JP6231360B2 - 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法 - Google Patents

中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6231360B2
JP6231360B2 JP2013242086A JP2013242086A JP6231360B2 JP 6231360 B2 JP6231360 B2 JP 6231360B2 JP 2013242086 A JP2013242086 A JP 2013242086A JP 2013242086 A JP2013242086 A JP 2013242086A JP 6231360 B2 JP6231360 B2 JP 6231360B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
alginate
parts
noodles
texture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013242086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015100292A (ja
JP2015100292A5 (ja
Inventor
裕介 奥山
裕介 奥山
健夫 新井
健夫 新井
一磨 大岩
一磨 大岩
雅実 福田
雅実 福田
剛久 大村
剛久 大村
良礼 安竹
良礼 安竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KIMICA CORPORATION
Chiba Flour Milling Co Ltd
Original Assignee
KIMICA CORPORATION
Chiba Flour Milling Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KIMICA CORPORATION, Chiba Flour Milling Co Ltd filed Critical KIMICA CORPORATION
Priority to JP2013242086A priority Critical patent/JP6231360B2/ja
Publication of JP2015100292A publication Critical patent/JP2015100292A/ja
Publication of JP2015100292A5 publication Critical patent/JP2015100292A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6231360B2 publication Critical patent/JP6231360B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本開示の技術は、中華麺の食感を改良するために用いられる中華麺用の食感改良剤、食感改良剤を含む中華麺、および、中華麺の製造方法に関する。
麺類の食感、例えば、硬さ、弾力性、および、滑らかさなどを改良する目的で、麺類用の食感改良剤が広く用いられている。こうした麺類用の食感改良剤のうち、例えば、特許文献1に記載の食感改良剤は、アルギン酸カルシウムを含んでいる。
特開2004−147576号公報
ところで、麺類のうち、特に中華麺には、原料である小麦粉の有する弾力性よりも大きい弾力性が求められ、また小麦粉の有する粘性よりも大きい粘性が求められ、かつ、これら弾力性の向上の度合いと粘性の向上の度合いとが釣り合った食感、すなわち「コシのある食感」が望まれる。
本開示の技術は、中華麺に対して弾力性と粘性とを釣り合いよく与えることのできる中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の一態様は、小麦グルテンと、小麦食物繊維と、アルギン酸塩と、を含み、前記アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムは、10重量部以上90重量部以下である。
中華麺の製造過程において、原料である小麦粉と食感改良剤とを含む混合物には、通常、アルカリ性を示すかん水が加えられる。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の一態様によれば、食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、中華麺の食感を改良する。食感改良剤のアルギン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムを上述の割合で含むため、中華麺には、弾力性と粘性との両方が与えられる。
本願発明者らは、特に、アルギン酸塩が100重量部であって、アルギン酸カルシウムが、10重量部以上90重量部以下であるとき、中華麺に弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられることを見出した。
この点で、本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の一態様は、アルギン酸カルシウムを上述の割合で含むため、中華麺での弾力性と粘性との釣り合いが保たれる。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様は、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムが、40重量部以上80重量部以下である。
本願発明者らは、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを含む食感改良剤が、中華麺に与える食感を鋭意研究する中で、以下のことを見出した。すなわち、本願発明者らは、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが、40重量部以上80重量部以下であるとき、中華麺に対して弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられ、かつ、弾力性と粘性とが高まることを見出した。
この点で、本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様によれば、アルギン酸塩に対するアルギン酸カルシウムの配合量が、上述の範囲であるため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられ、かつ、弾力性と粘性とが高まる。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様は、前記アルギン酸ナトリウムは、前記アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有する。
本願発明者らは、中華麺の食感とアルギン酸ナトリウムの粘度との関係について鋭意研究する中で、以下のことを見出した。すなわち、本願発明者らは、アルギン酸ナトリウムが、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有するとき、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられることを見出した。
この点で、本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様によれば、アルギン酸ナトリウムが、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において上述の範囲の粘度を有するため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様は、前記アルギン酸カルシウムは、前記アルギン酸カルシウムの1%水溶液において400mPa・s以下の粘度を有する。
本願発明者らは、中華麺の食感とアルギン酸カルシウムの粘度との関係について鋭意研究する中で、以下のことを見出した。すなわち、本願発明者らは、アルギン酸カルシウムが、アルギン酸カルシウムの1%水溶液において400mPa・s以下の粘度を有するとき、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられることを見出した。
本開示の技術における中華麺用の食感改良剤の他の態様によれば、アルギン酸カルシウムの1%水溶液において上述の範囲の粘度を有するため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
本開示の技術における中華麺の一態様は、小麦粉と、食感改良剤と、を含み、前記食感
改良剤が、小麦グルテンと、小麦食物繊維と、アルギン酸塩と、を含む。前記アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムは、10量部以上90量部以下である。
本開示の技術における中華麺の製造方法の一態様は、小麦粉と、食感改良剤とを混合する工程と含み、前記食感改良剤が、小麦グルテンと、小麦食物繊維と、アルギン酸塩と、を含む。前記アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、前記アルギン酸カルシウムは、10重量部以上90重量部以下である。
中華麺の製造過程において、原料である小麦粉と食感改良剤とを含む混合物には、通常、アルカリ性を示すかん水が加えられる。
本開示の技術における中華麺の一態様、および、中華麺の製造方法の一態様によれば、食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、中華麺の食感を改良する。食感改良剤のアルギン酸カルシウムとアルギン酸ナトリウムを本開示技術の割合で含むため、中華麺には、弾力性と粘性との両方が与えられる。
