JP6229650B2 - 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造用鋳型 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造用鋳型 Download PDF

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Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法及びそれに用いる連続鋳造用鋳型に関し、詳しくは、表面研削を繰り返して再使用される長辺銅板の研削回数に応じて短辺銅板端部側の表面温度を制御する連続鋳造方法及びそれに用いる連続鋳造用鋳型に関する。
従来、鋼の連続鋳造鋳片の製造においては、上下方向に貫通した内部空間を形成する長辺銅板及び短辺銅板を有する、内部水冷式の連続鋳造用鋳型(以下、単に「鋳型」とも記す)を使用し、前記内部空間に溶鋼を供給して冷却し、鋳型内で溶鋼を凝固させながら生成した凝固シェルを鋳型下方に連続的に引き抜いている。ここで、鋳型のコーナー部の銅板表面温度は、鋳造されるスラブ鋳片への品質の影響が大きく、例えば、冷却不足の場合には、凝固遅れが生じてブレークアウトを引き起こし、一方、過冷却の場合には、スラブ鋳片でのコーナー割れの原因となることが知られている。尚、鋳型のコーナー部とは、長辺銅板と短辺銅板との接触部位の近傍の長辺銅板及び短辺銅板の両側の範囲である。
鋳型のコーナー部の銅板表面温度を調整する手段として、特許文献1は、長辺銅板の冷却方式がスリット溝タイプのブルーム鋳片用の鋳型において、長辺銅板のスリット溝の深さを鋳型コーナー部に向けて順次浅くした連続鋳造用鋳型を提案している。特許文献1によれば、冷却水の通るスリット溝を浅くすることで長辺銅板の端部側が緩冷却化され、長辺銅板による冷却と短辺銅板による冷却とが同等になり、ブルーム鋳片のコーナー割れが防止できるとしている。但し、特許文献1の技術では、スリット溝の深さは可変ではなく、長辺銅板端部側の冷却強度を操業条件に応じて調整することはできない。また、長辺銅板と短辺銅板とが一体化されたブルーム鋳片用鋳型であるので、鋳造されるスラブ鋳片の幅に応じて短辺銅板が移動するスラブ鋳片用鋳型には適用することができない。
また、操業条件の変化に応じて鋳型の冷却強度を増減させる手段として、特許文献2は、鋳型銅板の冷却方式がスリット溝タイプの鋳型において、前記スリット溝の内部位置と、スリット溝の外部位置とを移動可能な縮流板を配置し、この縮流板を作動させることで、スリット溝の深さを操業条件に応じて調整可能な連続鋳造用鋳型を提案している。特許文献2は、1つのスリット溝に対してそれぞれ1つの縮流板を設置しており、鋳型幅方向における冷却強度を調整することは可能であるが、それぞれ移動可能な多数の縮流板が必要であることから設備費が高くなるという問題がある。
特開平3−453号公報 実開昭62−56256号公報
鋼の連続鋳造において、鋳型を構成する長辺銅板及び短辺銅板は、鉄に比較して硬度の低い銅製または銅合金製であり、鋳片との接触面となる、矩形の内部空間を形成する面(以下、「内壁面」とも記す)には、銅板の損耗対策としてニッケルメッキやクロムメッキなどが施されるが、1000チャージを超える溶鋼を鋳造することによって長辺銅板及び短辺銅板の内壁面は損耗する。内壁面の損傷した長辺銅板及び短辺銅板は、正常な形状の内部空間を形成することができないことから、鋳型から取り外され、長辺銅板及び短辺銅板とも、それぞれの内壁面が研削され、その後、必要に応じてニッケルメッキやクロムメッキなどが施され、再度鋳型に組み込まれて再使用される。この場合、長辺銅板は、冷却水の流路であるスリット溝の底面と研削後の内壁面(銅板表面)との距離、つまり、銅板の厚みが所定の値となるまで再使用が行われる。長辺銅板の研削回数に応じて、長辺銅板の厚みは減少し、長辺銅板の熱伝達率が増加する。短辺銅板も、基本的には長辺銅板と同様に、銅板の厚みが所定の値となるまで再使用が行われるが、短辺銅板は、鋳型内溶鋼湯面位置において鋳型幅が収縮するという現象が発生し、この鋳型幅の収縮も鋳型寿命の要因となっている。つまり、鋳型幅の収縮が限界値以上の場合は、短辺銅板の再使用は行われない。
スラブ連続鋳造機の場合、1つの鋳型で幅の異なるスラブ鋳片を鋳造するので、短辺銅板は、長辺銅板の内壁面を移動する必要があり、そのために、短辺銅板は長辺銅板に挟まれた状態で保持されている。したがって、短辺銅板の端部は、接触している長辺銅板の内壁面の表面温度の影響を受ける。再使用のために長辺銅板が研削されることで、長辺銅板内壁面の表面温度は研削する毎に低下し、これに伴って、短辺銅板の端部の表面温度は、長辺銅板を研削する毎に低下する。つまり、長辺銅板の研削回数に伴って短辺銅板端部の表面温度が低下するという現象が起こる。
