JP2009214066A - 連続塗装設備およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続塗装設備におけるストリップの振動に起因する塗布ムラを効果的に防止することができる連続塗装設備を提供すると共に、その有利な運転方法を提案する。
【解決手段】走行する鋼帯1表面に塗布液を連続的に塗布する塗装装置2と、塗装後の鋼帯を乾燥および/または焼付処理するカテナリ型乾燥・焼付装置4と、乾燥・焼付後の鋼帯を冷却する、後段冷却での排気ブロアと前段冷却での給気ブロアを兼用している多段冷却ユニットにて構成されるカテナリ型冷却装置5とを有する連続塗装設備において、冷却装置の上流側の1以上の冷却ユニットに、給気ブロアから供給されるガスの一部を排気ブロアへ直送するバイパスする、あるいは給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御する給気ガス制御手段を設けたことを特徴とする連続塗装設備。
【選択図】図2

Description

本発明は、走行する鋼帯に連続的に塗装を施して塗膜を形成する連続塗装設備とその運転方法に関し、特に、塗布ムラの原因となる鋼帯の振動を防止するための連続塗装設備とその運転方法に関するものである。
冷延鋼板や亜鉛めっき鋼板等の鋼板には、外観品質の向上や耐食性、その他の特性の付与・向上等の要求に対応して、その表面に、クロメート皮膜や有機・無機皮膜、カラー皮膜、絶縁皮膜等の各種塗膜を形成する塗装処理を施すことが行なわれている。このような鋼板表面への塗装処理は、通常、走行する鋼帯(以降、「ストリップ」ともいう)に対して連続的に塗装を施すことができる連続塗装設備において行われるのが普通である。
図1に、連続塗装設備の一般的な構成を示した。この塗装設備では、ストリップ1が、図の矢印方向に走行しており、表面用の塗装装置(コータ)2でストリップの表面側に塗布液を塗布したのち表面用コータのバックアップロールを兼ねたデフレクタロール3でストリップの向きを変更してから、裏面用の塗装装置2´でストリップの裏面側に塗布液を塗布し、皮膜を形成している。上記のようにして表裏面に塗布液を塗布したストリップは、続いて、乾燥・焼付装置4に搬送して加熱し、上記塗布液を乾燥あるいは焼き付けて強固な皮膜とし、その後、そのストリップを、冷却装置5に搬送して冷却し、コイルに巻き取って、製品としている。
上記加熱・焼付装置および冷却装置は、それぞれ複数のユニットから構成されており、それぞれのユニットでは、上風箱および下風箱から所定の温度に制御されたガスを塗装後のストリップに吹き付けることによって、乾燥・焼付処理および冷却処理が行われるのが一般的である。なお、最近では、加熱・焼付装置として、上記ガス加熱方式に代わって、誘導加熱方式を採用する設備が増加している。
さて、従来、ガスを用いた上記焼付装置や冷却装置の各ユニットには、ユニット内にガスを供給するための給気ブロアと、そのガスをユニットから外に排出するための排気ブロアが個々に配設されているのが一般的であった。しかし、近年における、塗装設備の大型化や高速化にともなって、給気ブロアや排気ブロアも大型化せざるを得ない状況になってきている。しかし、既存の設備を改造しようとすると、限られたスペースにそれらの設備を設置する必要があり、また、大型化に伴い、消費エネルギーも増大せざるを得ない。
そこで、省スペース、省エネルギーの観点から、最近の塗装設備の焼付装置や冷却設備では、あるユニットの排気ブロアとその上流側のユニットの給気ブロアとを兼用させる構造とすることが主流となっている。たとえば、冷却設備の場合、図1に示したように、後段(下流側)冷却ユニットの排気ブロアを、その前段(上流側)の冷却ユニットの給気ブロアとして活用した兼用ブロアとすることによって、コンパクトで高効率な冷却装置を実現している。
ところで、上記塗装設備においては、塗布液を塗布してから強固な皮膜の形成が完了するまでの間は、ロール等とストリップとを非接触の状態で搬送する必要がある。というのは、ストリップの表裏面に形成される塗料等の皮膜は、高温では密着力が弱く、ロール等と接触すると、皮膜のはがれやスリップによるスリ疵等が発生しやすいため、これを防止する必用があるからである。
そこで、乾燥・焼付装置においては、ストリップを非接触状態とするとともに、吹き付けるガス流によって未乾燥状態の皮膜に模様等が生じるのを防止するため、ストリップを懸垂して張力により支持した、いわゆる懸垂状態(カテナリ状態)にして処理する「カテナリ型の乾燥・焼付装置」が一般に採用されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、最近では、表面品質が厳しい用途に対応するため、乾燥・焼付過程だけでなく、冷却過程をも懸垂状態のままで冷却するカテナリ型の冷却装置を採用するようになってきている。
