次に、本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、レセプト分析システム10は、請求・査定情報管理装置100と、レセプトを発行・管理するレセプト管理装置200と、レセプトの分析を行うレセプト分析装置300とを主に備えて構成されている。請求・査定情報管理装置100、レセプト管理装置200およびレセプト分析装置300は、互いにデータ通信可能に接続されている。請求・査定情報管理装置100、レセプト管理装置200およびレセプト分析装置300は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、記憶装置などを有するコンピュータからなり、あらかじめROMや記憶装置に記憶させておいたコンピュータプログラムをRAMに読み込んで実行することで各手段が実現される。
レセプト管理装置200は、レセプトの発行や、レセプトデータの蓄積などを行う公知の装置である。レセプト管理装置200は、記憶装置290を備えている。記憶装置290には、レセプトデータ、例えば、カルテ番号の情報や、患者コードや患者の氏名などの患者を特定する情報、医師コードなどの医師を特定する情報、診療科コードなどの診療科を特定する情報、病棟コード、医師が行った医療行為の内容の情報、行った医療行為に対する診療報酬額の情報などが蓄積されている。
請求・査定情報管理装置100は、審査支払機関から提供されるCSV形式の増減点連絡書データから情報を抽出して取得し、取得した情報を記憶装置190に記憶されているテーブルに格納することで、記憶装置190に記憶させる。テーブルは、レセ単位テーブル、箇所単位テーブル、項目単位テーブルからなる。
図2に示すように、レセ単位テーブルは、レセプトを識別するためのレセプト識別情報が格納されるテーブルである。具体的に、レセ単位テーブルには、レセプト識別情報として、例えば、「カルテ番号等」や「診療科コード」などが格納される。
図3に示すように、箇所単位テーブルは、1レセプト中の、診療報酬を計算するための基準となる一群の医療行為について、診療報酬を請求したときの内容と、審査支払機関による査定後の内容とが異なる場合に、その内容の情報が格納されるテーブルである。具体的に、箇所単位テーブルには、例えば、査定事由(増減点事由)を示す「事由コード」や、「請求時点数」、「請求時回数」、「査定後点数」、「査定後回数」などが格納される。箇所単位テーブルのレコードは、1レセプト中に複数の査定箇所がある場合には、1レセプト(レセ単位テーブルの1レコード)に対して査定箇所ごとに複数作成される。
図4に示すように、項目単位テーブルは、査定箇所の具体的な、診療報酬を請求したときの内容と審査支払機関による査定後の内容の情報が格納されるテーブルである。この項目単位テーブルには、例えば、請求時および査定後の、医薬品名や診療行為名などの医療行為に関する項目名(以下、単に「項目名」という。)や、請求時および査定後の単価、単位名称、数量、点数、回数などの情報が格納される。項目単位テーブルのレコードは、1査定箇所中に複数の項目名が含まれている場合には、1査定箇所(箇所単位テーブルの1レコード)に対して項目名ごとに複数作成される。
図1に戻り、請求・査定情報管理装置100は、増減点連絡書データから情報を取得して各テーブルに格納するため、増減点連絡書データ取得手段110と、レコード種別情報取得手段120と、レセプト識別情報取得手段の一例としてのレセ単位データ取得手段130と、箇所単位データ生成手段140と、項目単位データ取得手段150と、情報格納手段160とを主に備える。
増減点連絡書データ取得手段110は、CSV形式の増減点連絡書データを取得する手段である。増減点連絡書データ取得手段110は、インターネットなどのネットワークを通じて増減点連絡書データを取得する構成であってもよいし、CDやDVDなどの記憶媒体に記憶された増減点連絡書データを読み出して取得する構成であってもよい。また、あらかじめ記憶装置190に記憶させておいた増減点連絡書データを記憶装置190から読み出して取得する構成であってもよい。
図5には、CSV形式の増減点連絡書データの一例を示している。増減点連絡書データのファイル名やファイル構成などは、審査支払機関によってあらかじめ定められている(例えば、「オンライン請求システム操作手順書」 別添 印刷対象帳票・CSV作成対象ファイル<医療機関(医科・DPC)用> 平成27年2月版、p.15-17,51-56、[online]、平成26年5月7日、社会保険診療報酬支払基金・都道府県国民健康保険団体連合会、[平成27年5月14日検索]、インターネット<URL:http://www.ssk.or.jp/rezept/iryokikan/download/files/claimsys28_11.pdf>参照)。
図6に示すように、増減点連絡書データには、「RIzognabbcdddddddGYYMM.csv」または「RDzognabbcdddddddGYYMM.csv」のファイル名が付けられている。「RI」は医科のサブシステムIDを意味し、「RD」はDPC(Diagnosis Procedure Combination)のサブシステムIDを意味する。また、「a」は審査支払機関コードを意味し、社会保険診療報酬支払基金の場合は1となり、国民健康保険団体連合会の場合は2となる。また、「bb」は01から47までの都道府県番号を意味し、「ddddddd」は7桁の医療機関コードを意味する。また、「G」は元号(平成であれば4)を意味し、「YYMM」は処理年月を意味する。例えば、「GYYMM」=「42606」であれば、平成26年6月を意味する。
図5および図7に示すように、増減点連絡書データは、各ロウ(行)の先頭の「レコード種別」が1のヘッダと、「レコード種別」が2のデータレコードのタイトル部と、「レコード種別」が3から6のいずれかであるデータレコードの明細部とを有する。レコード種別1のヘッダは、項番1から項番9までのカラムを有し、例えば、項番7は、診療科コードが格納される「診療科コード」カラムとなっている。レコード種別3〜6の明細部は、項番1から項番30までのカラムを有し、例えば、項番19は、カルテ番号などが格納される「カルテ番号等」カラムとなっている。また、項番26は、医療機関が診療報酬を請求したときの項目名などを含む文字列が格納される「請求内容」カラムとなっており、項番28は、審査支払機関による査定後の項目名などを含む文字列が格納される「補正・査定後内容」カラムとなっている。レコード種別2のタイトル部は、明細部と同様に、項番1から項番30までのカラムを有し、項番2以降の各カラムに、図7(b)の項番2から項番30までの項目名称に対応する項目名称が文字列として順に格納されている。
図1に戻り、レコード種別情報取得手段120は、増減点連絡書データから、「レコード種別」を取得する手段である。ここで、レコード種別情報取得手段120、レセ単位データ取得手段130、箇所単位データ生成手段140、項目単位データ取得手段150、情報格納手段160などは、それぞれ、記憶装置190にアクセス可能であり、記憶装置190を介してのデータのやりとりが可能である。レセ単位データ取得手段130、箇所単位データ生成手段140、項目単位データ取得手段150および情報格納手段160は、レコード種別情報取得手段120が取得した「レコード種別」に基づいて処理を実行する。レコード種別情報取得手段120は、レセ単位データ取得手段130、箇所単位データ生成手段140、項目単位データ取得手段150および情報格納手段160での処理が完了した場合、現在のロウの処理を終了して、次のロウの「レコード種別」を取得する。つまり、請求・査定情報管理装置100は、増減点連絡書データのロウを先頭から順に読み込んで1ロウずつ順に処理を行うように構成されている。
