JPH09295048A - 形鋼のローラー矯正方法 - Google Patents
形鋼のローラー矯正方法Info
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- JPH09295048A JPH09295048A JP10885496A JP10885496A JPH09295048A JP H09295048 A JPH09295048 A JP H09295048A JP 10885496 A JP10885496 A JP 10885496A JP 10885496 A JP10885496 A JP 10885496A JP H09295048 A JPH09295048 A JP H09295048A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 あばた疵、錆及び製品の曲がりが発生するこ
とのない形鋼のローラ矯正方法を得る。 【解決手段】 冷却床入り側に連続装入される形鋼の冷
却床の出側における温度を前記形鋼の各部の厚みに基づ
いて設定する工程と、冷却床入り側に装入された形鋼の
温度を検出する工程と、該検出された温度及び前記設定
された温度に基づいて冷却床に設置された強制冷却装置
の冷却能力を設定する工程と、該設定された冷却能力の
強制冷却装置によって前記形鋼を強制冷却する工程と、
冷却床で強制冷却された形鋼をローラー矯正する工程と
を備えた。
とのない形鋼のローラ矯正方法を得る。 【解決手段】 冷却床入り側に連続装入される形鋼の冷
却床の出側における温度を前記形鋼の各部の厚みに基づ
いて設定する工程と、冷却床入り側に装入された形鋼の
温度を検出する工程と、該検出された温度及び前記設定
された温度に基づいて冷却床に設置された強制冷却装置
の冷却能力を設定する工程と、該設定された冷却能力の
強制冷却装置によって前記形鋼を強制冷却する工程と、
冷却床で強制冷却された形鋼をローラー矯正する工程と
を備えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷却床の出側に
おけるH形鋼の温度を制御して最適な状態でいわゆるド
ライ矯正を行う形鋼のローラー矯正方法に関する。
おけるH形鋼の温度を制御して最適な状態でいわゆるド
ライ矯正を行う形鋼のローラー矯正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な形鋼の製造工程は図7に示すよ
うに粗ミル群50、中間ミル群51を経由して、仕上ミ
ル52で圧延された製品が冷却床53で冷却された後、
図8に示すようなローラー矯正機54(オンライン)で
矯正される。そして、従来の形鋼のローラー矯正技術と
しては、大別すると2種類に分かれる。第一のものは、
矯正中には、潤滑剤(もしくは水等)を使用しない所謂
ドライ矯正方法である。このドライ矯正方法の一例とし
て、冷却床において空冷のみにより冷却し、矯正前の製
品を完全にドライな状態にするというものがある。しか
し、この場合には著しく圧延能率を阻害するか、大規模
な冷却床が必要となり、現実的ではない。他の現実的に
行われている方法としては、冷却床で製品温度がある温
度領域以下になった後に、水冷(強制冷却)を行ない、
製品温度が常温付近になったときに強制冷却を停止する
方法がある。
うに粗ミル群50、中間ミル群51を経由して、仕上ミ
ル52で圧延された製品が冷却床53で冷却された後、
図8に示すようなローラー矯正機54(オンライン)で
矯正される。そして、従来の形鋼のローラー矯正技術と
しては、大別すると2種類に分かれる。第一のものは、
矯正中には、潤滑剤(もしくは水等)を使用しない所謂
ドライ矯正方法である。このドライ矯正方法の一例とし
て、冷却床において空冷のみにより冷却し、矯正前の製
品を完全にドライな状態にするというものがある。しか
し、この場合には著しく圧延能率を阻害するか、大規模
な冷却床が必要となり、現実的ではない。他の現実的に
行われている方法としては、冷却床で製品温度がある温
度領域以下になった後に、水冷(強制冷却)を行ない、
