JP6231360B2 - 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法 - Google Patents
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本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の一態様によれば、食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、中華麺の食感を改良する。食感改良剤のアルギン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムを上述の割合で含むため、中華麺には、弾力性と粘性との両方が与えられる。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様は、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムが、40重量部以上80重量部以下である。
改良剤が、小麦グルテンと、小麦食物繊維と、アルギン酸塩と、を含む。前記アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムは、10重量部以上90重量部以下である。
本開示の技術における中華麺の一態様、および、中華麺の製造方法の一態様によれば、食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、中華麺の食感を改良する。食感改良剤のアルギン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムを本開示技術の割合で含むため、中華麺には、弾力性と粘性との両方が与えられる。
本願発明者らは、中華麺の原材料である小麦粉に対する食感改良剤に含まれるアルギン酸塩の割合と、中華麺の食感との関係を鋭意研究する中で、以下のことを見出した。すなわち、本願発明者らは、小麦粉が100重量部であり、かつ、アルギン酸塩が0.02重量部以上0.50重量部以下であるとき、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられることを見出した。
中華麺の食感改良剤は、小麦グルテン、小麦食物繊維、および、アルギン酸塩を含む。アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとから構成される。
アルギン酸カルシウムは、アルカリ性を有する水溶液の中において、カルシウムを放出する。このカルシウムによって、他のアルギン酸塩が有するカルボキシル基や、小麦粉などに含まれるタンパク質のカルボキシル基とイオン結合などを介して複合体を形成すると考えられる。こうした複合体が中華麺に含まれることにより、アルギン酸カルシウムに由来するアルギン酸は、中華麺の食感を改良することができる。
中華麺は、小麦粉と、上述した食感改良剤とを含む。小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、および、デュラム粉から構成される群から選ばれる少なくとも1つであればよい。小麦粉は、より好ましくは、中力粉、準強力粉、および、強力粉から構成される群から選ばれる少なくとも1つであればよい。
[中華麺の製造方法]
中華麺が製造されるときには、まず、小麦粉と食感改良剤とが混合される。そして、例えば液体状のかん水、食塩、および、酒精が混合されて混合液が生成され、小麦粉と食感改良剤とを混合した混合粉と、混合液とがミキサーを用いて混合される。ミキサーで練った生地が圧延されることによって帯状の麺生地が形成され、帯状の麺生地は複数の層に折りたたまれ、複数の層が隣り合う層と相互に接合する状態で再度圧延される。麺生地は、所定の温度に保たれた環境に所定の時間にわたって静置されることで熟成される。
なお、食感改良剤は、小麦粉と混合されるのではなく、かん水、食塩、および、酒精とから構成される混合液に対して混合されてもよい。
なお、調理中華麺のうち、茹で麺は以下の方法で製造される。すなわち、茹で麺が製造されるときには、まず、上述の方法で製造された生麺が、沸騰水を用いて2分間茹で上げられた後、約1分間水に浸される。そして、浸水した麺が水切りされ、水切りされた茹で麺が、所定の重量ごとに、例えば、180gごとに1つのトレーなどの容器に載せられ、麺の乾燥を抑える包装袋によって包まれた状態で、4℃の冷蔵庫にて保存される。
図1から図10を参照して中華麺用の食感改良剤、および、中華麺の実施例、試験例、および、比較例を説明する。なお、図1から図5、および、図7から図10の各々には、説明の便宜上、中華麺を構成する原材料のうち、中華麺用の食感改良剤、あるいは、食感改良剤の含む原材料と、食感改良剤が混合される小麦粉とのみが示されている。
図1を参照して小麦食物繊維の評価に関する実施例を説明する。
図1が示すように、実施例1から実施例3の中華麺の各々、および、比較例1から比較例3の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
実施例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(Gluvital21020 、カーギルジャパン社製)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、繊維長が30μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600/30、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。
実施例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、繊維長が80μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
実施例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、繊維長が120μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF200、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
比較例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、不溶性大豆食物繊維(ファイブリム2000、デュポン(株)製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
比較例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、水溶性大豆食物繊維(ソヤファイブ(登録商標)S−DN、不二製油(株)製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
比較例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、水溶性ポリデキストロース(スターライト(登録商標)III、テート&ライル社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。
△:中芯感が少し感じられる
○:中芯感が感じられる
◎:中芯感が強く感じられる
[評価]
図1が示すように、実施例1から実施例3のように小麦食物繊維を含む食感改良剤によれば、中華麺の中芯感が強くなり、特に、小麦食物繊維の繊維長が80μmであるとき、中華麺の中芯感が強くなることが認められた。
図2を参照してデンプンの評価に関する試験例を説明する。
図2が示すように、試験例1から試験例6の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
試験例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(クリームテックス75750、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
試験例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
試験例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、エンドウデンプン由来の酸処理デンプン(NSP−EA、日澱化学(株)製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
試験例4の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、コーンデンプン由来のα化リン酸架橋デンプン(テクステイドA FP、イングレディオンジャパン(株)製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
試験例5の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(クリームテックス75725、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
試験例6の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(クリームテックス75729、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、試験例6のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンは、試験例5のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンと比べて、ヒドロキシプロピル基の置換数が小さく、かつ、架橋度が小さい。
