JP6233267B2 - 焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法 - Google Patents

焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板等の金属板の表面に形成した被膜を焼き付ける焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法に関するものである。
冷延鋼板等の金属板の表面には、絶縁性、耐食性、耐熱性等の諸特性を付与するために、被膜が形成される場合がある。例えば、焼鈍等の処理を鋼板に対して連続的に行う鋼板連続処理ラインにおいては、連続焼鈍に引き続きインラインにて、または、別ラインにて各種の表面処理が施される。表面処理方法としては、めっき、塗装等があるが、塗装では、ロールコーター、電着塗装、静電塗装等、各種の方法があげられる。このうち、例えば、塗布型のロールコーター方式の場合、順次搬送される鋼板の表面にコート液(塗料)が連続的に塗布され、これにより、コート液の液膜が鋼板表面に順次形成される。このような鋼板連続処理ラインにおける塗布工程では、乾燥前の液膜面への異物の付着防止や所定温度の確保のためにコーティングセクションを区切って個別空間を設定している場合が多い。コーティングセクション室内には、上述したコーター等の塗布工程に必要な装置が設置される。
コート液塗布後の鋼板は、コーティングセクション室(以下、コーター室と適宜略す)から焼付炉の入口部を通じて焼付炉内へ順次搬送される。焼付炉の入口部は、コーター側から順次搬送される鋼板を受け入れ可能な開口が形成された部分であり、鋼板の板厚に鋼板の上下動等を考慮した開口部が形成される。焼付炉、例えば熱風炉では、入口部から受け入れた鋼板に熱風を吹き付ける等して、鋼板表面に塗布されたコート液(塗料)の液膜を加熱して乾燥させ、適宜硬化反応等を進行させて被膜を形成させる。焼付炉は、炉内部において搬送中の鋼板に対し、このような加熱処理を連続的に行い、これにより、鋼板表面に被膜を順次焼き付ける。
なお、上述した鋼板表面の被膜の焼付処理に関する従来技術として、例えば、鋼板表面に被膜を焼き付ける直火式加熱炉と直結する被膜乾燥用のラジアントチューブ炉の鋼板入口の直上流側に、直火式加熱炉で発生した燃焼排ガスを排気する排気手段を設けた連続処理装置がある(特許文献1参照)。また、金属板に塗布された塗料中の溶剤を蒸発させて焼き付けを行う際、金属板を高周波誘導加熱によって加熱すると同時に金属板の塗料表面に熱風を吹き付けて、金属板表面の被膜の焼付処理を行うものがある(特許文献2参照)。一方、第1塗料により被塗物を塗装する第1塗装ブースと、これに引き続いて第2塗料により被塗物を塗装する第2塗装ブースとの間にエアーカーテンを形成し、形成したエアーカーテンにより、第1塗装ブース内の雰囲気を第2塗装ブース内の雰囲気から離隔する塗装装置がある(特許文献3参照)。
特開2010−111922号公報 特開平3−284375号公報 特開2003−320286号公報
ところで、液膜形成後の鋼板に熱風を吹き付けて鋼板表面に被膜を焼き付ける熱風加熱方式(ガス加熱方式)の連続焼付炉で生産能率を向上するためには、ラインスピードを上げ、かつ、所定の到達板温を確保するために昇温速度をあげる必要がある。この手法を実施する際、焼付炉における全加熱ゾーンのうちの前半の加熱ゾーンの温度を高くし、これにより、被膜の焼付処理を施される処理対象の鋼板の昇温速度を上げることが有効である。
通常、このような炉内では負圧に調整され、炉内雰囲気が外部に漏れないようにする場合が多いが、連続炉の場合、開口部があるため、焼付炉の前半の加熱ゾーンの温度を高めた場合、焼付炉の入口部側の炉内温度が上昇し、焼付炉近傍のコーター室内の温度(以下、コーター室温という)の過剰な上昇を引き起こす。コーター室温の過剰な上昇は、上述したロール転写方式のコーターにおいて、コーターロール面にすくい取りまたは転写したコート液が乾燥する事態、コート液の温度(以下、コート液温という)の上昇によってコート液の成分が変性する事態(例えば、エマルション樹脂の凝集)等、鋼板の塗布工程にとって悪しき事態を招来する。このような事態に起因して、コーターによる鋼板表面へのコート液の正常な塗布が阻害され、この結果、被覆鋼板の外観不良、詳細には鋼板表面の被膜の外観不良が発生してしまう。
上述した従来技術では、焼付炉の入口部からコーター室内への焼付炉内雰囲気の流出(漏出)を抑制できず、このため、被覆鋼板の外観不良の原因となるコーター室温の過剰な上昇を防止することは困難である。なお、特許文献1に記載の従来技術では、焼付炉の入口部から鋼板の上方側に漏出する焼付炉内雰囲気を吸引することは可能であるが、鋼板の下方側に漏出する焼付炉内雰囲気を吸引することは困難である。したがって、特許文献1に記載の従来技術を用いても、焼付炉の入口部からコーター室内への焼付炉内雰囲気の流出を抑制しきれず、この結果、上述したコーター室温の過剰な上昇を防止するには至らない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、順次搬送される鋼板等の金属板の表面に被膜を形成する塗布工程が行われるコーター室内への焼付炉内雰囲気の流出を抑制して、焼付炉内雰囲気によるコーター室温の過剰な上昇を防止することが可能な焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる焼付炉は、順次搬送される金属板の表面に被膜を塗布して形成する塗布工程が行われるコーティングセクション室から、前記金属板の表面を前記被膜によって被覆した被覆金属板を順次受け入れる入口部を有し、受け入れた搬送中の前記被覆金属板の前記被膜を焼き付ける焼付炉本体と、前記被覆金属板を受け入れる前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の上面よりも上方側の開口部分である上側開口を、前記被覆金属板の上面と間隔をあけて覆い、前記上側開口に正対する吸引口を介して前記焼付炉本体の内部と連通する上側吸引口部と、前記上側吸引口部を介して前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出する上側吸引排気部と、前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の下面よりも下方側の開口部分である下側開口を、前記被覆金属板の下面と間隔をあけて覆い、前記下側開口に正対する吸引口を介して前記焼付炉本体の内部と連通する下側吸引口部と、前記下側吸引口部を介して前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出する下側吸引排気部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる焼付炉は、上記の発明において、前記上側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動する第1の駆動部と、前記下側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動する第2の駆動部と、前記金属板の寸法、硬さ、張力、および前記金属板に対する前記塗布工程の条件をもとに、前記コーティングセクション室から前記入口部の開口を介して前記焼付炉本体の内部に搬送される前記被覆金属板の搬送経路を導出し、前記搬送経路の上方または下方の変動に応じ前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を上方または下方に移動するように前記第1の駆動部および前記第2の駆動部を制御して、前記上側吸引口部と前記下側吸引口部との間隙内に前記搬送経路を位置させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法は、順次搬送される金属板の表面に被膜を塗布して形成する塗布工程