JPH1194466A - 金属帯の後処理皮膜の連続乾燥装置 - Google Patents

金属帯の後処理皮膜の連続乾燥装置

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JPH1194466A
JPH1194466A JP25710297A JP25710297A JPH1194466A JP H1194466 A JPH1194466 A JP H1194466A JP 25710297 A JP25710297 A JP 25710297A JP 25710297 A JP25710297 A JP 25710297A JP H1194466 A JPH1194466 A JP H1194466A
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JP
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temperature
post
furnace
induction heating
drying
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JP25710297A
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Ryuichi Yamashita
竜一 山下
Tatsuya Ozawa
達也 小沢
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後処理皮膜の表面外観を向上するとともに、
後処理皮膜の乾燥温度を精度よく制御する。 【解決手段】 後処理皮膜の形成されためっき鋼帯16
は、誘導加熱炉17で1次乾燥された後、熱風循環炉1
8で2次乾燥される。1次および2次乾燥後の後処理皮
膜の温度は、第1および第2温度計19,20でそれぞ
れ測定される。制御手段21は、第1温度計19の検出
温度が所定の1次乾燥温度以上になるように誘導加熱炉
17を制御するとともに、第2温度計20の検出温度が
所定の2次乾燥温度となるように誘導加熱炉17および
熱風循環炉18を制御する。これによって、後処理皮膜
の乾燥温度が所定温度になるように精度よく制御され
る。また誘導加熱炉17で、熱風による後処理皮膜表面
の風紋の発生を完全に防止することができる1次乾燥が
行われるので、後処理皮膜の表面外観が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯の後処理皮
膜の連続乾燥装置に関し、特に連続めっき設備に配設さ
れ、めっき鋼帯の後処理皮膜を乾燥することができる連
続乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属帯、たとえばめっき鋼帯
には、耐食性、耐指紋性および加工潤滑性の向上を図る
ためにクロメート処理等の後処理が施される。このため
連続めっき設備には、めっきされた鋼帯に後処理を施し
て後処理皮膜を形成する後処理装置と、形成された後処
理皮膜を乾燥する乾燥装置とが設けられている。
【0003】図6は、従来の典型的な乾燥装置である熱
風循環炉の概略構成を示す模式図である。後処理装置1
によって後処理を施されためっき鋼帯7は、熱風循環炉
3に導入され、炉内支持ロール4および支持ロール11
によって支持されながら走行経路下流側に搬送される。
熱風循環炉3内では、めっき鋼帯7の表面にファン8か
らダクト10を介して送風された熱風が吹付けられる。
これによって、めっ鋼帯7の表面に形成された後処理皮
膜は、水分を蒸発除去され、乾燥される。めっき鋼帯7
の表面に吹付けられた熱風は、ファン8の吸引力によっ
て回収され、循環使用される。熱風温度は、バーナ9に
よって調整され、熱風の風速および風量は、ファン8の
回転速度によって調整される。乾燥された後処理皮膜の
温度は、熱風循環炉3の出側に設けられる温度計6によ
って測定され、その出力は制御器12に送られる。制御
器12は、温度計6の出力に応答し、後処理皮膜の温度
が所定の最終乾燥温度になるようにファン8およびバー
ナ9を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来技