製品温度が常温付近になったときに強制冷却を停止する
方法がある。
【0003】そして、この例の場合には、強制冷却を停
止すべき温度は製品の品質に大きく影響するのでとても
重要である。例えば、冷却停止温度が低く過ぎると製品
自身の持つ熱により水分を蒸発させることができず製品
の一部が水漏れ状態となり、矯正中にスケールが矯正ロ
ールの表面に付着して製品にスタンプされてあばた疵と
なる。この場合、製品の一部水漏れ状態をローラー矯正
前の段階で乾燥させることも考えられるが、そのために
は新たに設備(ヒーター、ファン等)を設置しなくては
ならずコスト高になるという問題がある。一方、冷却停
止温度が高過ぎた場合には、製品自身の持つ熱により製
品表面を乾燥させることはできるが、今度は製品断面内
で温度ムラが発生し易くなり、ローラー矯正後に再びこ
の温度差により曲りが発生するという問題がある。な
お、一般的に、製品自身の温度が高ければ高い程、製品
断面内に温度ムラが発生し易くなることが知られてい
る。
止すべき温度は製品の品質に大きく影響するのでとても
重要である。例えば、冷却停止温度が低く過ぎると製品
自身の持つ熱により水分を蒸発させることができず製品
の一部が水漏れ状態となり、矯正中にスケールが矯正ロ
ールの表面に付着して製品にスタンプされてあばた疵と
なる。この場合、製品の一部水漏れ状態をローラー矯正
前の段階で乾燥させることも考えられるが、そのために
は新たに設備(ヒーター、ファン等)を設置しなくては
ならずコスト高になるという問題がある。一方、冷却停
止温度が高過ぎた場合には、製品自身の持つ熱により製
品表面を乾燥させることはできるが、今度は製品断面内
で温度ムラが発生し易くなり、ローラー矯正後に再びこ
の温度差により曲りが発生するという問題がある。な
お、一般的に、製品自身の温度が高ければ高い程、製品
断面内に温度ムラが発生し易くなることが知られてい
る。
【0004】ローラー矯正方法の第二のものとして、例
えば特開平7−75832号公報に示されたものである
が、潤滑剤もしくは水を矯正ローラー等にかけながらロ
ーラ矯正を行うウェット矯正法がある。この方法によれ
ば、被矯正材は水漏れ状態で良いので、前工程(冷却
床)での水冷による温度管理等の必要もなく、管理とし
ては、非常に楽である。
えば特開平7−75832号公報に示されたものである
が、潤滑剤もしくは水を矯正ローラー等にかけながらロ
ーラ矯正を行うウェット矯正法がある。この方法によれ
ば、被矯正材は水漏れ状態で良いので、前工程(冷却
床)での水冷による温度管理等の必要もなく、管理とし
ては、非常に楽である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たした第一の方法には次のような問題点があった。すな
わち、強制冷却の停止温度が製品の品質に大きく影響す
る重要な要素であるにもかかわらず、従来はこの強制冷
却の停止温度について明確な基準は設けられていないた
め、上述したあばた疵または製品の曲がりが発生した。
一方、第二の方法にも次にような問題点があった。すな
わち、 1)製品が水漏れしている為、出荷後もしくは工場内保
管中に錆が発生する。 2)水漏れ製品の矯正中、スケールが矯正ロールの表面
に付着し、製品にスタンプされ、スケールあばた疵とな
る。 3)製品が水濡れしている為、次工程(製品の疵検査、
ラベル添付、等)に入る前に製品の一部分を強制的に乾
燥(エアーバージ等)させる必要があり、コストアップ
となる。
たした第一の方法には次のような問題点があった。すな
わち、強制冷却の停止温度が製品の品質に大きく影響す
る重要な要素であるにもかかわらず、従来はこの強制冷
却の停止温度について明確な基準は設けられていないた
め、上述したあばた疵または製品の曲がりが発生した。
一方、第二の方法にも次にような問題点があった。すな
わち、 1)製品が水漏れしている為、出荷後もしくは工場内保
管中に錆が発生する。 2)水漏れ製品の矯正中、スケールが矯正ロールの表面
に付着し、製品にスタンプされ、スケールあばた疵とな
る。 3)製品が水濡れしている為、次工程(製品の疵検査、
