本発明のエレベータの機器取付装置を説明するに先だって、エレベータのかごの構造について図1および図2を参照しつつ説明する。なお、図1はこの発明のエレベータの機器取付装置が装着されるエレベータのかごを示す正面図、図2はこの発明のエレベータの機器取付装置が装着されるエレベータのかごを示す側面図である。
エレベータのかご1は、かご床3、天井4、壁5およびかごの戸6からなるかご室2と、かご室2を支持するかご枠10と、から構成されている。
かご床3の下面には、逆ハット形鋼材で作製された第1補強材7が、それぞれ、奥行き方向に延びて、かご室2の間口方向に一定の間隔で4本配設されている。さらに、かご床3の下面には、溝形鋼材で作製された第2補強材8が、4本の第1補強材7の間口方向両側に配設されている。
かご枠10は、かご室2の真下に配置され、かご室2の全荷重を支持する下枠11と、かご室2の上側に配置され、ロープ(図示せず)にかかるかご1側の全重量を支える上枠16と、かご室2の間口方向の両側に上下方向に延びるように配設されて下枠11と上枠とを連結し、かご床3を介して下枠11にかかる荷重を全て上枠16に伝える縦枠18と、を備える。なお、図示していないが、かごの戸6を駆動する戸駆動装置が、上枠16のかご出入り口側に配設されている。縦枠18は、溝形鋼材で作製されている。
下枠11は、平行に配置される縦枠18の下端部間を連結する2本の下横梁12と、2本の下横梁12の両端側の上部に配設され、防振ゴム9を介してかご室2を支持する2本の支持梁13と、2本の支持梁13の両端側の下部に配設される2本の固定梁14と、を備えている。
下横梁12は、リップ溝形鋼材で作製され、背中合わせに並んで配置され、両端を、それぞれ、山形鋼材で作製された取付金15を介して縦枠18の下端に固定されている。支持梁13は、一辺の突出長さを短くした変形の溝形鋼材で作製され、他辺を向き合わせて、かつ他辺を下横梁12に載置して、長さ方向を下横梁12の長さ方向と直交するように2本の下横梁12の両端側に配設され、下横梁12に固定されている。固定梁14は、リップ溝形鋼材で作製され、リップ溝形鋼材の開口を向き合わせて、長さ方向を支持梁13の長さ方向と直交するように2本の支持梁13の両端側の下部に配置され、支持梁13に固定されている。支持梁13は、それぞれ、第2補強材8の下方に位置している。そして、防振ゴム9が、支持梁13の他辺の両端側と第2補強材8との間に配設されている。
上枠16は、リップ溝形鋼材で作製された2本の上横梁17を背中合わせに並べて配置し、上横梁17の両端を、それぞれ、縦枠18の上端に固定して、構成されている。
ここで、図示していないが、かご1には、かご上手摺装置、かご1を停止階に自動で正しく停止させる着床装置、停電の場合に非常灯を点灯させるための非常灯電源装置、ガイドレールに潤滑油を塗布する給油器などの機器が、下横梁12、固定梁14、上横梁17などのかご枠10の構造部材に取り付けられる。また、下横梁12、固定梁14がリップ溝形鋼材で作製され、上横梁17が溝形鋼材で作製されているが、下横梁12、固定梁14、上横梁17の材料はこれに限定されず、溝形鋼材、リップ溝形鋼材、H形鋼材、ハット形鋼材、逆ハット形鋼材、角パイプ鋼材などの鋼材から適宜選択される。
本発明は、これらの機器をかご枠の構造部材に取り付けるための機器取付装置に関する発明であり、以下、本発明によるエレベータの機器取付装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図3はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの機器取付装置を示す分解斜視図、図4はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第1構造部材の長さ方向外方から見た面、図5はこの発明の実施の形態1に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第2構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図3において、機器取付装置30は、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、基部31aおよび基部31aの一方の側部から基部31aに対して直角の方向に突出する機器取付腕31bからなるL字形状の第1取付金31と、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、締着部としての基部32a、基部32aの両側部から基部32aに対して直角の方向に、かつ同じ方向に突出する一対の側壁部32b、および一対の側壁部32bの先端から側壁部32bに対して直角の方向に、かつ離間する方向に突出する、挟み込み部としての一対の鍔部32cからなるハット形の第2取付金32と、第1取付金31と第2取付金32を締着固定する、締着具としての取付ボルト33およびナット34(図示せず)と、を備える。また、第1取付金31の基部31aおよび第2取付金32の基部32aには、それぞれ、固定用の貫通穴35a、35bが形成されている。そして、ナット34が、基部32aの内面(鍔部32c側の面)に、貫通穴35bと同軸に固着されている。さらに、第1取付金31の機器取付腕31bには、機器取付用の貫通穴35cが形成されている。
つぎに、機器取付装置30を用いて機器19を第1構造部材20Aに取り付ける場合について図4を用いて説明する。ここで、第1構造部材20Aは、ウェブ21aを向き合わせて、2本の溝形鋼材21を平行に並べて構成されている。
機器取付装置30を第1構造部材20Aに取り付けるには、まず、第2取付金32を溝形鋼材21間に下方から差し入れる。ついで、第1取付金31の基部31aを溝形鋼材21のフランジ21b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第1構造部材20Aが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金32の鍔部32cとの間に挟み込まれ、機器取付装置30が第1構造部材20Aに固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第1構造部材20Aに取り付けられる。
ここで、第2取付金32の基部32aの外面と鍔部32cの基部32a側の面との間の距離が溝形鋼材21の一対のフランジ21bの外面間の距離と等しくなっている。さらに、第2取付金32における一対の側壁部32bの外面間の距離が、2本の溝形鋼材21のウェブ21a間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30は、がたつくことなく、第1構造部材20Aに取り付けられる。
