以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るヒューズユニットが適用されるバッテリーの概略構成を表す斜視図である。図2は、実施形態1に係るヒューズユニットの概略構成を表す分解斜視図である。図3は、実施形態1に係るヒューズユニットの概略構成を表す平面図である。図4は、図3中のA1−A1断面図である。図5は、図3中のB1−B1断面図である。図6は、図3中のC1−C1断面図である。図7は、図3中のD1−D1断面図である。なお、図2は、説明をわかり易くするため、実際にはインサート成形によってハウジングの内部に埋設されるヒューズエレメント、スタッドボルトを分解して模式的に図示している。
なお、以下の説明では、バッテリーポスト102の中心軸線X1に沿った方向を軸方向という。典型的には、軸方向は、バッテリー100が車両等に搭載された状態で、鉛直方向に沿った方向となり、後述するバッテリー筐体101のポスト立設面105は、典型的には、バッテリー筐体101の鉛直方向上面に相当する。またここでは、以下の説明を分かり易くするために、便宜的に当該軸方向と直交する2方向のうち一方を長辺方向(第1の幅方向)、他方を短辺方向(第2の幅方向)という。これら軸方向、長辺方向、及び、短辺方向は互いに直交する。
本実施形態に係るヒューズユニット1は、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7に示すように、車両等に搭載されるバッテリー100に接続されるバッテリー端子110に適用され、電装回路の過電流保護に用いられるものである。
ここでまず、図1、図2、図3を参照して、当該ヒューズユニット1が適用されるバッテリー100及びバッテリー端子110について説明する。
バッテリー100は、例えば、車両等に蓄電装置として搭載されるものである。バッテリー100は、バッテリー液や当該バッテリー100を構成する種々の部品を収容するバッテリー筐体101、当該バッテリー筐体101に設けられたバッテリーポスト102等を含んで構成される。バッテリー筐体101は、いずれか1つの面が開放された略矩形箱状の筐体本体103と、上記開放された面を閉塞させる蓋部材104とを含んで構成され、全体として略直方体形状に形成される。ここでは、バッテリー筐体101は、長辺方向に沿った方向が長辺、短辺方向に沿った方向が短辺となるがこれに限らない。バッテリーポスト102は、導電性を有する鉛等により構成され、蓋部材104のポスト立設面105に立設される。ポスト立設面105は、バッテリー筐体101においてバッテリーポスト102が立設される面である。ここでは、当該ポスト立設面105は、例えば、バッテリー100が車両等に搭載された状態で、バッテリー筐体101を構成する蓋部材104の鉛直方向上側の面(鉛直方向上面)である。このポスト立設面105は、後述の凹部106の底面も含む、蓋部材104の鉛直方向上面全体である。バッテリーポスト102は、略円柱形状であり、中心軸線X1がポスト立設面105と直交するような位置関係で当該ポスト立設面105上に突出するようにして立設される。より詳細には、本実施形態のバッテリーポスト102は、ポスト立設面105の角位置近傍に形成された凹部106内に立設される。当該凹部106は、ポスト立設面105の角位置近傍において略矩形状に陥没した部分である。バッテリーポスト102は、この凹部106内に立設されている。バッテリーポスト102は、典型的には、軸方向の先端側に進むにつれて径が小さくなるようテーパが付けられている。つまり、バッテリーポスト102は、先端の外径が基端の外径より小さいテーパ形状となる。
なお、バッテリーポスト102、凹部106は、長辺方向に対して、陽極、陰極で対となるように一対で設けられ、当該一対の凹部106は、連通凹部107(図7等も参照)を介して連通されている。連通凹部107は、蓋部材104の長辺方向の縁部に沿って形成される。以下の説明では、ヒューズユニット1が陽極側のバッテリーポスト102に設けられるバッテリー端子110に対して適用される場合を説明するがこれに限らない。なお、バッテリー100は、鉛直方向下側に設けられる据付トレイ108等を介して車両の所定の位置に据え付けられる。
バッテリー端子110は、バッテリーポスト102に取り付けられることにより、バッテリー100と、このバッテリー100が搭載される車両等の本体側の電線114の末端に設けられた端子115等の金具とを電気的に接続するための部品である。バッテリー端子110は、本体部111と、スタッドボルト112と、締付部113とを備える。本体部111は、例えば、導電性を有する金属板のプレス折り曲げ加工により、環状部111a、ボルト保持部111b等が一体で形成される。環状部111aは、バッテリーポスト102が挿入されるポスト挿入孔111cと、当該ポスト挿入孔111cと連続するスリット111dが形成される。ポスト挿入孔111cは、略円形状に形成され、バッテリーポスト102が挿入された状態で、各内周面がバッテリーポスト102と接触するように、内周壁面に上述したバッテリーポスト102のテーパに対応したテーパを有している。ボルト保持部111bは、例えば、ボルト挿入孔111eにスタッドボルト112が挿入された状態で折り曲げ加工されることで、当該スタッドボルト112を保持する部分である。スタッドボルト112は、導電性を有し、ボルト保持部111bに保持された状態で、ボルト挿入孔111eから露出した軸部に電線114の末端に設けられた端子115等の金具が電気的に接続される(図1、図3等参照)。締付部113は、ポスト挿入孔111c内にバッテリーポスト102が挿入された状態で、環状部111aを当該バッテリーポスト102に締結するものである。締付部113は、例えば、ボルトと、ナットとを含んで構成され、当該ボルトが上述のスリット111dを横断するような位置関係で本体部111に組み付けられる。そして、締付部113は、ボルトの先端部分にナットが螺合されることで、環状部111aを締め付けてバッテリー端子110をバッテリーポスト102に締結する。
そして、本実施形態のヒューズユニット1は、上記のようにしてバッテリー端子110がバッテリーポスト102に締結されるバッテリー100にあって、ベース部31と保持部32とが一体的に形成された保持機構としてのプロテクタ3によって、ヒュージブルリンク2をポスト立設面105、ここでは、バッテリー筐体101の鉛直方向上面に保持することで、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制している。
具体的には、ヒューズユニット1は、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7に示すように、ヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3とを備える。さらに、本実施形態のヒューズユニット1は、係止機構4と、連結バスバー5とを備える。
ヒュージブルリンク2は、バッテリー端子110と接続され過電流が流れたときに可溶体(ヒューズ)21cが溶断するものである。ヒュージブルリンク2は、可溶体21cが設けられたヒューズエレメント21と、ヒューズエレメント21に連接されるスタッドボルト22と、ヒューズエレメント21を支持する樹脂製のハウジング23とを含んで構成される。
ヒューズエレメント21は、導電性を有する板状の導体であり、金属バスバーによって構成される。ヒューズエレメント21は、連結バスバー5等を介してバッテリー端子110に接続される電源側端子21aと、負荷端子に接続される複数の負荷側端子21bと、電源側端子21aと各負荷側端子21bとに渡して設けられた可溶体21cとが平板状に一体形成される。各負荷側端子21bは、負荷端子の形状等に応じて様々な形状を有している。各可溶体21cは、電源側端子21aと各負荷側端子21bとをそれぞれ導通接続している。各可溶体21cは、例えば、幅を狭めた帯状の導電部に低融点金属チップを溶着させた構成で、過電流が流れたときに溶断し該当する電流経路を遮断する。ここで、可溶体21cの過電流とは、例えば、予め設定された定格以上の電流である。つまり、各可溶体21cは、予め設定された定格以上の電流が流れたときに溶断する。各可溶体21cの定格電流は、保護する回路の電流に合わせてそれぞれ決められる。電源側端子21a、各負荷側端子21bは、それぞれボルト取付孔やコネクタ接続形状が設けられており、例えば、ボルト取付孔にはスタッドボルト22が接合される。
各スタッドボルト22は、導電性を有し、外部回路の負荷端子が電気的に接続される。
ハウジング23は、絶縁性の樹脂材によって形成され、ヒューズエレメント21及びスタッドボルト22を支持して覆うブロック状ボディである。本実施形態のヒュージブルリンク2は、例えば、インサート成形等によってハウジング23の内部にヒューズエレメント21、スタッドボルト22が埋設され一体化される(図6、図7等参照)。ヒュージブルリンク2は、全体として、略矩形箱状に形成される。
なお、ヒュージブルリンク2は、各可溶体21cの位置が樹脂製の透明カバー部材24によって覆われており、この透明カバー部材24を通して各可溶体21cを目視できるようになっている。
プロテクタ3は、ヒュージブルリンク2をポスト立設面105上に保持するものである。プロテクタ3は、ベース部31と、保持部32とを有し、これらが絶縁性の樹脂材によって一体形成される。
ベース部31は、バッテリー筐体101のポスト立設面105に設けられたバッテリーポスト102にバッテリー端子110が締結された状態でポスト立設面105とバッテリー端子110との間に介在する部分である。ベース部31は、バッテリーポスト102の周りに設けられる。ここでは、ベース部31は、矩形板状に形成され、バッテリーポスト102が挿入されるポスト挿入孔31aが形成される。ポスト挿入孔31aは、バッテリー100等で許容される公差等を踏まえてバッテリーポスト102よりも十分に大きく形成される。ベース部31は、ポスト挿入孔31aにバッテリーポスト102が挿入された状態でポスト立設面105の凹部106内に配置可能な大きさ、形状で形成される。なお、ベース部31は、ポスト挿入孔31aにかえて、バッテリーポスト102が貫通可能なポスト挿入切り欠きを備える構成であってもよい。
保持部32は、ベース部31と連接されヒュージブルリンク2をポスト立設面105に保持するものである。保持部32は、略矩形板状に形成された底面32aと、この底面32aの周縁を囲うように立設される側壁32bとを有し、これらが一体となってトレイ状(皿状)に形成される。側壁32bは、底面32aの4方を囲うように軸方向一方側、ここではプロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態(以下、単に「組み付け状態」という場合がある。)で鉛直方向上側に向けて突出するようにして立設される。なお、側壁32bは、例えば、ヒュージブルリンク2に接続される端子やコネクタの形状等に応じて所定の箇所が切り欠かれていてもよい。保持部32は、底面32aと側壁32bとによってヒュージブルリンク2を収容し保持するための収容空間部32cが区画される。収容空間部32cは、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で、鉛直方向上側に開口する。収容空間部32cは、ヒュージブルリンク2が嵌合する大きさ、形状に形成される。また、保持部32は、側壁32bの先端部(組み付け状態で鉛直方向上側の端部)に複数の係止爪部32dが形成される。係止爪部32dは、側壁32bの先端部が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される(図7等参照)。保持部32は、ヒュージブルリンク2が収容空間部32cに嵌合された状態で、この複数の係止爪部32dがヒュージブルリンク2のハウジング23の外縁部における所定の位置に係合することで、当該ヒュージブルリンク2を収容空間部32cに係止しロックすることができる。
そして、上記のように構成される本実施形態の保持部32は、長辺方向に対してベース部31と隣接するようにして、当該ベース部31と一体で形成される。保持部32は、ベース部31側の側壁32bがポスト立設面105上の凹部106による段差に対応するように鉛直方向下側に延在し、当該側壁32bの下端部でベース部31と連続する。保持部32は、このプロテクタ3が、ベース部31のポスト挿入孔31a内にバッテリーポスト102が挿入され、当該ベース部31が凹部106内に位置するような位置関係でバッテリー100に組み付けられた状態で、少なくとも一部がポスト立設面105上に位置し、当該ポスト立設面105上にヒュージブルリンク2を載置し、保持する。保持部32は、組み付け状態で、底面32aの背面側(収容空間部32cとは反対側の面)がポスト立設面105に当接して載置される。したがって、プロテクタ3は、ヒュージブルリンク2の荷重を、当該保持部32を介してポスト立設面105上で受けることとなる。
係止機構4は、上記のように構成されるプロテクタ3をポスト立設面105上に係止するものである。本実施形態の係止機構4は、バッテリー筐体101と係合することでプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止爪部41、42を含んで構成される。係止爪部41、42は、複数、ここでは2つが設けられ、バッテリー筐体101の複数の面、ここでは、バッテリー筐体101において互いに直交する2面に係合する。係止爪部41、42は、それぞれ組み付け状態で鉛直方向に沿って延在する板状部(アーム部)41a、42aを介してプロテクタ3のベース部31、及び、保持部32と一体で形成される。板状部41a、42aは、組み付け状態においてベース部31、保持部32から鉛直方向下側に向けて延在し、ベース部31、保持部32と一体で形成される。