レコード種別情報取得手段120は、レセ単位データ取得手段130、箇所単位データ生成手段140、項目単位データ取得手段150および情報格納手段160での通常の処理が完了した場合のほか、以下の条件(1)〜(4)のいずれかを満たした場合にも、現在のロウの処理を終了して、次のロウの「レコード種別」を取得する。
(1)増減点連絡書データの「レコード種別」が2である場合。
(2)後述する、第1請求時文字列設定手段151が「請求内容」から文字列を抽出できず、かつ、第1査定後文字列設定手段152が「補正・査定後内容」から文字列を抽出できない場合(「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方が空欄である場合)。
(3)データレコードの明細部の「箇所1」(項番20)から情報を取得できない場合(「箇所1」が空欄である場合)。
(4)第1請求時文字列設定手段151が「請求内容」から抽出した文字列の先頭に“公費給付対象”または“負担金額(第”の文字列がある場合。
レセ単位データ取得手段130は、増減点連絡書データから、レセプト識別情報、つまり、レセ単位テーブルに格納する情報であるレセ単位データを取得する手段である。具体的に、レセ単位データ取得手段130は、増減点連絡書データの「レコード種別」カラムの情報が1である場合、増減点連絡書データのヘッダの「診療科コード」カラムの情報を取得する。また、レセ単位データ取得手段130は、増減点連絡書データの明細部の「カルテ番号等」から情報を取得できる場合(「カルテ番号等」が空欄でない場合)には、当該カラムの情報を含むレセ単位テーブルに格納する情報を取得する。より詳細に、レセ単位データ取得手段130は、増減点連絡書データのファイル名から、図2に示した、「都道府県」、「医療機関コード」、「請求年月」、「審査支払機関」および「ファイル種別」を取得し、データレコードの明細部から、「入外区分」、「カルテ番号等」、診療科を特定する情報、患者の「氏名」、保険者番号などを取得する。
図2〜図4において、左側の列は、各テーブルのフィールドの名称を示しており、右側の列は、主に、各フィールドの情報の取得先を示している。ここで、「請求年月」は、元号で表された年月(GYYMM)を、西暦で表される年月(yyyyMM)に変換して取得する。また、「ファイル種別」は、ファイル名の冒頭の2文字が「RI」の場合を1とし、「RD」の場合を2として取得する。また、「入外区分」は、明細部の「区分」カラムに格納される文字列に、“入”が含まれる場合を1とし、“外”が含まれる場合を2として取得する。また、「医師コード」、「病棟コード」および「患者コード」については、取得したカルテ番号などの情報から、レセプト管理装置200の記憶装置290に記憶されているデータを検索して取得する。
レセ単位データ取得手段130は、レセ単位データを取得するときに、レセ単位テーブル、箇所単位テーブルおよび項目単位テーブルを関連づけるための情報として、「登録キー」と「レセプト連番」を生成する。「登録キー」は、1つの増減点連絡書データ(1ファイル)に固有のキーであり、「都道府県」(bb)、「医療機関コード」(ddddddd)、「請求年月」(yyyyMM)、「審査支払機関」(a)および「ファイル種別」(1または2)から、17桁のコード「bbdddddddyyyyMMa1」または「bbdddddddyyyyMMa2」として生成される。また、「レセプト連番」は、同一の登録キー内において、レセ単位テーブルの1レコード(1レセプト)ごとに設定される固有の連番である。
項目単位データ取得手段150は、項目単位テーブルに格納する情報である項目単位データを取得する手段である。図8に示すように、項目単位データ取得手段150は、第1請求時文字列設定手段151と、第1査定後文字列設定手段152と、第2請求時文字列設定手段153と、第2査定後文字列設定手段154と、請求時金額関連情報取得手段155と、査定後金額関連情報取得手段156と、請求時項目名情報取得手段157と、査定後項目名情報取得手段158とを主に備える。
第1請求時文字列設定手段151は、増減点連絡書データの明細部の「請求内容」カラムに格納された、例えば、図5に示す、“フルマゼニル静注液0.2mg「ケミファ」_2mL_1管”や“サイレース静注2mg_1管_117×1”、“尿沈渣(鏡検法)_27×3”( _ はスペースを意味する。以下同様とする。)などのような文字列を抽出して、抽出した文字列を検索対象文字列に設定する手段である。また、第1査定後文字列設定手段152は、増減点連絡書データの明細部の「補正・査定後内容」カラム(「請求内容」カラムの2つ後ろのカラム)に格納された、例えば、“サイレース静注2mg_1管_35×1”や“尿沈渣(鏡検法)_27×2”などのような文字列を抽出して、抽出した文字列を検索対象文字列に設定する手段である。第1請求時文字列設定手段151と第1査定後文字列設定手段152は、1つの機能部であってもよい。第1請求時文字列設定手段151および第1査定後文字列設定手段152は、文字列を抽出できない場合(カラムが空欄である場合)には、その旨の情報をレコード種別情報取得手段120に出力する。また、第1請求時文字列設定手段151は、「請求内容」から抽出した文字列の先頭に“公費給付対象”または“負担金額(第”の文字列がある場合には、その旨の情報をレコード種別情報取得手段120に出力する。
第2請求時文字列設定手段153は、第1請求時文字列設定手段151が設定した検索対象文字列から、項目名を表す文字列と、金額に関連する情報を表す文字列である請求時金額関連文字列とを含む文字列を抽出して、抽出した文字列を検索対象文字列に設定する手段である。また、第2査定後文字列設定手段154は、第1査定後文字列設定手段152が設定した検索対象文字列から、項目名を表す文字列と、金額に関連する情報を表す文字列である査定後金額関連文字列とを含む文字列を抽出して、抽出した文字列を検索対象文字列に設定する手段である。第2請求時文字列設定手段153と第2査定後文字列設定手段154は、1つの機能部であってもよい。
より詳細に、第2請求時文字列設定手段153および第2査定後文字列設定手段154は、それぞれ、特定の文字列を取り除くことで、項目名を表す文字列と金額に関連する情報を表す文字列とを含む文字列を抽出する。そのため、第2請求時文字列設定手段153および第2査定後文字列設定手段154は、それぞれ、第1文字列除去手段161と第2文字列除去手段162を有する。
第1文字列除去手段161は、検索対象文字列の先頭に、例えば、“入外点検”や“総覧点検”、“突合点検”などのような、“点検”を含む連続する一群の文字列が含まれている場合には、“点検”を含む連続する一群の文字列を取り除く。これにより、例えば、「補正・査定後内容」から抽出した文字列が“総覧点検_パリエット錠10mg_1錠_14×56”であった場合、第2査定後文字列設定手段154は、“総覧点検”を取り除いた、“パリエット錠10mg_1錠_14×56”を検索対象文字列に設定する。第2請求時文字列設定手段153および第2査定後文字列設定手段154は、検索対象文字列の先頭に“点検”を含む連続する一群の文字列が含まれている場合には、その情報(図4の「請求時通覧点検」または「査定後通覧点検」)をコードとして、例えば、「入外点検」の場合を1とし、「総覧点検」の場合を2とし、「突合点検」の場合を3として取得する。