また、第2取付金32の基部32aの外面と鍔部32cの基部32a側の面との間の距離は、溝形鋼材21の一対のフランジ21bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。これにより、第1取付金31の基部31aが溝形鋼材21の一方のフランジ21bに接し、第2取付金32の鍔部32cが他方のフランジ21bに接した時に、第1取付金31の基部31aと第2取付金32の基部32aとの間にわずかな隙間が形成される。そこで、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび鍔部32cがフランジ21bに押し付けられる。そこで、機器19に溝形鋼材21の長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ21bとの間、および鍔部32cと他方のフランジ21bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30)の溝形鋼材21の長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30を用いて機器19を第2構造部材20Bに取り付ける場合について図5を用いて説明する。ここで、第2構造部材20Bは、ウェブ22aを向き合わせて、2本のリップ溝形鋼材22を平行に並べて構成されている。
機器取付装置30を第2構造部材20Bに取り付けるには、まず、第2取付金32をリップ溝形鋼材22間に下方から差し入れる。ついで、第1取付金31の基部31aをリップ溝形鋼材22のフランジ22b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第2構造部材20Bが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金32の鍔部32cとの間に挟み込まれ、機器取付装置30が第2構造部材20Bに固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第2構造部材20Bに取り付けられる。
ここで、第2取付金32の基部32aの外面と鍔部32cの基部32a側の面との間の距離がリップ溝形鋼材22の一対のフランジ22bの外面間の距離と等しくなっている。さらに、第2取付金32における一対の側壁部32bの外面間の距離が、2本のリップ溝形鋼材22のウェブ22a間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30は、がたつくことなく、第2構造部材20Bに取り付けられる。
また、第2取付金32の基部32aの外面と鍔部32cの基部32a側の面との間の距離は、リップ溝形鋼材22の一対のフランジ22bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび鍔部32cがフランジ22bに押し付けられる。そこで、機器19にリップ溝形鋼材22の長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ22bとの間、および鍔部32cと他方のフランジ22bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30)のリップ溝形鋼材22の長手方向へのずれが防止される。
この実施の形態1によれば、機器取付装置30が、第1取付金31と第2取付金32とで第1および第2構造部材20A,20Bを挟み込み、取付ボルト33とナット34により、第1取付金31と第2取付金32とを締着して、第1および第2構造部材20A,20Bに固定されている。そして、機器19が、第1取付金31の機器取付腕31bに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30を介して第1および第2構造部材20A,20Bに取り付けられるので、第1および第2構造部材20A,20Bに取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第1および第2構造部材20A,20Bに取り付けることができる。また、第1および第2構造部材20A,20Bに直接取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、溝形鋼材21により構成された第1構造部材20Aのみならず、リップ溝形鋼材22により構成された第2構造部材20Bにも取り付けることができ、汎用性の高い機器取付装置30が得られる。
なお、上記実施の形態1では、構造部材が、2本の溝形鋼材又はリップ溝形鋼材を一定の間隔を確保して平行に配列して構成されているが、構造部材は、H形鋼材、山形鋼材、角パイプ鋼材などの鋼材を一定の間隔を確保して平行に配列して構成されてもよい。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を示す分解斜視図、図7はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第1構造部材の長さ方向外方から見た面、図8はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第2構造部材の長さ方向外方から見た面、図9はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第1構造部材の長さ方向外方から見た面、図10はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第3構造部材の長さ方向外方から見た面、図11はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第4構造部材の長さ方向外方から見た面、図12はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第5構造部材の長さ方向外方から見た面、図13はこの発明の実施の形態2に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第6構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図6において、機器取付装置30Aは、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、基部31aおよび基部31aの一方の側部から基部31aに対して直角の方向に突出する機器取付腕31bからなるL字形状の第1取付金31と、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、挟み込み部としての基部36a、基部36aの両側部から基部36aに対して直角の方向に、かつ同じ方向に突出する一対の側壁部36b、および一対の側壁部36bの先端から側壁部36bに対して直角の方向に、かつ離間する方向に突出する、締着部としての一対の鍔部36cからなる逆ハット形の第2取付金36と、第1取付金31と第2取付金36を締着固定する取付ボルト33およびナット34(図示せず)と、を備える。また、第1取付金31の基部31aおよび第2取付金36の鍔部36cには、それぞれ、固定用の貫通穴35a、35bが形成されている。そして、ナット34が、鍔部36cの基部36a側の面に、貫通穴35bと同軸に固着されている。さらに、第1取付金31の機器取付腕31bには、機器取付用の貫通穴35cが形成されている。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第1構造部材20Aに取り付ける場合について図7を用いて説明する。