係止爪部41及び板状部41aは、組み付け状態でバッテリー筐体101の蓋部材104の長辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の長辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。係止爪部41及び板状部41aは、ベース部31と保持部32とに渡って長辺方向に沿って延在して形成される。係止爪部42及び板状部42aは、組み付け状態でバッテリー筐体101の蓋部材104の短辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の短辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。係止爪部42及び板状部42aは、ベース部31において短辺方向に沿って延在して形成される。
係止爪部41、42は、それぞれ板状部41a、42aの先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される(図4、図5、図7等参照)。ここでは、係止爪部41、42は、バッテリー筐体101において、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する。係止機構4は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの係止爪部41、42が蓋部材104の鉛直方向下端面の所定の位置に係合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
連結バスバー5は、導電性を有する板状の導体であり、ヒューズエレメント21とバッテリー端子110とを電気的に接続するものである。連結バスバー5は、板状の金属バスバーであり、ポスト立設面105上の凹部106による段差に対応するように段差部5aが形成されると共に、両端部にボルト孔5b、5cが形成される。連結バスバー5は、ボルト孔5bに電源側端子21aのスタッドボルト22が挿入されてナットが締結され、ボルト孔5cにバッテリー端子110のスタッドボルト112が挿入されてナットが締結されることで、電源側端子21aのスタッドボルト22とバッテリー端子110のスタッドボルト112の軸部とを電気的に接続する。
上記のようにして構成されるヒューズユニット1は、ヒュージブルリンク2がプロテクタ3の保持部32の収容空間部32c内に嵌合され、複数の係止爪部32dがヒュージブルリンク2のハウジング23に係合することで、当該ヒュージブルリンク2が収容空間部32cに係止されロックされる。そして、ヒューズユニット1は、プロテクタ3のベース部31のポスト挿入孔31a内にバッテリーポスト102が挿入され、当該ベース部31が凹部106内に位置するような位置関係で、プロテクタ3がヒュージブルリンク2と共にバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられる。このとき、ヒューズユニット1は、係止機構4の係止爪部41、42が蓋部材104の鉛直方向下端面に係合することで、ヒュージブルリンク2と共にプロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
このようにして、ヒューズユニット1は、少なくともプロテクタ3の一部がバッテリー100のポスト立設面105上に位置し、当該ポスト立設面105上にヒュージブルリンク2を載置し、保持することができる。そして、ヒューズユニット1は、バッテリー端子110がバッテリーポスト102に組み付けられた後、ヒューズエレメント21の電源側端子21aのスタッドボルト22とバッテリー端子110とを接続するようにして連結バスバー5が設けられ、各部のボルト、ナット等が締め付けられる。この結果、バッテリー端子110は、バッテリーポスト102に締結されると共に、当該バッテリー端子110とヒュージブルリンク2とが接続される。このとき、連結バスバー5は、バッテリーポスト102に対するバッテリー端子110の組み付け角度を規制する規制部材としても機能する。
なおここでは、ヒュージブルリンク2をプロテクタ3に組み付けた後にヒュージブルリンク2と共にプロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けるものとして説明したが、これに限らず、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、プロテクタ3にヒュージブルリンク2を組み付けてもよい。また、バッテリー端子110のスタッドボルト112には、連結バスバー5と共に上述の電線114の末端に設けられた端子115等も接続される。
以上で説明したヒューズユニット1によれば、バッテリー端子110と接続され過電流が流れたときに可溶体21cが溶断するヒュージブルリンク2と、プロテクタ3と、係止機構4とを備える。プロテクタ3は、バッテリー筐体101のポスト立設面105に設けられたバッテリーポスト102にバッテリー端子110が締結された状態でポスト立設面105とバッテリー端子110との間に介在するベース部31と、ベース部31と連接されヒュージブルリンク2をポスト立設面105に保持する保持部32とを有する。係止機構4は、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止する。
したがって、ヒューズユニット1は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット1からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット1は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット1は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット1を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
また、上記で説明したヒューズユニット1は、プロテクタ3とバッテリー端子110とを別体でバッテリー100に組み付けることができるので、例えば、バッテリー100等で許容される公差等にかかわらず、適正にバッテリー端子110をバッテリーポスト102に締結することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1によれば、係止機構4は、バッテリー筐体101と係合することでプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止爪部41、42を含んで構成される。したがって、ヒューズユニット1は、係止爪部41、42がバッテリー筐体101と係合することで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1によれば、係止爪部41、42は、複数設けられ、バッテリー筐体101の複数の面に係合する。したがって、ヒューズユニット1は、係止爪部41、42がバッテリー筐体101の複数の面に係合してプロテクタ3をポスト立設面105上に係止することができるので、より確実にプロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けることができる。
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係るヒューズユニットが適用されるバッテリーの概略構成を表す斜視図である。図9は、実施形態2に係るヒューズユニットの概略構成を表す分解斜視図である。図10は、実施形態2に係るヒューズユニットの概略構成を表す平面図である。図11は、図10中のA2−A2断面図である。図12は、図10中のB2−B2断面図である。図13は、図10中のC2−C2断面図である。図14は、図10中のD2−D2断面図である。なお、図9は、説明をわかりやすくするため、実際にはインサート成形によってハウジングの内部に埋設されるヒューズエレメント、スタッドボルトを分解して模式的に図示している。実施形態2に係るヒューズユニットは、さらに、装着部を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
本実施形態に係るヒューズユニット201は、図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14に示すように、ヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とを備える。
そして、本実施形態のプロテクタ3は、さらに、ベース部31に、バッテリー端子110が装着される装着部233を有する。装着部233は、ベース部31において、バッテリー端子110をバッテリーポスト102に締結可能な位置に装着するものである。本実施形態の装着部233は、係合爪部233aと、この係合爪部233aと係合する蓋部233bとを含んで構成される(図9、図11等参照)。係合爪部233aは、ベース部31において、長辺方向に対してポスト挿入孔31aを挟んで一対で設けられる。蓋部233bは、バッテリー端子110の環状部111a近傍を覆うものである。蓋部233bは、バッテリー端子110のポスト挿入孔111cとほぼ同様の形状の貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔の両脇に上述の係合爪部233aと係合可能であるロック部233cが形成されている(図9等参照)。装着部233は、ベース部31と蓋部233bとの間にバッテリー端子110を挟み込んだ状態で、蓋部233bの各ロック部233cがベース部31上の係合爪部233aと係合することで、バッテリー端子110をベース部31の所定の位置に装着し係止することができる。装着部233は、ベース部31のポスト挿入孔31a内にバッテリーポスト102が挿入された状態で、バッテリー端子110のポスト挿入孔111cにバッテリーポスト102が挿入されるような位置関係となるように、各係合爪部233aと蓋部233bとが設けられる。
上記のようにして構成されるヒューズユニット201は、ヒュージブルリンク2がプロテクタ3の保持部32の収容空間部32c内に嵌合され、複数の係止爪部32dがヒュージブルリンク2のハウジング23に係合することで、当該ヒュージブルリンク2が収容空間部32cに係止されロックされる。そして、ヒューズユニット201は、ベース部31に設けられた装着部233にバッテリー端子110が装着され、この状態でプロテクタ3のベース部31のポスト挿入孔31a内、及び、バッテリー端子110のポスト挿入孔111c内にバッテリーポスト102が挿入され、当該ベース部31が凹部106内に位置するような位置関係で、プロテクタ3がヒュージブルリンク2と共にバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられる。このとき、ヒューズユニット201は、係止機構4の係止爪部41、42が蓋部材104の鉛直方向下端面に係合することで、ヒュージブルリンク2と共にプロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
このようにして、ヒューズユニット201は、少なくともプロテクタ3の一部がバッテリー100のポスト立設面105上に位置し、当該ポスト立設面105上にヒュージブルリンク2を載置し、保持することができる。そして、ヒューズユニット201は、ヒューズエレメント21の電源側端子21aのスタッドボルト22とバッテリー端子110とを接続するようにして連結バスバー5が設けられ、各部のボルト、ナット等が締め付けられる。この結果、バッテリー端子110は、バッテリーポスト102に締結されると共に、当該バッテリー端子110とヒュージブルリンク2とが接続される。
以上で説明したヒューズユニット201は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット201からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット201は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット201は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット201を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット201によれば、プロテクタ3は、ベース部31において、バッテリー端子110をバッテリーポスト102に締結可能な位置に装着する装着部233を有する。したがって、ヒューズユニット201は、装着部233にバッテリー端子110を装着した状態でプロテクタ3と当該バッテリー端子110とを一体でバッテリー100に組み付けることができるので、組み付け時の作業工数を削減することができ、組み付け作業性を向上することができる。
また、このヒューズユニット201は、プロテクタ3とバッテリー端子110とを一体でバッテリー100に組み付けることができるので、当該プロテクタ3に一体で形成された係止爪部41、42、板状部41a、42aを、バッテリーポスト102に対するバッテリー端子110の組み付け角度を規制する規制部材としても兼用することができる。つまり、ヒューズユニット201は、係止爪部41、42、板状部41a、42aがバッテリー端子110のバッテリーポスト102周り方向の回転を所定の範囲で規制するストッパとしても機能することで、バッテリーポスト102に対するバッテリー端子110の組み付け角度の許容範囲を相対的に狭い範囲に限定することができるので、バッテリーポスト102に対するバッテリー端子110の組み付け精度を向上することができる。
