JP6234884B2 - タイヤ製造装置及びタイヤ製造方法 - Google Patents
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しかしながら、単純にロボットを用いて接合を行うと、タイヤ構成部材の後端部の中央が先に先端部に接触し、そのままロボットの動作を続けると、結果として、タイヤ構成部材の接合部の形状が崩れる。
本実施形態のタイヤ製造装置は、回転する被成形体にタイヤ構成部材を供給して先端部から順に巻き付け、所定形状及び構造の未加硫タイヤを成形する装置であり、自動で、タイヤ構成部材の先端部を被成形体に配置し、タイヤ構成部材を所定の位置(後端部)で切断し、タイヤ構成部材の後端部を先端部に接合する。
タイヤ製造装置1は、図示のように、軸線が水平に配置された支持体3と、支持体3を軸線周りに回転可能に支持する駆動部4と、支持体3の上方からタイヤ構成部材Gを供給する供給手段10とを備えている。また、タイヤ製造装置1は、タイヤ構成部材Gを配置、切断及び接合するタイヤ成形手段2と、タイヤ構成部材G等を撮影し、撮影した画像よりタイヤ構成部材Gの位置、幅、角度等を解析するタイヤ成形システム(図示せず)とを備えている。
サーバ11は、複数のプーリに架け渡された無端状のベルト、及び、一端側のプーリを回転させてベルトを循環駆動するモータ等からなる駆動手段(それぞれ図示せず)等から構成される。
また、案内板11aの表面には、ベルト部材Gの送給時において、案内板11a自体の抵抗によるベルト部材Gの伸びを抑制するため、コーティングが施され、さらに(不図示の)案内用のローラ等が付属されている。
その際、ハンド30A、30Bは、ベルト部材Gを保持する保持手段としての機能に加えて、ベルト部材Gを移動する移動手段としても機能し、配置前のベルト部材Gの先端部を移動及び保持して被成形体Hに貼り付ける。
支持部材31A、31Bは、保持部材32A、32Bと協働してベルト部材Gを把持し、後述するように、ハンド30A、30Bの移動に伴ってベルト部材Gを引き出したり、引き戻したりする。したがって、支持部材31A、31Bは、保持部材32A、32Bと共に、この把持機構の把持手段を構成する。
ベルト部材Gの接合時には、把持手段(支持部材31A、31Bと保持部材32A、32B)で把持したベルト部材Gを、ハンド30A、30Bにより被せ動作、引き動作、押し当て動作を行うことで、被成形体Hの曲面上で精度良く(開いたり、重なったりすることなく)接合することができる。
なお、保持部材32A、32B及び剥がし部材33A、33Bは、いずれもハンド30A、30Bに対して伸縮できるようにシリンダ機構(図示せず)を介して連結されている。
カッタユニットCは、図2Aに示すように、ハンド30Bに対して回転可能に連結されたレバー28Bの両端部にも切り込み用の刃を備えた板状の刃を有し、平らに置かれたベルト部材に対して端部の切り込み用の刃先を突掛けて切り込み、切り込んだ刃を起こしてハンド30Bを、予め定めた切断線に沿って往復移動させて切断する。図2Bは、ベルト部材Gを切断した後に、カッタユニットCを上方に旋回させた状態を示す。
タイヤ成形手段2は、カッタをベルト部材Gに対して所定の角度で挿入することで、カッタの再挿入時のベルト部材Gのコード跨ぎ(コード切断)を防止することができる。
即ち、図3Aは、先ず、剥がし部材33A、33Bが下降して、例えば、給送されてきて、停止したベルト部材Gの両端縁部を剥がし部材33A、33Bでサーバ11に押さえて保持した状態を示す。
図3Bは、次に、保持部材32A、32Bが下降して、例えば、給送されてきたベルト部材Gの両端縁部をマグネットで吸着し、同時に剥がし部材33A、33Bが上昇した状態を示す。
図3Cは、図3Bの状態から保持部材32A、32Bをシリンダ機構により上昇させてベルト部材Gを引き上げ、次に、支持部材31A、31Bを内側に移動して、それぞれの支持面31(1)A、31(1)Bが引き上げたベルト部材Gの下側に来た状態を示す。
図3Dは、保持部材32A、32Bを下降して、支持部材31A、32Bの支持面31(1)A、31(1)Bとの間でベルト部材Gを把持した状態を示す。
次に、保持部材32A、32Bで吸着したベルト部材Gを、例えば支持体3上に降ろすと共に、剥がし部材33A、33Bをベルト部材G状に下降させる。その状態で、保持部材32A、32Bを上昇させる。
保持部材32A、32Bの上昇に伴って、これに吸着されたベルト部材Gも上昇しようとするが、ベルト部材Gは剥がし部材33A、33Bにより支持体3上に固定保持されているため、結局、保持部材32A、32Bの上昇する吸着面から外れて図3Aと同様の状態になる。
