JP2003136113A - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法

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JP2003136113A JP2001335156A JP2001335156A JP2003136113A JP 2003136113 A JP2003136113 A JP 2003136113A JP 2001335156 A JP2001335156 A JP 2001335156A JP 2001335156 A JP2001335156 A JP 2001335156A JP 2003136113 A JP2003136113 A JP 2003136113A
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朝志 衣笠
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憲治 清水
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主税 中塚
Shigeki Tanaka
茂樹 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱延鋼板製造における仕上圧延を行う際、仕上
スタンド間冷却の冷却水量およびワークロール冷却の冷
却水量を適切に制御することにより、特に被圧延材先端
部において目標仕上出側温度を確保する。 【解決手段】スタンド間冷却手段とワークロール冷却手
段とを備えた仕上圧延機による仕上圧延において、被圧
延材先端部の通板速度およびスタンド間冷却水量の初期
値を設定する際、先端部の目標仕上出側温度を確保する
べく計算された通板速度およびスタンド間冷却水量の初
期値が、あらかじめ定めたそれぞれの上限値および下限
値の範囲内でない場合には、通板速度の上限値およびス
タンド間冷却水量の下限値をそれぞれの初期値に設定
し、さらにワークロール冷却水量の初期値を定常圧延中
の冷却水量よりも減量する。先端部の通板後、圧延速度
を加速する際には、ワークロール冷却水量を定常圧延中
の値まで増量し、その後にスタンド間冷却水量を増量す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱延鋼板の製造方
法に関するものであり、より詳細には仕上圧延における
圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延ラインで熱延鋼板を製造する
際、仕上圧延機出側温度(以下FDTと略す)は熱延鋼
板の材質特性を決めるうえで重要な要素の一つである。
そのため、仕上圧延中は、所定のFDTが得られるよ
う、仕上圧延機スタンド間に設けられた鋼板を冷却する
ための冷却水(以下、スタンド間冷却と呼ぶ)の流量ま
たは噴射ヘッダー数、および圧延速度を制御している。
【0003】被圧延材の全長で所定のFDTを確保する
ため、まず被圧延材先端部で、目標とするFDTを確保
するための初期値の設定が行われる。例えば、材料諸元
として鋼種、板厚、板幅、目標FDTを用意しておき、
粗出側温度または仕上入側温度の実測結果により、スタ
ンド間冷却の噴射水量または噴射するヘッダー数や位
置、および仕上圧延機の初期通板速度(ベース速度)を
決定する。
【0004】そして、被圧延材先端部が仕上圧延機最終
スタンドを通過後、圧延速度の加速を行い、同時にスタ
ンド間冷却の噴射水量(噴射ヘッダー数)も増加して、
全長で目標とするFDTを確保する。このようなスタン
ド間冷却の流量制御方法として、特開平6−527号公
報には、先端部の通板時には冷却水を止めておき、先端
部が巻取機に巻付き後に水量を漸増する方法が記載され
ている。
【0005】ところで、圧延にともなってワークロール
の温度は上昇する。そこで、圧延中はワークロールへ冷
却水(以下、ワークロール冷却と呼ぶ)を噴射してい
る。ワークロール冷却は、従来は圧延材料待機中のアイ
ドル時には水量を絞り、被圧延材先端の圧延機への噛み
込みと同時に定常量まで流量増加していた。それに対
し、特開昭60−115313号公報には、被圧延材先
端の噛み込み後所定時間経過した後に流量増加する方法
