JP6229280B2 - 化合物、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂(A)と、
分子内に酸不安定基を有する酸発生剤(B2)と、
酸の作用により新たに酸を発生する酸増殖剤(G)と
を含有するレジスト組成物。
〔2〕前記酸発生剤(B2)が、式(B2−1)
[式(B2−1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Aは有機基、Z1+は有機カチオンをそれぞれ表し、A及びZ1+の少なくとも一方が酸不安定基を有する。]
で表される〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記酸発生剤(B2)が、式(B2−2)
[式(B2−2)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Xb1は、酸不安定基を表す。
Lb1は、2価の連結基を表す。
Z2+は、酸不安定基を有しない有機カチオンを表す。]
で表される〔1〕記載のレジスト組成物。
〔4〕前記酸不安定基が、式(1)で表わされる基又は式(2)で表される基である〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(1)中、
Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
[式(2)中、
Ra1’及びRa2’はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基、Ra3’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
〔5〕前記酸増殖剤(G)が、式(g)
[式(g)中、
Rg1〜Rg5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、Rg1及びRg2は、互いに結合し2価の基を形成していてもよい。
Rg6は、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、当該炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、当該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はニトロ基に置換されていてもよい。]
で表される〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔6〕Rg6が、
メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わることもある脂肪族環を含む炭素数3〜12の炭化水素基である〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕Rg6が、
フッ素原子、ニトロ基又はペルフルオロメチル基を有するフェニル基である〔5〕記載のレジスト組成物。
〔8〕さらに溶剤を含有する請求項〔1〕〜〔7〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔9〕(1)〔8〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含むレジストパターンの製造方法。
〔10〕式(g1)
[式(g1)中、
Rg1〜Rg5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、Rg1及びRg2は、互いに結合し2価の基を形成していてもよい。
Rg7は、脂肪族環を含む3〜12の炭化水素基を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。]
で表される化合物。
本発明のレジスト組成物(以下、場合により「本レジスト組成物」という。)は、樹脂(A)と、酸発生剤(B2)と酸増殖剤(G)とを含有する。
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂である。
酸発生剤(B2)は、分子内に酸不安定基を有する酸発生剤である。
酸増殖剤(G)は、上記酸発生剤(B2)などの本レジスト組成物に含有される酸発生剤から生成する酸の触媒作用によって、酸を自ら発生して自己触媒的に酸を増殖するものであり、好ましくは酸の作用によりスルホン酸を発生する化合物である。
さらに、本レジスト組成物は溶剤(D)を含有することが好ましい。
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。該アルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C2)、プロピオニル基(C3)、ブチリル基(C4)、バレイル基(C5)、ヘキサノイル基(C6)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの、ベンゾイル基(C7)などのように、アリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。該アシル基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい。
アリールオキシ基は、上記アリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
樹脂(A)は上述のとおり、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大するという特性(以下、場合により「酸作用特性」という。)を有する。このような樹脂(A)は、酸不安定基を有するものであり、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸との接触後にアルカリ水溶液に可溶となることが好ましい。
「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。樹脂(A)は、酸不安定基を含む構造単位(以下、場合により「構造単位(a1)」といい、かかる構造単位(a1)を誘導する、酸不安定基を有するモノマーを以下、場合により、「モノマー(a1)」という。)を有する。
[式(1)中、
Ra1〜Ra3はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
Ra1’及びRa2’はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基、Ra3’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
モノマー(a1)は、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有するモノマー(a1)が好ましく、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有するを有する(メタ)アクリル系モノマーが特に好ましい。
脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位(a1)としては、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)及び式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)が好ましく、構造単位(a1−1)がより好ましい。
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
La1及びLa2は、互いに独立に、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、互いに独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基である。該アルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。該脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下であり、より好ましくは炭素数6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
