JP4804670B2 - 鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続焼鈍設備や溶融メッキ設備等に使用される鋼帯の冷却装置又は加熱(予熱)装置又は乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続焼鈍設備に採用されている冷却装置として、例えば特公平2−16375号公報のような技術である。この技術は、図7に示すように、竪型連続焼鈍炉の炉体11内において、複数のノズル5を有する一対の冷媒吹き付け箱1を、鋼帯3を挟んでその両面側に所定の間隔をあけて設置し、ノズル5より鋼帯3に向けて冷媒を吹き付け、鋼帯3を所定温度まで冷却するものである。鋼帯3に吹き付けられた後の冷媒は、炉体11の所定の位置に設置した吸い込み口10から吸い込まれ、ダクト8、熱交換器9、ブロワ4および横断面がY字状のダクト12を介して吹き付け箱1に戻され、循環使用されている。
【0003】
ところで、通板される鋼帯において、C反り等の形状崩れや鋼帯の蛇行等が生じた場合等、鋼帯に吹き付けた後の冷媒の流れにアンバランスが生じ、鋼帯のエッジ部がバタつくフラッタリングや鋼帯エッジ部がツイストするツイスト現象が発生する。冷却装置に通板される鋼帯の板幅や厚み等の条件は様々であるが、特に広幅材や薄手材の場合、このフラッタリングやツイスト現象が生じやすくなる。また、鋼帯の形状不良がないような場合でも、特に冷媒量が大きい場合、鋼帯のエッジ側に行くに従って、鋼帯の中央部に吹き付けられた後の冷媒がエッジ側に流れて排気されていくため、鋼帯のエッジ部に吹き付けられる冷媒がこの中央部に吹き付けられた後の冷媒流れの影響を受け、鋼帯エッジ部表裏面の圧力バランスが不安定となり、フラッタリングやツイスト現象を発生すると考えられる。
【0004】
このような鋼帯のフラッタリングやツイスト現象が生じると、鋼帯と冷媒の吹き付け箱の間隙は、例えば50〜250mmという小さな距離であるため、鋼帯が吹き付け箱と接触し、鋼帯への傷入りが発生したり、これらを避けるためにライン減速、または鋼帯に吹き付ける冷媒の量を減少させるという処置が必要となり、生産効率が低下するという問題が生じる。また、この冷媒装置を溶融メッキ装置に適用した場合には、例えばメッキした後の冷却にこの冷却装置を使用するが、冷却装置においてこのような現象が生じた場合、メッキのワイピングノズルと鋼帯との距離が変動してしまい、それに伴って鋼帯表裏面へのメッキ付着量が変動し、メッキ付着精度が悪化する要因にもなる。
【0005】
そこで、例えば、特開平9−241764号公報では、図8に示すように鋼帯3の表裏面に、適宜間隔をおき、相対向して一対の冷媒吹き付け箱1を配置し、この吹き付け箱1の幅方向一方向にその横断面がY字状のダクト12を連続して冷媒を供給し、それぞれの吹き付け箱1に配置したノズル5を介して鋼帯3を冷却する冷却装置において、吹き付け箱1の冷媒の反供給側に、横断面がく字状のガイドプレート13を設置して、吹き付け箱1の冷媒供給側および反供給側の横断面がほぼ同形状になるように形成して冷媒の流れを均等にする冷却装置が記載されている。
【0006】
このようにガイドプレート13を設けて、鋼帯3の両エッジ部の横断面が同形状になるように包囲した空間を形成することにより、理屈の上では鋼帯両サイドへ流れる冷媒を均等にすることは可能であるが、実際の操業においては鋼帯3の形状が一定ではないため、鋼帯3形状不良等に起因すると考えられるガス流れのアンバランスが生じることも有り、そのような場合この両エッジ部を包囲するY字状ダクト12やガイドプレート13は固定式であるため、鋼帯2の不安定な搬送状態を改善することは難しかった。
【0007】
尚、ここでは、冷却装置を例にとって説明したが、例えば連続焼鈍設備等の予熱帯において、鋼帯に熱媒を吹き付けて鋼帯加熱を行う加熱装置や、鋼帯にメッキを施した後にクロム酸処理を行い、鋼帯に熱媒を吹き付けて乾燥を行う乾燥装置等においても、前述した冷却装置と同様に鋼帯のツイスト現象やフラッタリングといった問題が生じる。従って、従来は、これを防止するために、ライン減速、または鋼帯に吹き付ける熱媒の量を減少させる、熱媒を吹き付ける吹き付け箱と鋼帯との距離を必要以上に大きくとるというような処置が必要となり、熱媒吹き付けによる加熱装置や乾燥装置においても、冷却装置と同様に生産効率が低下するという問題があった。