なお、以上で説明した装着部233は、上記で説明した形式に限らない。例えば、装着部233は、一対の係合爪部233aとロック部233cとを2組備えるが、一方の組にかえてヒンジを介してベース部31と蓋部233bとが一体になるように構成されてもよい。この場合、装着部233は、ベース部31と蓋部233bとの間にバッテリー端子110を保持した状態、すなわち、閉状態で、ロック部233cが係合爪部233aと係合することで、当該蓋部233bの開放が規制され、これにより、バッテリー端子110をベース部31の所定の位置に装着し係止することができる。また、装着部233は、蓋部233b等を備えない構成であってもよい。この場合、装着部233は、例えば、バッテリー端子110又はベース部31の一方に形成された凹部に、他方に形成されたロック形状付きの突起部が嵌合しロックされることで、バッテリー端子110をベース部31の所定の位置に装着し係止する形式であってもよい。
[実施形態3]
図15は、実施形態3に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。図16は、実施形態3に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図17は、実施形態3に係るヒューズユニットの係止爪部を含む長辺方向に沿った部分断面図である。図18は、実施形態3に係るヒューズユニットの係止爪部を含む短辺方向に沿った部分断面図である。図19は、図17中の囲み線A5内の拡大部分断面図である。図20は、変形例に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。実施形態3に係るヒューズユニットは、さらに、係止力調節機構を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット301は、図15、図16、図17、図18、図19に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構308を備える。係止力調節機構308は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
ここで、本実施形態の係止爪部41、42は、図15、図16等に示すように、それぞれプロテクタ3とは別体に形成され、当該プロテクタ3に、バッテリー筐体101に対して接近、離間自在に支持される。より詳細には、本実施形態の係止爪部41、42は、それぞれ板状部(アーム部)341a、342aの先端部に板状部341a、342aと一体で形成される。ここでは、板状部341a、342aは、プロテクタ3のベース部31、及び、保持部32とは別体に形成される。係止爪部41、42は、それぞれ板状部341a、342aの先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される(図17、図18等参照)。
また、板状部341a、342aは、それぞれ係止爪部41、42が設けられる端部とは反対側の端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向上側の端部)にプロテクタ3側に支持される支持構造体341b、342bが一体で形成される。本実施形態の支持構造体341b、342bは、四角柱状に形成され、板状部341a、342aの主面と交差(ここではほぼ直交)する方向に延在する。また、本実施形態のプロテクタ3は、ベース部31に、支持部331b、331cが一体で形成されている。支持部331b、331cは、支持構造体341b、342bが挿入され、これを支持する部分であり、組み付け状態において、支持部331bがベース部31の長辺方向に沿った縁部に形成され、支持部331cがベース部31の短辺方向に沿った縁部に形成される。係止爪部41及び板状部341aは、支持構造体341bが支持部331bに挿入され支持されることで、当該プロテクタ3のベース部31に、バッテリー筐体101に対して短辺方向に沿って接近、離間自在に支持される。係止爪部42及び板状部342aは、支持構造体342bが支持部331cに挿入され支持されることで、当該プロテクタ3のベース部31に、バッテリー筐体101に対して長辺方向に沿って接近、離間自在に支持される。
係止爪部41及び板状部341aは、組み付け状態で、かつ、支持構造体341bが支持部331bに支持された状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の長辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の長辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。この状態で、係止爪部41及び板状部341aは、長辺方向に沿って延在して形成され、支持構造体341bは、短辺方向に沿って延在する。係止爪部42及び板状部342aは、組み付け状態で、かつ、支持構造体342bが支持部331cに支持された状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の短辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の短辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。この状態で、係止爪部42及び板状部342aは、短辺方向に沿って延在して形成され、支持構造体342bは、長辺方向に沿って延在する。
そして、本実施形態の係止力調節機構308は、図15、図17、図18、図19に示すように、支持構造体341bと支持部331bとの支持部分、及び、支持構造体342bと支持部331cとの支持部分にそれぞれ設けられる。なおここでは、図19に示す拡大部分断面図は、支持構造体342b側の係止力調節機構308を図示しているが、支持構造体341b側の係止力調節機構308もこれとほぼ同様の構成であるので図示を省略している。
各係止力調節機構308は、プロテクタ3側又は係止爪部41、42側の一方に形成された第1段差308aと、プロテクタ3側又は係止爪部41、42側の他方に、係止爪部41、42がバッテリー筐体101に対して接近、離間する方向に沿って並んで形成された複数の第2段差308bとを有する。
支持構造体342b側の係止力調節機構308は、図17、図19等に示すように、第1段差308aがプロテクタ3のベース部31の鉛直方向上面(言い換えれば、支持構造体342bと対向する面)に形成される。当該第1段差308aは、ベース部31から突出した突出段差として形成され、ここでは、1つ設けられる。また、当該係止力調節機構308は、第2段差308bが係止爪部42と一体形成される支持構造体342bの鉛直方向下端面(言い換えれば、ベース部31と対向する面)に形成される。当該第2段差308bは、支持構造体342bの鉛直方向下端面から突出した突出段差として形成される。当該第2段差308bは、係止爪部42がバッテリー筐体101に対して接近、離間する方向、すなわち、長辺方向に沿って複数並んで形成される。第1段差308aと各第2段差308bとは、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、支持構造体342bを長辺方向に沿って支持部331cに押し込むように移動させた際に各第2段差308bが第1段差308aを乗り越える一方、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101から離間する方向に移動させ、支持構造体342bを長辺方向に沿って支持部331cから引き出すように移動させようとした際に、いずれかの第2段差308bが第1段差308aと当接し、当該支持構造体342bの移動が規制されるような断面形状に形成される。
同様に、支持構造体341b側の係止力調節機構308は、図18等に示すように、第1段差308aがプロテクタ3のベース部31の鉛直方向上面(言い換えれば、支持構造体341bと対向する面)に形成される。当該第1段差308aは、ベース部31から突出した突出段差として形成され、ここでは、1つ設けられる。また、当該係止力調節機構308は、第2段差308bが係止爪部41と一体形成される支持構造体341bの鉛直方向下端面(言い換えれば、ベース部31と対向する面)に形成される。当該第2段差308bは、支持構造体341bの鉛直方向下端面から突出した突出段差として形成される。当該第2段差308bは、係止爪部41がバッテリー筐体101に対して接近、離間する方向、すなわち、短辺方向に沿って複数並んで形成される。第1段差308aと各第2段差308bとは、係止爪部41、板状部341aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、支持構造体341bを短辺方向に沿って支持部331bに押し込むように移動させた際に各第2段差308bが第1段差308aを乗り越える一方、係止爪部41、板状部341aをバッテリー筐体101から離間する方向に移動させ、支持構造体341bを短辺方向に沿って支持部331bから引き出すように移動させようとした際に、いずれかの第2段差308bが第1段差308aと当接し、当該支持構造体341bの移動が規制されるような断面形状に形成される。
上記のような構成により、各係止力調節機構308は、第1段差308aと複数の第2段差308bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制することができる。このことを利用して、支持構造体341b側の係止力調節機構308は、係止爪部41、板状部341aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、支持構造体341bを支持部331b側に可能な限り押し込むことで、係止爪部41がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、これにより、係止爪部41によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。同様に、支持構造体342b側の係止力調節機構308は、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、支持構造体342bを支持部331c側に可能な限り押し込むことで、係止爪部42がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、これにより、係止爪部42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。
以上で説明したヒューズユニット301は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット301からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット301は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット301は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット301を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット301によれば、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能である係止力調節機構308を備える。したがって、ヒューズユニット301は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構308によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット301によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3とは別体に形成され、当該プロテクタ3に、バッテリー筐体101に対して接近、離間自在に支持される。そして、係止力調節機構308は、プロテクタ3側又は係止爪部41、42側の一方に形成された第1段差308aと、プロテクタ3側又は係止爪部41、42側の他方に上記接近、離間する方向に沿って並んで形成された複数の第2段差308bとを有し、第1段差308aと複数の第2段差308bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制し、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット301は、各係止力調節機構308において、第1段差308aと複数の第2段差308bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制することができることを利用して、係止爪部41、42がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。この結果、ヒューズユニット301は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構308の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上の説明では、係止力調節機構308は、プロテクタ3側に第1段差308aが形成され、係止爪部41、42側の支持構造体341b、342bに複数の第2段差308bが形成されるものとして説明したが、第1段差308aが係止爪部41、42側の支持構造体341b、342bに形成され、複数の第2段差308bがプロテクタ3側に形成されてもよい。また、係止力調節機構308は、第1段差308aが上記接近、離間する方向に沿って並んで複数形成されてもよい。
また、図20に例示する変形例に示すように、以上で説明した係止力調節機構308を上述したヒューズユニット201に適用してヒューズユニット301Aを構成してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット301Aは、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態4]
