JPH10102153A - カテナリー型乾燥炉における帯状体の張力制御方法 - Google Patents

カテナリー型乾燥炉における帯状体の張力制御方法

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JPH10102153A
JPH10102153A JP25418796A JP25418796A JPH10102153A JP H10102153 A JPH10102153 A JP H10102153A JP 25418796 A JP25418796 A JP 25418796A JP 25418796 A JP25418796 A JP 25418796A JP H10102153 A JPH10102153 A JP H10102153A
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furnace
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カテナリー型乾燥炉で上下それぞれに配設さ
れたノズルと、その間を通過させる帯状体との距離を縮
めることを可能とする。 【解決手段】 入側のロールコータ24で塗装した帯状
体Sを、入側と出側の各支点ロール26、28で懸垂状
態に支持しながら、加熱帯30の上側と下側ノズルチャ
ンバ30、32の間を通過させ、冷却帯22の上側と下
側ノズルチャンバ34、36の間を通過させて、塗膜の
乾燥処理を行うカテナリー型乾燥炉において、冷却帯2
2にサポートロール40を設置し、該サポートロールで
帯状体Sの途中を支持し、且つ、寸法の異なる先行材と
後行材の継接部を炉内に通過させる際、帯状体の張力H
(Xs )を、補正関数f(Xs/L)を含む次式で設定す
る。但し、H2 :先行材の張力、H1 :後行材の張力、
Xs :継接部の進入位置、L:カテナリーの全長。 H(Xs )=H2 −(H2 −H1 )f(Xs/L)
…(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続塗装ラインで
塗装される帯状体をカテナリー型乾燥炉で乾燥する際に
適用して好適な、カテナリー型乾燥炉における帯状体の
張力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの固定位置(入側と出側に設置され
た各支点ロール)間に懸垂された帯状体を連続塗装した
後、加熱乾燥と冷却処理を行うカテナリー型乾燥炉で
は、カテナリー形状で搬送される帯状体(以下、単にカ
テナリーともいう)に沿って、その上側と下側のそれぞ
れに設けられたノズルから噴出される流体(気体)の伝
熱によって、加熱帯では加熱乾燥が、冷却帯では冷却処
理がそれぞれ行われる。
【0003】カテナリー型乾燥炉には、このようにカテ
ナリーに沿って多数のノズルが設けられているため、帯
状体の搬送中にカテナリー形状の変動が大きくなると該
帯状体とノズルとの接触が起きたり、帯状体にノズルが
異常接近したために、ノズルからの噴出流体により塗膜
に風紋が発生したりする等の問題が生ずる。
【0004】従来においては、これらの問題点を回避す
るために、カテナリー形状の帯状体に沿って上下それぞ
れに設けられている両ノズルの間隔を大きくとっていた
が、この方法は省エネルギーの観点からすると不利であ
ることから、逆に上下両ノズルの間隔を可能な限り狭く
することが重要であり、そのためにはカテナリーの変動
量を最小限に止どめる制御が必要となる。
【0005】従来行われているカテナリーの制御方法と
しては、(1)カテナリー部の処理材(懸垂状態にある
帯状体)の長さを一定に保つように長さを制御する方
法、(2)カテナリーの最低点(又は任意の1点)を通
るように張力を制御する方法、(3)補正関数を用いる
張力の制御方法(例えば特開平4−231422)等が
ある。そして、上記(2)、(3)の張力を制御する方
法には、更に、張力計による張力検出値を用いる方法
と、制御した張力値でのストリップの位置を計算し、位