が行われるコーティングセクション室から、前記金属板の表面を前記被膜によって被覆した被覆金属板を、焼付炉本体の入口部を介し前記焼付炉本体の内部に順次搬送して、前記被覆金属板の前記被膜を焼き付ける焼付炉からの焼付炉内雰囲気の制御方法において、前記焼付炉本体の内部に前記被覆金属板を順次受け入れる前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の上面よりも上方側の開口部分である上側開口を、前記被覆金属板の上面と間隔をあけて覆い、且つ、前記上側開口に正対する吸引口を通じ前記焼付炉本体の内部と連通する上側吸引口部を介して、前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引するとともに、前記入口部の開口のうちの前記被覆金属板の下面よりも下方側の開口部分である下側開口を、前記被覆金属板の下面と間隔をあけて覆い、且つ、前記下側開口に正対する吸引口を通じ前記焼付炉本体の内部と連通する下側吸引口部を介して、前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を介して各々吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出することを特徴とする。
また、本発明にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法は、上記の発明において、前記金属板の寸法、硬さ、張力、および前記金属板に対する前記塗布工程の条件をもとに、前記コーティングセクション室から前記入口部の開口を介して前記焼付炉本体の内部に搬送される前記被覆金属板の搬送経路を導出し、前記搬送経路の上方または下方の変動に応じ、前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動して、前記上側吸引口部と前記下側吸引口部との間隙内に前記搬送経路を位置させることを特徴とする。
本発明によれば、順次搬送される鋼板等の金属板の表面に被膜を形成する塗布工程が行われるコーター室内への焼付炉内雰囲気の流出を抑制して、焼付炉内雰囲気によるコーター室温の過剰な上昇を防止することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の主要部の一構成例を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の上側吸引口部および下側吸引口部の各構成例を示す図である。 図3は、焼付炉本体の入口部の開口に沿った上側吸引口部と下側吸引口部との間隙の制御を説明するための図である。 図4は、被覆鋼板を焼付炉本体内に受け入れる入口部の受入開口を最大限に開放した状態を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の排気ダクト構成の変形例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(焼付炉の構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の主要部の一構成例を示す図である。図1には、本発明の実施の形態にかかる焼付炉1の概略構成をその側方から見たものと、この焼付炉1の入側に直結するコーター室100およびコーター101とが図示されている。特に、図1に示す焼付炉1の入側部分の構成は、本発明を説明し易くするために、破断図によって示されている。なお、図1において、実線矢印は電気信号の流れを示し、破線矢印は気体の流れを示している。
本発明の実施の形態にかかる焼付炉1は、鋼板表面を被膜によって被覆した被覆鋼板18の被膜を連続して焼き付けるものである。このような焼付炉1は、図1に示すように、被覆鋼板18の被膜の焼付処理を連続して行う焼付炉本体2と、焼付炉本体2からコーター室100への焼付炉内雰囲気の流出を抑制するための上側吸引口部3aおよび上側吸引排気部5a並びに下側吸引口部3bおよび下側吸引排気部5bと、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿った上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bの各上下動作の駆動源となる駆動部8a,8bとを備える。また、焼付炉1は、焼付炉本体2から焼付炉内雰囲気を排出するための排気ダクト9および吸引装置10と、コーター室100の室内雰囲気の圧力を測定する室内圧力測定部11と、焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気の圧力を測定する炉内圧力測定部12とを備える。さらに、焼付炉1は、処理対象の鋼板に関する情報等を入力する入力部13と、焼付炉1の制御に必要な情報等を記憶する記憶部14と、焼付炉1の各構成部を制御する制御部15とを備える。
焼付炉本体2は、鋼板表面を被膜によって被覆した被覆鋼板18に対し、被膜の焼付処理を連続して行うものである。具体的には、図1に示すように、焼付炉本体2は、被膜の焼付処理対象の被覆鋼板18を受け入れる入側の焼付炉本体部分である入側炉本体部2aを有し、この入側炉本体部2aの端部に、被覆鋼板18を順次受け入れる入口部2cを有する。入側炉本体部2aの端部およびその近傍部分は、図1に示すように、コーター室100の内部に配置され、この配置によって、入口部2cは、コーター室100の内部と直結する。また、焼付炉本体2の入口部2cには、被覆鋼板18の寸法(板厚、板幅、被膜厚等)およびパスライン19を加味して設定された開口寸法を有する開口2dが形成されている。入口部2cは、上述したように直結した状態のコーター室100から順次搬送される被覆鋼板18を、開口2dを介して焼付炉本体2の内部に順次受け入れる。
また、焼付炉本体2は、被膜の焼付処理を完了した被覆鋼板18を送出する出側の焼付炉本体部分である出側炉本体部2bを有する。上述した入口部2cの開口2dを通じてコーター室100の内部から焼付炉本体2の内部に受け入れられた被覆鋼板18は、焼付炉本体2の入側炉本体部2aから出側炉本体部2bに向かって順次搬送される。焼付炉本体2は、入側炉本体部2aと出側炉本体部2bとの間に有する加熱ゾーン等(図示せず)において、上述したように受け入れた搬送中の被覆鋼板18の被覆を順次焼き付ける。焼付炉本体2は、このようにして被膜の焼付処理を完了した被覆鋼板18を、出側炉本体部2bから外部(焼付炉1の後段)に向かって順次送出する。
上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bは、コーター室100からの被覆鋼板18を焼付炉本体2の内部に受け入れる入口部2cの開口2dを通じて焼付炉本体2側からコーター室100側へ流出する焼付炉内雰囲気を吸引するための吸引口として機能する。図2は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の上側吸引口部および下側吸引口部の各構成例を示す図である。図2には、コーター室100側から見た焼付炉本体2の入口部2cの開口部2d、上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bが図示されている。また、図2において、被覆鋼板18の搬送方向は、紙面に垂直な方向である。
上側吸引口部3aは、焼付炉本体2における入口部2cの開口2dのうちの上側開口2eを通じて焼付炉本体2側からコーター室100側へ流れる焼付炉内雰囲気の吸引口である。具体的には、図1,2に示すように、上側吸引口部3aは、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに比して広い横幅の吸引口を有し、この入口部2cの上半部分に設置される。このような設置状態の上側吸引口部3aは、図2に示すように、コーター室100から焼付炉本体2の内部に進入すべく入口部2cの開口2dを通る被覆鋼板18の上面と間隔をあけて、入口部2cの上側開口2eを覆う。この際、上側吸引口部3aは、上側開口2eに対して自身の吸引口を正対させる。上側吸引口部3aは、このように上側開口2eに正対する吸引口を介して焼付炉本体2の内部と連通する。
