JP6231932B2 - 腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置、特に、シートに着座した着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトを有するシートベルト装置の腰部シートベルトによって着座者に付与される衝撃度及び衝撃度に基づいて推定される傷害度を共に発信する、あるいはそのいずれか一方を、腰部シートベルトから付与される傷害状況として発信する腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置に関する。
シートベルト装置、例えば、車両用の3点式シートベルト装置は、着座者の上半身に斜めに架け渡される肩部シートベルトが、着座者の肩部及び胸部をシートに拘束し、着座者の腹部に亘って架け渡される腰部シートベルトが、着座者の腰部及び腹部をシートに拘束する。
しかし、例えば腰部シートベルトが着座者の腰骨に適正に架け渡されていない等、シートベルトが適正に装着されていない状態で車両衝突等に遭遇すると、シートベルトの不適正な装着状態に起因して、着座者が不測の損傷を受ける場合がある。
従って、シートベルトの装着状態を検知する等の観点から、シートベルトに張力センサを設けてシートベルトに付与される張力を検知し、検知した張力に基づいて、シートベルトから着座者に付与される荷重を想定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011−68206号公報
ところで、シートベルト装置で検知した、シートベルトによって着座者に付与される荷重に基づいて、荷重により着座者に作用する力学量、すなわち着座者に付与される衝撃度を適切に算出することができれば、例えば、車両衝突等に遭遇することによって着座者が受傷した際に、算出した衝撃度に基づいて、着座者の治療に関する対策を適切に講じることができる。
特に、腰部シートベルトは、着座者の腰部からずれると、比較的柔らかな身体の部位である着座者の腹部に亘って架け渡されることになることから、着座者の腹部に付与される衝撃度が、より適切に算出されることが要求されるところである。
さらに、算出された衝撃度に基づいて傷害度を推定し、この傷害度を、例えば医療従事者が早期に検知することができれば、医療従事者が着座者の受傷状態を速やかに把握することができることから、迅速な医療行為が施されることを期待し得る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、腰部シートベルトによって着座者に付与される衝撃度及び衝撃度に基づいて推定された傷害度を発信することができる、腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明による腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置は、シートに着座した着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトを有するシートベルト装置の前記腰部シートベルトによって前記着座者に付与される衝撃度及び該衝撃度に基づいて推定される傷害度を共に発信する、あるいはそのいずれか一方を、前記腰部シートベルトから付与される傷害状況として発信する腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置であって、前記シートベルト装置は、前記腰部シートベルトに設けられ、前記装着状態における前記着座者から付与される荷重を前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の所定領域で検知するセンサを有し、該センサにより検知された前記荷重の前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の荷重分布を算出する荷重分布算出手段と、該荷重分布算出手段によって得られた荷重分布に基づいて、前記腰部シートベルトが前記着座者の腰骨位置にあるか否かを判定する腰部シートベルト位置判定手段と、前記荷重分布算出手段によって得られた荷重分布の情報及び前記腰部シートベルト位置判定手段による前記判定結果から算出した前記衝撃度に基づいて、前記着座者に付与される前記傷害度を推定する傷害度推定手段と、を有する制御装置を備え、情報伝達機器に前記衝撃度及び前記傷害度を共に発信する、あるいはそのいずれか一方を、前記腰部シートベルトから付与される傷害状況として発信することを特徴とする。
この構成によれば、腰部シートベルトに付与される荷重を検知し、検知した荷重によって荷重分布が算出され、この荷重分布に基づいて算出された衝撃度に基づいて、傷害度推定手段が着座者の傷害度を推定する。
このように算出あるいは推定した衝撃度及び傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を、腰部シートベルトから付与される傷害状況として情報伝達機器に発信することができることから、発信された衝撃度及び傷害度あるいはそのいずれか一方に基づいて、着座者の治療に関する対策を迅速かつ適切に講じることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記制御装置は、前記荷重分布算出手段により得られた荷重分布のうち前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の所定領域における荷重値に所定時間内に予め設定された以上の変化が発生した際に、前記腰部シートベルトが前記着座者の腰骨位置からずれたと判定する腰部シートベルトずれ判定手段を備え、前記腰部シートベルトずれ判定手段の判定結果を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする。
この構成によれば、傷害度を推定する際には、腰部シートベルトに付与される荷重が所定時間内に変化した場合に腰部シートベルトが腰骨位置からずれたと判定する腰部シートベルトずれ判定手段の判定結果を付加して推定することから、荷重の変化が生じた際の状況を傷害度の推定に的確に反映させることができる。従って、推定される傷害度の精度が向上することから、適切な傷害度を発信することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記制御装置は、前記荷重分布算出手段により得られた荷重分布により前記着座者の体型を推定する着座者体型推定手段を備え、該着座者体型推定手段が推定した前記着座者の推定結果を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする。
