JP5019099B2 - 車両用シートの乗員判別装置 - Google Patents
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Description
エアバッグは、シートベルトと併用することにより、非常時における乗員の保護性能を向上させる。エアバッグのこの機能を最大限に発揮させ、また、無駄な膨張を抑制するためには、シート上の乗員の有無や、乗員の体格などに基づいてエアバッグが制御される。例えば、乗員の体格に基づいて、エアバッグの膨張量が調整される。また、乗員が低年齢の子供の場合などには、膨張による衝撃を防止するために、エアバッグを作動させないように制御される。
このため、シート上の乗員の有無や、乗員の体格などに応じた種別を検出する目的で、当該シートに乗員検出装置が備えられているものもある。
しかし、この認識のために、特許文献1の技術でも利用されている荷重センサ(シート荷重計)に加えて、人体近接センサを備える必要がある。このため、乗員判別装置の規模が大きくなってしまう。
その特徴構成は、前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
前記装着判定手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに強く固着されている可能性がある第1装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに前記第1装着状態よりも弱く固着されている可能性がある第2装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに固着されていない第3装着状態と判定するものであり、
前記乗員判別手段は、
前記第3装着状態において、前記後方荷重に拘らず、前記乗員の種別が大人であると判別し、
前記第1装着状態において、前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が子供であると判別し、
前記第2装着状態において、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が子供であると判別する点にある。
従って、後方荷重比に基づいて、シートへの子供用拘束装置の装着を良好に判定することができる。その結果、子供用拘束装置に着座した子供と、小柄な大人とを混同することなく、シート上の乗員の種別を正確に判別することができる。
更に、理屈上は、着座荷重に基づいて大人と子供の区別など乗員の種別を判別することができる。しかし、実際には、上述したような課題があり、両者を混同する可能性がある。本特徴構成のように、着座荷重による判別に先立ち、後方荷重比に基づいて子供用拘束装置の装着可能性を判定しておくと、より正確に乗員の種別を判別することができる。
本特徴構成によれば、後方荷重比に基づいて、第1装着状態から第3装着状態までの3つの装着状態を判定する。そして、それぞれの装着状態に対応する荷重しきい値に基づいて、乗員の種別を判別する。3つの装着状態に場合分けしているために、混同を生じる可能性のある着座荷重に対しても正確な判別を行うことができる。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
乗員保護装置の制御のために前記乗員判別手段の判別結果が用いられ、
前記乗員判別手段は、
前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも大きい場合には、前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第1の制御を行う第1の種別であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第2の制御を行う第2の種別であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値以下、且つ前記第2荷重しきい値以上の場合には、前記装着判定手段の判定結果に基づいて前記乗員の種別を判別するものであり、
前記装着判定手段は、前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記シートへ前記子供用拘束装置が装着されていると判定し、
前記乗員判別手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きく、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値よりも大きい場合に、前記乗員の種別が前記第1の種別であると判別し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きく、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された前記第2荷重しきい値よりも小さい場合に、前記乗員の種別が前記第2の種別であると判別し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記乗員の種別が前記第1の種別であると判別することを特徴とする。
従って、後方荷重比に基づいて、シートへの子供用拘束装置の装着を良好に判定することができる。その結果、子供用拘束装置に着座した子供と、小柄な大人とを混同することなく、シート上の乗員の種別を正確に判別することができる。