撮影装置6は、供給手段10、サーバ11上に載置されたベルト部材G、及び被成形体Hを、上部及び側部から撮影することが可能なように移動可能に配置される。また、撮影装置6は、背景の角度変化に対応するため、取り付け角度を自由に調整することができ、また、ワーク位置(ベルト部材Gの配置、切断及び接合位置)までの距離変化に対応するため、ズーム(距離可変)機能も備えている。
撮影装置6は、ベルト部材Gの先端部(又は、後端部)等を撮影すると、撮影した画像を画像解析装置に転送する。
表示装置は、LCD(液晶表示装置)等任意であり、鋭角部のエッジ位置と鈍角部のエッジ位置の座標等を、ベルト部材Gの形状に併せて画面上に表示する。
以下の手順等は、制御装置(図示せず)により実行制御され、装置各部を予め設定されたタイミングや条件で関連動作させて実行される。この制御装置は、例えばマイクロプロセッサ(MPU)、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、及びMPUが直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータから構成され、接続手段を介して装置各部が接続されている。これにより、制御装置は、装置各部と制御信号や各種データを送受信し、タイヤ成形に関する各動作を各々実行させる。
このタイヤ製造装置1では、先ず、支持体3(図4A参照)の回転を停止してサーバ11を駆動し、供給手段10から被成形体Hの所定位置に向かってベルト部材Gを供給する。続いて、供給手段10からベルト部材Gが所定長さ供給されたときに、ベルト部材Gの供給を一旦停止し、或いは、その供給を継続しつつ供給に同期して、タイヤ成形手段2により、ベルト部材Gの先端部を被成形体Hに配置する(図4B参照)。その際、タイヤ成形手段2は、双腕ロボット20の両ハンド30A、30Bにより、ベルト部材Gの先端部を把持して位置決めして移動して被成形体Hの所定の配置位置に圧着する。
その際、本実施形態では、ハンド30A、30Bの把持位置を先端が斜めに切断されたベルト部材Gの位置に合わせて、双腕ロボット20の前後方向に調整しておく。
タイヤ製造装置1は、タイヤ成形システム5によりベルト部材Gの先端部の幅及びカット角度を解析し、解析結果から支持体3の回転量を自動で計算する。これにより、部材特性のばらつきに関わらず、一定のカット長さでベルト部材Gを切断することができる。
そして、ベルト部材Gがベルトカット位置まで巻き付けられると、タイヤ製造装置1は、ハンド30A、30Bのいずれか一方の下側に装着されたカッタをサーバ11の案内板11aの中央部に設けられたカッタ挿入部の溝13に案内板11aの上側から挿入することで、ベルト部材Gを切断する。
図7は、ベルト部材Gの接合を模式的に示すタイヤ製造装置1の要部斜視図であり、図1に対応させて示している。
タイヤ製造装置1は、両ハンド30A、30Bにより、ベルト部材Gの後端部を切断位置近傍で保持すると(図7A)、両ハンド30A、30Bを被成形体Hに向かって移動させる。これにより、ベルト部材G(図7B)の後端部を先端部に重ね合わせて被成形体Hに押し付ける。
図8において、ベルト部材Gの先端部の角度(鋭角部)をθf、先端部の幅をWfで示している。また、ベルト部材Gの後端部の角度(鋭角部)をθe、後端部の幅をWeで示している。
タイヤ製造装置1は、計算された補正角度に基づいて、ベルト部材Gの後端部の幅Weを調整することにより、後端部の角度θeを先端部の角度θfに等しくなるように補正する。
次に、ベルト部材Gの後端部を先端部に接合する工程を、図9を用いて説明する。
タイヤ製造装置1は、1又は複数のベルト部材Gを、以上と同様に回転する被成形体Hの所定位置に所定の順序で先端部から巻き付けて貼り付け、他のベルト部材と組み合わせる等して未加硫タイヤを成形する。続いて、成形した未加硫タイヤを加硫成形して製品タイヤが製造される。
また、ベルト部材の接合時においては、ベルト部材の巻付け後端側の端部鋭角側が被成形体上方側に位置し、ベルト部材の巻付け後端側の端部鈍角側が被成形体下方側に位置することになる。
したがって、タイヤ成形手段は、接合時において、ベルト部材の巻付け後端側の端部鋭角側を支持する側はハンドのみ回動させ、端部鈍角側を支持する側はアームとハンドを回動させるように制御する。
このように制御することで、少なくとも一方のアームを回動させる必要がなくなり、制御が容易になる。また、制御時間も短縮されることで、サイクルタイムも同様に短縮される。
Claims (7)