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。また、中華麺が同じ条件で茹でられた後、8分間静置されることによって評価用の中華麺が生成された。
△:茹で伸びが感じられる
○:茹で伸びがあまり感じられない
[評価]
図2が示すように、試験例1のヒドロキシプロピルデンプンを含む食感改良剤によれば、中華麺の茹で伸びが抑えられることが認められた。一方、試験例2から試験例6のように、デンプンを含まない食感改良剤、および、他のデンプンを含む食感改良剤では、中華麺の茹で伸びが抑えられないことが認められた。
図3を参照してアルギン酸ナトリウムの評価に関する試験例を説明する。
図3が示すように、試験例7から試験例11の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
試験例7の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−1、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において80mPa・s以上200mPa・s以下である。
試験例8の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−3(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において300mPa・s以上400mPa・s以下である。
試験例9の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−5(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において500mPa・s以上600mPa・s以下である。
試験例10の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において800mPa・s以上900mPa・s以下である。
試験例11の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−S(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において950mPa・s以上1100mPa・s以下である。
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図3が示すように、試験例9のように、粘度が500mPa・s以上600mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合うことが認められた。また、試験例10および試験例11のように、粘度が800mPa・s以上1100mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合い、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
図4を参照してアルギン酸カルシウムの評価に関する試験例を説明する。
図4が示すように、試験例12から試験例15の中華麺の各々が以下の配合で生成された。なお、試験例12、試験例14、および、試験例15にて用いられたアルギン酸カルシウムであるアルギン酸カルシウム調整品1から調整品3は、以下の方法で生成された。
[試験例12]
試験例12の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品1、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において5mPa・sである。なお、アルギン酸カルシウムの10%水溶液の有する20℃での粘度は、1700mPa・sである。
試験例13の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において40mPa・sである。
試験例14の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品2、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において400mPa・sである。
試験例15の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品3、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液が有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において650mPa・sである。
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる。
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる。
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
図4が示すように、試験例12のように、1%水溶液での粘度が5mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合うことが認められた。また、試験例13のように、1%水溶液での粘度が40mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合い、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
図5および図6を参照して、アルギン酸塩におけるアルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの配合比の評価に関する実施例を説明する。
[実施例4]
実施例4の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(クリームテックス75750、カーギルジャパン社製)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが10重量部である。
実施例5の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが30重量部である。
実施例6の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが40重量部である。
実施例7の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが50重量部である。
実施例8の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例9の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが70重量部である。
実施例10の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが80重量部である。
実施例11の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが90重量部である。
比較例4の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。
比較例5の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。
比較例6は、小麦粉のみから構成され、食感改良剤を含まない。
[比較例7]
比較例7の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部であり、塩化カルシウム(塩化カルシウムH、富田製薬(株))が0.01重量部である。
比較例8の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部であり、塩化カルシウム(比較例7と同じ)が0.01重量部である。
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
また、10人の被験者は、各実施例および各比較例について、それぞれを食したときの食感のうち、弾力性と粘性とについて以下の評価基準に基づき1から6の6段階で評価した。なお、弾力性と粘性とのいずれについても、被験者は、強く感じるほど6に近い評価をした。
粘性:麺をかみ切るまでの麺に対する歯の入り難さ
[評価]
図5が示すように、実施例4から実施例11のように、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの両方を含む食感改良剤によれば、比較例4のように、アルギン酸ナトリウムのみを含む食感改良剤と比べて、中華麺にコシが与えられることが認められた。特に、実施例6から実施例10のように、アルギン酸カルシウムが、40重量部以上80重量部以下である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いがさらに高まることが認められた。また、実施例7のように、アルギン酸カルシウムが、50重量部である食感改良剤、および、実施例8のように、アルギン酸カルシウムが、60重量部である食感改良剤によれば、中華麺におけるコシがより強く与えられることが認められた。
図7を参照して、小麦粉に対するアルギン酸塩の配合量の評価に関する実施例を説明する。