機器取付装置30Aを第1構造部材20Aに取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から2本の溝形鋼材21に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを2本の溝形鋼材21のフランジ21b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第1構造部材20Aが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第1構造部材20Aに固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第1構造部材20Aに取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、溝形鋼材21の一対のフランジ21bの外面間の距離と略等しくなっている。さらに、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、2本の溝形鋼材21のフランジ21bの突出方向の両端間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第1構造部材20Aに取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、溝形鋼材21の一対のフランジ21bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aがフランジ21bに押し付けられる。そこで、機器19に第1構造部材20Aの長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ21bとの間、および基部36aと他方のフランジ21bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第1構造部材20Aの長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第2構造部材20Bに取り付ける場合について図8を用いて説明する。
機器取付装置30Aを第2構造部材20Bに取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から2本のリップ溝形鋼材22に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを2本のリップ溝形鋼材22のフランジ22b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第2構造部材20Bが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第2構造部材20Bに固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第2構造部材20Bに取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、リップ溝形鋼材22の一対のフランジ22bの外面間の距離と略等しくなっている。さらに、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、2本のリップ溝形鋼材22の折り返し片22cの外面間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第2構造部材20Bに取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、リップ溝形鋼材22の一対のフランジ22bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aがフランジ22bに押し付けられる。そこで、機器19に第2構造部材20Bの長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ22bとの間、および基部36aと他方のフランジ22bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第2構造部材20Bの長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第1構造部材20Aに取り付ける場合の他の例について図9を用いて説明する。なお、図7では、第1取付金31の基部31aが第1構造部材20Aの上方に配置されているが、図9では、第1取付金31の基部31aが第1構造部材20Aの上方に配置されている
機器取付装置30Aを第1構造部材20Aに取り付けるには、まず、第2取付金36を上方から2本の溝形鋼材21に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを2本の溝形鋼材21のフランジ21bの下に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの下に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第1構造部材20Aが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第1構造部材20Aに固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第1構造部材20Aに取り付けられる。
ここでは、第2取付金36を上方から第1構造部材20Aにかぶせ、第1取付金31を下方から第2取付金36に締着固定して、機器取付装置30Aを第1構造部材20Aに取り付けているが、第2構造部材20Bにも、機器取付装置30Aを同様に取り付けることができる。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第3構造部材23に取り付ける場合について図10を用いて説明する。ここで、第3構造部材23は、ウェブ23a、ウェブ23aの両側部からウェブ23aに対して直角の方向に、かつ同じ方向に突出する一対の側壁部23b、一対の側壁部23bの先端から側壁部23bに対して直角の方向に、かつ離間する方向に突出する一対のフランジ23c、および一対のフランジ23cのそれぞれの突出端から直角に折り返された折り返し片23dからなるハット形鋼材により構成されている。