図5(図5の詳細な説明は後述)に、長辺銅板内壁面の研削量と、この長辺銅板に接触する短辺銅板の端部の温度との関係を示す。図5に示すように、長辺銅板内壁面の研削量の増加に伴って短辺銅板端部の温度が低下すること、つまり、短辺銅板内壁面の幅方向(鋳片の厚み方向)での表面温度分布が長辺銅板内壁面の研削量の増加に伴って変化することがわかる。
鋳型内に形成される凝固シェルの冷却速度は、銅板内壁面の表面温度の影響を受ける。したがって、短辺銅板内壁面端部の表面温度が長辺銅板内壁面の研削量に伴って低下し、この低下量が大きくなって過冷却となった場合には、鋳造されるスラブ鋳片にコーナー割れが発生したりする。
即ち、表面欠陥のないスラブ鋳片を鋳造するためには、長辺銅板内壁面の研削量に拘わらず、短辺銅板端部の温度が変化しないようにする必要があるが、換言すれば、短辺銅板内壁面の幅方向(鋳片厚み方向)の表面温度分布が常に一定になるように制御する必要があるが、この点に関して上記従来技術は何ら対策を講じていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、相対する一対の長辺銅板と、この長辺銅板に挟持され、長辺銅板内を移動可能な、相対する一対の短辺銅板とを有する鋳型を用いたスラブ鋳片の連続鋳造において、長辺銅板の研削回数に応じて短辺銅板端部側の冷却水流路での冷却水の流速を調整することで、長辺銅板の研削によって長辺銅板の銅板厚みが減少しても、長辺銅板と接触する短辺銅板の端部の温度をほぼ同等に維持することのできる連続鋳造方法を提供することであり、また、それに用いる連続鋳造用鋳型を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]相対する一対の長辺銅板と、該長辺銅板に挟持され、長辺銅板内を移動可能な一対の短辺銅板とを有し、長辺銅板と短辺銅板とが矩形の内部空間を形成する連続鋳造用鋳型を用いて溶鋼の連続鋳造を行い、所定量の溶鋼を鋳造した後に、前記長辺銅板及び前記短辺銅板を連続鋳造用鋳型から取り外し、取り外した長辺銅板の前記内部空間を形成する面を研削し、研削した後の前記長辺銅板を連続鋳造用鋳型に組み込んで長辺銅板として再使用しながら溶鋼を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法において、前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板に設けられた冷却水流路のうちで、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を、該流速が、長辺銅板の前記内部空間を形成する面の研削回数の増加に伴って低下するように調整し、短辺銅板の両方の端部側の前記内部空間を形成する面の表面温度を制御することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
[2]前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板は、短辺バックアッププレートと接合されていて、前記冷却水流路は、短辺銅板の前記内部空間を形成する面とは反対側の面に設けられたスリット溝と前記短辺バックアッププレートとで形成されるように構成されており、短辺銅板と短辺バックアッププレートとの間に設置される、前記冷却水流路の断面積を縮小させるための縮流板の設置位置を変更することで、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を調整することを特徴とする、上記[1]に記載の鋼の連続鋳造方法。
[3]前記縮流板は、鋳型内溶鋼湯面位置の上下30mmの範囲を上端位置とし、該上端位置から下方へ300mmないし600mmの位置を下端位置として設置されていることを特徴とする、上記[2]に記載の鋼の連続鋳造方法。
[4]前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路の入口または出口に抵抗板を設置し、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を調整することを特徴とする、上記[1]ないし上記[3]のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法。
