JP6229860B1 - フィルム材のインサート成形方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間体支持能力を確保しつつ商品性向上を図ることができるフィルム材のインサート成形方法及びその装置を提供する。【解決手段】フィルム材11のインサート成形方法において、フィルム材11の最終形状にトリミングされ且つ意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を1対の開口部41aを介して吸引可能な第1金型41と、第1金型41との間にキャビティC2を形成する第2金型42とを準備する準備工程S31と、第2中間体6を第1金型41に配置する配置工程S32と、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部41aを介して第2中間体6を拘束する拘束工程と33と、キャビティC2内に溶融した基材樹脂材13を射出してインサート成形品であるエンブレム1を形成する射出工程S35と、を有する。【選択図】 図15c
Description
本発明は、意匠部を備えたフィルム材で構成された中間体の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形方法及びその装置に関する。
従来より、車両の内外装品や家電製品等の合成樹脂成形品において装飾性を向上させるため、意匠部を備えたフィルム材をインサート成形方法によって透明樹脂層或いは基材樹脂層に貼り付け一体化するものが実用に供されている。
フィルム材を合成樹脂層等に貼り付ける方法としては、意匠部が絵柄や凹凸形状により加飾(予備成形)されたフィルム材を射出成形金型のキャビティ内に配置した後、合成樹脂層等の材料である溶融樹脂材をキャビティ内に射出することで、フィルム材と合成樹脂層等を熱溶着にて接合する方法が採用されている。
フィルム材を合成樹脂層等に貼り付ける方法としては、意匠部が絵柄や凹凸形状により加飾(予備成形)されたフィルム材を射出成形金型のキャビティ内に配置した後、合成樹脂層等の材料である溶融樹脂材をキャビティ内に射出することで、フィルム材と合成樹脂層等を熱溶着にて接合する方法が採用されている。
通常、意匠部を備えたフィルム材の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するインサート成形方法は、フィルム材から第1中間体を形成する中間体形成工程と、透明樹脂層形成用金型に固定された第1中間体の表面に射出成形によって透明樹脂層を備えた第2中間体を形成する透明樹脂層形成工程と、基材樹脂層形成用金型に固定された第2中間体の裏面に射出成形によって基材樹脂層を形成する基材樹脂層形成工程とから構成されている。(例えば特許文献1参照)
金型に各中間体を固定する場合、真空ポンプを用いた吸引機構が使用に供されている。
特許文献2の射出成形金型装置は、加飾面側の金型に設けられたフィルム吸引通路及び冷却媒体流入用流路と、加飾面側の金型に形成された製品形状部と、製品形状部の外側で加飾面側の金型に加飾フィルムを拘束するためのフィルムクランプ部とを備え、製品形状部とフィルムクランプ部との間に冷却媒体流入用流路の開口端を配置している。
そして、加飾面側入子と加飾フィルムとの間の密封空間のエアをフィルム吸引通路を介して吸引して加飾フィルムの成形を行った後、非加飾面側の金型を型閉めし、キャビティに溶融樹脂材を供給することによりインサート成形品を成形している。
特許文献2の射出成形金型装置は、加飾面側の金型に設けられたフィルム吸引通路及び冷却媒体流入用流路と、加飾面側の金型に形成された製品形状部と、製品形状部の外側で加飾面側の金型に加飾フィルムを拘束するためのフィルムクランプ部とを備え、製品形状部とフィルムクランプ部との間に冷却媒体流入用流路の開口端を配置している。
そして、加飾面側入子と加飾フィルムとの間の密封空間のエアをフィルム吸引通路を介して吸引して加飾フィルムの成形を行った後、非加飾面側の金型を型閉めし、キャビティに溶融樹脂材を供給することによりインサート成形品を成形している。
インサート成形方法の透明樹脂層形成工程や基材樹脂層形成工程では、中間体を吸引保持した状態で溶融樹脂材を射出供給するため、キャビティ内にセットされた中間体が溶融樹脂材の温度によって軟化し、軟化した中間体における吸引機構の開口部に相当する部分に吸引痕が形成される虞がある。
特に、表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形品の成形時、透明樹脂層を備えた第2中間体をキャビティ内に固定すると共に、吸引機構が意匠面を構成する透明樹脂層を吸引することから、透明樹脂層の表面に吸引痕が形成され、商品性の低下を招くことが懸念される。
特に、表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形品の成形時、透明樹脂層を備えた第2中間体をキャビティ内に固定すると共に、吸引機構が意匠面を構成する透明樹脂層を吸引することから、透明樹脂層の表面に吸引痕が形成され、商品性の低下を招くことが懸念される。
本発明の目的は、中間体支持能力を確保しつつ商品性向上を図ることができるフィルム材のインサート成形方法及びその装置等を提供することである。
請求項1の発明は、意匠部を備えたフィルム材で構成された中間体の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形方法において、前記フィルム材の最終形状にトリミングされ且つ前記意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を支持すると共に1又は複数の開口部を介して前記第2中間体を吸引可能な第1金型と、前記第1金型との間にキャビティを形成する第2金型とを準備する金型準備工程と、前記第2中間体を前記第1金型に配置する配置工程と、前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された前記開口部を介して吸引することにより前記第1金型に前記第2中間体を拘束する拘束工程と、前記第1,第2金型の型閉めにより形成されたキャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出してインサート成形品を形成する射出工程と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を用いるため、意匠部に深み感を与えることができる。
第2中間体を前記第1金型に配置する配置工程と、前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された前記開口部を介して吸引することにより前記第1金型に前記第2中間体を拘束する拘束工程と、前記第1,第2金型の型閉めにより形成されたキャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出してインサート成形品を形成する射出工程とを有するため、第2中間体の透明樹脂層が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
第2中間体を前記第1金型に配置する配置工程と、前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された前記開口部を介して吸引することにより前記第1金型に前記第2中間体を拘束する拘束工程と、前記第1,第2金型の型閉めにより形成されたキャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出してインサート成形品を形成する射出工程とを有するため、第2中間体の透明樹脂層が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記射出工程において、前記インサート成形品の厚みが均一になるように前記基材樹脂層を形成することを特徴としている。
