JP4102156B2 - 熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置及び方法 - Google Patents

熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置及び法に関し、特に、熱間圧延ラインで仕上げ圧延されたストリップの温度を所定の範囲内に収めるように制御するために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼業の分野では、粗圧延されたシートバーを複数の圧延スタンドに通板して仕上げ圧延を行い、ストリップと呼ばれる薄板鋼板を形成することが一般的に行われている。
このような仕上げ圧延工程では、上記ストリップの生産性を向上させるなどの理由から、最前段に配設されている圧延スタンドに上記シートバーの先端が噛み込まれると、設備の能力に応じた速度になるまで通板速度を上昇させるようにしている。
【0003】
ところが、上記のように通板速度を上昇させながら仕上げ圧延を行うと、仕上げ圧延しているストリップの温度が上昇する。そして、上記仕上げ圧延中のストリップの温度がある温度にまで上昇すると、上記仕上げ圧延しているストリップの表面に金属酸化物などからなるスケールが形成される。そして、上記形成されたスケールは、圧延スタンドのロールを通過する際にストリップに噛み込まれてしまう。これにより、仕上げ圧延されたストリップの表面にスケール疵が発生してしまうという問題点があった。
【0004】
このような問題点に対する従来の技術として、例えば、特開平9−29317号公報(特許文献1)に記載されている技術がある。かかる技術では、まず、仕上げ圧延工程におけるストリップの温度上昇を予測する。そして、上記予測した結果に基づいて、各圧延スタンド間に配設されたスタンド間注水設備を制御して、上記スタンド間注水設備から仕上げ圧延しているストリップに冷却水を噴射し、ストリップの温度上昇を抑えるようにしている。
【0005】
この他、上記問題点に対する他の従来の技術として、例えば、特開平10−230314号公報(特許文献2)に記載されている技術がある。かかる技術では、まず、各圧延スタンド間におけるストリップの表面温度を算出し、上記算出した表面温度が最高になる区間を求める。そして、上記表面温度が最高になる区間よりも上流側で仕上げ圧延しているストリップに冷却水を噴出し、ストリップの温度上昇を抑えるようにしている。
【0006】
ところで、近年、上記ストリップの生産性をより向上させるべく、より高速に仕上げ圧延することが望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−29317号公報
【特許文献2】
特開平10−230314号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、ストリップの温度上昇を冷却水だけで抑えるようにしていたので、仕上げ圧延を高速に行おうとすると、仕上げ圧延しているストリップの温度が、上記スケールが形成される温度にまで上昇してしまう虞があった。
【0009】
このように、上述した従来の技術では、仕上げ圧延を高速に行おうとすると、仕上げ圧延しているストリップの温度が、上記スケールが形成される温度にまで上昇し、仕上げ圧延されたストリップの表面にスケール疵が発生して歩留まりが低下してしまう虞があった。このため、上記ストリップの生産性を十分に向上させることが困難であるという問題点があった。
【0010】
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたもので、ストリップにスケール疵が発生してしまうことを抑えながら、上記ストリップの生産性を向上させるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置は、粗圧延された薄板鋼板を仕上げ圧延してストリップを形成するための第1〜第nの圧延スタンドと、上記第1〜第nの圧延スタンドの間に搬送された仕上げ圧延中の薄板鋼板に対して冷却水を噴射するための冷却水噴射手段とを有する熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置であって、上記仕上げ圧延の進行状態に応じた所定の通板速度となるように上記薄板鋼板の通板速度を調節するとともに、上記冷却水の流量を調節して、上記第1〜第nの圧延スタンドにより形成されたストリップの最高温度を略910℃以下にする温度制御手段を有し、上記温度制御手段は、上記薄板鋼板の通板速度を加速する処理が終了したときの温度が最低となるように、上記第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節して、上記第1〜第nの圧延スタンドにより形成されたストリップの最高温度を略910℃以下にすることを特徴とする。
【0012】
本発明の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御方法は、粗圧延された薄板鋼板を仕上げ圧延してストリップを形成するストリップ形成処理と、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されている薄板鋼板に対し冷却水を噴射する冷却水噴射処理と、上記仕上げ圧延の進行状態に応じた所定の通板速度となるように上記薄板鋼板の通板速度を調節するとともに、上記冷却水の流量を調節して、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されたストリップの最高温度を略910℃以下にする温度制御処理とを有し、上記温度制御処理は、上記薄板鋼板の通板速度を加速する処理が終了したときの温度が最低となるように、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延される前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節して、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されたストリップの最高温度を略910℃以下にすることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
次に、図面を参照しながら、本発明の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の第1の実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示し、熱間圧延設備の概略構成の一例を示した図である。
図1において、熱間圧延設備1は、加熱炉2と、粗圧延機3と、スラブ検出用センサ4と、バーヒーター5を有する加熱装置100と、デスケーリング装置6と、仕上げ圧延入り側温度計7と、仕上げ圧延機8と、ポンプ設備9と、スタンド間スプレー10a〜10fと、仕上げ圧延出側温度計11と、ランアウトテーブル12と、ストリップシャー13と、コイル巻き取り装置14と、搬送ローラー速度制御装置101と、制御装置15とを有している。
【0017】
加熱炉2は、図示していない圧延鋼板製造ラインから搬送されたスラブ16を所定の温度に加熱する機能を有している。
粗圧延機3は、加熱炉2により加熱され、熱間圧延ラインに供給されたスラブ16を粗圧延し、シートバー17を形成する機能を有している。
スラブ検出用センサ4は、粗圧延機3により粗圧延されたシートバー17の先端を検出する機能を有している。