[式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基等に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Ra10、Ra11及びRa12は、互いに独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra10及びRa11は互いに結合してこれらが結合する炭素原子とともに環を形成し、Ra12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
[式(a1−4)中、
R10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
laは0〜4の整数を表す。
R11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、laが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
R12及びR13は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Ya3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
R11のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
R12及びR13の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。
Ya3の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基であり、より好ましくは、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜18のアラルキル基である。Ya3の炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、無置換の脂肪族炭化水素基が好ましく、Ya3の炭化水素基が芳香族炭化水素基である場合、置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
[式(a1−5)中、
Ra8は、水素原子又はメチル基を表す。
A1は、単結合、酸素原子又はカルボニル基を表す。
A2は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
Ra1〜Ra3は、上記と同じ意味である。]
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、互いに独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
式(a2−0)中、
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
[式(a3−1)中、
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は互いに同一でも異なってもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra19は、水素原子又はメチル基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は互いに同一でも異なってもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は互いに同一でも異なってもよい。]
La4〜La6は、互いに独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2)k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。樹脂(A)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供し、共重合することにより製造できる。
本レジスト組成物は、放射光のエネルギーを受けて酸を発生する酸発生剤を含有し、該酸発生剤は、少なくとも、分子内に酸不安定基を有する。本レジスト組成物に含有される酸発生剤は、有機アニオンと有機カチオンとからなる塩であるイオン性の酸発生剤(B2)が好ましい。、該酸発生剤(B2)を構成する有機アニオン及び有機カチオンのうち、少なくとも一方が酸不安定基を有する。
[式(B2−1)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Aは有機基、Z1+は有機カチオンをそれぞれ表し、A及びZ1+の少なくとも一方が酸不安定基を有する。]
Q1及びQ2は、好ましくは、それぞれ独立に、ペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはともにフッ素原子である。
[式(B2−2a)中、
Lb1は、2価の連結基を表す
Xb1は、酸不安定基を表す。
*はC(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。]
[式(B2−2)中、
Q1及びQ2は、式(B−1)と同義である。
Xb1、Lb1は式(B2−2a)と同義である。
Z2+は、酸不安定基を有さない有機カチオンを表す。]
このような2価の連結基としては、例えば、*−CO−Lb2−、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−O−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−CO−、*−CO−O−Lb2−CO−O−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−O−CO−Lb3−、*−Lb2−O−Lb3−、*−Lb2−CO−O−Lb3−、*−Lb2−O−CO−Lb3−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−O−Lb4−及び*−CO−O−Lb2−O−Lb3−CO−Lb4−などが挙げられ、好ましくは、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−O−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−CO−、*−CO−O−Lb2−CO−O−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−O−CO−Lb3−であり、より好ましくは、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−である。
*はC(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。
Lb2、Lb3及びLb4は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Lb2、Lb3及びLb4の炭化水素基としては、アルカンジイル基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、これらを組み合わせた2価の基が挙げられる。
ただし、上記2価の連結基に、Lb2、Lb3及びLb4からなる群より選ばれる2つ以上が含まれる場合、これらの合計炭素数は24以下である。この炭素数は、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わる前の炭素数を表す。
[式(b2−1)〜式(b2−4)中、