[5]上記[1]に記載の鋼の連続鋳造方法に用いられる連続鋳造用鋳型であって、前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路には、該冷却水流路を通過する冷却水の流速を変更するための手段が設置されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
[6]前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板は、短辺バックアッププレートと接合されていて、前記冷却水流路は、短辺銅板の前記内部空間を形成する面とは反対側の面に設けられたスリット溝と前記短辺バックアッププレートとで形成されるように構成されており、短辺銅板と短辺バックアッププレートとの間に、前記冷却水流路を通過する冷却水の流速を変更するための手段として、前記冷却水流路の断面積を縮小させるための縮流板が取り替え可能に設置されていることを特徴とする、上記[5]に記載の連続鋳造用鋳型。
[7]前記縮流板は、鋳型内溶鋼湯面位置の上下30mmの範囲を上端位置とし、該上端位置から下方へ300mmないし600mmの位置を下端位置として設置されていることを特徴とする、上記[6]に記載の連続鋳造用鋳型。
[8]前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路の入口または出口に、前記冷却水流路を通過する冷却水の流速を変更するための手段として、冷却水流路での冷却水の流速を調整するための抵抗板が設置されていることを特徴とする、上記[5]ないし上記[7]のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
本発明によれば、長辺銅板と接触する部位である、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路における冷却水の流速を、長辺銅板の研削回数の増加に伴って低下するように調整するので、長辺銅板の研削回数に拘わらず、短辺銅板端部の表面温度をほぼ一定値に維持することができ、その結果、表面欠陥の少ないスラブ鋳片を安定して製造することが実現される。
本発明を適用するスラブ連続鋳造機の連続鋳造用鋳型の縮流板設置位置における横断面概略図である。 図1に示す連続鋳造用鋳型を側面から見た概略図であり、図2(A)は図1のX−X′矢視による鋳型短辺の概略縦断面図、図2(B)は、図2(A)と直交する鋳型背面側から見た鋳型短辺の概略図である。 鋳型銅板に設置された冷却水流路を流れる冷却水の流速とこの鋳型銅板の熱伝達率との関係の調査結果の1例を示す図である。 連続鋳造用鋳型内の鋳造方向における熱流束の分布の1例を示す図である。 長辺銅板の内壁面の研削量と短辺銅板の端部の温度との関係の調査結果を示す図である。 本発明の実施形態の1例を示す図であり、鋳型短辺の縮流板設置位置における横断面概略図である。 本発明の実施形態の他の1例を示す図であり、鋳型短辺の縮流板設置位置における横断面概略図である。 本発明の実施形態の他の1例を示す図であって、図1に示す連続鋳造用鋳型を側面から見た概略図であり、図8(A)は図1のX−X′矢視による鋳型短辺の概略縦断面図、図8(B)は、図8(A)と直交する鋳型背面側から見た鋳型短辺の概略図である。 縮流率と、冷却水の流量比及び冷却水の流速との関係の調査結果を示す図である。 短辺銅板の表面温度をFEM解析によって求めた結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を適用するスラブ連続鋳造機の連続鋳造用鋳型の縮流板設置位置における横断面概略図、図2は、図1に示す連続鋳造用鋳型を側面から見た概略図であり、図2(A)は図1のX−X′矢視による鋳型短辺の概略縦断面図、図2(B)は、図2(A)と直交する鋳型背面側から見た鋳型短辺の概略図である。図2(B)では、短辺バックアッププレートを省略している。
図1及び図2に示すように、スラブ連続鋳造機用の連続鋳造用鋳型1は、相対する一対の鋳型長辺2と、この相対する鋳型長辺2に挟持された、一対の鋳型短辺5とを有している。鋳型長辺2は、銅製または銅合金製の長辺銅板3と鋼製の長辺バックアッププレート4とから構成され、また、鋳型短辺5は、銅製または銅合金製の短辺銅板6と鋼製の短辺バックアッププレート7とから構成されている。長辺銅板3と長辺バックアッププレート4、及び、短辺銅板6と短辺バックアッププレート7とは、ボルトやネジなどを介して接合されている。
