JP6085571B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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本発明は、鋳片を製造するために使用する連続鋳造用鋳型に関する。
鋳片は、上下方向に貫通する鋳型空間部が内側に形成された鋳型壁を有する連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)を使用し、この鋳型空間部へ供給された溶鋼を鋳型壁で冷却しながら凝固させて鋳造している。
この鋳造した鋳片は更に、鋳造方向下流へと搬送され切断されてスラブとなり、このスラブを圧延機によって圧延している。
しかし、スラブは略断面四角形であるため、このスラブの圧延時に、スラブの幅方向端部に折れ曲がりや割れ等が発生し、品質欠陥や歩留り低下を招くおそれがあった。
そこで、例えば、特許文献1に記載の連続鋳造用鋳型(インゴットモールド)が提案されている。具体的には、鋳型壁の各内側角部に、直角三角形の斜辺により形成される突出部(ベベル)を設け、鋳造する鋳片の各角部を鋳造段階で面取り(チャンファー)する鋳型である。
特許第3001063号公報
しかしながら、上記した突出部を形成した鋳型を使用して鋳片を鋳造した場合、鋳片角部の冷却が緩冷却となり、この鋳片角部に健全な鋳片シェル(凝固シェル)を形成できないおそれがあった。このため、例えば、鋳片角部の鋳片シェルが破れ、未凝固の溶鋼が流出するブレークアウトが発生し、鋳造作業の中断や長時間の休止、更には設備損傷のような事故を招く恐れがあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、良好な品質の鋳片を歩留りよく、しかも作業性よく安定に製造可能な連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る連続鋳造用鋳型は、間隔を有して対向配置される一対の短辺と、該短辺を幅方向の両側から挟み、対向する前記短辺の間隔を変更可能な幅を有する一対の長辺とによって囲繞される鋳型空間部に溶鋼を注入して冷却し鋳片として引き抜く連続鋳造用鋳型において、
前記鋳型空間部を形成する鋳型壁の四隅の領域の前記短辺に、前記鋳型空間部側へ向けて膨出するチャンファー形成部を形成し、前記鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記短辺に、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部を形成し、対向する前記短辺に形成した前記チャンファー形成部には、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる傾斜部が形成され、
前記チャンファー形成部は、短辺方向の幅が長辺方向の幅よりも長く、該短辺方向の幅が10〜30mmであり、前記短辺には、前記チャンファー形成部を冷却する冷却水用通水穴又は冷却水用通水溝が設けられている
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記長辺には、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成されていることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型は、鋳型壁の四隅の領域の短辺に、鋳型空間部側へ膨出するチャンファー形成部を形成するので、鋳片の幅方向端部の角部をなくすことができる。これにより、例えば、鋳片を切断して得られるスラブの圧延時に、スラブの幅方向端部の折れ曲がりや割れ等の発生を抑制、更には防止できる。
また、鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する短辺に、鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部を形成するので、鋳片と短辺との接触状態を良好にでき、短辺側からの鋳片角部の冷却効率が高められ、鋳片角部に健全な鋳片シェルを形成できる。これにより、ブレークアウトの発生を抑制、更には防止でき、例えば、鋳造作業の中断や長時間の休止、更には設備損傷のような事故等も抑制、更には防止できる。
従って、良好な品質の鋳片を歩留りよく、しかも作業性よく安定に製造できる。
また、対向する短辺に形成したチャンファー形成部に、凝固シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる傾斜部を形成したので、鋳片角部の冷却効率が更に高められるため、上記した効果がより顕著になる。
そして、鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する長辺に、凝固シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部を形成した場合、鋳片と長辺との接触状態を良好にでき、長辺側からの鋳片角部の冷却効率が高められるため、上記した効果がより顕著になる。