しかし、上記カテナリ状態で乾燥・焼付けするあるいは冷却するカテナリ型の設備においては、上下の風箱から噴出されるガス流が変動した場合、その変動の影響を受けて、ストリップが上下方向に振動を起こすことがある。この振動は、必ず発生するものではなく、ガス流の流量や圧力およびそれらの変動量や、ストリップがカテナリ状態となっている部分の長さ、ストリップの板厚や板厚等の各種の要因が重なり合って、ある特殊な状態になった場合に発生するものである。
特に、高速塗装(搬送)を行なう時には、ストリップが比較的長い周期で上下方向に大きく振動(いわゆるバタツキ)することが多い。そして、このストリップの振動の振幅がある大きさ以上になると、塗装設備において塗布ムラが発生して均一な皮膜を形成することができず、乾燥後の表面皮膜に、線状あるいは筋状模様の欠陥が発生するようになる。
上記問題に対しては、ガス流の変動を低減することが有効であり、例えば、冷却ガスの流量や圧力を下げて、ストリップの振動を抑制するといった対策が現場的には行なわれている。しかし、図1に示したような、排気ブロアと給気ブロアを兼用させる構造の冷却設備においては、冷却ユニットの給気・排気量をバランスさせる必要性から、1ユニットだけでの流量調整は不可能であり、すべての冷却ユニットのガス流量を下げることが必要となる。その結果、冷却能力が低下し、著しい生産能力の低下を招く。
そこで、上記問題点に対する解決策として、例えば、特許文献2には、ストリップの温度が、皮膜が硬化する温度以上となる位置で、少なくとも1本の振動抑止ロールをストリップに接触させることで振動を抑制する技術が、また、特許文献3には、複数のロールをオフセットさせてストリップに押し込み、振動を減少させる技術が開示されている。
特開昭57−201562号公報 特開平02−164483号公報 特許第3567778号公報
しかし、特許文献2や特許文献3に記載された方法は、ストリップ(鋼帯)とロールとを高温において接触させているため、皮膜の剥離やスリキズ、ロールの押疵等が発生することが多くあり、ロール接触に起因する欠陥を完全に防止することができていない。そのため、現在のところでは、ストリップの振動が発生した場合には、ガスの流量や圧力を下げて、設備能力を大幅に低下させながら操業せざるを得ないのが実情である。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、ストリップサイズやライン速度などの操業条件等の変動があっても、製造能力を大きく低下させることがなく、かつ、ロール起因の欠陥を発生させることなく、ストリップの振動を効果的に抑制することができる連続塗装設備を提供すると共に、とその有利な運転方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、冷却装置を構成する複数の冷却ユニットのうちの上流側の少なくとも1ユニットに給気ガス制御手段を設けて、その冷却ユニットの給気ガス量あるいは給気ガスの流量(圧力)分布を変えてやることにより、生産能力の大幅な低下をまねくことなく、ストリップの振動を効果的に防止し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、走行する鋼帯表面に塗布液を連続的に塗布する塗装装置と、塗装後の鋼帯を乾燥および/または焼付処理するカテナリ型乾燥・焼付装置と、乾燥・焼付後の鋼帯を冷却する、後段冷却での排気ブロアと前段冷却での給気ブロアを兼用している多段冷却ユニットにて構成されるカテナリ型冷却装置とを有する連続塗装設備において、上記冷却装置の上流側の1以上の冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けたことを特徴とする連続塗装設備である。
本発明の連続塗装設備における上記冷却装置は、冷却設備の最上流位置の冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けたものであることが好ましい。
また、本発明の連続塗装設備における上記給気ガス制御手段は、給気ブロアから供給されるガスの一部を排気ブロアへ直送するバイパス機構であることが好ましい。
また、本発明の連続塗装設備における上記給気ガス制御手段は、給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御する機構であることが好ましい。
また、本発明は、上記に記載の連続塗装設備を用いて鋼帯表面に塗膜を連続的に形成するに際し、冷却装置の上流側の1ユニット以上の冷却ユニットにおいて給気ガスを制御することを特徴とする連続塗装設備の運転方法を提案する。