相対する一対の長辺銅板3と、相対する一対の短辺銅板6とで、矩形の内部空間17を形成しており、連続鋳造用鋳型1の上方に設置されるタンディッシュ(図示せず)内の溶鋼(図示せず)が、タンディッシュ底部に設置される浸漬ノズル(図示せず)を介して内部空間17に注入され、溶鋼の連続鋳造が行われる。長辺銅板3及び短辺銅板6の内部空間17を形成する面(以下、「内壁面」とも記す)の全部または一部には、必要に応じてニッケルメッキ(図示せず)やクロムメッキ(図示せず)が施されている。
長辺銅板3は、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、鋳造方向の長さが600mm以上1200mm以下程度であり、相対する一対の短辺銅板6の面間隔を600mm以上3000mm以下の範囲で変更可能とすることができるように構成されている。短辺銅板6は、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、幅が50mm以上500mm以下程度で、鋳造方向の長さは長辺銅板3と同等である。これにより、例えば、幅が600mm以上3000mm以下程度、厚みが50mm以上500mm以下程度のスラブ鋳片を鋳造することができる。
鋳型短辺5は、電動モーターや油圧モーターなどの原動機(図示せず)と連結されており、この原動機を作動させることで鋳型短辺5は長辺銅板3の内壁面を横方向に移動し、鋳造される鋳片の幅を自在に変更できるように構成されている。また、鋳型長辺2には、鋳型短辺5を押し付けるためのクランプ力調整装置(図示せず)が設置されており、このクランプ力調整装置によって鋳型長辺2による鋳型短辺5の挟持力が制御されている。具体的には、鋳造中は、溶鋼静圧によって長辺銅板3と短辺銅板6との間に隙間が生じないように保持力が制御され、また、鋳型短辺5が長辺銅板3の内壁面を移動する際には、鋳型短辺5の移動を妨げることがないように、長辺銅板3の保持力が鋳造中よりも小さくなるように制御されている。
長辺銅板3の内部空間17を形成する面とは反対側の面には、複数本のスリット溝8が鋳造方向に沿って設置されており、スリット溝8と長辺バックアッププレート4とで囲まれる空間が、長辺銅板3を冷却するための冷却水(「鋳型冷却水」ともいう)の流路つまり冷却水流路となっている。長辺銅板3と同様に、短辺銅板6の内部空間17を形成する面とは反対側の面には、鋳造方向に沿った複数本のスリット溝9が設置されており、スリット溝9と短辺バックアッププレート7とで囲まれる空間が、短辺銅板6を冷却するための冷却水の流路つまり冷却水流路となっている。
図2(A)に示すように、短辺バックアッププレート7の短辺銅板6との接合面とは反対側の面には、その下部に、短辺銅板6の幅とほぼ同等の幅を有する給水用短辺水箱13(図1では図示せず)が設置され、その上部には、給水用短辺水箱13の幅とほぼ同等の幅を有する排水用短辺水箱14(図1では図示せず)が設置されている。
給水用短辺水箱13は冷却水供給管(図示せず)と接続しており、この冷却水供給管から供給される冷却水は、先ず、給水用短辺水箱13の内部で均圧化され、その後、各スリット溝9に対応して設置される給水路15を通ってそれぞれのスリット溝9(冷却水流路)に導入され、スリット溝9の内部を上昇して短辺銅板6を冷却する。短辺銅板6を冷却した後の冷却水は、各スリット溝9に対応して設置される排水路16を通って排水用短辺水箱14に流出する。排水用短辺水箱14は冷却水排水管(図示せず)と接続しており、短辺銅板6を冷却した後の冷却水は冷却水排水管を介して排出される。鋳型長辺2も鋳型短辺5と同様の構造となっている。鋳型冷却水は循環使用される。
鋳型銅板に設置された冷却水流路を流れる冷却水の流速と、この鋳型銅板の熱伝達率との関係の調査結果の1例を図3に示す。図3は、冷却水流路の断面積を一定とし、冷却水の流量を変更したときの結果であり、図3に示すように、冷却水流路を流れる冷却水の流速が速くなるほど、鋳型銅板の熱伝達率は上昇する。この現象は、冷却水流路を通過する冷却水が沸騰しない限り、冷却水の流量には依存しないことが確認されている。また、冷却水流路を部分的に狭くすることで、その部位の熱伝達率が上昇することも確認されている。つまり、連続鋳造用鋳型1の熱伝達率を上昇させるためには、連続鋳造用鋳型1の冷却水流路を流れる冷却水の流速を高めることが効果的であることが知られている。
鋼の連続鋳造用鋳型において、鋳型銅板内壁面の鋳造方向における温度分布は、鋳型内溶鋼湯面の位置から急激に上昇し、鋳型内溶鋼湯面から80〜150mm下方の位置で最高値となり、その後は徐々に低下することが知られている(例えば、第5版 鉄鋼便覧 第1巻 製銑・製鋼 2014年8月31日発行、419頁を参照)。また、連続鋳造用鋳型における熱流束は、図4に示すように、鋳型内溶鋼湯面の位置が最も高く、鋳造方向下方になるに伴って熱流束は減少することが知られている。つまり、鋳型銅板内壁面の温度の高い範囲は、鋳造されるスラブ鋳片の品質への影響が大きいことが知られている。尚、図4は、連続鋳造用鋳型内の鋳造方向における熱流束の分布の1例を示す図である。