Rb4、Rb5及びRb6は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
Rb7及びRb8は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、互いに独立に0〜5の整数を表す。
Rb9及びRb10は、互いに独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成する。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rb9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成する。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb11とRb12は、それらがそれぞれ結合する炭素原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rb13〜Rb18は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、互いに独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一でも異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一でも異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb15は同一でも異なってもよく、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一でも異なってもよい。]
Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基の具体例は炭素数3〜18の範囲ですでに例示したものを含み、中でも、、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基などが好ましい。
Rb12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などが好ましい。
Rb12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
Rb9とRb10とが結合して形成する環としては例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
Rb11とRb12とが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
[式(b2−1−1)中、
Rb19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
v2、w2及びx2は、互いに独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。]
Rb19、Rb20及びRb21は、好ましくは、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
この場合、式(B2)中のAの有機基は、好ましくは、式(B2−3a)で表される基である。
[式(B2−3a)中、
Lb5は、2価の連結基を表す
Yb1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。ただし、酸不安定基を含有しない。
*はC(Q1)(Q2)の炭素原子との結合手を表す。]
[式(B2−3)中、
Q1及びQ2は、式(B2)と同義である。
Lb5及びYb1は、式(B2−3a)と同義である。
Z3+は、酸不安定基を有する有機カチオンを表す。]
このような2価の連結基としては、例えば、*−CO−Lb6−、*−CO−O−Lb6−、*−CO−O−Lb7−O−Lb6−、*−CO−O−Lb7−CO−Lb6−、*−CO−O−Lb7−CO−O−Lb6−、*−CO−O−Lb7−O−CO−Lb6−、*−Lb7−O−Lb6−、*−Lb7−CO−O−Lb6−、*−Lb7−O−CO−Lb6−、*−CO−O−Lb7−O−Lb8−O−Lb6−及び*−CO−O−Lb7−O−Lb8−CO−Lb6−等が挙げられ、好ましくは、*−CO−O−Lb6−、*−CO−O−Lb7−CO−Lb6−、*−CO−O−Lb7−CO−O−Lb6−、*−CO−O−Lb7−O−CO−Lb6−、*−CO−O−Lb7−O−Lb6−、であり、より好ましくは、*−CO−O−Lb6−である。
*はC(Q1)(Q2)との結合手を表す。
Lb6は、単結合及又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Lb7及びLb8は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Lb6、Lb7及びLb8の炭化水素基としては、アルカンジイル基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、これらを組み合わせた2価の基が挙げられる。
ただし、上記2価の連結基に、Lb6、Lb7及びLb8からなる群より選ばれる2つ以上が含まれる場合、これらの合計炭素数はそれぞれ17以下である。この炭素数は、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わる前の炭素数を表す。
酸発生剤(B2−3)を構成する有機アニオンとしては、例えば、式(B2−3−1)〜式(B2−3−9)でそれぞれ表されるアニオン、及び、特開2010−204646号公報記載のスルホン酸アニオンが挙げられる。なお、式(B2−3−1)〜式(B2−3−9)中のLb6は上記と同じ意味であり、より好ましくは、単結合及びメチレン基である。Rb2及びRb3は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
[式(b2−5)中、
Rb22、Rb23及びRb24はそれぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
Lb9は、単結合及び2価の連結基を表す。
Xb3は酸不安定基を表す。
v3、w3及びx3は、互いに独立に0〜5の整数を表す(好ましくは0及び2である)。
y3は1〜3の整数(好ましくは1)を表すが、w3+y3は5以下である。
v3が2以上のとき、複数のRb22は互いに同一でも異なってもよく、w3が2以上のとき、複数のRb23は互いに同一でも異なってもよく、x3が2以上のとき、複数のRb24は互いに同一でも異なってもよい。
y3が2以上のとき、−Lb9−Xb2で表される基は同一でも異なっていてもよい。]
このような2価の連結基としては、例えば、*−O−Lb10−、*−O−Lb11−O−Lb10―、*−O−Lb11−CO−Lb10−、*−O−Lb11−CO−O−Lb10−、*−O−Lb11−CO−O−Lb12−O−Lb10−、*−O−Lb11−CO−O−Lb12−CO−Lb10−、*−O−Lb11−CO−O−Lb12−COO−Lb10−、*−CO−Lb10−、*−CO−O−Lb10−、*−Lb11−O−Lb10−、*−Lb11−CO−O−Lb10−、*−Lb11−O−CO−Lb10−等が挙げられ、好ましくは、*−O−Lb10−、*−O−Lb11−O−Lb10―、*−O−Lb11−CO−Lb10−、*−O−Lb11−CO−O−Lb10−であり、より好ましくは、*−O−Lb10−である。
*はフェニル基との結合手を表す。
Lb10、互いに独立に、単結合、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Lb11及びLb12は、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Lb10、Lb11及びLb12の炭化水素基としては、アルカンジイル基、2価の脂環式炭化水素基が挙げられる。