また、上側吸引口部3aは、上下方向の動作を可能にする可動部4aを有する。可動部4aは、焼付炉本体2の入口部2cに沿って上下方向に伸縮自在な管である。可動部4aは、一端が上側吸引口部3aと接続され且つ他端が後述の上側吸引排気部5aの排気ダクト6aと接続され、上側吸引口部3aと排気ダクト6aとを連通する。このような可動部4aは、例えば、複数の管を摺動自在に重ねた構造を有し、これら複数の管同士を摺動しながら上下方向に伸縮する管であってもよいし、上下方向に伸縮自在な中空の蛇腹構造を有する管であってもよい。上側吸引口部3aは、可動部4aの伸縮動作により、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って鉛直上方または鉛直下方に移動する(図2の太線両側矢印参照)。
下側吸引口部3bは、焼付炉本体2における入口部2cの開口2dのうちの下側開口2fを通じて焼付炉本体2側からコーター室100側へ流れる焼付炉内雰囲気の吸引口である。具体的には、図1,2に示すように、下側吸引口部3bは、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに比して広い横幅の吸引口を有し、この入口部2cの下半部分に設置される。このような設置状態の下側吸引口部3bは、図2に示すように、コーター室100から焼付炉本体2の内部に進入すべく入口部2cの開口2dを通る被覆鋼板18の下面と間隔をあけて、入口部2cの下側開口2fを覆う。この際、下側吸引口部3bは、下側開口2fに対して自身の吸引口を正対させる。下側吸引口部3bは、このように下側開口2fに正対する吸引口を介して焼付炉本体2の内部と連通する。
また、下側吸引口部3bは、上下方向の動作を可能にする可動部4bを有する。可動部4bは、焼付炉本体2の入口部2cに沿って上下方向に伸縮自在な管である。可動部4bは、一端が下側吸引口部3bと接続され且つ他端が後述の下側吸引排気部5bの排気ダクト6bと接続され、下側吸引口部3bと排気ダクト6bとを連通する。このような可動部4bは、例えば、複数の管を摺動自在に重ねた構造を有し、これら複数の管同士を摺動しながら上下方向に伸縮する管であってもよいし、上下方向に伸縮自在な中空の蛇腹構造を有する管であってもよい。下側吸引口部3bは、可動部4bの伸縮動作により、入口部2cの開口2dに沿って鉛直上方または鉛直下方に移動する(図2の太線両側矢印参照)。
ここで、コーター室100からの被覆鋼板18を焼付炉本体2の内部に順次受け入れる入口部2cの開口2dは、被覆鋼板18の寸法(板厚、板幅、被膜厚等)およびパスライン19を加味し、焼付炉本体2によって被膜の焼付処理を施される全ての被覆鋼板18が通過可能な開口寸法(縦長および横幅等)を有するように形成される。本実施の形態において、パスライン19は、コーター室100(詳細には図1に示すコーター101)から入口部2cの開口2dを通って焼付炉本体2の内部に搬送される被覆鋼板18の搬送経路である(図1の破線参照)。図2に示すように、上側吸引口部3aによって覆われる上側開口2eは、このような入口部2cの開口2dのうち、開口2dを通る被覆鋼板18の上面よりも上方側の開口部分である。下側吸引口部3bによって覆われる下側開口2fは、このような入口部2cの開口2dのうち、開口2dを通る被覆鋼板18の下面よりも下方側の開口部分である。
また、上述した上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bは、図2に示すように、互いに鉛直方向に離間して間隙をなす。この際、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの離間距離(間隙の距離)は、被覆鋼板18の板厚と撓み量とに基づき、被覆鋼板18が上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bに接触せずに焼付炉本体2の入口部2cの開口2dを通るために必要な最小限の距離に設定される。このような入口部2cの開口2dのうち、図2に示すように、これら上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙によって開放される開口部分が受入開口2gとなる。焼付炉本体2がコーター室100から入口部2cを介して被覆鋼板18を順次受け入れる際、被覆鋼板18は、入口部2cの開口2dのうちの受入開口2gを通って焼付炉本体2の内部に進入する。
一方、上側吸引排気部5aは、上側吸引口部3aを介して焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した焼付炉内雰囲気をコーター室100の外部に排出するものである。具体的には、図1に示すように、上側吸引排気部5aは、排気ダクト6aと吸引装置7aとを備える。
排気ダクト6aは、上側吸引口部3aを介して焼付炉本体2の入口部2cから外部(コーター室100および焼付炉1の外部)へ焼付炉内雰囲気を導く管である。排気ダクト6aは、一端が上側吸引口部3aの可動部4aと接続され且つ他端が煙突等の外部の排気口(図示せず)と接続され、図1に示すように、焼付炉本体2の上部に設置される。排気ダクト6aは、吸引装置7aの作用によって焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを介し上側吸引口部3aの内部に順次吸引された焼付炉内雰囲気を、上側吸引口部3aから外部の排気口に向かって順次流す。
吸引装置7aは、焼付炉内雰囲気を吸引するものであり、図1に示すように、排気ダクト6aの途中に設置される。吸引装置7aは、排気ダクト6aの上流側(上側吸引口部3a側)から下流側(外部の排気口)に向かう気体の流れを送風等によって発生させる。これにより、吸引装置7aは、焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを介して上側吸引口部3aの内部に焼付炉内雰囲気を吸引し、さらに、上側吸引口部3aから排気ダクト6aの出口端(外部の排気口)に向かう方向に焼付炉内雰囲気を吸引する。このように焼付炉本体2から排気ダクト6aへ吸引された焼付炉内雰囲気は、排気ダクト6aを通じてコーター室100および焼付炉1の外部へ排出される。
下側吸引排気部5bは、下側吸引口部3bを介して焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した焼付炉内雰囲気をコーター室100の外部に排出するものである。具体的には、図1に示すように、下側吸引排気部5bは、排気ダクト6bと吸引装置7bとを備える。
排気ダクト6bは、下側吸引口部3bを介して焼付炉本体2の入口部2cから外部(コーター室100および焼付炉1の外部)へ焼付炉内雰囲気を導く管である。排気ダクト6bは、一端が下側吸引口部3bの可動部4bと接続され且つ他端が煙突等の外部の排気口(図示せず)と接続され、図1に示すように、焼付炉本体2の下部に設置される。排気ダクト6bは、吸引装置7bの作用によって焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを介し下側吸引口部3bの内部に順次吸引された焼付炉内雰囲気を、下側吸引口部3bから外部の排気口に向かって順次流す。
吸引装置7bは、焼付炉内雰囲気を吸引するものであり、図1に示すように、排気ダクト6bの途中に設置される。吸引装置7bは、排気ダクト6bの上流側(下側吸引口部3b側)から下流側(外部の排気口)に向かう気体の流れを送風等によって発生させる。これにより、吸引装置7bは、焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを介して下側吸引口部3bの内部に焼付炉内雰囲気を吸引し、さらに、下側吸引口部3bから排気ダクト6bの出口端(外部の排気口)に向かう方向に焼付炉内雰囲気を吸引する。このように焼付炉本体2から排気ダクト6bへ吸引された焼付炉内雰囲気は、排気ダクト6bを通じてコーター室100および焼付炉1の外部へ排出される。