本願発明者らは、特に、アルギン酸塩が100重量部であって、アルギン酸カルシウムが、10重量部以上90重量部以下であるとき、中華麺に弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられることを見出した。
この点で、本開示の技術における中華麺の一態様、および、中華麺の製造方法の一態様は、アルギン酸カルシウムを上述の割合で含んだ食感改良剤を含むため、中華麺での弾力性と粘性との釣り合いが保たれる。
本開示の技術における中華麺の他の態様は、前記小麦粉が100重量部であるとき、前記アルギン酸塩が、0.02重量部以上0.50重量部以下である。
本願発明者らは、中華麺の原材料である小麦粉に対する食感改良剤に含まれるアルギン酸塩の割合と、中華麺の食感との関係を鋭意研究する中で、以下のことを見出した。すなわち、本願発明者らは、小麦粉が100重量部であり、かつ、アルギン酸塩が0.02重量部以上0.50重量部以下であるとき、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられることを見出した。
この点で、本開示の技術における中華麺の他の態様によれば、小麦粉に対するアルギン酸塩の配合率が上述の範囲であるため、弾力性と粘性とが中華麺に対して釣り合いよく与えられる。
食物繊維と中華麺の食感との関係を示す表である。 加工デンプンと中華麺の食感との関係を示す表である。 アルギン酸ナトリウムの粘度と中華麺の食感との関係を示す表である。 アルギン酸カルシウムの粘度と中華麺の食感との関係を示す表である。 アルギン酸塩におけるアルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの配合比と中華麺の食感との関係を示す表である。 アルギン酸塩におけるアルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの配合比と中華麺の食感との関係を示すグラフである。 小麦粉に対するアルギン酸塩の配合量と中華麺の食感との関係を示す表である。 生麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量と生麺の食感との関係を示す表である。 茹で麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量と茹で麺の食感との関係を示す表である。 蒸し麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量と蒸し麺の食感との関係を示す表である。
図1から図10を参照して、中華麺用の食感改良剤、および、中華麺の各々の一実施形態を説明する。以下では、中華麺の食感改良剤、中華麺、中華麺の製造方法、および、実施例を順に説明する。
[食感改良剤]
中華麺の食感改良剤は、小麦グルテン、小麦食物繊維、および、アルギン酸塩を含む。アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとから構成される。
小麦グルテンは、活性グルテン、変性グルテン、グルテンから分離されたグルテニンやグリアジン、および、グルテン加水分解物などから構成される群から選ばれる少なくとも1つのグルテンを含み、活性グルテンを含むことが好ましい。また、小麦グルテンは、主に冷凍された状態であるウエット品と粉末品とのうち、扱いやすさなどの点から粉末品であることが好ましい。活性グルテンは、気流乾燥法(フラッシュドライ)、噴霧乾燥法(スプレードライ)、真空乾燥法、および、凍結乾燥法のいずれの方法で生成されてもよい。変性グルテンは、活性グルテンを、例えば、酸、アルカリ、酸化剤、あるいは、還元剤などで処理をしたものである。
小麦食物繊維は、小麦を原材料とする食物繊維であり、不溶性の食物繊維であることが好ましい。小麦食物繊維の繊維長は、特に限定されず、例えば、繊維長が30μm以上120μm以下であることが好ましい。
アルギン酸ナトリウムは、褐藻類などの天然物に由来するものであってもよいし、化学的に合成したものであってもよい。アルギン酸ナトリウムは公知の方法により得ることができ、例えば、アルギン酸ナトリウムのうち、高分子のアルギン酸ナトリウムは以下の方法により得ることができる。
すなわち、高分子のアルギン酸ナトリウムが製造されるときには、まず、高分子のアルギン酸を多く含む褐藻類などの原藻が希硫酸で洗浄された後、高分子のアルギン酸が炭酸ナトリウム溶液を用いて原藻から抽出される。そして、この抽出液に硫酸が加えられることによって、高分子のアルギン酸が沈殿する。このアルギン酸がイオン交換されることにより、高分子のアルギン酸ナトリウムが得られる。
一方、低分子のアルギン酸ナトリウムは、高分子のアルギン酸が低分子化された後、イオン交換されることによって得ることができ、また、高分子のアルギン酸がイオン交換された後、低分子化されることによっても得ることができる。
高分子のアルギン酸を低分子化する方法には、高分子のアルギン酸に酵素を反応させる方法、高分子のアルギン酸に次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素などを反応させる方法、高分子のアルギン酸を熱分解する方法、および、高分子のアルギン酸を加圧分解する方法などがある。
アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において、1mPa・s以上2000mPa・s以下であり、好ましくは300mPa・s以上1100mPa・s以下であり、さらに好ましくは500mPa・s以上1100mPa・s以下である。アルギン酸ナトリウムの平均分子量、および、分子量分布は、アルギン酸ナトリウムの粘度が上述した範囲に含まれていれば特に限定されない。
アルギン酸ナトリウムは、β−D−マンヌロン酸と、α−L−グルロン酸とから構成され、アルギン酸ナトリウムにおけるβ−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸との割合や、これらの配列順序は特に制限されない。つまり、アルギン酸ナトリウムは、β−D−マンヌロン酸のみから構成されるブロック、α−L−グルロン酸のみから構成されるブロック、および、β−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸とが混ざっているブロックのうちのすべてを有してもよい。あるいは、アルギン酸ナトリウムは、3つのブロックのうちのいずれか1種類または2種類から構成されてもよい。
アルギン酸ナトリウムは、その機能が損なわれない程度に、官能基や架橋構造を有していてもよい。アルギン酸ナトリウムは、水溶液中にて、多価の陽イオンである例えばカルシウムイオン、鉄イオン、および、アルミニウムイオンなどを介して、他のアルギン酸塩が有するカルボキシル基や、小麦粉などに含まれるタンパク質のカルボキシル基とイオン結合などを介して複合体を形成すると考えられる。こうした複合体が中華麺に含まれることにより、アルギン酸ナトリウムに由来するアルギン酸は、アルギン酸カルシウムに由来するアルギン酸が改良する中華麺の食感とは異なる中華麺の食感を改良することができる。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸ナトリウムと同様、褐藻類などの天然物に由来するものであってもよいし、化学的に合成したものであってもよい。アルギン酸カルシウムは公知の方法により得ることができ、例えば、アルギン酸カルシウムのうち、高分子のアルギン酸カルシウムは以下の方法により得ることができる。
すなわち、高分子のアルギン酸カルシウムが製造されるときには、まず、高分子のアルギン酸を多く含む褐藻類などの原藻が希硫酸で洗浄された後、高分子のアルギン酸が炭酸ナトリウム溶液を用いて原藻から抽出される。そして、この抽出液に硫酸が加えられることによって、高分子のアルギン酸が沈殿する。このアルギン酸がイオン交換されることにより、高分子のアルギン酸カルシウムが得られる。
一方、低分子のアルギン酸カルシウムは、高分子のアルギン酸が低分子化された後、イオン交換されることによって得ることができ、また、高分子のアルギン酸がイオン交換された後、低分子化されることによっても得ることができる。
高分子のアルギン酸を低分子化する方法には、高分子のアルギン酸に酵素を反応させる方法、高分子のアルギン酸に次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素などを反応させる方法、高分子のアルギン酸を熱分解する方法、および、高分子のアルギン酸を加圧分解する方法などがある。
アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において400mPa・s以下である。なお、アルギン酸カルシウムの粘度は、1%炭酸ナトリウム水溶液を溶媒とするときの1%水溶液の粘度である。アルギン酸カルシウムの平均分子量、および、分子量分布は、アルギン酸カルシウムの粘度が上述した範囲に含まれていれば特に限定されない。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸ナトリウムと同様、β−D−マンヌロン酸と、α−L−グルロン酸とから構成され、アルギン酸ナトリウムにおけるβ−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸との割合や、これらの配列順序は特に制限されない。つまり、アルギン酸カルシウムは、β−D−マンヌロン酸のみから構成されるブロック、α−L−グルロン酸のみから構成されるブロック、および、β−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸とが混ざっているブロックのうちのすべてを有してもよい。あるいは、アルギン酸カルシウムは、3つのブロックのうちのいずれか1種類または2種類から構成されてもよい。
