JP3370562B2 - 熱延コイルの冷却方法およびその装置 - Google Patents
熱延コイルの冷却方法およびその装置Info
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Description
ルに巻き取られた熱延コイルに濡れを起こさないように
(錆びさせないように) フォグ冷却するための方法およ
びこの方法の実施に用いる装置に関するものである。
「コイル」と言う)は、熱間圧延工場のコイルヤードあ
るいはコイル倉庫の床上に放置され、工場内あるいは倉
庫内の室温とコイル温度との差を利用して時間をかけて
冷却されていた。しかし、コイルとその周囲との温度差
が小さく、コイルの冷却に長時間を要する場合には、水
を利用した冷却を行って冷却時間を短縮する技術が種々
開発されている。
には、コイル冷却棟の天井一帯に、屋内雰囲気の温度上
昇を抑制するための噴霧ノズルを設け、屋内の温度およ
び湿度を検出し、かつコイルの種類に応じて散水量を設
定し、検出値と設定値とを比較して噴霧量を自動制御す
る方法が、開示されている。
提案は、屋内の雰囲気温度および湿度の制御によって冷
却速度を高める技術であって、空冷に比較して優れた冷
却効果を有するが、コイル表面での熱伝達係数は、それ
ほど大きくならないため、コイルを急速に冷却すること
は難しく、また、均一な冷却も不可能であった。
ルを錆びさせずに急速かつ均一に冷却する方法およびそ
の装置を提供するところにある。本発明の他の目的は、
熱延コイルのハンドリングや保管に利便を与えるコイル
冷却技術を確立することにある。
却水を吹きつけて強制的に冷却を行うに当たり、霧状に
した冷却水, 即ち、冷却フォグを用いること、特にこの
冷却フォグの水滴径を適正化することによって、コイル
に向かって噴霧を行ってもコイルを濡らすことなく、つ
まり錆を発生させることなく均一で急速な冷却が可能で
あることを見出し、本発明を完成するに到った。
は、熱延コイルの下方から、該コイルの外周面と内周面
との中間部である側部面に向けて水滴粒径が50μm以下
の霧状にした冷却フォグを、前記コイル側部表面に沿っ
て上昇する空気の上昇流に合流させるように噴射するこ
とにより、該コイルの冷却を行うことを特徴とする熱延
コイルの冷却方法である。
面における冷却フォグを含有する空気の上昇流を、平均
流速(ただし、コイル表面から30mm以内で測定した値)
を少なくとも1m/sとなるようにすることが好ましい。
の下方にコイル側面に指向させた冷却フォグ噴射用ノズ
ルを、少なくとも3つ設置した、コイルの冷却装置であ
って、このフォグ噴射用ノズルは、熱延コイルの内周面
と外周面との中間部を指向させて配置するとともに、上
記冷却フォグは水滴粒径が50μm以下の霧状としたこと
を特徴とするコイルの冷却装置を使用することができ
る。
1に示すように、複数のコイル1を整列させたコイル列
2の両側に、該コイル列2に沿って空気配管3および水
配管4を対にして配置し、それぞれ空気および水を供給
する。また、空気配管3および水配管4には、図1、そ
して図2に示すように、コイル1を指向させたフォグ噴
射ノズルを少なくとも3つ、図示例では4つのフォグ噴
射ノズル5a〜5dを、各コイル1毎各両側に設置し、
これらのノズルから冷却水と空気とを混合して霧状にし
た冷却フォグを、コイル1に向かって吹きつけることに
よりコイルの冷却を行う。
図2および3に例示するように、その開口形状およびコ
イル1に対する仰角αを各ノズル毎に異ならせて構成す
ることによって、コイル径やコイルとフォグ噴射ノズル
との相対位置などに従って、開口形状および仰角αを適
宜設定することができる。すなわち、該フォグ噴射ノズ
ル5a〜5dの開口形状および仰角αを調整することに
より、各ノズルからの微小水滴を、例えば図3(a) に示
すように、コイル側面を均等に覆う領域に展開すること
ができる。その結果、コイル1側面から立ち昇る高温空
気の上昇量が増大し、かつ同高温空気の上昇流速が均等
になる、噴霧が実現するため、コイル1を極めて効率良
く冷却することが可能になるのである。
ズル中心から仰角に応じて延長した直線とコイルの接点
がそれぞれ図4の5a〜5dの●印の位置(コイルの内
周面と外周面との中間部)にくるように決定する。但
し、前記接点は、コイル側部表面に沿って上昇する空気
の上昇速度が5m/s程度に保たれる条件を満足すれ
ば、その位置が多少変動しても問題はない。
コイル側部表面の片側毎に、少なくとも3つ設置するこ
とにした。この理由は、2つ以下のノズルで冷却を行う
と、ノズル1個当たりの噴霧面積が大きくなりすぎ、コ
イル内巻部にフォグが侵入し、その部分が急冷されて濡