そこで本願発明は、鋼帯形状が不良な場合においても、フラッタリングやツイスト現象を防止し、常に鋼帯を安定して通板することが可能な冷媒又は熱媒の吹き付けにより鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
垂直方向に搬送される鋼帯の表裏面側に対向配置した冷媒又は熱媒の吹き付け箱より、鋼帯に冷媒又は熱媒を吹き付け、鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置において、前記対向配置した吹き付け箱間隙の、鋼帯左右両エッジ部近傍の間隙部のみを適宜調整するための一対のバッフルプレートを鋼帯の表面側にある吹き付け箱の左側面と鋼帯の裏面側にある吹き付け箱の右側面に、または、鋼帯の表面側にある吹き付け箱の右側面と鋼帯の裏面側にある吹き付け箱の左側面に、各々勝手違いになる如く設置し、該バッフルプレートによって間隙部を調整することにより、鋼帯の表裏面側での冷媒又は熱媒の流れを変化させ、鋼帯エッジ部における鋼帯の表裏面の圧力差による回転モーメントを発生させて鋼帯を一定の状態でバランス・静止させ、鋼板を安定通板させることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記鋼帯の左右両エッジ部近傍に位置する一対のバッフルプレートは、前記対向配置した吹き付け箱の対向面に対して各々垂直方向へ移動可能なスライド式であることを特徴とする。
また、前記鋼帯の左右両エッジ部近傍に位置する一対のバッフルプレートは、各々その一端が吹き付け箱に軸着されており、吹き付け箱の外方に向かって回動自在であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は、竪型連続焼鈍設備の冷却装置部を示す全体図であり、図2は、本発明の冷媒の吹き付け箱の横断面図である。図1に示すように、鋼帯3は上方に配置した搬送ロール7と下方に配置した搬送ロール7により、上方から下方へ、または下方から上方へ搬送される。この上下に搬送される鋼帯3の表裏面側には、一対の冷媒の吹き付け箱1が一定の間隙6をもって対向配置されており、本実施例では対向配置した吹き付け箱1が3段配置されている。この段数はラインによって勿論異なる。
【0011】
この吹き付け箱1には、図2に示すように、多数のノズル孔5が設置されており(突起ノズルの場合も有り)、図示しないブロワで昇圧された冷媒は、冷媒の吹き付け箱1のノズル孔5から鋼帯3の全幅に亘って吹き付けられ、鋼帯3を所定の温度まで冷却している。ちなみに、この冷媒は気体、気水等である。従来技術で説明した連続焼鈍設備のように、冷却装置が炉体内に設置されているような場合、鋼帯3に吹き付けられた後の冷媒は、従来技術で説明した場合と同様に、炉体の所定の位置に配設した炉内雰囲気ガスを吸い込む吸い込み口より吸引され、熱交換器を通過して、所定の温度に冷却された後、ブロワにて昇圧されて吹き付け箱1に供給され、循環使用される。
【0012】
また、例えば溶融亜鉛メッキ設備等、メッキした後の冷却に使用される場合は、冷却装置は炉体内に設置されず、むき出しになっているため、そのような場合は、鋼帯3に吹き付けられた後の冷媒は大気中にそのまま放散される。いずれの設備に適用した場合においても、鋼帯3に吹き付けられた後の冷媒は、一対の冷媒の吹き付け箱1の間隙6において、鋼帯3の表裏面に沿って上下方向及び鋼帯3の両エッジ部側に流れて排気される。
【0013】