が記載されている。また、特開昭61−159210号
公報には、ワークロール冷却水量を圧延ロールの熱負荷
に応じて流量を制御する方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記仕上圧延機のベー
ス速度には、安定通板性の問題から上限値が存在するこ
とが知られている。前記の先端通板時の初期値設定を行
う際にこの上限に掛かると、圧延速度を抑える、つまり
圧延時間を必要以上に長くとることになり、被圧延材先
端部が冷えて目標とするFDTが確保できなくなる。特
に、近年その比率が増加している薄物材料の場合に、そ
の傾向が顕著である。このような場合には、一般には、
スタンド間冷却の冷却水量を減少あるいは停止する対策
が取られる。
【0007】しかし、特に最近、製品の表面性状に対す
る要求が厳しく、スタンド間冷却を停止できない場合が
発生している。つまり、仕上圧延中に鋼板表面に2次ス
ケールが生成されると、これを起因とするスケール性欠
陥が発生する。そのため、スタンド間での2次スケール
生成を抑制する目的から、特に鋼板表面が高温である仕
上前段スタンドではスタンド間冷却を止められない場合
がある。したがって、特に薄物かつ高表面品質材におい
ては、被圧延材先端部の目標FDTを確保することが非
常に困難となってきた。
【0008】ところで、ワークロール冷却の冷却水量を
減少すると、結果として被圧延材の温度を上昇すること
ができる。特開平60−115313号公報に記載の方
法はこれを利用したものである。しかし、この方法は、
被圧延材の先端部温度低下によるワークロール表面の当
て疵およびそれに伴う製品表面のトップマークの発生防
止を目的とするものであり、単に被圧延材先端部の温度
低下を低減すればよく、したがって冷却水量も単純に通
常の半分程度に設定しているのみである。よって、冷却
水量の減少により被圧延材の温度がどの程度上昇する
か、あるいはFDTにどの程度影響するかなどは全く考
慮されていない。
【0009】また、特開昭61−159210号公報に
記載の方法は、冷却水供給装置の電力原単位低減を目的
とするもので、ロールの熱負荷により最低限必要なロー
ル冷却水量を定め、圧延速度変化に比例した流量でワー
クロール冷却を制御している。つまり、スタンド間冷却
については全く考慮されていない。逆に、特開平6−5
27号公報に記載の方法は、スタンド間冷却の冷却水噴
射開始の際にゆるやかに水量を変化させることを目的と
するもので、被圧延材の温度変化やワークロール冷却水
量については全く考慮されていない。
【0010】このように、従来の技術には、スタンド間
冷却の冷却水量とワークロール冷却の冷却水量の両方を
考慮し、ベース速度と合わせてどのように初期設定し、
また圧延速度の加速後にこれら両方の冷却水量をどのよ
うに制御するべきかを記載したものはない。
【0011】本発明の目的は、熱延鋼板製造における仕
上圧延を行う際、仕上スタンド間冷却の冷却水量および
ワークロール冷却の冷却水量を適切に制御することによ
り、特に被圧延材先端部において目標FDTを確保する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】被圧延材先端部で目標と
するFDTを確保するためには、スタンド間冷却の冷却
水量もワークロール冷却の冷却水量も少ないほどよい
が、スケール性欠陥やワークロール肌荒れを防止するた
めにはある一定の水量が必要である。また、被圧延材先
端部通板後の圧延速度の加速時には冷却能力を増加しな
ければならないが、スタンド間冷却とワークロール冷却
の冷却水量をどのように増量すべきかが重要である。
【0013】このため、本発明では、安定通板を行うた
めのベース速度の上限値と、スケール性欠陥を防止する
ために最低限必要なスタンド間冷却の冷却水量とをあら
かじめ定めておき、ベース速度とスタンド間冷却の冷却
水量の初期値を決定する際、仕上圧延機ベース速度の上
限値およびスタンド間冷却の冷却水量の下限値としても
被圧延材先端部の目標FDTが確保できない場合には、
ワークロール冷却の冷却水量を適量減少させることによ
り、目標とするFDTを確保する。
【0014】また、被圧延材先端部の通板後、圧延速度
を加速する際には、ワークロールの肌荒れを防止する目
的から、まずワークロール冷却の冷却水を増量し、定常
圧延中の流量まで達した後、引き続きスタンド間冷却の