図21は、実施形態4に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。図22は、実施形態4に係るヒューズユニットの係止爪部を含む長辺方向に沿った部分断面図である。図23は、図22中の囲み線A6内の拡大部分断面図である。図24は、変形例に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。実施形態4に係るヒューズユニットは、係止力調節機構が設けられる位置が実施形態3とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット401は、図21、図22、図23に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構408を備える。係止力調節機構408は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
本実施形態の係止力調節機構408は、係止爪部41とバッテリー筐体101の蓋部材104との係合部分、及び、係止爪部42とバッテリー筐体101の蓋部材104との係合部分にそれぞれ設けられる。なお、以下では、各係止力調節機構408の構成がほぼ同様の構成であるので、係止爪部42側の係止力調節機構408を説明し、係止爪部41側の係止力調節機構408の説明については省略する。
各係止力調節機構408は、バッテリー筐体101側又は係止爪部41、42側の一方に形成された第1段差408aと、バッテリー筐体101側又は係止爪部41、42側の他方に、係止爪部41、42がバッテリー筐体101に対して接近、離間する方向に沿って並んで形成された複数の第2段差408bとを有する。
係止爪部42側の係止力調節機構408は、図22、図23等に示すように、第1段差408aが係止爪部42の鉛直方向上面(言い換えれば、バッテリー筐体101の蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する係合面)に形成される。当該第1段差408aは、係止爪部42の鉛直方向上面から突出した突出段差として形成され、ここでは、1つ設けられる。また、当該係止力調節機構408は、第2段差408bがバッテリー筐体101の蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面(言い換えれば、係止爪部42の鉛直方向上面と係合する係合面)に形成される。当該第2段差408bは、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面から突出した突出段差として形成される。当該第2段差408bは、係止爪部42がバッテリー筐体101に対して接近、離間する方向、すなわち、長辺方向に沿って複数並んで形成される。第1段差408aと各第2段差408bとは、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、支持構造体342bを長辺方向に沿って支持部331cに押し込むように移動させた際に各第2段差408bが第1段差408aを乗り越える一方、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101から離間する方向に移動させ、支持構造体342bを長辺方向に沿って支持部331cから引き出すように移動させようとした際に、いずれかの第2段差408bが第1段差408aと当接し、当該支持構造体342bの移動が規制されるような断面形状に形成される。係止爪部41側の係止力調節機構408は、第2段差408bが係止爪部41の鉛直方向上面(言い換えれば、バッテリー筐体101の蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する係合面)に形成され、第2段差408bが短辺方向に沿って複数並んで形成されること以外は、上述の係止爪部42側の係止力調節機構408とほぼ同様の構成である。
上記のような構成により、各係止力調節機構408は、第1段差408aと複数の第2段差408bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制することができる。このことを利用して、係止爪部41側の係止力調節機構408は、係止爪部41、板状部341aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、係止爪部41を可能な限り押し込むことで、係止爪部41がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、これにより、係止爪部41によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。同様に、係止爪部42側の係止力調節機構408は、係止爪部42、板状部342aをバッテリー筐体101に接近する方向に移動させ、係止爪部42を可能な限り押し込むことで、係止爪部42がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、これにより、係止爪部42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。
以上で説明したヒューズユニット401は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット401からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット401は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット401は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット401を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット401は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構408によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット401によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3とは別体に形成され、当該プロテクタ3に、バッテリー筐体101に対して接近、離間自在に支持される。そして、係止力調節機構408は、バッテリー筐体101側又は係止爪部41、42側の一方に形成された第1段差408aと、バッテリー筐体101側又は係止爪部41、42側の他方に上記接近、離間する方向に沿って並んで形成された複数の第2段差408bとを有し、第1段差408aと複数の第2段差408bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制し、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット401は、各係止力調節機構408において、第1段差408aと複数の第2段差408bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部41、42の、バッテリー筐体101から離間する側への移動を規制することができることを利用して、係止爪部41、42がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。この結果、ヒューズユニット401は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構408の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上の説明では、係止力調節機構408は、係止爪部41、42側に第1段差408aが形成され、バッテリー筐体101側に複数の第2段差408bが形成されるものとして説明したが、第1段差408aがバッテリー筐体101側に形成され、複数の第2段差408bが係止爪部41、42側に形成されてもよい。また、係止力調節機構408は、第1段差408aが上記接近、離間する方向に沿って並んで複数形成されてもよい。
また、図24に例示する変形例に示すように、以上で説明した係止力調節機構408を上述したヒューズユニット201に適用してヒューズユニット401Aを構成してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット401Aは、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態5]
図25は、実施形態5に係るヒューズユニットの係止機構近傍の部分斜視図である。図26は、実施形態5に係るヒューズユニットの係止機構近傍を短辺方向に視た部分側面図である。図27は、実施形態5に係るヒューズユニットの係止機構近傍を長辺方向に視た部分側面図である。図28は、変形例に係るヒューズユニットの係止機構近傍の部分斜視図である。実施形態5に係るヒューズユニットは、係止機構の構成が実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット501は、図25、図26、図27に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構504と、連結バスバー5とを備える。
そして、係止機構504は、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止するものである。本実施形態の係止機構504は、被連結部材としての据付トレイ108とプロテクタ3とを連結することでプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する連結体541、542を含んで構成される。なお、据付トレイ108は、上述したように、バッテリー100の鉛直方向下側に設けられ、当該バッテリー100を車両の所定の位置に据え付ける部材である。つまり、この据付トレイ108は、バッテリー筐体101とは異なる部材であって車両の所定の位置に固定される固定部材である。
連結体541、542は、ともにプロテクタ3とは別体に構成されるベルト状の部材である。連結体541、542は、絶縁性の樹脂材によって板状に形成される。連結体541は、組み付け状態において、プロテクタ3のベース部31の長辺方向に沿った縁部と据付トレイ108とを連結し、連結体542は、組み付け状態において、プロテクタ3のベース部31の短辺方向に沿った縁部と据付トレイ108とを連結する。
連結体541、542とベース部31との連結形式、及び、連結体541、542と据付トレイ108との連結形式は、種々の連結形式を用いることができる。ここでは、連結体541、542は、鉛直方向下端部がボルト541a、542a等を介して据付トレイ108に締結され連結される。また、連結体541、542は、それぞれ鉛直方向上端部がベース部31の短辺方向に沿った縁部、及び、長辺方向に沿った縁部にそれぞれ形成された係合孔531e、531fに挿入される。そして、連結体541、542は、当該鉛直方向上端部に形成された係合爪部541b、542bが係合孔531e、531fの縁部に係合することで、当該鉛直方向上端部とベース部31とを連結する。連結体541、542は、ともにプロテクタ3のベース部31と据付トレイ108とを連結した状態で鉛直方向に沿って延在する。この結果、係止機構504は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの連結体541、542がプロテクタ3のベース部31と据付トレイ108とを連結することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止することができる。
以上で説明したヒューズユニット501は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット501からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット501は、係止機構504によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット501は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット501を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット501は、係止機構504によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット501によれば、係止機構504は、バッテリー筐体101以外の被連結部材としての据付トレイ108とプロテクタ3とを連結することでプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する連結体541、542を含んで構成される。したがって、ヒューズユニット501は、連結体541、542がプロテクタ3と据付トレイ108とを連結することで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に係止することができると共に汎用性を向上することができ、また、当該連結体541、542の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上の説明では、バッテリー筐体101以外の被連結部材は、据付トレイ108であるものとして説明したがこれに限らず、連結体541、542を介してプロテクタ3を支持しポスト立設面105上に確実に係止することができるものであればよく、例えば、車両の構造部材自体であってもよい。
また、連結体541、542とプロテクタ3、据付トレイ108との連結形式は、上記に限らない。連結体541、542は、例えば、鉛直方向上端部がボルト等を介してプロテクタ3のベース部31に締結され連結されてもよい。また、連結体541、542は、例えば、鉛直方向下端部が据付トレイ108と筐体本体103との隙間に挿入されると共に当該鉛直方向下端部が弾性部材等によって据付トレイ108側に押し付けられることで据付トレイ108に連結されてもよい。