ここで、「連続する一群の文字列」とは、スペースを含まない一連なりの文字列をいうものとし、例えば、抽出した文字列が前述した“総覧点検_パリエット錠10mg_1錠_14×56”であった場合、“総覧点検”、“パリエット錠10mg”、“1錠”および“14×56”がそれぞれ連続する一群の文字列に該当する。また、本発明において、文字列は、1文字の場合を含む。
第2文字列除去手段162は、検索対象文字列に“(算定日”で始まる文字列が含まれている場合には、“(算定日”で始まる文字列を取り除く。これにより、例えば、「補正・査定後内容」から抽出した文字列が“通院精神療法(30分未満)_330×2_(算定日)_1日:1回_15日:1回”であった場合、第2査定後文字列設定手段154は、“(算定日”以降の文字列を取り除いた、“通院精神療法(30分未満)_330×2”を検索対象文字列に設定する。
請求時金額関連情報取得手段155は、第2請求時文字列設定手段153が設定した検索対象文字列から、請求時金額関連文字列を抽出し、金額に関連する情報である請求時金額関連情報を取得するとともに、請求時金額関連文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する手段である。また、査定後金額関連情報取得手段156は、第2査定後文字列設定手段154が設定した検索対象文字列から、査定後金額関連文字列を抽出し、金額に関連する情報である査定後金額関連情報を取得するとともに、査定後金額関連文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する手段である。請求時金額関連情報取得手段155と査定後金額関連情報取得手段156は、1つの機能部であってもよい。請求時金額関連情報取得手段155および査定後金額関連情報取得手段156は、それぞれ、単価情報取得手段171と、点数・回数情報取得手段172と、数量・単位名称情報取得手段173とを有する。
単価情報取得手段171は、検索対象文字列に、例えば、“175円/本”などのような、“円/”を含む連続する一群の文字列が含まれている場合には、“円/”を含む連続する一群の文字列を抽出し、“円/”の前の文字列を数値に変換して単価情報(図4の「請求時単価」または「査定後単価」)として取得する。そして、単価情報取得手段171は、“円/”を含む連続する一群の文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する。これにより、例えば、検索対象文字列が“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)_175円/本_1本_18×5”であった場合、単価情報取得手段171は、“円/”の前の“175”を数値に変換して単価情報として取得するとともに、“175円/本”を取り除いた、“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)_1本_18×5”を新たな検索対象文字列に設定する。
点数・回数情報取得手段172は、検索対象文字列の末尾に、例えば、“18×5”などのような、[数字]“×”[数字]で構成される連続する一群の文字列が含まれている場合には、[数字]“×”[数字]で構成される連続する一群の文字列を抽出し、“×”の前の文字列を数値に変換して点数情報(図4の「請求時点数」または「査定後点数」)として取得し、かつ、“×”の後の文字列を数値に変換して回数情報(「請求時回数」または「査定後回数」)として取得する。そして、点数・回数情報取得手段172は、[数字]“×”[数字]で構成される連続する一群の文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する。これにより、例えば、検索対象文字列が“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)_1本_18×5”であった場合、点数・回数情報取得手段172は、“×”の前の“18”を数値に変換して点数情報として取得し、かつ、“×”の後の“5”を数値に変換して回数情報として取得する。そして、点数・回数情報取得手段172は、“18×5”を取り除いた、“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)_1本”を新たな検索対象文字列に設定する。
数量・単位名称情報取得手段173は、検索対象文字列の末尾に、例えば、“1本”などのような、[数字][単位文字]で構成される連続する一群の文字列が含まれている場合には、[数字][単位文字]で構成される連続する一群の文字列を抽出し、[数字]を構成する文字列を数値に変換して数量情報(図4の「請求時数量」または「査定後数量」)として取得し、かつ、[単位文字]を構成する文字列を単位名称情報(「請求時単位名称」または「査定後単位名称」)として取得する。ここで、単位名称情報は、あらかじめ記憶装置190に記憶させておいた、本、管、袋、mL、筒、瓶、錠などの複数の単位文字の情報が格納されたマスタテーブルから取得する。そして、数量・単位名称情報取得手段173は、[数字][単位文字]で構成される連続する一群の文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する。これにより、例えば、検索対象文字列が“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)_1本”であった場合、数量・単位名称情報取得手段173は、“1本”のうち“1”を数値に変換して数量情報として取得し、かつ、“本”を単位名称情報としてマスタテーブルから取得する。そして、数量・単位名称情報取得手段173は、“1本”を取り除いた、“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”を新たな検索対象文字列に設定する。なお、単位名称情報は、あらかじめ記憶装置190に記憶させておいた、単位文字とそのコードとを関連づけたマスタテーブルから、コードとして取得してもよい。
請求時項目名情報取得手段157は、請求時金額関連情報取得手段155が設定した検索対象文字列から、請求時の項目名の情報である請求時項目名情報(図4の「請求時項目名」)を取得する手段である。また、査定後項目名情報取得手段158は、査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列から、査定後の項目名の情報である査定後項目名情報(「査定後項目名」)を取得する手段である。請求時項目名情報取得手段157と査定後項目名情報取得手段158は、1つの機能部であってもよい。詳細については後述するが、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、それぞれ、請求時金額関連情報取得手段155や査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列を検索文字列として、複数の項目名の情報が格納された項目名マスタから検索することで、請求時項目名情報または査定後項目名情報を取得する。