この構成によれば、傷害度を推定する際には、荷重分布算出手段により得られた荷重分布により着座者の体型を推定する着座者体型推定手段の推定結果を付加して推定することから、着座者の体型に応じた傷害度を的確に推定することができる。従って、推定される傷害度の精度が向上することから、適切な傷害度を発信することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記シートベルト装置は、前記シートに着座した前記着座者の上半身を拘束する肩部シートベルトと、該肩部シートベルトに入力される荷重を検知する肩部シートベルトセンサと、を備え、前記肩部シートベルトセンサが検知した荷重を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする。
この構成によれば、傷害度を推定する際には、肩部シートベルトに入力される荷重を検知する肩部シートベルトセンサによる検知結果を付加して推定することから、肩部シートベルトに荷重が入力された状況を傷害度の推定に的確に反映させることができる。従って、推定される傷害度の精度が向上することから、適切な傷害度を発信することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記情報伝達機器は、車載表示装置または多機能型携帯情報端末であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記情報伝達機器は、車両に搭載されて外部と通信する車載通信システムであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記情報伝達機器は、記憶媒体であることを特徴とする。
これら請求項5〜7の構成によれば、情報伝達機器は、車載表示装置、多機能型携帯情報端末、車載通信システム、及び記憶媒体で構成することができ、衝撃度及び傷害度の使用目的や要求に応じて最適な情報伝達機器を選択して、その情報伝達機器に、衝撃度及び衝撃度に基づいて推定された傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を発信することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置において、前記傷害度に応じて、発信される前記衝撃度及び傷害度の表示態様を変更することを特徴とする。
この構成によれば、傷害度に応じて、情報伝達機器に表示される衝撃度及び傷害度の表示態様を変更することができることから、傷害度に応じた注意喚起を促すことができる。
この発明によれば、算出された衝撃度に基づいて傷害度推定手段が傷害度を推定し、これら算出した衝撃度及び推定した傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を情報伝達機器に発信することができる。
従って、情報伝達機器によって、情報伝達機器に発信された衝撃度及び傷害度あるいはそのいずれか一方を早期に検知することができることから、着座者の治療に関する対策を迅速かつ適切に講じることができる。これにより、受傷した着座者の迅速な救済が図られる。
本発明の第1実施の形態に係る衝撃度の算出装置の概略を説明する概念図である。 同じく、本実施の形態に係るシートベルト装置の概略を説明する正面図である。 同じく、本実施の形態に係る荷重分布算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る荷重分布算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る荷重分布算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る腰部シートベルト位置判定手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る衝撃度算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る腰部シートベルトずれ判定手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る腰部シートベルトずれ判定手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る着座者体型推定手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る着座者体型推定手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る肩部荷重分布算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る傷害度推定装置の概略を説明する図である。 同じく、本実施の形態に係る制御装置による車両衝突時の衝撃度の算出手順及び算出された衝撃度に基づいた傷害度の推定手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施の形態に係る荷重分布算出手段の作動説明図である。 同じく、本実施の形態に係る衝撃度算出手段の作動説明図である。
(第1実施の形態)
次に、本発明の実施の形態について、図1〜図14に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る発信装置の概略を説明する概念図であり、図2は、本実施の形態に係るシートベルト装置の概略を説明する正面図である。図1で示すように、発信装置10は、シートベルト装置20及びシートベルト装置20と連携する制御装置30を主要構成として備える。
シートベルト装置20は、図2で示すように、車両に配置されるシート1に着座する着座者Mを、シートベルト21によってシート1に拘束する装置である。
シートベルト21は、その一端21aが、車両のBピラー2に設けられてシートベルト21を巻き取る方向に常時付勢するリトラクタ22に取り付けられ、他端21bがリトラクタ22の下方においてBピラー2に取り付けられる。