また、図28に例示する変形例に示すように、以上で説明した係止機構504を上述したヒューズユニット201に適用してヒューズユニット501Aを構成してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット501Aは、連結体541、542がプロテクタ3と据付トレイ108とを連結することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止することができ、当該プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。
[実施形態6]
図29は、実施形態6に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。図30は、実施形態6に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図31は、実施形態6に係るヒューズユニットの楔部材を含む部分断面図である。実施形態6に係るヒューズユニットは、係止力調節機構の構成が実施形態3とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット601は、図29、図30、図31に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構608を備える。係止力調節機構608は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
なお、本実施形態の係止爪部41、42は、実施形態1と同様に、それぞれ組み付け状態で鉛直方向に沿って延在する板状部(アーム部)41a、42aを介してプロテクタ3のベース部31、及び、保持部32と一体で形成される。ここでは、係止爪部41、42は、バッテリー筐体101において、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する。係止機構4は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの係止爪部41、42が蓋部材104の鉛直方向下端面の所定の位置に係合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
本実施形態の係止力調節機構608は、係止爪部41に対応する部分、及び、係止爪部42に対応する部分にそれぞれ設けられる。なおここでは、図31に示す部分断面図は、係止爪部42側の係止力調節機構608を図示しているが、係止爪部41側の係止力調節機構608もこれとほぼ同様の構成であるので図示を省略している。
各係止力調節機構608は、プロテクタ3とバッテリー筐体101との間に介在する楔部材608aを有する。ここでは、各係止力調節機構608は、当該楔部材608aをプロテクタ3とバッテリー筐体101との間に挿入可能とする挿入孔608bを含んで構成される。
各楔部材608aは、矩形棒状の基部608cと、当該基部608cと一体で形成される楔部608dとを有する。楔部608dは、基部608cを基端部とし当該基部608cから突出し、先端部側が先細りの形状となっている。ここでは、楔部608dは、基部608cから三又に分かれている。各挿入孔608bは、板状部41a、42aとベース部31とが交わる部分に形成されている。
より詳細には、係止爪部41側の係止力調節機構608の挿入孔608bは、板状部41aとベース部31の長辺方向に沿った縁部との接続部分に形成される。当該係止爪部41側の係止力調節機構608の挿入孔608bは、短辺方向に沿って楔部材608aの楔部608dを挿入可能であり、かつ、当該楔部608dの先端がバッテリー筐体101の蓋部材104とベース部31との間に挿入される位置に形成される(図31等参照)。
同様に、係止爪部42側の係止力調節機構608の挿入孔608bは、板状部42aとベース部31の短辺方向に沿った縁部との接続部分に形成される。当該係止爪部42側の係止力調節機構608の挿入孔608bは、長辺方向に沿って楔部材608aの楔部608dを挿入可能であり、かつ、当該楔部608dの先端がバッテリー筐体101の蓋部材104とベース部31との間に挿入される位置に形成される(図31等参照)。
なお、各挿入孔608bは、各楔部材608aが最も押し込まれた状態で、各楔部材608aの全体が各挿入孔608b内に収まるような形状に形成される(図30、図31等参照)。
上記の構成により、各係止力調節機構608は、図29、図30に示すように、各楔部材608aが各挿入孔608bに挿入され、各楔部材608aの先端がプロテクタ3のベース部31とバッテリー筐体101の蓋部材104との間に介在することで、蓋部材104に対してプロテクタ3を鉛直方向上側に持ち上げるようにして相対移動させることができる。これにより、各係止力調節機構608は、プロテクタ3のベース部31、保持部32と一体で形成される係止爪部41、42を、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面に対して、鉛直方向上側に確実に押し付けることができるので、係止爪部41、42が蓋部材104に係合する力を相対的に大きくすることができる。したがって、各係止力調節機構608は、このことを利用して、楔部材608aがプロテクタ3とバッテリー筐体101との間に介在することで、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくすることができる。
以上で説明したヒューズユニット601は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット601からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット601は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット601は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット601を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット601は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構608によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット601によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3と一体で形成され、係止力調節機構608は、プロテクタ3とバッテリー筐体101との間に介在する楔部材608aを有し、楔部材608aがプロテクタ3とバッテリー筐体101との間に介在することで係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット601は、各係止力調節機構608において、楔部材608aがプロテクタ3とバッテリー筐体101との間に介在することで、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。この結果、ヒューズユニット601は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構608の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上で説明した係止力調節機構608を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態7]
図32は、実施形態7に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。図33は、実施形態7に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図34は、実施形態7に係るヒューズユニットの楔部材を含む部分断面図である。実施形態7に係るヒューズユニットは、楔部材の挿入方向が実施形態6とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット701は、図32、図33、図34に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構704と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構708を備える。係止力調節機構708は、係止機構704を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
なお、本実施形態の係止機構704の係止爪部41、42は、実施形態1と同様に、それぞれ組み付け状態で鉛直方向に沿って延在する板状部(アーム部)41a、42aを介してプロテクタ3のベース部31、及び、保持部32と一体で形成される。ただし、本実施形態の係止機構704は、係止爪部41、42の先端部にさらに背面突起部745が設けられている(図34参照)。背面突起部745は、例えば、図34に図示するように、係止爪部42の先端部に鉛直方向(軸方向)に沿って突出する突起部として形成される。図示は省略するが、係止爪部41にも同様の背面突起部745が形成されている。そして、この係止機構704は、長辺方向に対して係止爪部42の背面突起部745と板状部42aとの間に蓋部材104の縁部の鉛直方向下端部を挟み込み、短辺方向に対して係止爪部41の背面突起部745と板状部41aとの間に蓋部材104の縁部の鉛直方向下端部を挟み込むようにして、当該係止爪部41、42が蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する。係止機構704は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの係止爪部41、42が上記のように蓋部材104の鉛直方向下端面の所定の位置に係合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
そして、本実施形態の係止力調節機構708は、係止爪部41に対応する部分、及び、係止爪部42に対応する部分にそれぞれ設けられる。なおここでは、図34に示す部分断面図は、係止爪部42側の係止力調節機構708を図示しているが、係止爪部41側の係止力調節機構708もこれとほぼ同様の構成であるので図示を省略している。
各係止力調節機構708は、プロテクタ3と一体の部材とバッテリー筐体101との間に介在する楔部材608aを有する。ここでは、各係止力調節機構708は、当該楔部材608aをプロテクタ3と一体の部材とバッテリー筐体101との間に挿入可能とする挿入孔708bを含んで構成される。楔部材608aは、上述した係止力調節機構608の楔部材608aと同様の構成である。各挿入孔708bは、板状部41a、42aとベース部31とが交わる部分に形成されている。
より詳細には、係止爪部41側の係止力調節機構708の挿入孔708bは、板状部41aとベース部31の長辺方向に沿った縁部との接続部分に形成される。当該係止爪部41側の係止力調節機構708の挿入孔708bは、軸方向(鉛直方向)に沿って楔部材608aの楔部608dを挿入可能であり、かつ、当該楔部608dの先端がバッテリー筐体101の蓋部材104と、ベース部31と一体の部材である板状部41aとの間に挿入される位置に形成される(図34等参照)。
同様に、係止爪部42側の係止力調節機構708の挿入孔708bは、板状部42aとベース部31の短辺方向に沿った縁部との接続部分に形成される。当該係止爪部42側の係止力調節機構708の挿入孔708bは、軸方向(鉛直方向)に沿って楔部材608aの楔部608dを挿入可能であり、かつ、当該楔部608dの先端がバッテリー筐体101の蓋部材104と、ベース部31と一体の部材である板状部42aとの間に挿入される位置に形成される(図34等参照)。
なお、各挿入孔708bは、各楔部材608aが最も押し込まれた状態で、各楔部材608aの全体が各挿入孔708b内に収まるような形状に形成される(図33、図34等参照)。
上記の構成により、各係止力調節機構708は、図32、図33に示すように、各楔部材608aが各挿入孔708bに挿入され、各楔部材608aの先端がプロテクタ3のベース部31と一体の部材である板状部41a、42aと、バッテリー筐体101の蓋部材104との間に介在することで、蓋部材104に対してプロテクタ3を長辺方向、あるいは、短辺方向に相対移動させることができる。これにより、各係止力調節機構708は、プロテクタ3のベース部31、保持部32と一体で形成される係止爪部41、42の各背面突起部745を、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端部に対して確実に押し付けることができるので、係止爪部41、42の各背面突起部745が蓋部材104に係合する力を相対的に大きくすることができる。したがって、各係止力調節機構708は、このことを利用して、楔部材608aが、プロテクタ3と一体の板状部41a、42aとバッテリー筐体101との間に介在することで、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくすることができる。
