JP6119283B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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本発明は、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
半導体の微細加工技術として、レジスト組成物を用いた光リソグラフィー技術が検討されている。光リソグラフィーに適用できるレジスト組成物として、下記式(Ia)または下記式(Ib)で示される構造単位を有する樹脂を含有するレジスト組成物が特許文献1に記載されている。
Figure 0006119283
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基を示し、Q1およびQ2は2価の連結基を表す。Z1、Z2、Z3およびZ4は、互いに独立にフッ素原子または炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基を示す。A1+およびA2+は、互いに独立に、有機対イオンを表す。Uは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、あるいは、酸素原子または窒素原子を含む1価の極性基を示し、mは0〜2の整数を表す。)
特開2007−197718号公報
本発明の目的は、解像度に優れたレジストパターンを得ることができるレジスト組成物を提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 樹脂と酸発生剤とを含み、
樹脂は、式(I)で表される基及び酸に不安定な基を有し、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂であり、
酸発生剤は、有機カチオンと、酸に不安定な基を有する有機アニオンとからなる塩を含む酸発生剤であるレジスト組成物。
Figure 0006119283
[式(I)中、R及びRは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Z1は、有機カチオンを表す。]
[2] 前記樹脂は、式(I)で表される基を有する構造単位と、酸に不安定な基を有する構造単位とを含む樹脂である[1]記載のレジスト組成物。
[3] 式(I)で表される基を有する構造単位は、式(I−1)で表される構造単位、又は式(I−2)で表される構造単位である[2]記載のレジスト組成物。
Figure 0006119283
[式(I−1)及び式(I−2)中、R1X、R2X、R1Y及びR2Yは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びRは、水素原子又はメチル基を表す。
及びXは、2価の連結基を表す。
Z2及びZ3は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
[4] 式(I)で表される基を有する構造単位は、式(I−3)で表される構造単位である[2]記載のレジスト組成物。
Figure 0006119283
[式(I−3)中、R13は、水素原子又はメチル基を表す。
uは、1又は2を表す。
14は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
15は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
Z4は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
[5] 前記酸発生剤は、式(b1−1)で表される塩である[1]〜[4]のいずれか一項記載のレジスト組成物。
Figure 0006119283
[式(b1−1)中、Xb1は、酸不安定基を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、2価の連結基を表す。
Z4は、有機カチオンを表す。]
[6] さらにクエンチャーを含有する[1]〜[5]のいずれか一項記載のレジスト組成物。
[7] (1)[1]〜[6]のいずれか一項記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物は、高解像度なレジストパターンを製造することができる。
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、以下の置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。直鎖状、分岐状又は環状をとることができるものは、そのいずれをも含み、かつそれらが混在していてもよい。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。また、*は結合てを表す。以下の置換基の例示において、「C」に付して記載した数値は、各々の基の炭素数を示すものである。
本明細書において、「炭化水素基」とは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの組み合わせを包含する。該脂肪族炭化水素基は、鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基及びこれらの組み合わさった脂肪族炭化水素基を含む。
鎖式の脂肪族炭化水素基(以下「鎖式炭化水素基」という場合がある。)のうち1価のものは、例えばアルキル基であり、アルキル基としては、メチル基(C)、エチル基(C)、プロピル基(C)、ブチル基(C)、ペンチル基(C)、ヘキシル基(C)、ヘプチル基(C)、オクチル基(C)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)等が挙げられ、これらは直鎖でも分岐していてもよい。この鎖式炭化水素基は特に限定しない限り、鎖式不飽和炭化水素基でもよいが、鎖式飽和炭化水素基、すなわちアルキル基が好ましい。2価の鎖式炭化水素基としては、例えば、ここに示したアルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。
脂環式の脂肪族炭化水素基(以下「脂環式炭化水素基」という場合がある。)のうち1価のものは、脂環式炭化水素から水素原子1個を取り去った基である。該脂環式炭化水素基は、脂環式不飽和炭化水素基でもよいが、本明細書においては脂環式飽和炭化水素基が好ましい。また、脂環式炭化水素基は単環式でも、多環式でもよい。単環式の脂環式炭化水素は典型的にはシクロアルカンであり、例えば、式(KA−1)で表されるシクロプロパン(C)、式(KA−2)で表されるシクロブタン(C)、式(KA−3)で表されるシクロペンタン(C)、式(KA−4)で表されるシクロヘキサン(C)、式(KA−5)で表されるシクロヘプタン(C)、式(KA−6)で表されるシクロオクタン(C8)、及び、式(KA−7)で表されるシクロドデカン(C12)等が挙げられる。
Figure 0006119283
多環式の脂環式炭化水素は例えば、式(KA−8)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン(以下「ノルボルナン」という場合がある。)(C)、式(KA−9)で示されるアダマンタン(C10)、式(KA−10)で示される脂環式炭化水素(C10)、式(KA−11)で示される脂環式炭化水素(C14)、式(KA−12)で示される脂環式炭化水素(C17)、式(KA−13)で示される脂環式炭化水素(C10)、式(KA−14)で示される脂環式炭化水素(C11)、式(KA−15)で示される脂環式炭化水素(C15)、式(KA−16)で示される脂環式炭化水素(C12)、式(KA−17)で示される脂環式炭化水素(C14)、式(KA−18)で示される脂環式炭化水素(C15)、式(KA−19)で示される脂環式炭化水素(C17)、式(KA−20)で示される脂環式炭化水素(C9)、式(KA−21)で示される脂環式炭化水素(C8)及び、式(KA−22)で示される脂環式炭化水素(C10)等が挙げられる。
Figure 0006119283
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。
本明細書において、1価の芳香族炭化水素基は、例えば、アリール基であり、フェニル基(C)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)等が挙げられる。2価の芳香族炭化水素基としては、1価の芳香族炭化水素基から、さらに1個の水素原子を取り去ったアリーレン基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は置換基を有することがある。該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基をが挙げられる。
ハロゲン原子は特に限定のない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子である。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C)、エトキシ基(C)、プロポキシ基(C)、ブトキシ基(C)、ペンチルオキシ基(C)、ヘキシルオキシ基(C)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)等が挙げられ、該アルコキシ基は直鎖でも分岐していてもよい。
アシル基としては、アセチル基(C)、プロピオニル基(C)、ブチリル基(C)、バレイル基(C)、ヘキサノイル基(C)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)等のアルキル基とカルボニル基とが結合したもの、ベンゾイル基(C7)等のようにアリール基とカルボニル基とが結合したものが挙げられる。該アシル基のうち、アルキル基とカルボニル基とが結合したものの該アルキル基は直鎖でも分岐でもよい。
アリールオキシ基は、上記アリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は置換基を有することがある。該置換基としては、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基を挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)と、酸発生剤(B)とを含む。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)として、式(I)で表される基及び酸に不安定な基を有し、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂(以下「樹脂(A1)」という場合がある。)を含む。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(B)として、有機カチオンと、酸に不安定な基を有する有機アニオンとからなる塩を含む。
本発明において、上記樹脂(A1)における酸に不安定な基と、上記有機アニオンにおける酸に不安定な基は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
さらに、本発明のレジスト組成物は、クエンチャー(C)及び/又は溶剤(D)を含むことが好ましい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
<樹脂(A)>
〔樹脂(A1)〕
樹脂(A1)は、式(I)で表される基及び酸に不安定な基(以下「酸不安定基」という場合がある。)を有し、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する特性(以下、場合により「酸作用特性」という。)を有する樹脂である。