このシートベルト21は、Bピラー2の上部のスルーリング23に挿通され、スルーリング23に挿通された後に、係合用金具24aが設けられたタングプレート24が挿通される。
タングプレート24は、その係合用金具24aにおいて、シート1の側部1aに設けられたシートベルトアンカ25に取り付けられたバックル26に係合可能に形成される。
着座者Mがシート1に着座した状態で、シートベルト21が着座者Mの身体に架け渡され、タングプレート24をバックル26に係合させることにより、シートベルト21が着座者Mに装着される。
この状態において、シートベルト21上に、スルーリング23とタングプレート24との間で肩部シートベルト21Aが構成され、この肩部シートベルト21Aが着座者Mの肩部及び胸部をシート1に拘束する。
一方、シートベルト21が着座者Mに装着された状態で、シートベルト21上に、タングプレート24とシートベルト21の他端21bとの間で腰部シートベルト21Bが構成され、この腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部及び腹部をシート1に拘束する。
肩部シートベルト21Aには、センサ27Aが設けられている。センサ27は、本実施の形態では、肩部シートベルト21Aが着座者Mの肩部及び胸部を拘束した状態で、着座者M側から肩部シートベルト21Aに対して付与される荷重を検知するとともに、肩部シートベルト21Aが着座者M側を圧迫することで生じる作用力を荷重として検知する荷重検知センサとして構成される。
このセンサ27Aは、本実施の形態では、シートベルト21を構成する2枚のウェビングに挟み込まれ、矢線W1で示す肩部シートベルト21Aの架け渡し方向に亘って内蔵される。
従って、肩部シートベルト21Aにセンサ27Aが内蔵された領域に対応して、着座者M側から付与される荷重が検知されるとともに、肩部シートベルト21Aが着座者M側を圧迫することで生じる作用力が荷重として検知される。
一方、腰部シートベルト21Bには、センサ27Bが設けられている。センサ27Bは、本実施の形態では、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部及び腹部を拘束した状態で、着座者M側から腰部シートベルト21Bに対して付与される荷重を検知するとともに、腰部シートベルト21Bが着座者M側を圧迫することで生じる作用力を荷重として検知する荷重検知センサとして構成される。
このセンサ27Bは、本実施の形態では、シートベルト21を構成する2枚のウェビングに挟み込まれ、矢線W2で示す腰部シートベルト21Bの左右の架け渡し方向に亘って内蔵される。
従って、腰部シートベルト21Bにセンサ27Bが内蔵された領域に対応して、着座者M側から付与される荷重が検知されるとともに、腰部シートベルト21Bが着座者M側を圧迫することで生じる作用力が荷重として検知される。
制御装置30は、このようなシートベルト装置20と連携して衝撃度を算出するとともに傷害度を推定し、かつ衝撃度及び傷害度を、情報伝達機器40に発信する装置である。
この制御装置30は、図1で示すように、荷重分布算出手段31、腰部シートベルト位置判定手段32、及び衝撃度算出手段33を備える。
荷重分布算出手段31は、センサ27Bで検知された腰部シートベルト21Bに対して付与される荷重Pの分布を算出する。
具体的には、図3の作動説明図で示すように、腰部シートベルト21Bにセンサ27Bが内蔵された領域に着座者Mの腰部及び腹部から付与される荷重Pを、着座者Mの左側部から付与される腰骨領域Rl、着座者Mの右側部から付与される腰骨領域Rr、及び着座者Mの中央部から付与される腹部領域Rcに分布する荷重Pとして算出する。
荷重分布算出手段31は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部及び腹部の適正な位置に装着されている場合においては、図3で示すように、着座者Mの左側腰骨Phから付与される、高荷重Plを含む荷重Pの荷重分布Lを腰骨領域Rl上に算出し、着座者Mの右側腰骨Phから付与される、高荷重Prを含む荷重Pの荷重分布Lを腰骨領域Rr上に算出する。さらに、着座者Mの腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lを腹部領域Rc上に算出する。
一方、荷重分布算出手段31は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部から上方にずれて腹部のみに架け渡されて装着されている場合においては、図4で示すように、着座者Mの左腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lを腰骨領域Rl上に算出し、着座者Mの右腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lを腰骨領域Rr上に算出する。さらに、着座者Mの腹部から付与される、高荷重Pcを含む荷重Pの荷重分布Lを腹部領域Rc上に算出する。
図5の作動説明図で示すように、荷重分布算出手段31は、荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルト21Bの架け渡し方向W2の所定の領域、例えば着座者Mの腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lが算出される腹部領域Rcにおける、所定の時間内の荷重Pを積分する。
積分値は、本実施の形態では、得られた積分値に応じて、例えば、積分値が比較的小さい場合が係数Aとして把握され、積分値が大きい場合が係数Cとして把握され、かつ係数Aと係数Cとの間の積分値が係数Bとして把握される。
腰部シートベルト位置判定手段32は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあるか否かを判定する。
具体的には、図6の作動説明図で示すように、腰部シートベルト位置判定手段32には、腰部シートベルト21Bが着座者の腰骨位置に適正に架け渡されている場合における理論的な荷重分布パターンlが予め格納されており、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lと荷重分布パターンlとが一致するか否か、あるいは荷重分布Lの分布状態と荷重分布パターンlの分布状態とが近似するか否かが対比される。