項目名マスタは、記憶装置190に記憶されており、図9(a)〜(c)に示すような、医薬品マスタ、診療行為マスタおよび特定器材マスタからなる。各マスタは、例えば、厚生労働省が提供する医療保険請求に係るマスタ(基本マスタ)から作成することができる(例えば、http://www.iryohoken.go.jp/shinryohoshu/searchMenu/参照)。医薬品マスタは、項目名(医薬品名)や、コード、単位名称、金額などを対応させたテーブルとして構成されている。また、診療行為マスタは、項目名(診療行為名)や、コード、点数、入外適用区分、DPC適用区分などを対応させたテーブルとして構成されている。また、特定器材マスタは、項目名(特定器材名)や、コード、単位名称、金額、別表番号などを対応させたテーブルとして構成されている。なお、前述した基本マスタには、同じ項目名のレコードが複数登録されている場合があるので、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、後述するように、単位名称や入外適用区分、DPC適用区分、別表番号を用いて請求時項目名情報や査定後項目名情報を取得する。
請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、検索対象文字列を検索文字列として、項目名マスタから検索し、一致する項目名がある場合には、当該項目名を請求時項目名情報または査定後項目名情報として取得する。このとき、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、対応するコードを図4の「請求時コード」または「査定後コード」として取得する。また、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、対応する金額または点数の情報を取得する。これにより、例えば、請求時金額関連情報取得手段155が設定した検索対象文字列が“パリエット錠10mg”であった場合、請求時項目名情報取得手段157は、“パリエット錠10mg”を検索文字列として項目名マスタから検索し、一致する項目名がある場合(図9(a)参照)には、当該項目名「パリエット錠10mg」を「請求時項目名」として取得する。このとき、請求時項目名情報取得手段157は、取得した項目名に対応するコード「610412202」を「請求時コード」として取得し、対応する金額または点数の情報「132.6」も取得する。
一方、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、検索対象文字列を検索文字列として、項目名マスタから検索し、一致する項目名がない場合には、検索文字列を連続する一群の文字列ごとに分割して最も先頭の文字列を取り除いた文字列を新たな検索文字列に設定する。そして、当該新たな検索文字列を、項目名マスタから検索し、一致する項目名がある場合には、当該項目名を請求時項目名情報または査定後項目名情報として取得する。このとき、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、前述したように、対応するコードや、金額または点数の情報も取得する。さらに、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、請求時金額関連情報取得手段155や査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列のうち、検索文字列(項目名を表す文字列)以外の文字列を、商品名規格サイズ情報(図4の「請求時商品名規格サイズ」または「査定後商品面規格サイズ」)として取得する。請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、請求時項目名情報や査定後項目名情報が取得できるまで、検索文字列を分割して新たな検索文字列を設定し、設定した検索文字列を項目名マスタから検索する処理を繰り返し実行する。
これにより、例えば、検索文字列が“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”であり、項目名マスタに一致する項目名がない場合には、請求時項目名情報取得手段157は、最も先頭の文字列“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)”を取り除いた文字列“栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”を新たな検索文字列に設定する。そして、検索文字列“栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”を、項目名マスタから検索し、一致する項目名がある場合(図9(c)参照)には、当該項目名「栄養カテーテル(経鼻用・一般用)」を「請求時項目名」として取得する。このとき、請求時項目名情報取得手段157は、対応するコード「733220000」や、金額または点数の情報「180」も取得する。さらに、請求時項目名情報取得手段157は、請求時金額関連情報取得手段155が設定した検索対象文字列“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)_栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”のうち、検索文字列“栄養カテーテル(経鼻用・一般用)”以外の文字列“胃・十二指腸カテーテルマーゲンゾンデE−7(2.5−4.5)”を「請求時商品名規格サイズ」として取得する。
請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、まず、医薬品マスタを検索して前述した項目名情報取得の処理を実行する。そして、医薬品マスタに一致する項目名があった場合には、コード「C」を図4の「請求時コード区分」または「査定後コード区分」として取得する。医薬品マスタに一致する項目名がない場合には、診療行為マスタを検索して項目名情報取得の処理を実行する。そして、診療行為マスタに一致する項目名があった場合には、コード「F」を「請求時コード区分」または「査定後コード区分」として取得する。診療行為マスタに一致する項目名がない場合には、特定器材マスタを検索して項目名情報取得の処理を実行する。そして、特定器材マスタに一致する項目名があった場合には、コード「D」を「請求時コード区分」または「査定後コード区分」として取得する。
ここで、項目名マスタに、同じ項目名のレコードが複数登録されている場合の請求時項目名情報や査定後項目名情報の取得(項目名とコードの取得)について説明する。
医薬品マスタに一致する項目名が1件である場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、一致する項目名と、対応するコードを取得する。一方、医薬品マスタに一致する項目名が複数件ある場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、数量・単位名称情報取得手段173が取得した単位名称と、医薬品マスタの単位名称が一致するレコードを検索する。そして、単位名称が一致するレコードが1件である場合には、当該レコードの項目名とコードを取得する。一方、単位名称が一致するレコードがない場合には、項目名が同じ複数のレコードのうち、先頭のレコードの項目名とコードを取得する。また、単位名称が一致するレコードが複数件ある場合には、最初に一致したレコードの項目名とコードを取得する。