置検出器による検出値を計算値に合わせるべく位置制御
を行う方法とがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
連続塗装ラインにおいては、(A)生産性向上のために
ライン速度が速くなり、そのためにカテナリースパンが
超大化していることや、(B)寸法等が異なる種々の鋼
帯(帯状体)を処理可能とするチャンスフリー化のた
め、鋼帯の接続条件の板厚範囲が広くなっていること等
により、前述した省エネルギーの観点から鋼帯の上下に
それぞれ設けられた両ノズルの間隔、即ちノズルと鋼帯
との間隔を縮めるという要請に応えることは、前記
(1)〜(3)の従来の技術では限界があり、困難であ
ることが明らかとなった。
【0007】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、上下それぞれに配設されたノズル
と、その間を通過させるカテナリー形状の帯状体との距
離を、従来に比して大幅に縮めることができるカテナリ
ー型乾燥炉における帯状体の張力制御方法を提供するこ
とを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、入側で塗装し
た帯状体を、入側と出側に設置した各支点ロールで懸垂
状態に支持しながら、加熱帯に配設されている加熱気体
吹付用の上側ノズルと下側ノズルの間を通過させた後、
冷却帯に配設されている冷却気体吹付用の上側ノズルと
下側ノズルの間を通過させて、塗膜の乾燥処理を行うカ
テナリー型乾燥炉における帯状体の張力制御方法におい
て、前記冷却帯にサポートロールを設置し、該サポート
ロールで懸垂状態の帯状体の途中を支持すると共に、前
記カテナリー型乾燥炉に、寸法の異なる先行材と後行材
の2種類の帯状体の継接部を炉内に通過させる際、帯状
体の張力H(Xs )を、上記継接部の炉内進入度(Xs/
L)のみを変数とする補正関数f(Xs/L)を含む次の
張力制御式、 H(Xs )=H2 −(H2 −H1 )f(Xs/L) …(1) ここで、H2 :先行材の張力 H1 :後行材の張力 Xs :継接部の炉内進入位置 L :カテナリーの全長 で設定することにより、前記課題を解決したものであ
る。
【0009】即ち、前記従来のカテナリー制御方法で
は、最近のライン高速化、カテナリースパンの超大化、
帯状体の接続条件の広範囲化に対応できないことから、
本発明においては、カテナリー型乾燥炉内の冷却帯で帯
状体をサポートロールにより支持すると共に、前記補正
関数f(Xs/L)を用いる(1)式による張力制御を行
うことにより、即ちこの両者の組合せにより、カテナリ
ー形状の変動を大幅に低減することが可能となった。
【0010】又、本発明は、前記張力制御方法におい
て、補正関数f(Xs/L)を、先行材が薄い場合は、 f(Xs/L)=0 (0≦Xs/L≦α) …(2A) f(Xs/L)={1/(1−α)}(Xs/L)−α/(1−α) (α≦Xs/L≦1) …(2B) 先行材が厚い場合は、 f(Xs/L)=(1/β)(Xs/L)(0≦Xs/L≦β) …(3A) f(Xs/L)=1 (β≦Xs/L≦1) …(3B) ここで、α,β:定数(0<α,β<1.0) としたものである。
【0011】まず、本発明で行う張力制御の基本式であ
る前記(1)式について詳述する。
【0012】図1は、カテナリー炉10内に、入側支点
ロール(固定位置)12と、出側支点ロール(固定位
置)14との間で、カテナリー形状に懸垂され、連続的
に矢印方向に移送されている鋼板(帯状体)Sを模式的
に示した概略説明図である。
【0013】上記鋼板Sの懸垂状態の形状、即ちカテナ
リー形状の曲線(以下、カテナリー曲線ともいう)を表
わすカテナリー方程式は、入側支点ロール12を原点と
するXY座標系で、一般的に次の(4)式で与えられ
る。
【0014】 Y=acosh{(X−C1 )/a}+C2 …(4)
【0015】しかし、上記(4)式は、高次関数である
ため制御モデルとして組み込むには複雑であるので、次