この構成によれば、深み感を備えつつ電波透過性を確保することができる。
この構成によれば、深み感を備えつつ電波透過性を確保することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記基材樹脂材の溶融温度が前記透明樹脂層を構成する透明樹脂材のガラス転移温度よりも高いことを特長としている。
この構成によれば、透明樹脂材のガラス転移温度よりも高い溶融温度を備えた基材樹脂材を用いても、吸引痕の形成を回避することができる。
この構成によれば、透明樹脂材のガラス転移温度よりも高い溶融温度を備えた基材樹脂材を用いても、吸引痕の形成を回避することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第1金型が、前記第2中間体を水平方向に対して略直交方向にセットするように配置されていることを特長としている。
この構成によれば、第2中間体を水平方向に対して略直交方向にセットする金型であっても、第2中間体の支持能力を確保することができる。
この構成によれば、第2中間体を水平方向に対して略直交方向にセットする金型であっても、第2中間体の支持能力を確保することができる。
請求項5の発明は、意匠部を備えたフィルム材で構成された中間体の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形装置において、前記フィルム材の最終形状にトリミングされ且つ前記意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を支持すると共に1又は複数の開口部を介して前記第2中間体を吸引可能な第1金型と、型閉めしたとき、前記第1金型との間にキャビティを形成する第2金型と、前記キャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出する射出機構と、前記第2中間体を前記開口部を介して吸引して前記第1金型に拘束する吸引機構とを備え、前記開口部が、前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設されたことを特徴としている。
この構成によれば、意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を用いるため、意匠部に深み感を与えることができる。
第2中間体を、第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部を介して吸引して第1金型に拘束する吸引機構を備えるため、第2中間体の透明樹脂層が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
この構成によれば、意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を用いるため、意匠部に深み感を与えることができる。
第2中間体を、第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部を介して吸引して第1金型に拘束する吸引機構を備えるため、第2中間体の透明樹脂層が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
本発明のフィルム材のインサート成形方法及びその装置によれば、中間体支持能力を確保しつつ商品性向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明は、本発明を車両のエンブレムの成形方法及びその装置に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下の説明は、本発明を車両のエンブレムの成形方法及びその装置に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図15に基づいて説明する。
まず、エンブレム1(インサート成形品)が装着される車両について説明する。
この車両は、フロントグリルの裏面側位置にミリ波レーダ(図示略)を備えている。
ミリ波レーダは、30GHz〜300GHzの周波数、1〜10mmの波長を有するミリ波を用いて、自車両から送信された送信波と対象物(例えば先行車両等)から反射された受信波との差に基づき対象物と自車両との車間距離や相対速度を測定可能に構成され、この検出値を用いてオートクルーズシステム等の運転支援システムが実行される。
ミリ波レーダ前方に存在する壁部肉厚が均一に形成されていない場合、厚肉部分と薄肉部分とのミリ波の透過速度に差が生じ、検出値のばらつきに起因して制御精度が低下するため、本実施例では、レーダの進行経路内に厚みが均一に構成されたエンブレム1が含まれるようにミリ波レーダの設置位置が規定されている。
まず、エンブレム1(インサート成形品)が装着される車両について説明する。
この車両は、フロントグリルの裏面側位置にミリ波レーダ(図示略)を備えている。
ミリ波レーダは、30GHz〜300GHzの周波数、1〜10mmの波長を有するミリ波を用いて、自車両から送信された送信波と対象物(例えば先行車両等)から反射された受信波との差に基づき対象物と自車両との車間距離や相対速度を測定可能に構成され、この検出値を用いてオートクルーズシステム等の運転支援システムが実行される。
ミリ波レーダ前方に存在する壁部肉厚が均一に形成されていない場合、厚肉部分と薄肉部分とのミリ波の透過速度に差が生じ、検出値のばらつきに起因して制御精度が低下するため、本実施例では、レーダの進行経路内に厚みが均一に構成されたエンブレム1が含まれるようにミリ波レーダの設置位置が規定されている。
次に、最終製品であるエンブレム1について説明する。
図1に示すように、エンブレム1は、意匠部が形成された第1中間体2と、この第1中間体2の表面に形成された透明樹脂層3と、第1中間体2の裏面に形成された基材樹脂層4等を備えている。このエンブレム1の厚み寸法は、ミリ波レーダが照射するミリ波の波長の半分の整数倍になるように均一に設定されている。
図1に示すように、エンブレム1は、意匠部が形成された第1中間体2と、この第1中間体2の表面に形成された透明樹脂層3と、第1中間体2の裏面に形成された基材樹脂層4等を備えている。このエンブレム1の厚み寸法は、ミリ波レーダが照射するミリ波の波長の半分の整数倍になるように均一に設定されている。
第1中間体2は、光の透過と反射を波長毎に制御できる波長選択性を備え、レーダ光の反射率90%以上を有し且つ重金属を含まないフィルム材11(例えば東レ株式会社製PICASUS(登録商標))で構成されている。
この第1中間体2は、形状部5aと、この形状部5a周りに形成された背景部5bとから構成された意匠部5を備えている。形状部5aは、金属光沢(例えば銀色等)を備えた所定のマーク形状及びこのマーク形状を囲む楕円形状が背景部5bから表面方向に凸状形成されており、背景部5bは、形状部5aを除く領域に黒色で意匠表現されている。
この第1中間体2は、形状部5aと、この形状部5a周りに形成された背景部5bとから構成された意匠部5を備えている。形状部5aは、金属光沢(例えば銀色等)を備えた所定のマーク形状及びこのマーク形状を囲む楕円形状が背景部5bから表面方向に凸状形成されており、背景部5bは、形状部5aを除く領域に黒色で意匠表現されている。
図1に示すように、第1中間体2の表面は、透明な透明樹脂層3によって一様に覆われている。これにより、意匠部5に深み感を与え、エンブレム1の意匠性を高めている。