更に、短辺に、チャンファー形成部を冷却する冷却水用通水穴又は冷却水用通水溝が設けられているので、チャンファー形成部の冷却効率が高められ、例えば、連続鋳造時におけるチャンファー形成部の変形や損傷等を抑制、更には防止できる。これにより、チャンファー形成部によって鋳片に安定した形状のチャンファーを形成できる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の部分平面図、裏面図である。 (A)、(B)はそれぞれ図1(B)のa−a断面図、b−b断面図である。 図1(B)のc−c断面図である。 比較例と実施例に係る連続鋳造用鋳型の構成とこれを用いた凝固シミュレーション結果の説明図である。 (A)は図4の連続鋳造用鋳型の短辺の表面プロフィールを示すグラフ、(B)は図4の連続鋳造用鋳型の長辺の表面プロフィールを示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)、図2(A)、(B)、図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)10は、間隔を有して対向配置される一対の短辺11、12と、この短辺11、12を幅方向の両側から挟む一対の長辺13、14とによって囲繞される鋳型空間部15に溶鋼を注入して冷却し鋳片として引き抜くものであり、良好な品質の鋳片を歩留りよく、しかも作業性よく安定に製造可能な鋳型である。以下、詳しく説明する。
短辺11、12はそれぞれ、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、幅が50mm以上500mm以下程度、鋳造方向の長さが600mm以上1200mm以下程度である。この短辺11、12は、鏡面対称で同じ構成となっている。
また、長辺13、14はそれぞれ、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、対向配置される一対の短辺11、12の間隔(鋳片と接触する幅)を200mm以上3500mm以下の範囲で変更可能とすることのできる幅を有し、鋳造方向の長さは短辺11、12と同程度である。
上記した短辺11、12と長辺13、14は、銅又は銅合金で構成され、この短辺11、12と長辺13、14の各裏面に当接し固定されるバックプレート(図示しない)は、ステンレス又は鋼で構成されている。なお、図1(B)の番号16は、短辺11、12とバックプレートとを締結ボルトで締結するためのボルト穴を示している。
短辺11、12の裏面側(バックプレート側)には、多数の導水溝17が鋳造方向(鋳片の引き抜き方向)に設けられている。この多数の導水溝17は、例えば、5mm以上200mm以下程度の範囲内の所定ピッチで、短辺11、12の幅方向に形成されている。
なお、長辺13、14の裏面側にも上記した多数の導水溝が、長辺13、14の幅方向に所定ピッチで、鋳造方向に設けられている。
上記した一対の短辺11、12と一対の長辺13、14からなり、鋳型空間部15を形成する鋳型壁18が形成される。
図1(A)、図3に示すように、鋳型壁18の四隅の領域Rの短辺11、12には、鋳型空間部15側へ向けて膨出するチャンファー形成部19、20が形成されている。
チャンファー形成部19、20はそれぞれ、平断面三角形となっており、その斜辺部21、22が、鋳型空間部15に供給される溶鋼(鋳片シェル)との接触面となっている。即ち、チャンファー形成部19、20は、短辺11、12の幅方向端位置へ向けて、その幅が徐々に広がっている。
なお、チャンファー形成部は、鋳型壁の四隅の領域に設ければよいため、長辺に形成することも考えられるが、この場合、一対の短辺の間隔が調整できなくなる。
図3に示すように、チャンファー形成部19(チャンファー形成部20も同様)は、短辺11、12の幅方向(以下、短辺方向ともいう)の幅Xが、長辺13、14の幅方向(以下、長辺方向ともいう)の幅(鋳型空間部15への突出幅)Yよりも、長くなっている。例えば、幅Xは、10〜30mm程度、幅Yは、幅Xより短く3〜10mm程度、である。
このように、短辺方向の幅Xを長辺方向の幅Yよりも長くすることで、例えば、短辺の製造時は、チャンファー形成部の加工が容易となり、短辺の搬送時や設置時は、チャンファー形成部の損傷(折れ曲がりや割れ)等を防止でき、短辺の使用時(連続鋳造時)は、短辺に形成した導水溝によるチャンファー形成部の冷却効率の低下を抑制し、その変形や損傷を抑制、更には防止できる。なお、チャンファー形成部が変形したり損傷すると、鋳片角部に目的とする形状の面取り(チャンファー)ができなくなる。
チャンファー形成部19(チャンファー形成部20も同様)は、鋳型壁18の四隅の領域Rを除いた短辺11、12の表面(溶鋼接触面)23に対する斜辺部21の立ち上がり角度θが、例えば、10〜30度程度である。
なお、短辺11、12の表面23と、チャンファー形成部19、20の斜辺部21、22との接続部分は、なだらかな曲面(例えば、曲率半径5〜20mm程度)とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、チャンファー形成部19、20の斜辺部21、22は、平断面直線状としているが、例えば、表面側(溶鋼接触面側)が凹んだ曲線状とすることも可能である。
対向する短辺11、12に形成したチャンファー形成部19、20には、鋳造方向に鋳片シェル(凝固シェル)の凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる傾斜部が形成されている。この対向するチャンファー形成部19、20の内側断面形状、即ち傾斜部の表面形状は、例えば、特許第4659706号公報に記載の方法で決定できるため、以下、簡単に説明する。