なお、「酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する」とは、酸との接触によりアルカリ水溶液への溶解性が増大することを意味する。酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸との接触後にアルカリ水溶液に可溶となることが好ましい。樹脂が酸不安定基を有することにより、酸作用特性を示すものとなる。
樹脂(A1)は、好ましくは、式(I)で表される基を有する構造単位と、酸不安定基を有する構造単位(以下「酸不安定構造単位」という場合がある。)とを含む樹脂である。
樹脂(A1)は、式(I)で表される基を有する。
Figure 0006119283
[式(I)中、R及びRは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Z1は、有機カチオンを表す。]
及びRで表されるペルフルオロアルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子に置換されたものである。該ペルフルオロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
及びRは、好ましくは、互いに独立に、ペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはともにフッ素原子である。
Z1で表される有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンソチアゾニウムカチオン、有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましい。
式(I)で表される基を有する構造単位としては、式(I−1)で表される構造単位、又は式(I−2)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006119283
[式(I−1)及び式(I−2)中、
1X、R2X、R1Y及びR2Yは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
及びRは、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
及びXは、互いに独立に、2価の連結基を表す。
Z2及びZ3は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
1X、R2X、R1Y及びR2Yで表されるペルフルオロアルキル基としては、R及びRで表されるペルフルオロアルキル基として例示したものが挙げられる。
1X、R2X、R1Y及びR2Yは、好ましくは、互いに独立に、ペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはともにフッ素原子である。
及びXで表される2価の連結基は、好ましくは、炭素数1〜23の2価の炭化水素基であり、これらの炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、これらの炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。より好ましくは、炭素数1〜23の2価の炭化水素基であって、これらの炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい基である。
このような2価の連結基としては、例えば、*−CO−O−、*−O−、*−S−、*−CO−X−、*−CO−O−X−、*−O−X−、*−S−X−、*−CO−O−X−O−、*−CO−O−X−S−、*−CO−O−X−O−CO−、*−CO−O−X−CO−O−、*−CO−O−X−O−X−、*−CO−O−X−S−X−、*−CO−O−X−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−CO−X−、*−X−O−X−、*−X−S−X−、*−X−CO−O−X−、*−X−O−CO−X−、*−CO−O−X−O−X−O−X−、*−CO−O−X−S−X−S−X−、*−CO−O−X−S−X−O−X−、*−CO−O−X−O−X−S−X−及び*−CO−O−X−O−X−CO−X−等(各式において、*はC(R1)(R2)との結合手を表す。 X、X及びXは、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。ただし、各式における炭素数の合計は、それぞれ23以下である。)が挙げられる。
各式における炭素数は、メチレン基が酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わる前の炭素数を表す。
の2価の連結基は、好ましくは、*−CO−O−、*−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−、*−CO−O−X−CO−O−、*−CO−O−X−O−CO−、*−X−CO−O−X−、*−X−O−CO−X−、*−CO−O−X−O−X−O−X−、*−CO−O−X−S−X−O−X−であり、より好ましくは、*−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−、*−CO−O−X−O−CO−、*−CO−O−X−S−X−O−X−(各式において、*は、C(R1X)(R2X)との結合手を表す。X、X及びXは、上記定義と同じ。)である。
の2価の連結基は、好ましくは、*−CO−O−、*−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−、*−CO−O−X−CO−O−、*−CO−O−X−CO−O−X−、*−X−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−X−CO−X−、*−X−O−X−、*−CF2−X−、*−CF2−O−X−が挙げられ、より好ましくは、*−CO−O−X−、*−CO−O−X−CO−O−X−、*−X−CO−O−X−、*−CO−O−X−O−X−CO−X−(各式において、*は、C(R1Y)(R2Y)との結合手を表す。X、X及びXは、上記定義と同じ。)が挙げられる。
、X及びXで表される炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルカンジイル基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基などの炭素数1〜12のアルカンジイル基、アダマンタンジイル基などの炭素数6〜10の2価の脂環式炭化水素基が挙げられる。
式(I−1)で表される構造単位に含まれるアニオンとしては、例えば、以下の構造単位及び特開2011−158896号公報記載の構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
式(I−2)で表される構造単位のアニオンとしては、例えば、以下の構造単位、並びに特開2011−76084号公報、特開2011−190246号公報、2011−219459号公報、特開2007−197718号公報及び特開2006−178317号公報に記載の構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
式(I)で表される基を有する構造単位として、更に式(I−3)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
[式(I−3)中、R13は、水素原子又はメチル基を表す。
uは、1又は2を表す。
14は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
15は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
Z4は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
14で表される飽和炭化水素基は、例えば、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数3〜12の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
14としては、炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
15は、好ましくはメチレン基又はエチレン基である。
式(I−3)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び国際公開第2012/050015号パンフレット記載の構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
Z2、Z3及びZ4は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンである。
Figure 0006119283
[式(b2−1)〜式(b2−4)中、
b4、Rb5及びRb6は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
b7及びRb8は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、互いに独立に0〜5の整数を表す。
b9及びRb10は、互いに独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成する。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b13、Rb14、Rb15、Rb16、Rb17及びRb18は、互いに独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、互いに独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、互いに独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一でも異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一でも異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb15は同一でも異なってもよく、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一でも異なってもよい。]
b4、Rb5及びRb6で表される炭化水素基としては、好ましくは、互いに独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、前記アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b12で表されるアルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b9、Rb10、Rb11及びRb12で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等が好ましい。
b9〜Rb11で表される脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基等が好ましい。
b12で表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基等が好ましい。
b12で表される芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
b9とRb10とが結合して形成する環としては、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが結合して形成する環としては、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
式(b2−1)〜式(b2−4)で表されるカチオンとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、式(b2−1−1)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)がさらに好ましい。