駆動部8a,8bは、図2に示した上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bの各上下動作の駆動源として各々機能する。具体的には、駆動部8aは、上側吸引口部3aの可動部4aに設けられる。駆動部8aは、制御部15の制御に基づいて、可動部4aを上下方向に伸縮動作させ、これにより、上側吸引口部3aを焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に移動する。一方、駆動部8bは、下側吸引口部3bの可動部4bに設けられる。駆動部8bは、制御部15の制御に基づいて、可動部4bを上下方向に伸縮動作させ、これにより、下側吸引口部3bを焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に移動する。
排気ダクト9および吸引装置10は、焼付炉本体2の内部から余分な焼付炉内雰囲気を排出するためのものである。具体的には、図1に示すように、排気ダクト9は、焼付炉本体2のうちの入側炉本体部2aの内部に通じるように入側炉本体部2aの上壁部に設けられる。吸引装置10は、この排気ダクト9の途中に設置される。吸引装置10は、排気ダクト9の上流側(焼付炉本体2側)から下流側(排気口)に向かう気体の流れを送風等によって発生させる。これにより、吸引装置10は、焼付炉本体2の内部から排気ダクト9の内部に焼付炉内雰囲気を吸引する。排気ダクト9は、吸引装置10の作用によって焼付炉本体2の内部から順次吸引された焼付炉内雰囲気を煙突等の外部の排気口に向けて順次流し、この焼付炉内雰囲気を外部の排気口からコーター室100および焼付炉1の外部へ順次排出する。排気ダクト9および吸引装置10は、このように焼付炉内雰囲気を排出することにより、焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気の圧力、特に入側炉本体部2aの焼付炉内雰囲気の圧力を調整する。
室内圧力測定部11は、コーター室100の室内雰囲気の圧力(以下、コーター室内圧力という)を測定するものである。具体的には、図1に示すように、室内圧力測定部11は、コーター室100の内部、例えば、焼付炉本体2の入口部2cまたはコーター101の近傍に設置される。室内圧力測定部11は、所定の時間毎に断続的または連続的にコーター室内圧力を測定し、その都度、コーター室内圧力の測定値を示す電気信号を制御部15に送信する。なお、コーター室内圧力は常圧である場合がほとんどのため、測定を省略する場合は、一定値を入力すればよい。
炉内圧力測定部12は、焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気の圧力(以下、焼付炉内圧力という)を測定するものである。具体的には、図1に示すように、炉内圧力測定部12は、焼付炉本体2の内部、例えば、入口部2cの近傍に設置される。炉内圧力測定部12は、所定の時間毎に断続的または連続的に焼付炉内圧力を測定し、その都度、焼付炉内圧力の測定値を示す電気信号を制御部15に送信する。
入力部13は、処理対象の鋼板に関する情報等を入力するものである。具体的には、入力部13は、図1に示す焼付炉1およびコーター101等が適用される鋼板連続処理ラインの操業を管理するプロセスコンピュータ等の装置を用いて実現される。入力部13は、この鋼板連続処理ラインの払出機等の入側端に処理対象の鋼板がセットされる都度、この処理対象の鋼板のオーダ情報を制御部15に入力する。本実施の形態において、オーダ情報は、処理対象の鋼板の寸法(板厚、板長、板幅等)、硬さ、鋼種等の成分、張力、および処理対象の鋼板に対する塗布工程の条件等、鋼板連続処理ラインにおける処理対象の鋼板に関する情報を含むものである。塗布工程は、図1に示すコーター101等によって処理対象の鋼板の表面に被膜を塗布して形成する工程である。例えば、塗布工程の条件として、鋼板表面に被膜を塗布するロール(図1に示すコーターロール104,105等)の高さ、被膜厚、被膜の種類等が挙げられる。
なお、入力部13は、入力キーおよびマウス等の入力デバイスを用いて構成され、作業者による入力操作に応じて、処理対象の鋼板のオーダ情報を制御部15に入力するものであってもよい。あるいは、入力部13は、プロセスコンピュータおよび入力デバイス等を適宜組み合わせたものであってもよい。
記憶部14は、焼付炉1の制御に必要な情報等を記憶するものであり、制御部15によって記憶指示された情報を記憶し、制御部15によって読み出し指示された情報を記憶情報の中から読み出して制御部15に送信する。具体的には、図1に示すように、記憶部14は、焼付炉1の制御に用いるデータテーブル14aを記憶する。データテーブル14aは、処理対象の鋼板のオーダ情報と被覆鋼板18のパスライン19の位置とを対応付けたものである。例えば、データテーブル14aは、処理対象の鋼板の寸法(板厚、板長、板幅等)毎、硬さ毎、搬送時に付与される張力毎、および塗布工程の条件毎に、被覆鋼板18のパスライン19の位置情報を示す。
制御部15は、焼付炉1の各構成部を制御し、且つ、各構成部の電気信号の入出力を制御する。特に、制御部15は、被覆鋼板18のカテナリーの変動等によるパスライン19の鉛直方向の変動に応じて、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の位置を制御する。この際、制御部15は、入力部13によって入力されたオーダ情報に示される処理対象の鋼板の寸法、硬さ、張力、および同鋼板に対する塗布工程の条件をもとに、記憶部14内のデータテーブル14aを参照する等して、コーター室100から入口部2cの開口2dを介して焼付炉本体2の内部に搬送される被覆鋼板18のパスライン19を導出する。ついで、制御部15は、導出したパスライン19の上方または下方の変動に応じて上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bを上方または下方に移動するように駆動部8a,8bを各々制御する。制御部15は、これら各駆動部8a,8bの制御を通して、可動部4a,4bの各伸縮動作を制御する。これにより、制御部15は、入口部2cの開口2dに沿った上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bの上下方向(鉛直方向)の位置を制御して、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙内にパスライン19を位置させる。
また、制御部15は、コーター室100の室内雰囲気の圧力測定値と焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気の圧力測定値との差(気圧差)に応じて、上側吸引排気部5aの吸引装置7aによる焼付炉内雰囲気の吸引圧力と、下側吸引排気部5bの吸引装置7bによる焼付炉内雰囲気の吸引圧力とを制御する。この際、制御部15は、室内圧力測定部11から取得したコーター室内圧力の測定値と、炉内圧力測定部12から取得した焼付炉内圧力の測定値とを比較する。この比較処理の結果、制御部15は、室内圧力測定部11によるコーター室内圧力の測定値が炉内圧力測定部12による焼付炉内圧力の測定値に比して小さい場合、吸引作用を強めるように吸引装置7a,7bを各々制御して、上側吸引排気部5aおよび下側吸引排気部5bによる焼付炉内雰囲気の吸引圧力を増加させる。一方、制御部15は、室内圧力測定部11によるコーター室内圧力の測定値が炉内圧力測定部12による焼付炉内圧力の測定値に比して大きい場合、吸引作用を弱めるように吸引装置7a,7bを各々制御して、上側吸引排気部5aおよび下側吸引排気部5bによる焼付炉内雰囲気の吸引圧力を減少させる。