機器取付装置30Aを第3構造部材23に取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から第3構造部材23に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを第3構造部材23のウェブ23a上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第3構造部材23が、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第3構造部材23に固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第3構造部材23に取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第3構造部材23のウェブ23aの外面とフランジ23cのウェブ23aと反対側の面との間の距離と略等しくなっている。さらに、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、第3構造部材23の一対の折り返し片23dの外面間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第3構造部材23に取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第3構造部材23のウェブ23aの外面とフランジ23cのウェブ23aと反対側の面との間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aがウェブ23aおよびフランジ23cに押し付けられる。そこで、機器19に第3構造部材23の長手方向の力が作用したときに、基部31aとウェブ23aとの間、および基部36aとフランジ23cとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第3構造部材23の長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第4構造部材24に取り付ける場合について図11を用いて説明する。ここで、第4構造部材24は、ウェブ24a、およびウェブ24aの両側部からウェブ24aに対して直角の方向に突出する一対のフランジ24bからなるH形鋼材により構成されている。
機器取付装置30Aを第4構造部材24に取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から第4構造部材24に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを第4構造部材24のフランジ24b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第4構造部材24が、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第4構造部材24に固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第4構造部材24に取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第4構造部材24の一対のフランジ24bの外面間の距離と略等しくなっている。また、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、第4構造部材24のフランジ24bの突出方向の両端間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第4構造部材24に取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第4構造部材24の一対のフランジ24bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aが一対のフランジ24bに押し付けられる。そこで、機器19に第4構造部材24の長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ24bとの間、および基部36aと他方のフランジ24bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第4構造部材24の長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第5構造部材25に取り付ける場合について図12を用いて説明する。ここで、第5構造部材25は、ウェブ25a、ウェブ25aの両側部からウェブ25aに対して直角の方向に、かつ同じ方向に突出する一対のフランジ25b、および一対のフランジ25bの先端からフランジ25bに対して直角の方向に、かつ接近する方向に折り返された一対の折り返し片25cからなるリップ形鋼材により構成されている。
機器取付装置30Aを第5構造部材25に取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から第5構造部材25に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを第5構造部材25のフランジ25b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第5構造部材25が、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第5構造部材25に固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第5構造部材25に取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第5構造部材25の一対のフランジ25bの外面間の距離と略等しくなっている。さらに、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、第5構造部材25のウェブ25aの外面と折り返し片25cの外面との間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第5構造部材25に取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第5構造部材25の一対のフランジ25bの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aが一対のフランジ25bに押し付けられる。そこで、機器19に第5構造部材25の長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方のフランジ25bとの間、および基部36aと他方のフランジ25bとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第5構造部材25の長手方向へのずれが防止される。