以上で説明したヒューズユニット701は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット701からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット701は、係止機構704によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット701は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット701を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット701は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構708によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット701によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3と一体で形成され、係止力調節機構708は、プロテクタ3と一体の板状部41a、42aとバッテリー筐体101との間に介在する楔部材608aを有し、楔部材608aが、プロテクタ3と一体の板状部41a、42aとバッテリー筐体101との間に介在することで係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット701は、各係止力調節機構708において、楔部材608aが、プロテクタ3と一体の板状部41a、42aとバッテリー筐体101との間に介在することで、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。この結果、ヒューズユニット701は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構708の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上で説明した係止力調節機構708を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態8]
図35は、実施形態8に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の分解斜視図である。図36は、実施形態8に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図37は、実施形態8に係るヒューズユニットの螺合部材を含む部分断面図である。実施形態8に係るヒューズユニットは、係止力調節機構の構成が実施形態3とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット801は、図35、図36、図37に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構808を備える。係止力調節機構808は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
なお、本実施形態の係止爪部41、42は、実施形態1と同様に、それぞれ組み付け状態で鉛直方向に沿って延在する板状部(アーム部)41a、42aを介してプロテクタ3のベース部31、及び、保持部32と一体で形成される。ここでは、係止爪部41、42は、バッテリー筐体101において、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面と係合する。係止機構4は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの係止爪部41、42が蓋部材104の鉛直方向下端面の所定の位置に係合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
本実施形態の係止力調節機構808は、プロテクタ3に螺合すると共に、螺合動作に伴って先端がバッテリー筐体101と当接しプロテクタ3がバッテリー筐体101から離間する方向に当該バッテリー筐体101を押圧する螺合部材808aを有する。ここでは、係止力調節機構808は、プロテクタ3に形成され、当該螺合部材808aが螺合可能である螺合孔808bを含んで構成される。
螺合孔808bは、組み付け状態において、ベース部31の長辺方向に沿った縁部と短辺方向に沿った縁部とが交わる出隅部に1つ、当該出隅部の螺合孔808bに対して長辺方向に間隔をあけて1つ、当該出隅部の螺合孔808bに対して短辺方向に等間隔で間をあけて2つ、合計4つが設けられる。螺合孔808bは、ベース部31を貫通すると共に、内周面に螺合部材808aが螺合可能な螺合溝が形成される。螺合部材808aは、例えば、ボルト等によって構成され、4つの螺合孔808bに対して1つずつ、合計4つ設けられる。本実施形態の係止力調節機構808は、1つの螺合部材808aと1つの螺合孔808bとを一対として、当該一対の螺合部材808a、螺合孔808bが合計で4組設けられる。
上記の構成により、係止力調節機構808は、螺合部材808aがプロテクタ3の螺合孔808bに螺合すると共に、螺合動作に伴って先端がバッテリー筐体101の蓋部材104の鉛直方向上面と当接しプロテクタ3が蓋部材104から離間する方向に当該蓋部材104を押圧することで、蓋部材104に対してプロテクタ3を鉛直方向上側に持ち上げるようにして相対移動させることができる。これにより、係止力調節機構808は、プロテクタ3のベース部31、保持部32と一体で形成される係止爪部41、42を、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面に対して、鉛直方向上側に確実に押し付けることができるので、係止爪部41、42が蓋部材104に係合する力を相対的に大きくすることができる。したがって、係止力調節機構808は、このことを利用して、螺合部材808aによってプロテクタ3がバッテリー筐体101から離間する方向に当該バッテリー筐体101を押圧することで、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくすることができる。
以上で説明したヒューズユニット801は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット801からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット801は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット801は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット801を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット801は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構808によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット801によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3と一体で形成され、係止力調節機構808は、プロテクタ3に螺合すると共に、螺合動作に伴って先端がバッテリー筐体101と当接しプロテクタ3がバッテリー筐体101から離間する方向に当該バッテリー筐体101を押圧する螺合部材808aを有し、螺合部材808aによってプロテクタ3がバッテリー筐体101から離間する方向に当該バッテリー筐体101を押圧することで、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット801は、係止力調節機構808において、プロテクタ3に螺合された螺合部材808aがバッテリー筐体101を押圧することで、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。この結果、ヒューズユニット801は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構808の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上で説明した係止力調節機構808を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態9]
図38は、実施形態9に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図39は、実施形態9に係るヒューズユニットの係止爪部を含む部分断面図である。実施形態9に係るヒューズユニットは、係止力調節機構の構成が実施形態3とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット901は、図38、図39に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構908を備える。係止力調節機構908は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
ここで、本実施形態の係止爪部41、42は、それぞれプロテクタ3とは別体に形成される。より詳細には、本実施形態の係止爪部41、42は、それぞれ板状部(アーム部)941a、942aの先端部に板状部941a、942aと一体で形成される。ここでは、板状部941a、942aは、プロテクタ3のベース部31、及び、保持部32とは別体に形成される。係止爪部41、42は、それぞれ板状部941a、942aの先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される(図39等参照)。また、板状部941a、942aは、それぞれ主面にブラケット941c、942cが一体的に設けられる。板状部941a、942aは、それぞれブラケット941c、942c、及び、後述の連結部材908aを介してプロテクタ3のベース部31に連結されている。
本実施形態の係止力調節機構908は、係止爪部41側と係止爪部42側とにそれぞれ設けられる。なおここでは、図39に示す拡大部分断面図は、係止爪部42側の係止力調節機構908を図示しているが、係止爪部41側の係止力調節機構908もこれとほぼ同様の構成であるので図示を省略している。
各係止力調節機構908は、プロテクタ3と係止爪部41、42とを連結すると共に軸周りの回転に伴ってプロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を可変とする連結部材908aを有する。各連結部材908aは、例えば、ボルト等によって構成される。各連結部材908aは、それぞれベース部31に形成された受け部931g、931hに支持される。受け部931gは、係止爪部41側の係止力調節機構908の連結部材908aを支持するものであり、係止爪部41に対応して、ベース部31の長辺方向に沿った縁部に形成される。受け部931hは、係止爪部42側の係止力調節機構908の連結部材908aを支持するものであり、係止爪部42に対応して、ベース部31の短辺方向に沿った縁部に形成される。受け部931g、931hは、それぞれ各連結部材908aを、鉛直方向(軸方向)に沿った回転軸線を回転軸として回転可能に支持する。各連結部材908aは、受け部931g、931hに支持された状態で、ボルト頭が受け部931g、931h上に位置すると共に、螺合溝が形成された軸部が鉛直方向下側に延在する。また、上述のブラケット941c、942cには、それぞれナット908bが固定されており、各連結部材908aは、先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)がこのナット908bに螺合する。これにより、各連結部材908aは、ブラケット941c、942c、板状部941a、942a等を介して係止爪部41、42とプロテクタ3のベース部31とを連結することができる。
係止爪部41及び板状部941aは、組み付け状態で、かつ、連結部材908aでベース部31に連結された状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の長辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の長辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。この状態で、係止爪部41及び板状部941aは、長辺方向に沿って延在して形成され、連結部材908aは、鉛直方向に沿って延在する。係止爪部42及び板状部942aは、組み付け状態で、かつ、連結部材908aでベース部31に連結された状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の短辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の短辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。この状態で、係止爪部42及び板状部942aは、短辺方向に沿って延在して形成され、連結部材908aは、鉛直方向に沿って延在する。
上記の構成により、各係止力調節機構908は、各連結部材908aがプロテクタ3と係止爪部41、42とを連結すると共に当該各連結部材908aが軸周りに回転することでプロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を可変とすることができる。各係止力調節機構908は、例えば、各連結部材908aを所定の方向に回転させることで、プロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を相対的に狭くすることができ、言い換えれば、係止爪部41、42を鉛直方向上側に持ち上げてプロテクタ3側に接近するように相対移動させることができる。これにより、係止力調節機構908は、係止爪部41、42を、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面に対して、鉛直方向上側に確実に押し付けることができるので、係止爪部41、42が蓋部材104に係合する力を相対的に大きくすることができる。したがって、係止力調節機構908は、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくすることができる。