図6(a)で示すように、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lが、予め格納された荷重分布パターンlとほぼ一致する場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定し、この場合の判定結果を係数1として把握する。
一方、図6(b)で示すように、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lが、予め格納された荷重分布パターンlと一致しない場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定し、この場合の判定結果を係数2として把握する。
衝撃度算出手段33は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lの架け渡し方向W2の所定の領域における所定の時間内の荷重Pが積分された積分値、及び腰部シートベルト位置判定手段32による判定結果に基づいて、腰部シートベルト21Bによって着座者Mの腹部に付与される衝撃度を算出する。
図7の作動説明図で示すように、荷重分布算出手段31で積分された積分値の係数と、腰部シートベルト位置判定手段32で判定された判定結果の係数とが、衝撃度算出手段33によって乗算されて、衝撃度が算出される。
積分値の係数がAの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「A」であると算出される。一方、積分値の係数がAの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2A」であると算出される。
積分値の係数がBの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「B」であると算出される。一方、積分値の係数がBの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2B」であると算出される。
同様に、積分値の係数がCの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「C」であると算出される。一方、積分値の係数がCの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2C」であると算出される。
衝撃度算出装置33で算出された衝撃度は、着座者Mが腰部シートベルト21Bから付与される傷害状況として、通信インターフェース38を介して情報伝達機器40に発信される。
さらに、制御装置30は、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lが入力される腰部シートベルトずれ判定手段34、着座者体型推定手段35、肩部荷重分布算出手段36、及び傷害度推定手段37を備え、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度に基づいて、着座者Mの傷害度を推定する。
腰部シートベルトずれ判定手段34は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部からずれたか否かを判定する。
この腰部シートベルトずれ判定手段34には、腰部シートベルト21Bがずれたと判定する場合の荷重分布Lの変化量が予め設定されており、所定の時間内における荷重分布Lの変化量と、予め設定された荷重分布の変化量とが対比される。
具体的には、図8(a)の作動説明図で示すように、荷重分布Lに基づいて腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判断される場合において、所定の時間が経過した後の荷重分布L1に基づいて腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判断される場合、すなわち荷重分布L1に変化がない、あるいは予め設定された荷重分布の変化量の範囲内での変化である場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置からずれていないと判定し、この場合の判定結果を係数1として把握する。
一方、図8(b)の作動説明図で示すように、荷重分布Lに基づいて腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判断される場合において、所定の時間が経過した後の荷重分布L1に基づいて腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判断される場合、すなわち予め設定された荷重分布の変化量の範囲を上回って変化している場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置からずれていると判定し、この場合の判定結果を係数2として把握する。
これら把握された判定結果に基づいて、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度に、係数として把握された判定結果が乗算される。
図9の作動説明図で示すように、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度が「2B」である場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置からずれていないと判定された場合(係数1)は、衝撃度は「2B」のままであって、衝撃度算出手段33で算出された衝撃度がそのまま、後述する着座者体型推定手段35を介して傷害度推定手段37に入力される。
一方、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度が「2B」である場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置からずれていると判定された場合(係数2)は、衝撃度は「4B」に補正され、補正された衝撃度である「4B」が着座者体型推定手段35を介して傷害度推定手段37に入力される。