【0018】
バーヒーター5を有する加熱装置100は、スラブ検出用センサ4によりシートバー17の先端が検出されると動作を開始し、シートバー17の幅方向全体を均一に加熱する機能を有している。
以下に、具体例を挙げてバーヒーター5の加熱能力について説明する。
鉄の比重を7.78[g/cm3]、比熱を0.16[kcal/kg・deg]、加熱効率を0.6とすると、バーヒーター5により加熱されることにより生じるシートバー17の温度上昇は、(1式)のように、
deg=kcal/0.16/kg
=kWh×0.6/860/0.16/kg
=kW・sec/3600×0.6/860/0.16/7.78×1000000/mm3
=kW×1/3600×0.6/860/0.16/7.78×1000000/mm2×sec/mm
=160kW/mm2×sec/m
=160kW/(mm2×m/sec)・・・(1式)
160kW/(mm2×m/sec)となる。
ここで、バーヒーター5に4000[kW]の電力を供給して、1[m/sec]の速度で搬送している厚みが30[mm]、幅が1000[mm]のシートバー17に対して加熱すると、上記シートバー17の温度を21[℃]上昇させることができる。
【0019】
デスケーリング装置6は、バーヒーター5で所定の温度に加熱されたシートバー17に対し、ポンプ設備9から供給された高圧水を噴射するなどして、シートバー17の表面に形成されたスケールを除去するとともに、シートバー17を冷却する機能を有している。なお、デスケーリング装置6による冷却能力は、シートバー17に噴射する冷却水の流量と圧力により適宜定めることが可能である。
【0020】
仕上げ圧延入り側温度計7は、デスケーリング装置6によりスケールが除去され、仕上げ圧延機8の手前まで搬送されたシートバー17の温度を計測する機能を有している。なお、以下の説明では、仕上げ圧延入り側温度計7により計測されるシートバー17の温度を仕上げ圧延入り側温度と称する。
【0021】
仕上げ圧延機8は、例えば7台の圧延スタンドF1〜F7によりシートバー17を連続的に仕上げ圧延し、ストリップ18を形成する機能を有している。なお、圧延スタンドF1〜F7は、ワークロール、バックアップロール、ロードセル、及びモータなどにより構成されている。なお、本実施の形態では、仕上げ圧延機8に入る前の薄板鋼板をシートバー17、仕上げ圧延機8内の薄板鋼板を仕上げ圧延しているストリップ18、仕上げ圧延機8を出た薄板鋼板を仕上げ圧延されたストリップ18(または、単にストリップ18)と称する。
【0022】
ポンプ設備9は、複数のポンプなどにより構成され、制御装置15による制御に従って、デスケーリング装置6と、スタンド間スプレー10a〜10fに水を供給する機能を有している。具体的に説明すると、上記ポンプ設備9により、スタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に、最高28[m3/min]の流量の冷却水が噴射されるようにしている。
【0023】
また、上記ポンプ設備9により、14[m3/min]の流量の高圧水がデスケーリング装置6に供給されるようにしている。さらに、図示していないが、ポンプ設備9は、仕上げ圧延機8(圧延スタンドF1〜F7)や粗圧延機3などにも冷却水を供給している。
【0024】
スタンド間スプレー10a〜10fは、圧延スタンドF1〜F7の間に配設され、仕上げ圧延しているストリップ18に、ポンプ設備9から供給された冷却水を噴射する機能を有している。なお、スタンド間スプレー10a〜10fによる冷却能力は、仕上げ圧延しているストリップ18に噴射する冷却水の流量と圧力により適宜定めることが可能である。また、本実施の形態では、スタンド間スプレー10a〜10fにより噴射される冷却水の温度を常温とするが、上記冷却水の温度を仕上げ圧延するストリップ18の種類などに応じて調節するようにしてもよい。
【0025】
仕上げ圧延出側温度計11は、仕上げ圧延機8により仕上げ圧延されたストリップ18の温度を計測する機能を有している。なお、以下では、仕上げ圧延出側温度計11により計測されるストリップ18の温度を仕上げ圧延出側温度と称する。
【0026】
ランアウトテーブル12は、仕上げ圧延機8により仕上げ圧延されたストリップ18を冷却する機能を有している。
コイル巻き取り装置14は、一般にコイラーと称されるものであり、ランアウトテーブル12により冷却されたストリップ18を巻き取る機能を有している。なお、本実施の形態では、ストリップ18を、2台のコイル巻き取り装置14a、14bによって交互に巻き取るようにしている。
【0027】
ストリップシャー13は、コイル巻き取り装置14に所定の長さのストリップ18が巻き取られたときに、ストリップ18を切断する機能を有している。
【0028】
制御装置15は、仕上げ圧延されたストリップ18の仕上げ圧延出側温度を910℃以下に制御できる範囲で、最も効率よく仕上げ圧延を行うことができる操業条件を設定する。そして、上記設定した操業条件によりシートバー17を仕上げ圧延することができるように、バーヒーター5を有する加熱装置100、仕上げ圧延機8、ポンプ設備9、及び搬送ローラー速度制御装置101などの運転状況を制御する機能を有している。なお、制御装置15が有する具体的な機能については後述する。
【0029】
搬送ローラー速度制御装置101は、制御装置15による制御に従って、熱間圧延ラインに配設されている複数個の搬送ローラーの回転速度などを調節して、シートバー17及びストリップ18の搬送速度を制御する機能を有している。
【0030】
図2は、本発明の第1の実施の形態を示し、制御装置15の構成の一例を示したブロック図である。
図2において、制御装置15は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、キーボード(KB)24のキーボードコントローラ(KBC)25と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)26のCRTコントローラ(CRTC)27と、ハードディスク(HD)28及びフレキシブルディスク(FD)29のディスクコントローラ(DKC)30と、ネットワーク31との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)32とが、システムバス33を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
【0031】
CPU21は、ROM22或いはHD28に記憶されたソフトウェア、或いはFD29より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス33に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU21は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM22、或いはHD28、或いはFD29から読み出して実行することで、後述する動作を実現するための制御を行う。
【0032】
RAM23は、CPU21の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。KBC25は、KB24や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
【0033】
CRTC27は、CRT26の表示を制御する。