以上で説明したヒューズユニット901は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット901からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット901は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット901は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット901を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット901は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構908によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット901によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3とは別体に形成され、係止力調節機構908は、プロテクタ3と係止爪部41、42とを連結すると共に軸周りの回転に伴ってプロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を可変とする連結部材908aを有し、連結部材908aがプロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を相対的に狭くすることで、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット901は、係止力調節機構908において、連結部材908aがプロテクタ3と係止爪部41、42との間隔を相対的に狭くすることで、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。この結果、ヒューズユニット901は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構908の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上で説明した係止力調節機構908を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態10]
図40、図42は、実施形態10に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分斜視図である。図41、図43は、実施形態10に係るヒューズユニットの係止力調節機構近傍の部分側面図である。実施形態10に係るヒューズユニットは、係止力調節機構の構成が実施形態3とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット1001は、図40、図41、図42、図43に示すように、上述したヒュージブルリンク2(図1等参照)と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4と、連結バスバー5(図1等参照)とに加えて、さらに、係止力調節機構1008を備える。係止力調節機構1008は、係止機構4を構成する係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
ここで、本実施形態の係止爪部41、42は、それぞれプロテクタ3とは別体に形成される。より詳細には、本実施形態の係止爪部41、42は、それぞれ板状部(アーム部)1041a、1042aの先端部に板状部1041a、1042aと一体で形成される。ここでは、板状部1041a、1042aは、プロテクタ3のベース部31、及び、保持部32とは別体に形成される。係止爪部41、42は、それぞれ板状部1041a、1042aの先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される(図41、図43等参照)。
本実施形態の係止力調節機構1008は、係止爪部41側と係止爪部42側とにそれぞれ設けられる。なおここでは、図40、図41、図42、図43は、係止爪部42側の係止力調節機構1008を図示しているが、係止爪部41側の係止力調節機構1008もこれとほぼ同様の構成であるので図示を省略している。
各係止力調節機構1008は、係止爪部41、42側に設けられた軸部1008bに対して当該軸部1008b周りに回転可能に連結されると共に、外面がプロテクタ3と当接し、軸部1008b周りの回転に伴ってプロテクタ3との当接位置から軸部1008bまでの距離が変化する扁平レバー1008aを有する。ここで、各軸部1008bは、それぞれ係止爪部41、42と一体で形成される板状部1041a、1042aの上端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向上側の端部)に設けられる。より詳細には、各板状部1041a、1042aは、鉛直方向上側の端面から鉛直方向上側に向けて突出する突出端部1008cを有し、この突出端部1008cの鉛直方向上端部に上記各軸部1008bが設けられる。各突出端部1008cは、プロテクタ3のベース部31に形成された貫通孔1008dにそれぞれ挿入される。係止爪部42側の係止力調節機構1008の貫通孔1008dは、係止爪部42に対応して、ベース部31の短辺方向に沿った縁部に形成される。図示は省略するが、係止爪部41側の係止力調節機構1008の貫通孔1008dは、係止爪部41に対応して、ベース部31の長辺方向に沿った縁部に形成される。各貫通孔1008dは、ベース部31を鉛直方向に貫通している。各突出端部1008cは、各貫通孔1008dに挿入された状態で、各軸部1008bが各貫通孔1008dの鉛直方向上側に位置すると共に、係止爪部41、42側の部分が鉛直方向下側に延在する。各扁平レバー1008aは、各軸部1008bに対して、当該軸部1008b周りに回転可能に連結される。係止爪部42側の係止力調節機構1008は、扁平レバー1008aの回転軸線が短辺方向に沿うような位置関係で軸部1008b等の各要素が配置される。図示は省略するが、同様に、係止爪部41側の係止力調節機構1008は、扁平レバー1008aの回転軸線が長辺方向に沿うような位置関係で軸部1008b等の各要素が配置される。扁平レバー1008aは、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
係止爪部42及び板状部1042aは、組み付け状態で、かつ、板状部1042aが軸部1008bを介して扁平レバー1008aに組み付けられた状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の短辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の短辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。係止爪部42及び板状部1042aは、この状態で、短辺方向に沿って延在して形成される。図示は省略するが、係止爪部41及び板状部1041aは、組み付け状態で、かつ、板状部1041aが軸部1008bを介して扁平レバー1008aに組み付けられた状態で、バッテリー筐体101の蓋部材104の長辺方向に沿った側面、ここでは、蓋部材104のポスト立設面105に形成された凹部106近傍の長辺方向に沿った側面と対向する位置に形成される。係止爪部41及び板状部1041aは、この状態で、長辺方向に沿って延在して形成される。
そして、各扁平レバー1008aは、板状の部材(ここでは一部にスリットが設けられている)を湾曲させるようにして形成され、各軸部1008bに連結された状態で、湾曲部分の外面がプロテクタ3のベース部31の鉛直方向上面と当接する。そして、各扁平レバー1008aは、各軸部1008b周りに回転した際に、ベース部31との当接位置から軸部1008bまでの距離が変化するように、上記湾曲部分の曲率が設定される。ここでは、各扁平レバー1008aは、一方側に回転させると当接位置から軸部1008bまでの距離が徐々に長くなる一方、他方側に回転させると当接位置から軸部1008bまでの距離が徐々に短くなる。
上記の構成により、各係止力調節機構1008は、扁平レバー1008aの軸部1008b周りの回転に伴って、ベース部31との当接位置から軸部1008bまでの距離を相対的に長くし係止爪部41、42をプロテクタ3のベース部31側に接近させることで、係止爪部41、42によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくすることができる。すなわち、各係止力調節機構1008は、例えば、図40、図41に示すように、ベース部31との当接位置から軸部1008bまでの距離が相対的に短い状態から、図42、図43に示すように、扁平レバー1008aを回転させて(ここでは、引き倒すように回転させて)、ベース部31との当接位置から軸部1008bまでの距離が相対的に長くなるようにする。これにより、各係止力調節機構1008は、各軸部1008bをベース部31に対して鉛直方向上側に持ち上げることができ、各軸部1008bが設けられた板状部1041a、1042aと一体に形成された係止爪部41、42を、鉛直方向上側に持ち上げてプロテクタ3側に接近するように相対移動させることができる。これにより、係止力調節機構1008は、係止爪部41、42を、蓋部材104の縁部の鉛直方向下端面に対して、鉛直方向上側に確実に押し付けることができるので、係止爪部41、42が蓋部材104に係合する力を相対的に大きくすることができる。したがって、係止力調節機構1008は、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。
以上で説明したヒューズユニット1001は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット1001からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット1001は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット1001は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット1001を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1001は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構1008によって係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1001によれば、係止爪部41、42は、プロテクタ3とは別体に形成され、係止力調節機構1008は、係止爪部41、42側に設けられた軸部1008bに対して当該軸部1008b周りに回転可能に連結されると共に、外面がプロテクタ3と当接し、軸部1008b周りの回転に伴ってプロテクタ3との当接位置から軸部1008bまでの距離が変化する扁平レバー1008aを有し、扁平レバー1008aの軸部1008b周りの回転に伴って、当接位置から軸部1008bまでの距離を相対的に長くし係止爪部41、42をプロテクタ3側に接近させることで、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット1001は、係止力調節機構1008において、扁平レバー1008aの軸部1008b周りの回転に伴って、当接位置から軸部1008bまでの距離を相対的に長くし係止爪部41、42をプロテクタ3側に接近させることで、係止爪部41、42による係止力を相対的に大きくすることができる。この結果、ヒューズユニット1001は、係止爪部41、42によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構1008の部分で公差も吸収することができる。
なお、以上で説明した係止力調節機構1008を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができる。
[実施形態11]
図44は、実施形態11に係るヒューズユニットの係止力調節機構を含む部分平面図である。図45は、実施形態11に係るヒューズユニットの係止力調節機構を含む部分断面図である。実施形態11に係るヒューズユニットは、係止機構の係止爪部が設けられる位置、及び、係止力調節機構を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット1101は、図44、図45に示すように、上述したヒュージブルリンク2と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構1104と、連結バスバー5とに加えて、さらに、係止力調節機構1108を備える。係止力調節機構1108は、係止機構1104を構成する係止爪部42、1143によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を調節可能な機構である。
ここで、係止機構1104は、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止するものである。本実施形態の係止機構1104は、バッテリー筐体101と係合することでプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止爪部42、1143を含んで構成される。係止爪部42、1143がバッテリー筐体101において互いに対向する2面、ここでは短辺方向に沿った2面に係合する。係止爪部42は、上述したように、組み付け状態で、鉛直方向に沿って延在する板状部42aを介してプロテクタ3のベース部31と一体で形成される。