本発明を適用する連続鋳造用鋳型1では、上記の鋳型銅板内壁面の鋳造方向における温度分布のうちで、温度が高くなる部位の熱伝達率を向上させるために、換言すれば、上記の鋳型銅板内壁面の温度が高くなる部位の温度上昇を抑制するために、鋳型短辺5に、冷却水流路を狭めるための縮流板10が配置されている。この縮流板10は、鋳型内溶鋼湯面位置の上下30mmの範囲を上端位置とし、この上端位置から下方へ300mmないし600mmの位置を下端位置として設置されている。また、鋳型短辺5と同様に、鋳型長辺2にも、鋳型内溶鋼湯面位置の上下30mmの範囲を上端位置とし、この上端位置から下方へ300mmないし600mmの位置を下端位置として、縮流板11が配置されている。本発明を実施する上で、鋳型長辺2への縮流板11の配置は必須条件ではないが、長辺銅板3の温度上昇を抑制する観点から、縮流板11を配置することが好ましい。
この場合、鋳型内溶鋼湯面位置は鋳型上端からおよそ70〜150mmの範囲とし、また、縮流板10及び縮流板11による冷却水流路の縮流率は40%以下とする。縮流板10及び縮流板11による縮流率が40%を超えると、冷却水流路の横断面積低下に伴い、冷却水中の異物が冷却水流路に詰まりやすくなるので好ましくない。尚、縮流率は下記の(1)式で定義される。
ε=(A/B)×100 ・・・(1)
但し、(1)式において、εは縮流率(%)、Aは縮流板の横断面積(cm2)、Bは冷却水流路の横断面積(cm2)である。
縮流板10は、短辺バックアッププレート7にボルトやネジなどによって着脱可能に取り付けられており、短辺銅板6と短辺バックアッププレート7とを接合させた際には、縮流板10が短辺銅板6に設けられた凹部18(図7を参照)に嵌合するように構成されている。図1では、短辺銅板6の全ての冷却水流路に縮流板10が設置されているが、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路では、縮流板10を設置しなくてもよい。鋳型長辺2の縮流板11も、長辺バックアッププレート4にボルトやネジなどによって着脱可能に取り付けられている。
このように構成される連続鋳造用鋳型1を用いて溶鋼の連続鋳造を実施する。長辺銅板3及び短辺銅板6は、鉄に比較して硬度の低い銅製または銅合金製であり、鋳造されるスラブ鋳片と接触することで、長辺銅板3及び短辺銅板6の内壁面は摩耗する。内壁面の損傷した長辺銅板3及び短辺銅板6は、正常な形状の内部空間17を形成することができないことから、連続鋳造用鋳型1から取り外され、長辺銅板3及び短辺銅板6とも、それぞれの内壁面が研削され、必要に応じてニッケルメッキやクロムメッキなどが施され、再度連続鋳造用鋳型1に組み込まれて再使用される。
この場合、長辺銅板3は、冷却水流路であるスリット溝8の底面と研削後の内壁面との距離、つまり、長辺銅板3の厚みが所定の値となるまで再使用が行われる。長辺銅板3の研削回数に応じて、長辺銅板3の厚みは減少し、長辺銅板3の熱伝達率が増加する。短辺銅板6も、基本的には長辺銅板3と同様に、銅板の厚みが所定の値となるまで再使用が行われる。但し、短辺銅板6は、長辺銅板3と接触しており、つまり、長辺銅板3で拘束されていることから、鋳造中の温度上昇によって膨張した際に、温度上昇の最も大きい鋳型内溶鋼湯面位置において変形し、常温の短辺銅板6では、その部位の鋳型幅が短くなるという現象が起きる。つまり、短辺銅板6を長辺銅板3と組み合わせた際に、鋳型内溶鋼湯面位置で隙間が生じるという問題が発生する。そのために、短辺銅板6は長辺銅板3よりも再使用回数が少ないというのが一般的である。
即ち、内部空間17を形成する面が研削された長辺銅板3と組み合わされて連続鋳造用鋳型1に組み込まれる短辺銅板6としては、前回と同じ組み合わせの短辺銅板の場合もあるが、新品の短辺銅板や研削後の別の短辺銅板の場合もある。
スラブ連続鋳造機では、1つの連続鋳造用鋳型1で幅の異なるスラブ鋳片を鋳造する必要があることから、短辺銅板6は、長辺銅板3の内壁面を移動可能なように、長辺銅板3に挟まれた状態で保持されている。したがって、短辺銅板6の端部は、接触している長辺銅板3の内壁面の表面温度の影響を受ける。再使用のために長辺銅板3が研削されることで、長辺銅板3の内壁面の表面温度は研削する毎に低下し、これに伴って、短辺銅板6の端部の表面温度が、長辺銅板3の研削の都度、低下する。