DKC30は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施の形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD28及びFD29とのアクセスを制御する。NIC32は、ネットワーク31上の装置(各圧延スタンドF1〜F7に配設されている上記速度制御装置、ポンプ設備9、バーヒーター5を有する加熱装置100、搬送ローラー速度制御装置101、及びデスケーリング装置6など)或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。このように、制御装置15は、コンピュータシステムにより構成される。
【0034】
そして、制御装置15に設けられているHD28などの記憶媒体には、図3に示すようなテーブル30が格納されている。このテーブル30には、仕上げ圧延機8により仕上げ圧延するストリップ18の生産性を最大にする操業条件が設定されている。
【0035】
以下、図3を参照しながらテーブル30に設定される具体的な操業条件について説明する。
図3に示すように、本実施の形態では、仕上げ圧延しているストリップ18の通板速度を3段階に分けて制御するようにしている。
まず、第1の段階では、所定の圧延速度で仕上げ圧延しているストリップ18の先端が、最後段に配設されている圧延スタンドF7に噛み込まれた後、40[m]搬送されてから、7[mpm/sec]の加速度で仕上げ圧延しているストリップ18を加速させる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、上記シートバー17及びストリップ18を搬送するために複数個配設されている搬送ローラーの回転速度を上記搬送ローラー速度制御装置101で制御することにより、仕上げ圧延しているストリップ18を所定の加速度で加速させるようにしている。
【0037】
このようなタイミングで仕上げ圧延しているストリップ18の加速を開始するのは、先端領域に対して行った板厚制御を、外乱を除去した状態で学習できるようにするためである。そして、このときの加速度を7[mpm/sec]にしたのは、仕上げ圧延されたストリップ18がコイル巻き取り装置14に搬送されるまでは、上記ストリップ18に張力がかからないために、あまりに大きな加速度で仕上げ圧延しているストリップ18を加速させると、仕上げ圧延されたストリップ18にループやたくれが発生してしまう可能性があるからである。
【0038】
また、仕上げ圧延しているストリップ18の先端が圧延スタンドF7に噛み込まれたときに、スタンド間スプレー10a〜10fから上記仕上げ圧延しているストリップ18に14[m3/min]の流量の冷却水を噴射する。そして、仕上げ圧延しているストリップ18の先端が圧延スタンドF7に完全に噛み込まれたことが確認されると、冷却水の流量を28[m3/min]に増大し、以後、28[m3/min]の流量で上記仕上げ圧延しているストリップ18に冷却水を噴射する。
【0039】
このように、最初から冷却水の流量を最大にしないのは、仕上げ圧延しているストリップ18に冷却水を噴射し始めた時に発生するしぶきを可及的に低減させ、冷却水噴射開始時の仕上げ圧延しているストリップ18の状態を監視し易くするためである。
【0040】
そして、上記のようにして仕上げ圧延しているストリップ18を7[mpm/sec]で加速した後、仕上げ圧延されたストリップ18がコイル巻き取り装置14に巻き取られ始めると、第2の段階に移行し、112[mpm/sec]の加速度で仕上げ圧延しているストリップ18を加速させる。
【0041】
このようなタイミングで仕上げ圧延しているストリップ18の加速度を変更するのは、上述したように、コイル巻き取り装置14に仕上げ圧延されたストリップ18が巻き取られ始めると、仕上げ圧延されたストリップ18に張力がかかり、仕上げ圧延されたストリップ18にループやたくれが発生しなくなるからである。そして、このときの加速度を112[mpm/sec]にしたのは、仕上げ圧延出側温度が上がり過ぎてしまうことを防止するためである。
【0042】
そして、上記のようにして仕上げ圧延しているストリップ18を112[mpm/sec]で加速した後、仕上げ圧延しているストリップ18の圧延速度が、1350[mpm]に達すると、第3の段階に移行し、35[mpm/sec]の加速度で仕上げ圧延しているストリップ18を加速させる。
【0043】
このようなタイミングで仕上げ圧延しているストリップ18の加速度を112[mpm/sec]から35[mpm/sec]に変更するのは、仕上げ圧延出側温度の上昇を可及的に防止しながら、仕上げ圧延しているストリップ18の通板速度をさらに上げるようにするためである。このようにして、本実施の形態の熱間圧延設備1では、仕上げ圧延しているストリップ18の加速度を調節して、シートバー17を仕上げ圧延してストリップ18を製造する速度を可及的に増大させるようにしている。そして、ストリップ18の通板速度が1500[mpm/sec]となった時点で加速を停止させ、定常状態に移行させる。
【0044】
以上のようにしてシートバー17を仕上げ圧延する際の通板速度を制御すると、図4に示す速度特性41が得られる。また、図4に示す速度特性42は、スタンド間スプレーから仕上げ圧延しているストリップ18に噴射される冷却水の最大流量が14[m3/min]の場合(既存の設備)における速度特性である。
【0045】
このように、本実施の形態の熱間圧延設備1では、ポンプを増設するなどして、スタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に噴射される冷却水の最大流量を14[m3/min]から28[m3/min]に増大させるようにしている。これにより、仕上げ圧延しているストリップ18の熱伝達率を既存の設備よりも1.56倍程度増大させることができ、仕上げ圧延しているストリップ18を冷却する能力を1.5倍程度増大させることができる。なお、図4において、横軸のストリップ長とは、仕上げ圧延しているストリップ18の先端からの距離を表している。
【0046】
そして、制御装置15は、テーブル30に示されている操業条件(図4の速度特性41)に従って仕上げ圧延を行うと仕上げ圧延出側温度が910[℃]よりも高くなると判断した場合に、バーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6とを用いて仕上げ圧延入り側温度を調節する。
【0047】
具体的に説明すると、制御装置15は、仕上げ圧延入り側温度計7に搬送されたシートバー17に対し、図5に示す温度パターン51、52を与えるようにする。なお、図5において、横軸のストリップ長とは、シートバー17の先端からの距離を表している。
【0048】
なお、上記において、仕上げ圧延出側温度が910℃よりも高くなると判断した場合に仕上げ圧延入り側温度を調節するようにしたのは、仕上げ圧延出側温度が910[℃]よりも高くなると、ストリップ18の表面にスケール疵が形成されてしまうからである。以下、図5を参照しながら温度パターン51、52について説明する。
【0049】
まず、温度パターン51について説明する。
図4の速度特性41に示したようにして仕上げ圧延しているストリップ18を加速させると、仕上げ圧延しているストリップ18が発熱し、仕上げ圧延出側温度が上昇する。そこで、仕上げ圧延しているストリップ18を加速させることにより生じる温度上昇を抑えるために、仕上げ圧延しているストリップ18が加速し終えるまでの間(仕上げ圧延しているストリップ18の長さが0[m]から493[m]の間)は、デスケーリング装置6を用いてシートバー17を強制冷却し、仕上げ圧延入り側温度を大きく降下させる(図5の温度パターン51を参照)。なお、このとき、デスケーリング装置6は、上記高圧水を噴射するためのノズルの噴射本数を増やすか、上記高圧水の流量、圧力を増してシートバー17を強制冷却するようにしてもよい。