ラベル添付、等)に入る前に製品の一部分を強制的に乾
燥(エアーバージ等)させる必要があり、コストアップ
となる。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、あばた疵、錆及び製品の曲がりが発
生することのない形鋼のローラ矯正方法を得ることを目
的としている。
されたものであり、あばた疵、錆及び製品の曲がりが発
生することのない形鋼のローラ矯正方法を得ることを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る形鋼のロー
ラー矯正方法は、冷却床入り側に連続装入される形鋼の
冷却床の出側における温度を前記形鋼の各部の厚みに基
づいて設定する工程と、冷却床入り側に装入された形鋼
の温度を検出する工程と、該検出された温度及び前記設
定された温度に基づいて冷却床に設置された強制冷却装
置の冷却能力を設定する工程と、該設定された冷却能力
の強制冷却装置によって前記形鋼を強制冷却する工程
と、冷却床で強制冷却された形鋼をローラー矯正する工
程とを備えたものである。
ラー矯正方法は、冷却床入り側に連続装入される形鋼の
冷却床の出側における温度を前記形鋼の各部の厚みに基
づいて設定する工程と、冷却床入り側に装入された形鋼
の温度を検出する工程と、該検出された温度及び前記設
定された温度に基づいて冷却床に設置された強制冷却装
置の冷却能力を設定する工程と、該設定された冷却能力
の強制冷却装置によって前記形鋼を強制冷却する工程
と、冷却床で強制冷却された形鋼をローラー矯正する工
程とを備えたものである。
【0008】また、前記形鋼を強制冷却する工程の後
に、該強制冷却された形鋼の温度を検出して前記強制冷
却装置の冷却能力をフィードバック制御する工程を備え
たものである。
に、該強制冷却された形鋼の温度を検出して前記強制冷
却装置の冷却能力をフィードバック制御する工程を備え
たものである。
【0009】さらに、前記強制冷却装置は少なくとも2
台設置されており、各強制冷却装置間において前記形鋼
の温度を検出して該検出温度に基づいて、前記各強制冷
却装置の冷却能力をフィードバック及び/又はフィード
フォアード制御するものである。
台設置されており、各強制冷却装置間において前記形鋼
の温度を検出して該検出温度に基づいて、前記各強制冷
却装置の冷却能力をフィードバック及び/又はフィード
フォアード制御するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態のシ
ステム構成図である。図において、T1 ,Tm ,T0 は
それぞれ冷却床の入側、中間位置、出側に設置された温
度検出装置、M1,M2 はそれぞれ冷却床の入側、出側に
設置された強制冷却装置である。この強制冷却装置M1,
M2 は複数のノズルが設けられており、このノズルか
ら所定の冷却水がミスト状になって噴出される構造にな
っている。P/Cはプロセス・コンピューターであり、
温度検出装置T1 ,Tm ,T0 の検出値に基づいて強制
冷却装置M1, M2 の冷却水量を制御して製品の出側の
温度を所定の値に制御する。また、P/Cは冷却床に搬
入される製品のフランジ厚(t2 )、ウェブ厚(t1 )
に応じて冷却床の出側の製品温度を設定する。この出側
の製品温度は50℃〜100℃の範囲で設定するもので
あるが、ここで出側の温度を50℃〜100℃の範囲に
制御する理由について述べる。
ステム構成図である。図において、T1 ,Tm ,T0 は
それぞれ冷却床の入側、中間位置、出側に設置された温
度検出装置、M1,M2 はそれぞれ冷却床の入側、出側に
設置された強制冷却装置である。この強制冷却装置M1,
M2 は複数のノズルが設けられており、このノズルか
ら所定の冷却水がミスト状になって噴出される構造にな
っている。P/Cはプロセス・コンピューターであり、
温度検出装置T1 ,Tm ,T0 の検出値に基づいて強制
冷却装置M1, M2 の冷却水量を制御して製品の出側の
温度を所定の値に制御する。また、P/Cは冷却床に搬
入される製品のフランジ厚(t2 )、ウェブ厚(t1 )