診療行為マスタに一致する項目名が1件である場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、一致する項目名と、対応するコードを取得する。一方、診療行為マスタに一致する項目名が複数件ある場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、レセ単位データ取得手段130が取得した「入外区分」と、診療行為マスタの入外適用区分が一致するレコードを検索する。具体的には「入外区分」が1の場合は、入外適用区分が0または1のときに一致するとし、「入外区分」が2の場合は、入外適用区分が0または2のときに一致するとする。そして、「入外区分」と入外適用区分とが一致するレコードが1件である場合には、当該レコードの項目名とコードを取得する。一方、「入外区分」と入外適用区分とが一致するレコードがない場合には、項目名が同じ複数のレコードのうち、先頭のレコードの項目名とコードを取得する。また、「入外区分」と入外適用区分とが一致するレコードが複数件ある場合には、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、DPC適用区分が一致するレコードを検索する。具体的には、ユーザによりあらかじめ設定される、施設のDPC適用区分が「出来高」である場合(または、施設のDPC適用区分が「未設定」である場合)は、診療行為マスタのDPC適用区分が0、1または9のときに一致するとし、施設のDPC適用区分が「特定」である場合は、診療行為マスタのDPC適用区分が2のときに一致するとし、施設のDPC適用区分が「専門」である場合は、診療行為マスタのDPC適用区分が4のときに一致するとし、施設のDPC適用区分が「その他」である場合は、診療行為マスタのDPC適用区分が3のときに一致するとする。そして、施設のDPC適用区分と診療行為マスタのDPC適用区分とが一致するレコードが1件である場合には、当該レコードの項目名とコードを取得する。一方、施設のDPC適用区分と診療行為マスタのDPC適用区分とが一致するレコードがない場合には、「入外区分」と入外適用区分とが一致する複数のレコードのうち、先頭のレコードの項目名とコードを取得する。また、施設のDPC適用区分と診療行為マスタのDPC適用区分とが一致するレコードが複数件ある場合には、最初に一致したレコードの項目名とコードを取得する。
特定器材マスタに一致する項目名が1件である場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、一致する項目名と、対応するコードを取得する。一方、特定器材マスタに一致する項目名が複数件ある場合、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、後述するように箇所単位データ生成手段140が取得する「診療識別」(図3参照)と、診療行為マスタの別表番号が一致するレコードを検索する。具体的には「診療識別」が14の場合は、別表番号が1のときに一致するとし、「診療識別」が60、70、31、32、33、40、50または54の場合は、別表番号が2のときに一致するとする。そして、「診療識別」と別表番号とが一致するレコードが1件である場合には、当該レコードの項目名とコードを取得する。一方、「診療識別」と別表番号とが一致するレコードがない場合には、項目名が同じ複数のレコードのうち、先頭のレコードの項目名とコードを取得する。また、「診療識別」と別表番号とが一致するレコードが複数件ある場合には、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、数量・単位名称情報取得手段173が取得した単位名称と、医薬品マスタの単位名称が一致するレコードを検索する。そして、単位名称が一致するレコードが1件である場合には、当該レコードの項目名とコードを取得する。一方、単位名称が一致するレコードがない場合には、「診療識別」と別表番号とが一致する複数のレコードのうち、先頭のレコードの項目名とコードを取得する。また、単位名称が一致するレコードが複数件ある場合には、最初に一致したレコードの項目名とコードを取得する。
請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、医薬品マスタ、診療行為マスタ、特定器材マスタの順に検索を行い、最後に検索する特定器材マスタに一致する項目名がなく、検索文字列を連続する一群の文字列ごとに分割できない場合には、請求時金額関連情報取得手段155または査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列を請求時項目名情報または査定後項目名情報として取得する。このとき、ダミーコード「999999999」を「請求時コード」または「査定後コード」として取得し、コード「*」を「請求時コード区分」または「査定後コード区分」として取得する。
項目単位データ取得手段150は、上記以外にも、項目単位データとして、図4の「査定種別」および「変更箇所」を取得する。具体的には、「請求内容」から項目名が抽出されず、「補正・査定後内容」から項目名が抽出された場合には、コード「2」(追加)を「査定種別」として取得し、コード「0」(変更以外)を「変更箇所」として取得する。また、「請求内容」から項目名が抽出され、「補正・査定後内容」から項目名が抽出されない場合には、コード「3」(削除)を「査定種別」として取得し、コード「0」を「変更箇所」として取得する。また、「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方から項目名が抽出され、項目名に相違がある場合には、コード「1」(変更)を「査定種別」として取得し、コード「1」(項目)を「変更箇所」として取得する。また、「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方から項目名が抽出され、項目名は同一であるが数量に相違がある場合には、コード「1」を「査定種別」として取得し、コード「2」(数量)を「変更箇所」として取得する。また、「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方から項目名が抽出され、項目名と数量は同一であるが回数に相違がある場合には、コード「1」を「査定種別」として取得し、コード「3」(回数)を「変更箇所」として取得する。また、「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方から項目名が抽出され、項目名、数量および回数が同一である場合には、コード「0」(査定なし)を「査定種別」として取得し、コード「0」を「変更箇所」として取得する。
また、項目単位データ取得手段150は、図4の「項目連番」、「請求時金額」、「査定後金額」および「増減金額2」を生成する。「項目連番」は、同一の登録キー・レセプト連番・後述する箇所連番内において、項目単位テーブルのレコードごとに設定される固有の連番である。「請求時金額」は、「請求時数量」、「請求時回数」および、項目名マスタから取得した金額または点数の情報から計算により生成し、「査定後金額」は、「査定後数量」、「査定後回数」および、項目名マスタから取得した金額または点数の情報から計算により生成する。また、「増減金額2」は、「査定後金額」から「請求時金額」を引いて生成する。