図5は、長辺銅板3の内壁面の研削量と短辺銅板6の端部の温度との関係の調査結果を示す図である。図5に示すように、長辺銅板3の内壁面の研削量の増加に伴って短辺銅板6の端部の温度が低下する。つまり、短辺銅板内壁面の幅方向(鋳片の厚み方向)における表面温度分布が長辺銅板内壁面の研削量の増加に伴って変化する。鋳型内に形成される鋳片凝固シェルの冷却速度は、長辺銅板3及び短辺銅板6の内壁面の表面温度の影響を受ける。したがって、短辺銅板6の内壁面端部の表面温度が長辺銅板3の内壁面の研削量に伴って低下し、この低下量が大きくなって過冷却となった場合には、鋳造されるスラブ鋳片にコーナー割れが発生したりする。
そこで、本発明では、短辺銅板6に設けられた冷却水流路(スリット溝9)のうちで、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を、該流速が長辺銅板3の前記研削回数の増加に伴って低下するように調整する。換言すれば、短辺銅板6の両方の端部側の熱伝達率が前記研削回数の増加に伴って低下するように調整する。具体的には、冷却水流路での冷却水の流速が低下する範囲を研削回数の増加に伴って拡大する。また、冷却水流路での冷却水の流速を研削回数の増加に伴って低下するように調整してもよい。
長辺銅板3の研削量の増加に伴って長辺銅板3の表面温度は低下するが、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を、長辺銅板3の研削量の増加に伴って低下することで、短辺銅板6の両方の端部側では熱伝達率が低下し、短辺銅板6の両方の端部側の内壁面の表面温度は、長辺銅板3の研削量に拘わらずほぼ同等になる。その結果、短辺銅板6の内壁面の幅方向(鋳片厚み方向)の表面温度分布が、長辺銅板3の研削量に拘わらずほぼ一定になり、スラブ鋳片でのコーナー割れなどを未然に防止することが実現される。
短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を低下するための方法の1つを図6に示す。即ち、内部空間17を形成する面が研削された長辺銅板3と組み合わされて連続鋳造用鋳型1に組み込まれる短辺銅板6では、縮流板10aを短辺バックアッププレート7に取り付け、この縮流板10aを短辺銅板6の凹部18に嵌合させる。ここで、縮流板10aは縮流板10よりも長さが短く設定されている。これにより、短辺銅板6の両方の端部の冷却水流路(スリット溝9)では縮流板10が取り除かれ、冷却水流路の横断面積が拡大され、この冷却水流路を通る冷却水の流速が低下する。尚、図6は、本発明の実施形態の1例を示す図であり、鋳型短辺5の縮流板設置位置における横断面概略図である。
この場合、長辺銅板3の内壁面の研削回数に伴って、縮流板10が取り除かれる短辺銅板6の冷却水流路の個数が増加するように、縮流板10の長さを減少させ、冷却水流路の横断面積が拡大される範囲を拡大させる。仮に、研削前の長辺銅板3と組み合わされて使用された、研削後の短辺銅板6を、再度、研削後の長辺銅板3と組み合わせて使用する場合には、研削前の短辺銅板6に設置していた縮流板10を短辺バックアッププレート7から取り外し、この縮流板10に替えて縮流板10aを短辺バックアッププレート7に取り付け、この縮流板10aを短辺銅板6の凹部18に嵌合させる。また、予め縮流板10aを設置した新品の短辺銅板6を準備しておき、この新品の短辺銅板6を研削後の長辺銅板3と組み合わせて使用することも可能である。
図6では、縮流板10の有無で冷却水流路の横断面積を調整しているが、図7に示すように、縮流板10bの長さは縮流板10と同等にして、縮流板10bの厚みを短辺銅板6の両方の端部側で薄くするようにしてもよい。このようにすることで、短辺銅板6の両方の端部側では縮流板10bのスリット溝9への突出量が少なくなり、冷却水流路の横断面積が拡大し、冷却水流路を通る冷却水の流速が低下する。尚、図7は、本発明の実施形態の他の1例を示す図であり、鋳型短辺5の縮流板設置位置における横断面概略図である。
この場合、長辺銅板3の内壁面の研削回数に伴って、横断面積が拡大する短辺銅板6の冷却水流路の個数が増加するように、縮流板10bの厚みの薄い部分を拡大させる。また、縮流板10bの厚みの薄い部分を2段階以上にしてもよい。縮流板10bは一体物とする必要はなく、図7のように、短辺銅板6の端部側と中央側とで分離できる構造であっても構わない。
また、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を低下するための方法として、図8に示すように、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路の出口に抵抗板12を設置し、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を減速するようにしてもよい。抵抗板12によって冷却水流路への冷却水の供給量が低下し、冷却水流路における冷却水の流速が低下する。
