JP2009192618A - 感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常露光(ドライ露光)、液浸露光において、現像欠陥が少なく、ラインエッジラフネスが良好が良好である、感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物を提供する。
【解決手段】(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂及び(A’)特定の一般式で表され化合物に対応するスルホニウム構造を有する樹脂を含有する感光性組成物、該感光性組成物に用いられる化合物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する、感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物に関するものである。さらに詳しくはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程、平版印刷版、酸硬化性組成物に使用される、感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物に関するものである。
化学増幅感光性組成物は、遠紫外光等の活性光線又は放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性光線又は放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
近年、半導体素子は益々高密度、高集積化が進んでいる。そのため、さらなる微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外線の中でも短波長のエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)を用いることが検討されるまでになってきている。例えば、KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用し、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、KrFの場合に用いていた芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため使用することができず、透明性の高い脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されている。
ArFエキシマレーザー用化学増幅型感光性組成物としては例えば、酸の作用により分解しカルボン酸を発生する構造を側鎖に持つ(メタ)アクリレート樹脂と光酸発生剤とを含有する感光性組成物が挙げられる。これは、露光によし光酸発生剤から酸が発生し、該酸の作用により樹脂側鎖にカルボン酸が発生する。このカルボン酸により感光性組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、アルカリ現像により露光部が選択的に除去され、微細なパターンを形成する、というものである。
さらに解像力を高める技術として、従来から投影レンズと試料の間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法が知られている。
この「液浸の効果」は、λ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は、波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
この効果を半導体素子の微細画像パターンの転写に応用した装置例が、特許文献1(特開昭57−153433号公報)、特許文献2(特開平7−220990号公報)等にて紹介されている。
最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1(SPIE Proc 4688,11(2002))、非特許文献2(J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999))、非特許文献3(SPIE Proc 3999,2(2000))、特許文献3(国際公開第04−077158号パンフレット)等で報告されている。ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有望であると考えられている。F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
また、化学増幅レジストを液浸露光に適用すると、露光時にレジスト層が浸漬液と接触することになるため、レジスト層が変質することや、レジスト層から浸漬液に悪影響を及ぼす成分が滲出することが指摘されている。特許文献4(国際公開第04−068242号パンフレット)では、ArF露光用のレジストを露光前後に水に浸すことによりレジスト性能が変化する例が記載されており、液浸露光における問題と指摘している。
前記化学増幅型感光性組成物の主要含有成分である光酸発生剤については種々の化合物が見出されており、トリアリールスルホニウム塩、アリールアルキルスルホニウム塩(例えば、特許文献5(特開2000−275845号公報)及び特許文献6(特開平10−48814号公報)、参照)が開示されている。
発生する酸としては、例えば、特許文献7(特開2002−131897号公報)、特許文献8(特開2003−149812号公報)、特許文献9(特開2005−266766号公報)では、特定のフッ化有機スルホン酸が用いられている。
一方、特許文献10(国際公開第07−069640号パンフレット)にあるように、側鎖に前記光酸発生剤構造を有する樹脂を含有する感光性組成物も知られている。
しかしながら、いくつかの点でいまだに十分な解像性能が得られていない。
特開昭57−153433号公報 特開平7−220990号公報 国際公開第04−077158号パンフレット 国際公開第04−068242号パンフレット 特開2000−275845号公報 特開平10−48814号公報 特開2002−131897号公報 特開2003−149812号公報 特開2005−266766号公報 国際公開第07−069640号パンフレット SPIE Proc 4688,11(2002) J.Vac.Sci.Tecnol.B 17(1999)
本発明の目的は、通常露光(ドライ露光)のみならず液浸露光においても、現像欠陥が少なく、ラインエッジラフネスが良好が良好である、感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物を提供することである。
本発明は、次の通りである。
〔1〕
(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂及び
(A’)下記一般式(1)で表される化合物に対応するスルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)を有する繰り返し単位(a0)を有する樹脂を含有することを特徴とする感光性組成物。
Figure 2009192618
一般式(1)に於いて、
1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
Aは、単結合又は2価の有機基を表す。
Yは、重合性基を有する基を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。
〔2〕
一般式(1)に於ける、Z-が、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミド酸アニオン又はメチド酸アニオンから選ばれることを特徴とする〔1〕に記載の感光性組成物。
〔3〕
一般式(1)の複素環式芳香族基に於いて、ヘテロ原子が硫黄または窒素原子であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の感光性組成物。
〔4〕
前記一般式(1)におけるYが、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する基であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔5〕
前記一般式(1)におけるYが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリル、ビニル、ビニルエーテル、ビニルエステルから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物から選ばれることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔6〕
前記一般式(1)における複素環式芳香族基が、チオフェン基、ピロール基、インドール基及びカルバゾール基から選ばれるいずれかの基であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔7〕
一般式(1)に於ける、スルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)が、下記一般式(1a)〜(1d)で表されることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の感光性組成物。
Figure 2009192618
一般式(1a)〜(1d)に於いて、
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。
Ra及びRaは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。Ra及びRaは、互いに結合して環を形成してもよい。
Raは、複数個ある場合には各々独立に、有機基を表す。
A及びYは一般式(1)におけるA及びYと同義である。
mは0〜3の整数を表す。
〔8〕
さらに疎水性樹脂(HR)を含有することを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔9〕