れを生じ酸化してしまうためである。例えば、3つの噴
霧ノズルを配置するときは、図3(b) に示すように配置
することが有効である。
ォグを噴射するには、各配管からノズルへ導入した水
(1kg/cm2程度) および圧縮空気 (1.5 kg/cm2程度) を
混ることによって、微小の水滴にして噴射する。
流を平均流速で3〜5m/s に制御することが好ましい。
それは、図7にこの平均流速と上昇流の対流熱伝達係数
(フォッグの冷却寄与分を除く)との関係を示すよう
に、平均流速が5 m/s を超えると、対流熱伝達係数の上
昇効果が飽和することと、上昇流速度の増加に伴ってラ
ンニングコストが増大するからである。さらに、3m/s
前後に制御することがより好ましいと言える。また、1
m/s 未満になると、ファンを用いない自然放冷の条件と
ほぼ同じになるため、1m/s 以上は必要である。なお、
コイル表面風速の測定点は、コイル側部表面から30mm
以内で計測した、図4の8個所の●印を測定点とした値
である。
する冷却水の水滴径を50μm以下に制御することが肝
要である。すなわち、図5に、各種の冷却方式における
冷却面の熱伝達係数を調査した結果について示すよう
に、放冷やファンによる強制冷却に比較して噴霧による
冷却は効率的であることがわかる。さらに、この噴霧に
よる冷却手法について詳しく検討したところ、コイル直
出荷が可能となる50℃までの冷却を行う場合、水滴径
が大きくなると、冷却効率は上昇するが、冷却面が濡れ
るてしまうため、コイルに適用した際にコイルの酸化を
誘発する問題が生じることが判明した。すなわち、噴霧
による冷却を行うに際し、その水滴径を50μm以下に
することによって、コイルを酸化することなしに急速冷
却が達成されるのである。好ましくは、本発明で用いる
上記冷却フォグの水滴径は30μm 以下のものにすると
よい。
直出荷が可能な最高温度、例えばコイルを巻き出して行
うスキンパスなどにおいて、表面欠陥の発生しない上限
温度であるからである。
て、コイル幅が1200mmおよびコイル径が2000mmのコイル
を一列に6個、図1に示したように配置し、コイル列の
両側にそれぞれ設置した、水配管3および空気配管4
に、それぞれ水および外気(平均温度:35℃)を供給
して、コイルから最短距離で 300mm離間した位置に配置
した噴霧ノズル5a〜5dから、図3に示した領域に、
径が30μmの微小水滴を噴射した。このときの、各ノ
ズルにおける、水および空気の供給量はコイル片面当た
り25l/h×4個(1.0 kg/cm2)および5Nm3/h×
4個(1.5 kg/cm 2)であった。また、各ノズルは、その
先端をコイルから300mm離して配置し、5aおよび5
bの仰角αを60°および同5cおよび5dの仰角αを
80°に設定した。
温度部を50℃以下とする冷却に要する時間を調査した
ところ、3日以内に全てのコイルの冷却が完了した。ち
なみに、同様のコイルの冷却を、従来の放置冷却で行っ
たところ、5〜6日の時間を要した。
急速冷却を安価に実現することができ、コイルを倉庫な
どに長時間保管する必要がないため、コイルを直に出荷
することが可能であり、とりわけ物流費に要するコスト
が大幅に低減される。
する模式図である。
る。
すグラフである。
すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】熱延コイルの下方から、該コイルの外周面
と内周面との中間部である側部面に向けて水滴粒径が50
μm以下の霧状にした冷却フォグを、前記コイル側部表
面に沿って上昇する空気の上昇流に合流させるように噴
射することにより、該コイルの冷却を行うことを特徴と
する熱延コイルの冷却方法。 - 【請求項2】コイルの側部表面における冷却フォグを含
有する高温空気の上昇流を、平均流速(ただし、コイル
表面から30mm以内で測定した値)が少なくとも1m/sと
なるようにすることを特徴とする請求項1に記載の冷却
方法。 - 【請求項3】熱延コイルの下方にコイル側面に指向させ
た冷却フォグ噴射用ノズルを、少なくとも3つ設置し
た、熱延コイルの冷却装置であって、このフォグ噴射用
ノズルは、熱延コイルの内周面と外周面との中間部を指
向させて配置するとともに、上記冷却フォグは水滴粒径
が50μm以下の霧状としたことを特徴とする熱延コイル
の冷却装置。
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JPH10328738A JPH10328738A (ja) | 1998-12-15 |
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