の関係を使って二次関数で近似する。二次関数で近似し
た場合の誤差は、最長スパン75mで2mm以下であ
る。
【0016】 coshX=(ex −e-x)/2 =(1/2)(1+X+X2 /2!+X3 /3!・・・ +1−X+X2 /2!−X3 /3!・・・)≒1+X2 /2 …(5)
【0017】今、継接部の無い鋼板Sの場合のカテナリ
ー方程式をY0 とすると、次の(6)式のように変形で
きる。
【0018】 Y0 =acoxh{(X−C1 )/a}+C2 ′ ≒a[1+(1/2){(X−C1 )/a}2 ]+C2 ′ =(1/2a)(X−C1 )2 +C2 …(6) ここで、a=H/W H:張力〔Kg〕 W:鋼板の単位長さ当りの重量〔Kg/mm〕 L:カテナリー全長(スパン)〔mm〕
【0019】上記(6)式における境界条件は、次の通
りである。
【0020】X=0のとき、Y0 =0であるから、 C1 2 /2a+C2 =0 …(7) X=Lのとき、Y0 =h0 であるから、 (L−C1 )2 /2a+C2 =h0 …(8) ここで、h0 :支点高低差〔mm〕
【0021】上記(8)式−(7)式より、C1 、C2
は次のように求まる。
【0022】 (L−C1 )2 /2a−C1 2 /2a=h0 L2 /2a−LC1 /a=h0 ∴C1 =L/2−ah0 /L,C2 =−C1 2 /2a …(9)
【0023】以上より、帯状体に継接点がない定常時に
おけるカテナリー基本式は、前記(6)式と上記(9)
式とで表わすことができる。
【0024】一方、前記図1に相当する図2(カテナリ
ー炉10は省略)に示すように、細線で示す先行の第1
鋼板(先行材)と、太線で示す後行の第2鋼板(後行
材)とが溶接されている場合は、前述と同様の計算によ
り、先行鋼板のカテナリー曲線Y2 は(11)式で、後
行鋼板のカテナリー曲線Y1 は(10)式で、それぞれ
与えられる。なお、図中Xs は、上記先行鋼板と後行鋼
板との溶接部(継接部)の進入位置を示している。
【0025】 Y1 =a1 cosh{(X−C1 )/a1 }+C2 ≒(1/2a1 )(X−C1 )2 +C2 …(10) Y2 =a2 cosh{(X−C3 )/a2 }+C4 ≒(1/2a2 )(X−C3 )+C4 …(11) ここで、a1 :H/W1 〔mm〕 a2 :H/W2 〔mm〕 W1 :後行鋼板の単位長さ当りの重量〔Kg/mm〕 W2 :先行鋼板の単位長さ当りの重量〔Kg/mm〕
【0026】境界条件は次の通りである。
【0027】X=0とき、Y1 =0であるから、 C1 2 /2a1 +C2 =0 …(12) X=Lのとき、Y2 =h0 であるから、 (L−C3 )2 /2a2 +C4 =h0 …(13) X=Xs のとき、Y1 =Y2 であるから、 (Xs −C1 )2 /2a1 +C2 =(Xs −C3 )2 /2a2 +C4 …(14) X=Xs のとは、dY1 /dY=dY2 /dYであるか
ら、 (Xs −C1 )/a1 =(Xs −C3 )/a2 …(15)
【0028】上記(12)式〜(15)式を解くことに
より、溶接部が炉内を通過するときのカテナリー方程式
は次のようになる。
【0029】0≦X≦Xs のときの後行鋼板 Y1 =(1/2a1 )(X−C1 )2 +C2 …(10) Xs ≦X≦Lのときの先行鋼板 Y2 =(1/2a2 )(X−C3 )2 +C4 …(11) ここで、C1 =Xs +a1 (L−Xs )2 /2a2 L−
Xs 2 /2L−a1 h0 /L C2 =−C1 2 /2a1 C3 =Xs −(a2 /a1 )(Xs −C1 ) C4 =Xs 2 /2a1 −Xs C1 /a1 −a2/2a1
2 (Xs −C1 )2
【0030】上記(10)式、(11)式で与えられる
カテナリー方程式について、カテナリーの変動量(定常
時との差)は、次式により評価する。
【0031】 δ(X)=Y1 −Y0 (0≦X≦Xs ) …(16A) δ(X)=Y2 −Y0 (Xs ≦X≦L) …(16B)
【0032】本発明者らは、上記(16A)、(16