図1に示すように、箇所単位データ生成手段140は、箇所単位テーブルに格納する情報である箇所単位データを生成する手段である。具体的に、箇所単位データ生成手段140は、レセ単位データが取得されている場合、増減点連絡書データの明細部の「箇所1」から図3の「診療識別」を取得し、レセ単位データから「登録キー」および「レセプト連番」を取得し、項目単位データから「事由コード」、「請求時点数」、「請求時回数」、「査定後点数」および「査定後回数」を取得する。また、箇所単位データ生成手段140は、「箇所連番」、「請求時金額」、「査定後金額」および「増減金額1」を生成する。「箇所連番」は、同一の登録キー・レセプト連番内において、箇所単位テーブルのレコードごとに設定される固有の連番である。「請求時金額」は、「請求時点数」と「請求時回数」から計算により生成し、「査定後金額」は、「査定後点数」と「査定後回数」から計算により生成する。また、「増減金額1」は、「査定後金額」から「請求時金額」を引いて生成する。
情報格納手段160は、「診療科コード」やカルテ番号などのレセプト識別情報と、請求時項目名情報(「請求時項目名」)と、「請求時単価」や「請求時点数」、「請求時回数」、「請求時数量」、「請求時単位名称」などの請求時金額関連情報と、査定後項目名情報(「査定後項目名」)と、「査定後単価」や「査定後点数」、「査定後回数」、「査定後数量」、「査定後単位名称」などの査定後金額関連情報とを関連づけて記憶装置190に記憶させる手段である。より詳細に、情報格納手段160は、増減点連絡書データの「レコード種別」カラムの情報が5であり、かつ、直前のロウの「レコード種別」カラムの情報が5でなかった場合に、レセ単位データ、箇所単位データおよび項目単位データを、レセ単位テーブル、箇所単位テーブルおよび項目単位テーブルの対応するフィールドに格納することで記憶装置190に記憶させる。このとき、情報格納手段160は、レセ単位テーブルの「登録日時」に、システム日時を登録する。ここで、図2の登録日時「yyyyMMddhhmmss」は、西暦yyyy年MM月dd日hh時mm分ss秒を意味する。
図1に示すように、レセプト分析装置300は、請求・査定情報管理装置100の記憶装置190に記憶された査定内容に関するデータと、レセプト管理装置200の記憶装置290に記憶されたレセプトデータとに基づいて、レセプト分析を行う装置である。レセプト分析装置300は、一例として、選択画面表示手段310と、分析結果出力手段320とを主に備える。
選択画面表示手段310は、レセプトの分析条件を選択するための選択画面を表示装置の一例としてのディスプレイ400に表示する手段である。具体的に、選択画面表示手段310は、ディスプレイ400上に、例えば、図10に示すような、選択画面410を表示する。選択画面410には、中央に、「項目名」と「コード」が配置され、その右側に、「(平成)26年06月」などの所定の請求年月に査定があったことを示すチェックボックスC1と「−1,640」などの増減金額が配置されるテーブル411が表示される。また、テーブル411の左側には、レセプトの分析条件をさらに絞り込むためのチェックボックスやラジオボタンなどが配置される条件絞り込み欄412が表示される。
条件絞り込み欄412においては、「社保」(社会保険)、「国保」(国民健康保険)、「入院」、「外来」、「DPC」、「対象データ」、「事由コード」(増減点事由)などのチェックボックスC2にチェックを入れたり、外したりすることで、分析条件をさらに絞り込むことができる。また、「期間」の入力欄C3に適当な数字を入れることで、テーブル411に表示させる請求年月を変更することができる。また、「表示項目」欄の「金額」のラジオボタンB2を押すとテーブル411のチェックボックスC1の右側に増減金額を表示させることができ、「箇所数」のラジオボタンB2を押すとテーブル411のチェックボックスC1の右側に増減金額の代わりに査定箇所の数を表示させることができる。また、「診療科」、「診療識別」、「医師」、「病棟」のラジオボタンB3を押すと、その上のドロップダウンリストD1に、診療科、診療識別、医師または病棟を選択するためのチェックボックスC4が複数表示され、これにチェックを入れたり、外したりすることで、診療科、診療識別、医師または病棟を絞り込むことができる。また、テーブル411の上に配置された検索ボックス413に任意の項目名を入力して検索ボタンB4を押すことで、一致する項目名のみをテーブル411に表示させることができる。
分析結果出力手段320は、選択画面410で選択されたレセプトの分析条件に基づいて記憶装置190,290に記憶された情報を検索することで、レセプト分析の結果を出力する手段である。具体的に、分析結果出力手段320は、選択画面410において、ユーザが、例えば、「フルマゼニル静注液0.2mg「ケミファ」 2mL」について、「26年06月」のチェックボックスC1にチェックを入れ、レセプト印刷ボタンB1を押すと、記憶装置190に記憶されたレセ単位テーブル、箇所単位テーブルおよび項目単位テーブルから、「フルマゼニル静注液0.2mg「ケミファ」 2mL」について、項目名が変更、追加または削除されたり、数量や回数が変更されたりしたレコードを検索して該当するものを抽出する。また、分析結果出力手段320は、項目名の変更などが行われたレコードに対応するレセプトデータを記憶装置290から抽出する。そして、分析結果出力手段320は、レセプトデータと、項目名の変更などが行われたレコードの情報とに基づいて、レセプトの内容(診療報酬請求時の項目名や数量、単位名称、点数、回数など)と、増減点連絡書の内容(審査支払機関による査定後の項目名、数量、単位名称、点数、回数など)を並べて、図11に示すような、レセプト形式の帳票420として出力する。分析結果の出力は、例えば、ディスプレイ400上に帳票420を表示する形で行ったり、レセプト分析装置300(レセプト分析システム10)に接続されたプリンタによって帳票420を印刷する形で行ったりすることができる。
帳票420には、「以下、増減点連絡書からの情報」との記載よりも上に、審査支払機関に提出したレセプトの内容が表示され、「以下、増減点連絡書からの情報」との記載以下の、分析内容欄421に増減点連絡書の内容(増減点連絡書データから取得した情報)が表示される。分析内容欄421は、請求時内容欄422と、査定後内容欄423とを主に有する。請求時内容欄422には、増減点連絡書データから取得した、診療報酬請求時の項目名や数量、単位名称が表示され、さらに、増減点事由が、査定対象となった項目名の前に、事由コード、例えば、「C」などとして表示される。また、請求時内容欄422の下に配置される査定後内容欄423には、増減点連絡書データから取得した、審査支払機関による査定後の項目名や数量、単位名称が表示される。図11に示す例では、請求時の項目「フルマゼニル静注液0.2mg「ケミファ」 2mL」が、査定の結果、削除さされたことが表示されている。分析結果出力手段320は、このような帳票420を、「フルマゼニル静注液0.2mg「ケミファ」 2mL」について「平成26年6月」に査定が行われたレセプトであって、条件絞り込み欄412で選択された範囲内で、すべて、帳票420として出力する。