ただし、上記2価の連結基Lb10、Lb11及びLb12からなる群より選ばれる2つ以上が含まれる場合、これらの合計炭素数はそれぞれ18以下である。この炭素数は、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わる前の炭素数を表す。
上記2価の連結基の中でも、単結合及び*−O−Lb10−で表される2価の連結基が好ましく、Lb10は単結合及びメチレン基が好ましく、より好ましくはメチレン基である。
本レジスト組成物に含有される酸増殖剤(G)は、酸の作用により分解して、酸、好ましくは強酸、より好ましくはスルホン酸を発生する化合物である。かかる酸増殖剤(G)はレジスト分野で公知のものを用いることができる。酸増殖剤として用いられる化合物としては、例えばJ.Photopolym.Sci.Technol.10(1997)315、J.Photopolym.Sci.Technol.12(1999)509、J.Photopolym.Sci.Technol.12(1999)293、Macromol.Rapid Commun 21(2000)1050、Chem.Mater.11(1999)2119、Macromol.Chem.Phys.201(2000)132、J.Am.Chem.Soc.120(1998)37、J.Photopolym.Sci.Technol.13(2000)215、J.Am.Chem.Soc.131(2009)9862記載の化合物(酸増殖剤)が挙げられる。
[式(g)中、
Rg1〜Rg5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、Rg1及びRg2は、互いに結合し2価の基を形成していてもよい。
Rg6は、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、当該炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、当該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はニトロ基に置換されていてもよい。]
Rg1及びRg2はそれぞれ独立に、好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは、Rg1及びRg2がともにメチル基である。
Rg3、Rg4及びRg5はそれぞれ独立に、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、より好ましくは、Rg3、Rg4及びRg5の全てが水素原子である。
Rg6は、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、及び、脂環式炭化水素環又は芳香族環を含む炭素数3〜15の炭化水素基であり、。該脂環式炭化水素環を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rg6に含まれる水素原子は、置換基に置換されていてもよい。当該置換基は好ましくは、炭素数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子であり、より好ましくは、ニトロ基及びフッ素原子である。
以上の具体例の中でも、Rg6は、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わることもある脂環式炭化水素環を含む炭素数3〜12の炭化水素基であるか、フッ素原子、ニトロ基又はペルフルオロメチル基を有するフェニル基であると好ましい。
[式(g1)中、
Rg1〜Rg5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、Rg1及びRg2は、互いに結合し2価の基を形成していてもよい。
Rg7は、脂肪族環を含む3〜12の炭化水素基を表し、該脂肪族環を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。]
で表される化合物は、当該化合物を酸増殖剤(G)として用いることにより、一層優れたLERを有するレジストパターンを実現する本レジスト組成物を得ることができるという効果を奏する新規な化合物であり、本発明はかかる式(g1)で表される化合物及びその酸増殖剤としての使用に係る発明も提供する。
本レジスト組成物はレジスト分野で「クエンチャー」と呼ばれるものを含有していてもよい。クエンチャー(C)は、酸拡散抑制作用、つまり、露光により酸発生剤から発生する酸をトラップする作用を有する化合物が用いられる。クエンチャー(C)としては例えば、塩基性の含窒素有機化合物及び弱酸塩が挙げられる。
Rc1、Rc2及びRc3は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Rc2及びRc3は、前記と同義である。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一でも異なってもよい。]
Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、互いに独立に、Rc1と同義である。
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一又は相異なる。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、互いに独立に、Rc1と同義である。
Rc14、Rc15及びRc17は、互いに独立に、Rc4と同義である。
o3及びp3は、互いに独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上のとき、複数のRc14は互いに同一でも異なってもよく、p3が2以上のとき、複数のRc15は互いに同一でも異なってもよい。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Rc18、Rc19及びRc20は、互いに独立に、Rc4と同義である。
q3、r3及びs3は、互いに独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上のとき、複数のRc18は互いに同一でも異なってもよく、r3が2以上のとき、複数のRc19は互いに同一でも異なってもよく、s3が2以上のとき、複数のRc20は互いに同一でも異なってもよい。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン及び4−メチルピリジンなどが挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジンなどが挙げられる。
[式(C10)中、
RC21は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数4〜36の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜36の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されていてもよい。
Z6+は、有機カチオンを表す。]
RC22及びRC23は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数7〜21のアラルキル基を表し、該脂肪族炭化水素基、該脂環式飽和炭化水素基、該芳香族炭化水素基及びアラルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、RC22及びRC23は互いに結合してこれらが結合する窒素原子とともに炭素数4〜20の環を形成してもよい。
Z7+は、有機カチオンを表す。]
Qe1及びQe2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Le2は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
YNは塩基性窒素原子を含む有機基を表す。
Z5+は、有機カチオンを表す。]
YNは、好ましくは、塩基性窒素原子を含む複素環基である。該複素環を構成する複素環としては、例えば、イミダゾール環、モリホリン環などが挙げられる。