B)式で与えられるカテナリー変動量を最小とするべ
く、張力の変更パターンを種々検討した結果、先行の第
1鋼板(先行材)のみのときの張力H2 から、後行の第
2鋼板(後行材)のみのときの張力H1 に移行する間の
張力H(Xs )を、継接部(溶接部)の炉内進入度(X
s/L)のみを変数とする補正関数f (Xs/L)を適用す
ることにより、継接部の前後の鋼板の寸法差によらず、
前記(1)式で一義的に与えることができることを知見
した。ここに記号の詳細を説明するために前記(1)式
を再掲する。
【0033】 H(Xs )=H2 −(H2 −H1 )f(Xs/L) …(1) H(Xs ):継接部がXs にあるときの張力 H2 :先行材単独のときの張力=UT×t1×B1 H1 :後行材単独のときの張力=UT×t2×B2 UT :基準ユニットテンション t2,t1 :それぞれ先行材、後行材の板厚 B2 ,B1 :それぞれ先行材、後行材の板幅 Xs :継接点の位置
【0034】更に、本発明者が詳細に検討した結果、冷
却帯でサポートロールで支持する場合には、補正関数f
(Xs/L)を前記(2A)、(2B)、(3A)、(3
B)の各式で設定することにより、前記(16A)、
(16B)式の変動量δ(X)を極めて小さくできるこ
とを知見した。
【0035】即ち、前記(1)式に、前記(2A)、
(2B)、(3A)、(3B)式の補正関数を適用して
張力制御を行うことにより、冷却帯でのみカテナリーを
サポートロールで支持しながら通板を行ったところ、乾
燥炉の加熱帯では、上下両側に設置した両ノズルに近付
き過ぎることなく、しかも、冷却帯では帯状体がサポー
トロールから浮き上がることもなく、安定した通板が可
能であった。この安定通板は、加熱帯及び冷却帯の長さ
がそれぞれL/2程度で、その冷却帯に適当な数のサポ
ートロールを設けた設備で一般に可能であった。
【0036】その際、前記関数f(Xs/L)に含まれる
定数α、βの範囲は、0.5≦α≦0.9、0.1≦β
≦0.6とすることが有効である。その理由を図3と図
4を用いて以下に説明する。
【0037】図3は先行材が薄い場合について、図4は
先行材が厚い場合についてそれぞれ示し、いずれも
(A)は加熱帯におけるノズルからストリップ(帯状
体)までの距離を、(B)は冷却帯におけるサポートロ
ールからのストリップの浮き上がりの程度を示してい
る。なお、ノズルとの距離の基準である180mmは、
風紋発生限界距離を意味する。
【0038】上記図3(A)より、定数αが0.5より
小さいとストリップが緩み過ぎ、ノズル間距離が180
mmより小さくなり、下側ノズルとの干渉の問題が出て
くると同時に、同図(B)より、ストリップのサポート
ロールからの浮き上がりの問題も出てくる。逆に、αが
0.9より大きいと上側ノズルとの干渉の問題が出てく
る。
【0039】又、上記図4より、定数βが0.1より小
さいと上側ノズルとの干渉の問題が出てくる。又、βが
0.6より大きいと下側ノズルとの干渉とストリップの
浮き上がりの両方の問題が出てくる。
【0040】上記定数α及びβについて、それぞれ有効
範囲の最低値と最高値について、それぞれ関数f(Xs/
L)を図示すると、それぞれ図5及び図6のようにな
る。即ち、図5は、先行材が薄い場合に適用する前記
(2B)の関数を示し、丸はα=0.5のとき、三角形
はα=0.9のときの関数に当る。
【0041】又、図6は、先行材が厚い場合に適用する
前記(3A)の関数を示し、丸はβ=0.1のとき、三
角形はβ=0.6のときの関数に当る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0043】図7は、本発明に係る一実施形態の張力制
御方法を適用するカテナリー型乾燥炉を備えた連続塗装
ラインの概略構成を示す説明図である。
【0044】上記カテナリー型乾燥炉は、加熱帯20と
冷却帯22とを備えており、その入側には図中Sで示す
鋼帯(帯状体)Sを矢印方向に搬送しながら、その表面
(図中上面)を塗装するロールコータ24と、該鋼帯S