一方、被覆鋼板18は、鋼板連続処理ラインにおける処理対象の鋼板の表面を被膜によって被覆したものであり、図1に示すように、コーター室100内から焼付炉本体2内へ連続的に搬送され、焼付炉本体2によって被膜の焼付処理を施される。処理対象の鋼板は、鋼板連続処理ラインによって必要な処理を連続的に施される鋼板であり、例えば、コイルから払い出される等によって鋼板連続処理ラインに投入される。このような処理対象の鋼板に連続処理を施す処理工程の一例として、例えば、塗布工程が挙げられる。塗布工程は、順次搬送される処理対象の鋼板の表面に被膜を塗布して形成する処理工程である。なお、処理対象の鋼板は、長尺の板状鋼材であってもよいし、板状鋼材の先尾端同士を接合して形成される帯状の鋼板(鋼帯)であってもよい。
コーター室100は、上述した塗布工程が行われるコーティングセクション室であり、図1に示すように、塗布工程後の被覆鋼板18に対する被覆の焼付処理を行う焼付炉本体2の入口部2cと直結している。コーター室100内には、図1に示すコーター101等の塗布工程に必要な各種装置が設置されている。
コーター101は、塗布工程において鋼板表面に被膜を塗布によって形成するロール転写方式の塗布装置であり、例えば図1に示すように、コート液102を収容する収容器103と、コーターロール104,105とを備える。コーターロール104は、その周方向に回転して収容器103からコート液102をすくい取り、すくい取ったコート液102を他方のコーターロール105の外周面に順次転写する。コーターロール105は、その周方向に回転して、上記のコーターロール104からコート液102を受け取り、受け取ったコート液102を鋼板表面に塗布する。
特に図1には図示していないが、コーター室100内において、コーター101で塗布されている面と逆の面を塗布する別のコーターも設置されている。コーター101の前段の場合もあるし、コーター101とほぼ同時に表裏を塗布する場合もあるが、いずれにしても、効率的に生産するためや、ノーコートで焼き付けした場合の鋼板表面の酸化などを防止するために、両面に塗布してから一度に両面の焼き付けをする場合が多い。コーター101は、連続的に搬送される被覆鋼板18に、コーターロール104の外周面のコート液102をコーターロール105を介して順次塗布する。このようにして表裏両面に被膜を塗布された被覆鋼板18は、図1に示すように、コーター101(詳細にはコーターロール105)から焼付炉本体2の入口部2cの開口2d(詳細には図2に示す受入開口2g)を通って焼付炉本体2の内部に進入する。本実施の形態において、被覆鋼板18のパスライン19は、上述したようにコーター室100内のコーター101から入口部2cの開口2dを通って焼付炉本体2の内部に至る被覆鋼板18の搬送経路(走行経路)である。
(焼付炉内雰囲気の制御方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法について説明する。本発明の実施の形態にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法は、図1に示したようにコーター室100から入口部2cを介して焼付炉本体2の内部に被覆鋼板18を順次搬送して被覆鋼板18の被膜を焼き付ける焼付炉1において、焼付炉1からコーター室100の外部へ焼付炉内雰囲気を吸引して排出する方法である。
すなわち、本発明の実施の形態にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法において、焼付炉1は、図1に示したように、コーター室100内のコーター101によって被膜形成された被覆鋼板18を、コーター室100内から入口部2cを介して焼付炉本体2内に順次受け入れ、受け入れた搬送中の被覆鋼板18の被膜を順次焼き付ける。これに並行して、焼付炉1は、焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを介してコーター室100内に向かい流れる焼付炉内雰囲気を、上側吸引口部3aを介して吸引するとともに、下側吸引口部3bを介して吸引する。焼付炉1は、これらの上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bを介して各々吸引した焼付炉内雰囲気をコーター室100の外部に排出する。
詳細には、図1,2に示したように、上側吸引口部3aは、焼付炉本体2の内部に被覆鋼板18を順次受け入れる入口部2cの開口2dのうちの上側開口2eを、被覆鋼板18の上面と間隔をあけて覆う。且つ、上側吸引口部3aは、上側開口2eに正対する吸引口を通じて、焼付炉本体2の内部と連通する。本実施の形態において、上側開口2eは、図2に示したように、入口部2cの開口2dのうちの被覆鋼板18の上面よりも上方側の開口部分である。また、上側吸引口部3aは、可動部4aを介して上側吸引排気部5aの排気ダクト6aと連通する。上側吸引排気部5aの吸引装置7aは、制御部15の制御に基づいて吸引動作する。この吸引装置7aの吸引作用により、図1の破線矢印に示されるように、上側吸引口部3aは、焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを通じて焼付炉内雰囲気を吸引する。排気ダクト6aは、このように上側吸引口部3aを介して吸引した焼付炉内雰囲気を外部の排気口に向けて流通させ、外部の排気口からコーター室100および焼付炉1の外部へ焼付炉内雰囲気を排出する。
下側吸引口部3bは、図1,2に示すように、上述した入口部2cの開口2dのうちの下側開口2fを、被覆鋼板18の下面と間隔をあけて覆う。且つ、下側吸引口部3bは、下側開口2fに正対する吸引口を通じて、焼付炉本体2の内部と連通する。本実施の形態において、下側開口2fは、図2に示したように、入口部2cの開口2dのうちの被覆鋼板18の下面よりも下方側の開口部分である。また、下側吸引口部3bは、可動部4bを介して下側吸引排気部5bの排気ダクト6bと連通する。下側吸引排気部5bの吸引装置7bは、制御部15の制御に基づいて吸引動作する。この吸引装置7bの吸引作用により、上述した上側吸引口部3aを介した焼付炉内雰囲気の吸引と同時に、下側吸引口部3bは、焼付炉本体2の内部から入口部2cの開口2dを通じて焼付炉内雰囲気を吸引する。排気ダクト6bは、このように下側吸引口部3bを介して吸引した焼付炉内雰囲気を外部の排気口に向けて流通させ、外部の排気口からコーター室100および焼付炉1の外部へ焼付炉内雰囲気を排出する(図1の破線矢印参照)。
上述した上側吸引口部3aおよび上側吸引排気部5aと下側吸引口部3bおよび下側吸引排気部5bとによる焼付炉内雰囲気の吸引排出処理の際、または、この吸引排出処理に先駆けて、制御部15は、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿った上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙を制御する。図3は、焼付炉本体の入口部の開口に沿った上側吸引口部と下側吸引口部との間隙の制御を説明するための図である。制御部15は、焼付炉本体2内への被覆鋼板18の進入(受入)を可能にする受入開口2g(図2参照)を焼付炉本体2の入口部2cに確保するように、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離および位置を制御する。
詳細には、制御部15は、入力部13によって入力されたオーダ情報から、被覆鋼板18の元となる処理対象の鋼板の寸法、硬さ、張力および同鋼板に対する塗布工程の条件を取得する。ついで、制御部15は、これらの取得した各情報をもとに、コーター室100から焼付炉本体2の入口部2cの開口2dを介して焼付炉本体2の内部に向かう搬送方向(図1,3参照)に順次搬送される被覆鋼板18のパスライン19を導出する。この際、制御部15は、記憶部14から読み出したデータテーブル14aを参照し、被覆鋼板18の板幅、板厚、被膜厚、カテナリー量、およびコーターロール104,105の高さに対応するパスライン位置情報をデータテーブル14aの中から抽出する。なお、被覆鋼板18のカテナリー量は、コーター101から焼付炉本体2の内部に搬送される被覆鋼板18の張力に応じた撓み量である。制御部15は、抽出したパスライン位置情報をもとに、コーター室100から入口部2cの開口2dを通って焼付炉本体2の内部に至る被覆鋼板18の板幅、板厚、被膜厚、およびカテナリー量等を加味したパスライン19を導出する。