本レジスト組成物を後述のレジストパターン製造に用いる際には、すでに述べたとおち、溶剤(D)を含有すると好ましい。
溶剤(D)は、本レジスト組成物に含有される成分を溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンなどのケトン類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
以上、本レジスト組成物が含有する樹脂(A)、酸発生剤(B)及び酸増殖剤(G)、並びに必要に応じて含有されるクエンチャー(C)及び溶剤(D)について説明したが、本レジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)とは、レジスト分野で公知の添加剤であり、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などである。
本レジスト組成物は、樹脂(A)、酸発生剤(B)及び酸増殖剤(G)、並びに、必要に応じて用いられる溶剤(D)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製できる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、樹脂(A)及び酸増殖剤(G)などの種類や、これらの溶剤(D)に対する溶解度などに応じて、10〜40℃の範囲で適宜選択できる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の範囲で適宜選択できる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
続いて、本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法について説明する。該製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含む。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに露光により発生した酸との作用により、酸増殖剤(G)が酸を発生する。酸発生剤(B)及び酸増殖剤(G)より発生した酸との作用により、酸作用特性を有する樹脂(好ましくは、酸作用特性を有する樹脂(A))にある酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じ、結果として露光部の組成物層にある上記樹脂はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けていないため、上記樹脂はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。かくして、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違するため、アルカリ水溶液による現像によりレジストパターンを形成することができる。
現像後、超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物などに有用である。特に、優れたLERを有するレジストパターンを製造し得る、電子線用又はEUV用のレジスト組成物に有用である。
樹脂の重量平均分子量は、下記の分析条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
装置 :HLC−8120GPC型(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.9部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーK15.0部、モノマーA5.81部、モノマーB7.31部、モノマーD1.37部、モノマーL1.63部〔モル比;モノマーK:モノマーA:モノマーB:モノマーD:モノマーL:モノマーK=50:15:20:5:10〕及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.15部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート28.3部に溶解した溶液を2時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま6時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃まで冷却した。メタノール327部と水82部との混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメチルイソブチルケトン94部に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.63部及び水63.0部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン409部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し、さらに減圧乾燥して、重量平均分子量7.6×103の樹脂A1 22.8部得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート18.9部及びモノマーE4.00部を仕込み、75℃まで昇温した。そこへ、モノマーE12.0部、モノマーF5.50部、モノマーC2.57部、モノマーI12.2部、モノマーH11.8部〔モル比;モノマーE:モノマーF:モノマーC:モノマーI:モノマーH=28:15:5:20:32〕、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.61部及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.76部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート57.8部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後75℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃まで冷却した。メタノール594部と水31部との混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメタノール313部に添加し、リパルプ操作を3回行った。得られた樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量7.5×103の樹脂A2 36.2部得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、ジオキサン96.9部を仕込み、そこへモノマーA16.0部、モノマーG5.90部、モノマーC3.04部、モノマーH7.31部、モノマーJ14.3部〔モル比;モノマーA:モノマーG:モノマーC:モノマーH:モノマーJ=30:14:6:20:30〕を加えた。得られた混合物にアゾビスイソブチロニトリル0.35部及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.60部を添加し、77℃5時間加熱した。その後、反応液を、メタノール484部と水121部の混合液に注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂を大量のメタノール溶媒に添加し、リパルプ操作を3回行った。得られた樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量7×103の樹脂A3 33.6部得た。この樹脂を樹脂A3とする。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