を支持するリフトロール(入側支持ロール)26が、
又、その出側には出側支持ロール28が、それぞれ配設
されている。
【0045】又、上記加熱帯20には、鋼帯Sの上下両
側にそれぞれ加熱用の上側ノズルチャンバ30と下側ノ
ズルチャンバ32がそれぞれ配設されており、これらチ
ャンバ30、32に付設されているノズルから加熱気体
が鋼帯Sの表裏両面にそれぞれ吹き付けられるようにな
っている。
【0046】又、冷却帯22でも同様に、冷却用の上側
ノズルチャンバ34と、下側ノズルチャンバ36がそれ
ぞれ配設され、これらチャンバ34、36に付設されて
いるノズルから冷却気体が同様に鋼帯Sに吹き付けられ
るようになっている。この冷却帯22では、更に、下側
ノズルチャンバ36が、昇降装置38により昇降可能に
なっており、しかも該下側ノズルチャンバ36の昇降動
作に同期して昇降するサポートロール40が設置されて
いる。即ち、上記カテナリー型乾燥炉では、昇降装置3
8とサポートロール40は、冷却帯22のみに設置する
だけで十分であり、それ故、高温で、設備費も高くなる
加熱帯20には設置していない。
【0047】なお、図中符号42は、鋼帯Sの裏面塗装
用のロールコータであるが、ここでは使用しないため、
鋼帯Sから離してある。
【0048】本実施形態においては、カテナリー型乾燥
炉の入側で前記ロールコータ24により表面を塗装した
鋼帯Sを、入側と出側に設置した前記各支点ロール2
6、28で懸垂状態に支持しながら、加熱帯20に配設
されている加熱用の前記上側ノズルチャンバ30と下側
ノズルチャンバ32の間を通過させた後、冷却帯22に
配設されている冷却用の上側ノズルチャンバ34と下側
ノズルチャンバ36の間を通過させて、塗膜の乾燥冷却
処理を行う。
【0049】その際、前記冷却帯22では、前記サポー
トロール40で懸垂状態の鋼帯Sの途中を支持すると共
に、前記カテナリー型乾燥炉に、寸法の異なる先行材と
後行材の2種類の帯状体の継接部Xs を炉内に通過させ
る際、鋼帯Sの張力H(Xs)を前記(1)式により設
定した。
【0050】具体的には、次の仕様の連続塗装ラインに
対して本発明を適用した。
【0051】カテナリー支持スパンL=60m 板継条件(断面積比)=1:1.6 基準ユニットテンションUT=2.65Kg/mm2 風紋発生限界距離=180mm
【0052】又、前記(1)式には、α=0.8、β=
0.5とした以下の関数f(Xs/L)を実際に適用し
た。
【0053】先行材が薄い場合、 f(Xs/L)=0 (0≦Xs/L≦0.8) …(2A′) f(Xs/L)=5(Xs/L)−4 (0.8≦Xs/L≦1) …(2B′) 先行材が厚い場合、 f(Xs/L)=2(Xs/L)(0≦Xs/L≦0.5) …(3A′) f(Xs/L)=1 (0.5≦Xs/L≦1) …(3B′)
【0054】図8は、上記(2B′)式の関数を、図9
は、上記(3A′)式の関数をそれぞれ図示したもので
ある。
【0055】そして、冷却帯22でのみ前記下側ノズル
チャンバ36を上昇させることにより、前記サポートロ
ール40により鋼帯Sを保持しながら、前記(1)式に
よる張力制御を行った。図10は、カテナリー支持スパ
ンL=60mのカテナリー型乾燥炉における鋼帯(カテ
ナリー)Sと入側、出側支持ロール26、28やサポー
トロール40等との位置関係を概念的に示したものであ
る。このようなカテナリー形状で鋼帯Sを搬送する際
に、本発明の張力制御方法を適用した結果を図11〜図
20に示す。
【0056】図11〜図15は、先行材が薄い場合の、
図16〜図20は先行材が厚い場合の炉内の板継ぎ点X
s の進入距離(リフトロール26からの距離)と、加熱
帯20、冷却帯22それぞれにおける鋼帯Sの高さ(レ
ベル)やノズルチャンバとの間の距離をそれぞれ示した
ものである。
【0057】上記図11〜図15より、先行材が薄い場
合には、継接点Xs が進入するに従って、鋼帯Sと加熱
帯20の下側ノズルチャンバ32の距離が近付いている
のが分かる。継接点が30mのときが217.82mm