実施例12の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.04重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.19重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例13の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.08重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.15重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例14の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.10重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.13重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図7が示すように、実施例13のように、アルギン酸塩が0.08重量部である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、実施例8のように、アルギン酸塩が0.06重量部である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とが高まることが認められた。
図8を参照して、小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
実施例15の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例16の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例17の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例18の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例19の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例20の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。また上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷凍庫にて保存された後、冷蔵庫にて2時間程度保存し、解凍した中華麺を3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図8が示すように、実施例18のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。また、実施例8,16,17のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
図9を参照して、茹で麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
実施例21の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例22の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例23の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例24の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例25の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例26の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例27の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
上述した茹で麺の製造方法によって製造され、1晩冷蔵保存された180gの茹で麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて1分30秒間加熱されることによって、評価用の茹で麺が生成された。また、1晩冷凍保存された180gの茹で麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて3分間加熱されることによって、評価用の茹で麺が生成された。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図9が示すように、実施例25のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。また、実施例22から24のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
図10を参照して、蒸し麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
実施例28の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例29の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例30の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例31の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例32の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例33の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
実施例34の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
上述した蒸し麺の製造方法によって製造され、1晩冷蔵保管された150gの蒸し麺が、フライパンを用いてガスコンロにて3分間加熱されることによって、評価用の蒸し麺が生成された。また、1晩冷凍保管された150gの蒸し麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて3分間加熱されることによって、評価用の蒸し麺が生成された。
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図10が示すように、実施例32のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。実施例29から31のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
(1)食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、アルギン酸カルシウムとは異なる中華麺の食感を改良する。特に、アルギン酸塩が100重量部であり、アルギン酸カルシウムが、10重量部以上90重量部以下であるため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
(3)アルギン酸ナトリウムが、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有するため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
(5)小麦粉が100重量部であり、かつ、アルギン酸塩が0.02重量部以上0.50重量部以下であるため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
Claims (7)
- 小麦グルテンと、
小麦食物繊維と、
アルギン酸塩と、を含み、
前記アルギン酸塩は、
アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
前記アルギン酸カルシウムは、
10重量部以上90重量部以下である
中華麺用の食感改良剤。 - 前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
前記アルギン酸カルシウムは、
40重量部以上80重量部以下である
請求項1に記載の中華麺用の食感改良剤。 - 前記アルギン酸ナトリウムは、前記アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有する
請求項1または2に記載の中華麺用の食感改良剤。 - 前記アルギン酸カルシウムは、前記アルギン酸カルシウムの1%水溶液において400mPa・s以下の粘度を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載の中華麺用の食感改良剤。 - 小麦粉と、
食感改良剤と、を含み、
前記食感改良剤が、
小麦グルテンと、
小麦食物繊維と、
アルギン酸塩と、を含み、
前記アルギン酸塩は、
アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
前記アルギン酸カルシウムは、
10重量部以上90重量部以下である
中華麺。 - 前記小麦粉が100重量部であるとき、
前記アルギン酸塩は、0.02重量部以上0.50重量部以下である
請求項5に記載の中華麺。 - 小麦粉と、食感改良剤とを混合する工程を含み、
前記食感改良剤が、
小麦グルテンと、
小麦食物繊維と、
アルギン酸塩と、を含み、
前記アルギン酸塩は、
アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
前記アルギン酸カルシウムは、
10重量部以上90重量部以下である
中華麺の製造方法。
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