続いて、制御部15は、導出したパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8aを制御し、この駆動部8aの制御を通して可動部4aの伸縮動作を制御する。これにより、制御部15は、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に上側吸引口部3aを移動させ、この結果、パスライン19から鉛直上方に、被覆鋼板18の板厚および被膜厚の合計値と同等の間隔をあけて上側吸引口部3aの下端部を位置させる。これに並行して、制御部15は、導出したパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8bを制御し、この駆動部8bの制御を通して可動部4bの伸縮動作を制御する。これにより、制御部15は、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に下側吸引口部3bを移動させ、この結果、パスライン19から鉛直下方に、被覆鋼板18の板厚および被膜厚の合計値と同等の間隔をあけて下側吸引口部3bの上端部を位置させる。
以上のようにして、制御部15は、上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bを入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に移動する。これにより、制御部15は、図3に示すように、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙内にパスライン19を位置させるとともに、この間隙の距離を、被覆鋼板18がパスライン19に沿って入口部2cから焼付炉本体2内へ進入するに必要な最小限の距離に制御する(状態A1)。
一方、処理対象の鋼板の鋼種または硬さの変更等に基づいて被覆鋼板18のカテナリーが変動した場合、あるいは、鋼板に対する塗布工程の条件(コーターロール高さ等)が変更された場合、パスライン19は、現状に比して上方または下方に変動する可能性がある。制御部15は、このようなパスライン19の上方または下方の変動に応じ、上側吸引口部3aおよび下側吸引口部3bを焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方または下方に移動して、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙内にパスライン19を位置させる。
詳細には、処理対象の鋼板または塗布工程の条件が変更される都度、制御部15は、入力部13によって入力されたオーダ情報から処理対象の鋼板の寸法、硬さ、張力および同鋼板に対する塗布工程の条件を取得する。制御部15は、これらの取得した各情報をもとに、コーター室100から焼付炉本体2の入口部2cの開口2dを介して焼付炉本体2の内部に順次搬送される被覆鋼板18のパスライン19を導出する。この際、制御部15は、記憶部14から読み出したデータテーブル14aの中から、被覆鋼板18の板幅、板厚、被膜厚、カテナリー量、およびコーターロール104,105の高さに対応するパスライン位置情報を抽出する。ついで、制御部15は、抽出したパスライン位置情報をもとに、コーター室100から入口部2cの開口2dを通って焼付炉本体2の内部に至る被覆鋼板18の板幅、板厚、被膜厚、およびカテナリー量等を加味したパスライン19を導出する。
導出したパスライン19が現状のパスラインに比して上方に変動している場合、制御部15は、上方に変動後のパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8aを制御し、この駆動部8aの制御を通して可動部4aの伸縮動作(具体的には縮小動作)を制御する。これにより、制御部15は、図3に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方に上側吸引口部3aを移動する。これに並行して、制御部15は、上方に変動後のパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8bを制御し、この駆動部8bの制御を通して可動部4bの伸縮動作(具体的には伸長動作)を制御する。これにより、制御部15は、図3に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上方に下側吸引口部3bを移動する。以上の結果、制御部15は、図3に示すように、上方に変動後のパスライン19を上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙内に位置させる。これと同時に、制御部15は、上述した状態A1の場合と同様に、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離を、被覆鋼板18がパスライン19に沿って入口部2cから焼付炉本体2内へ進入するに必要な最小限の距離に制御する(状態A2)。
また、導出したパスライン19が現状のパスラインに比して下方に変動している場合、制御部15は、下方に変動後のパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8aを制御し、この駆動部8aの制御を通して可動部4aの伸縮動作(具体的には伸長動作)を制御する。これにより、制御部15は、図3に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って下方に上側吸引口部3aを移動する。これに並行して、制御部15は、下方に変動後のパスライン19の位置情報と被覆鋼板18の板厚および被膜厚とをもとに駆動部8bを制御し、この駆動部8bの制御を通して可動部4bの伸縮動作(具体的には縮小動作)を制御する。これにより、制御部15は、図3に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って下方に下側吸引口部3bを移動する。以上の結果、制御部15は、図3に示すように、下方に変動後のパスライン19を上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙内に位置させる。これと同時に、制御部15は、上述した状態A1の場合と同様に、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離を、被覆鋼板18がパスライン19に沿って入口部2cから焼付炉本体2内へ進入するに必要な最小限の距離に制御する(状態A3)。
本実施の形態において、制御部15は、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離および位置を、図3に示す状態A1から状態A2または状態A3に制御し、あるいは、状態A2,A3から状態A1に制御する。この際、図3の破線矢印に示されるように、焼付炉内雰囲気は、上側吸引排気部5aの吸引装置7aの吸引作用により、上側吸引口部3aを介して排気ダクト6aからコーター室100および焼付炉本体2の外部に排出される。これと同時に、焼付炉内雰囲気は、下側吸引排気部5bの吸引装置7bの吸引作用により、下側吸引口部3bを介して排気ダクト6bからコーター室100および焼付炉本体2の外部に排出される。さらに、焼付炉内雰囲気は、図3の破線矢印に示されるように、吸引装置10の吸引作用により、焼付炉本体2の内部から排気ダクト9を通じてコーター室100および焼付炉本体2の外部に排出される。