で、最もノズルと鋼帯Sの距離が接近しているが、それ
でも限界値の180mmはクリアしているため、問題は
ない。冷却帯22では、塗膜は既に固っているため、接
近しすぎても、ノズルに接触しない限りは問題はない。
【0058】上記図16〜図20より、先行材が厚い場
合でも、加熱帯20の上側ノズルチャンバ30との距離
は常に180mm以上あるため問題はなく、冷却帯でも
同様に問題はなかった。
【0059】以上詳述した本実施形態によれば、鋼帯S
がサポートロール40から浮き上がり、それが原因で鋼
帯Sに擦り傷等を発生させることなく、安定した通板が
可能となり、冷却帯22におけるノズルチャンバに冷却
気体(空気)を供給するためのファンの動力を大きく削
減することが可能となった。
【0060】本実施形態においては、以上の張力制御に
加えて、前記張力制御式で決定された張力H(Xs/L)
を用いて、帯状体のカテナリー形状を算出して得られ
る、カテナリー位置検出装置の設置位置でのカテナリー
位置と、該カテナリー位置検出装置による実測カテナリ
ー位置とを一致させるべく、カテナリー型乾燥炉の入側
又は出側のブライドルロール(図示せず)を速度制御す
るようにしてもよい。
【0061】例えば、前記図7に示すように、加熱帯2
0の入側に設置したカテナリー位置検出装置(静電容量
式、レーザー式等の距離計)44で実際のカテナリー位
置を検出し、それを該装置位置での計算によるカテナリ
ー位置と一致させるようにする。このカテナリー位置検
出装置44の設置位置は、制御精度の点からカテナリー
が大きく変化する長スパンの中間位置が望ましい。
【0062】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0063】例えば、連続塗装ラインの具体的な構成
は、前記実施形態に示したものに限定されない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
カテナリー型乾燥炉において上下それぞれに配設された
ノズルと、その間を通過させるカテナリー形状の帯状体
との距離を大幅に縮めることができる。従って、カテナ
リー型乾燥炉におけるエネルギー効率を大幅に向上する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】継接部がない場合のカテナリー形状を示す概略
説明図
【図2】継接部がある場合のカテナリー形状を示す概略
説明図
【図3】定数αの範囲の根拠を示す線図
【図4】定数βの範囲の根拠を示す線図
【図5】先行材が薄い場合の補正関数を示す線図
【図6】先行材が厚い場合の補正関数を示す線図
【図7】一実施形態に適用する連続塗装ラインの概略構
成を示す説明図
【図8】実施形態で使用した先行材の薄い場合の補正関
数を示す線図
【図9】実施形態で使用した先行材の厚い場合の補正関
数を示す線図
【図10】カテナリーと炉設備との位置関係を示す説明
【図11】先行材が薄い場合のXs =10のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図12】先行材が薄い場合のXs =20のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図13】先行材が薄い場合のXs =30のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図14】先行材が薄い場合のXs =40のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図15】先行材が薄い場合のXs =50のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図16】先行材が厚い場合のXs =10のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図17】先行材が厚い場合のXs =20のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図18】先行材が厚い場合のXs =30のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図19】先行材が厚い場合のXs =40のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【図20】先行材が厚い場合のXs =50のときのカテ