着座者体型推定手段35は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lに基づいて、着座者Mの体型を推定する。
この着座者体型推定手段35は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lに基づいて着座者Mの胴囲を算出し、算出した胴囲に基づいて着座者Mの体型を推定するプログラムによって構成されている。
具体的には、図10の作動説明図で示すように、荷重分布算出手段31が荷重分布Laを算出した場合は、着座者体型推定手段35は、荷重分布Laから算出した胴囲に基づいて着座者Mをやせ型であると推定し、この場合の推定結果を係数1として把握する。
荷重分布算出手段31が荷重分布Lbを算出した場合は、着座者体型推定手段35は、荷重分布Lbから算出した胴囲に基づいて着座者Mを中肉であると推定し、この場合の推定結果を係数2として把握する。
さらに、荷重分布算出手段31が荷重分布Lcを算出した場合は、着座者体型推定手段35は、荷重分布Lcから算出した胴囲に基づいて着座者Mを太めであると推定し、この場合の推定結果を係数3として把握する。
これら把握された推定結果に基づいて、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度、あるいは腰部シートベルトずれ判定手段34で補正された衝撃度に、着座者体型推定手段35によって係数として把握された推定結果が乗算される。
図11の作動説明図で示すように、腰部シートベルトずれ判定手段34で衝撃度が「4B」に補正された場合において、着座者Mの体型がやせ型であると推定された場合(係数1)は、衝撃度は「4B」のままであって、腰部シートベルトずれ判定手段34で補正された衝撃度がそのまま、後述する肩部荷重分布算出手段36を介して傷害度推定手段37に入力される。
一方、腰部シートベルトずれ判定手段34で衝撃度が「4B」に補正された場合において、着座者Mの体型が太めであると推定された場合(係数3)は、衝撃度は「12B」に補正され、補正された衝撃度である「12B」が肩部荷重分布算出手段36を介して傷害度推定手段37に入力される。
肩部荷重分布算出手段36は、肩部シートベルト21Aに着座者M側から付与される荷重Pを検知するセンサ27Aが検知した荷重Pに基づいて、肩部シートベルト21Aにセンサ27Aが内蔵された領域に対応した荷重分布を算出する。
この肩部荷重分布算出手段36の構成は、荷重分布算出手段31と同様の構成であって、荷重分布算出手段31と同様に、荷重分布に基づいて、肩部シートベルト21Aの架け渡し方向W1の所定領域における所定の時間内の荷重Pを積分する。
積分値は、本実施の形態では、得られた積分値に応じて、例えば、積分値が比較的小さい場合が係数aとして把握され、積分値が大きい場合が係数cとして把握され、かつ係数aと係数cとの間の積分値が係数bとして把握される。
この算出した積分値に基づいて、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度、あるいは腰部シートベルトずれ判定手段34及び着座者体型推定手段35の双方あるはそのいずれか一方で補正された衝撃度に、肩部荷重分布算出手段36によって係数として把握された算出結果が乗算される。
図12の作動説明図で示すように、腰部シートベルトずれ判定手段34で衝撃度が「4B」に補正され、かつ着座者体型推定手段35で衝撃度が「12B」に補正された場合において、積分値がaであると算出された場合(係数1)は、衝撃度は「12B」のままであって、着座者体型推定手段35で補正された衝撃度がそのまま、傷害度推定手段37に入力される。
一方、腰部シートベルトずれ判定手段34で衝撃度が「4B」に補正され、かつ着座者体型推定手段35で衝撃度が「12B」に補正された場合において、積分値がcであると算出された場合(係数3)は、衝撃度は「36B」に補正され、補正された衝撃度である「36B」が傷害度推定手段37に入力される。
傷害度推定手段37は、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度、あるいは腰部シートベルトずれ判定手段34、着座者体型推定手段35及び肩部荷重分布算出手段36の全てあるいはそれらのうちのいずれかで補正された衝撃度に基づいて、着座者Mの傷害度を推定する。
図13の傷害度推定手段37の概略図で示すように、傷害度推定手段37は、入力された衝撃度を、その衝撃度に対応する傷害度に割り当てる衝撃度対応テーブルTaを備え、衝撃度に対応した傷害度「Z1」〜「Z5」が予め設定されている。
本実施の形態では、衝撃度算出装置33で算出された衝撃度「2B」が、腰部シートベルトずれ判定手段34、着座者体型推定手段35及び肩部荷重分布算出手段36を経て「36B」に補正されて傷害度推定手段37に入力されることから、入力された「36B」の衝撃度に対応する傷害度である「Z4」を、着座者Mの傷害度として推定する。
傷害度推定装置37で推定された傷害度は、着座者Mが腰部シートベルト21Bから付与される傷害状況として、通信インターフェース38を介して情報通信機器40に発信される。
この情報伝達機器40は、車両の現在値から目的地までの経路案内等を行う車載表示装置であるいわゆるカーナビゲーションシステムや、多機能型携帯端末であるいわゆるスマートフォンであってもよい。
さらに、情報伝達機器40は、車両に搭載されて外部と通信する車載通信システムであるいわゆるテレマティクスシステム(Telematics System)や、記憶媒体である、サーバ用コンピュータの記憶領域であってもよい。
特に、情報伝達機器40をテレマティクスシステムとすれば、医療施設の情報通信機器と通信可能となることから、衝撃度及び傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を医療施設に速やかに発信することができ、迅速な医療行為が施されることを期待し得る。
これら情報伝達機器40に、衝撃度及び傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を発信して、各情報伝達機器40に表示させる場合には、傷害度の程度に応じて、その表示態様を変更するように構成することができる。
例えば、情報伝達機器40がスマートフォンである場合において、傷害度の程度が大きい場合は、スマートフォンの画面に衝撃度及び傷害度を表示させるのみならず、表示させる色を変化させたり、表示を点滅させたり、画面表示のみならず音声表示を行うようにしたり構成することができる。