に応じて冷却床の出側の製品温度を設定する。この出側
の製品温度は50℃〜100℃の範囲で設定するもので
あるが、ここで出側の温度を50℃〜100℃の範囲に
制御する理由について述べる。
【0011】冷却後の製品温度が高いほど製品は自身の
持つ熱によって乾燥できるのでこの意味では冷却後の温
度は高いほうがよいと言える。しかし、冷却後の温度が
高いと上下フランジの温度差が大きくなり、矯正後に温
度差により曲がりが発生するという問題がある。そこ
で、上下曲がり量の許容量から冷却後のフランジ温度の
最大許容値を決める必要がある。図3は矯正後の上下曲
り量ΔLとフランジ上下の温度差ΔTとの関係を示すグ
ラフである。ここで上下曲り量ΔLとは、図4に示すよ
うにH形鋼10m当たりの上下曲がり量であり、フラン
ジ上下の温度差ΔTとは、図5に示すようにフランジ幅
300mmのフランジにおける温度差のことである。上
下曲り量ΔLの許容量(一般的には製品長さの1/10
00)を10mmとすれば、図3のグラフから、フラン
ジ上下の温度差ΔTは17℃であることが分かる。
持つ熱によって乾燥できるのでこの意味では冷却後の温
度は高いほうがよいと言える。しかし、冷却後の温度が
高いと上下フランジの温度差が大きくなり、矯正後に温
度差により曲がりが発生するという問題がある。そこ
で、上下曲がり量の許容量から冷却後のフランジ温度の
最大許容値を決める必要がある。図3は矯正後の上下曲
り量ΔLとフランジ上下の温度差ΔTとの関係を示すグ
ラフである。ここで上下曲り量ΔLとは、図4に示すよ
うにH形鋼10m当たりの上下曲がり量であり、フラン
ジ上下の温度差ΔTとは、図5に示すようにフランジ幅
300mmのフランジにおける温度差のことである。上
下曲り量ΔLの許容量(一般的には製品長さの1/10
00)を10mmとすれば、図3のグラフから、フラン
ジ上下の温度差ΔTは17℃であることが分かる。
【0012】次に、フランジ上下の温度差ΔTと冷却後
のフランジ温度との関係から冷却後のフランジ温度を求
めることとする。図6は冷却後におけるフランジ温度T
とフランジ上下の温度差ΔTとの関係を示すグラフであ
る。このグラフから分かるように冷却後の温度が高いほ
どフランジ上下の温度差ΔTが大きくなることが分か
る。そして、フランジ上下の温度差ΔTが17℃のとき
の冷却後フランジ温度は100℃であることが分かる。
このことから冷却後のフランジ温度として100℃を設
定したのである。一方、冷却後フランジ温度が低いほど
フランジ上下の温度差ΔTが小さくなり、フランジ上下
の温度差ΔTが小さくなれば、矯正後上下曲がり量が小
さくなるので、この意味では冷却後フランジ温度が低い
ほどよいと言える。しかし、冷却後フランジ温度が低す
ぎると、製品自身の持つ熱によって乾燥することができ
なくなり、従来例で指摘したようなあばた疵や錆の問題
が発生することになる。そこで、冷却後フランジ温度は
50℃としたのである。
のフランジ温度との関係から冷却後のフランジ温度を求
めることとする。図6は冷却後におけるフランジ温度T
とフランジ上下の温度差ΔTとの関係を示すグラフであ
る。このグラフから分かるように冷却後の温度が高いほ
どフランジ上下の温度差ΔTが大きくなることが分か
る。そして、フランジ上下の温度差ΔTが17℃のとき
の冷却後フランジ温度は100℃であることが分かる。
このことから冷却後のフランジ温度として100℃を設
定したのである。一方、冷却後フランジ温度が低いほど
フランジ上下の温度差ΔTが小さくなり、フランジ上下
の温度差ΔTが小さくなれば、矯正後上下曲がり量が小
さくなるので、この意味では冷却後フランジ温度が低い
ほどよいと言える。しかし、冷却後フランジ温度が低す
ぎると、製品自身の持つ熱によって乾燥することができ
なくなり、従来例で指摘したようなあばた疵や錆の問題
が発生することになる。そこで、冷却後フランジ温度は
50℃としたのである。
【0013】次に、上記のように構成された本実施の形
態における動作について説明する。まず、製品が冷却床
に装入されると、P/Cは冷却床に搬入された製品のフ
ランジ厚(t2 )、ウェブ厚(t1 )に応じて冷却床の