この場合、長辺銅板3の内壁面の研削回数に伴って、冷却水の流速が減速する短辺銅板6の冷却水流路の個数が増加するように、抵抗板12を設置する冷却水流路の範囲を広くする。また、抵抗板12を設置した上で、短辺銅板6の端部の縮流板10の形状を変更してもよい。図8では、冷却水流路の出口に抵抗板12が設置されているが、冷却水流路の入口に設置しても、また、入口及び出口の双方に設置してもよい。
尚、図8は、本発明の実施形態の他の1例を示す図であって、図1に示す連続鋳造用鋳型を側面から見た概略図であり、図8(A)は図1のX−X′矢視による鋳型短辺の概略縦断面図、図8(B)は、図8(A)と直交する鋳型背面側から見た鋳型短辺の概略図である。ここで、図8(B)では、短辺バックアッププレートを省略している。
以上説明したように、本発明によれば、長辺銅板3と接触する部位である、短辺銅板6の両方の端部側の冷却水流路における冷却水の流速を、長辺銅板3の研削回数の増加に伴って低下するように調整するので、長辺銅板3の研削回数に拘わらず、短辺銅板6の端部の表面温度をほぼ一定値に維持することができ、その結果、表面欠陥の少ないスラブ鋳片を安定して製造することが実現される。
尚、図1、図2などでは、短辺銅板6のスリット溝9の設置数が7個であるが、スリット溝9の設置数は、7個に限るものではなく、短辺銅板6の幅に応じて設置すればよい。
図1に示すスラブ鋳片用の連続鋳造用鋳型と同様の連続鋳造用鋳型を使用して、厚みが200mm、幅が800〜2000mmのスラブ鋳片を鋳造する際に本発明を実施した。使用開始時の長辺銅板の厚みは40mmであり、長辺銅板のスリット溝は、深さが30mm、幅が5mm、短辺銅板のスリット溝は、長辺銅板と同様に、深さが30mm、幅が5mmであり、長辺銅板及び短辺銅板の鋳造方向長さは900mmである。
この連続鋳造用鋳型の使用開始時は、短辺銅板の全ての冷却水流路に縮流板が設置されており、収縮板による縮流率は30%であった。縮流板は鋳型内溶鋼湯面の位置を上端位置とし、鋳型内溶鋼湯面から鋳造方向下方へ300mmの位置を下端位置として設置されている。尚、図1に示す連続鋳造用鋳型では長辺銅板にも縮流板が設置されているが、本実施例で用いた連続鋳造用鋳型では長辺銅板には縮流板が設置されていない。
この連続鋳造用鋳型の短辺銅板における縮流率と、冷却水の流量比及び冷却水の流速との関係の調査結果を図9に示す。縮流率30%では、短辺銅板端部の冷却水流路を含めて短辺銅板の全ての冷却水流路における冷却水の流量比は縮流板を設置しないときの95%となり、冷却水の流量は減少する。しかし、縮流板を設置した部位における冷却水の流速は、縮流板を設置しないときの7m/sに対して10m/sに増加する。図3に冷却水の流速と熱伝達率との関係を示しており、冷却水の流速が7m/sから10m/sに増加することで、熱伝達率は約36%増加する(流速7m/sのときの熱伝達率=約24800W/(m2・K)、流速10m/sのときの熱伝達率=約33900W/(m2・K))。即ち、縮流板を設置することで、縮流板を設置した部位の熱伝達率が向上する。尚、冷却水の流量比は下記の(2)式で定義される。
λ=(Q1/Q2)×100 ・・・(2)
但し、(2)式において、λは冷却水の流量比(%)、Q1は縮流板を設置したときの冷却水流路における冷却水の流量(L/s)、Q2は縮流板を設置していないときの冷却水流路における冷却水の流量(L/s)である。
図10は、短辺銅板の表面温度をFEM解析によって求めた結果を示す図である。図10では短辺銅板の表面温度を短辺銅板の幅方向にプロットしており、図中の符号A(実線)で示すデータは、短辺銅板の全ての冷却水流路に縮流板を設置した状態で、この短辺銅板を研削前の長辺銅板と組み合わせて使用したときの結果である。この場合、短辺銅板の端部の表面温度は、187℃であり、短辺銅板の中央部(234℃)よりもおよそ47℃低下していた。このデータが基本となる。
図10の符号B(破線)で示すデータは、短辺銅板の全ての冷却水流路に縮流板を設置した状態で、この短辺銅板を内壁面の研削量が4mmの長辺銅板と組み合わせて使用したときの結果である(従来例)。短辺銅板の端部の表面温度は、165℃であり、符号Aのデータに比較して短辺銅板の端部の表面温度は22℃低下していた。これは、長辺銅板内壁面の研削によって長辺銅板の表面温度が低下し、その影響を短辺銅板が受けたためである。この結果から、従来の冷却水流路の横断面積を一定とした条件では、長辺銅板の研削によって短辺銅板端部の表面温度が大幅に低下することがわかった。