Figure 0006119283
[式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
v2、w2及びx2は、互いに独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は互いに同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は互いに同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は互いに同一でも異なってもよい。]
b19、Rb20及びRb21で表される脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜18の脂環式炭化水素基である。有していてもよい置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基及びグリシジルオキシ基が挙げられる。
b19、Rb20及びRb21は、好ましくは、互いに独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
式(I)で表される基を有する構造単位は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せである。これらは任意に組み合わせることができ、例えば、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
Figure 0006119283
式(I)で表される基を有する構造単位の含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して通常1〜25モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%であり、より好ましくは3〜15モル%である。
「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。なお、酸不安定基は、式(I)で表される基とは異なる構造を有する。
酸不安定構造単位は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。酸不安定基としては、例えば、式(1)で表される基(以下「酸不安定基(1)」という場合がある)、式(2)で表される基(以下「酸不安定基(2)」という場合がある)などが挙げられる。
Figure 0006119283
[式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、Ra3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。*は結合手を表す。]
Figure 0006119283
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra1’は、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
a1、Ra2及びRa3で表される脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16である。
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、例えば、下記の基が挙げられる。該2価の炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。
Figure 0006119283
酸不安定基(1)としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が結合してアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
酸不安定基(2)において、Ra1’及びRa2’で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基などが挙げられる。Ra1'及びRa2'のうち少なくとも1つは水素原子が好ましい。
酸不安定基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006119283
モノマー(a1)としては、酸不安定基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーが好ましく、酸不安定基と(メタ)アクリル基とを有するモノマーがより好ましい。
モノマー(a1)としては、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有するモノマー(a1)が好ましく、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有するを有する(メタ)アクリル系モノマーが特に好ましい。
また、モノマー(a1)としては、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)が好ましい。このようなモノマー(a1)を用いて得られる樹脂(A1)は、嵩高い構造である脂環式炭化水素基を有するので、該樹脂(A1)を含有する本発明のレジスト組成物から得られるレジストパターンの解像度が一層高くなる傾向がある。
モノマー(a1)に由来する構造単位としては、式(a1−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−1)」という場合がある。)及び式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)が好ましく、構造単位(a1−1)がより好ましい。
Figure 0006119283
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、互いに独立に、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a4及びRa5は、互いに独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、互いに独立に、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
a1及びLa2で表される−O−(CH2k1−CO−O−におけるk1は、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1である。La1及びLa2は、好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基である。該アルキル基は、好ましくは炭素数8以下であり、より好ましくは炭素数6以下である。該脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下であり、より好ましくは炭素数6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−1)を導くモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。構造単位(a1−1)としては、式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
構造単位(a1−2)を導くモノマーとしては、例えば、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び1−イソプロピルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートなどが挙げられる
構造単位(a1−2)としては、好ましくは、式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)]のいずれかで表される構造単位がであり、より好ましくは、式(a1−2−3)又は(a1−2−4)で表される構造単位(a1−2)であり、さらに好ましくは式(a1−2−3)で表される構造単位である。
Figure 0006119283
樹脂(A1)中、酸不安定構造単位の含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましく、20〜70モル%が更により好ましく、20〜60モル%が特に好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、これらの合計含有率が上記の範囲内であることが好ましい。
樹脂(A1)の酸不安定構造単位としては、構造単位(a1−1)が好ましい。
また、酸不安定構造単位としては、アダマンチル基を有する酸不安定構造単位(特に好ましくは、構造単位(a1−1))が好ましい。樹脂(A1)がアダマンチル基を有する酸不安定構造単位を有する場合、その含有率は、酸不安定構造単位の合計に対して、15モル%以上が好ましい。アダマンチル基を有する酸不安定構造単位の含有率が上記の範囲内であると、樹脂(A1)を含有するレジスト組成物から製造されるレジストパターンのドライエッチング耐性が良好となる傾向がある。
モノマー(a1)としては、さらに、式(a1−3)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−3)」という場合がある。)が挙げられる。このようなモノマーから得られる、主鎖に剛直なノルボルナン環を含む樹脂(A1)を本発明のレジスト組成物に用いると、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンを製造できる傾向がある。
Figure 0006119283
式(a1−3)中、
a9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基等に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a10、Ra11及びRa12は、互いに独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、Ra10及びRa11は互いに結合してこれらが結合する炭素原子とともに環を形成し、Ra12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a9、Ra10、Ra11及びRa12で表される脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。置換基、特にヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基等である。
a13としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基等が挙げられる。
a10とRa11とが結合しこれらが結合する炭素原子とともに形成される環としては、シクロへキサン環及びアダマンタン環等が挙げられる。
モノマー(a1−3)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものが挙げられる。これらの中でも、式(a1−3−1)、式(a1−3−2)、式(a1−3−3)又は式(a1−3−4)で表されるモノマーが好ましく、式(a1−3−2)又は(a1−3−4)で表されるモノマーがより好ましく、式(a1−3−2)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 0006119283
樹脂(A1)が、モノマー(a1−3)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
モノマー(a1)としては、さらに、式(a1−4)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−4)」という場合がある。)が挙げられる。
Figure 0006119283
式(a1−4)中、