このように、1つの帳票420にレセプトの内容と増減点連絡書の内容を並べて出力できることで、レセプトと増減点連絡書のチェックを容易に行うことができる。また、査定があったレセプトのみが出力されるため、レセプトと増減点連絡書とのチェックを行う際の医療機関などの負担を軽減することができる。
次に、以上のように構成されたレセプト分析システム10の動作(レセプト分析方法)、詳細には、増減点連絡書データから情報を取得して記憶する動作について、フローチャートを参照しながら説明する。なお、図12〜図14のフローチャートは、スタートからエンドまでの処理が、増減点連絡書データのロウの数だけ、繰り返し実行される。
増減点連絡書データから情報を取得するのに先立ち、増減点連絡書データ取得手段110は、ネットワークや記憶媒体、記憶装置190などから、CSV形式の増減点連絡書データ取得手段110を取得する(増減点連絡書データ取得ステップ)。
図12に示すように、レコード種別情報取得手段120は、取得された増減点連絡書データから、「レコード種別」を取得する(S111)。そして、レコード種別が「2」でない場合(S121,No)、ステップS131に進み、レコード種別が「2」である場合(S121,Yes)、現在のロウの処理を終了する(図14参照)。
ステップS131において、レコード種別が「3」または「5」である場合(Yes)であって、レセ単位データが取得済みである場合(S132,Yes)、箇所単位データ生成手段140は、レセ単位データと項目単位データから箇所単位データを生成する(S133)。一方、ステップS131において、レコード種別が「3」または「5」でない場合(No)、および、ステップS132において、レセ単位データが取得されていない場合(No)、ステップS141に進む。
ステップS141において、レコード種別が「5」である場合(Yes)、情報格納手段160は、直前のロウのレコード種別が「5」であったかを判定する(S142)。そして、直前のロウのレコード種別が「5」でなかった場合(S142,No)、情報格納手段160は、1レセプト分のレセ単位データ、箇所単位データおよび項目単位データを、レセ単位テーブル、箇所単位テーブルおよび項目単位テーブルのフィールドに格納することで記憶装置190に記憶させる(S143)(情報格納ステップ)。その後、情報格納手段160は、次のレセプトのデータを取得可能とするため、RAMの情報格納領域に格納された情報(取得データ)をクリアする(S144)。一方、ステップS141において、レコード種別が「5」でない場合(No)、および、ステップS142において、直前のロウのレコード種別が「5」であった場合(Yes)、図13のステップS151に進む。
ステップS151において、レコード種別が「3」である場合(Yes)、レコード種別情報取得手段120は、「箇所1」が空欄であるかを判定する(S152)。そして、「箇所1」が空欄でない場合(S152,No)、ステップS161に進み、「箇所1」が空欄である場合(S152,Yes)、現在のロウの処理を終了する。一方、ステップS151において、レコード種別が「3」でない場合(No)、ステップS161に進む。
ステップS161において、レコード種別が「4」である場合(Yes)、レコード種別情報取得手段120は、第1請求時文字列設定手段151が「請求内容」から抽出した文字列の先頭に“公費給付対象”または“負担金額(第”の文字列があるかを判定する(S162)。そして、「請求内容」の先頭に“公費給付対象”または“負担金額(第”がない場合(S162,No)、ステップS171に進み、「請求内容」の先頭に“公費給付対象”または“負担金額(第”がある場合(S162,Yes)、現在のロウの処理を終了する。一方、ステップS161において、レコード種別が「4」でない場合(No)、ステップS171に進む。
ステップS171において、レコード種別が「1」である場合(Yes)、レセ単位データ取得手段130は、「診療科コード」を取得する(S172)(レセプト識別情報取得ステップ)。一方、ステップS171において、レコード種別が「1」でない場合(No)、図14のステップS181に進む。
ステップS181において、レコード種別が「3」である場合(Yes)、レセ単位データ取得手段130は、「カルテ番号等」が空欄であるかを判定する(S182)。そして、「カルテ番号等」が空欄でない場合(S182,No)、レセ単位データ取得手段130は、レセ単位データを取得する(S183)(レセプト識別情報取得ステップ)。一方、ステップS181において、レコード種別が「3」でない場合(No)、および、ステップS182において、「カルテ番号等」が空欄である場合(Yes)、ステップS191に進む。
ステップS191において、レコード種別が「3」または「4」である場合(Yes)、第1請求時文字列設定手段151は、「請求内容」から文字列を抽出し、第1査定後文字列設定手段152は、「補正・査定後内容」から文字列を抽出する。このとき、「請求内容」および「補正・査定後内容」の両方が空欄である場合(どちらからも文字列が抽出できなかった場合)(S192,Yes)、現在のロウの処理を終了する。なお、ステップS191において、レコード種別が「3」または「4」でない場合(No)も、現在のロウの処理を終了する。一方、「請求内容」および「補正・査定後内容」の少なくとも一方から文字列を抽出できた場合(S192,No)、項目単位データ取得手段150は、項目単位データを取得する(S200)。
図15に示すように、ステップS200において、まず、第1請求時文字列設定手段151および第1査定後文字列設定手段152は、「請求内容」および「補正・査定後内容」から抽出した文字列を検索対象文字列に設定する(S210)(第1請求時文字列設定ステップ・第1査定後文字列設定ステップ)。
次に、第2請求時文字列設定手段153および第2査定後文字列設定手段154は、検索対象文字列から、項目名を表す文字列と金額関連文字列とを含む文字列を抽出して、抽出した文字列を検索対象文字列に設定する(第2請求時文字列設定ステップ・第2査定後文字列設定ステップ)。
具体的には、第1文字列除去手段161は、検索対象文字列の先頭から“点検”を含む連続する一群の文字列を抽出できた場合(S221,Yes)、その内容に応じて通覧点検情報(「請求時通覧点検」または「査定後通覧点検」)を取得し(S223)、抽出した文字列以外の文字列を検索対象文字列に設定する(S225)。一方、ステップS221において、検索対象文字列の先頭から“点検”を含む連続する一群の文字列を抽出できない場合(No)、ステップS231に進む。
第2文字列除去手段162は、検索対象文字列から“(算定日”で始まる文字列を抽出できた場合(S231,Yes)、抽出した文字列以外の文字列を検索対象文字列に設定する(S235)。一方、ステップS231において、検索対象文字列から“(算定日”で始まる文字列を抽出できない場合(No)、図16のステップS241に進む。
次に、請求時金額関連情報取得手段155および査定後金額関連情報取得手段156は、検索対象文字列から、単価、点数、回数、数量、単位名称などを表す金額関連文字列を抽出し、金額関連情報を取得するとともに、金額関連文字列を取り除いた文字列を検索対象文字列に設定する(請求時金額関連情報取得ステップ・査定後金額関連情報取得ステップ)。