更に、2つの荷重しきい値によって、乗員保護装置の制御に対応した第1の種別と第2の種別とが判別される。2つの荷重しきい値の間には、所定の差があるため、第1の種別と第2の種別とを混同することなく、正確に判別することができる。一方、これら2つの荷重しきい値の間に属する着座荷重(後方荷重)に関しては、第1の種別又は第2の種別の何れの可能性もある。従って、本特徴構成によれば、子供用拘束装置の装着の判定結果に基づいて乗員の種別が判別される。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。そして、その判別結果に基づいて、乗員保護装置は適切に制御されることが可能となる。
また、着座荷重と後方荷重比とを複合的に用いて判別すると、より正確に乗員の種別を判別することができる。例えば、上記のように、後方荷重比に基づき、子供用拘束装置の装着可能性が極めて低い状態(第2比率しきい値以下の場合)を特定すれば、後方荷重に拘わらず、第1の種別であると判別することができる。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
乗員保護装置の制御のために前記乗員判別手段の判別結果が用いられ、
前記装着判定手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに所定値よりも強く固着されている可能性がある第1装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに前記第1装着状態よりも弱く固着されている可能性がある第2装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに固着されていない第3装着状態と判定するものであり、
前記乗員判別手段は、
前記第3装着状態において、前記後方荷重に拘らず、前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第1の制御を行う第1の種別であると判別し、
前記第1装着状態において、前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第2の制御を行う第2の種別であると判別し、
前記第2装着状態において、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記第2の種別であると判別することを特徴とする。
従って、後方荷重比に基づいて、シートへの子供用拘束装置の装着を良好に判定することができる。その結果、子供用拘束装置に着座した子供と、小柄な大人とを混同することなく、シート上の乗員の種別を正確に判別することができる。
更に、着座荷重による判別に先立ち、後方荷重比に基づいて子供用拘束装置の装着可能性を判定しておくと、より正確に乗員の種別を判別することができる。
本特徴構成によれば、後方荷重比に基づいて、第1装着状態から第3装着状態までの3つの装着状態を判定する。そして、それぞれの装着状態に対応する荷重しきい値に基づいて、乗員の種別を判別する。3つの装着状態に場合分けしているために、混同を生じる可能性のある着座荷重に対しても正確な判別を行うことができる。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
前方及び後方荷重は、それぞれ左右に分かれて配置された2つの荷重センサに分散して計測されるので、測定誤差を抑制することができる。従って、シートへの子供用拘束装置の装着を良好に判定することができる。その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
。
第1に、前記乗員判別手段が、以下のように判別することを特徴とする。
前記乗員判別手段は、前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも大きい場合に、前記乗員の種別が大人であると判別する。
また、前記乗員判別手段は、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に、前記乗員の種別が子供であると判別する。
また、前記乗員判別手段は、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値以下、且つ前記第2荷重しきい値以上の場合に、前記装着判定手段の判定結果に基づいて前記乗員の種別を判別する。
第2に、前記装着判定手段が、前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記シートへ前記子供用拘束装置が装着されていると判定することを特徴とする。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
その結果、シート上の乗員の種別を正確に判別することのできる車両用シートの乗員判別装置を提供することができる。
図1は、車両用シート1の斜視図である。図示のシート1は、右ハンドルの車両において助手席側に配置されるものである。図において、左右一対の支持フレーム2は、不図示の車両のフロアに、車両の前後方向(図示X方向)に併設固定されている。各支持フレーム2の上面には、シート1を車両の前後方向にスライド可能にするスライド機構がそれぞれ備えられる。スライド機構を構成するシートレール4の上に、複数の荷重センサ21、22を介して、シートクッション9が設けられる。本例では、シートレール4の前後左右の4箇所に4つの荷重センサ21、22が備えられ、シート1に掛かる荷重が分散して計測される。
RIセンサ21a及びROセンサ21bは、例えば歪ゲージなどの歪検出素子を用いて構成される。そして、シートクッション9に掛かる荷重によって歪ゲージが撓み量を電気的に検出する。また、外力に応じて電荷を発生する圧電体を用いた圧電センサなどを用いてもよい。