このような冷却装置において、搬送される鋼帯3の板条件は様々であるが、広幅材や薄手材等の場合等、ちょっとした鋼帯3の形状不良が原因となり、鋼帯3と吹き付け箱1との距離が、その表裏面A、Bで異なってくるため、結果として鋼帯3両面側での冷媒流れに差が生じ、鋼帯3の表裏面A、Bでの圧力が変動してしまうことにより、鋼帯3の両エッジ部がフラッタリングやツイスト現象を起こし、鋼帯3と冷媒の吹き付け箱1とが接触してしまう。また、鋼帯3の形状が良好な場合においても、特に冷媒量が大きいとフラッタリングやツイスト現象が起こる場合がある。これは、鋼帯3のエッジ部に行くに従って、鋼帯3の中央部に吹き付けられた後の冷媒が、鋼帯3の幅方向の両エッジ部側に流れて排出されるため、これが吹き付け箱1のノズル5からエッジ部に吹き付けられる冷媒と衝突することにより、エッジ部において鋼帯3表裏面での圧力変動が生じることに起因すると考えられる。
【0014】
そこで、本発明においては、このようなフラッタリングやツイスト現象を防止するために、図2の横断面図に示すように、鋼帯3の両エッジ側の吹き付け箱1側面に、吹き付け箱1と吹き付け箱1との間隙6を調整するためのバッフルプレート2を取り付けることで、鋼帯3の左右両エッジ部近傍の間隙部のみの距離を調整することが可能となっている。このバッフルプレート2は図1に示すように、吹き付け箱1の全長に亘って例えば、ボルト等によって取り付けられており、バッフルプレート2は板条件に応じて、対向配置された吹き付け箱1の対向面に対して垂直方向に移動させることが可能なスライド式となっている。
【0015】
バッフルプレート2は、鋼帯3の左右両エッジ部に一対設ける必要があり、例えば図2においては、鋼帯3の表面側Aにある吹き付け箱1の左側面と、鋼帯3の裏面側Bにある吹き付け箱1の右側面に勝手違いに設けている。例えば、フラッタリングやツイスト現象が生じた場合、この勝手違いに設けられた一対のバッフルプレート2をそれぞれ鋼帯3側に向かってスライドさせることにより、エッジ部近傍における吹き付け箱1間の隙間部、即ち吹き付け箱1から冷媒が排出される開口幅が狭められる。これにより、鋼帯3のエッジ部において、鋼帯3表裏面側A、Bでの冷媒の排気流れに変化が生じる。
【0016】
即ち、対向配置した一対の吹き付け箱1の一方にバッフルプレート2を設置して、これを他方の吹き付け箱1の対向面に対して垂直方向にスライドさせ、エッジ部近傍の間隙部を狭めた表面側Aの左側エッジ部や裏面側Bの右側エッジ部では、冷媒の排気流れはバッフルプレート2により一旦堰き止められた後吹き付け箱1外に流れ出すが、バッフルプレート2を設置していない表面側Aの右側エッジ部や裏面側Bの左側エッジ部では、冷媒の排気流は何も制限されないため、そのまま吹き付け箱1の外に流れ出す。これにより発生する鋼帯3のエッジ部における表面側Aと裏面側Bの圧力差により、鋼帯3に曲げモーメント14が発生し、鋼帯3は図3に示すように若干斜めになった状態で静止する。但し、この角度は当然鋼帯3の曲げ剛性に応じて変わってくる。
【0017】
このバッフルプレート2のスライド量は、鋼帯3の条件に応じて調整されるが、このようなエッジ部近傍の間隙部を適宜調整することにより、鋼帯3に一定方向の曲げモーメント14が発生し鋼帯3が圧力差によってバランスした状態で静止するため、鋼帯3のエッジ部が鋼帯3の表裏面AB方向に振動するフラッタリングやツイストの発生を防止し、鋼帯3を安定した状態で通板することができる。尚、図2、3においてバッフルプレート2は吹き付け箱1の表面側Aの左側面と裏面側Bの右側面とに設けているが、表面側Aの右側面と裏面側Bの左側面に勝手違いに設ける。
【0019】
次に、このバッフルプレートの別の実施例について説明する。
図4は別の実施例を示した吹き付け箱横断面図、図5は吹き付け箱の側面図である。この実施例において、バッフルプレート2は回動式になっており、鋼帯3の左右両エッジ部近傍に位置する一対のバッフルプレート2は、吹き付け箱1に固定された固定板17の回転軸16を中心として吹き付け箱1の外方に回動自在なように、バッフルプレート1の一端が吹き付け箱1に軸着されている。例えば、ここでは、この固定板17に回動孔19がきってあり、回転軸16に固定されたハンドル15を動かすことによってバッフルプレート2が吹き付け箱1の外方に回動し、適当な位置で固定ボルト18によりバッフルプレート2の位置を固定するようになっている。
【0020】