更に(C)酸の作用により分解し、酸を発生する化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
〔11〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
〔12〕
〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、更に疎水性樹脂を該感光性膜の上層に形成し、液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
〔13〕
一般式(1)で表される化合物。
Figure 2009192618
一般式(1)に於いて、
1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
Aは、単結合又は2価の有機基を表す。Yは、重合性基を有する基を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。
更に、本発明の好ましい実施の態様として、以下の構成を挙げる。
〔14〕 更に、(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔15〕 (B)成分の化合物が、フッ素置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸又はフッ素置換イミド酸のスルホニウム塩であることを特徴とする〔14〕に記載の感光性組成物。
〔16〕 (A)成分の樹脂が、主鎖あるいは側鎖にフッ素原子を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕、〔15〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔17〕 (A)成分の樹脂が、ヘキサフロロイソプロパノール構造を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔16〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔18〕 (A)成分の樹脂が、ヒドロキシスチレン構造単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔17〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔19〕 (A)成分の樹脂が、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種類の繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔18〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔20〕 (A)成分の樹脂が、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔19〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔21〕 (A)成分の樹脂が、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種類の繰り返し単位、ラクトン構造を有する少なくとも1種類の繰り返し単位及び水酸基を有する少なくとも1種類の繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔20〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔22〕 (A)成分の樹脂が、更に、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔21〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔23〕 (A)成分の樹脂が、主鎖あるいは側鎖にシリコン原子を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔22〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔24〕 (A)成分の樹脂が、ラクトン構造を有する繰り返し単位を有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔23〕に記載のポジ型感光性組成物。
〔25〕 更に、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔24〕のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
〔26〕 更に、アルカリ現像液に可溶な樹脂及び酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔25〕のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
〔27〕 更に、アルカリ現像液に可溶な樹脂及び酸の作用により該アルカリ現像液に可溶な樹脂と架橋する酸架橋剤を含有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔26〕のいずれかに記載のネガ型感光性組成物。
〔28〕 更に、塩基性化合物及び/又はフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔27〕のいずれかに記載の感光性組成物。
〔29〕 塩基性化合物が、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造及びピリジン構造から選ばれる構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体又は水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体であることを特徴とする〔1〕〜〔9〕、〔14〕〜〔28〕に記載の感光性組成物。
本発明により、通常露光(ドライ露光)のみならず液浸露光においても、現像欠陥が少なく、ラインエッジラフネスが良好が良好である、感光性組成物、該感光性組成物を用いたパターン形成方法及び該感光性組成物に用いられる化合物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の感光性組成物は、(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂及び(A’)下記一般式(1)で表される化合物に対応するスルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)を有する繰り返し単位(a0)を有する樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 2009192618
一般式(1)に於いて、
1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
Aは、単結合又は2価の有機基を表す。
Yは、重合性基を有する基を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。
(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂
本発明の感光性組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(以下、「樹脂(A)」、「(A)成分の樹脂」と称する場合がある)を含有する。
本発明の感光性組成物において、(A)成分の樹脂は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する繰り返し単位を有する。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
(A)成分の樹脂は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。酸分解性基を有する繰り返し単位としては下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2009192618
一般式(AI)に於いて、
Xa1は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH23−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している様態が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、20〜50mol%が好ましく、より好ましくは25〜45mol%である。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
(A)成分の樹脂は、更に、ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種類の基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
(A)成分の樹脂は、ラクトン基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
Figure 2009192618
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。n2は、0〜4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2009192618