術では熱風の吹付けによって後処理皮膜の乾燥が行われ
ている。しかしながら、この方法ではめっき鋼帯7の後
処理皮膜が乾燥する前に吹付けられた熱風によって乱さ
れ、風紋状の外観欠陥が発生しやすいという問題があ
る。また風紋対策として乾燥初期の熱風の吹付け速度を
低風速に制限すると、乾燥時間が長くなり、熱風循環炉
3の炉長が長くなるという問題がある。さらに炉長が長
くなるので、炉内支持ロール4の設置が必要となる。
【0005】さらにまた連続めっき設備は、板幅および
板厚の異なる鋼帯を溶接接合して通板する場合もあるの
で、この溶接部前後では通板量が変動する。また鋼帯の
鋼種によっても、連続めっき設備の前工程として設置す
る熱処理炉の熱処理温度が異なるので、通板速度が変化
し、通板量が変動する。このとき熱風循環炉3において
は、通板量の変動に対応して熱風温度および風速を変化
させる必要がある。このうち通板量が多くなる場合に
は、前記風速制限によって風速を増加させることが困難
である。したがって、熱風の吹付け温度を上昇させるこ
とが主として行われる。しかしながら、通板速度の変化
に比べて吹付け温度上昇の追従性が悪いので、後処理皮
膜の乾燥温度を所定温度に制御することが困難である。
さらに、これによって乾燥不足が発生し、炉内支持ロー
ル4へ未乾燥の後処理皮膜が付着して、後処理皮膜の表
面外観を損なうという問題もある。さらにまた、後処理
皮膜は熱風の吹付けによって表面から乾燥が進行するの
で、急速に乾燥させると、表面が乾燥した後、内部から
水蒸気が噴出して後処理皮膜にクラックが発生するとい
う問題もある。
【0006】本発明の目的は、前記問題を解決し、乾燥
後の後処理皮膜の表面外観が良好であり、さらに通板量
が変動しても後処理皮膜の乾燥温度を所定温度に精度よ
く制御することのできる金属帯の後処理皮膜の連続乾燥
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯を走行
させながら、金属帯の表面に被覆されている後処理皮膜
を乾燥させる連続乾燥装置において、金属帯の走行経路
に配置される誘導加熱炉と、誘導加熱炉よりも金属帯の
走行経路の下流側に配置される熱風循環炉とを含むこと
を特徴とする金属帯の後処理皮膜の連続乾燥装置であ
る。
【0008】本発明に従えば、急速加熱の可能な誘導加
熱炉が設けられているので、熱風循環炉の炉長を短縮す
ることができる。また通板量が変動しても温度変動が生
じないように応答性よく対応することができる。
【0009】また本発明の前記誘導加熱炉は、金属帯の
通板量最大時に金属帯を常温から所定の1次乾燥温度ま
で誘導加熱する能力を有しており、前記熱風循環炉は、
1次乾燥温度まで加熱された金属帯の後処理皮膜を、所
定の2次乾燥温度まで加熱する能力を有していることを
特徴とする。
【0010】本発明に従えば、誘導加熱炉は金属帯を通
板量にかかわらず1次乾燥温度まで加熱する能力を有し
ているので、1次乾燥温度を熱風の吹付けによっても後
処理皮膜に風紋が生じない温度に設定すれば、熱風循環
炉における風紋の発生を風速制限をしないで防止するこ
とができる。
【0011】また本発明は、前記誘導加熱炉および熱風
循環炉の出側に、金属帯の後処理皮膜の温度を測定する
第1および第2温度検出手段がそれぞれ設けられること
を特徴とする。
【0012】本発明に従えば、温度検出手段が適正位置
に設けられているので、後処理皮膜の乾燥状態を確実に
把握することができる。
【0013】また本発明は、前記第1温度検出手段の検
出温度が1次乾燥温度以上になるように誘導加熱炉を制
御するとともに、前記第2温度検出手段の検出温度が2
次乾燥温度となるように前記誘導加熱炉および熱風循環
炉を制御する制御手段が設けられることを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、第1温度検出手段の検出
温度が1次乾燥温度以上になるように誘導加熱炉が制御
手段によって制御されるので、前述のように後処理皮膜
表面の風紋の発生を防止することができる。また第2温
度検出手段の検出温度が2次乾燥温度になるように誘導
加熱炉および熱風循環炉が制御手段によって制御される
ので、通板量が変動しても後処理皮膜の乾燥温度を所定