アルギン酸カルシウムは、アルギン酸ナトリウム同様、その機能が損なわれない程度に、官能基や架橋構造を有していてもよい。
アルギン酸カルシウムは、アルカリ性を有する水溶液の中において、カルシウムを放出する。このカルシウムによって、他のアルギン酸塩が有するカルボキシル基や、小麦粉などに含まれるタンパク質のカルボキシル基とイオン結合などを介して複合体を形成すると考えられる。こうした複合体が中華麺に含まれることにより、アルギン酸カルシウムに由来するアルギン酸は、中華麺の食感を改良することができる。
上述したように、食感改良剤の含むアルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとから構成される。アルギン酸塩では、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが、好ましくは10重量部以上90重量部以下である。アルギン酸カルシウムは、より好ましくは40重量部以上80重量部以下であり、さらに好ましくは50重量部以上60重量部以下である。アルギン酸カルシウムが、50量部以上60量部以下であるとき、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとによる弾力性と粘性とが中華麺に対して釣り合いよく与えられ、かつ、弾力性と粘性とが高まる。
食感改良剤は、デンプンを含んでもよく、デンプンは、天然デンプンであってもよいし、加工デンプンであってもよい。天然デンプンは、例えば、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、コーンデンプン、小麦デンプン、米デンプンなどである。加工デンプンは、天然デンプンに、物理的、酵素的、または、化学的な処理が施されたデンプンであり、例えば、アセチル化、酸化、エステル化、エーテル化、酸処理、アルカリ処理、漂白処理、酵素処理、架橋処理、および、α化などの加工が施されたデンプンである。食感改良剤は、これら天然デンプンおよび加工デンプンを含む群から選ばれる少なくとも1つを含むことができる。
[中華麺]
中華麺は、小麦粉と、上述した食感改良剤とを含む。小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、および、デュラム粉から構成される群から選ばれる少なくとも1つであればよい。小麦粉は、より好ましくは、中力粉、準強力粉、および、強力粉から構成される群から選ばれる少なくとも1つであればよい。
中華麺は、小麦粉以外の穀粉を含んでもよく、穀粉は、例えば、大麦粉、そば粉、米粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、コーンフラワー、および、大豆粉などから構成される群から選ばれる少なくとも1つである。
中華麺は、かん水を含み、かん水は、粉末状であってもよいし、液体状であってもよい。かん水は、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、および、リン酸三カリウムなどから構成される群から選ばれる少なくとも1つである。
中華麺においては、小麦粉が100重量部であるとき、食感改良剤は好ましくは0.5重量部以上5.0重量部以下であり、より好ましくは、1.0量部以上3.0量部以下である。食感改良剤が0.5重量部以上であるとき、食感改良剤による中華麺の弾力性および粘性を高める効果が得られやすい。一方、食感改良剤が5.0量部以下であるとき、中華麺に与えられる弾力性および粘性の各々が、高くなり過ぎず、中華麺特有の程良い弾力性および粘性になる。
なお、食感改良剤は、小麦粉が100重量部であるとき、0.5重量部未満であってもよいし、5.0重量部よりも大きくてもよい。これらの場合であっても、中華麺が、上述した配合比のアルギン酸を含む食感改良剤を含むことにより、中華麺には、弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられる。
食感改良剤に含まれるアルギン酸塩は、小麦粉が100重量部であるとき、好ましくは0.02重量部以上0.5重量部以下であり、より好ましくは0.04重量部以上0.3重量部以下である。アルギン酸塩が、0.02重量部以上であるとき、食感改良剤による中華麺の粘弾性を高める効果が得られやすい。一方、アルギン酸塩が、0.5重量部以下であるとき、中華麺に与えられる弾力性および高い粘性の各々が、高くなり過ぎず、中華麺特有の程良い弾力性および粘性になる。
なお、アルギン酸塩は、小麦粉が100重量部であるとき、0.02重量部未満であってもよいし、0.5重量部よりも大きくてもよい。これらの場合であっても、中華麺が、上述の配合比のアルギン酸塩を含む食感改良剤を含むことにより、中華麺には、弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられる。
中華麺は、麺改良剤、乳化剤、増粘安定剤、酸化防止剤、着色料、pH調整剤、アミノ酸類、核酸類、有機酸類、無機酸類、および、強化剤などを含んでもよい。麺改良剤は、例えば、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酵素などである。乳化剤は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、植物レシチン、酵素処理植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウムなどである。
増粘安定剤は、例えば、アラビアガム、カードラン、カラギナン、カラヤガム、カロブビーンガム、キサンタンガム、キトサン、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、ペクチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどである。酸化防止剤は、例えば、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物などである。
着色料は、アナトー色素、イカスミ色素、ウコン色素、カラメルI、カラメルIII、カラメルIV、クチナシ青色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素、デュナリエラカロテン、トウガラシ色素、パーム油カロテン、ビートレッド、ベニコウジ色素、ベニバナ色素、マリーゴールド色素などである。pH調整剤は、クエン酸、DL−リンゴ酸などである。アミノ酸類は、DL−アラニン、L−アルギニン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、L−プロリン、DL−メチオニン、L−リジン塩酸塩などである。
核酸類は、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウムなどである。有機酸類は、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、L−酒石酸水素カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸−ナトリウムなどである。無機酸類は、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどである。強化剤は、カルシウム塩、焼成カルシウム、ビタミンB、ビタミンBなどである。
なお、中華麺は、食塩、醤油、味噌、酵母エキス、および、エチルアルコール(酒精)などのその他の食品原料を含んでもよい。
[中華麺の製造方法]
中華麺が製造されるときには、まず、小麦粉と食感改良剤とが混合される。そして、例えば液体状のかん水、食塩、および、酒精が混合されて混合液が生成され、小麦粉と食感改良剤とを混合した混合粉と、混合液とがミキサーを用いて混合される。ミキサーで練った生地が圧延されることによって帯状の麺生地が形成され、帯状の麺生地は複数の層に折りたたまれ、複数の層が隣り合う層と相互に接合する状態で再度圧延される。麺生地は、所定の温度に保たれた環境に所定の時間にわたって静置されることで熟成される。
熟成された麺生地は、再び圧延されて所定の厚さに引き延ばされた後、麺生地から、所定の幅、例えば1.4mmの幅を有する複数の麺が切り出される。
なお、食感改良剤は、小麦粉と混合されるのではなく、かん水、食塩、および、酒精とから構成される混合液に対して混合されてもよい。
また、上述の方法にて製造された未加熱の中華麺に限らず、切り出し後に、例えば、茹で上げ、蒸し上げなどの加熱工程を経て製造された調理中華麺であっても、上述した未加熱の中華麺の1つである生中華麺と同等の効果が得られる。中華麺には、未加熱の中華麺と、調理中華麺とが含まれる。
未加熱の中華麺には、生麺、半乾燥生麺、乾燥麺などが含まれる。調理中華麺には、茹で麺、蒸し麺などが含まれる。また、かん水を含む帯形状を有する麺、例えば、生ワンタン用皮であっても、上述した方法にて製造された中華麺と同等の効果を得ることができる。
なお、中華麺のうち、生麺は、上述の方法にて製造された後、冷蔵保存、もしくは、冷凍保存された麺である。乾燥麺は、生麺が乾燥された麺であり、半乾燥生麺は、生麺が生麺と乾燥麺との間の水分量を有する状態に乾燥された麺である。
茹で麺は、生麺が茹で上げられた後、冷蔵保存、もしくは、冷凍保存された麺である。蒸し麺は、生麺が蒸し上げられた後、冷蔵保存、もしくは、冷凍保存された麺である。