傾斜部の表面形状は、その幅方向に渡って同一形状となっており、メニスカス位置からの距離の増加に伴って、テーパ率の増加率が小さくなる形状、即ち、マルチテーパとなっている。このマルチテーパとは、鋳型内(メニスカス位置(湯面)から鋳型出口まで)での鋳片の凝固収縮プロフィールを、曲線(複数の関数で規定)及び複数の直線のいずれか一方又は双方を使用して近似し、それを傾斜部の表面形状に適用したものである。
以下、マルチテーパの決定方法について、簡単に説明する。
マルチテーパは、下記に示す条件を考慮したり、また実際に測定した結果を基にして、3次元の鋳片の凝固収縮及び鋳型の熱変形を考慮したFEM解析(有限要素法を用いた解析、以下同様)により求めている。具体的には、鋳片の形状、鋳片のサイズ、鋳込み条件(例えば、鋳込み温度、引抜き速度、鋳型冷却条件等)、鋳込み鋼種の成分に由来する物理量(例えば、液相温度、固相温度、変態温度、線膨張率、剛性値等)、鋳型と鋳片との間の接触熱移動量(鋳片の収縮量は、この量に大きく影響される)等を用いる。
なお、上記した接触熱移動量は、例えば、鋳造時に使用する潤滑材の種類や鋳片の表面形状(鋼種、オシレーション条件、潤滑材種類に依存)の違いに大きく影響される。従って、各鋳込み条件ごとの実績の接触熱移動量をできるだけ正確に把握することが、マルチテーパの決定には必要とされる。
図1(A)、図3に示すように、鋳型壁18の四隅の領域Rを除いた対向する短辺11、12には、鋳造方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部24が形成されている。
対向する短辺11、12の内側断面形状、即ち短辺側傾斜部24の表面23の形状は、その幅方向に渡って同一形状となっており、メニスカス位置からの距離の増加に伴って、テーパ率の増加率が小さくなる形状、即ち、マルチテーパとなっている。
なお、短辺側傾斜部24の表面23の形状は、例えば、上記した特許第4659706号公報に記載の方法で決定できるため、説明を省略する。
更に、鋳型壁18の四隅の領域Rを除いた対向する長辺13、14にも、鋳造方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部、即ち、マルチテーパを形成することが好ましいが、メニスカス位置から鋳型出口まで、同じ割合で傾斜させた形状、即ち、シングルテーパとすることもできる。
なお、マルチテーパとする場合、対向する長辺の内側断面形状、即ち長辺側傾斜部の表面形状を、その幅方向に渡って同一形状とし、メニスカス位置からの距離の増加に伴って、テーパ率の増加率が小さくなる形状とする。なお、長辺側傾斜部の表面形状は、上記した特許第4659706号公報に記載の方法で決定できる。
図1(B)、図2(B)、図3に示すように、短辺11、12の幅方向両端部にはそれぞれ、断面円形の冷却水用通水穴(以下、単に通水穴ともいう)25、26が設けられている。
一方の通水穴25はチャンファー形成部19の裏面側に形成され、他方の通水穴26はチャンファー形成部20の裏面側に形成されている。なお、各通水穴25、26は、短辺11、12の鋳造方向一方側(ここでは、下側)から穴を形成し、その開口部に栓27をすることで形成できる。
通水穴25(通水穴26も同様)の鋳造方向両端部には、短辺11、12の幅方向端部に形成された導水溝17に連通する通水流路28、29が形成され、これにより、導水溝17を流れる冷却水を、通水穴25に連続的に流すことができる。
なお、短辺には、上記した冷却水用通水穴の代わりに、冷却水用通水溝(以下、単に通水溝ともいう)を形成することもできる。この場合、通水溝は、以下に示す構成で、短辺に形成することができる。
・通水溝の深さ方向底部が、チャンファー形成部の裏面側に位置するように、短辺の幅方向端部に形成された導水溝から分岐させる(断面V字状)。
・短辺の幅方向両端部に形成された導水溝の深さ方向底部が、チャンファー形成部の裏面側に位置するように、導水溝を斜めに形成し、この導水溝を通水溝とする。
以上に示した鋳型10の使用にあっては、各導水溝17に、鋳型10の下部から上部へ向けて冷却水を流すことにより、短辺11、12、及び長辺13、14の冷却を行うと共に、鋳型空間部15に供給された溶鋼の冷却を行う。このとき、短辺11、12の幅方向両端部に位置する導水溝17に流れ込んだ冷却水の一部が、通水流路28、29を介して、冷却水用通水穴25、26に連続的に流れるため、チャンファー形成部19、20の冷却効率も高めることができる。
これにより、例えば、幅が200mm以上3500mm以下程度、厚みが50mm以上500mm以下程度で、角部が面取りされた鋳片を製造できる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、チャンファー形成部が鋳片の凝固形態に及ぼす影響について、図4、図5(A)、(B)を参照しながら説明する。
図4に、FEM解析に用いた鋳型の構成(1/4形状)と、この構成の鋳型を用いて溶鋼の凝固シミュレーションを行った結果を示す。また、図5(A)に、凝固シミュレーションに用いた短辺の表面プロフィールを示すグラフを、(B)に、凝固シミュレーションに用いた長辺の表面プロフィールを示すグラフを、それぞれ示す。
