯を選択できる利点があるため、様々な利用形態を所望する様々な利用者に駐車場2の契約を提供できるようになる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。