なお、調理中華麺のうち、茹で麺は以下の方法で製造される。すなわち、茹で麺が製造されるときには、まず、上述の方法で製造された生麺が、沸騰水を用いて2分間茹で上げられた後、約1分間水に浸される。そして、浸水した麺が水切りされ、水切りされた茹で麺が、所定の重量ごとに、例えば、180gごとに1つのトレーなどの容器に載せられ、麺の乾燥を抑える包装袋によって包まれた状態で、4℃の冷蔵庫にて保存される。
あるいは、上述の方法で製造された生麺が、沸騰水を用いて2分間茹で上げられた後、約1分間水に浸される。そして、浸水した麺が水切りされ、水切りされた茹で麺が、所定の重量ごとに、例えば、180gごとに1つのトレーなどの容器に載せられ、−30℃にて急速冷凍される。冷凍された麺が、麺の乾燥を抑える包装袋によって包まれ、−18℃の冷凍庫にて保存される。これにより、茹で麺が得られる。
また、調理中華麺のうち、蒸し麺は以下の方法で製造される。すなわち、蒸し麺が製造されるときには、まず、上述の方法で製造された生麺が、6分間蒸し上げられた後、約1分間水に浸される。そして、浸水した麺が水切りされ、水切りされた蒸し麺が、所定の重量ごとに、例えば、150gごとに1つのトレーなどの容器に載せられ、麺の乾燥を抑える包装袋によって包まれた状態で、4℃の冷蔵庫にて保存される。
あるいは、上述の方法で製造された生麺が、6分間蒸し上げられた後、約1分間水に浸される。そして、浸水した麺が水切りされ、水切りされた蒸し麺が、所定の重量ごとに、例えば、150gごとに1つのトレーなどの容器に載せられ、−30℃にて急速冷凍される。冷凍された麺が、麺の乾燥を抑える包装袋によって包まれ、−18℃の冷凍庫にて保存される。これにより、蒸し麺が得られる。なお、蒸し麺のうち、例えば焼きそばのように味の付けられた麺の場合、ソースなどで味付けする調理が水切りされた蒸し麺に対して行われた後、所定の重量ごとに、1つのトレーなどの容器に載せられてもよい。
[実施例]
図1から図10を参照して中華麺用の食感改良剤、および、中華麺の実施例、試験例、および、比較例を説明する。なお、図1から図5、および、図7から図10の各々には、説明の便宜上、中華麺を構成する原材料のうち、中華麺用の食感改良剤、あるいは、食感改良剤の含む原材料と、食感改良剤が混合される小麦粉とのみが示されている。
[小麦食物繊維]
図1を参照して小麦食物繊維の評価に関する実施例を説明する。
図1が示すように、実施例1から実施例3の中華麺の各々、および、比較例1から比較例3の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
[実施例1]
実施例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(Gluvital21020 、カーギルジャパン社製)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、繊維長が30μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600/30、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。
[実施例2]
実施例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、繊維長が80μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[実施例3]
実施例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、繊維長が120μmである不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF200、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[比較例1]
比較例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、不溶性大豆食物繊維(ファイブリム2000、デュポン(株)製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[比較例2]
比較例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、水溶性大豆食物繊維(ソヤファイブ(登録商標)S−DN、不二製油(株)製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[比較例3]
比較例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.92重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、水溶性ポリデキストロース(スターライト(登録商標)III、テート&ライル社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[食感の評価方法]
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。
10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、中華麺の食感勾配であって、各麺の外周に比べて中心が硬い食感である中芯感を以下の評価基準に基づき評価した。
×:中芯感が感じられない
△:中芯感が少し感じられる
○:中芯感が感じられる
◎:中芯感が強く感じられる
[評価]
図1が示すように、実施例1から実施例3のように小麦食物繊維を含む食感改良剤によれば、中華麺の中芯感が強くなり、特に、小麦食物繊維の繊維長が80μmであるとき、中華麺の中芯感が強くなることが認められた。
これに対し、比較例1の不溶性大豆食物繊維を含む食感改良剤によれば、中華麺に中芯感が与えられるものの、不溶性大豆食物繊維の効果は、小麦食物繊維によって得られる効果よりも小さいことが認められた。一方、比較例2の水溶性大豆食物繊維を含む食感改良剤や、比較例3のポリデキストロースを含む食感改良剤では、中華麺に中芯感が与えられないことが認められた。
[デンプン]
図2を参照してデンプンの評価に関する試験例を説明する。
図2が示すように、試験例1から試験例6の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
[試験例1]
試験例1の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(クリームテックス75750、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[試験例2]
試験例2の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[試験例3]
試験例3の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、エンドウデンプン由来の酸処理デンプン(NSP−EA、日澱化学(株)製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[試験例4]
試験例4の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、コーンデンプン由来のα化リン酸架橋デンプン(テクステイドA FP、イングレディオンジャパン(株)製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[試験例5]
試験例5の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(クリームテックス75725、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。
[試験例6]
試験例6の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.79重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン(クリームテックス75729、カーギルジャパン社製)が0.15重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、試験例6のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンは、試験例5のヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンと比べて、ヒドロキシプロピル基の置換数が小さく、かつ、架橋度が小さい。
[食感の評価方法]
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。また、中華麺が同じ条件で茹でられた後、8分間静置されることによって評価用の中華麺が生成された。
10人の被験者は、茹でられた直後の評価用の中華麺と、茹でられてから時間が経過した評価用の中華麺とを食し、食したときの中華麺の食感、特に、中華麺に茹で伸びがあるか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:茹で伸びが強く感じられる
△:茹で伸びが感じられる
○:茹で伸びがあまり感じられない
[評価]
図2が示すように、試験例1のヒドロキシプロピルデンプンを含む食感改良剤によれば、中華麺の茹で伸びが抑えられることが認められた。一方、試験例2から試験例6のように、デンプンを含まない食感改良剤、および、他のデンプンを含む食感改良剤では、中華麺の茹で伸びが抑えられないことが認められた。
[アルギン酸ナトリウム]
図3を参照してアルギン酸ナトリウムの評価に関する試験例を説明する。
図3が示すように、試験例7から試験例11の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