一方、本実施形態の係止爪部1143は、支持体1143aを介してプロテクタ3のベース部31、保持部32に接続される。支持体1143aは、組み付け状態において、ベース部31、保持部32から長辺方向に向けて延在する本体部1143bと、当該本体部1143bのプロテクタ3(ベース部31、保持部32)側の端部とは反対側の端部から鉛直方向下側に向けて延在する屈曲部1143cとを含んで構成される。
ここでは、本体部1143bは、さらに、第1分割体1143dと第2分割体1143eとに分割されている。第1分割体1143dと第2分割体1143eは、一方が板状に形成され、他方が筒状に形成される。ここでは、第1分割体1143dが板状に形成され、第2分割体1143eが筒状に形成される。第1分割体1143dは、一方の端部にプロテクタ3のベース部31、保持部32が一体的に接続される。また、第2分割体1143eは、一方の端部に上述の屈曲部1143cが一体的に接続される。そして、第1分割体1143dと第2分割体1143eとは、第1分割体1143dの他方の端部が第2分割体1143eの他方の端部内に挿入され、当該他方の端部同士が後述の係止力調節機構1108を介して接続される。
そして、本実施形態の係止爪部1143は、支持体1143aの屈曲部1143cの先端部(プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態で鉛直方向下側の端部)に当該屈曲部1143cと一体で形成される。係止爪部1143は、屈曲部1143cの先端部が曲がったようなフック状、あるいは、鉤状に形成される。ここでは、係止爪部42、1143は、バッテリー筐体101において、蓋部材104の短辺方向に沿った縁部の鉛直方向下端面と係合する。
つまり、係止爪部42は、プロテクタ3と一体で形成される第1係止爪部を構成する。一方、係止爪部1143は、プロテクタ3とは別体に形成されバッテリー筐体101において係止爪部42が係合する面と対向する面に係合する第2係止爪部を構成する。言い換えれば、係止爪部42と係止爪部1143とは、長辺方向に対向する位置関係となっている。そして、係止機構1104は、プロテクタ3がバッテリー100のポスト立設面105上に組み付けられた状態でこの係止爪部42、1143が蓋部材104の鉛直方向下端面の所定の位置に係合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上に係止しロックすることができる。
そして、本実施形態の係止力調節機構1108は、係止爪部42側又は係止爪部1143側の一方に形成された第1段差1108aと、係止爪部42側又は係止爪部1143側の他方に、係止爪部42と係止爪部1143とが対向する方向に沿って並んで形成された複数の第2段差1108bとを有する。
ここでは、係止力調節機構1108は、図45等に示すように、第1段差1108aが係止爪部42と一体的に接続される支持体1143aの第1分割体1143d側に設けられる一方、複数の第2段差1108bが係止爪部1143と一体的に接続される支持体1143aの第2分割体1143e側に設けられる。
第1段差1108aは、第1分割体1143dにおいて互いに対向する面、ここでは、長辺方向に沿いかつ短辺方向に対向する一対の端面にそれぞれ1つずつ設けられる。第1段差1108aは、第1分割体1143dから突出した突出段差として形成される。複数の第2段差1108bは、第2分割体1143eの内面において、第1分割体1143dの第1段差1108aが形成された面と対向する面にそれぞれ1組ずつ設けられる。つまり、複数の第2段差1108bは、長辺方向に沿いかつ短辺方向に対向する一対の内面にそれぞれ1組ずつ設けられる。各第2段差1108bは、それぞれ第2分割体1143eから突出した突出段差として形成される。複数の第2段差1108bは、各組において、係止爪部42と係止爪部1143とが対向する方向、すなわち、長辺方向に沿って並んで形成される。
第1段差1108aと各第2段差1108bとは、係止爪部42と係止爪部1143とを互いに接近させる方向に移動させ、係止爪部42と係止爪部1143とによってバッテリー筐体101を挟み込む方向に移動させた際に各第2段差1108bが第1段差1108aを乗り越える一方、係止爪部42と係止爪部1143とを互いに離間させる方向に移動させ、係止爪部42と係止爪部1143をバッテリー筐体101から引き離す方向に移動させようとした際に、いずれかの第2段差1108bが第1段差1108aと当接し、係止爪部42と係止爪部1143との相対移動が規制されるような断面形状に形成される。
上記のような構成により、係止力調節機構1108は、第1段差1108aと複数の第2段差1108bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部42と係止爪部1143とが離間する側への移動を規制することができる。このことを利用して、係止力調節機構1108は、係止爪部42と係止爪部1143とを可能な限り接近させ、係止爪部42と係止爪部1143とによってバッテリー筐体101の蓋部材104を挟み込む力を相対的に大きくし、これにより、係止爪部42と係止爪部1143によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。
以上で説明したヒューズユニット1101は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット1101からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット1101は、係止機構1104によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット1101は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット1101を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1101は、プロテクタ3をポスト立設面105上に組み付けた後に、係止力調節機構1108によって係止爪部42、1143による係止力を相対的に大きくすることで、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上により確実に係止することができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1101によれば、係止爪部42、1143は、プロテクタ3と一体で形成される第1係止爪部としての係止爪部42と、プロテクタ3とは別体に形成されバッテリー筐体101において係止爪部42が係合する面と対向する面に係合する第2係止爪部としての係止爪部1143とを含んで構成される。係止力調節機構1108は、係止爪部42側又は係止爪部1143側の一方に形成された第1段差1108aと、係止爪部42側又は係止爪部1143側の他方に係止爪部42と係止爪部1143とが対向する方向に沿って並んで形成される複数の第2段差1108bとを有し、第1段差1108aと複数の第2段差1108bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部42と係止爪部1143とが離間する側への移動を規制し、係止力を相対的に大きくする。したがって、ヒューズユニット1101は、係止力調節機構1108において、第1段差1108aと複数の第2段差1108bのいずれかとが噛み合うことで、係止爪部42と係止爪部1143とが離間する側への移動を規制することができることを利用して、係止爪部42、1143がバッテリー筐体101の蓋部材104に係合する力を相対的に大きくし、係止爪部42、1143によってプロテクタ3をポスト立設面105上に係止する係止力を相対的に大きくした上で、この状態を保持することができる。この結果、ヒューズユニット1101は、係止爪部42、1143によってバッテリー筐体101の蓋部材104を締め付ける力(すなわち、係止力)を相対的に強くすることができるので、プロテクタ3をポスト立設面105上により確実に係止することができ、また、当該係止力調節機構1108の部分で公差も吸収することができる。
[実施形態12]
図46は、実施形態12に係るヒューズユニットのプロテクタの斜視図である。図47は、実施形態12に係るヒューズユニットのプロテクタ位置決め機構を含む部分断面斜視図である。実施形態12に係るヒューズユニットは、保持機構位置決め機構を備える点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略し、概略構成については、適宜他図を参照する。
本実施形態に係るヒューズユニット1201は、図46、図47に示すように、上述したヒュージブルリンク2(図1等参照)と、保持機構としてのプロテクタ3と、係止機構4(図1等参照)と、連結バスバー5(図1等参照)とに加えて、さらに、保持機構位置決め機構としてのプロテクタ位置決め機構1209を備える。
プロテクタ位置決め機構1209は、プロテクタ3をポスト立設面105上の所定の位置に位置決めするものである。プロテクタ位置決め機構1209は、ポスト立設面105又はプロテクタ3の一方に設けられる凹部1209bと、ポスト立設面105又はプロテクタ3の他方に設けられ凹部1209bと嵌合する凸部1209aとを有する。ここでは、凸部1209aは、プロテクタ3の保持部32の底面32aの背面側(収容空間部32cとは反対側の面)に2つが設けられる。凹部1209bは、ポスト立設面105において凹部106の長辺方向側の脇に2つ形成される(例えば、図2等参照)。凸部1209a、凹部1209bは、共に軸方向(鉛直方向)に沿って円柱状に形成される。
プロテクタ位置決め機構1209は、各凸部1209aが各凹部1209bに嵌合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上の所定の位置に位置決めすることができ、これにより、プロテクタ3が鉛直方向(軸方向)と交差する水平方向(長辺方向及び短辺方向)に位置ズレすることを規制することができる。これにより、プロテクタ位置決め機構1209は、ベース部31において、バッテリー端子110をバッテリーポスト102に締結可能な位置に位置決めする。ここで、ポスト立設面105上の所定の位置とは、ベース部31のポスト挿入孔31a内にバッテリーポスト102が挿入され、ベース部31が凹部106内に位置するような位置関係でプロテクタ3がバッテリー100に組み付けられた状態で、少なくとも保持部32の一部がポスト立設面105上に位置し、当該ポスト立設面105上にヒュージブルリンク2を載置し、保持する位置である。
以上で説明したヒューズユニット1201は、プロテクタ3のベース部31と連接された保持部32によってヒュージブルリンク2をバッテリー筐体101のポスト立設面105に保持し、当該ポスト立設面105でヒュージブルリンク2の荷重を受けることで、ヒューズユニット1201からバッテリー端子110に作用する荷重を抑制することができるので、バッテリーポスト102に作用する荷重を抑制することができる。このとき、ヒューズユニット1201は、係止機構4によって、プロテクタ3をヒュージブルリンク2と共にポスト立設面105上に確実に組み付けることができる。また、ヒューズユニット1201は、バッテリー筐体101の側面側の周囲に当該ヒューズユニット1201を設置するためのスペースが確保できないような場合に、バッテリー筐体101のポスト立設面105(鉛直方向上面)上に設置スペースを確保しヒュージブルリンク2を配置することができるので、適切にヒュージブルリンク2を設けることができる。
さらに、以上で説明したヒューズユニット1201によれば、ポスト立設面105又はプロテクタ3の一方に設けられる凹部1209bと、ポスト立設面105又はプロテクタ3の他方に設けられ凹部1209bと嵌合する凸部1209aとを有し、プロテクタ3をポスト立設面105上に位置決めするプロテクタ位置決め機構1209を備える。したがって、ヒューズユニット1201は、プロテクタ位置決め機構1209の凸部1209aが凹部1209bと嵌合することで、プロテクタ3をポスト立設面105上の適正な位置に位置決めすることができ、位置ズレすることを抑制することができる。
なお、以上の説明では、凸部1209aは、プロテクタ3側に設けられ、凹部1209bは、ポスト立設面105側に設けられるものとして説明したが、凸部1209aがポスト立設面105側に設けられ、凹部1209bがプロテクタ3側に設けられてもよい。また、凸部1209a、凹部1209bは、それぞれ2つずつ設けられるものとして説明したが、1つずつでもよいし、3つ以上ずつ設けられてもよい。
また、以上で説明したプロテクタ位置決め機構1209を上述したヒューズユニット201に適用してもよい。この場合であっても、ヒューズユニット201は、プロテクタ3をポスト立設面105上の適正な位置に位置決めすることができ、位置ズレすることを抑制することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係るヒューズユニットは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係るヒューズユニットは、以上で説明した各実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、ヒュージブルリンク2は、ヒューズエレメント21、スタッドボルト22がインサート成形等によってハウジング23内に埋設され一体化されるものとして説明したがこれに限らない。
以上の説明では、プロテクタ3の保持部32は、長辺方向に対してベース部31と隣接するようにして当該ベース部31と一体で形成されるものとして説明したが、これに限らず、短辺方向に対してベース部31と隣接するようにして当該ベース部31と一体で形成されてもよい。
また、以上で説明したヒューズユニットは、ポスト立設面105に凹部106が形成されたバッテリー100に適用するものとして説明したが、これに限らず、凹部106を有さないポスト立設面105が平面状のバッテリーに適用してもよい。この場合、ヒューズユニットは、上述したベース部31、保持部32、連結バスバー5等は略平面状に形成されることとなる。