透明樹脂層3は、非晶性合成樹脂からなる透明樹脂材12(例えばポリカーボネート(PC))で構成されている。この透明樹脂材12は、分子鎖を有し、溶融状態から冷却、固化する過程で規則的な分子配列をとれないため、ガラス転移温度Tgを超えると機械的強度が急激に低下する特性を有している。
また、透明樹脂材12は、固化状態においてもランダムな配列になることから、結晶性合成樹脂(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)と比較して加熱又は冷却において容積の膨張又は収縮において緩やかな変化傾向を有している。
本実施例では、透明樹脂層3の外部に露出した表面を紫外線カット効果を備えたハードコート層で一様に被覆している。
以下、第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された中間構造体を、説明の便宜上、第2中間体6として説明する。
透明樹脂層3は、非晶性合成樹脂からなる透明樹脂材12(例えばポリカーボネート(PC))で構成されている。この透明樹脂材12は、分子鎖を有し、溶融状態から冷却、固化する過程で規則的な分子配列をとれないため、ガラス転移温度Tgを超えると機械的強度が急激に低下する特性を有している。
また、透明樹脂材12は、固化状態においてもランダムな配列になることから、結晶性合成樹脂(例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)と比較して加熱又は冷却において容積の膨張又は収縮において緩やかな変化傾向を有している。
本実施例では、透明樹脂層3の外部に露出した表面を紫外線カット効果を備えたハードコート層で一様に被覆している。
以下、第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された中間構造体を、説明の便宜上、第2中間体6として説明する。
図1,図2(a),図2(b)に示すように、第1中間体2(第2中間体6)の裏面及び第1中間体2の放射方向外側端部の外周部分は、有色(例えば黒色等)の基材樹脂層4によって一様に覆われている。これにより、エンブレム1の剛性を確保しつつ、見栄え向上を図っている。
基材樹脂層4は、非晶性合成樹脂からなる基材樹脂材13(例えばアクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS))で構成されている。この基材樹脂材13は、透明樹脂材12のガラス転移温度Tg(145℃)に比べて低いガラス転移温度を有している。
尚、ABSに代えて、ポリカーボネート、ポリカABS(PC/ABS)、ポリカPBT(PC/PBT)の何れかによって基材樹脂材13を構成しても良い。
基材樹脂層4は、非晶性合成樹脂からなる基材樹脂材13(例えばアクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS))で構成されている。この基材樹脂材13は、透明樹脂材12のガラス転移温度Tg(145℃)に比べて低いガラス転移温度を有している。
尚、ABSに代えて、ポリカーボネート、ポリカABS(PC/ABS)、ポリカPBT(PC/PBT)の何れかによって基材樹脂材13を構成しても良い。
次に、エンブレム1の成形方法について説明する。
以下の説明は、インサート成形装置の説明を含むものである。
図3に示すように、エンブレム1のインサート成形処理手順は、フィルム材11の最終形状の外周端近傍部に放射方向外側に延びる縁部2aを備えた第1中間体2(図7参照)を形成する中間体形成工程S1と、第1,第2金型31,32により縁部2aが固定された第1中間体2の表面に射出成形によって透明樹脂層3を備えた第2中間体6を形成する透明樹脂層形成工程S2と、第2中間体6の裏面に射出成形によって縁部2aの放射方向外側端部を覆う基材樹脂層4を備えたインサート成形品としてのエンブレム1を形成する基材樹脂層形成工程S3とを備えている。
以下の説明は、インサート成形装置の説明を含むものである。
図3に示すように、エンブレム1のインサート成形処理手順は、フィルム材11の最終形状の外周端近傍部に放射方向外側に延びる縁部2aを備えた第1中間体2(図7参照)を形成する中間体形成工程S1と、第1,第2金型31,32により縁部2aが固定された第1中間体2の表面に射出成形によって透明樹脂層3を備えた第2中間体6を形成する透明樹脂層形成工程S2と、第2中間体6の裏面に射出成形によって縁部2aの放射方向外側端部を覆う基材樹脂層4を備えたインサート成形品としてのエンブレム1を形成する基材樹脂層形成工程S3とを備えている。
まず、中間体形成工程S1について詳細に説明する。
図4に示すように、中間体形成工程S1は、長尺帯状のフィルム材11の表裏両面に夫々連続して意匠部5に係るスクリーン印刷を行う色付工程S11と、各意匠部5の形状部5aに凹凸形状(凹凸意匠)を形成する凹凸作成工程S12と、長尺帯状のフィルム材11から最終の外形形状になるように不要な部分を取除くトリミングを行ってエンブレム1に対応したフィルム材11の最終形状(第1中間体2)を形成するトリミング工程S13とから構成されている。
図4に示すように、中間体形成工程S1は、長尺帯状のフィルム材11の表裏両面に夫々連続して意匠部5に係るスクリーン印刷を行う色付工程S11と、各意匠部5の形状部5aに凹凸形状(凹凸意匠)を形成する凹凸作成工程S12と、長尺帯状のフィルム材11から最終の外形形状になるように不要な部分を取除くトリミングを行ってエンブレム1に対応したフィルム材11の最終形状(第1中間体2)を形成するトリミング工程S13とから構成されている。
図5に示すように、色付工程S11では、矢印方向に移動する長尺帯状のフィルム材11の表裏両面に色付装置21によって連続印刷している。
色付装置21は、フィルム材11の表面に形状部5aの形状に対応したマスク処理を行い、一巡目にて、マスク処理を行ったフィルム材11の表面のマスク処理されていない領域(背景部5b)に黒色塗料を転写し、マスクを取り外して乾燥させた後、二巡目にて、フィルム材11の裏面に灰色塗料を転写し、乾燥させている。
これにより、長尺帯状のフィルム材11に、凹凸が形成されていない形状部5aと背景部5bとからなる複数の意匠部5が連続して印刷される。
色付装置21は、フィルム材11の表面に形状部5aの形状に対応したマスク処理を行い、一巡目にて、マスク処理を行ったフィルム材11の表面のマスク処理されていない領域(背景部5b)に黒色塗料を転写し、マスクを取り外して乾燥させた後、二巡目にて、フィルム材11の裏面に灰色塗料を転写し、乾燥させている。
これにより、長尺帯状のフィルム材11に、凹凸が形成されていない形状部5aと背景部5bとからなる複数の意匠部5が連続して印刷される。
凹凸作成工程S12では、長尺帯状のフィルム材11の形状部5aに対応する位置に圧空成形型22,23によって凹凸形状を形成している。
図6(a),図6(b)に示すように、所定位置に配置され且つ加熱軟化されたフィルム材11を圧空成形型22,23の型閉め動作によって挟み込み、型22とフィルム材11の間を真空にすると共に型23側から供給される圧縮空気の圧力によってフィルム材11を型22に密着させて凹凸形状を成形している。
これにより、フィルム材11の形状部5aに対応する位置、所謂中央のマーク及びマークを囲む楕円部分に高低差約5mm程度の凹凸意匠が形成されている。
尚、圧空成形に代えて真空成形で凹凸形状を形成しても良い。
図6(a),図6(b)に示すように、所定位置に配置され且つ加熱軟化されたフィルム材11を圧空成形型22,23の型閉め動作によって挟み込み、型22とフィルム材11の間を真空にすると共に型23側から供給される圧縮空気の圧力によってフィルム材11を型22に密着させて凹凸形状を成形している。
これにより、フィルム材11の形状部5aに対応する位置、所謂中央のマーク及びマークを囲む楕円部分に高低差約5mm程度の凹凸意匠が形成されている。