つぎに、機器取付装置30Aを用いて機器19を第6構造部材26に取り付ける場合について図13を用いて説明する。ここで、第6構造部材26は、一対の側壁部26aと,上壁部26bおよび下壁部26cからなる中空四角形の角パイプ鋼材により構成されている。
機器取付装置30Aを第6構造部材26に取り付けるには、まず、第2取付金36を下方から第6構造部材26に外嵌状態に装着する。ついで、第1取付金31の基部31aを第6構造部材26の上壁部26b上に載置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bの上に位置するように第1取付金31を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第6構造部材26が、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金31の基部31aと第2取付金36の基部36aとの間に挟み込まれ、機器取付装置30Aが第6構造部材26に固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金31の機器取付腕31bに締着固定され、第6構造部材26に取り付けられる。
ここで、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第6構造部材26の上壁部26bと下壁部26cの外面間の距離と略等しくなっている。また、第2取付金36における一対の側壁部36bの内面間の距離が、第6構造部材26の一対の側壁部26aの外面間の距離と略等しくなっている。そこで、機器取付装置30Aは、がたつくことなく、第6構造部材26に取り付けられる。
また、第2取付金36における基部36aの内面と鍔部36cの基部36aと反対側の面との間の距離が、第6構造部材26の上壁部26bと下壁部26cの外面間の距離よりわずかに短くしてもよい。この場合、取付ボルト33とナット34の締着力により、基部31aおよび基部36aが上壁部26bと下壁部26cに押し付けられる。そこで、機器19に第6構造部材26の長手方向の力が作用したときに、基部31aと一方の上壁部26bとの間、および基部36aと下壁部26cとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30A)の第6構造部材26の長手方向へのずれが防止される。
この実施の形態2によれば、機器取付装置30Aが、第1取付金31と第2取付金36とで第1から第6構造部材20A,20B,23,24,25,26を挟み込み、取付ボルト33とナット34により、第1取付金31と第2取付金36とを締着して、第1から第6構造部材20A,20B,23,24、25,26に固定されている。そして、機器19は第1取付金31の機器取付腕31bに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取り付け装置30Aを介して第1から第6構造部材20A,20B,23,24,25,26に取り付けられるので、第1から第6構造部材20A,20B,23,24,25,26に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を構成する部材を特殊な材料で作り直す必要がなく、機器19を安価に第1から第6構造部材20A,20B,23,24,25,26に取り付けることができる。また、第1から第6構造部材20A,20B,23,24,25,26に直接取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、2本の溝形鋼材21により構成された第1構造部材20Aのみならず、2本のリップ溝形鋼材により構成された第2構造部材20B、ハット形鋼材により構成された第3構造部材23、H形鋼材により構成された第4構造部材24、リップ形鋼材により構成された第5構造部材25、各パイプ鋼材により構成された第6構造部材26にも取り付けることができ、汎用性の高い機器取付装置30Aが得られる。
実施の形態3.
図14はこの発明の実施の形態3に係るエレベータの機器取付装置を示す分解斜視図、図15はこの発明の実施の形態3に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第5構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図14において、機器取付装置30Bは、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、基部37aおよび基部37aの一方の側部から基部37aに対して直角の方向に突出する機器取付腕37bからなるL字形状の第1取付金37と、矩形平板状の鋼材からなる第2取付金38と、第1取付金37と第2取付金38を締着固定する取付ボルト33およびナット34(図示せず)と、を備える。また、第1取付金37の基部37aおよび第2取付金38には、それぞれ、固定用の貫通穴35a、35bが形成されている。そして、ナット34が、第2取付金38に、貫通穴35bと同軸に固着されている。さらに、第1取付金37の機器取付腕37bには、機器取付用の貫通穴35cが形成されている。なお、第2取付金38の貫通穴35bが形成された中央部が締着部を構成し、第2取付金38の両端部が挟み込み部を構成する。
つぎに、機器取付装置30Bを用いて機器19を第5構造部材25に取り付ける場合について図15を用いて説明する。
機器取付装置30Bを第5構造部材25に取り付けるには、まず、第2取付金38を第5構造部材25の折り返し片25c間から第5構造部材25内に差し入れる。ついで、第2取付金38を第2構造部材25の一対の折り返し片25cの内面に接するように配置し、第1取付金37の基部37aを一対の折り返し片25cを介して第2取付金38と相対するように配置する。ついで、貫通穴35aが貫通穴35bと相対するように第1取付金37を位置合わせし、取付ボルト33を貫通穴35a,35bに通してナット34に締め付ける。これにより、第5構造部材25の一対の折り返し片25cが、取付ボルト33とナット34の締着力により、第1取付金37の基部37aと第2取付金38との間に加圧挟持され、機器取付装置30Bが第1構造部材25固定される。そして、機器19が、貫通穴35cを利用して取付ボルト51により第1取付金37の機器取付腕37bに締着固定され、第5構造部材25に取り付けられる。