本発明の連続塗装設備の運転方法は、上記給気ガスの制御を、冷却設備の最上流位置の冷却ユニットのみで行なうことが好ましい。
また、本発明の連続塗装設備の運転方法は、上記給気ガスの制御を、給気ブロアから供給されるガスの一部をバイパス経由で排気ブロアへ直送することによって行なうことが好ましい。
また、本発明の連続塗装設備の運転方法は、上記給気ガスの制御を、給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御することによって行なうことが好ましい。
本発明によれば、連続塗装設備におけるカテナリ状態のストリップの振動を、高速塗装時においても、冷却設備の冷却能力の大幅な低下を招くことなく、効果的に防止することができるので、ストリップの振動に起因した塗布ムラや表面疵の発生を、生産能力の低下を招くことなく、防止することができる。
本発明に係る連続塗装設備について説明する。
本発明の連続塗装設備は、走行する鋼帯表面に連続的に塗布液を塗布する塗装装置と、カテナリ状態で搬送される塗装後の鋼帯を乾燥および/または焼付処理する乾燥・焼付装置と、乾燥・焼付後の鋼帯をカテナリ状態のまま搬送する間に冷却するための、後段冷却での排気ブロアと前段冷却での給気ブロアを兼用している多段冷却ユニットにて構成される冷却装置とを有する連続塗装設備において、上記冷却装置の上流側の1以上の冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けてなるものである。
まず、本発明の連続塗装設備は、塗装後の鋼板(ストリップ)を乾燥・焼付処理する乾燥・焼付装置および、乾燥・焼付け後のストリップを冷却する冷却装置がカテナリ型のものである。塗布液の塗布後から冷却完了までの間に、ロール等がストリップと接触する構造の塗装設備では、本発明が解決しようとしているストリップの大きな振動は、起こり難いからである。
また、本発明の連続塗装設備は、その冷却装置が、後段冷却での排気ブロアと前段冷却での給気ブロアを兼用している多段の冷却ユニットにて構成されるものである。従来技術のように、個々の冷却ユニットに、給気ブロアと排気ブロアを配設した構造では、冷却ユニット単位で冷却ガスの風量を制御することができるため、やはり、本発明が解決しようとしている問題は生じないからである。
そして、本発明の連続塗装設備は、上記のようなカテナリ型の乾燥・焼付装置および冷却装置を有し、かつ給気ブロアと排気ブロアを兼用する構造の冷却装置を有する塗装設備において、冷却装置の上流側の1以上の冷却ユニットに、ストリップの振動を防止するための給気ガス制御手段を設けたことを特徴とする。ここで、本発明における上記給気ガス制御手段とは、後で詳しく説明するように、給気ブロアから供給されるガスの一部を排気ブロアへ直送するバイパス機構(本発明の第1の実施形態)であり、あるいは、給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御する機構(本発明の第2の実施形態)である。
本発明において、上記給気ガス制御手段を、多段の冷却ユニットからなる冷却装置の上流側に設ける理由は、上流側ほど塗装装置に近く、ストリップの振動を防止する上では、効果が大きいからである。上記観点からは、最上流側の冷却ユニットが最も振動を防止する効果が大きく、したがって、1冷却ユニットのみで給気ガスを制御する場合には、冷却設備の最上流に位置する冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けることが最も効果的である。
しかし、振動が起こる原因は、多数の要因によって引き起こされることから、最上流位置の冷却ユニットだけでは、振動抑制効果が得られない場合があり、その場合には、最上流から2番目の冷却ユニットにも給気ガス制御手段を設けることが好ましい。この場合、2番目の冷却ユニットのみで給気ガス制御を行ってもよく、1,2番目の冷却ユニットで同時に給気ガス制御を行ってもよい。
つまり、ストリップの振動防止効果が最も大きい冷却ユニットを選択して給気ガス制御を行うことが好ましく、制御する冷却ユニットの数に制限はない。というのは、本発明の給気ガス制御手段では、各冷却ユニットの給気ブロアから供給されるガス量と排気ブロアから排出されるガス量は全て同じであり、各冷却ユニットの給気ガス制御が、他の冷却ユニットに及ぼす影響が小さいからである。
ただし、全ての冷却ユニットにおいて、給気ガス制御を行うことは、単に冷却装置の冷却能力を落としたのと同じことになり、生産能力の低下を招くだけなので、本発明の効果は得られない。したがって、給気ガス制御を設ける冷却ユニットとしては、最上流の冷却ユニットが最も好ましく、次いで、最上流から2番目の冷却ユニットということになる。
次に、本発明の給気ガス制御手段について説明する。