これに対して、図10の符号C(一点鎖線)で示すデータは、図6に示すように、短辺銅板の両側の最端部のそれぞれ1つの冷却水流路では縮流板を設置しない状態で、この短辺銅板を内壁面の研削量が4mmの長辺銅板と組み合わせて使用したときの結果である(本発明例)。短辺銅板の端部の表面温度は182℃であり、符号Aのデータに比較して短辺銅板の端部の表面温度は5℃低下していた。これは、短辺銅板端部の冷却水流路では縮流板を設置しないことにより、短辺銅板端部が緩冷却となった結果であり、従来法と比較して短辺銅板端部の表面温度低下は17℃改善された。
尚、図10に示すFEM解析の条件は、長辺銅板及び短辺銅板の溶鋼からの熱流束が2.5×106W/mm2(鋳片引き抜き速度2.0m/minに相当)、長辺銅板の冷却水流路内の冷却水流速が7m/s、短辺銅板の冷却水流路内の冷却水流速が、縮流板の設置時に10m/s、縮流板の非設置時に7m/s、長辺銅板及び短辺銅板の熱伝導率が50W/(m・K)である。
1 連続鋳造用鋳型
2 鋳型長辺
3 長辺銅板
4 長辺バックアッププレート
5 鋳型短辺
6 短辺銅板
7 短辺バックアッププレート
8 スリット溝
9 スリット溝
10 縮流板
11 縮流板
12 抵抗板
13 給水用短辺水箱
14 排水用短辺水箱
15 給水路
16 排水路
17 内部空間
18 凹部

Claims (5)

  1. 相対する一対の長辺銅板と、該長辺銅板に挟持され、長辺銅板内を移動可能な一対の短辺銅板とを有し、長辺銅板と短辺銅板とが矩形の内部空間を形成する連続鋳造用鋳型を用いて溶鋼の連続鋳造を行い、所定量の溶鋼を鋳造した後に、前記長辺銅板及び前記短辺銅板を連続鋳造用鋳型から取り外し、取り外した長辺銅板の前記内部空間を形成する面を研削し、研削した後の前記長辺銅板を連続鋳造用鋳型に組み込んで長辺銅板として再使用しながら溶鋼を連続鋳造する鋼の連続鋳造方法において、
    前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板に設けられた冷却水流路のうちで、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を、該流速が、長辺銅板の前記内部空間を形成する面の研削回数の増加に伴って低下するように調整し、短辺銅板の両方の端部側の前記内部空間を形成する面の表面温度を制御することを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板は、短辺バックアッププレートと接合されていて、前記冷却水流路は、短辺銅板の前記内部空間を形成する面とは反対側の面に設けられたスリット溝と前記短辺バックアッププレートとで形成されるように構成されており、短辺銅板と短辺バックアッププレートとの間に設置される、前記冷却水流路の断面積を縮小させるための縮流板の設置位置を変更することで、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を調整することを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
  3. 前記縮流板は、鋳型内溶鋼湯面位置の上下30mmの範囲を上端位置とし、該上端位置から下方へ300mmないし600mmの位置を下端位置として設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の鋼の連続鋳造方法。
  4. 前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路の入口または出口に抵抗板を設置し、短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路での冷却水の流速を調整することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法。
  5. 請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法に用いられる連続鋳造用鋳型であって、前記内部空間を形成する面が研削された長辺銅板と組み合わされて連続鋳造用鋳型に組み込まれる短辺銅板の両方の端部側の冷却水流路には、該冷却水流路を通過する冷却水の流速を変更するための手段が設置されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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