【0050】
そして、仕上げ圧延しているストリップ18の加速が終了した後(仕上げ圧延しているストリップ18の長さが493[m]以上になった後)は、シードバー17を適切に仕上げ圧延することが可能な温度の下限値(例えば、仕上げ圧延出側温度が820[℃]〜860[℃])を下回らないように、デスケーリング装置6とバーヒーター5を有する加熱装置100とを用いて、シートバー18の温度を図5に示すように徐々に増加させて仕上げ圧延入り側温度を上昇させる(図5の温度パターン51を参照)。
【0051】
以上のように、バーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6を用いて、仕上げ圧延入り側におけるシートバー17の温度を調節することにより、図5に示したV字状の温度パターン51が得られる。
【0052】
なお、仕上げ圧延しているストリップ18の長さが493[m]になったときに、デスケーリング装置6における冷却水の注水を休止して、図5の温度パターン51で与えられる温度から、温度パターン52で与えられる温度に乗り換えるようにしてもよい。すなわち、仕上げ圧延しているストリップ18の長さが493[m]になるまでは、温度パターン51に従うようにし、仕上げ圧延しているストリップ18の長さが493[m]になった後は、温度パターン52に従うようにしてもよい。
【0053】
次に、温度パターン52について具体例を挙げながら説明する。
まず、粗圧延機3の最後段に配設されているスタンドから、粗圧延機3の出側に配設されている温度計(図示せず)までの距離を約45[m]、上記温度計から、仕上げ圧延機8の最前段に配設されている圧延スタンドF1までの距離を約100[m]とする。そして、シートバー17の長さを約75[m]とする。また、仕上げ圧延機8の圧延スタンドF1に噛み込まれるまでのシートバー17の搬送速度を約4[m/sec]とし、シートバー17が上記圧延スタンドF1に噛み込まれた後の搬送速度を約1.5[m/sec]とする。
【0054】
以上の条件のもとで、粗圧延機3の出側に配設されている温度計から圧延スタンドF1までのシートバー17の先端と後端における搬送時間を計算すると、以下のようになる。
【0055】
まず、シートバー17の先端の搬送時間は、(2式)のように、
100[m]÷4[m/sec]=25[sec]・・・(2式)
25秒になる。
【0056】
シートバー17の後端の搬送時間は、シートバー17の後端が粗圧延機3の出側に配設されている温度計を通過してから、シートバー17の先端が圧延スタンドF1に噛み込まれるまでの時間と、シートバー17の先端が圧延スタンドF1に噛み込まれてから、シートバー17の後端が圧延スタンドF1に噛み込まれるまでの時間との和となり、(3式)のように、
{(100[m]−75[m])÷4[m/sec]}+{75[m]÷1.5[m/sec]}=6+50=56[sec]・・・(3式)
となり、上記シートバー17の後端の搬送時間は56[sec]になる。
【0057】
そして、シートバー17を搬送しているときの空冷による温度降下を約1.49[℃/sec]とすると、シートバー17の先端における温度降下は、(4式)のように、
25[sec]×1.49[℃/sec]=37[℃]・・・(4式)
37[℃]になる。
【0058】
一方、シートバー17の後端における温度降下は、(5式)のように、
56[sec]×1.49[℃/sec]=83[℃]・・・(5式)
83[℃]になる。
【0059】
以上のように、例えばバーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6とをOFFして、粗圧延機3と仕上げ圧延機8との間でシートバー17を空冷することにより、シートバー17の後端になる程温度が低下する温度パターン52が得られる。
【0060】
そして、制御装置15は、以上のようにして算出される温度パターン51、52により仕上げ圧延入り側温度を調節した場合の、仕上げ圧延出側温度を算出する。図6にその結果の一例を示す。
図6において、温度特性61は、図5の温度パターン51に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を28[m3/min]としたときの仕上げ圧延出側温度の計算結果である。
【0061】
温度特性62は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を28[m3/min]としたときの仕上げ圧延出側温度の計算結果である。
【0062】
温度特性63は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性42に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]としたときの仕上げ圧延出側温度の計算結果である。
【0063】
温度特性64は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]としたときの仕上げ圧延出側温度の計算結果である。
【0064】
図6に示すように、仕上げ圧延しているストリップ18の加速度を3段階で切り替え、スタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を28[m3/min]にすると、仕上げ圧延出側温度を910℃以下にすることができる(温度特性61、62を参照)。しかしながら、温度特性62では、仕上げ圧延しているストリップ18の加速が終了したときの仕上げ圧延出側温度が905℃程度になり、910[℃]に対し余裕が小さい。
【0065】
これに対し、温度特性61では、仕上げ圧延出側温度の最高値を890℃以下にすることができる。したがって、温度パターン51に従って仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を調節すれば、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度を910℃よりも確実に低くすることができ、スケール疵の発生を確実に防止することができる。
【0066】
なお、図6に示すように、初期加速度(第1の段階における加速度=7[mpm/sec])で加速させた後におけるストリップ18先端の仕上げ圧延出側温度は、目標仕上げ温度を十分に上回っている。ここで、目標仕上げ温度とは、上述したシードバー17を適切に仕上げ圧延することが可能な温度の下限値(例えば、仕上げ圧延出側温度が820[℃]〜860[℃])である。
【0067】
また、制御装置15は、仕上げ圧延機8における加速が終了した時点で仕上げ圧延入り側温度計7の計測点に位置しているシートバー17の断面平均温度が、仕上げ圧延機8内でどのように推移するのかを算出する。図7にその結果の一例を示す。なお、以下の説明では、仕上げ圧延における加速が終了した時点で仕上げ圧延入り側温度計7の計測点に位置しているシートバー17の仕上げ圧延機8内での断面平均温度を、必要に応じてスタンド間断面温度と称する。
【0068】
図7の温度特性71は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を28[m3/min]としたときの計算結果である。