[試験例7]
試験例7の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−1、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において80mPa・s以上200mPa・s以下である。
[試験例8]
試験例8の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−3(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において300mPa・s以上400mPa・s以下である。
[試験例9]
試験例9の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−5(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において500mPa・s以上600mPa・s以下である。
[試験例10]
試験例10の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において800mPa・s以上900mPa・s以下である。
[試験例11]
試験例11の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸ナトリウム(キミカアルギンI−S(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとを1:1の割合で含む。また、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において950mPa・s以上1100mPa・s以下である。
[食感の評価方法]
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図3が示すように、試験例9のように、粘度が500mPa・s以上600mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合うことが認められた。また、試験例10および試験例11のように、粘度が800mPa・s以上1100mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合い、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
これに対し、試験例8のように、粘度が300mPa・s以上400mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、コシが感じられるものの、弾力性と粘性との釣り合いが取れていないことが認められた。また、試験例7のように、80mPa・s以上200mPa・s以下であるアルギン酸ナトリウムを含む食感改良剤によれば、中華麺に対してコシがあまり与えられないことが認められた。
なお、試験例7の中華麺であっても、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムを含まない中華麺と比べて、中華麺に対してコシが与えられることは、本願発明者らによって認められている。
[アルギン酸カルシウム]
図4を参照してアルギン酸カルシウムの評価に関する試験例を説明する。
図4が示すように、試験例12から試験例15の中華麺の各々が以下の配合で生成された。なお、試験例12、試験例14、および、試験例15にて用いられたアルギン酸カルシウムであるアルギン酸カルシウム調整品1から調整品3は、以下の方法で生成された。
すなわち、各試験例では、まず、互いに異なる粘度を有するアルギン酸ナトリウムが水に溶解され、アルギン酸ナトリウムが溶解した水溶液に塩化カルシウムが加えられ、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの混合液が生成された。そして、混合液が一晩撹拌によって混合され、沈殿したアルギン酸カルシウムが分離された。なお、各試験例で用いられたアルギン酸ナトリウムのうち、試験例12のアルギン酸ナトリウムの粘度が最も低く、試験例15のアルギン酸ナトリウムの粘度が最も高い。
なお、アルギン酸カルシウム調整品1から調整品3の調整に使用された塩化カルシウムは、乳酸カルシウムなどの水溶性のカルシウム塩に置き換えることが可能である。また、アルギン酸カルシウム調整品1から調整品3を調整する方法も、上述以外の方法を用いることが可能である。
試験例12から試験例15にて用いられたアルギン酸カルシウムの粘度は、1%炭酸ナトリウム水溶液を溶媒とする1%水溶液を用いて測定された。
[試験例12]
試験例12の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品1、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において5mPa・sである。なお、アルギン酸カルシウムの10%水溶液の有する20℃での粘度は、1700mPa・sである。
[試験例13]
試験例13の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において40mPa・sである。
[試験例14]
試験例14の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品2、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液の有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において400mPa・sである。
[試験例15]
試験例15の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.94重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製、アルギン酸カルシウム調整品3、(株)キミカによる調整品)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩は、実施例1と同じ配合である。また、アルギン酸カルシウムの1%水溶液が有する20℃での粘度は、B型粘度計の測定において650mPa・sである。
[食感の評価方法]
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる。
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる。
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図4が示すように、試験例12のように、1%水溶液での粘度が5mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合うことが認められた。また、試験例13のように、1%水溶液での粘度が40mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性とが釣り合い、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
これに対し、試験例14のように、粘度が400mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、コシが感じられるものの、弾力性と粘性との釣り合いが取れていないことが認められた。また、試験例15のように、650mPa・sであるアルギン酸カルシウムを含む食感改良剤によれば、中華麺に対してコシがあまり与えられないことが認められた。
なお、試験例15の中華麺であっても、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムを含まない中華麺と比べて、中華麺に対してコシが与えられることは、本願発明者らによって認められている。
[アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの配合比]
図5および図6を参照して、アルギン酸塩におけるアルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの配合比の評価に関する実施例を説明する。
図5が示すように、実施例4から実施例11の中華麺の各々、比較例4から比較例8の中華麺の各々が以下の配合で生成された。
[実施例4]
実施例4の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(クリームテックス75750、カーギルジャパン社製)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(ビタセルWF600、Fiニュートリション社製)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが10重量部である。
[実施例5]
実施例5の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが30重量部である。
[実施例6]
実施例6の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが40重量部である。
[実施例7]
実施例7の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが50重量部である。
[実施例8]
実施例8の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例9]
実施例9の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが70重量部である。
[実施例10]