尚、圧空成形に代えて真空成形で凹凸形状を形成しても良い。
トリミング工程S13では、トリミング装置(図示略)によってフィルム材11から第1中間体2を形成している。
図7に示すように、第1中間体2は、形状部5aと背景部5bからなる意匠部5を含み且つエンブレム1に対応するように正面視にて略楕円状に形成され、外周端近傍部に放射方向外側に僅かに延びる縁部2aを備えている。
縁部2aの放射方向寸法は、透明樹脂層形成工程S2において溶融等により僅かに残る程度の寸法である。
図7に示すように、第1中間体2は、形状部5aと背景部5bからなる意匠部5を含み且つエンブレム1に対応するように正面視にて略楕円状に形成され、外周端近傍部に放射方向外側に僅かに延びる縁部2aを備えている。
縁部2aの放射方向寸法は、透明樹脂層形成工程S2において溶融等により僅かに残る程度の寸法である。
縁部2aは、第1中間体2の全周に亙って一様に形成されている。
この縁部2aには、長径方向両端部に放射方向内側に凹入した略矩形状の1対の凹部2bと、全周に亙って放射方向に延びる複数の切れ込み部2cが設けられている。
縁部2aのうち、後述するランナー38bに対向する部分には、縁部2aの放射方向外側端から放射方向外側に延びる延長部2dが形成されている。
この延長部2dは、先端部分がランナー38b内に部分的に侵入可能な寸法に設定されている(図11参照)。
この縁部2aには、長径方向両端部に放射方向内側に凹入した略矩形状の1対の凹部2bと、全周に亙って放射方向に延びる複数の切れ込み部2cが設けられている。
縁部2aのうち、後述するランナー38bに対向する部分には、縁部2aの放射方向外側端から放射方向外側に延びる延長部2dが形成されている。
この延長部2dは、先端部分がランナー38b内に部分的に侵入可能な寸法に設定されている(図11参照)。
次に、透明樹脂層形成工程S2について詳細に説明する。
図8に示すように、透明樹脂層形成工程S2は、第1,第2金型31,32を準備する準備工程S21と、第1中間体2を第1金型31に配置する配置工程S22と、第1中間体2を第1金型31に対して位置決め支持する拘束工程S23と、型閉工程S24と、射出機構(図示略)により溶融した透明樹脂材12をキャビティC1内に射出する射出工程S25と、透明樹脂材12を第1冷却速度K1で冷却する第1冷却工程S26と、型開工程S27と、第2中間体6を第2冷却速度K2で冷却する第2冷却工程S28等を有している。ここで、第1,第2金型31,32が、透明樹脂層形成手段に相当している。
図8に示すように、透明樹脂層形成工程S2は、第1,第2金型31,32を準備する準備工程S21と、第1中間体2を第1金型31に配置する配置工程S22と、第1中間体2を第1金型31に対して位置決め支持する拘束工程S23と、型閉工程S24と、射出機構(図示略)により溶融した透明樹脂材12をキャビティC1内に射出する射出工程S25と、透明樹脂材12を第1冷却速度K1で冷却する第1冷却工程S26と、型開工程S27と、第2中間体6を第2冷却速度K2で冷却する第2冷却工程S28等を有している。ここで、第1,第2金型31,32が、透明樹脂層形成手段に相当している。
準備工程S21では、可動型である第1金型31と、この第1金型31と協働してキャビティC1を構成する固定型である第2金型32とを準備している。
第1金型31は、第1中間体2を水平方向に対して略直交姿勢の状態で支持可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
図9,図10a〜図10dに示すように、第1金型31は、第1中間体2を真空吸引可能な真空ポンプ33(吸引機構)と、本体31aと、この本体31aに設けられた凹所に挿入可能な入子型31b等を備えている。
入子型31bは、平面視にて形状部5aの平面形状と同一形状に形成され、入子型31bの一側半部内には本体31aの一部が予め装填されている。
本体31aと入子型31bは、形状部5aと背景部5bとの境界部に対応した部分に分割隙間(間隔約0.05mm)である第1吸引通路34aを形成している。
第1吸引通路34aは何れも環状に連通されている。また、後述する凸部36の下流側近傍位置には、第2吸引通路34bが形成されている。
第1金型31は、第1中間体2を水平方向に対して略直交姿勢の状態で支持可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
図9,図10a〜図10dに示すように、第1金型31は、第1中間体2を真空吸引可能な真空ポンプ33(吸引機構)と、本体31aと、この本体31aに設けられた凹所に挿入可能な入子型31b等を備えている。
入子型31bは、平面視にて形状部5aの平面形状と同一形状に形成され、入子型31bの一側半部内には本体31aの一部が予め装填されている。
本体31aと入子型31bは、形状部5aと背景部5bとの境界部に対応した部分に分割隙間(間隔約0.05mm)である第1吸引通路34aを形成している。
第1吸引通路34aは何れも環状に連通されている。また、後述する凸部36の下流側近傍位置には、第2吸引通路34bが形成されている。
第1金型31は、可動部31cと、真空ポンプ33の吸引力を第1,第2吸引通路34a,34bに伝達する複数の溝部34cと、これら複数の溝部34cに均一な吸引力を分配する分配部35と、本体31aのランナー38bの上流部分に対応した位置に形成された凸部36と、1対のロケートピン37(位置決め機構)等を備えている。
可動部31cは、本体31aのランナー38bに対応した位置を除く第2金型32側外周部分に設けられ、第2金型32方向に付勢された状態で本体31aから僅かに(例えば約1.3mm)離隔して配設されている。付勢力及び離隔距離は、この付勢力で可動部31cが第2金型32に当接しているとき、射出工程S25におけるキャビティC1内の空気を外部に排出可能な値に設定されている。
射出工程S25の際、キャビティC1内の透明樹脂材12が所定の充填率(例えば80%)に到達したとき、可動部31cが本体31aに最接近するように第1金型31の進出動作が調整されている。
射出工程S25の際、キャビティC1内の透明樹脂材12が所定の充填率(例えば80%)に到達したとき、可動部31cが本体31aに最接近するように第1金型31の進出動作が調整されている。
図10a〜図10dに示すように、複数の溝部34cは、第1,第2吸引通路34a,34bの端部分に夫々対応して形成されている。
分配部35は、第1,第2吸引通路34a,34bを真空ポンプ33に連通している。この分配部35は、入子型31bの第2金型32と反対側部分(第1,第2吸引通路34a,34bの上流側部分)に設けられ、複数の溝部34cに並列状に連結されている。
分配部35は、第1,第2吸引通路34a,34bを真空ポンプ33に連通している。この分配部35は、入子型31bの第2金型32と反対側部分(第1,第2吸引通路34a,34bの上流側部分)に設けられ、複数の溝部34cに並列状に連結されている。
図9,図11に示すように、立方体状の凸部36は、第1中間体2の延長部2dの上流側近傍位置において、本体31aから直交状に第2金型32方向に突出し、ランナー38b内を型面方向一端側から他端側に亙って横切るように形成されている。
凸部36とランナー38bを構成する第2金型32の凸部36に対向する壁部が、透明樹脂材12の流れ方向変更手段に相当している。
1対のロケートピン37は、第1中間体2の長径方向両端部に形成された1対の凹部2bに夫々嵌合可能に構成されている。これら1対のロケートピン37は、本体31aから第2金型32方向に進出及び後退可能に夫々形成され、透明樹脂層3の受面部3aに係合することにより第2中間体6のエジェクト機能を備えている。