10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
laは0〜4の整数を表す。
11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、laが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
12及びR13は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜24の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
10は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
10は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子であり、より好ましくはメチル基又は水素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
11のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
12及びR13の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基及び炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。
a3の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基であり、より好ましくは、炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基又は炭素数7〜24のアラルキル基である。Ya3の炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、無置換の脂肪族炭化水素基が好ましく、Ya3の炭化水素基が芳香族炭化水素基である場合、置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数6〜10のアリールオキシ基が好ましい。
モノマー(a1−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、式(a1−4−1)〜式(a1−4−7)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)のいずれかで表されるモノマーがより好ましい。
Figure 0006119283
樹脂(A1)がモノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
モノマー(a1)に由来する構造単位としては、さらに、式(a1−5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という場合がある。)に由来する構造単位(a1)が挙げられる。
Figure 0006119283
式(a1−5)中、
a8は、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、酸素原子又はカルボニル基を表す。
は炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
a1、Ra2及びRa3は、前記と同義である。
構造単位(a1−5)において、Ra1、Ra2及びRa3は、互いに独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基及びヘキシル基であるか、Ra2及びRa3が互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに、炭素数3〜12の環を形成していることが好ましい。該環は、アダマンタン環又はシクロヘキサン環等が好ましい。
構造単位(a1−5)としては、例えば、以下の構造単位が挙げられる。式中、Ra8は、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 0006119283
樹脂(A1)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、3〜80モル%が好ましく、5〜70モル%がより好ましく、5〜60モル%がさらに好ましい。
樹脂(A1)は、さらに、酸不安定基を有さない構造単位(以下「酸安定構造単位」という場合がある。)を有することが好ましい。酸安定構造単位は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)から導かれる。
なお、酸安定構造単位は、式(I)で表される基を有しない点で、上述の式(I)で表される基を有する構造単位と区別される。
樹脂(A1)が酸安定構造単位を有する場合、モノマー(a1)に由来する構造単位と酸安定性構造単位との含有比(〔モノマー(a1)に由来する構造単位〕/〔酸安定構造単位〕;モル比)は、好ましくは10/90〜80/20であり、より好ましくは20/80〜60/40である。このような含有比であると、本発明のレジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより一層良好になる傾向がある。
酸安定構造単位としては、ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下「酸安定構造単位(a2)」というという場合がある。)及びラクトン環を有する酸安定構造単位(以下「酸安定構造単位(a3)」というという場合がある。)が挙げられる。これらの構造単位を有する樹脂(A1)を用いると、本発明のレジスト組成物を基板に塗布した膜及び/又は組成物層は、基板との密着性に優れる傾向があるため、高解像度で、レジストパターンを製造できる。
<酸安定構造単位(a2)>
酸安定構造単位(a2)は、本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって選択できる。たとえば、該露光源が、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線の場合には、酸安定構造単位(a2)としては、後述のフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)が好ましい。該露光源が、ArFエキシマレーザ(波長:193nm)の場合は、酸安定構造単位(a2)として、式(a2−1)で表される酸安定構造単位が好ましい。
酸安定構造単位(a2)としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「酸安定構造単位(a2−1)」というという場合がある。)が挙げられる。
Figure 0006119283
式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、互いに独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
a3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である−O−(CH2k2−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定構造単位(a2−1)としては、例えば、以下のもの及び特開2010−204646号公報に記載のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
これらの中でも、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−3)及び式(a2−1−4)のいずれかで表される酸安定構造単位が好ましく、式(a2−1−1)又は(a2−1−3)で表される酸安定構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A1)が酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、1〜45モル%が好ましく、2〜35モル%がより好ましく、3〜30モル%がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a2)としては、式(a2−0)で表される構造単位(以下「酸安定構造単位(a2−0)」というという場合がある。)が挙げられる。
Figure 0006119283
式(a2−0)中、
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
a30は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a2−0)としては、式(a2−0−1)、式(a2−0−2)、式(a2−0−3)又は式(a2−0−4)で表されるものが好ましい。かかる構造単位を導く酸安定モノマーとしては、例えば、特開2010−204634号公報に記載のモノマーが挙げられる。
Figure 0006119283
酸安定構造単位(a2−0)を含む場合の樹脂(A1)は、酸安定構造単位(a2−0)を導くモノマー(a2)にあるフェノール性ヒドロキシ基を、酸又は塩基で脱離可能な保護基で予め保護して重合し、次いで、酸又は塩基で保護基を脱離させることにより製造できる。構造単位(a1)を著しく損なわないために、該脱保護は塩基で行うことが好ましい。保護基としては、例えば、アセチル基が挙げられる。
樹脂(A1)が酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、5〜90モル%が好ましく、10〜85モル%がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
<酸安定構造単位(a3)>
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
酸安定構造単位(a3)は好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される構造単位である。
Figure 0006119283
[式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は互いに同一でも異なってもよい。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は互いに同一でも異なってもよい。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は互いに同一でも異なってもよい。]
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、式(a2−1)のLa3で説明したものと同じものが挙げられる。
a4〜La6は、互いに独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、互いに独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表される構造単位としては、特開2010−204646号公報に記載された酸安定モノマーに由来する構造単位が挙げられる。
式(a3−1)で表される構造単位は、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−1−3)又は式(a3−1−4)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006119283
式(a3−2)で表される構造単位は、式(a3−2−1)、式(a3−2−2)、式(a3−2−3)又は式(a3−2−4)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006119283
式(a3−3)で表される構造単位は、式(a3−3−1)、式(a3−3−2)、式(a3−3−3)又は式(a3−3−4)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006119283