温度に制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある連続乾燥装置の概略構成を示すブロック図である。
連続乾燥装置15は、走行する金属帯、たとえばめっき
鋼帯16に被覆されている後処理皮膜、たとえばクロメ
ート皮膜(以後、「皮膜」と略称することがある)を連
続的に乾燥する装置であり、めっき鋼帯16にクロメー
ト処理を施す後処理装置23よりもめっき鋼帯16の走
行経路(以後、「走行経路」と略称する)下流側に配置
されている。また前記後処理装置23および連続乾燥装
置15は、連続めっき設備(図示せず)の後段側に配置
されている。めっき鋼帯16は、たとえば合金化亜鉛め
っき鋼帯であり、その板厚は1.2〜6.0mmであ
る。前記連続乾燥装置15は、誘導加熱炉17と、熱風
循環炉18と、第1温度検出手段19と、第2温度検出
手段20と、制御手段21とを含んで構成される。
【0016】誘導加熱炉17は、後処理装置23よりも
走行経路下流側に近接して配置され、めっき鋼帯16を
誘導加熱して皮膜を下層側から1次乾燥する。本実施の
形態では、誘導加熱炉17の能力は、めっき鋼帯16の
通板量最大時に、めっき鋼帯16を常温から所定の後記
1次乾燥温度まで誘導加熱できるように設定されてい
る。前記1次乾燥温度は、たとえば誘導加熱炉17に後
続して配置されている熱風循環炉18において、熱風に
よって皮膜に風紋が生じない温度に予め設定される。前
記1次乾燥温度は、操業実績に基づいて設定され、その
設定温度は、たとえば65℃である。誘導加熱炉17の
炉内雰囲気は大気雰囲気である。誘導加熱炉17には、
換気手段(図示せず)が設けられており、炉内の湿度を
低減して誘導加熱炉17の絶縁性能の劣化防止が図られ
ている。誘導加熱炉17の電源周波数は、たとえば3k
Hzであり、誘導加熱炉17の出力調整は電圧調整によ
って行われる。誘導加熱は、急速加熱の可能な加熱方式
であるので、通板量の変動があっても応答性よく対応す
ることができる。
【0017】図2は図1に示す熱風循環炉の構成を簡略
化して示す側面断面図であり、図3は図2に示す熱風循
環炉の平面図である。熱風循環炉18は、誘導加熱炉1
7よりも走行経路下流側に近接して配置され、1次乾燥
された皮膜に加熱した炉内雰囲気ガス(以後、「熱風」
と呼ぶことがある)を吹付けて皮膜を表層から2次乾燥
する大気開放形の乾燥炉である。熱風循環炉18は、炉
体25と、バーナ26と、ファン27と、チャンバ28
とを含んで構成される。炉体25は、ほぼ水平に延びる
中空構造を有しており、その内部空間をめっき鋼帯16
が通過できるように構成されている。炉体25の内部空
間の軸直角断面形状はほぼ矩形である。
【0018】バーナ26は、炉体25のめっき鋼帯16
の板幅端部を臨む一方の側壁29(図3の上方)および
他方の側壁30(図3の下方)の上部に設けられ、めっ
き鋼帯16の板幅方向に燃焼ガスを噴射して、炉体25
の内部空間の雰囲気ガスを加熱する。したがって、この
雰囲気ガスは空気と燃焼ガスとの混合ガスから成る。バ
ーナ26は、走行経路に沿って一方の側壁29と他方の
側壁30とに交互に複数個(本実施の形態では8個)設
けられている。熱風の温度調整は、バーナの燃料、たと
えば天然ガスの流量調整によって行われる。熱風の最高
温度は、たとえば650℃である。ファン27は、炉体
25の一方の側壁29および他方の側壁30の上部にバ
ーナ26と対向して対をなして設けられており、熱風吸
引口33を介して雰囲気ガスを吸引加圧してチャンバ2
8に送風する。熱風の送風量の調整は、ファン27の回
転速度すなわちファン27を駆動する交流誘導電動機の
電源周波数の調整によって行われる。
【0019】チャンバ28は、ファン27からの熱風を
めっき鋼帯16の板幅方向に均等に分配してめっき鋼帯
16に吹付ける熱風分配室である。チャンバ28は、め
っき鋼帯16の表裏面を臨む位置にめっき鋼帯16を挟
んで上下に対をなして配置されており、さらに上下一対
のチャンバ28は走行経路に沿って間隔をあけて複数対
(本実施の形態では8対)配置されている。チャンバ2
8のめっき鋼帯16の表裏面を臨む面には、めっき鋼帯
16の板幅方向に細く延びるスリット状またはホール状
の熱風噴出口34が複数個形成されている。熱風噴出口
34は、めっき鋼帯16の板幅方向全長にわたって形成
されており、さらに走行経路に沿って短い間隔をあけて