出側の製品温度を50℃〜100℃の範囲で設定する。
次に、温度検出装置T1 が冷却床の入側における製品温
度を検出する。温度が検出されると、P/Cはこの検出
温度に基づいて、製品の出側温度が設定された温度にな
るように強制冷却装置M1, M2 の冷却水量を設定す
る。また、P/Cはここで設定しした水量で強制冷却装
置M1 が製品を冷却した場合における製品の冷却床の中
間位置における温度を予測しておく。
態における動作について説明する。まず、製品が冷却床
に装入されると、P/Cは冷却床に搬入された製品のフ
ランジ厚(t2 )、ウェブ厚(t1 )に応じて冷却床の
出側の製品温度を50℃〜100℃の範囲で設定する。
次に、温度検出装置T1 が冷却床の入側における製品温
度を検出する。温度が検出されると、P/Cはこの検出
温度に基づいて、製品の出側温度が設定された温度にな
るように強制冷却装置M1, M2 の冷却水量を設定す
る。また、P/Cはここで設定しした水量で強制冷却装
置M1 が製品を冷却した場合における製品の冷却床の中
間位置における温度を予測しておく。
【0014】以上の設定が終了すると、製品を冷却床上
を移動させながら強制冷却装置M1によって冷却を行
う。そして、製品が冷却床の中間位置にきたときに温度
検出装置Tm によって製品の温度を検出する。P/Cは
この検出された温度と、最初に予測した温度とを比較し
て、強制冷却装置M2 の噴出水量を補正する。すなわ
ち、検出温度が最初に予測した温度よりも高い場合には
強制冷却装置M2 の噴出水量を当初設定した値よりも多
くし、逆に検出温度が最初に予測した温度よりも低い場
合には強制冷却装置M2 の噴出水量を当初設定した値よ
りも少なくするようにする。
を移動させながら強制冷却装置M1によって冷却を行
う。そして、製品が冷却床の中間位置にきたときに温度
検出装置Tm によって製品の温度を検出する。P/Cは
この検出された温度と、最初に予測した温度とを比較し
て、強制冷却装置M2 の噴出水量を補正する。すなわ
ち、検出温度が最初に予測した温度よりも高い場合には
強制冷却装置M2 の噴出水量を当初設定した値よりも多
くし、逆に検出温度が最初に予測した温度よりも低い場
合には強制冷却装置M2 の噴出水量を当初設定した値よ
りも少なくするようにする。
【0015】以上の設定が終わると、製品をさらに出側
へ移動させ、製品が冷却床の出側へきたときに温度検出
装置T0 によって製品の温度を検出する。P/Cはこの
検出された温度と、最初に設定した目標温度とを比較し
て、強制冷却装置M2 の噴出水量を補正する。すなわ
ち、検出温度が目標温度よりも高い場合には強制冷却装
置M2 の噴出水量を補正時に設定した値よりも多くし、
逆に検出温度が目標温度よりも低い場合には強制冷却装
置M2 の噴出水量を補正時に設定した値よりも少なくす
るようにする。これによって、次に流れてくる製品の温
度制御をより正確にすることが出来る。
へ移動させ、製品が冷却床の出側へきたときに温度検出
装置T0 によって製品の温度を検出する。P/Cはこの
検出された温度と、最初に設定した目標温度とを比較し
て、強制冷却装置M2 の噴出水量を補正する。すなわ
ち、検出温度が目標温度よりも高い場合には強制冷却装
置M2 の噴出水量を補正時に設定した値よりも多くし、
逆に検出温度が目標温度よりも低い場合には強制冷却装
置M2 の噴出水量を補正時に設定した値よりも少なくす
るようにする。これによって、次に流れてくる製品の温
度制御をより正確にすることが出来る。
【0016】以上説明したような一連の動作によって、
冷却床の出側における製品温度が目標とする温度に制御
されるのである。これによって、製品はローラ矯正機で
矯正される際には水濡れがなく、また矯正後に温度差に
より曲がりが発生することもない。
冷却床の出側における製品温度が目標とする温度に制御
されるのである。これによって、製品はローラ矯正機で
矯正される際には水濡れがなく、また矯正後に温度差に
より曲がりが発生することもない。
【0017】なお、上記の実施の形態においては、強制