凸部36とランナー38bを構成する第2金型32の凸部36に対向する壁部が、透明樹脂材12の流れ方向変更手段に相当している。
1対のロケートピン37は、第1中間体2の長径方向両端部に形成された1対の凹部2bに夫々嵌合可能に構成されている。これら1対のロケートピン37は、本体31aから第2金型32方向に進出及び後退可能に夫々形成され、透明樹脂層3の受面部3aに係合することにより第2中間体6のエジェクト機能を備えている。
図10a〜図10dに示すように、第2金型32は、第2中間体6を水平方向に対して略直交姿勢の状態で成形可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
第2金型32は、射出機構と、この射出機構とサイドゲートとをランナー38bを介して連通する導入ゲート38aと、ランナー38bの一部を構成し且つ第1金型31に対向した壁部等を備えている。この第2金型32と第1金型31とが型閉めされたとき、第1,第2金型31,32が協働してキャビティC1とランナー38bを形成し、ランナー38bの下流端部がサイドゲートを形成している。
図11に示すように、導入ゲート38aは、第1金型31側程径寸法が大きくなるように設定され、型閉め時、ランナー38bとの連結部には所定容量の容積室が形成されるように構成されている。
第2金型32は、射出機構と、この射出機構とサイドゲートとをランナー38bを介して連通する導入ゲート38aと、ランナー38bの一部を構成し且つ第1金型31に対向した壁部等を備えている。この第2金型32と第1金型31とが型閉めされたとき、第1,第2金型31,32が協働してキャビティC1とランナー38bを形成し、ランナー38bの下流端部がサイドゲートを形成している。
図11に示すように、導入ゲート38aは、第1金型31側程径寸法が大きくなるように設定され、型閉め時、ランナー38bとの連結部には所定容量の容積室が形成されるように構成されている。
図10aに示すように、第1,第2金型31,32を離隔させた状態で、第1中間体2を第1金型31の規定位置に配置する。配置工程S22では、第1中間体2に形成された1対の凹部2bを1対のロケートピン37に夫々嵌合させて位置決めしている。
図10bに示すように、拘束工程S23では、形状部5aと背景部5bとの境界部に対応した第1吸引通路34aを介して第1中間体2を第1金型31方向に吸引する。
形状部5aと背景部5bとの境界部を吸引することにより、商品性を維持しつつ支持能力を向上している。特に、形状部5aが凹凸形状の場合には、境界部(稜線部)に積極的に吸引痕をつけることにより形状部5aの形状精度を高くすることができる。
また、第1吸引通路34aを形状部5aに対応させて環状に連通することにより、第1中間体2を全域に亙って均等な吸引力で吸引固定している。
図10bに示すように、拘束工程S23では、形状部5aと背景部5bとの境界部に対応した第1吸引通路34aを介して第1中間体2を第1金型31方向に吸引する。
形状部5aと背景部5bとの境界部を吸引することにより、商品性を維持しつつ支持能力を向上している。特に、形状部5aが凹凸形状の場合には、境界部(稜線部)に積極的に吸引痕をつけることにより形状部5aの形状精度を高くすることができる。
また、第1吸引通路34aを形状部5aに対応させて環状に連通することにより、第1中間体2を全域に亙って均等な吸引力で吸引固定している。
図10cに示すように、型閉工程S24では、第1金型31が接近移動することにより、第1,第2金型31,32の型面が当接してキャビティC1を形成する。
本体31aに対して位置決めされた第1中間体2が、第1,第2金型31,32による型閉めにより延長部2dに対応した縁部2aを除いて略全周に亙って縁部2aが第1,第2金型31,32に挟持されるため、規定された位置に確実に保持される。
このとき、可動部31cは、所定の付勢力により本体31aから離隔している。
本体31aに対して位置決めされた第1中間体2が、第1,第2金型31,32による型閉めにより延長部2dに対応した縁部2aを除いて略全周に亙って縁部2aが第1,第2金型31,32に挟持されるため、規定された位置に確実に保持される。
このとき、可動部31cは、所定の付勢力により本体31aから離隔している。
図10dに示すように、射出工程S25では、射出温度T1まで加熱された溶融透明樹脂材12をキャビティC1内に射出する。溶融透明樹脂材12は、射出機構から射出され、導入ゲート38a及びランナー38bを介してキャビティC1内に供給される。
図11の矢印Fに示すように、凸部36が、ランナー38b内を流動する透明樹脂材12を凸部36と反対方向のランナー38bの一部を構成する第2金型32の壁部に向けて方向変換させ、その後、ランナー38bの一部を構成する第2金型32の壁部が、第1中間体2の延長部2dを第1金型31方向に押圧するように透明樹脂材12の流動方向を変更している。これにより、第1中間体2の延長部2dには、第2吸引通路34bからの吸引力と透明樹脂材12からの押圧力とが第1金型31方向に作用している。
また、キャビティC1内の透明樹脂材12の充填率が80%未満の期間は、第2金型32と可動部31cの接触圧力が所定の値に調整されているため、キャビティC1内の空気が透明樹脂材12の流入を阻害することなく外部に排出される。これにより、透明樹脂材12の注入に同期してキャビティC1内から空気を円滑に排出することができる。
図11の矢印Fに示すように、凸部36が、ランナー38b内を流動する透明樹脂材12を凸部36と反対方向のランナー38bの一部を構成する第2金型32の壁部に向けて方向変換させ、その後、ランナー38bの一部を構成する第2金型32の壁部が、第1中間体2の延長部2dを第1金型31方向に押圧するように透明樹脂材12の流動方向を変更している。これにより、第1中間体2の延長部2dには、第2吸引通路34bからの吸引力と透明樹脂材12からの押圧力とが第1金型31方向に作用している。
また、キャビティC1内の透明樹脂材12の充填率が80%未満の期間は、第2金型32と可動部31cの接触圧力が所定の値に調整されているため、キャビティC1内の空気が透明樹脂材12の流入を阻害することなく外部に排出される。これにより、透明樹脂材12の注入に同期してキャビティC1内から空気を円滑に排出することができる。
第1冷却工程S26では、透明樹脂材12を射出温度T1から金型温度T2(T2<T1)まで第1冷却速度K1で冷却する。これにより、透明樹脂層3を成形している。
透明樹脂材12が非晶性合成樹脂であるため、成形性を考慮したガラス転移温度Tgと金型温度T2との関係は、次式(1)で表すことができる。
Tg−40≦T2≦Tg−20 …(1)
従って、透明樹脂材12がポリカーボネートの場合、250℃≦T1≦320℃、105℃≦T2≦125℃の温度範囲とされ、本実施例では、射出温度T1を300℃、金型温度T2を120℃に設定している。
透明樹脂材12が非晶性合成樹脂であるため、成形性を考慮したガラス転移温度Tgと金型温度T2との関係は、次式(1)で表すことができる。
Tg−40≦T2≦Tg−20 …(1)
従って、透明樹脂材12がポリカーボネートの場合、250℃≦T1≦320℃、105℃≦T2≦125℃の温度範囲とされ、本実施例では、射出温度T1を300℃、金型温度T2を120℃に設定している。
図12に示すように、溶融透明樹脂材12がキャビティC1内に供給されるt1〜t2の期間(射出工程S25)は、透明樹脂材12の温度が射出温度T1に維持され、射出工程S25の終了と同時に透明樹脂材12の冷却が開始される。
第1冷却速度K1は、射出温度T1と、金型温度T2と、冷却期間(t3−t2)との関係によって次式(2)のように設定されている。
(T1−Tg+40)/(t3−t2)≦K1≦(T1−Tg+20)/(t3−t2) …(2)
尚、冷却期間(t3−t2)は、成形能率と成形性とを考慮して透明樹脂材12の種類毎に予め設定されている。