下、FIセンサ22aと称す。)と、フロントアウタ(front-outer)荷重センサ22b
(以下、FOセンサ22bと称す。)とが、備えられる。前方荷重センサ22であるFIセンサ22aとFOセンサ22bとは、本発明の第2荷重センサに相当するものである。
FIセンサ22a及びFOセンサ22bは、後方荷重センサ21と同様に、例えば歪ゲージなどの歪検出素子を用いて構成される。そして、シートクッション9に掛かる荷重によって歪ゲージが撓み量を電気的に検出する。また、外力に応じて電荷を発生する圧電体を用いた圧電センサなどを用いてもよい。
このチャイルドシート60は、主に乳幼児が使用するもので、チャイルドシート60は、シートベルト11によりシート1に固着される。
本例のチャイルドシート60は、台座62の上部に子供が着座するシート部64が固定されたものである。台座62には、左右方向に貫通するベルト挿通用の溝62aが設けられている。チャイルドシート60をシート1に装着する際は、まず、台座62をシートクッション9上に載置させ、且つシート部64の背面をシートバック10に密着させる。
前方荷重センサ22は、シートベルト11から離れており、チャイルドシート60がシート1の後方に押し付けられていることから、床方向への荷重は後方に比べて小さい。又は、若干浮き上がり方向の荷重となる場合もある。
ここで、このチャイルドシート60に子供が着座すると、チャイルドシート60の装着による上記荷重に加えて、子供の体重が荷重として加わり、着座荷重となる。
そこで、本発明の乗員判別装置は、後方荷重の比率を示す後方荷重比を求め、この後方荷重比に基づいて、シート1への子供用拘束装置の装着を判定する。
乗員判別装置20は、上述した第1荷重センサ21及び第2荷重センサ22と、乗員判別ECU(electronic control unit)27とを備えている。そして、乗員判別結果を、
エアバッグECU(A/B ECU)30に伝達する。エアバッグECU30は、乗員判別結果
に基づいて、エアバッグ(乗員保護装置)の膨張量などを制御する。
以下、上記各手段により、乗員の種別を判別する処理の形態を説明する。
図5において、A−**で示される分布域は、小柄な大人の着座による分布域を示したものである。C−**で示される分布域は、子供(乳幼児)がチャイルドシート60を利用して着座した場合の分布域である。**−FMは、シート1を最も前方までスライドさせた場合を示し、**−RMは、シート1を最も後方までスライドさせた場合を示す。**−Nは、スライド時における当該シート1のニュートラル位置である。
チャイルドシート60に着座した子供のモデルは例えば次のようなものである。チャイルドシート60は5〜6kgで、チャイルドシート60に着座できる子供の最大重量は18kgである。また、チャイルドシート60を固着する際のシートベルトの張力による荷重は最大12〜3kg程度である。
チャイルドシートを利用して着座した子供による荷重は、上記例の場合、最大で37kgとなる。大人の場合は、床に足を下ろすことから、シート1に全体重が掛からず、上記AF05モデルの場合でも、着座荷重は40kg弱となる場合がある。このような場合、チャイルドシート60を利用して着座する子供と、大人とが混同される可能性がある。
尚、以下、乗員の種別の判別に関して、「子供」と称した場合には、特に断らない限り、「チャイルドシートを利用して着座する子供」を指す。
しかし、後方荷重比を加味すれば、大人と子供との着座荷重(図示では後方荷重)にS1やS2で示すような差を発見することができる。従って、良好にチャイルドシード60の装着を判定すると共に、乗員の種別を判別することができる。
図4に示したように、演算回路25は、センサ信号入力回路23を介して、各荷重センサの計測値(RI、RO、FI、FO)を受け取る(処理#1)。
演算回路25は、これらの計測値の内、後方荷重センサ21(第1荷重センサ)からの計測値を用いて、後方荷重Rを算出する(処理#2)。
演算回路25の後方荷重比演算手段25aは、上記計測値を用いて、シート全体の全体荷重に対する後方荷重Rの比である後方荷重比Pを算出する(処理#3)。このとき、処理#2で算出した後方荷重Rを流用してもよい。
尚、後方荷重比Pは、前方荷重センサ22(第2荷重センサ)からの計測値から求めた前方荷重Fと、後方荷重Rとの比とすることもできる。
尚、本例では、着座荷重として後方荷重Rを利用する例を示したが、前方荷重Fと後方荷重Rとを合算した全体荷重を用いて判別してもよい。
後方荷重比Pが第1比率しきい値PTH1以下の場合には、チャイルドシートの装着がないと判定され、その結果、乗員の種別は大人であると判別される(処理#13、#15)。
演算回路25の装着判定手段25bは、後方荷重比Pに基づいて、チャイルドシート60の装着の可能性を判定する。
装着判定手段25bは、後方荷重比Pが第1比率しきい値PTH1よりも大きい場合には、第1装着状態ST1であると判定する(処理#21、#22)。これは、チャイルドシート60がシート1に強く固着されている可能性がある状態である。
装着判定手段25bは、後方荷重比Pが第1比率しきい値PTH1以下の場合には、第2装着状態ST2であると判定する(処理#21、#23)。これは、チャイルドシートが第1装着状態ST1よりも弱く固着されている可能性がある状態である。
第2装着状態ST2においては、乗員判別手段25cは、後方荷重Rが第2荷重しきい値LTH2よりも小さい場合に乗員の種別が子供であると判別する(処理#25、#27)。後方荷重Rが第2荷重しきい値LTH2以上の場合には、乗員の種別が大人であると判別される(処理#25、#26)。