特に、酸安定構造単位(a3)は、式(a3−1)で表される構造単位又は式(a3−2)で表される構造単位が好ましく、式(a3−1−1)〜式(a3−1−2)又は式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)で表される構造単位がより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A1)が、酸安定構造単位(a3)を有する場合、その含有率は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、5〜70モル%が好ましく、10〜65モル%がより好ましく、10〜60モル%がさらに好ましい。
樹脂(A1)は、上記以外のその他の酸安定構造単位(以下「酸安定構造単位(a4)」という場合がある。]を有してもよい。
酸安定構造単位(a4)を導く酸安定モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3−メチルスチレン、イソイソボロニルアクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート及びテトラシクロドデセニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは、スチレン、α−メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-メチルスチレン及び3−メチルスチレンが挙げられる。
樹脂(A1)が、このような酸安定構造単位(a4)を有する場合、その含有割合は、該樹脂(A1)の全構造単位に対して、1〜60モル%の範囲が好ましく、3〜50モル%の範囲がより好ましく、5〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂(A1)は、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。各構造単位の含有率は、樹脂(A1)を製造する際に用いるモノマーの使用量で調整できる。
式(I)で表される基を有する構造単位を導くモノマーは、特開2007−197718号公報、特開2011−76084号公報等に記載の方法により調製することができる。
樹脂(A1)は、好ましくは、式(I)で表される基を有する構造単位を導くモノマーとモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体であり、より好ましくは、式(I−1)で表される構造単位を導くモノマー又は式(I−2)で表される構造単位を導くモノマーと、構造単位(a1−1)を導くモノマー及び/又は構造単位(a1−2)を導くモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2)を導くモノマー及び/又は酸安定構造単位(a3)を導く酸安定モノマーとの共重合体である。
樹脂(A1)の具体例を構造単位の組み合わせで示すと、式(A−1)〜式(A−18)のいずれかで表される樹脂が挙げられる。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
Figure 0006119283
Figure 0006119283
樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは、1,500以上50,000以下であり、より好ましくは2,000以上30,000以下である。
なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
〔樹脂(A1)以外の樹脂〕
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)として、必要に応じて、樹脂(A1)以外の樹脂を樹脂(A1)とともに含んでもよい。
樹脂(A1)以外の樹脂を構成する構造単位としては、樹脂(A1)の構造単位として挙げたもののうち、式(I)で表される基を有する構造単位を以外のもの、つまり、酸不安定構造単位及び酸安定構造単位、が挙げられる。樹脂(A1)以外の樹脂において、好ましい酸不安定構造単位及び酸安定構造単位、及びこれらの構造単位の好ましい含有率も上記と同じである。
樹脂(A1)以外の樹脂は、これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。各構造単位の含有率は、製造する際に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A1)以外の樹脂の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上50,000以下であり、より好ましくは3,000以上30,000以下である。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、有機カチオンと、酸不安定基を有する有機アニオンとからなる塩(以下「塩(B1)」という場合がある。)を含む。
塩(B1)における酸不安定基としては、樹脂(A1)が有する酸不安定基として挙げた基が挙げられ、例えば、上述の酸不安定基(1)及び酸不安定基(2)などが挙げられる。
塩(B1)は、非重合体である。
塩(B1)としては、式(b1−1)で表される塩が好ましい。
Figure 0006119283
[式(b1−1)中、Xb1は酸不安定基を表す。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、2価の連結基を表す。
Z4は、有機カチオンを表す。]
b1の酸不安定基は、好ましくは、上述の酸不安定基(1)又は酸不安定基(2)である。
1及びQ2で表されるペルフルオロアルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子に置換されたものであり、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
1及びQ2は、好ましくは、互いに独立に、ペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはともにフッ素原子である。
b1で表される2価の連結基は、好ましくは、炭素数1〜24の2価の炭化水素基であり、該炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、これらの炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置き換わっていてもよい。より好ましくは、炭素数1〜24の2価の炭化水素基であって、これらの炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい基である。
このような2価の連結基としては、*−CO−Lb2−、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−O−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−CO−、*−CO−O−Lb2−CO−O−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−O−CO−Lb3−、*−Lb2−O−Lb3−、*−Lb2−CO−O−Lb3−、*−Lb2−O−CO−Lb3−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−O−Lb4−及び*−CO−O−Lb2−O−Lb3−CO−Lb4−、*−CF2−Lb2−、*−CF2−O−Lb2−等が挙げられ、好ましくは、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−O−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−CO−、*−CO−O−Lb2−CO−O−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−、及び*−CO−O−Lb2−O−CO−Lb3−であり、より好ましくは、*−CO−O−Lb2−、*−CO−O−Lb2−CO−、*−CO−O−Lb2−O−Lb3−、及び*−CO−O−Lb2−CO−O−Lb3−である。
上記各式において、*はC(Q)(Q)との結合手を表す。
b2、Lb3及びLb4は、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。ただし、上記2価の連結基の合計炭素数はそれぞれ24以下である。この炭素数は、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わる前の炭素数を表す。
b2、Lb3及びLb4で表される炭化水素基としては、アルカンジイル基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基、これらを組み合わせた2価の基が挙げられる。該炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基等の炭素数1〜4のアルカンジイル基;アダマンタンジイル基等の炭素数6〜10の2価の脂環式炭化水素基などが挙げられる。
式(b1−1)で表される塩のアニオンとしては、例えば、式(b1−1−1)〜式(b1−1−7)のいずれかで表されるアニオン、並びに特開2011-46694号公報及び特開2011−126869号公報に記載のスルホン酸アニオンが挙げられる。式中、Q、Q、Ra1、Ra2、Ra3、Ra1’、Ra2’、Ra3’、Lb2及びLb3は前記と同義である。
Figure 0006119283
式(b1−1)で表されるZ4としては、式(I)のZ1、Z2及びZ3と同様の有機カチオンが挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンである。
塩(B1)は、上述の有機アニオンと上述の有機カチオンとの組合せである。これらは任意に組み合わせることができ、好ましい組み合わせとしては、例えば、下記式で表される塩である。
Figure 0006119283
Figure 0006119283
酸発生剤(B)は、塩(B1)以外の酸発生剤を含んでもよい。このような酸発生剤としては、例えば、特開2011−43709号公報記載の酸発生剤が挙げられる。
<クエンチャー(C)>
本発明のレジスト組成物におけるクエンチャーは、酸拡散抑制作用、つまり、露光により酸発生剤から発生する酸をトラップする作用を有する化合物であればよく、この作用に加えて、自ら酸を発生し得る化合物であってもよい。例えば、塩基性の含窒素有機化合物及び弱酸塩が挙げられる。
塩基性の含窒素有機化合物としては、例えば、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、例えば、式(C1)〜式(C8)のいずれかで表される化合物が挙げられ、好ましくは式(C1−1)で表される化合物である。
Figure 0006119283
[式(C1)中、
c1、Rc2及びRc3は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Figure 0006119283
[式(C1−1)中、
c2及びRc3は、前記と同義である。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一でも異なってもよい。]
Figure 0006119283
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、
c5、Rc6、Rc7及びRc8は、互いに独立に、Rc1と同義である。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一又は相異なる。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
Figure 0006119283