冷却水量を増量するとよい。
【0015】さらに、ワークロール冷却の冷却水量が定
常圧延中よりも少ない場合には、圧延潤滑剤の供給も同
等には必要ないことから、ワークロール冷却の冷却水量
を減量した際には、定常圧延中よりも圧延潤滑剤を低濃
度としたり低流量とすることが可能である。
【0016】したがって、本発明の熱延鋼板の製造方法
は、以下のような特徴を有する。
【0017】(1)圧延機のスタンド間で被圧延材を冷
却するスタンド間冷却手段と、圧延機に組み込まれたワ
ークロール表面を冷却するワークロール冷却手段とを備
えた仕上圧延機による熱延鋼板の製造方法において、仕
上圧延機へ被圧延材の先端部を通板する通板速度および
前記スタンド間冷却手段の冷却水量の初期値を設定する
際、被圧延材先端部の目標仕上出側温度を確保するべく
計算された前記通板速度および前記スタンド間冷却手段
の冷却水量の初期値が、あらかじめ定められた通板速度
の上限値およびスタンド間冷却手段の冷却水量の下限値
の範囲内でない場合には、前記通板速度の上限値および
スタンド間冷却手段の冷却水量の下限値をそれぞれの初
期値に設定し、さらに前記ワークロール冷却手段の冷却
水量の初期値を定常圧延中の冷却水量よりも減量するこ
とを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【0018】(2)被圧延材の先端部の通板後、仕上圧
延機の圧延速度を加速する際に、ワークロール冷却手段
の冷却水量を定常圧延中の値まで増量し、その後にスタ
ンド間冷却手段の冷却水量を増量することを特徴とする
(1)に記載の熱延鋼板の製造方法。
【0019】(3)仕上圧延機に圧延潤滑剤の供給手段
を設けるとともに、ワークロール冷却手段の冷却水量が
定常圧延中の流量よりも少ない場合には、定常圧延中よ
りも低濃度および/または低流量の圧延潤滑剤を供給す
ることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱延鋼
板の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の一実施
形態を示すもので、図1は仕上圧延機と冷却水系統の概
略を示す説明図、図2は仕上圧延機第nスタンドにおけ
るスタンド間冷却手段とワークロール冷却手段の配置の
一例を示す説明図である。
【0021】図1に示すように、仕上圧延機は7スタン
ドから構成されている。各スタンド間の鋼板面には、ス
タンド間冷却流量制御部8からの指令により、それぞれ
個別に流量制御されたスタンド間冷却手段から冷却水が
噴射される。また、各スタンドのワークロールには、ワ
ークロール冷却流量制御部9からの指令により流量制御
されたワークロール冷却手段から冷却水が噴射される。
さらに、各スタンドのワークロールには、圧延潤滑制御
部10で濃度や流量が調整された圧延潤滑剤が噴射され
る。
【0022】図2は、前記スタンド間冷却手段とワーク
ロール冷却手段の詳細を示したものである。各スタンド
は、ワークロール1nおよびバックアップロール2nを
備えている。そして、圧延機の入側および出側には、ワ
ークロール1nの表面へ向けて冷却水を噴射するための
ワークロール冷却ヘッダー4nおよび該ヘッダーの長手
方向に所定の間隔で配置された冷却水噴射ノズルが設置
されており、これが前記ワークロール冷却手段を構成し
ている。このワークロール冷却水噴射ノズルからの冷却
水の噴射は、ワークロール冷却水量制御部9からの指令
により、ワークロール冷却用電動ブースターポンプ7を
制御することにより行われる。また、圧延機入側の前記
ワークロール冷却ヘッダー4nよりも被圧延材に近い位
置には、圧延潤滑剤を噴射するための圧延潤滑剤ヘッダ
ー5nおよび該ヘッダーの長手方向に所定の間隔で配置
された圧延潤滑剤供給ノズルが設置されている。この圧
延潤滑剤供給ノズルから噴射される圧延潤滑剤は、圧延
潤滑制御部10で濃度や流量が調整されている。
【0023】さらに、第(n−1)スタンドと第nスタ
ンドの間には、被圧延材へ向けて冷却水を噴射するため
のスタンド間冷却ヘッダー3nおよび該ヘッダーの長手
方向に所定の間隔で配置された冷却水噴射ノズルが設置
されており、これが前記スタンド間冷却手段を構成して
いる。このスタンド間冷却水噴射ノズルからの冷却水の
噴射は、スタンド間冷却水量制御部8からの指令によ