このようなバッフルプレート2を、図4においては、鋼帯3の表面側Aにある吹き付け箱1の左側面と、鋼帯3の裏面側Bにある吹き付け箱1の右側面に勝手違いに設けている。フラッタリングやツイスト現象が生じた場合、この勝手違いに設けられた一対のバッフルプレート2をそれぞれ回動させることにより、エッジ部近傍における吹き付け箱1の間隙部、即ち吹き付け箱1から冷媒が排出される開口幅が調整される。これにより、鋼帯3のエッジ部において、鋼帯3表裏面側A、Bでの冷媒の排気流れに変化が生じる。
【0021】
即ち、図4のような角度でバッフルプレート2が固定されている場合、表面側Aの左側エッジ部や裏面側Bの右側エッジ部では、冷媒の排気流れはバッフルプレート2により一端堰き止められた後、吹き付け箱1の外に流れ出すが、バッフルプレート2が吹き付け箱1の外方に開いている表面側Aの右側エッジ部や裏面側Bの左側エッジ部では、冷媒の排気流は制限されないため、そのまま吹き付け箱1の外に流れ出す。これにより発生する鋼帯3のエッジ部における表面側Aと裏面側Bの圧力差により、鋼帯3に曲げモーメント14が発生し、例えば鋼帯3は図6に示すような状態で静止する。この静止角度は、勿論、鋼帯3の曲げ剛性に応じて変わってくる。
【0022】
尚、この回動式のバッフルプレートの場合もスライド式のバッフルプレートと同様に、表面側Aの右側面と裏面側Bの左側面に勝手違いに設置する。
【0024】
このようにスライド式もしくは回動式のバッフルプレート2を設けてエッジ部近傍の間隙部の距離を調整することにより、鋼帯3の表面側Aと裏面側Bとで圧力差が生じ、これによって曲げモーメント14が発生し、鋼帯3がバランスして静止するため、鋼帯3のエッジ部で起こっていたフラッタリングやツイスト現象を止めることができる。従って、鋼帯3と吹き付け箱1との接触を防止することが可能となり、従来起こっていた鋼帯3への傷入りがなくなり製品品質を向上させることができる。また、従来のようにライン減速、冷媒の吹き付け流量を落としたり、鋼帯3と吹き付け箱1との距離を必要以上に大きくとる必要がないため、生産性を向上させることができる。また、溶融メッキ設備において、メッキした後の冷却に、本発明を適用した場合は、メッキのワイピングノズルと鋼帯3との距離が変動しないため、メッキ目付量の精度が向上する。
【0025】
尚、本実施例では鋼帯の冷却を行う冷却装置を例にとって説明したが、例えば、連続焼鈍設備の入側予熱帯等で、熱媒を鋼帯に吹き付けて鋼帯の予熱を行う加熱(予熱)装置や、メッキを施して後のクロム酸処理等において、熱媒を鋼帯に吹き付けて鋼帯の乾燥を行う乾燥装置においても適用可能である。その場合の吹き付け装置やバッフルプレートの構成は、前述した冷却装置の場合と同様であり、その構成により得られる作用効果も同様である。
【0026】
尚、本実施例では竪型の炉に冷却装置を適用した場合について説明した。
【0027】
要は、吹き付け箱1の両エッジ部近傍の間隙部を適宜調整することにより、鋼帯3のエッジ部表裏面での冷媒流れを変化させ、鋼帯3エッジ部における鋼帯の表裏面に圧力差を生じさせることにより、回転モーメント14を発生させ鋼帯3を一定の状態でバランス・静止させ、それによってフラッタリングやツイスト現象を解消し、鋼帯3を安定通板させることが本願発明の狙いである。
【0028】
また、バッフルプレート2は対向配置した吹き付け箱1の対向面に対して垂直方向へ移動可能なスライド式、又は吹き付け箱1の外方に向かって回動自在な回動式となっているため、板条件の変化によりフラッタリングやツイストが生じた場合は、ただちにその板条件に合わせて、バッフルプレートの位置設定を変更することで、鋼帯13のエッジ部近傍の間隙部の調整を行い、フラッタリングやツイスト現象を防止することができるものである。
【0029】
【発明の効果】