[式(C5)及び式(C6)中、
c10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、互いに独立に、Rc1と同義である。
c14、Rc15及びRc17は、互いに独立に、Rc4と同義である。
o3及びp3は、互いに独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上のとき、複数のRc14は互いに同一でも異なってもよく、p3が2以上のとき、複数のRc15は互いに同一でも異なってもよい。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 0006119283
[式(C7)及び式(C8)中、
c18、Rc19及びRc20は、互いに独立に、Rc4と同義である。
q3、r3及びs3は、互いに独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上のとき、複数のRc18は互いに同一でも異なってもよく、r3が2以上のとき、複数のRc19は互いに同一でも異なってもよく、s3が2以上のとき、複数のRc20は互いに同一でも異なってもよい。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール及び4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン及び4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン及びビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
弱酸塩としては、酸発生剤(B)より発生する酸よりも弱い酸の塩が挙げられ、例えば、カルボン酸塩やスルホン酸塩であり、好ましくは、式(C10)又は式(C11)で表される塩である。
Figure 0006119283
[式(C10)中、
C21は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数4〜36の脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜36の複素環基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置換されていてもよい。
Z6は、有機カチオンを表す。]
Figure 0006119283
[式(C11)中、
C22及びRC23は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数7〜21のアラルキル基を表し、該脂肪族炭化水素基、該脂環式飽和炭化水素基、該芳香族炭化水素基及びアラルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基又はニトロ基で置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよく、RC22及びRC23は互いに結合してこれらが結合する窒素原子とともに炭素数4〜20の環を形成してもよい。
Z7は、有機カチオンを表す。]
クエンチャーとしては、窒素原子を有するスルホン酸塩、例えば、式(C12)で表される塩も挙げられる。
Figure 0006119283
[式(C12)中、
e1及びQe2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
e2は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
は窒素原子を含む有機基を表す。
Z5は、有機カチオンを表す。]
e1及びQe2は、式(b1−1)のQ1及びQ2と同じ基が挙げられ、好ましいものも同じである。
e2で表わされる脂肪族飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基などの炭素数1〜17のアルキレン基;アダマンタンジイル基、シクロヘキシレン基などの炭素数3〜17の脂環式炭化水素基;及び該アルキレン基と該脂環式炭化水素基とを組み合わせた基等が挙げられる。
e2としては、メチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わった炭素数5〜10のアルキレン基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基、及び該アルキレン基と脂環式炭化水素とが組み合わさった基であることが好ましい。
は、好ましくは、窒素原子を含む複素環基である。該複素環を構成する複素環としては、例えば、イミダゾール環、モリホリン環等が挙げられる。
Z5、Z6及びZ7の有機カチオンとしては、式(I)のZ1、Z2及びZ3と同様の有機カチオンが挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンである。
式(C10)で表される塩としては、例えば、下記で表される塩及び特開2011−39502号公報記載の塩が挙げられる。
Figure 0006119283
式(C11)で表される塩としては、例えば、下記で表される塩及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。
Figure 0006119283
式(C12)で表される塩としては、例えば、下記式で表される塩及び特開2012−6908号公報記載の塩が挙げられる。
Figure 0006119283
<溶剤(D)>
溶剤(D)は、本発明のレジスト組成物に含まれる成分を溶解するものであれば、特に限定されず、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
<その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
<本発明のレジスト組成物の製造方法>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)及び酸発生剤(B)、並びに、必要に応じて用いられる及び溶剤(D)、クエンチャー(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製できる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、樹脂の種類や溶剤(D)への溶解度等に応じて、10〜40℃の範囲で適宜選択できる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の範囲で適宜選択できる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
樹脂(A)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは80質量%以上99質量%以下である。尚、本明細書において「固形分」とは、本発明のレジスト組成物から溶剤(D)を除いた成分の合計を意味する。該固形分の質量及び本発明のレジスト組成物に含まれる各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
樹脂(A1)の含有量は、樹脂(A)の総量に対して、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上100質量%以下である。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上35質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上30質量部以下である。
本発明のレジスト組成物がクエンチャー(C)を含む場合、その含有率は、固形分の総量に対して、0.01〜4質量%程度が好ましい。
溶剤(D)の含有率は、本発明のレジスト組成物の総量に対して、90質量%以上が好ましく、92質量%以上がより好ましく、94質量%以上がさらに好ましく、99.9質量%以下が好ましく、99.5質量%以下がより好ましい。溶剤(D)の含有率が上記範囲内であると、レジストパターンを製造する際に、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成しやすい。
その他の成分(F)を用いる場合、その含有量は、その他の成分(F)の種類に応じて適宜選択する。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含む。
工程(1)における本発明のレジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、通常、当該分野で用いられている塗布装置によって行うことができる。基板としては、例えば、シリコンウェハ等が挙げられる。本発明のレジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜等が形成されていてもよい。
工程(2)により、塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤が除去され、基板上に組成物層が形成される。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱乾燥(いわゆるプリベーク)、減圧装置を用いた減圧乾燥、或いはこれらの手段を組み合わせて行われる。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が好ましい。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が好ましい。
得られた組成物層は、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域又は真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
工程(3)は該組成物層を露光する工程であり、好ましくは、露光機を用いて該組成物層を露光する工程である。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域又は真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。該露光機は液浸露光機であってもよい。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。
工程(4)は、露光後の組成物層を加熱する工程(いわゆるポストエキスポジャーベーク)であり、好ましくは、加熱装置により現像する工程である。加熱装置としては、ホットプレート等が挙げられる。加熱温度としては、通常、50〜200℃、好ましくは、70〜150℃である。加熱時間としては、通常、20〜90秒、好ましくは、30〜70秒である。工程(4)を行うことにより、樹脂(A’)の脱保護反応が促進される。
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置により現像液で現像する工程である。現像方法は、ポジ型現像、ネガ型現像の何れであってもよい。現像液として、ケトン溶剤、エステル溶剤、アミド溶剤、エーテル溶剤、炭化水素溶剤等の有機溶剤やアルカリ現像液を用いることができる。
該アルカリ現像液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
<用途>
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物等に有用である。特に、高解像度のレジストパターンを製造できるため、電子線用又はEUV用のレジスト組成物として有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。分析条件は下記のとおりである。
装置 :HLC−8120GPC型(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー(株)製)
樹脂(A)の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