り、各スタンド毎に設置されているスタンド間冷却用流
量調節弁6nが開閉動作を行うことにより行われる。こ
こで、各スタンド間冷却用流量調節弁6nはオンオフ弁
とし、仕上圧延機全体としてのスタンド間冷却水量を、
冷却水を噴射するスタンド間の数(ヘッダーの数)によ
り調節する方法であってもよい。この場合、一般には被
圧延材が高温である前段スタンドが優先して噴射され
る。
【0024】なお、図2に示したヘッダーの個数や、各
ヘッダーから噴射される冷却水量の流量調整は、本実施
形態に限定されるものではない。例えば、スタンド間冷
却ヘッダー3nは1つのスタンド間に複数並べて設置し
てもよいし、後段スタンドには設置しない場合もある。
圧延潤滑剤ヘッダー5nについても必ずしも全スタンド
に設置しなくてよい。また、ワークロール冷却は、電動
ブースターポンプ7にかえて、流量調節弁を設置しても
よいし、さらに各スタンド毎に流量調節弁を設置して流
量調整を行ってもよい。
【0025】次に、本発明による被圧延材の仕上圧延方
法について説明する。最初に、仕上圧延機へ被圧延材の
先端部を通板する際のベース速度、スタンド間冷却およ
びワークロール冷却の初期値の設定について説明する。
【0026】まず、被圧延材先端部を安定的に通板させ
るためには、圧延速度の上限値が存在する。したがっ
て、鋼種やサイズ毎にベース速度の上限値を定めたテー
ブルをあらかじめ用意しておく。また、スタンド間冷却
は、全て停止とする場合もあるが、表面高品質材などで
はスケール性欠陥を抑制するため、前段スタンドのスタ
ンド間冷却を停止できない場合がある。したがって、品
種や鋼種、サイズ毎に、スタンド間冷却の冷却水量の下
限値やスタンド間冷却を停止できないスタンドを定めた
テーブルをあらかじめ用意しておく。
【0027】図3は、被圧延材の先端部を通板する際の
ベース速度、スタンド間冷却およびワークロール冷却の
初期値の設定フローの概略を示したものである。まず、
被圧延材の諸元(鋼種、サイズ、目標FDTなど)か
ら、目標FDTを確保するためのベース速度およびスタ
ンド間冷却水量を計算する。次に、あらかじめ用意して
おいたベース速度上限値およびスタンド間冷却水量下限
値を定めたテーブルを参照し、前記のベース速度および
スタンド間冷却水量の計算結果がこれらの上限値および
下限値の範囲内であるかを判定する。これらが範囲内で
あれば計算結果をそのまま初期値として設定し、ワーク
ロール冷却水量を定常量として設定計算を終了する。一
方、これらが範囲内にない場合には、これらの上限値お
よび下限値をそれぞれの初期値として設定し、次に目標
FDTを確保するためのワークロール冷却水量を計算
し、これをワークロール冷却水量の初期値として設定す
る。なお、上記の計算に用いるモデル式としては、従来
より様々なものが提案されており、これらを任意に選択
して用いればよい。
【0028】次に、このようにして定めた各初期値によ
り、被圧延材の先端部を仕上圧延機へ通板する。そし
て、一般には、被圧延材先端部が仕上圧延機の最終スタ
ンドを通過後、または被圧延材先端部がコイラーへ巻き
付き後、圧延速度を加速する。その際、先端通板時にワ
ークロール冷却水量を定常量噴射している場合には、ス
タンド間冷却水量を徐々に増量すればよい。一方、先端
通板時にワークロール冷却水量を定常量よりも減少させ
ていた場合には、ワークロール冷却とスタンド間冷却を
どのように増量するかが問題となる。本発明では、この
ような場合、ワークロールの肌荒れ防止の目的から、ま
ず、ワークロール冷却水量を徐々に増量し、これが定常
量に達した時点で、次にスタンド間冷却水量を増量す
る。
【0029】なお、上記の圧延速度加速後の各冷却水量
の増量は、一気に増量するとFDTが低下しすぎるた
め、徐々に増量する。圧延速度の加速レートに合わせて
増量するのが好ましいが、急激な増量にさえならなけれ
ば、冷却水のポンプ能力によって決まる成り行きの増量
カーブで増量するなどの方法であっても実際上は問題が
ない。
【0030】以上の方法により、被圧延材の先端部およ
び先端部通板後の圧延速度加速後においても、FDTを
確保することができるとともに、高表面品質材の表面性
状が確保され、ワークロール表面の肌荒れ発生も抑制で
きる。
【0031】ところで、本発明では圧延潤滑を行ってい
るが、ワークロール冷却水量が少ない場合には、圧延潤