一般式(AII)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基エーテル基、エステル基、カルボニル基又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好まくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。Ab1は、直鎖、分岐アルレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、クロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
特に好ましいラクトン基を有する繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン基を選択することにより、パターンプロファイル、粗密依存性が良好となる。
Figure 2009192618
(A)成分の樹脂は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2009192618
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2009192618
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009192618
(A)成分の樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子吸引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種類の基を有する繰り返し単位として、更に好ましくは、ラクトン基、水酸基、シアノ基、アルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも2つを有する繰り返し単位であり、好ましくはシアノ基とラクトン基を有する繰り返し単位である。特に好ましくは前記(LCI−4)のラクトン構造にシアノ基が置換した構造を有する繰り返し単位である。
(A)成分の樹脂は、更に、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有してもよい。これにより液浸露光時にレジスト膜から液浸液への低分子成分の溶出が低減できる。このような繰り返し単位として、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位などが挙げられる。
(A)成分の樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、(A)成分の樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
(A)成分の樹脂において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の感光性組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から(A)成分の樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
(A)成分の樹脂として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。より好ましくは、一般式(AI)で表される、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位0〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーである。
本発明の感光性組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、(A)成分の樹脂は、一般式(AI)で表される繰り返し単位の他に、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
(A)成分の樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感光性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60℃〜100℃である。
(A)成分の樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2、更に好ましくは1.1〜2.5の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の感光性組成物において、(A)成分の樹脂の組成物全体中の配合量は、全固形分中50〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明において、(A)成分の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
(A’)下記一般式(1)で表される化合物に対応するスルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)を有する繰り返し単位(a0)を有する樹脂(以下、「樹脂(A’)」、「(A’)成分の樹脂」と称する場合がある)
Figure 2009192618
一般式(1)に於いて、
1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
Aは、単結合又は2価の有機基を表す。
Yは、重合性基を有する基を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。
一般式(1)における、Y1、Y2及びY3に於いて、複素環式芳香族基としては、窒素原子を有する芳香族基、硫黄原子を有する芳香族基、酸素原子を有する芳香族基等を挙げることができ、硫黄原子、窒素原子を有する芳香族基が好ましく、更に窒素原子を有する芳香族基が最も好ましく、保存安定性が向上する。
1、Y2及びY3に於ける、複素環式芳香族基は、π共役に関与しない非共有電子対を有するヘテロ原子を有さないことが望ましい。π共役に関与しない非共有電子対を有するヘテロ原子とは、例えば下記式に示す部分構造を有するヘテロ原子である。
Figure 2009192618
上記部分構造は塩基性を示し、樹脂(A’)が上記部分構造を有していると、活性光線又は放射線の照射によって生成した酸が中和されてしまい感度が低下してしまうが、このようなヘテロ原子を有さないことによって高い感度を維持することができる。
1、Y2及びY3に於ける、複素環式芳香族基に含まれるヘテロ原子の数としては、1〜3個が好ましく、より好ましくは1または2個、特に好ましくは1個である。
1、Y2及びY3に於ける複素環式芳香族基として、好ましくは、インドール構造、ピロール構造またはピロールに芳香環が縮環した構造、チオフェン構造またはチオフェンに芳香環が縮環した構造、を有する芳香族基であり、更に好ましくはピロール基、インドール基、カルバゾール基、チオフェン基であり、特に好ましくはインドール基、チオフェン基であり、最も好ましくはインドール基である。これらのヘテロ原子を有する芳香族基である複素環式芳香族基を用いることによりレジストの透明性を確保することができる。
1、Y2及びY3に於ける、アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
1、Y2及びY3に於ける、シクロアルキル基としては、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。
1、Y2及びY3に於ける、アリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
1、Y2及びY3に於ける、アルケニル基としては、炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。これらの基が結合して形成する基としては、炭素数3〜8のアルキレン基が挙げられ、このアルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子を有していてもよい。
1、Y2及びY3に於ける、窒素原子を有する芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基は、更に、置換基を有していてもよい。窒素原子を有する芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができる。
1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
Aは、単結合又は2価の有機基を表す。
Aが表すの2価の連結基は、好ましい炭素数は1〜20、より好ましくは炭素数1〜10である。
Aが表す2価の連結基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基及びこれらの組み合わせを挙げることができ、連結基中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子などを有していてもよい。
一般式(1)で表される化合物は、Aが2価の連結基を有することによって、一部のスルホニウム基が光分解して生成した生成物が、即座に残存未分解のスルホニウム基の光分解を促進させ、感度が大幅に向上する。
Aが表す2価の連結基は、置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を挙げることができる。
Yは、重合性基を有する基を表す。
Yとしての重合性基は、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する基が好ましい。Yとして好ましくは、炭素数1〜20、より好ましくは、炭素数2〜10であり、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、アリル構造を有する基、ビニルエーテル、ビニルエステル等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する構造を有する基等を挙げることができる。好ましくは共重合性が良好なアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリル、ビニル、ビニルエステル構造を有する基である。