図2は、カテナリ型乾燥・焼付装置およびカテナリ型冷却装置を備える連続塗装設備において、冷却装置の最上流の冷却ユニットに、給気ガス制御手段として、本発明のバイパス機構(第1の実施形態)を設けた例を示したものであり、ストリップ1の表裏面に塗装装置2および2´で塗装を施した後、その塗装後のストリップを、カテナリ状態において乾燥・焼付装置4で塗布液を乾燥および/または焼付処理し、その後、カテナリ状態のまま冷却装置5に搬送し、冷却して塗装鋼板としている。
ここで、図2に示した冷却装置5は、4つの冷却ユニットから構成されており、上流側から5−1、5−2、5−3および5−4と直列に配置されている。そして、最上流の冷却ユニット(5−1)には、該ユニットに冷却ガスを供給する給気ブロア6(5−2の排気ブロアを兼ねている)と、該ユニットから冷却に使用されたガスを排気する排気ブロア7が配設され、冷却ガスは、風箱8に取付けられたノズル9から、ストリップ1に向けて高圧で吹き出されている。また、上記給気ブロア6と排気ブロア7の間には、両者を直結するバイパスダクト10が配設されており、そのバイパスダクトおよび給気ブロアと冷却ユニットを結ぶダクトのそれぞれには、風量を制御するための開閉弁11,12が設置されている。
そして、冷却装置内をカテナリ状態で搬送されているストリップの振動が大きくなった場合には、上記開閉弁11を開、12を閉の方向に操作して給気ブロアから供給される冷却ガスの一部を、バイパスダクト10を経由して排気ブロアに直送する。これによって、他の2〜4の冷却ユニットの冷却ガスの風量を落とすことなく、1冷却ユニットの冷却ガスの風量のみを低減し、ストリップの振動を抑制することができる。したがって、冷却装置全体としての冷却能力の低下は、最小限に抑制することが可能となる。
なお、上記バイパス機構は、最上流の冷却ユニット(5−1)ではなく、他の冷却ユニット、例えば、最上流から2番目の冷却ユニット(5−2)に設けてもよい。この場合、5−2の冷却ユニットの冷却ガスの風量をバイパスさせることにより低減しても、5−2の排気ブロア(5−1の給気ブロア)から、5−1の冷却ユニットに供給される冷却ガスの風量は減少することはないので、5−1の冷却ユニットの冷却能力に悪影響を及ぼすことはない。
また、上記バイパス機構は、最上流の冷却ユニット(5−1)と、他の冷却ユニット、例えば、最上流から2番目の冷却ユニット(5−2)の2箇所に設けてもよい。複数の冷却ユニットにおいて給気ガスの制御を行うことが、ストリップの振動抑制に有効な場合もあるからである。ただし、全ての冷却ユニットにバイパス機構を設けることは、前述したように、単に冷却装置の風量を低減することに他ならないので、無意味である。
次に、図3は、給気ガス制御手段として、本発明の第2の実施形態の流量分布制御機構を冷却装置に設けた例を、冷却装置の部分のみを抜き出して、示したものである。図3に示した冷却装置5は、図2の冷却装置と同様、4つの冷却ユニットから構成されており、上流側から5−1、5−2、5−3および5−4と直列に配置されている。そして、最上流の冷却ユニット(5−1)には、該ユニットに冷却ガスを供給する給気ブロア6(5−2の排気ブロアを兼ねている)と、該ユニットから冷却に使用されたガスを排気する排気ブロア7が配設され、冷却ガスは、風箱8に取付けられたノズル9から、ストリップ1に向けて高圧で吹き出されている。ここで、図3の5−1の冷却ユニットが、図2のそれと異なる点は、バイパス機構の代わりに、冷却ユニット内の風箱8を2分割(8a、8b)し、開閉弁13を操作することにより、それぞれの風箱からの冷却ガスの風量を任意に制御できるようにし、それによって、冷却ユニット内における冷却ガスの流量分布(あるいは圧力分布)を変えて、ストリップの振動を抑制しようとするところにある。
この第2の実施形態の流量分布制御機構は、冷却ユニット内の流量分布(圧力分布)を変えるだけで、冷却ユニットに供給され、排出される風量には変化はない。したがって、バイパス機構と同様、この流量分布制御機構を設けることによって、他の冷却ユニットの冷却能力には影響することはない。また、この流量分布制御機構は、前述したバイパス機構と同様、最上流の冷却ユニットに設けることが最も効果的であり、また、最上流の冷却ユニット以外に、あるいは上流側の複数ユニットに設けてもよいことは勿論である。
図1に示した、4つのユニットから構成される冷却設備を有する本発明に係る連続塗装装置を用いて、板厚:0.8mm×板幅:1500mmの鋼帯(ストリップ)に、ポリエチレン16mass%、コロイダルシリカ4mass%、水分80mass%からなる白色塗料(固形分20mass%)を、表1に示した条件で、表裏面に塗装を施し、常法の条件で乾燥し、焼付し、冷却して塗装鋼板とし、冷却中におけるストリップの振動発生状況を観察すると共に、冷却後の鋼板表面を目視で観察してストリップのバタツキに起因する塗布ムラの発生状況を、下記基準で評価した。