滑剤の供給も少なくてよい。したがって、ワークロール
冷却水量を定常量よりも減量している場合には、圧延潤
滑制御部10により圧延潤滑剤の濃度および/または流
量の調整を行い、これを圧延潤滑ヘッダーより噴射す
る。例えば、ワークロール冷却水量の増減に比例して圧
延潤滑剤の濃度または流量を増減する。こうすることに
より、圧延潤滑剤の原単位が向上する。
【0032】
【実施例】図1および図2に示す仕上圧延機および周辺
設備を用いて、高表面品質が要求される熱延鋼板の製造
を行った。なお、各スタンド間にはスタンド間冷却ヘッ
ダー3nが上下各1列設置されており、仕上圧延機全体
のスタンド間冷却流量は、各スタンド間冷却用流量調節
弁6nをオンオフ弁として、噴射するスタンド間冷却ヘ
ッダーの列数により制御した。
【0033】被圧延材として、板厚1.9mm、板幅9
00mmの軟鋼材を用いた。この材料の目標FDTは8
80℃であり±10℃が合格範囲である。また、あらか
じめ定めたこの材料のベース速度の上限値は700mp
mである。さらに、この材料は高表面品質材であるため
にスタンド間冷却を全て停止とすることはできず、あら
かじめ定めたスタンド間冷却水量の下限値は、上下各1
列(第1スタンドと第2スタンド間)である。
【0034】まず、図3のフローに従い、初期値の設定
を行った。その結果、被圧延材先端部でFDTを確保す
るためのベース速度およびスタンド間冷却水量は、ベー
ス速度の上限値およびスタンド間冷却の下限値の範囲を
超えた。そこで、ベース速度を上限値の700mpmと
し、またスタンド間冷却をこの被圧延材の使用下限であ
る上下各1列(第1スタンドと第2スタンド間)とし
て、FDTを確保するためのワークロール冷却水量を計
算した。その結果、通常時には設備能力の90%の出力
で噴射しているのに対し、同60%へ減量する必要があ
るとの結果が得られた。 (実施例1)上記で計算した初期値を用い、熱延鋼板の
製造を行った。その際のワークロール冷却およびスタン
ド間冷却の条件を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】ここで、は、ワークロール冷却およびス
タンド間冷却ともに定常値とした比較例1である。
は、スタンド間冷却のみ上下各1列へ減少し、加速後も
そのまま上下各1列とした比較例2である。は、前記
に加え、ワークロール冷却を先端部通板時は60%出
力とし、圧延速度の加速後90%出力まで増量した本発
明例1である。そしては、前記のワークロール冷却
を増量後、さらにスタンド間冷却を上下各1列から定常
時の上下各3列へ増加した本発明例2である。
【0037】図4は、それぞれの条件で仕上圧延を行っ
たFDTの結果を示す温度チャートである。縦軸がFD
T、横軸は被圧延材の長手方向を示しており、右側が先
端部、左側が後端部である。
【0038】本実施例のベース速度およびスタンド間冷
却の初期値計算では、前述のように、初期値計算でベー
ス速度およびスタンド間冷却ともに上限および下限値と
しても、FDTが確保できないという計算結果が得られ
ている。したがって、先端部では比較例のおよびは
目標FDTの下限値870℃を確保できていない。一
方、スタンド間冷却を下限値の上下各1列とし、かつワ
ークロール冷却を先端通板時に60%出力とした本発明
例のおよびでは、先端部のFDTは870℃を確保
できた。
【0039】次に、先端部の通板後、圧延速度を加速す
るにしたがい、FDTも上昇する。スタンド間冷却を上
下各1列のままとしたおよびの場合には、後端部で
目標FDTの上限値890℃を超えた。一方、圧延速度
を加速後、ワークロール冷却を60%出力から90%出
力へ増量し、スタンド間冷却を上下各1列から上下各3
列へ増量したでは、後端部のFDTを890℃以下に
抑えることができた。 (実施例2)上記実施例1における本発明例2(表1の
)の条件による仕上圧延により、熱延鋼板の製造を1
サイクル(約2000t)継続して行った。ここで、本
発明例2ではワークロール冷却を増量した後にスタンド
間冷却を増量したが、比較例3として、スタンド間冷却
を増量した後にワークロール冷却を増量した場合につい
ても、同様に実施した。他の条件は本発明例2と同様で
ある。ここで、いずれの場合も、ワークロール冷却を6
0%出力とした場合には、供給する圧延潤滑の濃度を定
常時の67%へ低下した。