第1冷却速度K1は、射出温度T1と、金型温度T2と、冷却期間(t3−t2)との関係によって次式(2)のように設定されている。
(T1−Tg+40)/(t3−t2)≦K1≦(T1−Tg+20)/(t3−t2) …(2)
尚、冷却期間(t3−t2)は、成形能率と成形性とを考慮して透明樹脂材12の種類毎に予め設定されている。
また、第1冷却工程S26と同時に保圧工程が開始される。
この保圧工程は、第1冷却工程S26の期間のうち所定期間第1中間体2と透明樹脂層3とをキャビティC1内で保圧している。
型開工程S27は、t3〜t4の期間に実行され、第1金型31を第2金型32から離隔するように後退移動させた後、第2中間体6を取り出す。
この保圧工程は、第1冷却工程S26の期間のうち所定期間第1中間体2と透明樹脂層3とをキャビティC1内で保圧している。
型開工程S27は、t3〜t4の期間に実行され、第1金型31を第2金型32から離隔するように後退移動させた後、第2中間体6を取り出す。
図2(b),図13(a)に示すように、第2中間体6の透明樹脂層3には、凹部2bに対応した位置に放射方向内側に凹設された矩形状の受面部3aが設けられ、1対のロケートピン37の放射方向内側端部分が、第2中間体6の放射方向外側端部分に部分的に重なり合うことにより係合可能に夫々形成されている。
それ故、図13(b)に示すように、型開き後、1対のロケートピン37の進出動作により第2中間体6が第1金型31から取り出される。
尚、受面部3aは、角状(矩形状)の凹設部に限らず、傾斜による凹設部であっても良い。傾斜による凹設部の場合、反射光の急激な輝度変化がなく、見栄え改善による商品性向上を図ることができる。
それ故、図13(b)に示すように、型開き後、1対のロケートピン37の進出動作により第2中間体6が第1金型31から取り出される。
尚、受面部3aは、角状(矩形状)の凹設部に限らず、傾斜による凹設部であっても良い。傾斜による凹設部の場合、反射光の急激な輝度変化がなく、見栄え改善による商品性向上を図ることができる。
第2冷却工程S28では、キャビティC1の外に取り出された第2中間体6を第1冷却速度K1よりも速い第2冷却速度K2で常温(例えば20〜30℃)まで冷却する。
図12に示すように、第1金型31から取り出された第2中間体6は、型開工程S28の終了と同時に冷却が開始され、t4〜t5の期間冷却される。
これにより、熱収縮速度の速い第1中間体2と、この第1中間体2と一体化された熱収縮速度の遅い透明樹脂層3との収縮量を揃えることができ、両者間に生じる剥離に起因した隙間の発生を抑制している。
図12に示すように、第1金型31から取り出された第2中間体6は、型開工程S28の終了と同時に冷却が開始され、t4〜t5の期間冷却される。
これにより、熱収縮速度の速い第1中間体2と、この第1中間体2と一体化された熱収縮速度の遅い透明樹脂層3との収縮量を揃えることができ、両者間に生じる剥離に起因した隙間の発生を抑制している。
第2冷却工程S28の第2冷却速度K2は、2℃/sec以上で透明樹脂層3の収縮促進効果が発揮され、4℃/sec以上で高い効果を期待することができる。
第2中間体6は、第1金型31からの取り出しと同時に常温水に浸けられている。
第2中間体6の冷媒は、所定の冷却速度を管理できれば良く、ウォータミストによって冷却しても良く、ドライアイスによって冷却することも可能である。
第2中間体6は、第1金型31からの取り出しと同時に常温水に浸けられている。
第2中間体6の冷媒は、所定の冷却速度を管理できれば良く、ウォータミストによって冷却しても良く、ドライアイスによって冷却することも可能である。
次に、基材樹脂層形成工程S3について詳細に説明する。
図14に示すように、基材樹脂層形成工程S3は、第1,第2金型41,42を準備する準備工程S31と、第2中間体6を第1金型41に配置する配置工程S32と、第2中間体6を第1金型41に対して位置決め支持する拘束工程S33と、型閉工程S34と、射出機構(図示略)により溶融した基材樹脂材13をキャビティC2に射出する射出工程S35と、基材樹脂材13を冷却する冷却工程S36と、型開工程S37等を有している。ここで、第1,第2金型41,42が、基材樹脂層形成手段に相当している。
図14に示すように、基材樹脂層形成工程S3は、第1,第2金型41,42を準備する準備工程S31と、第2中間体6を第1金型41に配置する配置工程S32と、第2中間体6を第1金型41に対して位置決め支持する拘束工程S33と、型閉工程S34と、射出機構(図示略)により溶融した基材樹脂材13をキャビティC2に射出する射出工程S35と、基材樹脂材13を冷却する冷却工程S36と、型開工程S37等を有している。ここで、第1,第2金型41,42が、基材樹脂層形成手段に相当している。
準備工程S31では、固定型である第1金型41と、この第1金型41と協働してキャビティC2を構成する可動型である第2金型42とを準備している。
第1金型41は、第2中間体6を水平方向に対して略直交姿勢の状態で支持可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
図15a〜図15dに示すように、第1金型41は、1対の開口部41aと、第2中間体6を真空吸引可能な真空ポンプ43(吸引機構)と、1対の開口部41aに真空ポンプ43の吸引力を夫々伝達する1対の吸引通路44と、真空ポンプ43の吸引力を通路毎に均一化して分配する分配部45等を備えている。
尚、説明の便宜上、図15a〜図15dは横断面図を示している。
第1金型41は、第2中間体6を水平方向に対して略直交姿勢の状態で支持可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
図15a〜図15dに示すように、第1金型41は、1対の開口部41aと、第2中間体6を真空吸引可能な真空ポンプ43(吸引機構)と、1対の開口部41aに真空ポンプ43の吸引力を夫々伝達する1対の吸引通路44と、真空ポンプ43の吸引力を通路毎に均一化して分配する分配部45等を備えている。
尚、説明の便宜上、図15a〜図15dは横断面図を示している。
1対の開口部41aは、第2中間体6の透明樹脂層3を吸引するように構成され、略椀状に夫々形成されている。これら開口部41aは、透明樹脂層3の表面から第1中間体2までの厚みが第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように略対称位置に配置されている。本実施例では、第2中間体6の中心に対して長径方向両側の背景部5bの位置P(図7参照)に対応した位置に1対の開口部41aを配設している。
1対の開口部41aは、真空ポンプ43と1対の吸引通路44及び分配部45を介して夫々連通されている。分配部45は、一端部が真空ポンプ43に接続され、他端部が1対の吸引通路44の上流側端部と並列状に接続されている。
1対の開口部41aは、真空ポンプ43と1対の吸引通路44及び分配部45を介して夫々連通されている。分配部45は、一端部が真空ポンプ43に接続され、他端部が1対の吸引通路44の上流側端部と並列状に接続されている。
図15a〜図15dに示すように、第2金型42は、第2中間体6を水平方向に対して略直交姿勢の状態で成形可能に設けられ、金型温度を調節可能に構成されている。
第2金型42は、射出機構(図示略)と、この射出機構とキャビティC2とを連通する導入ゲート48等を備えている。この第2金型42と第1金型41とが型閉めされたとき、第1,第2金型41,42が協働してキャビティC2を形成している。
キャビティC2の形状は、最終のインサート成形品の厚みが略均一で且つ第1中間体2の縁部2aの放射方向外側端部の表面及び受面部3aを覆う基材樹脂層4を形成するように構成されている。