これにより、傷害度に応じて、情報伝達機器40に表示される衝撃度及び傷害度の表示態様を変更することができることから、傷害度に応じた注意喚起を促すことができる。
次に、発信装置10の制御装置30による衝撃度の算出手順及び算出された衝撃度に基づいた傷害度の推定手順について説明する。
図14は、制御装置30による車両衝突時の衝撃度の算出手順及び算出された衝撃度に基づいた傷害度の推定手順を示したフローチャートである。
例えば、平坦な舗装路をほぼ一定の速度で走行するような通常走行時においては、センサ27Bが検知する荷重Pは極めて小さいことから、荷重分布算出手段31が算出する荷重分布Lに基づいて衝撃度算出手段33が算出する衝撃度も、無視できる程度に小さいものとなる。
従って、この場合は、腰部シートベルト位置判定手段32によって腰部シートベルト21Bが腰骨位置にないと判断されても、算出される衝撃度に実質的な影響が及ぼされることはない。
一方、図14で示すように、ステップS1において車両が衝突することによって、着座者M側から腰部シートベルト21Bに荷重Pが付与されると、ステップS2において、センサ27Bが荷重Pを検知する。
ステップS3において、荷重分布算出手段31は、センサ27Bが検知した着座者Mの腰部及び腹部から付与された荷重Pを、着座者Mの左側部から付与される腰骨領域Rl、着座者Mの右側部から付与される腰骨領域Rr、及び着座者Mの中央部から付与される腹部領域Rcに分布する荷重分布Lとして算出する。
さらに、荷重分布算出手段31は、ステップS3において、荷重分布Lに基づいて、例えば着座者Mの腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lが算出される腹部領域Rcにおける、所定の時間内の荷重Pを積分する。この積分値の係数は、本実施の形態では例えば、Bであると算出される。
その後、ステップS4において、荷重分布算出手段31において得られた荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルト位置検出手段32によって、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあるか否かが判定される。
このステップS4において、荷重分布Lが、予め格納された荷重分布パターンlとほぼ一致する場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定される(係数1)。
この場合、ステップS5において、荷重分布算出手段31で積分された積分値の係数Bと、腰部シートベルト位置判定手段32における腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあるとの判定結果の係数1とが、衝撃度算出手段33によって乗算される。
この乗算によって、ステップS6において、衝撃度が算出される。本実施の形態では、積分値の係数がBであって、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあるとの判定結果(係数1)であることから、衝撃度は「B」であると算出される。
一方、ステップS4において、荷重分布Lが、予め格納された荷重分布パターンlと一致しない場合は、腰部シートベルト位置検出手段32によって、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定される(係数2)。
この場合、ステップS7において、荷重分布算出手段31で積分された積分値の係数Bと、腰部シートベルト位置判定手段32における腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないとの判定結果の係数2とが、衝撃度算出手段33によって乗算される。
この乗算によって、ステップS6において、衝撃度が算出される。本実施の形態では、積分値の係数がBであって、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないとの判定結果(係数2)であることから、衝撃度は2Bであると算出される。
腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定され、算出された衝撃度が「2B」である場合において、ステップS8において、算出された衝撃度2Bが、着座者Mが腰部シートベルト21Bから付与される傷害状況として、通信インターフェース38を介して情報伝達機器40に発信される。
なお、算出された衝撃度は、情報伝達機器40に必ずしも発信されるものではなく、要求に応じて適宜、情報伝達機器40に発信される。
一方、ステップS9において、荷重分布算出手段31において得られた荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルトずれ判定手段34によって、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰部からずれたか否かが判定される。
このステップS9において、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lが、予め設定された荷重分布の変化量の範囲を上回って変化している場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定される(係数2)。
この場合、ステップS10において、衝撃度「2B」と、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないとの判定結果の係数2とが乗算され、衝撃度が「2B」から「4B」へと補正される。
一方、ステップS10において、荷重分布算出手段31で算出された荷重分布Lが、所定の時間の経過後も変化しない、あるいは予め設定された荷重分布の変化量の範囲内での変化である場合は、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定される(係数1)。
この場合、ステップS11において、衝撃度「2B」と、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあるとの判定結果の係数1とが乗算される(衝撃度は「2B」)。