一方、本実施の形態にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法において、焼付炉1は、コーター室100の室内雰囲気の圧力測定値と焼付炉本体2の焼付炉内雰囲気の圧力測定値との気圧差に応じて、焼付炉本体2からの焼付炉内雰囲気の吸引圧力を調整する。
ところで、鋼板連続処理ライン内において順次搬送される鋼板(被覆鋼板18等)に破断等の不具合が発生した場合、これに起因して、被覆鋼板18のパスライン19は、上方または下方に急激に変動する。本実施の形態にかかる焼付炉内雰囲気の制御方法において、焼付炉1は、このようなパスライン19の急激な変動に対応して、焼付炉本体2の入口部2cの受入開口2g(図2参照)を最大限に開放する。
図4は、被覆鋼板を焼付炉本体内に受け入れる入口部の受入開口を最大限に開放した状態を示す図である。制御部15は、入力部13によって入力された処理対象の鋼板の張力と予め設定された張力の閾値とを比較し、鋼板の張力が閾値に比して小さい場合、鋼板連続処理ライン内の鋼板に、破断等のパスライン19の急激な変動を引き起こす不具合が発生したと判断する。この場合、制御部15は、駆動部8aを制御して可動部4aの縮小動作を最大限に制御する。これにより、制御部15は、図4に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って上側吸引口部3aを最上位置に移動する。これと同時に、制御部15は、駆動部8bを制御して可動部4bの縮小動作を最大限に制御する。これにより、制御部15は、図4に示すように、焼付炉本体2の入口部2cの開口2dに沿って下側吸引口部3bを最下位置に移動する。
上述したようにして、制御部15は、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離を最大値に制御する。この結果、制御部15は、焼付炉本体2内への被覆鋼板18の進入(受け入れ)を可能にする入口部2cの開口2dの開度を最大に制御する。本実施の形態において、入口部2cの開口2dの開度は、開口2dの面積に対する受入開口2gの面積の比である。開口2dの面積は一定値であり、受入開口2gの面積は、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙の距離の増減に伴って増減する。具体的には、制御部15は、図4に示すように、上側吸引口部3aの吸引口に正対する上側開口2eと下側吸引口部3bの吸引口に正対する下側開口2fとを各々最小限に制御するとともに、上側吸引口部3aと下側吸引口部3bとの間隙に対応する受入開口2gを最大限に開放する。これにより、焼付炉1は、急激な変動後のパスライン19に沿った被覆鋼板18の焼付炉本体2内への進入経路を確保するとともに、上側吸引口部3aまたは下側吸引口部3bと被覆鋼板18との接触を回避する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、鋼板の塗布工程が行われるコーター室から焼付炉本体の入口部を介し焼付炉本体内に被覆鋼板を順次搬送して、被覆鋼板の被膜を焼き付ける焼付炉において、被覆鋼板を順次受け入れる焼付炉本体の入口部における開口のうちの上側開口を、被覆鋼板の上面と間隔をあけて位置する上側吸引口部によって覆うとともに、この上側吸引口部の上側開口に正対する吸引口を通じて焼付炉本体内と上側吸引口部内とを連通した状態にする。且つ、上述した入口部における開口のうちの下側開口を、被覆鋼板の下面と間隔をあけて位置する下側吸引口部によって覆うとともに、この下側吸引口部の下側開口に正対する吸引口を通じて焼付炉本体内と下側吸引口部内とを連通した状態にする。この上側吸引口部を介して焼付炉本体内から焼付炉内雰囲気を吸引するとともに、この下側吸引口部を介して同焼付炉本体内から焼付炉内雰囲気を吸引し、これらの上側吸引口部および下側吸引口部を介して各々吸引した焼付炉内雰囲気をコーター室の外部に排出する。
このため、コーター室から焼付炉本体内への被覆鋼板の搬送(受け入れ)を阻害することなく、焼付炉本体内から入口部の開口を通じてコーター室内側へ流れる熱風等の焼付炉内雰囲気を、コーター室内への流出以前にコーター室外に向けて吸引し排出することができる。これにより、順次搬送される鋼板に対する被膜の塗布工程が行われるコーター室内への焼付炉内雰囲気の流出(漏出)を可能な限り抑制することができ、この結果、焼付炉内雰囲気によるコーター室温の過剰な上昇を防止することができる。
本発明の実施の形態にかかる焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法を用いることにより、焼付炉内雰囲気の漏出に起因するコーター室温の上昇を可能な限り抑制できるので、コーター室温の過剰な温度上昇によって引き起こされる不具合を防止することができる。例えば、コーター室内に設置され、鋼板表面にコート液を被膜として塗布するコーター(例えば図1に示したコーター101等)が過剰に温度上昇してしまうという不具合を防止することができる。
ここで、コーターの過剰な温度上昇は、鋼板表面に被膜を形成すべくコーターロール面にすくい取りまたは転写したコート液が塗布以前に乾燥する事態、コート液温が過剰に上昇してコート液の成分が変性する事態等、鋼板に対する被膜の塗布工程にとって悪しき事態を招来する。これに対し、本発明の実施の形態にかかる焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法は、コーター室温の過剰な温度上昇とともに、このようなコーターの過剰な温度上昇を防止することができる。具体的には、たとえ焼付炉本体の入口部近傍の炉内温度(例えば図1に示した入側炉本体部2aの炉内温度)を300〜500[℃]の範囲に上昇させたとしても、コーター室温を25[℃]以下に保つとともに、コート液温を25[℃]以下に保つことができる。
したがって、本発明の実施の形態にかかる焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法によれば、コーターロール面上のコート液の乾燥およびコート液成分の意図せぬ変性をともに防止して、鋼板表面へのコート液の塗布異常(塗布ムラ、塗布し損ない等)の発生を抑制するとともに、コート液成分の変性に起因する被覆鋼板表面(特に被膜表面)の外観不良の発生を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態では、被覆鋼板の元となる処理対象の鋼板の寸法、硬さ、張力、および塗布工程の条件をもとに、コーター室から入口部の開口を介して焼付炉本体内に搬送される被覆鋼板のパスラインを導出し、導出したパスラインの上方または下方の変動に応じ、上側吸引口部および下側吸引口部を入口部の開口に沿って上方または下方に移動して、上側吸引口部と下側吸引口部との間隙内に被覆鋼板のパスラインを位置させる。
このため、コーター室から焼付炉本体内に搬送される被覆鋼板のカテナリー量、鋼板に対する塗布工程の条件等が変化して被覆鋼板のパスラインが鉛直方向に変動しても、この変動後のパスラインを上側吸引口部と下側吸引口部との間隙内に位置させて、コーター室から焼付炉本体内への被覆鋼板の進入経路を常に確保することができる。これにより、焼付炉本体内からコーター室内への焼付炉内雰囲気の漏出を可能な限り抑制しながら、入口部の開口を通って焼付炉本体内に進入する被覆鋼板と上側吸引口部または下側吸引口部との接触を回避することができる。この結果、コーター室内から焼付炉本体内への被覆鋼板の円滑な搬送を実現するとともに、焼付処理前の被覆鋼板と上側吸引口部または下側吸引口部との接触に起因する被覆鋼板表面の外観不良の発生を防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、上側吸引口部3aと連通する排気ダクト6aの途中に吸引装置7aを設置し、この吸引装置7aの吸引作用により、焼付炉本体2内から上側吸引口部3aを介して排気ダクト6a内へ焼付炉内雰囲気を吸引していたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、この上側吸引口部3aと連通する排気ダクト6aを焼付炉本体2の別の排気ダクト9に接続して、排気ダクト6aと排気ダクト9とを連通させ、これら連通状態の排気ダクト6a,9に共通する単一の吸引装置の吸引作用によって、上述した焼付炉内雰囲気の吸引排出処理を行ってもよい。