Figure 0006119283
合成例1〔樹脂A1の合成〕
モノマーJを特開2007−197718号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、アセトニトリル18.5部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーM12.0部、モノマーA5.17部、モノマーB6.50部、モノマーD1.54部、モノマーN1.44部、モノマーJ8.22部〔モル比;モノマーM:モノマーA:モノマーB:モノマーD:モノマーN:モノマーJ=45:15:20:5:10:5〕及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.50部をアセトニトリル23.6部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にメタノール320部と水80部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメチルイソブチルケトン92部に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.62部及び水61.5部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン399.9部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量3.5×10の樹脂を16.2部得た。この樹脂を樹脂A1とする。この樹脂A1は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例2〔樹脂A2の合成〕
モノマーKを特開2011−76084号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、アセトニトリル18.8部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーM12.0部、モノマーA5.17部、モノマーB6.50部、モノマーD1.54部、モノマーN1.44部、モノマーK9.30部〔モル比;モノマーM:モノマーA:モノマーB:モノマーD:モノマーN:モノマーK=45:15:20:5:10:5〕及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.50部をアセトニトリル23.5部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にメタノール326部と水81部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメチルイソブチルケトン94部に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.63部及び水62.6部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン406.9部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量3.0×10の樹脂を16.9部得た。この樹脂を樹脂A2とする。この樹脂A2は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例3〔樹脂A3の合成〕
モノマーLを特開2011−76084号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、アセトニトリル18.9部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーM12.0部、モノマーA5.17部、モノマーB6.50部、モノマーD1.54部、モノマーN1.44部、モノマーL9.97部〔モル比;モノマーM:モノマーA:モノマーB:モノマーD:モノマーN:モノマーL=45:15:20:5:10:5〕及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル2.50部をアセトニトリル23.5部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にメタノール326部と水80部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメチルイソブチルケトン95部に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.63部及び水63.3部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン411.3部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量3.5×10の樹脂を17.0部得た。この樹脂を樹脂A3とする。この樹脂A3は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例4〔樹脂A4の合成〕
モノマーKを特開2011−76084号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーA10.0部、モノマーC3.26部、モノマーH7.42部、モノマーG3.92部及びモノマーK〔モル比;モノマーA:モノマーC:モノマーH:モノマーG:モノマーK=35:12:23:20:10〕を7.72部仕込み、1,4−ジオキサンジオキサン48.4部を加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.23部とアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.03部を添加し、73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量のメタノールに注いで沈殿させた後、大量のメタノールで沈殿物を洗浄し、減圧乾燥することで、重量平均分子量2.1×10の共重合体を4.8部で得た。この樹脂を樹脂A4とする。この樹脂A4は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例5〔樹脂A5の合成〕
モノマーJを特開2007−197718号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーE1.75部及びメチルエチルケトン8.46部を仕込み、75℃まで昇温した。そこへモノマーE5.25部、モノマーF2.40部、モノマーC1.13部、モノマーH4.01部、モノマーG5.19部、モノマーJ5.64部〔モル比;モノマーE:モノマーF:モノマーC:モノマーH:モノマーG:モノマーJ=28:15:5:15:32:5〕、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.19部及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.85部をメチルエチルケトン22.6部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にイソプロピルアルコール234部と水59部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し、メタノールで2回洗浄し、減圧乾燥することで重量平均分子量6.0×10の樹脂を11.5部得た。この樹脂を樹脂A4とする。この樹脂A4は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例6〔樹脂A6の合成〕
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーE2.00部及びメチルエチルケトン9.92部を仕込み、75℃まで昇温した。そこへモノマーE6.00部、モノマーF2.75部、モノマーC1.29部、モノマーH4.58部、モノマーG5.93部、モノマーM(セントラル硝子(株)製)6.59部〔モル比;モノマーE:モノマーF:モノマーC:モノマーH:モノマーG:モノマーM=28:15:5:15:32:5〕、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.21部及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.97部をメチルエチルケトン27.0部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま5時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にイソプロピルアルコール272部と水68部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し、メタノールで2回洗浄し、減圧乾燥することで重量平均分子量5.1×10の樹脂を9.71部得た。この樹脂を樹脂A6とする。この樹脂A6は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例7〔樹脂A7の合成〕
モノマーJを特開2007−197718号公報に記載された方法で合成した。
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、1,4−ジオキサン5.5部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーM4.38部、モノマーA5.03部、モノマーC1.20部、モノマーJ1.50部〔モル比;モノマーM:モノマーA:モノマーC:モノマーJ=45:40:10:5〕及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル1.0部を1,4−ジオキサン12.7部とアセトニトリル3部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま6時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却した。次にメタノール110部と水47部の混合溶液を10℃に冷却し、そこへ1,4−ジオキサン10.3部を加え希釈した反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。濾取した樹脂をメチルイソブチルケトン36部に溶解し、p−トルエンスルホン酸0.24部及び水24部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン157部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量2.7×10の樹脂を2.9部得た。この樹脂を樹脂A1とする。この樹脂A7は、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例8〔樹脂H1の合成〕
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、モノマーA15.00部、モノマーC3.57部、モノマーI3.36部及びモノマーG5.14部〔モル比;モノマーA:モノマーC:モノマーI:モノマーG=50:12.5:12.5:25〕を仕込み、1,4−ジオキサン40.6部を加えて溶液とした。そこに開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.2部とアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部を添加し、77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量の含水メタノールに注いで沈殿させた後、大量の含水メタノールで沈殿物を洗浄し、減圧乾燥することで、重量平均分子量8.1×10の樹脂を21.1部得た。これを樹脂Hとする。この樹脂Hは、以下の構造単位を有する。