【0069】
温度特性72は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]にしたときの計算結果である。
【0070】
温度特性73は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、スタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]にしたときの計算結果である。
【0071】
そして、本実施の形態では、温度特性71において、圧延スタンドF1におけるスタンド間断面温度と、圧延スタンドF4におけるスタンド間断面温度との差(図7の△T)を算出する。そして、上記算出した温度差の分だけ仕上げ圧延入り側温度を降下させるように温度パターン51を設定するようにしている。
【0072】
また、制御装置15は、仕上げ圧延における加速が終了した時点で仕上げ圧延入り側温度計7の計測点に位置しているシートバー17の厚み方向の表面温度が、仕上げ圧延機8内でどのように推移するのかを計算する。図8に計算結果の一例を示す。なお、以下の説明では、仕上げ圧延における加速が終了した時点で仕上げ圧延入り側温度計7の計測点に位置しているシートバー17の仕上げ圧延機8内での厚み方向の表面温度を、必要に応じてスタンド間表面温度と称する。
【0073】
図8の温度特性81は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延機8の入り側においてシートバー17の温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を28[m3/min]としたときの表面温度の計算結果である。
【0074】
温度特性82は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]にしたときの計算結果である。
【0075】
温度特性83は、図5の温度パターン52に従って仕上げ圧延入り側温度を調節し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に供給される冷却水の最大流量を14[m3/min]にしたときの計算結果である。
【0076】
ところで、本実施の形態の熱間圧延設備1では、デスケーリング装置6でシートバー17の表面に付着しているスケールを除去するようにしているが、このスケールを除去する際の処理では、シートバー17の表面付近のみが冷やされ、内部までは冷やされ難い。
【0077】
このため、シートバー17の内部の温度(スタンド間断面温度)は時間とともに低下するが、表面の温度(スタンド間表面温度)は時間とともに復熱する。したがって、スタンド間断面温度は、圧延スタンドF1のところで最も高くなるのに対し(図7を参照)、スタンド間表面温度は、圧延スタンドF4〜F5のところで最も高くなる(図8を参照)。
【0078】
このように、本実施の形態の熱間圧延設備1では、デスケーリング装置6を用いているため、スタンド間表面温度よりもスタンド間断面温度の方が、圧延スタンドF1〜F7で仕上げ圧延しているストリップ18の実温度に近くなる。したがって、スタンド間断面温度を、仕上げ圧延しているストリップ18の温度として採用してもよい。ただし、仕上げ圧延されたストリップ18の表面にスケール疵が発生するか否かについては、スタンド間断面温度よりもスタンド間表面温度の方により大きく依存するので、本実施の形態の制御装置15では、スタンド間表面温度を仕上げ圧延しているストリップ18の温度として採用する。
【0079】
なお、上述したように仕上げ圧延出側温度が910[℃]よりも高くなると、ストリップ18の表面にスケール疵が形成されるが、仕上げ圧延中の表面温度(スタンド間表面温度)が高くなった場合にも、ストリップ18の表面にスケール疵が形成される。
【0080】
しかしながら、上記仕上げ圧延中の表面温度は、容易に測定することができない。このため、本願出願人らは、仕上げ圧延中の表面温度が、スケール疵の発生にどのように影響しているのかを実験的な解析結果から求めた。この結果、本願出願人らは、上記仕上げ圧延中の表面温度(スタンド間表面温度)を、そのばらつきを考慮して1000[℃]以下にすれば、スケール疵の発生を確実に防止することができることを確認した。したがって、本実施の形態では、仕上げ圧延中の表面温度が1000[℃]以下の範囲で操業することができるように、仕上げ圧延出側温度を監視している。すなわち、本実施の形態では、仕上げ圧延出側温度が910[℃]以下、仕上げ圧延中の表面温度(スタンド間表面温度)が1000[℃]以下となるようにしている。
【0081】
次に、図9のフローチャートを参照しながら、制御装置15の動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS1において、テーブル30に設定されたの操業条件に従ってシートバー17を仕上げ圧延したときの仕上げ圧延出側温度を算出する。すなわち、仕上げ圧延入り側温度が935[℃]で一定である場合の仕上げ圧延出側温度を算出する。
【0082】
次に、ステップS2において、ステップS1で算出した仕上げ圧延出側温度の最高値が910℃よりも高いか否かを判定する。この判定の結果、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最高値が910℃以下の場合には、テーブル30の操業条件に従って仕上げ圧延を行ってもストリップ18の表面にスケール疵が形成されないと判断して、ステップS11に進む。そして、ステップS11において、ステップS1で仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度を算出したときの操業条件で仕上げ圧延されるように、バーヒーター5を有する加熱装置100、デスケーリング装置6、仕上げ圧延機8、ポンプ設備9、及び搬送ローラー速度制御装置101等の運転状況を制御する。
【0083】
一方、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最高値が910℃よりもよりも高い場合には、ステップS3に進み、テーブル30に設定されている仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を一定値だけ下げて、仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度の条件を変更し、上記変更した条件で仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度と、スタンド間におけるストリップ18の断面平均温度を算出する。
【0084】
次に、ステップS4において、ステップS3で算出した仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が、下限温度(例えば820[℃]以上860[℃]以下の範囲内の任意の温度)以上であるか否かを判定する。この判定の結果、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が、下限温度以上の場合には、ステップS5に進む。
【0085】