冷却装置M2 の噴出水量を予め設定しておき、製品が中
間位置に来たときに、温度検出装置Tm の値に基づいて
設定値を補正するようにしたした例を示したが、強制冷
却装置M2 の噴出水量を予め設定せずに温度検出装置T
m の値に基づいて設定するようにしてもよい。また、強
制冷却装置の冷却媒体として水を用いたものを示した
が、この発明はこれに限られるものではなく、他の冷却
媒体、例えば潤滑剤などでもよい。以下、2サイズのH
形鋼(H600×300×12/20、H400×30
0×10/16)(いずれも製品長10m)について、
本発明方法と従来法1(ウェット矯正法)及び従来法2
(ドライ矯正法)を用いた場合の比較を実施例1,2に
示す。
冷却装置M2 の噴出水量を予め設定しておき、製品が中
間位置に来たときに、温度検出装置Tm の値に基づいて
設定値を補正するようにしたした例を示したが、強制冷
却装置M2 の噴出水量を予め設定せずに温度検出装置T
m の値に基づいて設定するようにしてもよい。また、強
制冷却装置の冷却媒体として水を用いたものを示した
が、この発明はこれに限られるものではなく、他の冷却
媒体、例えば潤滑剤などでもよい。以下、2サイズのH
形鋼(H600×300×12/20、H400×30
0×10/16)(いずれも製品長10m)について、
本発明方法と従来法1(ウェット矯正法)及び従来法2
(ドライ矯正法)を用いた場合の比較を実施例1,2に
示す。
【0018】
実施例1.図2はこの実施例1及び後述の実施例2で使
用する冷却床の平面図である。この実施例1,2の強制
冷却装置M1 ,M2 のそれぞれには、図2に示すよう
に、冷却床の幅方向一列に40個のノズルと、このノズ
ル列が10列設置されている。そして、これらの各ノズ
ルから噴出される水量がP/Cによって制御される。H
600×300×12/20のH形鋼を図7で示す圧延
工程で圧延を完了させた後、冷却床に装入した。ここで
の装入開始のフランジの温度T1 は700℃付近であっ
た。ここで、予め払出し側温度T0 (70℃付近)を予
測して、強制冷却装置M1 ,M2 の噴出水量を設定す
る。強制冷却装置M1 ,M2 はP/Cによって指示され
た流量に自動的に制御され、各々の列の幅方向にそれぞ
れ配列されたノズルからは個々にコントロールされた水
が噴出され、H形鋼を強制冷却する。尚、本実施例のノ
ズルは0〜5リットル/minのミスト冷却ノズルを使
用した。本実施例のシステム系により、冷却床の出側に
おいてH形鋼の上フランジ温度70℃、下フランジ温度
65℃になった。この場合の製品性状の結果比較を表1
に示す。
用する冷却床の平面図である。この実施例1,2の強制
冷却装置M1 ,M2 のそれぞれには、図2に示すよう
に、冷却床の幅方向一列に40個のノズルと、このノズ
ル列が10列設置されている。そして、これらの各ノズ
ルから噴出される水量がP/Cによって制御される。H
600×300×12/20のH形鋼を図7で示す圧延
工程で圧延を完了させた後、冷却床に装入した。ここで
の装入開始のフランジの温度T1 は700℃付近であっ
た。ここで、予め払出し側温度T0 (70℃付近)を予
測して、強制冷却装置M1 ,M2 の噴出水量を設定す
る。強制冷却装置M1 ,M2 はP/Cによって指示され
た流量に自動的に制御され、各々の列の幅方向にそれぞ
れ配列されたノズルからは個々にコントロールされた水
が噴出され、H形鋼を強制冷却する。尚、本実施例のノ
ズルは0〜5リットル/minのミスト冷却ノズルを使
用した。本実施例のシステム系により、冷却床の出側に
おいてH形鋼の上フランジ温度70℃、下フランジ温度
65℃になった。この場合の製品性状の結果比較を表1
に示す。
【0019】
【表1】
【0020】この表1から分かるように、フランジの上
下温度をそれぞれ70℃、65℃にすることが出来たの
で、製品の自身の持つ熱により、矯正機直前の被矯正材
は完全に乾いた状態となり矯正後の製品肌もスケールア
バタ疵もなく、また製品の曲がりも少ない非常に良好な
製品を得ることが出来た。
下温度をそれぞれ70℃、65℃にすることが出来たの