形成されている。めっき鋼帯16よりも上方のチャンバ
28の上下方向位置は、バーナ26およびファン27の
熱風吸引口33よりも下方に設けられている。
【0020】前記ファン27は、ダクト31を介して上
下一対のチャンバ28とそれぞれ接続されている。前記
バーナ26と、ファン27と、上下一対のチャンバ28
とは、熱風吹付けセットを構成する。本実施の形態で
は、熱風吹付けセットは8セット備えられている。めっ
き鋼帯16に吹付けられた熱風は、ファン27によって
熱風吸引口33を介して吸引され、吸引された熱風はフ
ァン27によって加圧され、加圧された熱風はダクト3
1および熱風吹込口32を介して上下一対のチャンバ2
8に送風され、熱風噴出口34を介して再度めっき鋼帯
16に吹付けられる。このように、熱風が循環使用され
るので、省エネルギを図ることができる。
【0021】本実施の形態で熱風循環炉18の能力は、
1次乾燥温度まで加熱されためっき鋼帯16の皮膜を所
定の2次乾燥温度まで加熱できるように設定されてい
る。2次乾燥温度は、たとえば皮膜の本来有する耐食
性、耐指紋性および加工潤滑性などの特性が乾燥後に良
好に発揮される温度範囲の値に選ばれる。2次乾燥温度
は、たとえば150℃である。2次乾燥温度が高すぎる
と、たとえば250℃では皮膜の変質が生じる。
【0022】このように誘導加熱炉17および熱風循環
炉18が設けられ、その能力が適正に設定されているの
で、通板量にかかわらず皮膜温度を所定乾燥温度まで確
実に加熱することができる。また誘導加熱炉17の能力
が限定されているので、その設備費およびランニングコ
ストを大幅に低減することができる。また、急速加熱の
可能な誘導加熱炉17が設けられているので、熱風循環
炉18の炉長を短縮することができる。したがって、後
述のように炉内の支持ロールを省くことができる。さら
にこれによって連続乾燥装置15全体をコンパクトに構
成することができる。
【0023】再び図1を参照して、第1温度検出手段で
ある第1温度計19は、たとえば放射温度計であり、誘
導加熱炉17の出側に設けられ、1次乾燥された金属帯
の温度(以後、「第1温度T1」と略称する)を非接触
で測定する。第2温度検出手段である第2温度計20
は、たとえば放射温度計であり、熱風循環炉18の出側
に設けられ、2次乾燥された金属帯の温度(以後、「第
2温度T2」と略称する)を非接触で測定する。制御手
段21は、たとえばマイクロコンピュータによって実現
され、後述のように皮膜の乾燥温度を制御する。めっき
鋼帯16は、第1、第2および第3支持ロール36,3
7,38によって回転自在に支持されながら搬送され
る。第1〜第3支持ロール36〜38は、後処理装置2
3の入側、誘導加熱炉17と熱風循環炉18との中間お
よび熱風循環炉18の出側にそれぞれ設けられており、
熱風循環炉18の炉内には設けられていない。第1〜第
3支持ロール36〜38の材質は、いずれもクロムめっ
きされた鋼製ロールである。ただし、第2支持ロール3
7は絶縁のためにゴムロールまたは合成樹脂ロールを使
用することもある。
【0024】めっき鋼帯16は、後処理装置23で後処
理された後、連続乾燥装置15に導入される。連続乾燥
装置15に導入されためっき鋼帯16の皮膜は誘導加熱
炉17で1次乾燥され、引続き熱風循環炉18で2次乾
燥される。皮膜の1次および2次乾燥温度は、第1およ
び第2温度計19,20によって測定され、その出力は
制御手段21に送られる。制御手段21は、第1および
第2温度計19,20の出力に応答し、1次および2次
乾燥温度が所定温度になるように誘導加熱炉17および
熱風循環炉18を制御する。また熱風循環炉18の制御
は、バーナ26およびファン27を制御することによっ
て行われる。
【0025】図4は図1に示す制御手段の動作を説明す
るためのフローチャートであり、図5は乾燥時における
皮膜の温度推移を示すグラフである。ステップa1で
は、制御手段21の動作が開始される。ステップa2で
は、誘導加熱炉17および熱風循環炉18の初期条件の
設定が行われる。初期条件の設定は、通板されるめっき
鋼帯16の板厚、板幅、走行速度に応じて予め定めるテ
ーブル値に基づいて行われ、熱風循環炉18のファン2
7の回転数およびバーナ26の出力ならびに誘導加熱炉
17の電源電圧が予め定める値に設定される。