本願発明では、鋼帯の表裏面側に対向配置した吹き付け箱より鋼帯に冷媒又は熱媒を吹き付け、鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置において、前記対向配置した吹き付け箱間隙の、特に鋼帯左右両エッジ部近傍の間隙部のみを適宜調整するための一対のバッフルプレートを吹き付け箱に設置し、該バッフルプレートによって間隙部を調整することにより、鋼帯の表裏面側での冷媒又は熱媒の流れを変化させ、鋼帯エッジ部における鋼帯の表裏面に圧力差を発生させている。これにより鋼帯に回転モーメントが生じ、鋼帯はある位置でうまくバランスし静止状態を維持することで、従来板の形状不良等が原因で生じていたフラッタリングやツイスト等の発生を防止することができる。従って、常に鋼帯を安定通板させることが可能となり、鋼帯が吹き付け箱に接触することがなくなり、鋼帯への傷入りの発生を防止し製品品質を向上することができる。
【0030】
また、従来のようにフラッタリングやツイスト現象を防止するために、ラインスピードを減速させたり、鋼帯への冷媒や熱媒の吹き付け風量を落とす必要がないため、生産性を向上させることができる。
また、本願発明のように鋼帯の表裏面エッジ部で圧力差を生じさせ、鋼帯に曲げモーメントを発生させるためには、例えばエッジ部での冷媒や熱媒の吹き付け量そのものを変化させることも考えられるが、本願ではそのような風量制御を行うための複雑な配管構成を有する必要がなく、吹き付け箱にバッフルプレートを取り付け、このバッフルプレートにより鋼帯エッジ部近傍の間隙部を適宜調整するという簡便な装置構成により、曲げモーメントを発生することが可能となる。
【0031】
さらに、このバッフルプレートは、対向配置した吹き付け箱の対向面に対して垂直方向へ移動可能なスライド式、又はその一端が吹き付け箱に軸着されており、吹き付け箱の外方に向かって回動自在な回動式であるため、板条件の変化により、鋼帯の通板が不安定になった場合も、ただちにこのバッフルプレートの位置を適宜調整することで、鋼帯エッジ部近傍の間隙部の調整を行い鋼板を安定通板することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 竪型連続焼鈍設備の冷却装置を示す全体図、
【図2】 図1の冷却装置の吹き付け箱横断面図、
【図3】 スライド式のバッフルプレートを、対向配置した吹き付け箱に勝手違いに設けた場合の吹き付け箱の平面図、
【図4】 回転式バッフルプレートの吹き付け箱横断面図、
【図5】 回転式バッフルプレートの吹き付け箱側面図、
【図6】 回転式バッフルプレートを、対向配置した吹き付け箱に勝手違いに設けた場合の吹き付け箱の平面図、
【図7】 従来の冷却装置を示した斜視図、
【図8】 従来の冷却装置を示した斜視図である。
Claims (3)
- 垂直方向に搬送される鋼帯の表裏面側に対向配置した冷媒又は熱媒の吹き付け箱より、鋼帯に冷媒又は熱媒を吹き付け、鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置において、前記対向配置した吹き付け箱間隙の、鋼帯左右両エッジ部近傍の間隙部のみを適宜調整するための一対のバッフルプレートを鋼帯の表面側にある吹き付け箱の左側面と鋼帯の裏面側にある吹き付け箱の右側面に、または、鋼帯の表面側にある吹き付け箱の右側面と鋼帯の裏面側にある吹き付け箱の左側面に、各々勝手違いになる如く設置し、該バッフルプレートによって間隙部を調整することにより、鋼帯の表裏面側での冷媒又は熱媒の流れを変化させ、鋼帯エッジ部における鋼帯の表裏面の圧力差による回転モーメントを発生させて鋼帯を一定の状態でバランス・静止させ、鋼板を安定通板させることを特徴とする鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置。
- 前記鋼帯の左右両エッジ部近傍に位置する一対のバッフルプレートは、前記対向配置した吹き付け箱の対向面に対して各々垂直方向へ移動可能なスライド式であることを特徴とする請求項1記載の鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置。
- 前記鋼帯の左右両エッジ部近傍に位置する一対のバッフルプレートは、各々その一端が吹き付け箱に軸着されており、吹き付け箱の外方に向かって回動自在であることを特徴とする請求項1記載の鋼帯の冷却又は加熱又は乾燥を行う装置。
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