1、Y2及びY3の内の2つとAとが結合して、ヘテロ原子を有する芳香族基を形成してもよい。
化合物(1)が有する、ヘテロ原子を有する芳香族基は、一般式(1)に於ける、Y1、Y2及びY3の内の少なくとも1つとしてのヘテロ原子を有する芳香族基であってもよいし、Y1、Y2及びY3の内の2つとAとの結合によって形成されるヘテロ原子を有する芳香族基であってもよい。
一般式(1)に於ける、スルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)は、下記一般式(1a)〜(1d)で表されることが好ましい。
Figure 2009192618
一般式(1a)〜(1d)に於いて、
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。
Ra及びRaは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。Ra及びRaは、互いに結合して環を形成してもよい。
Raは、複数個ある場合には各々独立に、有機基を表す。
A及びYは一般式(1)におけるA及びYと同義である。
mは0〜3の整数を表す。
Ra2及びRa3のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基は、一般式(1)に於けるY1、Y2及びY3のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基と同様のものである。
Ra2及びRa3が互いに結合して形成する基としては、炭素数3〜8のアルキレン基が挙げられ、このアルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子を有していてもよい。
Ra1のアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができ、更に置換されていてもよく、アリールアルキル基等を挙げることができる。
Ra1のシクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。
Ra1のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
Ra1のアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
Ra4の有機基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができる。
mは0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。
以下、一般式(1)で表される化合物に於ける、カチオン部の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
一般式(1)に於いて、Zが表す非求核性アニオンとしては、有機アニオン又は無機アニオンであり、より好ましくは炭素原子を有する有機アニオンであり更に好ましくは1価または2価の有機アニオンである。
が表す非求核性アニオンとして具体的には、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミド酸アニオン、メチド酸アニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -などが好ましく挙げられ、より好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミド酸アニオン又はメチド酸アニオン等を挙げることができる。
が表す好ましい1価の非求核性アニオンとしては、下記構造式に示す非求核性有機アニオンが挙げられる。
Figure 2009192618
上記構造式中、
Rb1は、有機基を表す。Rb1で表される有機基としては、炭素数1〜30の有機基が好ましく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rc1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。式中、Rc1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rb3、Rb4及びRb5は、各々独立に、有機基を表す。Rb3、Rb4及びRb5の有機基は、Rb1の有機基と同様のものを挙げることができ、炭素数1〜4のパーフロロアルキル基が特に好ましい。
Rb3とRb4は、結合して環を形成していてもよい。Rb3とRb4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rb1、Rb3〜Rb5の有機基として、好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
上記構造式中、最も好ましくは(Z-1)、(Z-3)、(Z-4)であり、これにより溶剤溶解性、感度が向上する。
が表す好ましい2価の非求核性アニオンとしては下記構造式に示す非求核性有機アニオンが挙げられる。
Figure 2009192618
上記構造式に於いて、Rb3及びRb4は、1価の非求核性有機アニオンに於けるRb3及びRb4と同義である。
Rb2は、2価の連結基を表す。Rb2の2価の連結基として、好ましくはRb1における有機基から水素原子が1つとれて2価の連結基となったものが挙げられる。
以下、一般式(1)で表される化合物に於ける、アニオン部の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
下記表1に、一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
化合物(1)は、新規化合物である。
化合物(1)は、Tetrahedron, 44(11), 3261-3270, 1988やJ. Heterocycl. Chem., 30(3), 617-622, 1993に記載されているように、インドールなどのヘテロ芳香族化合物とジフェニルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドなどのスルホキシド化合物を酸条件または酸無水物などの活性化剤の存在下反応させることによりスルホニウム骨格を形成し、その後特表平11−501909号、あるいは特開2003−246786号に記載されている任意のアニオンとの塩交換法を用いて容易に合成できる。
一般式(1)で表される化合物に対応するスルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)を有する繰り返し単位(a0)の繰り返し単位の含有量は、(A’)成分の樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜60mol%が好ましく、より好ましくは1〜50mol%、更に好ましくは5〜40mol%である。
本発明の感光性組成物に含有される(A’)成分の樹脂は、(A)成分の樹脂において挙げた種々の繰り返し構造単位を含むことが好ましい。
(A’)成分の樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感光性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60℃〜100℃である。
(A’)成分の樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2、更に好ましくは1.1〜1.8の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の感光性組成物において、(A’)成分の樹脂の組成物全体中の配合量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜50質量%である。
本発明において、(A’)成分の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
また、本発明の感光性組成物において、(A)成分の樹脂と(A’)成分の樹脂の使用割合は質量比で1:99〜50:50、好ましくは5:95〜40:60であることが好ましい。
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有することができる。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009192618
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2009192618
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cにおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009192618
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の感光性組成物中の含量は、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(C)一般式(I)で表される、酸の作用により分解し、酸を発生する化合物
本発明の感光性組成物は、下記一般式(I)で表される、酸の作用により分解し、酸を発生する化合物(以下、「酸増殖剤」ともいう)を含有する。
Figure 2009192618
一般式(I)に於いて、
1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
2は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
1とR2とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
3及びR4は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