【0026】ステップa3では、第1温度計19によっ
て前記第1温度T1が測定される。ステップa4では、
第1温度T1が所定の1次乾燥温度である65℃以上で
あるか否かが判断される。この判断が否定であれば、1
次乾燥が不充分であるので、ステップa5に進み、誘導
加熱炉17の出力調整が行われる。この出力調整は、制
御手段21の指令に基づいて電圧を変更することによっ
て行われる。ステップa5における出力調整後、再度ス
テップa3に戻り、ステップa3からステップa4の処
理が行われる。ステップa5における出力調整は、ステ
ップa4の判断が肯定になるまで繰返される。ステップ
a4の判断が肯定であれば、ステップa6に進む。
【0027】ステップa6では、第2温度計20によっ
て第2温度T2が測定される。ステップa7では、第2
温度T2が所定の2次乾燥温度である150℃であるか
否かが判断される。この判断が否定であれば2次乾燥が
不充分であるか、あるいは過剰であるので、ステップa
8に進み、誘導加熱炉17および熱風循環炉18の出力
調整が行われる。この出力調整は、制御手段21の指令
に基づいて誘導加熱炉17の電圧、バーナ26の燃料流
量およびファン27の交流誘導電動機の電源周波数を変
更することによって行われる。ステップa8の出力調整
では、応答性の速い誘導加熱炉17の出力調整が優先し
て行われる。ステップa8における出力調整後、再度ス
テップa6に戻り、ステップa6からステップa7の処
理が行われる。ステップa8における出力調整は、ステ
ップa7の判断が肯定になるまで繰返される。ステップ
a7における判断が肯定であれば、ステップa9に進
む。ステップa9では、めっき鋼帯16のコイルが終了
か否かが判断される。この判断が否定であれば、ステッ
プa3に戻り、前記ステップa3からステップa9の処
理が繰返される。この判断が肯定であれば、ステップa
10に進み、制御手段21の動作が終了する。なお、こ
のような制御手段21の一連の動作によって皮膜温度は
図5に示すように推移する。
【0028】このように、制御手段21によって第1温
度T1が所定の1次乾燥温度以上になるように誘導加熱
炉17が制御されるとともに、第2温度T2が所定の2
次乾燥温度となるように誘導加熱炉17および熱風循環
炉18が制御されるので、皮膜の乾燥温度を所定温度に
精度よく制御することができる。また応答性のよい誘導
加熱炉17が設けられているので、通板量が変動しても
温度変動が生じないように迅速に対応することができ
る。さらに、1次乾燥が誘導加熱炉17において行わ
れ、1次乾燥温度が熱風循環炉18で風紋の生じない温
度に設定されているので、熱風による風紋の発生を完全
に防止することができ、皮膜への粉塵の付着も低減する
ことができる。さらにまた、皮膜が未乾燥の状態で支持
ロールに接触することが回避されるので、支持ロールへ
の皮膜の付着を防止することができる。さらにまた、皮
膜が1次乾燥によって予熱された状態で熱風循環炉18
における2次乾燥が行われるので、皮膜中の水分の蒸発
放散が迅速に進行し、皮膜の表層から乾燥固化が進行す
る熱風乾燥を急速な乾燥速度で行っても、表層の乾燥固
化後に水蒸気が噴出して皮膜にクラックが発生するとい
う不具合を確実に防止することができる。この結果、本
実施の形態では従来技術における皮膜の外観不良要因が
ことごとく解消されるので、皮膜の外観を従来技術に比
べて大幅に向上することができる。
【0029】以上述べたように本実施の形態では、誘導
加熱炉17および熱風循環炉18の能力が限定的に設定
されているけれども、それらの能力を限定しないで連続
乾燥装置15を構成してもよい。また、誘導加熱炉17
および熱風循環炉18の出側に第1および第2温度計1
9,20が設けられているけれども、それらを設けない
で連続乾燥装置15を構成してもよい。この場合には、
誘導加熱炉17および熱風循環炉18の操業条件に基づ
いて皮膜の乾燥状態が把握される。さらにまた、皮膜の
乾燥温度を制御するために、制御手段21が設けられて
いるれども、制御手段21を設けないで手動によって制
御を行うように構成してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、急速加熱
の可能な誘導加熱炉が設けられているので、連続乾燥装