この実施の形態3によれば、機器取付装置30Bが、第1取付金37と第2取付金38とで第5構造部材25の折り返し片25cを挟み込み、取付ボルト33とナット34により、第1取付金37と第2取付金38とを締着して、第5構造部材25に固定されている。そして、機器19が、第1取付金37の機器取付腕37bに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30Bを介して第5構造部材25に取り付けられるので、第5構造部材25に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第5構造部材25に取り付けることができる。また、第5構造部材25に直接取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの機器取付装置を示す斜視図、図17はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第1構造部材の長さ方向外方から見た面、図18はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第2構造部材の長さ方向外方から見た面、図19はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第3構造部材の長さ方向外方から見た面、図20はこの発明の実施の形態4に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第4構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図16において、機器取付装置30Cは、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、基部40a、基部40aの一方の側部から基部40aに対して直角の方向に突出する折り返し部40b、および基部40aの他方の側部から折り返し部40bと同じ方向に基部40aに対して直角に突出する機器取付腕40cからなる取付金40を備える。機器取付腕40cには、機器取付用の貫通穴50が形成されている。また、基部40aと折り返し部40bがL字状の引っ掛け部となる。
つぎに、機器取付装置30Cを用いて機器19を第1構造部材20Aに取り付ける場合について図17を用いて説明する。
機器取付装置30Cを第1構造部材20Aに取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51により機器取付腕40cに締着固定され、取付金40に取り付けられる。ついで、取付金40を上方から一方の溝形鋼材21に外嵌状態に装着する。これにより、溝形鋼材21が基部40a、折り返し部40bおよび機器取付腕40cにより囲まれた空間に挿入される。そこで、機器取付装置30Cである取付金40が、基部40aと折り返し部40bからなるL字状の引っ掛け部を一方の溝形鋼材21に引っかけて、第1構造部材20Aに取り付けられる。
ここで、折り返し部40bと機器取付腕40cとの間の間隔を、溝形鋼材21のウェブ21aの外面とフランジ21bの突出端との間の距離と略等しくすれば、取付金40を溝形鋼材21にがたつきなく取り付けることができる。
つぎに、機器取付装置30Cを用いて機器19を第3構造部材20Bに取り付ける場合について図18を用いて説明する。
機器取付装置30Cを第2構造部材20Bに取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51により機器取付腕40cに締着固定され、取付金40に取り付けられる。ついで、取付金40を上方から一方のリップ溝形鋼材22に外嵌状態に装着する。これにより、リップ溝形鋼材22が基部40a、折り返し部40bおよび機器取付腕40cにより囲まれた空間に挿入される。そこで、機器取付装置30Cである取付金40が、基部40aと折り返し部40bからなるL字状の引っ掛け部を一方のリップ溝形鋼材22に引っ掛けて、第2構造部材20Bに取り付けられる。
ここで、折り返し部40bと機器取付腕40cとの間の間隔を、リップ溝形鋼材22のウェブ22aの外面と折り返し片22cの外面との間の距離と略等しくすれば、取付金40をリップ溝形鋼材22にがたつきなく取り付けることができる。
つぎに、機器取付装置30Cを用いて機器19を第3構造部材23に取り付ける場合について図19を用いて説明する。
機器取付装置30Cを第3構造部材23に取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51により機器取付腕40cに締着固定され、取付金40に取り付けられる。ついで、取付金40を上方から第3構造部材23に外嵌状態に装着する。これにより、第3構造部材23のウェブ23a、一対の側壁部23b、一方のフランジ23cおよび一方の折り返し片23dが、基部40a、折り返し部40bおよび機器取付腕40cにより囲まれた空間に挿入される。そこで、機器取付装置30Cである取付金40が、基部40aと折り返し部40bからなるL字状の引っ掛け部を第3構造部材23に引っ掛けて、第3構造部材23に取り付けられる。
ここで、折り返し部40bと機器取付腕40cとの間の間隔を、第3構造部材23の他方の側壁部23bの外面と一方の折り返し片23dの外面との間の距離と略等しくすれば、取付金40を第3構造部材23にがたつきなく取り付けることができる。
つぎに、機器取付装置30Cを用いて機器19を第4構造部材24に取り付ける場合について図20を用いて説明する。
機器取付装置30Cを第4構造部材24に取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51により機器取付腕40cに締着固定され、取付金40に取り付けられる。ついで、取付金40を上方から第4構造部材24に外嵌状態に装着する。これにより、第4構造部材24が、基部40a、折り返し部40bおよび機器取付腕40cにより囲まれた空間に挿入される。そこで、機器取付装置30Cである取付金40が、基部40aと折り返し部40bからなるL字状の引っ掛け部を第4構造部材24に引っ掛けて、第4構造部材24に取り付けられる。
ここで、折り返し部40bと機器取付腕40cとの間の間隔を、第4構造部材24のフランジ24bの両端面間の距離と略等しくすれば、取付金40を第4構造部材24にがたつきなく取り付けることができる。
この実施の形態4によれば、機器取付装置30Cが、引っ掛け部を第1から第4構造部材20A,20B,23,24に引っ掛けて、第1から第4構造部材20A,20B,23,24に取り付けられる。機器19は、取付金40の機器取付腕40cに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30Cを介して第1から第4構造部材20A,20B,23,24に取り付けられるので、第1から第4構造部材20A,20B,23,24に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第1から第4構造部材20A,20B,23,24に取り付けることができる。また、第1から第4構造部材20A,20B,23,24に直接取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、2本の溝形鋼材21により構成された第1構造部材20Aのみならず、2本のリップ溝形鋼材により構成された第2構造部材20B、ハット形鋼材により構成された第3構造部材23、H形鋼材により構成された第4構造部材24にも取り付けることができ、汎用性の高い機器取付装置30Cが得られる。
実施の形態5.