実施例10の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが80重量部である。
[実施例11]
実施例11の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが90重量部である。
[比較例4]
比較例4の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。
[比較例5]
比較例5の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。
[比較例6]
比較例6は、小麦粉のみから構成され、食感改良剤を含まない。
[比較例7]
比較例7の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンI−8(アルギン酸ナトリウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部であり、塩化カルシウム(塩化カルシウムH、富田製薬(株))が0.01重量部である。
[比較例8]
比較例8の食感改良剤においては、小麦粉の質量が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(キミカアルギンCAW−80(アルギン酸カルシウム)、(株)キミカ製)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部であり、塩化カルシウム(比較例7と同じ)が0.01重量部である。
[食感の評価方法]
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
また、10人の被験者は、各実施例および各比較例について、それぞれを食したときの食感のうち、弾力性と粘性とについて以下の評価基準に基づき1から6の6段階で評価した。なお、弾力性と粘性とのいずれについても、被験者は、強く感じるほど6に近い評価をした。
弾力性:麺を噛むときの咀嚼の強度
粘性:麺をかみ切るまでの麺に対する歯の入り難さ
[評価]
図5が示すように、実施例4から実施例11のように、アルギン酸ナトリウムとアルギン酸カルシウムとの両方を含む食感改良剤によれば、比較例4のように、アルギン酸ナトリウムのみを含む食感改良剤と比べて、中華麺にコシが与えられることが認められた。特に、実施例6から実施例10のように、アルギン酸カルシウムが、40重量部以上80重量部以下である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いがさらに高まることが認められた。また、実施例7のように、アルギン酸カルシウムが、50重量部である食感改良剤、および、実施例8のように、アルギン酸カルシウムが、60重量部である食感改良剤によれば、中華麺におけるコシがより強く与えられることが認められた。
図6が示すように、実施例4(P4)から実施例11(P11)、比較例4(C4)、比較例5(C5)、比較例7(C7)、および、比較例8(C8)のいずれによっても、食感改良剤を含まない中華麺である比較例6(C6)と比べて、食感改良剤が、中華麺に対して弾力性と粘性との両方を与えることが認められた。
ただし、比較例4(C4)および比較例7(C7)の食感改良剤は、中華麺に対して高い粘性を与える一方、中華麺に対して与える弾力性が小さい。これに対して、比較例5(C5)および比較例8(C8)の食感改良剤は、中華麺に対して高い弾力性を与える一方、与える弾力性に対する粘性の比が小さい。このように、比較例4(C4)、比較例5(C5)、比較例7(C7)、および、比較例8(C8)の食感改良剤によれば、中華麺に対して弾力性と粘性とが釣り合いよく与えられない。
これに対して、実施例4(P4)から実施例11(P11)の食感改良剤の各々によれば、より釣り合いの取れた状態で、中華麺に対して弾力性と粘性とが与えられることが認められた。特に、実施例6(P6)から実施例10(P10)によれば、中華麺に対して弾力性と粘性とがさらに釣り合いよく与えられ、実施例7(P7)、実施例8(P8)によれば、弾力性と粘性とが釣り合いが保たれ、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
[小麦粉に対するアルギン酸塩の配合量]
図7を参照して、小麦粉に対するアルギン酸塩の配合量の評価に関する実施例を説明する。
[実施例12]
実施例12の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.04重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.19重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例13]
実施例13の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.08重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.15重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例14]
実施例14の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.10重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.13重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[食感の評価方法]
実施例1から実施例3と同じ方法を用いて評価用の中華麺が生成された。10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図7が示すように、実施例13のように、アルギン酸塩が0.08重量部である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、実施例8のように、アルギン酸塩が0.06重量部である食感改良剤によれば、中華麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とが高まることが認められた。
一方、実施例14のように、アルギン酸塩が0.10重量部である食感改良剤によれば、中華麺にコシが与えられるものの、弾力性と粘性との釣り合いは実施例8,13よりも取れていないことが認められた。なお、実施例12、実施例14によれば、上述した比較例4,5よりも、弾力性と粘性との釣り合いが取れていることは認められている。
[小麦粉に対する食感改良剤の配合量]
図8を参照して、小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
[実施例15]
実施例15の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例16]
実施例16の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例17]
実施例17の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例18]
実施例18の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例19]
実施例19の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例20]
実施例20の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[食感の評価方法]
上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷蔵庫にて保存され、3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。また上述した中華麺の製造方法によって製造された中華麺が、一晩冷凍庫にて保存された後、冷蔵庫にて2時間程度保存し、解凍した中華麺を3分10秒にわたって茹でられることによって、評価用の中華麺が生成された。
10人の被験者が評価用の中華麺を食し、食したときの中華麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図8が示すように、実施例18のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。また、実施例8,16,17のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
一方、実施例15,19,20のように、食感改良剤が0.5重量部である、あるいは、4.0重量部以上5.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺の両方においてコシが与えられるものの、弾力性と粘性との釣り合いは実施例8,16から18よりも取れていないことが認められた。なお、実施例15,19,20の冷蔵保存された中華麺および冷凍保存された中華麺によれば、上述した比較例4,5よりも、弾力性と粘性との釣り合いが取れていることは認められている。
[茹で麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量]
図9を参照して、茹で麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
[実施例21]
実施例21の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例22]
実施例22の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例23]