置全体をコンパクトに構成することができる。また通板
量が変動しても温度変動が生じないように応答性よく対
応することができる。
【0031】また本発明によれば、誘導加熱炉の能力が
適正に設定されているので、誘導加熱炉で後処理皮膜表
面の風紋の発生が生じない温度まで乾燥することができ
る。したがって、後処理皮膜の表面外観を大幅に向上す
ることができる。
【0032】また本発明によれば、温度検出手段によっ
て後処理皮膜の乾燥状態を確実に把握することができ
る。
【0033】また本発明によれば、制御手段が設けられ
ているので、通板量が変動しても後処理皮膜の乾燥温度
を所定温度に精度よく制御することができ、後処理皮膜
の本来の特性を充分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である連続乾燥装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す熱風循環炉の構成を簡略化して示す
側面断面図である。
【図3】図2に示す熱風循環炉の平面図である。
【図4】図1に示す制御手段の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】乾燥時における皮膜の温度推移を示すグラフで
ある。
【図6】従来の典型的な乾燥装置である熱風循環炉の概
略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1,23 後処理装置 3,18 熱風循環炉 7,16 めっき鋼帯 8,27 ファン 9,26 バーナ 15 連続乾燥装置 17 誘導加熱炉 19 第1温度検出手段 20 第2温度検出手段 21 制御手段 28 チャンバ 33 熱風吸引口 34 熱風噴出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯を走行させながら、金属帯の表面
    に被覆されている後処理皮膜を乾燥させる連続乾燥装置
    において、 金属帯の走行経路に配置される誘導加熱炉と、 誘導加熱炉よりも金属帯の走行経路の下流側に配置され
    る熱風循環炉とを含むことを特徴とする金属帯の後処理
    皮膜の連続乾燥装置。
  2. 【請求項2】 前記誘導加熱炉は、金属帯の通板量最大
    時に金属帯を常温から所定の1次乾燥温度まで誘導加熱
    する能力を有しており、前記熱風循環炉は、1次乾燥温
    度まで加熱された金属帯の後処理皮膜を、所定の2次乾
    燥温度まで加熱する能力を有していることを特徴とする
    請求項1記載の金属帯の後処理皮膜の連続乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記誘導加熱炉および熱風循環炉の出側
    に、金属帯の後処理皮膜の温度を測定する第1および第
    2温度検出手段がそれぞれ設けられることを特徴とする
    請求項1または2記載の金属帯の後処理皮膜の連続乾燥
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第1温度検出手段の検出温度が1次
    乾燥温度以上になるように誘導加熱炉を制御するととも
    に、 前記第2温度検出手段の検出温度が2次乾燥温度となる
    ように前記誘導加熱炉および熱風循環炉を制御する制御
    手段が設けられることを特徴とする請求項3記載の金属
    帯の後処理皮膜の連続乾燥装置。
JP25710297A 1997-09-22 1997-09-22 金属帯の後処理皮膜の連続乾燥装置 Withdrawn JPH1194466A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116294503A (zh) * 2022-09-07 2023-06-23 义乌市杭宏服饰有限公司 一种内衣生产加工用干燥杀菌一体化设备

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CN116294503A (zh) * 2022-09-07 2023-06-23 义乌市杭宏服饰有限公司 一种内衣生产加工用干燥杀菌一体化设备
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