図4に示すように、比較例と実施例として、鋳型壁の四隅の領域の短辺にチャンファー形成部(幅X:15mm、幅Y:5mm)が形成された鋳型を用いた。なお、チャンファー形成部には、前記した傾斜部を形成している。
この実施例の鋳型には、鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する短辺に前記した短辺側傾斜部が、鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する長辺に前記した長辺側傾斜部が、それぞれ形成されている。具体的には、図5(A)、(B)に示す表面プロフィールが形成されている。
一方、比較例の鋳型は、短辺側傾斜部と長辺側傾斜部が形成されていない短辺と長辺を用いている。具体的には、短辺が図5(A)に示す傾斜角度1.3(%/m)のシングルテーパ、長辺が図5(B)に示す傾斜角度0.89(%/m)のシングルテーパである。
また、凝固シミュレーションは、以下の条件で行った。
・溶鋼:炭素量0.04質量%の特殊鋼
・鋳片の幅:850mm
・鋳造速度:1.5(m/分)
・鋳型の冷却水量:長辺4000(L/分/面)、短辺500(L/分/面)
・冷却水の入出の温度差:長辺6.5℃、短辺7.2℃
図4に示すように、比較例では、短辺側傾斜部と長辺側傾斜部が形成されていない鋳型を用いたため、チャンファー形成部により、鋳片角部の冷却が緩冷却となり、鋳片角部の凝固シェルの厚みが、他の部分と比較して薄くなった。このため、鋳片角部の凝固シェルが破れ、未凝固の溶鋼が流出するブレークアウトが発生するおそれがある。
一方、実施例では、短辺側傾斜部と長辺側傾斜部が形成された鋳型を用いたため、チャンファー形成部による鋳片角部の冷却効率の低下を防止でき、鋳片角部の凝固シェルの厚みを、他の部分と同程度にできた。このため、上記したブレークアウトの発生を抑制、更には防止できる。
なお、上記した凝固シミュレーションは、チャンファー形成部に傾斜部を形成した場合について行ったが、傾斜部が形成されていない場合でも、比較例より良好な結果が得られた。
また、上記した凝固シミュレーションは、長辺に長辺側傾斜部を形成した場合について行ったが、長辺側傾斜部が形成されていない場合でも、比較例より良好な結果が得られた。
更に、溶鋼の種類を変更(例えば、炭素量0.01〜1.25質量%の範囲)して凝固シミュレーションを行っても、上記と略同様の結果が得られた。
従って、本発明の連続鋳造用鋳型を使用することで、良好な品質の鋳片を歩留りよく、しかも作業性よく安定に製造できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造用鋳型を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態に示した連続鋳造用鋳型は、従来使用されている垂直曲げ型の連続鋳造機や湾曲型の連続鋳造機に使用できる。
そして、前記実施の形態においては、チャンファー形成部に傾斜部を形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、チャンファー形成部の断面を、鋳造方向に向けて同一形状とすることもできる。
更に、前記実施の形態においては、短辺に冷却水用通水穴(冷却水用通水溝)を形成した場合について説明したが、冷却水用通水穴は必要に応じて(チャンファー形成部の冷却状態に応じて)形成しなくてもよい。
10:連続鋳造用鋳型、11、12:短辺、13、14:長辺、15:鋳型空間部、16:ボルト穴、17:導水溝、18:鋳型壁、19、20:チャンファー形成部、21、22:斜辺部、23:表面、24:短辺側傾斜部、25、26:冷却水用通水穴、27:栓、28、29:通水流路

Claims (2)

  1. 間隔を有して対向配置される一対の短辺と、該短辺を幅方向の両側から挟み、対向する前記短辺の間隔を変更可能な幅を有する一対の長辺とによって囲繞される鋳型空間部に溶鋼を注入して冷却し鋳片として引き抜く連続鋳造用鋳型において、
    前記鋳型空間部を形成する鋳型壁の四隅の領域の前記短辺に、前記鋳型空間部側へ向けて膨出するチャンファー形成部を形成し、前記鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記短辺に、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる短辺側傾斜部を形成し、対向する前記短辺に形成した前記チャンファー形成部には、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる傾斜部が形成され、
    前記チャンファー形成部は、短辺方向の幅が長辺方向の幅よりも長く、該短辺方向の幅が10〜30mmであり、前記短辺には、前記チャンファー形成部を冷却する冷却水用通水穴又は冷却水用通水溝が設けられていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 請求項記載の連続鋳造用鋳型において、前記鋳型壁の四隅の領域を除いた対向する前記長辺には、前記鋳片が引き抜かれる方向に鋳片シェルの凝固収縮量に追従して間隔が徐々に狭まる長辺側傾斜部が形成されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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