実施例23の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例24]
実施例24の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例25]
実施例25の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例26]
実施例26の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例27]
実施例27の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[食感の評価方法]
上述した茹で麺の製造方法によって製造され、1晩冷蔵保存された180gの茹で麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて1分30秒間加熱されることによって、評価用の茹で麺が生成された。また、1晩冷凍保存された180gの茹で麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて3分間加熱されることによって、評価用の茹で麺が生成された。
そして、加熱された2種類の茹で麺の各々が、予め温められた中華麺用のスープに入れられた状態で、10人の被験者が評価用の茹で麺を食し、食したときの茹で麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図9が示すように、実施例25のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。また、実施例22から24のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺における弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
一方、実施例21,26,27のように、食感改良剤が0.5重量部である、あるいは、4.0重量部以上5.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺の両方にコシが与えられるものの、弾力性と粘性との釣り合いは実施例22から25よりも取れていないことが認められた。なお、実施例21,26,27の冷蔵保存された茹で麺および冷凍保存された茹で麺によれば、食感改良剤を含まない茹で麺よりも、弾力性と粘性との釣り合いが取れていることは認められている。
[蒸し麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量]
図10を参照して、蒸し麺における小麦粉に対する食感改良剤の配合量の評価に関する実施例を説明する。
[実施例28]
実施例28の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.375重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.03重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.085重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.01重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例29]
実施例29の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が0.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.06重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.17重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.02重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例30]
実施例30の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.125重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.09重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.255重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.03重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例31]
実施例31の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が1.5重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.12重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.34重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.04重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例32]
実施例32の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が2.25重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.18重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.51重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.06重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例33]
実施例33の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.00重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.24重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.68重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.08重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[実施例34]
実施例34の食感改良剤においては、小麦粉が100重量部であるとき、小麦グルテン(実施例1と同じ)が3.75重量部であり、アルギン酸塩(実施例1と同じ)が0.30重量部であり、タピオカデンプン由来のヒドロキシプロピルデンプン(実施例4と同じ)が0.85重量部であり、不溶性小麦食物繊維(実施例4と同じ)が0.10重量部である。なお、アルギン酸塩においては、アルギン酸塩が100重量部であるとき、アルギン酸カルシウムが60重量部である。
[食感の評価方法]
上述した蒸し麺の製造方法によって製造され、1晩冷蔵保管された150gの蒸し麺が、フライパンを用いてガスコンロにて3分間加熱されることによって、評価用の蒸し麺が生成された。また、1晩冷凍保管された150gの蒸し麺が、切り込みの入れられた包装袋に包まれた状態で、電子レンジを用いて500Wにて3分間加熱されることによって、評価用の蒸し麺が生成された。
10人の被験者が評価用の蒸し麺を食し、食したときの蒸し麺の食感、特に、弾力性と粘性とを釣り合いよく有するか否か、すなわち、中華麺がコシを有するか否かを以下の評価基準に基づき評価した。
×:コシがあまり感じられない
△:コシが感じられるものの、弾力性と粘性とのいずれかが強く感じられる
○:コシが感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
◎:コシが強く感じられ、弾力性と粘性とが釣り合って感じられる
[評価]
図10が示すように、実施例32のように、食感改良剤が3.0重量部であるとき、冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まることが認められた。実施例29から31のように、食感改良剤が1.0重量部以上2.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺の両方において弾力性と粘性との釣り合いが高まり、かつ、弾力性と粘性とがより高まることが認められた。
一方、実施例28,33,34のように、食感改良剤が0.5重量部である、あるいは、4.0重量部以上5.0重量部以下であるとき、冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺の両方にコシが与えられるものの、弾力性と粘性との釣り合いは実施例29から32よりも取れていないことが認められた。なお、実施例28,33,34の冷蔵保存された蒸し麺および冷凍保存された蒸し麺によれば、食感改良剤を含まない蒸し麺よりも、弾力性と粘性との釣り合いが取れていることは認められている。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)食感改良剤の含むアルギン酸カルシウムが、かん水もしくはかん水の溶解した水溶液に対して溶解して中華麺の食感を改良する。一方、食感改良剤の含むアルギン酸ナトリウムは、水溶性であるため、中華麺の製造過程にて溶解し、アルギン酸カルシウムとは異なる中華麺の食感を改良する。特に、アルギン酸塩が100重量部であり、アルギン酸カルシウムが、10重量部以上90重量部以下であるため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