- タイヤ構成部材を把持する把持手段及び把持手段を備えたアームを駆動制御して、タイヤ被成形体に向かって供給されたタイヤ構成部材を把持して、回転するタイヤ被成形体に巻付ける工程と、巻付け後タイヤ構成部材の巻付け先端側及び巻付け後端側の両端面を相互に突き合わせて接合する工程と、を有するタイヤ製造方法であって、
前記タイヤ構成部材の巻付け先端側及び巻付け後端側の両端部を相互に突き合わせて接合する工程は、
前記把持手段により前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部を、前記タイヤ被成形体に巻き付けた前記タイヤ構成部材の巻付け先端側の端部上に重ねる重ね合わせ工程と、
前記タイヤ構成部材の巻付け先端側の端部上に重ねた巻付け後端側の端部の一部が、巻付け先端側の端部に同一平面内で当接する位置まで引き戻す引き戻し工程と、
前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部全体が、巻付け先端側の端部に当接する位置まで巻付け後端側の端部を押し当てる後端部押当て工程と、
を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項1に記載されたタイヤ製造方法において、
前記突き合わせて接合する工程に先立って、前記把持手段により前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部の角度を、前記タイヤ構成部材の巻付け先端側の端部の角度に調整する部材後端部調整工程と、を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項2に記載されたタイヤ製造方法において、
前記部材後端部調整工程における前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部の角度は、前記タイヤ構成部材の巻付け後端部の幅を前記タイヤ構成部材の巻付け先端部の幅に合わせることにより調整することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項2又は3に記載されたタイヤ製造方法において、
部材後端部調整工程は、前記タイヤ構成部材の巻付け先端側及び巻付け後端側の端部を撮影手段で撮影する撮影工程と、撮影した端部画像より前記タイヤ構成部材の巻付け先端側及び巻付け後端側の端部の形状を画像解析手段で解析する画像解析工程と、を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項1に記載されたタイヤ製造方法において、
前記タイヤ構成部材をその長手方向に対して所定角度で切断する工程を有し、
前記重ね合わせ工程及び前記引き戻し工程は、前記タイヤ被成形体上において、上側となる斜めに切断したタイヤ構成部材の巻付け後端側の端部鋭角側を前記把持手段で把持し、下側となる前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部鈍角側を、前記把持手段を備えたアームを作動して前記端部鈍角側の位置に移動した後、前記把持手段で把持して行うことを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項2ないし4のいずれかに記載されたタイヤ製造方法において、
前記部材後端部調整工程、前記引き戻し工程、及び前記後端部押当て工程における各作業を略同一平面上で行うことを特徴とするタイヤ製造方法。 - タイヤ構成部材を把持する把持手段及び把持手段を備えたアームと、前記把持手段及びアームを駆動制御して、タイヤ被成形体に向かって供給されたタイヤ構成部材を把持して、回転するタイヤ被成形体に巻付け、巻付け後タイヤ構成部材の巻付け先端側及び巻付け後端側の両端面を相互に突き合わせて接合する制御を行う駆動制御手段を備えたタイヤ製造装置であって、
前記駆動制御手段は、前記把持手段により前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部を、前記タイヤ被成形体に巻き付けた前記タイヤ構成部材の巻付け先端側の端部上に重ね合わせ、前記タイヤ構成部材の巻付け先端側の端部上に重ねた巻付け後端側の端部の一部が、巻付け先端側の端部に同一平面内で当接する位置まで引き戻し、前記タイヤ構成部材の巻付け後端側の端部全体が、巻付け先端側の端部に当接する位置まで巻付け後端側の端部を押し当てる制御を行うことを特徴とするタイヤ製造装置。
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