5は、酸の作用により脱離する基を表す。
Xは、−SO2−、−SO−又は−CO−を表す。
Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
一般式(I)に於いて、R1、R2、R3及びR4のアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
1及びR2のシクロアルキル基としては、炭素数4〜10個のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられる。
1のアルコキシ基は、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐状アルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等を挙げることができる。
1のアリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
1のアリールオキシ基は、炭素数6〜20のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基を挙げることができる。
1及びR2が結合して形成する単環若しくは多環の環状炭化水素構造としては、炭素数3〜15の環状炭化水素構造が好ましく、例えば、シクロペンタノン構造、シクロヘキサノン構造、ノルボルナノン構造、アダマンタノン構造等のオキソ基を有する環状炭化水素構造を挙げることができる。
上記各基は、置換基を有していてもよい。上記各基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20)等を挙げることができる。シクロアルキル基、アリール基等の環状構造を有する基については、置換基として、更に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を挙げることができる。
5の酸の作用により脱離する基としては、例えば、下記一般式(pI)〜一般式(pV)で表される基を挙げることができ、単環若しくは多環の脂環炭化水素構造を有する基が好ましい。
Figure 2009192618
一般式(pI)〜(pV)に於いて、
11は、アルキル基を表す。
Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R14は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R12〜R14の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基であることが好ましい。
15及びR16は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R15及びR16の少なくともいずれかは、シクロアルキル基であることが好ましい。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R19及びR21のいずれかは、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R17〜R21の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基であることが好ましい。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。R22〜R25の内の少なくとも1つは、シクロアルキル基であることが好ましい。
一般式(pI)〜(pV)に於ける、R11〜R25のアルキル基としては、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基等を挙げることができる。
12〜R25に於ける、シクロアルキル基或いはZと炭素原子が形成するシクロアルキル基は、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。
好ましいシクロアルキル基としては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基を挙げることができる。
これらのアルキル基、シクロアルキル基は、更なる置換基を有していてもよい。これらのアルキル基、シクロアルキル基の更なる置換基としては、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)が挙げられる。上記のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が、更に有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
ZHの有機酸は、スルホン酸、カルボン酸、イミド酸、メチド酸が好ましい。
Zは、下記構造式で表される基が好ましい。
Figure 2009192618
上記構造式中、
Rb1は、有機基を表す。Rb1の有機基は、炭素数1〜30の有機基が好ましく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rc1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。式中、Rc1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rb3、Rb4及びRb5は、各々独立に、有機基を表す。Rb3、Rb4及びRb5の有機基は、Rb1の有機基と同様のものを挙げることができ、炭素数1〜4のパーフロロアルキル基が特に好ましい。
Rb3とRb4は、結合して環を形成していてもよい。Rb3とRb4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rb1、Rb3〜Rb5の有機基として、好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
一般式(I)は、下記一般式(Ia)又は(Ib)であることが好ましい。
Figure 2009192618
一般式(Ia)及び(Ib)に於いて、
1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基を表す。
2は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
1とR2とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
3及びR4は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
Xは、−SO2−、−SO−又は−CO−を表す。
Zは、ZHで表される有機酸の残基を表す。
Ry1〜Ry3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。但し、Ry1〜Ry3の内の少なくとも1つがシクロアルキル基を表すか、或いは、Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが、結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成する。
Ry4は、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Ry5は、シクロアルキル基を表す。
Ry4とRy5とが結合して単環若しくは多環の環状炭化水素構造を形成してもよい。
一般式(Ia)及び(Ib)に於ける、R1〜R4、X及びZは、一般式(I)に於ける、R1〜R4、X及びZと同義である。
Ry1〜Ry4のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。好ましい直鎖、分岐アルキル基としては、炭素数1〜8、より好ましくは1〜4であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
Ry1〜Ry5のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基、炭素数7〜14の多環のシクロアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。好ましい単環のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基が挙げられる。好ましい多環のシクロアルキル基としては、アダマンチル基、ノルボルナン基、テトラシクロドデカニル基、トリシクロデカニル基、ジアマンチル基が挙げられる。
Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して形成する単環の環状炭化水素構造としては、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造が好ましい。Ry1〜Ry3の内の少なくとも2つが結合して形成する多環の環状炭化水素構造としては、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、テトラシクロドデカン構造が好ましい。
Ry4とRy5とが結合して形成する単環若しくは多環の環状炭化水素構造としては、例えば、テトラメチレンオキシド環構造、ペンタメチレンオキシド環構造、ヘキサメチレンオキシド環構造等を挙げることができる。
上記各基は、置換基を有していてもよい。上記各基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20)等を挙げることができる。シクロアルキル基、アリール基等の環状構造を有する基については、置換基として、更に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を挙げることができる。
一般式(I)で表される、酸の作用により分解し、酸を発生する化合物は、新規化合物である。