(2)アルギン酸塩が100重量部であり、アルギン酸カルシウムが40重量部以上80重量部であるとき、弾力性と粘性とが中華麺により釣り合いよく与えられる。
(3)アルギン酸ナトリウムが、アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有するため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
(4)アルギン酸カルシウムが、アルギン酸カルシウムの1%水溶液において400mPa・s以下の粘度を有するため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。
(5)小麦粉が100重量部であり、かつ、アルギン酸塩が0.02重量部以上0.50重量部以下であるため、弾力性と粘性とが中華麺に釣り合いよく与えられる。

Claims (7)

  1. 小麦グルテンと、
    小麦食物繊維と、
    アルギン酸塩と、を含み、
    前記アルギン酸塩は、
    アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
    前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
    前記アルギン酸カルシウムは、
    10重量部以上90重量部以下である
    中華麺用の食感改良剤。
  2. 前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
    前記アルギン酸カルシウムは、
    40量部以上80量部以下である
    請求項1に記載の中華麺用の食感改良剤。
  3. 前記アルギン酸ナトリウムは、前記アルギン酸ナトリウムの1%水溶液において300mPa・s以上1100mPa・s以下の粘度を有する
    請求項1または2に記載の中華麺用の食感改良剤。
  4. 前記アルギン酸カルシウムは、前記アルギン酸カルシウムの1%水溶液において400mPa・s以下の粘度を有する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の中華麺用の食感改良剤。
  5. 小麦粉と、
    食感改良剤と、を含み、
    前記食感改良剤が、
    小麦グルテンと、
    小麦食物繊維と、
    アルギン酸塩と、を含み、
    前記アルギン酸塩は、
    アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
    前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
    前記アルギン酸カルシウムは、
    10重量部以上90重量部以下である
    中華麺。
  6. 前記小麦粉が100重量部であるとき、
    前記アルギン酸塩は、0.02重量部以上0.50重量部以下である
    請求項5に記載の中華麺。
  7. 小麦粉と、食感改良剤とを混合する工程を含み、
    前記食感改良剤が、
    小麦グルテンと、
    小麦食物繊維と、
    アルギン酸塩と、を含み、
    前記アルギン酸塩は、
    アルギン酸ナトリウムと、アルギン酸カルシウムと、から構成され、
    前記アルギン酸塩が100重量部であるとき、
    前記アルギン酸カルシウムは、
    10重量部以上90重量部以下であ
    中華麺の製造方法。
JP2013242086A 2013-11-22 2013-11-22 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法 Active JP6231360B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013242086A JP6231360B2 (ja) 2013-11-22 2013-11-22 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013242086A JP6231360B2 (ja) 2013-11-22 2013-11-22 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015100292A JP2015100292A (ja) 2015-06-04
JP2015100292A5 JP2015100292A5 (ja) 2017-01-05
JP6231360B2 true JP6231360B2 (ja) 2017-11-15

Family

ID=53376570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013242086A Active JP6231360B2 (ja) 2013-11-22 2013-11-22 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6231360B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220015821A (ko) * 2020-07-31 2022-02-08 씨제이제일제당 (주) 도우 및 이의 제조방법

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5299248A (en) * 1976-02-12 1977-08-19 Kyowa Hakko Kogyo Kk Instant noodle or noodles kit
JP4238330B2 (ja) * 1997-11-25 2009-03-18 奥野製薬工業株式会社 麺類の変色防止剤及び変色を防止された麺類
EP0965278A1 (en) * 1998-06-16 1999-12-22 Mathias Christian Zohoungbogbo Dietetic food composition and dietetic method using such composition
JP2004147576A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Taiyo Kagaku Co Ltd 麺質改良剤及び麺類の製造方法
JP2005095078A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 San Auto Enterprise:Kk 海藻入り麺及びその製造方法
JP2006000056A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Nagase & Co Ltd 食品改質剤
JP2011041558A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Daitoku Shokuhin Kk 低カロリー茹でうどんの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015100292A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102171151B1 (ko) 튀김용 옷
WO2016052712A1 (ja) 食感改良組成物
JP2010081888A (ja) 食物繊維及びタンパク質高含有麺類及びその製造方法
WO2014034965A1 (ja) 中華麺の製造方法及び中華麺改質用製剤
JP6005354B2 (ja) 分解処理架橋澱粉を配合した揚げ物用ミックス粉および揚げ物用食品
JP2004215543A (ja) 麺質改良剤及び麺類の製造方法
JP2019162092A (ja) 麺類用穀粉組成物及び麺類の製造方法
JP6116150B2 (ja) レトルト耐性麺
JP2013198420A (ja) 米粉麺
JP6521260B2 (ja) 粉末状大豆蛋白素材及びこれを用いた食肉加工品
JP6231360B2 (ja) 中華麺用の食感改良剤、中華麺、および、中華麺の製造方法
JP6803697B2 (ja) 乾麺の製造方法、及びそれに用いる製麺用組成物
JP2015171325A (ja) 顆粒状醤油調味料及びその製造方法
JP6122389B2 (ja) でんぷん加工品の改質方法
WO2014083958A1 (ja) 春巻皮の製造方法
JP6132544B2 (ja) 人造米
WO2016136581A1 (ja) 穀類加工食品用ほぐれ改良剤
JP6913041B2 (ja) 中華麺用フレーバー及びその製造方法、並びに該中華麺用フレーバーを含有する中華麺及びその製造方法
JP2004147576A (ja) 麺質改良剤及び麺類の製造方法
JP5129220B2 (ja) 茹で中華麺類の製造方法
JP4703440B2 (ja) ノンフライ即席麺類用穀粉組成物
JP2000093104A (ja) 麺類の製造方法
JP6802014B2 (ja) 麺用乾燥卵白組成物及びそれを用いた麺
JP4908970B2 (ja) 麺類の復元性向上剤
JP2019017329A (ja) 穀粉加工食品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161121

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6231360

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350