導入ゲート48は、キャビティC2の中央部分に対応するように形成され、第1金型41側程径寸法が大きくなるように構成されている。
第2金型42は、射出機構(図示略)と、この射出機構とキャビティC2とを連通する導入ゲート48等を備えている。この第2金型42と第1金型41とが型閉めされたとき、第1,第2金型41,42が協働してキャビティC2を形成している。
キャビティC2の形状は、最終のインサート成形品の厚みが略均一で且つ第1中間体2の縁部2aの放射方向外側端部の表面及び受面部3aを覆う基材樹脂層4を形成するように構成されている。
導入ゲート48は、キャビティC2の中央部分に対応するように形成され、第1金型41側程径寸法が大きくなるように構成されている。
図15aに示すように、第1,第2金型41,42を離隔させた状態で、第2中間体6を第1金型41の規定位置に配置する。
配置工程S32では、透明樹脂層3の長径方向両側の背景部5bに対応した領域(位置Pに対応した領域)が1対の開口部41aに当接するように位置決めしている。
図15bに示すように、拘束工程S33では、1対の開口部41aを介して第2中間体6を第1金型41方向に吸引する。第2中間体6を長径方向に略3等分した位置で支持するため、均等な吸引力で支持能力を高くすることができる。
配置工程S32では、透明樹脂層3の長径方向両側の背景部5bに対応した領域(位置Pに対応した領域)が1対の開口部41aに当接するように位置決めしている。
図15bに示すように、拘束工程S33では、1対の開口部41aを介して第2中間体6を第1金型41方向に吸引する。第2中間体6を長径方向に略3等分した位置で支持するため、均等な吸引力で支持能力を高くすることができる。
図15cに示すように、型閉工程S34では、第2金型42が接近移動することにより、第1,第2金型41,42が当接してキャビティC2を形成する。
図15dに示すように、射出工程S35では、射出温度T3まで加熱された溶融基材樹脂材13をキャビティC2内に射出する。溶融基材樹脂材13は、射出機構から射出され、導入ゲート48を介してキャビティC2内に供給される。
基材樹脂材13がABSの場合、射出温度(溶融温度)T3が180〜270℃であり、ポリカーボネートのガラス転移温度Tgよりも高いため、透明樹脂層3の軟化に起因した吸引痕が懸念されるが、溶融基材樹脂材13の熱が最も伝達され難い部分(位置Pに対応した領域)で支持することにより、吸引痕の発生を回避している。また、第1中間体2の縁部2aに放射方向に延びる複数の切れ込み部2cが形成されているため、皺対策に加えて、溶融基材樹脂材13の縁部2aの表面側への回り込み性を高めている。
図15dに示すように、射出工程S35では、射出温度T3まで加熱された溶融基材樹脂材13をキャビティC2内に射出する。溶融基材樹脂材13は、射出機構から射出され、導入ゲート48を介してキャビティC2内に供給される。
基材樹脂材13がABSの場合、射出温度(溶融温度)T3が180〜270℃であり、ポリカーボネートのガラス転移温度Tgよりも高いため、透明樹脂層3の軟化に起因した吸引痕が懸念されるが、溶融基材樹脂材13の熱が最も伝達され難い部分(位置Pに対応した領域)で支持することにより、吸引痕の発生を回避している。また、第1中間体2の縁部2aに放射方向に延びる複数の切れ込み部2cが形成されているため、皺対策に加えて、溶融基材樹脂材13の縁部2aの表面側への回り込み性を高めている。
冷却工程S36では、基材樹脂材13を射出温度T3から金型温度T4(T4<T3)まで一定の冷却速度で冷却する。溶融基材樹脂材13を固化させることにより、基材樹脂層4を成形している。基材樹脂材13がABSの場合、40℃≦T4≦80℃の温度範囲とされる。
冷却工程S36の冷却速度は、射出温度T3と、金型温度T4と、冷却期間との関係によって設定され、冷却期間は、成形能率と成形性とを考慮して基材樹脂材13の種類毎に予め設定している。
冷却工程S36の冷却速度は、射出温度T3と、金型温度T4と、冷却期間との関係によって設定され、冷却期間は、成形能率と成形性とを考慮して基材樹脂材13の種類毎に予め設定している。
また、冷却工程S36と同時に保圧工程が開始される。
この保圧工程は、冷却工程S36の期間のうち所定期間第2中間体6と基材樹脂層4とをキャビティC2内で保圧している。
型開工程S37では、第2金型42を第1金型41から離隔するように後退移動させた後、エジェクト機構(図示略)により最終製品であるエンブレム1を取り出し、透明樹脂層3の表面にハードコート処理を施す。
この保圧工程は、冷却工程S36の期間のうち所定期間第2中間体6と基材樹脂層4とをキャビティC2内で保圧している。
型開工程S37では、第2金型42を第1金型41から離隔するように後退移動させた後、エジェクト機構(図示略)により最終製品であるエンブレム1を取り出し、透明樹脂層3の表面にハードコート処理を施す。
次に、本実施例のフィルム材のインサート成形方法及びその装置における作用、効果について説明する。
本インサート成形方法によれば、意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を用いるため、意匠部5に深み感を与えることができる。第2中間体6を第1金型41に配置する配置工程S32と、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部41aを介して吸引することにより第1金型41に第2中間体6を拘束する拘束工程S33と、第1,第2金型41,42の型閉めにより形成されたキャビティC2内に溶融した基材樹脂材13を射出してインサート成形品であるエンブレム1を形成する射出工程S35とを有するため、第2中間体6の透明樹脂層3が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材13から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体6を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
本インサート成形方法によれば、意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を用いるため、意匠部5に深み感を与えることができる。第2中間体6を第1金型41に配置する配置工程S32と、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部41aを介して吸引することにより第1金型41に第2中間体6を拘束する拘束工程S33と、第1,第2金型41,42の型閉めにより形成されたキャビティC2内に溶融した基材樹脂材13を射出してインサート成形品であるエンブレム1を形成する射出工程S35とを有するため、第2中間体6の透明樹脂層3が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材13から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体6を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
射出工程S35において、エンブレム1の厚みが均一になるように基材樹脂層4を形成するため、深み感を備えつつ電波透過性を確保することができる。
基材樹脂材13の溶融温度が透明樹脂層3を構成する透明樹脂材12のガラス転移温度Tgよりも高いため、透明樹脂材12のガラス転移温度Tgよりも高い溶融温度を備えた基材樹脂材13を用いても、吸引痕の形成を回避することができる。
第1金型41が、第2中間体6を水平方向に対して略直交方向にセットするように配置されているため、第2中間体6を水平方向に対して略直交方向にセットする第1,第2金型41,42であっても、第2中間体6の支持能力を確保することができる。