一般式(I)で表される、酸の作用により分解し、酸を発生する化合物は、まず、エステル化合物を塩基条件下で縮合させる方法、アルコールとジケテンを反応させる方法(Synthesis, 1989, 387-388に記載)、或いはアセト酢酸塩とクロロメチルエ−テルを反応させる方法により、活性メチレン化合物であるα-置換酢酸エステルを合成した後、J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 37-45に記載の方法で活性メチレンのモノアルキル化、活性メチレンのヒドロキシメチル化を順次行い、最後に塩基下スルホン酸クロリドと反応させることにより合成できる。
以下、酸増殖剤の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
酸増殖剤の本発明の感光性組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。
溶剤
前記各成分を溶解させて感光性組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
環を含有しても良いモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2009192618
一般式(A)〜(E)中、
200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ま
しくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203 、R204、R205及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)〜(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、N−フェニルジエタノールアミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物から選ばれる少なくとも1種類の含窒素化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。 アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
スルホン酸エステル基を有するアミン化合物、スルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物に於ける、スルホン酸エステル基としては、アルキルスルホン酸エステル、シクロアルキル基スルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステルのいずれであっても良く、アルキルスルホン酸エステルの場合にアルキル基は炭素数1〜20、シクロアルキルスルホン酸エステルの場合にシクロアルキル基は炭素数3〜20、アリールスルホン酸エステルの場合にアリール基は炭素数6〜12が好ましい。アルキルスルホン酸エステル、シクロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステルは置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基が好ましい。
スルホン酸エステル基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CH2CH2O−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
界面活性剤
本発明の感光性組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明の感光性組成物が上記界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
また、本発明では、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、感光性組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
カルボン酸オニウム塩
本発明における感光性組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有しても良い。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明のカルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
フッ素置換されたカルボン酸のアニオンとしては、フロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリフロロ酢酸、ペンタフロロプロピオン酸、ヘプタフロロ酪酸、ノナフロロペンタン酸、パーフロロドデカン酸、パーフロロトリデカン酸、パーフロロシクロヘキサンカルボン酸、2,2−ビストリフロロメチルプロピオン酸のアニオン等が挙げられる。
これらのカルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸を適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
カルボン酸オニウム塩の組成物中の含量は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物
酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)としては、220nm以下の透過性を低下させないため、ProceedingofSPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、(A)成分の樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明の感光性組成物をKrFエキシマレーザーで露光するか、或いは電子線で照射する場合には、フェノール化合物のフェノール性水酸基を酸分解基で置換した構造を含有するものが好ましい。フェノール化合物としてはフェノール骨格を1〜9個含有するものが好ましく、さらに好ましくは2〜6個含有するものである。
本発明における溶解阻止化合物の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
溶解阻止化合物の添加量は、感光性組成物の固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
以下に溶解阻止化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009192618
その他の添加剤
本発明の感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
パターン形成方法
本発明の感光性組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。感光性組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
感光性組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明の感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(13nm)、電子ビームが好ましい。
感光性膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。感光性組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明の感光性組成物からなるレジスト膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じてさらに疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、レジスト膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、レジスト膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。レジスト膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。添加量は、レジスト膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に遍在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
後退接触角とは、液滴-基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
疎水性樹脂(HR)に於けるフッ素原子又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂(HR)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF32OHが好ましい。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 2009192618
疎水性樹脂(HR)は、珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、または環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2009192618
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
以下、珪素原子を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 2009192618
更に、疎水性樹脂(HR)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有していてもよい。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
(x)アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2009192618