四つ口フラスコに、3−メチル−1,3−ブタンジオール6.23部、酢酸エチル80部、トリエチルアミン4.44部を仕込み攪拌した。そこへ、(+)−10−カンファースルホニルクロリド10.0部を添加した。反応溶液を室温で、24時間攪拌した。反応溶液に水40部加え攪拌し静置後、分液した。この分液水洗操作を計5回行った。得られた有機層を濃縮し、減圧乾燥して、式(g−6)で表される化合物(酸増殖剤G1)10.9部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 318.1
四つ口フラスコに、3−メチル−1,3−ブタンジオール5.64部、酢酸エチル80部、トリエチルアミン5.02部を仕込み攪拌した。そこへ、4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド10.0部を添加した。反応溶液を60℃で、2時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、水40部を反応溶液に加え攪拌し静置後、分液した。この分液水洗操作を計5回行った。得られた有機層を濃縮し、減圧乾燥して、式(g−12)で表される化合物(酸増殖剤G2)7.93部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 289.0
四つ口フラスコに、3−メチル−1,3−ブタンジオール2.55部、酢酸エチル40部、トリエチルアミン2.28部を仕込み攪拌した。そこへ、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド5.00部を添加した。反応溶液を室温で、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、水20部を反応溶液に加え攪拌して静置し、分液した。この分液水洗操作を計5回行った。得られた有機層を濃縮し、減圧乾燥して、式(g−10)で表される化合物(酸増殖剤G3)5.13部を得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 312.0
四つ口フラスコに、3−メチル−1,3−ブタンジオール2.50部、酢酸エチル40部、トリエチルアミン1.78部を仕込み攪拌した。そこへ、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニルクロリド5.00部を添加した。反応溶液を室温で、24時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却後、水20部を反応溶液に加え攪拌し静置後、分液した。この分液水洗操作を計5回行った。得られた有機層を濃縮し、減圧乾燥して、式(g−11)で表される化合物(酸増殖剤G4)4.31部得た。
MS(ESI(+)Spectrum):M+ 380.0
(レジスト組成物の調製)
以下に示す成分の各々を表1に示す質量部で混合して溶剤に溶解させた後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
A1:樹脂A1
A2:樹脂A2
A3:樹脂A3
B1:式(B−1)で表される塩;特開2011−126869号公報記載の方法で合成
B2:式(B−2)で表される塩;特開2011−46694号公報記載の方法で合成
<酸増殖剤(G)>
G1:式(g−6)で表される化合物
G2:式(g−12)で表される化合物
G3:式(g−10)で表される化合物
G4:式(g−11)で表される化合物
<クエンチャー(C)>
C1:式(C10−1)で表される塩;特開2011−39502号公報記載の方法で合成
C2:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150部
γ−ブチロラクトン 5部
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。組成物層が形成されたウェハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
得られたレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を走査型電子顕微鏡で観察し、線幅100nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量を実効感度とした。
ラインエッジラフネス評価(LER):100nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光して製造されたレジストパターンの壁面を走査型電子顕微鏡で観察し、ラインエッジラフネスを求めた。その結果を表2に示す。
本評価には、上記表1のレジスト組成物5を用いた。
4インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を組成物層の膜厚が0.030μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度(110℃)で60秒間プリベークして組成物層を形成した。組成物層が形成されたウェハに、EUV露光機を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度(110℃)で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を走査型電子顕微鏡で観察し、線幅20nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量を実効感度とした。
Claims (8)
- 酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂(A)と、
分子内に酸不安定基を有する酸発生剤(B2)と、
酸の作用により新たに酸を発生する酸増殖剤(G)と
を含有するレジスト組成物であって、酸増殖剤(G)が式(g)で表される化合物であるレジスト組成物。
[式(g)中、
Rg1〜Rg5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基を表し、Rg1及びRg2は、互いに結合し2価の基を形成していてもよい。
Rg6は、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、当該炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、当該炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はニトロ基に置換されていてもよい。] - 前記酸不安定基が、式(1)で表わされる基又は式(2)で表される基である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(1)中、
Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
[式(2)中、
Ra1’及びRa2’はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基、Ra3’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。] - Rg6が、
メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わることもある脂肪族環を含む炭素数3〜12の炭化水素基である請求項1記載のレジスト組成物。 - Rg6が、
フッ素原子、ニトロ基又はペルフルオロメチル基を有するフェニル基である請求項1記載のレジスト組成物。 - さらに溶剤を含有する請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
- (1)請求項7記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含むレジストパターンの製造方法。
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