一方、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が、下限温度未満の場合には、ステップS11に進み、ステップS3で変更した仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を一定値上げて、仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度の条件を再度変更し、上記変更した条件で仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度と、スタンド間において仕上げ圧延しているストリップ18の表面温度を算出してからステップS5に進む。
【0086】
次に、ステップS5において、ステップS3またはステップS6で算出したスタンド間において仕上げ圧延しているストリップ18の表面温度の最高値が、1000[℃]以下であるか否かを判定する。この判定の結果、上記ストリップ18の表面温度の最高値が1000[℃]よりも高い場合には、ステップS7に進む。
【0087】
一方、上記ストリップ18の表面温度の最高値が1000[℃]以下の場合には、ステップS11に進み、ステップS3で変更した条件で仕上げ圧延されるように、バーヒーター5を有する加熱装置100、デスケーリング装置6、仕上げ圧延機8、ポンプ設備9、及び搬送ローラー速度制御装置等の運転状況を制御する。
【0088】
次に、ステップS7において、ステップS3またはステップS6で算出したスタンド間において仕上げ圧延しているストリップ18の断面平均温度に基づいて温度パターン51を算出する。そして、上記算出した温度パターン51で仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を制御し、図4の速度特性41に従って仕上げ圧延しているストリップ18を加速させ、さらにスタンド間スプレー10a〜10fから仕上げ圧延しているストリップ18に28[m3/min]の流量の冷却水を噴射して、シートバー17を仕上げ圧延した場合の仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度と、スタンド間において仕上げ圧延しているストリップ18の断面平均温度とを算出する。
【0089】
次に、ステップS8において、バーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6とを用いて、ステップS7で算出した温度パターン51をシートバー17に与えることができるか否かを判定する。判定の結果、ステップS8で算出した温度パターン51をシートバー17に与えることができる場合には、ステップS9に進む。一方、ステップS7で算出した温度パターン51をシートバー17に与えることができない場合には、後述するステップS10に進む。
【0090】
次に、ステップS9において、ステップS7で算出した仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が下限温度以上になるか否かを判定する。この判定の結果、ステップS7で算出した仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が下限温度以上になる場合には、ステップS11に進み、上記計算した温度パターン51をシートバー17に与えるように、バーヒーター5を有する加熱装置100及びデスケーリング装置6の運転状況を制御するとともに、テーブル30に設定されている加速度と流量の条件で仕上げ圧延されるように、仕上げ圧延機8、ポンプ設備9、及び搬送ローラー速度制御装置101の運転状況を制御する。
【0091】
次に、ステップS8において、ステップS7で算出した温度パターン51をシートバー17に与えることができないと判定した場合と、ステップS9において、ステップS7で算出した仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が下限温度未満になると判定した場合には、テーブル30に設定されている加速度と流量では仕上げ圧延を適切に行えないと判断して、ステップS10に進み、温度異常時における予め決められた操業条件を設定し、ステップS11に進む。そして、ステップS11では、ステップS10で設定された操業条件で仕上げ圧延されるように、バーヒーター5を有する加熱装置100、デスケーリング装置6、仕上げ圧延機8、ポンプ設備9、及び搬送ローラー速度制御装置101等の運転状況を制御する。
【0092】
次に、図10のフローチャートを参照しながら、図9に示したステップS10における具体的な処理を説明する。
まず、ステップS21において、仕上げ圧延を行うシートバー17に対し、スタンド間において仕上げ圧延しているストリップ18の断面平均温度が1000[℃]以下になるような所定の温度となるように、仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を設定することが許されるか否かを判定する。
【0093】
この判定の結果、許されれば、ステップS22に進み、上記仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を設定する。このとき、シートバー17の種類に応じて、デスケーリング装置5で酸洗処理(シートバー17を酸に浸漬する処理)を行うように設定する。
【0094】
一方、仕上げ圧延を行うシートバー17に対し、上記仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を設定することが許されなければ、ステップS23に進み、テーブル30に設定されている加速度と流量を予め決められている所定値に設定する。例えば、図9のステップS9において、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最低値が下限温度未満になると判定したときには、シートバー17の加速度をテーブル30に設定されている値よりも大きくするとともに、スタンド間スプレー10a〜10fを止めるようにすればよい。
【0095】
以上のように、本実施の形態では、シートバー17の仕上げ圧延を行うに際して、スタンド間スプレー10a〜10fの流量と、仕上げ圧延しているストリップ18の加速度とを調節して仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の最高値が910[℃]以下になるようにしたので、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の上昇を所定の範囲内に抑えられ、かつ可及的に大きな加速度でシートバー17を加速させることができるとともに、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の上昇を所定の範囲内に抑えられ、かつ可及的に大きな圧延速度でシートバー17を仕上げ圧延することができる。
【0096】
したがって、ストリップ18にスケール疵が発生してしまうことを防止しながら、ストリップ18の生産性を向上させることができる。具体的に、本願発明者らは、仕上げ圧延しているストリップ18の加速度を既存の設備よりも1.2倍〜1.5倍上昇させ、且つ圧延速度を50[mpm]〜100[mpm]上昇させることにより仕上げ圧延時間を約2秒短縮するようにしても、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の最高温度を910[℃]以下にすることができることをシミュレーションにより確認した。
【0097】