具体的には、単価情報取得手段171は、検索対象文字列から“円/”を含む連続する一群の文字列を抽出できた場合(S241,Yes)、“円/”の前の文字列を数値に変換して単価情報を取得し(S243)、抽出した文字列以外の文字列を検索対象文字列に設定する(S245)。一方、ステップS241において、検索対象文字列から“円/”を含む連続する一群の文字列を抽出できない場合(No)、ステップS251に進む。
点数・回数情報取得手段172は、検索対象文字列の末尾から[数字]“×”[数字]で構成される連続する一群の文字列を抽出できた場合(S251,Yes)、“×”の前の文字列を数値に変換して点数情報を取得し(S253)、“×”の後の文字列を数値に変換して回数情報を取得する(S254)。そして、点数・回数情報取得手段172は、抽出した文字列以外の文字列を検索対象文字列に設定する(S255)。一方、ステップS251において、検索対象文字列の末尾から[数字]“×”[数字]で構成される連続する一群の文字列を抽出できない場合(S251,No)、ステップS261に進む。
数量・単位名称情報取得手段173は、検索対象文字列の末尾から[数字][単位文字]で構成される連続する一群の文字列を抽出できた場合(S261,Yes)、[数字]を構成する文字列を数値に変換して数量情報を取得し(S263)、[単位文字]を構成する文字列から単位名称情報を取得する(S264)。そして、数量・単位名称情報取得手段173は、抽出した文字列以外の文字列を検索対象文字列に設定する(S265)。一方、ステップS261において、検索対象文字列の末尾から[数字][単位文字]で構成される連続する一群の文字列を抽出できない場合(S261,No)、ステップS300に進む。
次に、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、検索対象文字列から、項目名情報を取得する(S300)(請求時項目名情報取得ステップ・査定後項目名情報取得ステップ)。
具体的には、図17に示すように、ステップS300において、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、請求時金額関連情報取得手段155や査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列を検索文字列に設定して(S311)、項目名マスタから検索する(S312)。そして、一致する項目名がある場合(S313,Yes)、当該項目名を項目名情報として取得し、また、対応するコードを取得して(S314)、現在のロウの処理を終了する。
一方、ステップS313において、一致する項目名がない場合(No)、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、検索文字列を連続する一群の文字列ごとに分割する(S321)。そして、分割できた場合(S322,Yes)、最も先頭の文字列以外の文字列を新たな検索文字列に設定する(S323)。その後、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、新たな検索文字列を項目名マスタから検索する(S324)。そして、一致する項目名がある場合(S325,Yes)、当該項目名を項目名情報として取得し、また、対応するコードを取得するとともに、請求時金額関連情報取得手段155や査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列のうち検索文字列以外の文字列を商品名規格サイズ情報として取得して(S326)、現在のロウの処理を終了する。一方、ステップS325において、一致する項目名がない場合(No)、ステップS321に進み、それ以降の処理を実行する。
ステップS322において、検索文字列を連続する一群の文字列ごとに分割できない場合(No)、請求時項目名情報取得手段157および査定後項目名情報取得手段158は、図18に示すように、マスタを変更する(S331)。具体的には、検索対象のマスタを、医薬品マスタから診療行為マスタに、または、診療行為マスタから特定器材マスタに変更する。そして、マスタを変更できた場合(S332,Yes)、図17のステップS311に進み、それ以降の処理を実行する。一方、ステップS332において、項目名マスタが特定器材マスタであり、別のマスタに変更できない場合(No)には、請求時金額関連情報取得手段155や査定後金額関連情報取得手段156が設定した検索対象文字列を項目名情報として取得するとともに、ダミーコードを取得して(S333)、現在のロウの処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、CSV形式の増減点連絡書データから、項目名の情報や金額に関連する情報を取得して、記憶装置190に記憶させることができる。そして、こうして取得した情報を、例えば、図11に示したように、レセプトの内容(請求時の内容)と増減点連絡書の内容(査定後の内容)を並べて出力することができるので、増減点連絡書データを利用したレセプト分析が可能となる。また、人手によるレセプトと増減点連絡書との突き合わせ作業が不要となるため、医療機関などの負担を大幅に軽減することができる。
以上に、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、図11に示したように、増減点連絡書データから取得した情報(増減点連絡書の内容)をレセプトの内容と並べて出力する例を示したが、増減点連絡書データから取得した情報の利用方法はこれに限定されるものではない。例えば、増減点連絡書データから取得した情報を、表の形式にまとめた上で出力したり、グラフの形式にまとめた上で出力したりしてもよい。
前記実施形態では、第2請求時文字列設定手段153および第2査定後文字列設定手段154の両方が、“点検”を含む連続する一群の文字列を取り除く、第1文字列除去手段161を有していたが、これに限定されるものではない。例えば、“点検”を含む連続する一群の文字列が査定後のみに設定されているのであれば、第2査定後文字列設定手段だけが第1文字列除去手段を有する構成であってもよい。他の手段についても、特定の文字列が、請求時および査定後の一方のみに設定されているのであれば同様とすることができる。
前記実施形態で示した各テーブルや各項目名マスタなどに格納される情報は、一例であり、前記実施形態のものに限定されるものではない。すなわち、各テーブルや各項目名マスタなどに格納される情報(項目名称)は、レセプト分析や項目名情報の取得などに必要な情報が含まれていれば、前記実施形態のものよりも、項目が多いものであってよいし、項目が少ないものであってもよい。また、前記実施形態では、テーブルがレセ単位テーブル、箇所単位テーブルおよび項目単位テーブルからなっていたが、これに限定されず、例えば、1つのテーブルで管理してもよい。また、前記実施形態では、項目名マスタが医薬品マスタ、診療行為マスタおよび特定器材マスタからなっていたが、これに限定されず、例えば、1つのマスタテーブルから構成されていてもよい。
前記実施形態では、本発明を医科用として適用した例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、例えば、調剤薬局用として適用することもできるし、歯科用として適用することもできる。