Figure 0006119283
合成例9〔樹脂H2の合成〕
冷却管、攪拌機を備えた四つ口フラスコに、1,4−ジオキサン15.1部を仕込み、85℃まで昇温した。そこへモノマーM12.0部、モノマーA4.65部、モノマーB5.85部、モノマーD1.39、スチレン1.30部及びアゾビスイソブチロニトリル1.84部を1,4−ジオキサン22.7部に溶解した溶液を、1時間かけて滴下した。その後85℃を保ったまま6時間攪拌を継続した。反応溶液を40℃に冷却後、メタノール262部及び水65部の混合溶液を十分冷却し、ここに反応溶液を注ぐことにより、樹脂を析出させた。得られた樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解し、p−トルエンスルホン酸0.50部及び水50.4部を加え6時間攪拌した。静置・分液して回収された有機層を、3回程度水洗した後、水洗後の有機層をn−ヘプタン327部に注ぎ樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾取し減圧乾燥して、重量平均分子量4.9×10の樹脂(樹脂H2)18.1部を得た。樹脂H2は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006119283
実施例1〜13及び比較例1
(レジスト組成物の調製)
以下に示す成分の各々を表1に示す質量部で混合して溶剤に溶解させた後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 0006119283
表1において、各符号は以下の成分を表す。
<樹脂>
A1−1:樹脂A1
A1−2:樹脂A2
A1−3:樹脂A3
A1−4:樹脂A4
A1−5:樹脂A5
A1−6:樹脂A6
A1−7:樹脂A7
A2−1:樹脂H1
A2−2:樹脂H2
<酸発生剤>
B1:式(B−1)で表される塩;特開2011−126869号公報記載の方法で合成
Figure 0006119283
B2:式(B−2)で表される塩;特開2011−46694号公報記載の方法で合成
Figure 0006119283
B3:式(B−3)で表される塩;特開2007−224008号公報記載の方法で合成
Figure 0006119283
<クエンチャー>
C1:式(C10−1)で表される塩;特開2011−39502号公報記載の方法で合成
Figure 0006119283
C2:式(C9−1)で表される塩;特開2012−6908号記載の方法で合成
Figure 0006119283
C3:式(C9−2)で表される塩;特開2012−72109号記載の方法で合成
Figure 0006119283
C4:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
C5:式(C10−2)で表される塩;(東京化成工業(株)製)
Figure 0006119283
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150部
γ−ブチロラクトン 5部
(レジスト組成物の電子線露光評価)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。組成物層が形成されたウエハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、線幅100nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量を実効感度とした。
解像度評価:上記実効感度において得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンが倒れずに解像する最小線幅を解像度とした。その結果を表2に示す。
倒れマージン評価:60nmのラインアンドスペースパターンにおいて、下記式に従って倒れマージンを求めた。値が大きいほど倒れが発生しにくいことを示す。その結果を表2に示した。
倒れマージン(%)=(E−E)/E×100
[Eは、レジストパターンが分離する最小露光量を表す。
は、レジストパターンが倒れることなく形成される最大露光量を表す。]
実施例2〜12及び比較例1のレジスト組成物についても実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 0006119283
(レジスト組成物のEUV露光評価)
8インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を組成物層の膜厚が0.035μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。更に、寸法24nmまたは22nmの1:1のラインアンドスペースをウエハ上に形成できる反射型マスクとEUV露光機(NA0.3、ダイポールで露光)とを用い、露光量を段階的に変化させて、上記ウエハの組成物層上にラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
得られたレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)を走査型電子顕微鏡で観察し、線幅24nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量を実効感度とした。
解像度評価:実効感度において得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、レジストパターンが倒れずに解像する最小線幅を解像度とした。その結果を表3に示す。
LWR評価:上記EUV露光での実効感度において得られた線幅24nmのレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、線幅を測定した。測定された線幅のばらつきの値について標準偏差を求め、該標準偏差を3倍した値をLWRとした。
その結果を表3に示す。
Figure 0006119283
本発明のレジスト組成物は、高解像度のレジストパターンを製造できる。

Claims (9)

  1. 樹脂と酸発生剤とを含み、
    樹脂は、式(I)で表される基及び酸に不安定な基を有し、酸の作用によりアルカリ水溶液への溶解性が増大する樹脂であり、
    酸発生剤は、有機カチオンと、酸に不安定な基を有する有機アニオンとからなる塩を含む酸発生剤であって、
    酸発生剤は非重合体であるレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(I)中、R及びRは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    Z1は、有機カチオンを表す。]
  2. 前記樹脂が、式(I)で表される基を有する構造単位と、酸に不安定な基を有する構造単位とを含む樹脂である請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 式(I)で表される基を有する構造単位は、式(I−1)で表される構造単位、または式(I−2)で表される構造単位である請求項2記載のレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(I−1)及び式(I−2)中、R1X、R2X、R1Y及びR2Yは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    及びRは、水素原子又はメチル基を表す。
    及びXは、2価の連結基を表す。
    Z2及びZ3は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。
  4. 式(I)で表される基を有する構造単位は、式(I−3)で表される構造単位である請求項2記載のレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(I−3)中、R13は、水素原子又はメチル基を表す。
    uは、1又は2を表す。
    14は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
    15は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
    Z4は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
  5. 樹脂と酸発生剤とを含み、
    樹脂は、酸に不安定な基を有する構造単位と、式(I−1)で表される構造単位又は式(I−2)で表される構造単位とを含む樹脂であり、
    酸発生剤は、有機カチオンと、酸に不安定な基を有する有機アニオンとからなる塩を含む酸発生剤であるレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(I−1)及び式(I−2)中、R 1X 、R 2X 、R 1Y 及びR 2Y は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    及びR は、水素原子又はメチル基を表す。
    は、2価の連結基を表す。
    は、*−CO−X −、*−O−X −、*−CO−O−X −、*−CO−O−X −O−CO−、*−CO−O−X −O−X −、*−CO−O−X −CO−O−X −、*−CO−O−X −O−CO−X −、*−X −O−X −、*−X −CO−O−X −、*−X −O−CO−X −、*−CO−O−X −O−X −O−X −又は*−CO−O−X −O−X −CO−X −を表す。
    、X 及びX は、互いに独立に、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。ただしX の合計炭素数は、23以下である。
    *はC(R 1Y )(R 2Y )との結合手を表す。
    Z2 及びZ3 は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
  6. 樹脂と酸発生剤とを含み、
    樹脂は、式(I−3)で表される構造単位と、酸に不安定な基を有する構造単位とを含む樹脂であり、
    酸発生剤は、有機カチオンと、酸に不安定な基を有する有機アニオンとからなる塩を含む酸発生剤であるレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(I−3)中、R 13 は、水素原子又はメチル基を表す。
    uは、1又は2を表す。
    14 は、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
    15 は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
    Z4 は、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンを表す。]
  7. 前記酸発生剤は、式(b1−1)で表される塩である請求項1〜のいずれか一項記載のレジスト組成物。
    Figure 0006119283
    [式(b1−1)中、Xb1は、酸不安定基を表す。
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、2価の連結基を表す。
    Z4は、有機カチオンを表す。]
  8. さらにクエンチャーを含有する請求項1〜のいずれか一項記載のレジスト組成物。
  9. (1)請求項1〜のいずれか一項記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥して組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程、
    を含むレジストパターンの製造方法。
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