図21はこの発明の実施の形態5に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第5構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図21において、機器取付装置30Dは、折り返し部40bに貫通穴(図示せず)が形成された取付金40と、折り返し部40bの機器取付腕40cと反対側の面に、貫通穴と同軸に固着されたナット41と、ナット41に螺着されるジャッキボルト42と、を備える。
つぎに、機器取付装置30Dを用いて機器19を第5構造部材25に取り付ける場合について図21を用いて説明する。
機器取付装置30Dを第5構造部材25に取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51により機器取付腕40cに締着固定され、取付金40に取り付けられる。ついで、取付金40を上方から第5構造部材25に外嵌状態に装着する。これにより、第5構造部材25が基部40a、折り返し部40bおよび機器取付腕40cにより囲まれた空間に挿入される。ついで、ジャッキボルト42を締め付け、折り返し部40bを第5構造部材25のウェブ25aから離間させ、機器取付腕40cを第5構造部材25の折り返し片25cに当接させる。そこで、機器取付装置30Dが、がたつきなく第5構造部材25に取り付けられる。
この実施の形態5によれば、機器取付装置30Dが、引っ掛け部を第5構造部材25に引っかけて、第5構造部材25に取り付けられる。機器19が、取付金40の機器取付腕40cに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30Dを介して第5構造部材25に取り付けられるので、第5構造部材25に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第5構造部材25に取り付けることができる。また、第5取付部材25に取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、ナット41に螺着されたジャッキボルト42の締着力により、機器取付腕40cを第5構造部材25の折り返し片25cに当接させている。そこで、機器取付装置30Dをがたつきなく第5構造部材25に取り付けることができる。さらに、機器19に第5構造部材25の長手方向の力が作用したときに、機器取付腕40cと折り返し片25cとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30D)の第5構造部材25の長手方向へのずれが防止される。
実施の形態6.
図22はこの発明の実施の形態6に係るエレベータの機器取付装置を示す斜視図、図23はこの発明の実施の形態6に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第2構造部材の長さ方向外方から見た面、図24はこの発明の実施の形態6に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第3構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図22において、機器取付装置30Eは、矩形平板状の鋼材を折り曲げて作製され、機器取付腕45a、および機器取付腕45aの両側部から機器取付腕45aに対して直角に同じ方向に突出する一対の引っ掛け部45bからなる取付金45を備える。機器取付腕45aには、機器取付用の貫通穴50が形成されている。また、引っ掛け部45bは、機器取付腕45aからの突出長さが、機器取付腕45aの下端から上端に向かってステップ状に長くなるL字状の平面形状に形成され、切り欠き46が下端側に開口するようにL字状の引っ掛け部45bの立ち上がり部の根元部に形成されている。これにより、引っ掛け部45bは逆J字状に構成される。そして、引っ掛け部45bの切り欠き46の外側の部分が折り返し部45b’となる。
つぎに、機器取付装置30Eを用いて機器19を第2構造部材20Bに取り付ける場合について図23を用いて説明する。
機器取付装置30Eを第2構造部材20Bに取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51(図示せず)により機器取付腕45aに締着固定され、取付金45に取り付けられる。ついで、取付金45の引っ掛け部45bを一方のリップ溝形鋼材22の下方の折り返し片22cに装着する。これにより、リップ溝形鋼材22の下方の折り返し片22cが、一対の引っ掛け部45bの切り欠き46内に挿入される。そこで、機器取付装置30Eである取付金45が、引っ掛け部45bを一方のリップ溝形鋼材22に引っ掛けて、第2構造部材20Bに取り付けられる。このとき、リップ溝形鋼材22の下方の折り返し片22cの端部が切り欠き46の底部に接し、あるいは下方のフランジ22bが逆J字状の引っ掛け部45bの折り返し部45b’の先端に接し、機器19が取り付けられた機器取付装置30Eの荷重が第2構造部材20Bに支持される。