この領域A−RM−recは、いわゆるイレギュラーな状態であるが、図5〜図7を利用して説明した方法だけでは、子供と判別されてしまう。
そこで、図8に示すように、第1比率しきい値PTH1に対して小さく設定された第2比率しきい値PTH2によって、上述した第2装着状態ST2をさらに分割する。以下、図9に示すフローチャートも用いて説明する。
装着判定手段25bは、後方荷重比Pが第1比率しきい値PTH1以下、且つ第2比率しきい値PTH2よりも大きい場合には、第2装着状態ST20であると判定する(処理#32、#34)。第2比率しきい値PTH2は、第1比率しきい値PTH1に対して小さく設定された値である。第2装着状態ST20は、チャイルドシート60が第1装着状態ST10よりも弱く固着されている可能性がある状態である。
装着判定手段2bは、後方荷重比Pが第2比率しきい値PTH2以下の場合には、チャイルドシート60がシート1に固着されていない第3装着状態ST30と判定する(処理#32、#35)。
第1装着状態ST10においては、乗員判別手段25cは、後方荷重Rが第1荷重しきい値LTH1よりも小さい場合に、乗員の種別が子供であると判別する(処理#36、#39)。後方荷重Rが第1荷重しきい値LTH1以上の場合には、乗員の種別が大人であると判別される(処理#36、#38)。
第2装着状態ST20においては、乗員判別手段25cは、後方荷重Rが第2荷重しきい値LTH2よりも小さい場合に乗員の種別が子供であると判別する(処理#37、#39)。第2荷重しきい値LTH2は、第1荷重しきい値LTH1に対して小さく設定された値である。後方荷重Rが第2荷重しきい値LTH2以上の場合には、乗員の種別が大人であると判別される(処理#37、#38)。
以下、この実施例を図11に示すフローチャートを利用して説明する。
FTH = F(x) = ax + b ・・・(式1)
FTH = F(P) ・・・ (式2)
後方荷重Rが相関しきい値FTHよりも上側にある場合には、装着判定手段25bがチャイルドシートの装着はないと判定し、乗員判別手段25cが乗員の種別が大人であると判別する(処理#43)。
後方荷重Rが相関しきい値FTHよりも下側にある場合には、装着判定手段25bがチャイルドシートの装着ありと判定し、乗員判別手段25cが乗員の種別が子供であると判別する(処理#44)。
そこで、本発明の乗員判別装置は、後方荷重Rの比率を示す後方荷重比Pを求め、この後方荷重比Pに基づいて、シート1へのチャイルドシート60の装着を判定する。
このような荷重の変位は、乗員がシート1上で姿勢を変える場合の変位に比べて非常に大きいため、時系列的に荷重を計測することによって、チャイルドシート60の装着を判定することができる。ただし、チャイルドシート60の装着は、一般的に車両が駐車状態において行われるため、イグニッションスイッチがオフの場合が多い。このとき、荷重センサやECUを働かせるためには、常時供給の電源が必要となる。
また、本実施の形態においては、エアバッグの制御として、通常作動させる第1の制御と、作動させない第2の制御とした。しかし、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、第2の制御をエアバッグの膨張量を通常作動時よりも減少させた制御としてもよい。
20:乗員判別装置
21:後方荷重センサ(第1荷重センサ)
21a:RI(リヤインナ)センサ
21b:RO(リヤアウタ)センサ
22:前方荷重センサ(第2荷重センサ)
22a:FI(フロントインナ)センサ
22b:FO(フロントアウタ)センサ
25a:後方荷重比演算手段
25b:装着判定手段
25c:乗員判別手段
60:チャイルドシート(子供用拘束装置)
LTH1:第1荷重しきい値
LTH2:第2荷重しきい値
PTH1:第1荷重比しきい値
PTH2:第2荷重比しきい値
FTH:相関しきい値
Claims (6)
- 着座荷重に基づいて乗員の種別を判別する乗員判別手段を有する車両用シートの乗員判別装置であって、
前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
前記装着判定手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに強く固着されている可能性がある第1装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに前記第1装着状態よりも弱く固着されている可能性がある第2装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに固着されていない第3装着状態と判定するものであり、
前記乗員判別手段は、
前記第3装着状態において、前記後方荷重に拘らず、前記乗員の種別が大人であると判別し、
前記第1装着状態において、前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が子供であると判別し、
前記第2装着状態において、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が子供であると判別する車両用シートの乗員判別装置。 - 着座荷重に基づいて乗員の種別を判別する乗員判別手段を有する車両用シートの乗員判別装置であって、
前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
乗員保護装置の制御のために前記乗員判別手段の判別結果が用いられ、
前記乗員判別手段は、