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を有する基、酸無水物、酸イミド基などが挙げられ、好ましくはラクトン基である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の具体例としては、(A)成分の樹脂で挙げたラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものを挙げることができる。
疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、(A)成分の樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。疎水性樹脂(HR)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
疎水性樹脂(HR)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2009192618
一般式(III)に於いて、
4は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。
6は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、R4のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
6の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基が好ましい。
疎水性樹脂(HR)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(HR)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(HR)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂(HR)は、(A)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(HR)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感光性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
本発明の感光性組成物による感光性膜と液浸液との間には、感光性膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、感光性膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が感光性膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、感光性膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、感光性膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、感光性組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。さらに、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明の感光性組成物は、多層レジストプロセス(特に3層レジストプロセス)に適用してもよい。多層レジスト法は、以下のプロセスを含むものである。
(a)被加工基板上に有機材料からなる下層レジスト層を形成する。
(b)下層レジスト層上に中間層及び放射線照射で架橋もしくは分解する有機材料からなる上層レジスト層を順次積層する。
(c)該上層レジスト層に所定のパターンを形成後、中間層、下層及び基板を順次エッチングする。
中間層としては、一般にオルガノポリシロキサン(シリコーン樹脂)あるいはSiO2塗布液(SOG)が用いられる。下層レジストとしては、適当な有機高分子膜が用いられるが、各種公知のフォトレジストを使用してもよい。たとえば、フジフイルムアーチ社製FHシリーズ、FHiシリーズ或いは住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。
下層レジスト層の膜厚は、0.1〜4.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.5μmである。0.1μm以上とすることは、反射防止や耐ドライエッチング性の観点で好ましく、4.0μm以下とすることはアスペクト比や、形成した微細パターンのパターン形状の観点で好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
〔合成例〕
化合物A−12の合成例
インドール(Indol) 10.0g(85.4mmol)及び4−クロロメチルスチレン(4-Chloromethylstyrene)13.0g(85.4mmol)をDMF100mLに溶解させ氷冷し、これにカリウムブトキシド(Potassium tert-Butoxide) 11.5g(102.5mmol) を加えた。氷冷下で0.5時間攪拌後、更に50℃で2時間攪拌した。酢酸エチル200 mLを加え、有機層を飽和食塩水で2回、水2回で順次洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥し、褐色オイルの1−(4−ビニルベンジル)−1H−インドール(1-(4-vinylbenzyl)-1H-indole) 22.0gを得た。この褐色オイル 7.00g (30mmol)とテトラメチレンスルホキシド6.25g(60mmol)をクロロホルム80mLに溶解させ、これを窒素気流下−30℃に冷却した。この溶液にトリフロロ酢酸無水物18.9g(90mmol)を0.5時間かけて滴下した。室温まで昇温して1時間反応させ、これにノナフロロブタンスルホン酸カリウム30.4g(90mmol)をアセトニトリル100mL/水20mLに溶解させたものを加えた。3時間攪拌後、クロロホルム相を水洗、濃縮し、目的の褐色オイル(18.9g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.49(m, 2H), 2.77(m, 2H), 3.71(m, 2H), 4.05(m, 2H), 5.25(d, 1H), 5.71(d, 1H), 6.67(m, 1H), 7.20-7.22(m, 2H), 7.32-7.38(m, 4H), 7.45-7.47(m, 1H), 7.62-7.64(m, 1H), 8.37(s, 1H)
19F-NMR (400 MHz, CDCl3) δ -126(s, 2F), -122(s, 2F), -115(s, 2F), -81(s, 3F)
他の一般式(1)で表される化合物も同様にして合成した。
ポリマー合成例
樹脂(P−1)の合成
窒素気流下プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.39gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、ノルボルナンラクトンメタクリレート6.69g、3−ヒドロキシアダマンチルメタクリレート2.37g、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート(1-ethylcyclopentyl methacrylate) 7.31g、化合物(A−12)12.43g、1-ドデカンチオール 406mg、開始剤V−65(和光純薬製)498mgをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート111.5gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後メタノール1400ml/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(P−1)が20.9g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で13500、分散度(Mw/Mn)は、1.4であった。
樹脂(P−6)の合成
窒素気流下シクロヘキサノン4.10gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに、4-オキサ -5-オキソ-6-シアノトリシクロ[4.2.1.0<3.7>]ノン-2-イル 2-メチルプロプ-2-エノエート(4-oxa-5-oxo-6-cyanotricyclo[4.2.1.0<3.7>]non-2-yl 2-methylprop-2-enoate) 9.92g、3,5-ジヒドロキシ-1-アダマンチル 2-メチルプロプ-2-エノエート(3,5-dihydroxy-1-adamantyl 2-methylprop-2-enoate) 2.53g、シクロヘキシルプロパン−2−イル−メタクリレート(2-cyclohexylpropan-2-yl methacrylate) 8.44g、化合物(A−12)6.21g、開始剤V−601(和光純薬製)1.85gをシクロヘキサノン36.9gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン1000ml/酢酸エチル100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取した。得られた粉体をメチルエチルケトン100mlに溶解させ、メタノール1000ml/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取した。乾燥すると樹脂(P−6)が10.5g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で5600、分散度(Mw/Mn)は、1.4であった。
他の樹脂も同様にして合成した。