基材樹脂材13の溶融温度が透明樹脂層3を構成する透明樹脂材12のガラス転移温度Tgよりも高いため、透明樹脂材12のガラス転移温度Tgよりも高い溶融温度を備えた基材樹脂材13を用いても、吸引痕の形成を回避することができる。
第1金型41が、第2中間体6を水平方向に対して略直交方向にセットするように配置されているため、第2中間体6を水平方向に対して略直交方向にセットする第1,第2金型41,42であっても、第2中間体6の支持能力を確保することができる。
意匠部5を備えたフィルム材11で構成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3を形成すると共に裏面に基材樹脂層4を形成するフィルム材11のインサート成形装置において、フィルム材11の最終形状にトリミングされ且つ意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を支持すると共に1対の開口部41aを介して第2中間体6を吸引可能な第1金型41と、型閉めしたとき、第1金型41との間にキャビティC2を形成する第2金型42と、キャビティC2内に溶融した基材樹脂材13を射出する射出機構と、第2中間体6を開口部41aを介して吸引して第1金型41に拘束する真空ポンプ43とを備え、開口部41aが、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設されている。
これにより、意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を用いるため、意匠部5に深み感を与えることができる。
第2中間体6を、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部41aを介して吸引して第1金型41に拘束する真空ポンプ43を備えるため、第2中間体6の透明樹脂層3が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材13から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体6を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
これにより、意匠部5に凹凸形状が形成された第1中間体2の表面に透明樹脂層3が形成された第2中間体6を用いるため、意匠部5に深み感を与えることができる。
第2中間体6を、第2中間体6の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された開口部41aを介して吸引して第1金型41に拘束する真空ポンプ43を備えるため、第2中間体6の透明樹脂層3が吸引される場合でも、溶融基材樹脂材13から離隔することにより温度が伝達され難い領域で第2中間体6を支持することができ、吸引痕の形成を回避することができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、左右1対の開口部を設けた例を説明したが、少なくとも、開口部が第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設されていれば良く、単一の開口部であっても良い。また、3以上の開口部を設定することも可能である。
1〕前記実施形態においては、左右1対の開口部を設けた例を説明したが、少なくとも、開口部が第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設されていれば良く、単一の開口部であっても良い。また、3以上の開口部を設定することも可能である。
2〕前記実施形態においては、車両の外装品であるエンブレムの例を説明したが、車両の内装品に適用しても良く、また、車両以外の装飾品に適用可能である。
また、透明樹脂層がPC、フィルム材が重金属を含まない特定材質、基材樹脂層がABSの例を説明したが、少なくとも設計条件に合致した材質であれば良く、任意に選択することができる。
また、透明樹脂層がPC、フィルム材が重金属を含まない特定材質、基材樹脂層がABSの例を説明したが、少なくとも設計条件に合致した材質であれば良く、任意に選択することができる。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
1 エンブレム
2 第1中間体
3 透明樹脂層
4 基材樹脂層
5 意匠部
11 フィルム材
12 透明樹脂材
13 基材樹脂材
41 第1金型
41a 開口部
42 第2金型
43 真空ポンプ
C2 キャビティ
2 第1中間体
3 透明樹脂層
4 基材樹脂層
5 意匠部
11 フィルム材
12 透明樹脂材
13 基材樹脂材
41 第1金型
41a 開口部
42 第2金型
43 真空ポンプ
C2 キャビティ
Claims (5)
- 意匠部を備えたフィルム材で構成された中間体の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形方法において、
前記フィルム材の最終形状にトリミングされ且つ前記意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を支持すると共に1又は複数の開口部を介して前記第2中間体を吸引可能な第1金型と、前記第1金型との間にキャビティを形成する第2金型とを準備する金型準備工程と、
前記第2中間体を前記第1金型に配置する配置工程と、
前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設された前記開口部を介して吸引することにより前記第1金型に前記第2中間体を拘束する拘束工程と、
前記第1,第2金型の型閉めにより形成されたキャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出してインサート成形品を形成する射出工程と、
を有することを特徴とするフィルム材のインサート成形方法。 - 前記射出工程において、前記インサート成形品の厚みが均一になるように前記基材樹脂層を形成することを特徴とする請求項1に記載のフィルム材のインサート成形方法。
- 前記基材樹脂材の溶融温度が前記透明樹脂層を構成する透明樹脂材のガラス転移温度よりも高いことを特長とする請求項1又は2に記載のフィルム材のインサート成形方法。
- 前記第1金型が、前記第2中間体を水平方向に対して略直交方向にセットするように配置されていることを特長とする請求項1〜3の何れか1項に記載のフィルム材のインサート成形方法。
- 意匠部を備えたフィルム材で構成された中間体の表面に透明樹脂層を形成すると共に裏面に基材樹脂層を形成するフィルム材のインサート成形装置において、
前記フィルム材の最終形状にトリミングされ且つ前記意匠部に凹凸形状が形成された第1中間体の表面に透明樹脂層が形成された第2中間体を支持すると共に1又は複数の開口部を介して前記第2中間体を吸引可能な第1金型と、
型閉めしたとき、前記第1金型との間にキャビティを形成する第2金型と、
前記キャビティ内に溶融した基材樹脂材を射出する射出機構と、
前記第2中間体を前記開口部を介して吸引して前記第1金型に拘束する吸引機構とを備え、
前記開口部が、前記第2中間体の平均厚みよりも厚い領域に対応するように配設されたことを特徴とするフィルム材のインサート成形装置。
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- 2016-09-29 JP JP2016191667A patent/JP6229860B1/ja active Active
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