つぎに、機器取付装置30Eを用いて機器19を第3構造部材23に取り付ける場合について図24を用いて説明する。
機器取付装置30Eを第3構造部材23に取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51(図示せず)により機器取付腕45aに締着固定され、取付金45に取り付けられる。ついで、取付金45の引っ掛け部45bを第3構造部材23の一方の折り返し片23dに装着する。これにより、第3構造部材23の一方の折り返し片23dが、一対の引っ掛け部45bの切り欠き46内に挿入される。そこで、機器取付装置30Eである取付金45が、引っ掛け部45bを第3構造部材23に引っ掛けて、第3構造部材23に取り付けられる。このとき、第3構造部材23の一方の折り返し片23dの端部が切り欠き46の底部に接し、あるいは一方のフランジ23cが引っ掛け部45bの折り返し部45b’の先端に接し、機器19が取り付けられた機器取付装置30Eの荷重が第3構造部材23に支持される。
この実施の形態6によれば、機器取付装置30Eが、引っ掛け部45bを第2および第3構造部材20B,23に引っ掛けて、第2および第3構造部材20B,23に取り付けられる。機器19が、取付金45の機器取付腕45aに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30Eを介して第2および第3構造部材20B,23に取り付けられるので、第2および第3構造部材20B,23に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第2および第3構造部材20B,23に取り付けることができる。また、第2および第3構造部材20B,23に取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、2本のリップ溝形鋼材により構成された第2構造部材20Bのみならず、ハット形鋼材により構成された第3構造部材23にも取り付けることができ、汎用性の高い機器取付装置30Eが得られる。
実施の形態7.
図25はこの発明の実施の形態7に係るエレベータの機器取付装置を用いた機器の取付状態を第5構造部材の長さ方向外方から見た面である。
図25において、機器取付装置30Fは、機器取付腕45aの幅方向中央部の、切り欠き46の形成領域と重なる高さ位置に貫通穴(図示せず)が形成された取付金45と、機器取付腕45aの引っ掛け部45bと反対側の面に、貫通穴と同軸に固着されたナット41と、ナット41に螺着されるジャッキボルト42と、を備える。
つぎに、機器取付装置30Fを用いて機器19を第5構造部材25に取り付ける場合について図25を用いて説明する。
機器取付装置30Fを第5構造部材25に取り付けるには、まず、機器19が、貫通穴50を利用して取付ボルト51(図示せず)により機器取付腕45aに締着固定され、取付金45に取り付けられる。ついで、取付金45の引っ掛け部45bを第5構造部材25の下方の折り返し片25cに装着する。これにより、第5構造部材25の一方の折り返し片25cが、一対の引っ掛け部45bの切り欠き46内に挿入される。ついで、ジャッキボルト42を締め付け、機器取付腕45aを第5構造部材25から離間させ、切り欠き46の機器取付腕45aと反対側の内壁面(引っ掛け部45bの折り返し部45b’の内壁面)を第5構造部材25の折り返し片25cに当接させる。そこで、機器取付装置30Fが、がたつきなく第5構造部材25に取り付けられる。
この実施の形態7によれば、機器取付装置30Fが、引っ掛け部45bを第5構造部材25に引っ掛けて、第5構造部材25に取り付けられる。機器19が、取付金45の機器取付腕45aに取り付けられる。
このように、機器19が、機器取付装置30Fを介して第5構造部材25に取り付けられるので、第5構造部材25に取り付けるために、機器19の取付構造に手を加える必要がない。したがって、機器19の取付部を特殊な材料で作製する必要がなく、機器19を安価に第5構造部材25に取り付けることができる。また、第5取付部材25に取り付けるために必要であった機器19の取付部への穴加工が不要となり、穴加工に起因する工場での製作ミスの発生がない。
また、ナット41に螺着されたジャッキボルト42の締着力により、切り欠き46の機器取付腕45aと反対側の内壁面(引っ掛け部45bの折り返し部45b’の内壁面)を第5構造部材25の折り返し片25cに当接させている。そこで、機器取付装置30Fをがたつきなく第5構造部材25に取り付けることができる。さらに、機器19に第5構造部材25の長手方向の力が作用したときに、引っ掛け部45bと折り返し片25cとの間に摩擦力が生じ、機器19(機器取付装置30F)の第5構造部材25の長手方向へのずれが防止される。