<鋼板表面評価条件>
○:塗布ムラなし
△:軽度の塗布ムラ発生
×:重度の塗布ムラ発生
上記の結果を、表2に併記して示した。
No.1の比較例は、60mpmの高速で、1〜4の冷却ユニットの給気ブロアから供給される冷却ガスの風量を1800m/minとして塗装、焼付後のストリップを冷却した例であり、ストリップの振動により大きな塗布ムラが発生した。
No.2の比較例は、上記塗布ムラを解消するために、冷却ガスの風量を1200m/minにした例であり、ロールに接触するときの板温を確保する(下げる)ために塗装速度を40mpmに落とす必要があった。それに伴って、ストリップの振動と塗布ムラは若干改善されたものの、生産性が大幅に低下している。
No.3の比較例は、No.2よりさらに、冷却ガスの風量を900m/minに落とした例であり、塗装速度を30mpmまで落とす必要があった。これにより、塗布ムラの発生はなくなったものの、生産性がNo.1と比較して半減している。
一方、No.4の本発明例は、冷却設備の最上流の1ユニットのバイパス機構を用いて、2〜4ユニットの風量を1800m/minに保持したまま、1ユニットのみの風量を800m/minに落とした例であり、ライン速度は50mpmと若干No.1の例より低下させる必要があったものの、塗布ムラのない、良好な表面品質の塗装鋼板が得られている。
以上の結果から、本発明を用いることにより、生産性を大きく低下することなく、ストリップの振動による塗布ムラを解消することができることがわかる。
Figure 2009214066
本発明の技術は、鋼帯の塗装に限定されるものではなく、鋼帯以外の帯状の被塗装体に連続して塗装を行う場合にも好適に用いることができる。
従来のカテナリ型の冷却装置を有する連続塗装設備を説明する模式図である。 本発明の、冷却装置にバイパス機構を設けた連続塗装設備を説明する模式図である。 本発明の、冷却装置に風量制御機構を設けた連続塗装設備の冷却装置部分を説明する模式図である。
符号の説明
1:鋼帯(ストリップ)
2、2´:塗装装置(コータ)
3:バックアップロール(デフレクタロール)
4:カテナリ型乾燥・焼付装置
5:カテナリ型冷却装置
5−1,5−2,5−3,5−4:冷却ユニット
6:給気ブロア(後段の排気ブロア)
7:排気ブロア(前段の給気ブロア)
8、8a、8b:風箱
9:ノズル
10:バイパスダクト
11、12、13:開閉弁

Claims (8)

  1. 走行する鋼帯表面に塗布液を連続的に塗布する塗装装置と、
    塗装後の鋼帯を乾燥および/または焼付処理するカテナリ型乾燥・焼付装置と、
    乾燥・焼付後の鋼帯を冷却する、後段冷却での排気ブロアと前段冷却での給気ブロアを兼用している多段冷却ユニットにて構成されるカテナリ型冷却装置とを有する連続塗装設備において、
    上記冷却装置の上流側の1以上の冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けたことを特徴とする連続塗装設備。
  2. 上記冷却装置は、冷却設備の最上流位置の冷却ユニットに給気ガス制御手段を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の連続塗装設備。
  3. 上記給気ガス制御手段は、給気ブロアから供給されるガスの一部を排気ブロアへ直送するバイパス機構であることを特徴とする請求項1または2に記載の連続塗装設備。
  4. 上記給気ガス制御手段は、給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御する機構であることを特徴とする請求項1または2に記載の連続塗装設備。
  5. 請求項1に記載の連続塗装設備を用いて鋼帯表面に塗膜を連続的に形成するに際し、冷却装置の上流側の1ユニット以上の冷却ユニットにおいて給気ガスを制御することを特徴とする連続塗装設備の運転方法。
  6. 上記給気ガスの制御を、冷却設備の最上流位置の冷却ユニットのみで行なうことを特徴とする請求項5に記載の連続塗装設備の運転方法。
  7. 上記給気ガスの制御を、給気ブロアから供給されるガスの一部をバイパス経由で排気ブロアへ直送することによって行なうことを特徴とする請求項5または6に記載の連続塗装設備の運転方法。
  8. 上記給気ガスの制御を、給気ブロアから供給されるガスの長手方向および/または幅方向の流量分布を制御することによって行なうことを特徴とする連続塗装設備の運転方法。
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