前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも大きい場合には、前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第1の制御を行う第1の種別であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第2の制御を行う第2の種別であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値以下、且つ前記第2荷重しきい値以上の場合には、前記装着判定手段の判定結果に基づいて前記乗員の種別を判別するものであり、
前記装着判定手段は、前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記シートへ前記子供用拘束装置が装着されていると判定し、
前記乗員判別手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きく、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値よりも大きい場合に、前記乗員の種別が前記第1の種別であると判別し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きく、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された前記第2荷重しきい値よりも小さい場合に、前記乗員の種別が前記第2の種別であると判別し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記乗員の種別が前記第1の種別であると判別する車両用シートの乗員判別装置。 - 着座荷重に基づいて乗員の種別を判別する乗員判別手段を有する車両用シートの乗員判別装置であって、
前記シートの後方部に備えられ、前記着座荷重の一部である後方荷重を計測する単数又は複数の第1荷重センサと、
前記シートの前方部に備えられ、前記着座荷重の一部である前方荷重を計測する単数又は複数の第2荷重センサと、
前記後方荷重及び前記前方荷重に基づいて、前記後方荷重の比率を示す後方荷重比を演算する後方荷重比演算手段と、
演算された前記後方荷重比に基づいて、前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する装着判定手段と、を備え、
乗員保護装置の制御のために前記乗員判別手段の判別結果が用いられ、
前記装着判定手段は、
前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに所定値よりも強く固着されている可能性がある第1装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第1比率しきい値以下、且つ前記第1比率しきい値に対して小さく設定された第2比率しきい値よりも大きい場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに前記第1装着状態よりも弱く固着されている可能性がある第2装着状態であると判定し、
前記後方荷重比が前記第2比率しきい値以下の場合に、前記子供用拘束装置が前記シートに固着されていない第3装着状態と判定するものであり、
前記乗員判別手段は、
前記第3装着状態において、前記後方荷重に拘らず、前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第1の制御を行う第1の種別であると判別し、
前記第1装着状態において、前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記乗員保護装置の第2の制御を行う第2の種別であると判別し、
前記第2装着状態において、前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が前記第2の種別であると判別する車両用シートの乗員判別装置。 - 前記第1荷重センサは、前記シートの後方部の左右に分かれて配置され、独立して荷重を計測可能な2つの荷重センサから構成され、
前記第2荷重センサは、前記シートの前方部の左右に分かれて配置され、独立して荷重を計測可能な2つの荷重センサから構成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シートの乗員判別装置。 - 前記乗員判別手段は、
前記後方荷重が第1荷重しきい値よりも大きい場合に前記乗員の種別が大人であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値に対して小さく設定された第2荷重しきい値よりも小さい場合に前記乗員の種別が子供であると判別し、
前記後方荷重が前記第1荷重しきい値以下、且つ前記第2荷重しきい値以上の場合には、前記装着判定手段の判定結果に基づいて前記乗員の種別を判別するものであり、
前記装着判定手段は、前記後方荷重比が第1比率しきい値よりも大きい場合に、前記シートへ前記子供用拘束装置が装着されていると判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シートの乗員判別装置。 - 前記装着判定手段は、前記後方荷重と、前記後方荷重比との相関関係を一次関数で表す相関しきい値に基づいて前記シートへの子供用拘束装置の装着を判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シートの乗員判別装置。
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