また、本実施の形態では、設備の最大能力で仕上げ圧延を行ったときの仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度を算出し、上記算出した値の最高値が、910[℃]よりも高くなるときには、温度パターン51を算出し、上記算出した温度パターン51に従って仕上げ圧延機8の入り側におけるシートバー17の温度を調節するようにしたので、仕上げ圧延しているストリップ18の加速度や通板速度(圧延速度)を低減させなくても、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度の上昇を所定の範囲内に抑えることできる。
【0098】
また、仕上げ圧延設備における冷却系統を大幅に改造しなくても、仕上げ圧延しているストリップ18の圧延最高速度をより高く設定することができ、ストリップ18の生産性を向上させることができる。また、上記圧延最高速度をより高くした場合であっても、仕上げ圧延されたストリップ18の表面性状を安定化させることができる。
【0099】
さらに、圧延スタンドF1〜F7で仕上げ圧延しているストリップ18の表面温度が1000[℃]以下になるようにしたので、各圧延スタンドF1〜F7は、仕上げ圧延しているストリップ18を適温で仕上げ圧延することができる。
【0100】
すなわち、各圧延スタンドF1〜F7が仕上げ圧延しているストリップ18を高温で仕上げ圧延してしまうことを防止することができるので、各圧延スタンドF1〜F7の表面にひび割れが生じたりしてしまうことなどを防止することができる。これにより、各圧延スタンドF1〜F7の表面状態が荒れてしまうことを防止することができる。
【0101】
なお、図9のフローチャートでは、ステップS8で温度パターン51を設定するようにした場合を例に挙げて説明したが、温度パターン52を設定するようにしてもよい。さらに、2つの温度パターン51、52のうちの何れか一方を選択して設定するようにしてもよい。すなわち、空冷時の温度パターン52で仕上げ圧延を行っても仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度が910[℃]よりも高くならない(スタンド間温度が1000[℃]よりも高くならない)場合には、温度パターン52を設定して制御を簡略化するようにしてもよい。
【0102】
また、本実施の形態では、設備の最大能力で仕上げ圧延を行ったときの仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度を算出し、上記算出した値の最高値が、910[℃]よりも高くなる場合にバーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6の運転状況を制御するようにしたが、このとき以外にバーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6を動作させるようにしてもよい。この場合、仕上げ圧延機8の出側におけるストリップ18の温度が910[℃]よりも高くならなければ、必ずしも温度パターン51、52に従うようにバーヒーター5を有する加熱装置100とデスケーリング装置6を動作させる必要はない。
【0103】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図11は、本発明の第2の実施の形態を示し、熱間圧延設備の概略構成の一例を示した図である。なお、図11において、上述した第1の実施の形態と同一部分については、図1に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0104】
図11において、熱間圧延設備111は、加熱炉2と、粗圧延機3と、スラブ検出用センサ4と、バーヒーター5を有する加熱装置100と、デスケーリング装置6と、仕上げ圧延入り側温度計7と、仕上げ圧延機8と、ポンプ設備9と、スタンド間スプレー10a〜10fと、仕上げ圧延出側温度計11と、ランアウトテーブル12と、ストリップシャー13と、コイル巻き取り装置14と、搬送ローラー速度制御装置101と、制御装置15と、コイルボックス112とを有している。
【0105】
コイルボックス112は、粗圧延機3で粗圧延されたシートバー17を一旦巻き取った後に、再び巻戻してバーヒーター5を有する加熱装置100に供給する機能を有している。
このように、本実施の形態では、熱間圧延設備111にコイルボックス112を設けるようにしている。このコイルボックス112によりシートバー17が保温されるため、図12に示すような温度パターン121を設定することが可能になる。
【0106】
これにより、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態における温度パターン51、52の他に、図12に示すような温度パターン121を設定することが可能になる。したがって、より多くの温度パターン121で仕上げ圧延入り側温度を制御することができるようになる。
【0107】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、上記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0108】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。
【0110】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
【0111】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、粗圧延された薄板鋼板を仕上げ圧延してストリップを形成する際に、上記仕上げ圧延の進行状態に応じた所定の通板速度となるように上記薄板鋼板の通板速度を調節するとともに、上記仕上げ圧延している薄板鋼板に噴射する冷却水の流量を調節するに際し、上記薄板鋼板の通板速度を加速する処理が終了したときの温度が最低となるように、第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節して、上記第1〜第nの圧延スタンドにより形成されたストリップの最高温度を略910℃以下にするようにしたので、上記ストリップの温度上昇を抑えられる可及的に大きな加速度で上記薄板鋼板を加速させることができる。
また、上記ストリップの温度上昇を抑えることができ、かつ可及的に大きな通板速度で薄板鋼板を仕上げ圧延するようにすることができる。したがって、上記ストリップにスケール疵が発生してしまうことを抑えながら、上記ストリップの生産性を向上させることができる。
【0112】