衝撃度が「4B」へと補正された場合において、ステップS12において、荷重分布算出手段31において得られた荷重分布Lに基づいて、着座者体型推定手段35によって、着座者Mの体型が推定される。
このステップS12において、着座者体型推定手段35は、荷重分布算出手段31が算出した荷重分布La〜Lcに基づいて、着座者Mをやせ型、中肉、あるいは太めであると推定し、それぞれの推定結果に応じて係数1〜3として把握する。
ステップS13において、着座者体型推定手段35での推定結果に基づいて、衝撃度「4B」と推定結果の係数とが乗算される。本実施の形態では、着座者体型推定手段35が着座者Mを太めであると推定しており(係数3)、この係数3が衝撃度「4B」に乗算され、衝撃度が「4B」から「12B」へと補正される。
衝撃度が「12B」へと補正された場合において、着座者M側から肩部シートベルト21Aに荷重Pが付与されると、ステップS14において、センサ27Aが荷重Pを検知する。
ステップS15において、肩部荷重分布算出手段36が、センサ27Aが検知した荷重Pを、着座者Mの肩部から胸部に亘った所定の領域における荷重分布として算出し、荷重分布に基づいて、肩部シートベルト21Aの架け渡し方向W1の所定領域における所定の時間内の荷重Pを積分する。積分値は、係数a〜cとして算出される。
係数a〜cとして算出された積分値は、ステップS16において、衝撃度「12B」に乗算される。本実施の形態では、積分値が係数3として算出されており、この係数3が衝撃度「12B」に乗算され、衝撃度が「12B」から「36B」へと補正される。
その後、ステップS17において、補正された衝撃度「36B」が傷害度推定手段37に入力され、ステップS18において、入力された衝撃度「36B」に基づいて傷害度が推定される。
本実施の形態では、入力された「36B」の衝撃度に対応する傷害度である「Z4」を、着座者Mの傷害度として推定する。
推定された傷害度「36B」は、ステップS19において、着座者Mが腰部シートベルト21Bから付与される傷害状況として、通信インターフェース38を介して情報伝達機器40に発信される。
なお、推定された傷害度は、情報伝達機器40に必ずしも発信されるものではなく、要求に応じて適宜、情報伝達機器40に発信される。
上記構成の発信装置10の制御装置30は、車両の衝突によって腰部シートベルト21Bに付与される荷重Pをセンサ27Bが検知し、センサ27Bが検知した着座者Mの腰部及び腹部から付与された荷重Pを、着座者Mの左側部から付与される腰骨領域Rl、着座者Mの右側部から付与される腰骨領域Rr、及び着座者Mの中央部から付与される腹部領域Rcに分布する荷重分布Lとして算出する。
この荷重分布Lに基づいて、衝撃度算出手段33が、着座者Mに付与される衝撃度を算出することができ、かつ算出した衝撃度に基づいて、傷害度推定手段37が、着座者Mの傷害度を推定することができる。
発信装置10は、これら衝撃度及び衝撃度に基づいて推定された傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を情報伝達機器40に発信することから、発信された衝撃度及び傷害度あるいはそのいずれか一方に基づいて、着座者の治療に関する対策を迅速かつ適切に講じることができる。
傷害度は、衝撃度に基づいて推定されるところ、その衝撃度は、衝撃度算出手段33で算出された後に、腰部シートベルトずれ判定手段34、着座者体型推定手段35及び肩部荷重分布算出手段36のそれぞれの結果が係数化されて衝撃度に乗算される。
従って、車両衝突の際の状況を、衝撃度に的確に反映させることができることから、この衝撃度に基づいて推定される傷害度の精度も向上する。
情報伝達機器40は、カーナビゲーションシステム、スマートフォン、テレマティクスシステム(Telematics System)、サーバ用コンピュータの記憶領域等、種々の情報伝達機器によって構成することができる。
従って、発信装置10の使用目的や要求に応じた最適な情報伝達機器に、衝撃度及び衝撃度に基づいて推定された傷害度を共に、あるいはそのいずれか一方を発信することができる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態について、図15及び図16に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、第1実施の形態と異なる荷重分布算出手段の一部の構成、及び衝撃度算出手段の一部の構成のみを説明することとし、その余の構成は第1実施の形態と同様であることから、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、荷重分布算出手段31は、センサ27Bで検知された腰部シートベルト21Bに対して付与される荷重Pの分布を、荷重分布Lとして算出するものである。
図15は、荷重分布算出手段31の作動説明図である。図示のように、荷重分布算出手段31は、荷重分布Lに基づいて、腰部シートベルト21Bの架け渡し方向W2の所定の領域、例えば着座者Mの腹部から付与される荷重Pの荷重分布Lが算出される腹部領域Rcにおける、最大荷重値Xを検出する。
この荷重分布検出手段31には、腰部シートベルト21Bが着座者の腰骨位置に適正に架け渡されている場合における理論的な荷重値が、閾値Tとして予め格納されており、検出した最大荷重値Xから閾値Tが減算されて差分値Δが算出される。
差分値Δは、本実施の形態では、得られた差分値Δに応じて、例えば、差分値Δが負になる場合が係数Aとして把握され、差分値Δが0となる場合が係数Bとして把握され、かつ差分値Δが正となる場合が係数Cとして把握される。
図16は、衝撃度算出手段33の作動説明図である。
図示のように、衝撃度算出手段33は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lの架け渡し方向W2の所定の領域における最大荷重値Xから閾値Tが減算されて算出された差分値Δ、及び腰部シートベルト位置判定手段32による判定結果に基づいて、腰部シートベルト21Bによって着座者Mの腹部に付与される衝撃度を算出する。
荷重分布算出手段31で算出された差分値Δの係数と、腰部シートベルト位置判定手段32で判定された判定結果の係数とが、衝撃度算出手段33によって乗算されて、衝撃度が算出される。