で、製品の自身の持つ熱により、矯正機直前の被矯正材
は完全に乾いた状態となり矯正後の製品肌もスケールア
バタ疵もなく、また製品の曲がりも少ない非常に良好な
製品を得ることが出来た。
【0021】実施例2.実施例2では、H400×30
0×10/16のH形鋼を図7で示す圧延工程で圧延を
完了させた後、冷却床に装入した。ここでの装入開始の
フランジ温度T1 は650℃付近であった。また、強制
冷却装置の制御方法等は実施例1と同様である。本実施
例のシステム系により、冷却床の出側においてH形鋼の
上フランジ温度60℃、下フランジ温度53℃付近にな
った。この場合の製品の結果の比較を表2に示す。
0×10/16のH形鋼を図7で示す圧延工程で圧延を
完了させた後、冷却床に装入した。ここでの装入開始の
フランジ温度T1 は650℃付近であった。また、強制
冷却装置の制御方法等は実施例1と同様である。本実施
例のシステム系により、冷却床の出側においてH形鋼の
上フランジ温度60℃、下フランジ温度53℃付近にな
った。この場合の製品の結果の比較を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】この表2から分かるように、フランジの上
下温度がそれぞれ60℃、53℃にすることが出来たの
で、実施例1と同様に、製品の自身の持つ熱により、矯
正機直前の被矯正材は完全に乾いた状態にすることがで
き、矯正後の製品肌もスケールアバタ疵もなく、また製
品の曲がりも少ない非常に良好な製品が得られた。
下温度がそれぞれ60℃、53℃にすることが出来たの
で、実施例1と同様に、製品の自身の持つ熱により、矯
正機直前の被矯正材は完全に乾いた状態にすることがで
き、矯正後の製品肌もスケールアバタ疵もなく、また製
品の曲がりも少ない非常に良好な製品が得られた。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明においては、冷却床
入り側に連続装入される形鋼の各部の厚みに基づいて冷
却床の出側における製品温度を設定し、該設定温度と冷
却床入り側に装入された形鋼の実際の温度とに基づいて
冷却床に設置された強制冷却装置を制御して、形鋼の冷
却床出側の温度を前記設定値になるように制御したの
で、以下のような効果が得られる。 1)製品の水漏れが無いため、出荷後の製品性状が錆の
発生のない優れたものになる。 2)製品のスケールが矯正ロールの表面に付着して製品
にスタンプされることもなく、スケールあばた疵のない
製品が得られる。 3)製品が水濡れしていないため、製品の疵検査、ラベ
ル添付、製品識別マーキングなどの次工程の対処が容易
となる。
入り側に連続装入される形鋼の各部の厚みに基づいて冷
却床の出側における製品温度を設定し、該設定温度と冷
却床入り側に装入された形鋼の実際の温度とに基づいて
冷却床に設置された強制冷却装置を制御して、形鋼の冷
却床出側の温度を前記設定値になるように制御したの
で、以下のような効果が得られる。 1)製品の水漏れが無いため、出荷後の製品性状が錆の
発生のない優れたものになる。 2)製品のスケールが矯正ロールの表面に付着して製品
にスタンプされることもなく、スケールあばた疵のない
製品が得られる。 3)製品が水濡れしていないため、製品の疵検査、ラベ
ル添付、製品識別マーキングなどの次工程の対処が容易
となる。
【図1】本発明の一実施の形態のシステム構成図であ
る。
る。
【図2】実施例1,2で使用する冷却床の平面図であ
る。
る。
【図3】矯正後の上下曲り量ΔLとフランジ上下の温度
差ΔTとの関係を示すグラフである。
差ΔTとの関係を示すグラフである。
【図4】製品の長手方向の上下曲がりの説明図である。
【図5】フランジの上下温度差の説明図である。
【図6】冷却後におけるフランジ温度Tとフランジ上下
の温度差ΔTとの関係を示すグラフである。
の温度差ΔTとの関係を示すグラフである。
【図7】一般的なH形鋼製造ラインの説明図である。
【図8】ローラ矯正機の斜視図である。
【図9】従来のウェット矯正法の説明図である。
T1 ,T0 ,Tm 温度検出装置 P/C プロセスコンピュータ M1 ,M2 強制冷却装置