ナリー形状を示す線図
【符号の説明】
20…加熱帯 22…冷却帯 24…ロールコータ 26…リフトロール(入側支持ロール) 28…出側支持ロール 30…加熱用上側ノズルチャンバ 32…加熱用下側ノズルチャンバ 34…冷却用上側ノズルチャンバ 36…冷却用下側ノズルチャンバ 38…昇降装置 40…サポートロール 44…カテナリー位置検出装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入側で塗装した帯状体を、入側と出側に設
    置した各支点ロールで懸垂状態に支持しながら、加熱帯
    に配設されている加熱気体吹付用の上側ノズルと下側ノ
    ズルの間を通過させた後、冷却帯に配設されている冷却
    気体吹付用の上側ノズルと下側ノズルの間を通過させ
    て、塗膜の乾燥処理を行うカテナリー型乾燥炉における
    帯状体の張力制御方法において、 前記冷却帯にサポートロールを設置し、該サポートロー
    ルで懸垂状態の帯状体の途中を支持すると共に、 前記カテナリー型乾燥炉に、寸法の異なる先行材と後行
    材の2種類の帯状体の継接部を炉内に通過させる際、 帯状体の張力H(Xs )を、上記継接部の炉内進入度
    (Xs/L)のみを変数とする補正関数f(Xs/L)を含
    む次の張力制御式、 H(Xs )=H2 −(H2 −H1 )f(Xs/L) …(1) ここで、H2 :先行材の張力 H1 :後行材の張力 Xs :継接部の炉内進入位置 L :カテナリーの全長 で設定することを特徴とするカテナリー型乾燥炉におけ
    る帯状体の張力制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 補正関数f(Xs/L)を、 先行材が薄い場合は、 f(Xs/L)=0 (0≦Xs/L≦α) …(2A) f(Xs/L)={1/(1−α)}(Xs/L)−α/(1−α) (α≦Xs/L≦1) …(2B) 先行材が厚い場合は、 f(Xs/L)=(1/β)(Xs/L)(0≦Xs/L≦β) …(3A) f(Xs/L)=1 (β≦Xs/L≦1) …(3B) ここで、α,β:定数(0<α,β<1.0) とすることを特徴とするカテナリー型乾燥炉における帯
    状体の張力制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 定数α、βはそれぞれ、 0.5≦α≦0.9 0.1≦β≦0.6 であることを特徴とするカテナリー型乾燥炉における帯
    状体の張力制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記冷却帯の下側ノズルが昇降可能に設置され、前記サ
    ポートロールが該下側ノズルの昇降動作に同期して昇降
    可能に設置されることを特徴とするカテナリー型乾燥炉
    における帯状体の張力制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、 前記張力制御式で決定された張力H(Xs/L)を用い
    て、帯状体のカテナリー形状を算出して得られる、カテ
    ナリー位置検出装置の設置位置でのカテナリー位置と、
    該カテナリー位置検出装置による実測カテナリー位置と
    を一致させるべく、カテナリー型乾燥炉の入側又は出側
    のブライドルロールを速度制御することを特徴とするカ
    テナリー型乾燥炉における帯状体の張力制御方法。
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