差分値Δの係数がAの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「A」であると算出される。一方、差分値Δの係数がAの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2A」であると算出される。
差分値Δの係数がBの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「B」であると算出される。一方、差分値Δの係数がBの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2B」であると算出される。
同様に、差分値Δの係数がCの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にあると判定された場合(係数1)は、衝撃度は「C」であると算出される。一方、差分値Δの係数がCの場合において、腰部シートベルト21Bが着座者Mの腰骨位置にないと判定された場合(係数2)は、衝撃度は「2C」であると算出される。
上記構成の発信装置10では、衝撃度は、荷重分布算出手段31によって得られた荷重分布Lの架け渡し方向Wの所定の領域における最大荷重値Xから閾値Tが減算されて算出された差分値に基づいて算出されることから、着座者に作用する力学量としての衝撃度を、簡易な演算手法によって良好に算出することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記各実施の形態では、発信装置10が車両に設けられた場合を説明したが、例えば、鉄道車両、航空機あるいは船舶等のシートに設けられていてもよい。
10 発信装置
20 シートベルト装置
21 シートベルト
21A 肩部シートベルト
21B 腰部シートベルト
27A、27B センサ
30 制御装置
31 荷重分布算出手段
32 腰部シートベルト位置判定手段
33 衝撃度算出手段
34 腹部シートベルトずれ判定手段
35 着座者体型推定手段
36 肩部荷重分布算出手段
37 傷害度推定手段
40 情報伝達機器
L 荷重分布
M 着座者
P 荷重
Rl 腰骨領域
Rr 腰骨領域
Rc 腹部領域
W1、W2 架け渡し方向
X 最大荷重値
Δ 差分値

Claims (8)

  1. シートに着座した着座者の腰部に左右に架け渡して装着される腰部シートベルトを有するシートベルト装置の前記腰部シートベルトによって前記着座者に付与される衝撃度及び該衝撃度に基づいて推定される傷害度を共に発信する、あるいはそのいずれか一方を、前記腰部シートベルトから付与される傷害状況として発信する腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置であって、
    前記シートベルト装置は、前記腰部シートベルトに設けられ、前記装着状態における前記着座者から付与される荷重を前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の所定領域で検知するセンサを有し、
    該センサにより検知された前記荷重の前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の荷重分布を算出する荷重分布算出手段と、
    該荷重分布算出手段によって得られた荷重分布に基づいて、前記腰部シートベルトが前記着座者の腰骨位置にあるか否かを判定する腰部シートベルト位置判定手段と、
    前記荷重分布算出手段によって得られた荷重分布の情報及び前記腰部シートベルト位置判定手段による前記判定結果から算出した前記衝撃度に基づいて、前記着座者に付与される前記傷害度を推定する傷害度推定手段と、を有する制御装置を備え、
    情報伝達機器に前記衝撃度及び前記傷害度を共に発信する、あるいはそのいずれか一方を、前記腰部シートベルトから付与される傷害状況として発信することを特徴とする腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記荷重分布算出手段により得られた荷重分布のうち前記腰部シートベルトの左右の架け渡し方向の所定領域における荷重値に所定時間内に予め設定された以上の変化が発生した際に、前記腰部シートベルトが前記着座者の腰骨位置からずれたと判定する腰部シートベルトずれ判定手段を備え、
    前記腰部シートベルトずれ判定手段の判定結果を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする請求項1に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記荷重分布算出手段により得られた荷重分布により前記着座者の体型を推定する着座者体型推定手段を備え、
    該着座者体型推定手段が推定した前記着座者の推定結果を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  4. 前記シートベルト装置は、
    前記シートに着座した前記着座者の上半身を拘束する肩部シートベルトと、
    該肩部シートベルトに入力される荷重を検知する肩部シートベルトセンサと、を備え、
    前記肩部シートベルトセンサが検知した荷重を付加して前記傷害度を推定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  5. 前記情報伝達機器は、
    車載表示装置または多機能型携帯情報端末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  6. 前記情報伝達機器は、
    車両に搭載されて外部と通信する車載通信システムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  7. 前記情報伝達機器は、記憶媒体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
  8. 前記傷害度に応じて、発信される前記衝撃度及び傷害度の表示態様を変更することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の腰部シートベルトによる傷害状況の発信装置。
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