Claims (3)
- 【請求項1】 冷却床入り側に連続装入される形鋼の冷
却床の出側における温度を前記形鋼の各部の厚みに基づ
いて設定する工程と、 冷却床入り側に装入された形鋼の温度を検出する工程
と、 該検出された温度及び前記設定された温度に基づいて冷
却床に設置された強制冷却装置の冷却能力を設定する工
程と、 該設定された冷却能力の強制冷却装置によって前記形鋼
を強制冷却する工程と、 冷却床で強制冷却された形鋼をローラー矯正する工程と
を備えたことを特徴とする形鋼のローラー矯正方法。 - 【請求項2】 前記形鋼を強制冷却する工程の後に、該
強制冷却された形鋼の温度を検出して前記強制冷却装置
の冷却能力をフィードバック制御する工程を備えたこと
を特徴とする請求項1記載の形鋼のローラー矯正方法。 - 【請求項3】 前記強制冷却装置は少なくとも2台設置
されており、各強制冷却装置間において前記形鋼の温度
を検出して該検出温度に基づいて、前記各強制冷却装置
の冷却能力をフィードバック及び/又はフィードフォア
ード制御することを特徴とする請求項1又は2記載の形
鋼のローラー矯正方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10885496A JP3341577B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 形鋼のローラー矯正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10885496A JP3341577B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 形鋼のローラー矯正方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09295048A true JPH09295048A (ja) | 1997-11-18 |
JP3341577B2 JP3341577B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=14495290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10885496A Expired - Fee Related JP3341577B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 形鋼のローラー矯正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3341577B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008305208A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 力覚提示装置及び力覚提示方法 |
JP2009513352A (ja) * | 2003-06-30 | 2009-04-02 | ベトリープスフォルシュングスインスティトゥート ファウデーエーハー−インスティトゥート フュア アンゲヴァンテ フォルシュング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ホット形材の矯正方法 |
CN105689451A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-06-22 | 中冶华天南京工程技术有限公司 | 热轧电梯导轨矫直方法 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP10885496A patent/JP3341577B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3341577B2 (ja) | 2002-11-05 |
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