図5は、本発明の実施の形態にかかる焼付炉の排気ダクト構成の変形例を示す図である。例えば図5に示すように、焼付炉本体2の入口部2cに設置された上側吸引口部3aと連通する排気ダクト6aは、焼付炉本体2の別の排気ダクト9と連通するように排気ダクト9または吸引装置10に接続してもよい。また、この排気ダクト9に設置された単一の吸引装置10の吸引作用により、焼付炉本体2内から上側吸引口部3aを介して排気ダクト6a内へ焼付炉内雰囲気を吸引するとともに、焼付炉本体2内から別の排気ダクト9内へ焼付炉内雰囲気を吸引し、これらの排気ダクト6a,9を介してコーター室100(図1参照)の外部に焼付炉内雰囲気を排出してもよい。この単一の吸引装置10は、上側吸引口部3aを介して焼付炉内雰囲気の吸引する吸引手段としての機能を兼ね備えてもよく、この場合、図1に示した上側吸引排気部5aの吸引装置7aは設置しなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、下側吸引口部3bと連通する排気ダクト6bの途中に吸引装置7bを設置し、この吸引装置7bの吸引作用により、焼付炉本体2内から下側吸引口部3bを介して排気ダクト6b内へ焼付炉内雰囲気を吸引していたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、この下側吸引口部3bと連通する排気ダクト6bを、上側吸引排気部5aの排気ダクト6aまたは焼付炉本体2の別の排気ダクト9に接続して、排気ダクト6bと排気ダクト6aまたは排気ダクト9とを連通させ、これらに共通の吸引装置(例えば吸引装置7a,7bまたは吸引装置10)の吸引作用によって、上述した焼付炉内雰囲気の吸引排出処理を行ってもよい。
さらに、上述した実施の形態では、被膜によって表面を被覆した金属板(被覆金属板)の一例として被覆鋼板を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明にかかる焼付炉および焼付炉内雰囲気の制御方法に適用可能な被覆金属板の元となる金属板は、鋼板に限らず、鋼以外の鉄合金の金属板であってもよいし、銅またはアルミニウム等の鉄合金以外の金属板であってもよい。すなわち、本発明において、処理対象の金属板は、鋼板、鋼板以外の鉄合金板、鉄合金板以外の金属板のいずれであってもよく、また、鋼種等の金属板の種類(例えば硬さ、組成、成分等)も特に問われない。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 焼付炉
2 焼付炉本体
2a 入側炉本体部
2b 出側炉本体部
2c 入口部
2d 開口
2e 上側開口
2f 下側開口
2g 受入開口
3a 上側吸引口部
3b 下側吸引口部
4a,4b 可動部
5a 上側吸引排気部
5b 下側吸引排気部
6a,6b,9 排気ダクト
7a,7b,10 吸引装置
8a,8b 駆動部
11 室内圧力測定部
12 炉内圧力測定部
13 入力部
14 記憶部
14a データテーブル
15 制御部
18 被覆鋼板
19 パスライン
100 コーター室
101 コーター
102 コート液
103 収容器
104,105 コーターロール

Claims (2)

  1. 順次搬送される金属板の表面に被膜を塗布して形成する塗布工程が行われるコーティングセクション室から、前記金属板の表面を前記被膜によって被覆した被覆金属板を順次受け入れる入口部を有し、受け入れた搬送中の前記被覆金属板の前記被膜を焼き付ける焼付炉本体と、
    前記被覆金属板を受け入れる前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の上面よりも上方側の開口部分である上側開口を、前記被覆金属板の上面と間隔をあけて覆い、前記上側開口に正対する吸引口を介して前記焼付炉本体の内部と連通する上側吸引口部と、
    前記上側吸引口部を介して前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出する上側吸引排気部と、
    前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の下面よりも下方側の開口部分である下側開口を、前記被覆金属板の下面と間隔をあけて覆い、前記下側開口に正対する吸引口を介して前記焼付炉本体の内部と連通する下側吸引口部と、
    前記下側吸引口部を介して前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出する下側吸引排気部と、
    前記上側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動する第1の駆動部と、
    前記下側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動する第2の駆動部と、
    前記金属板の寸法、硬さ、張力、および前記金属板に対する前記塗布工程の条件をもとに、前記コーティングセクション室から前記入口部の開口を介して前記焼付炉本体の内部に搬送される前記被覆金属板の搬送経路を導出し、前記搬送経路の上方または下方の変動に応じ前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を上方または下方に移動するように前記第1の駆動部および前記第2の駆動部を制御して、前記上側吸引口部と前記下側吸引口部との間隙内に前記搬送経路を位置させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする焼付炉。
  2. 順次搬送される金属板の表面に被膜を塗布して形成する塗布工程が行われるコーティングセクション室から、前記金属板の表面を前記被膜によって被覆した被覆金属板を、焼付炉本体の入口部を介し前記焼付炉本体の内部に順次搬送して、前記被覆金属板の前記被膜を焼き付ける焼付炉からの焼付炉内雰囲気の制御方法において、
    前記焼付炉本体の内部に前記被覆金属板を順次受け入れる前記入口部の開口のうち、前記被覆金属板の上面よりも上方側の開口部分である上側開口を、前記被覆金属板の上面と間隔をあけて覆い、且つ、前記上側開口に正対する吸引口を通じ前記焼付炉本体の内部と連通する上側吸引口部を介して、前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引するとともに、前記入口部の開口のうちの前記被覆金属板の下面よりも下方側の開口部分である下側開口を、前記被覆金属板の下面と間隔をあけて覆い、且つ、前記下側開口に正対する吸引口を通じ前記焼付炉本体の内部と連通する下側吸引口部を介して、前記焼付炉本体の焼付炉内雰囲気を吸引し、前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を介して各々吸引した前記焼付炉内雰囲気を前記コーティングセクション室の外部に排出し、
    前記金属板の寸法、硬さ、張力、および前記金属板に対する前記塗布工程の条件をもとに、前記コーティングセクション室から前記入口部の開口を介して前記焼付炉本体の内部に搬送される前記被覆金属板の搬送経路を導出し、前記搬送経路の上方または下方の変動に応じ、前記上側吸引口部および前記下側吸引口部を前記入口部の開口に沿って上方または下方に移動して、前記上側吸引口部と前記下側吸引口部との間隙内に前記搬送経路を位置させることを特徴とする焼付炉内雰囲気の制御方法。
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