実施例で用いた(A)成分の樹脂(1)〜(25)及び(A’)成分の樹脂(P−1)〜(P−25)それぞれの合成に使用したモノマー、組成比、重量平均分子量、分散度を下記表3及び4にそれぞれ示す。
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
Figure 2009192618
実施例1〜25及び比較例1〜5
<レジスト調製>
下記表5に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度5質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過して感光性組成物を調製した。調製した感光性組成物を下記の方法で評価し、結果を表4に示した。表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
尚、表5に於いて、感光性組成物が疎水性樹脂(HR)を含有している場合、その添加形態を「添加」と標記した。感光性組成物が疎水性樹脂(HR)を含有せず、感光性膜を形成後、その上層に疎水性樹脂(HR)を含有するトップコート保護膜を形成させた場合、その添加形態を「TC」と標記した。
画像性能試験
(露光条件(1)通常のドライ露光)
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、120nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75)を用い、65nm1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(露光条件(2)通常の液浸露光)
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、120nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 PAS5500/1250i、NA0.85)を用い、65nm1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
疎水性樹脂(HR)の添加形態が「TC」である時は、レジスト膜を形成後、下記の操作を行った。
<トップコート層の形成方法>
上記レジスト膜上に表5に示す疎水性樹脂(HR)を溶剤に溶解させ、スピンコーターにより塗布し、ウェハーを115℃60秒加熱乾燥して0.05μmのトップコート層を形成させた。この時トップコート塗布ムラを観察し、塗布ムラ無く均一に塗布されていることを確認した。
溶剤の略号は次のとおりである。
SL−1;2−エチルブタノール
SL−2;パーフルオロブチルテトラヒドロフラン
パターン形状(現像欠陥) パターン形状を走査型顕微鏡(((株)日立製作所S−4800))により観察し、矩形の形状を○、それ以外を×とした。
現像欠陥:
ケー・エル・エー・テンコール社製の欠陥検査装置KLA2360(商品名)を用い、欠陥検査装置のピクセルサイズを0.16μmに、また閾値を20に設定して、ランダムモードで測定し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出される現像欠陥を検出して、単位面積あたりの現像欠陥数を算出した。値が0.5未満のものを○、0.5〜0.8のものを△、0.8を越えるものを×とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
LER:
ラインパターンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
Figure 2009192618
表中における記号は次の通りである。
〔塩基性化合物〕
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DCMA:ジシクロヘキシルメチルアミン
TPA:トリペンチルアミン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
TOA:トリオクチルアミン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
PBI:2−フェニルベンゾイミダゾール
DHA:N,N−ジヘキシルアニリン
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系)
W−6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系)
〔溶剤〕
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A2:2−ヘプタノン
A3:シクロヘキサノン
A4:γ−ブチロラクトン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
B2:乳酸エチル
B3:プロピレンカーボネート
〔溶解阻止化合物〕
LCB:リトコール酸t−ブチル
表5における結果より、本発明の感光性組成物は、通常露光(ドライ露光)のみならず液浸露光においても、現像欠陥が少なく、ラインエッジラフネスが良好が良好で

Claims (13)

  1. (A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂及び
    (A’)下記一般式(1)で表される化合物に対応するスルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)を有する繰り返し単位(a0)を有する樹脂を含有することを特徴とする感光性組成物。
    Figure 2009192618
    一般式(1)に於いて、
    1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
    1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
    1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
    Aは、単結合又は2価の有機基を表す。
    Yは、重合性基を有する基を表す。
    -は、非求核性アニオンを表す。
  2. 一般式(1)に於ける、Z-が、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミド酸アニオン又はメチド酸アニオンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 一般式(1)の複素環式芳香族基に於いて、ヘテロ原子が硫黄または窒素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. 前記一般式(1)におけるYが、ラジカル重合可能な不飽和結合を有する基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
  5. 前記一般式(1)におけるYが、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリル、ビニル、ビニルエーテル、ビニルエステルから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
  6. 前記一般式(1)における複素環式芳香族基が、チオフェン基、ピロール基、インドール基及びカルバゾール基から選ばれるいずれかの基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性組成物。
  7. 一般式(1)に於ける、スルホニウム構造S+(Y)(Y)(Y)が、下記一般式(1a)〜(1d)で表されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性組成物。
    Figure 2009192618
    一般式(1a)〜(1d)に於いて、
    Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。
    Ra及びRaは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。Ra及びRaは、互いに結合して環を形成してもよい。
    Raは、複数個ある場合には各々独立に、有機基を表す。
    A及びYは一般式(1)におけるA及びYと同義である。
    mは0〜3の整数を表す。
  8. さらに疎水性樹脂(HR)を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性組成物。
  9. 更に(C)酸の作用により分解し、酸を発生する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の感光性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物により、感光性膜を形成し、更に疎水性樹脂を該感光性膜の上層に形成し、液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  13. 一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2009192618
    一般式(1)に於いて、
    1、Y2及びY3は、各々独立に、複素環式芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。
    1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは複素環式芳香族基である。Y1、Y2及びY3の内の少なくとも2つが、互いに結合して環を形成してもよい。
    1、Y2及びY3の内の少なくとも1つは置換基−A−Yを有する。
    Aは、単結合又は2価の有機基を表す。Yは、重合性基を有する基を表す。
    -は、非求核性アニオンを表す。
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