また、本発明の方法を用いることにより、仕上げ圧延設備における冷却系統を大幅に改造しなくても、薄板鋼板の圧延最高速度をより高く設定することができるので、ストリップの生産性を向上させることができる。また、上記圧延最高速度をより高くしても、仕上げ圧延されたストリップの表面性状を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、熱間圧延設備の概略構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、制御装置の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、仕上げ圧延されるストリップの生産性を最大にする操業条件を設定したテーブルを示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、仕上げ圧延機における速度特性を示した図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示し、仕上げ圧延入り側温度の特性を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示し、仕上げ圧延出側温度の特性を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態を示し、仕上げ圧延機内でのストリップの断面平均温度の特性を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示し、、仕上げ圧延機内でのストリップの表面温度の特性を示した図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示し、制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施の形態を示し、制御装置の動作をより詳細に説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態を示し、熱間圧延設備の概略構成の一例を示した図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示し、仕上げ圧延入り側温度の特性を示した図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延設備
3 粗圧延機
5 バーヒーター
6 デスケーリング装置
8 仕上げ圧延機
9 ポンプ設備
10 スタンド間スプレー
100 加熱装置
101 搬送ローラー速度制御装置
112 コイルボックス

Claims (10)

  1. 粗圧延された薄板鋼板を仕上げ圧延してストリップを形成するための第1〜第nの圧延スタンドと、上記第1〜第nの圧延スタンドの間に搬送された仕上げ圧延中の薄板鋼板に対して冷却水を噴射するための冷却水噴射手段とを有する熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置であって、
    上記仕上げ圧延の進行状態に応じた所定の通板速度となるように上記薄板鋼板の通板速度を調節するとともに、上記冷却水の流量を調節して、上記第1〜第nの圧延スタンドにより形成されたストリップの最高温度を略910℃以下にする温度制御手段を有し、
    上記温度制御手段は、上記薄板鋼板の通板速度を加速する処理が終了したときの温度が最低となるように、上記第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節して、上記第1〜第nの圧延スタンドにより形成されたストリップの最高温度を略910℃以下にすることを特徴とする熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  2. 上記温度制御手段は、上記第1〜第nの圧延スタンドにより仕上げ圧延されている薄板鋼板の温度を略1000℃以下にするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  3. 上記熱間圧延ラインは、上記薄板鋼板を加熱するためのバーヒーターを有する加熱装置と、上記薄板鋼板の表面に形成されているスケールを除去するためのデスケーリング装置と有し、
    上記温度制御手段は、上記第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を、上記バーヒーターを有する加熱装置とデスケーリング装置とを用いて調節するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  4. 上記熱間圧延ラインは、上記薄板鋼板を一旦巻き取り、上記巻き取った薄板鋼板を巻戻して熱間圧延ラインに供給するコイルボックスを有し、
    上記温度制御手段は、上記第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を、上記コイルボックスを用いて調節するようにしたことを特徴とする請求項に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  5. 上記温度制御手段は、上記薄板鋼板の通板速度と上記冷却水の流量とを、操業が安定する範囲で最高にして仕上げ圧延した場合のストリップの温度を算出し、上記算出したストリップの温度が略910℃よりも高い場合に、上記第1の圧延スタンドの手前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節するようにしたことを特徴とする請求項の何れか1項に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  6. 上記温度制御手段は、上記薄板鋼板の通板速度を複数回変えて加速するようにして上記薄板鋼板の通板速度を調節するようにしたことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御装置。
  7. 粗圧延された薄板鋼板を仕上げ圧延してストリップを形成するストリップ形成処理と、
    上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されている薄板鋼板に対し冷却水を噴射する冷却水噴射処理と、
    上記仕上げ圧延の進行状態に応じた所定の通板速度となるように上記薄板鋼板の通板速度を調節するとともに、上記冷却水の流量を調節して、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されたストリップの最高温度を略910℃以下にする温度制御処理とを有し、
    上記温度制御処理は、上記薄板鋼板の通板速度を加速する処理が終了したときの温度が最低となるように、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延される前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節して、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されたストリップの最高温度を略910℃以下にすることを特徴とする熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御方法。
  8. 上記温度制御処理は、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延されている薄板鋼板の温度を略1000℃以下にするようにしたことを特徴とする請求項に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御方法。
  9. 上記温度制御処理は、上記薄板鋼板の通板速度と、上記冷却水の流量を、操業が安定する範囲で最高にして仕上げ圧延した場合のストリップの温度を算出し、上記算出したストリップの温度が略910℃よりも高い場合に、上記ストリップ形成処理により仕上げ圧延される前の所定位置における薄板鋼板の温度を調節するようにしたことを特徴とする請求項7又は8に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御方法。
  10. 上記温度制御処理は、上記薄板鋼板の通板速度を複数回変えて加速するようにして上記薄板鋼板の加速度を調節するようにしたことを特徴とする請求項の何れか1項に記載の熱間圧延ラインにおけるストリップの温度制御方法。
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