【0040】その結果、本発明例2の場合には、圧延後
のワークロールの肌荒れは全く問題がなかった。一方、
比較例3の場合には、第2および第3スタンドのワーク
ロールにやや肌荒れが見られた。また、圧延潤滑剤の使
用量は、比較例3の場合を100%とすると、本発明例
2では84%となり、圧延潤滑剤の原単位が向上した。
【0041】以上のように、スタンド間冷却よりもワー
クロール冷却から先に増量した場合の方が、良好な結果
が得られた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱延鋼板製造における仕上圧延を行う際、仕上スタンド
間冷却の冷却水量およびワークロール冷却の冷却水量を
適切に制御することにより、被圧延材の全長、特に被圧
延材先端部において目標FDTを確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に供する仕上圧延機と冷却水系
統の一例を示す説明図
【図2】 本発明の実施に供する仕上圧延機の第nスタ
ンドにおけるスタンド間冷却手段とワークロール冷却手
段の配置の一例を示す説明図
【図3】 被圧延材先端通板時の初期値の設定フローの
概略を示す説明図
【図4】 実施例におけるFDTの結果の温度チャート
【符号の説明】
1n ワークロール 2n バックアップロール 3n スタンド間冷却ヘッダー 4n ワークロール冷却ヘッダー 5n 圧延潤滑ヘッダー 6n スタンド間冷却用流量調節弁 7 ワークロール冷却用電動ブースターポンプ 8 スタンド間冷却水量制御部 9 ワークロール冷却水量制御部 10 圧延潤滑制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 憲治 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中塚 主税 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田中 茂樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延機のスタンド間で被圧延材を冷却す
    るスタンド間冷却手段と、圧延機に組み込まれたワーク
    ロール表面を冷却するワークロール冷却手段とを備えた
    仕上圧延機による熱延鋼板の製造方法において、仕上圧
    延機へ被圧延材の先端部を通板する通板速度および前記
    スタンド間冷却手段の冷却水量の初期値を設定する際、
    被圧延材先端部の目標仕上出側温度を確保するべく計算
    された前記通板速度および前記スタンド間冷却手段の冷
    却水量の初期値が、あらかじめ定められた通板速度の上
    限値およびスタンド間冷却手段の冷却水量の下限値の範
    囲内でない場合には、前記通板速度の上限値およびスタ
    ンド間冷却手段の冷却水量の下限値をそれぞれの初期値
    に設定し、さらに前記ワークロール冷却手段の冷却水量
    の初期値を定常圧延中の冷却水量よりも減量することを
    特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 被圧延材の先端部の通板後、仕上圧延機
    の圧延速度を加速する際に、ワークロール冷却手段の冷
    却水量を定常圧延中の値まで増量し、その後にスタンド
    間冷却手段の冷却水量を増量することを特徴とする請求
    項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 仕上圧延機に圧延潤滑剤の供給手段を設
    けるとともに、ワークロール冷却手段の冷却水量が定常
    圧延中の流量よりも少ない場合には、定常圧延中よりも
    低濃度および/または低流量の圧延潤滑剤を供給するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱延鋼
    板の製造方法。
JP2001335156A 2001-10-31 2001-10-31 熱延鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3584923B2 (ja)

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