JP2013182191A - ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスク - Google Patents

ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスク Download PDF

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Tomotaka Tsuchimura
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Takuya Tsuruta
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Abstract

【課題】孤立ラインパターンの形成において、高感度、高解像力、良好なパターン断面形状、及び、良好なラフネス特性を満足できる、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクの提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物、及び、(B)フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が下記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基とを有する化合物を含有する、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスク。
Figure 2013182191

上記一般式(1)中、Zは、1価の有機基を表す。
Figure 2013182191

上記一般式(2)、(3)中、Q21、Q31は、アルキル基、又はアリール基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクに関する。特に本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス及び高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、及び、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクに関する。更に詳しくは、本発明は、電子線、X線又はEUV光を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができる、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクに関する。
レジスト組成物を用いた微細加工では、集積回路の高集積化に伴って、超微細パターンの形成が要求されている。それゆえ、露光波長にも短波長化の傾向が見られ、例えば、エキシマレーザー光の代わりに電子線(EB)、X線又はEUV光を用いたリソグラフィー技術の開発が進んでいる(例えば、特許文献1を参照)。
上記の光源で超微細パターンを形成する上において、感度、解像度、パターン形状及びラフネス特性の全てを鼎立することが求められている。特に、ラフネス特性及び解像度は、パターン寸法が小さいほど重大となってくる。そのため、数10nmの微細なパターン形成を目標とするX線、EBやEUVによるリソグラフィーでは、特に解像度及びラフネス特性に優れることが求められている。
更にEBリソグラフィーでは、レジスト基板において反射した電子の散乱、即ち後方散乱の影響により解像度が低下することが知られている。露光面積の大きい孤立ラインパターンを形成する場合には、この後方散乱の影響が大きく、解像性の低下が問題となっている。特に、半導体露光に使用されるフォトマスクブランクスへのパターニングの場合、レジスト膜の下層には、クロム、モリブデン、タンタル等の重原子を含む遮光膜が存在し、シリコンウェハー上にレジストを塗布する場合に比べ、レジスト下層からの反射に起因する後方散乱の影響がより顕著である。その為、フォトマスクブランクス上で孤立ラインパターンを形成する場合には、特に後方散乱の影響を受けやすく、解像性の低下が著しい。
孤立ラインパターンの解像性を向上させる方法の1つとして、樹脂の溶解性を調整する基を含む樹脂の使用が検討されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、酸の作用により又は酸の作用及び加熱により分解し、スルホン酸を発生する化合物を含有するポジ型レジスト組成物が知られている(特許文献3を参照)。このポジ型レジスト組成物によれば、優れた感度、ラフネス特性及び経時安定性を達成できるとされている。
しかしながら、ラインアンドスペースパターンのみならず、孤立ラインパターンを形成する場合においても、感度、解像力、パターン断面形状、及び、ラフネス性能について、さらに性能を向上することが求められている。
また、レジスト組成物による微細加工は、直接に集積回路の製造に用いられるだけでなく、近年ではいわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献4、5、及び非特許文献1を参照)。このような用途においても、高感度、高解像力、良好なパターン断面形状、及び、良好なラフネス特性を同時に満足させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
特開2008−95009号公報 特開2005−157401号公報 特開2011−33729号公報 特開2004−158287号公報 特開2008−162101号公報
ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)
本発明は、ラインアンドスペースパターンのみならず、孤立ラインパターンを形成する場合においても、高感度、高解像力、良好なパターン断面形状、及び、良好なラフネス特性を同時に満足させることができる、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定構造の酸増殖剤と、特定の酸分解性基を有する化合物とを含有するポジ型化学増幅型レジスト組成物によって上記目的を達成されることを見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
(A)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(B)フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が下記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基とを有する化合物を含有する、ポジ型化学増幅型レジスト組成物。
Figure 2013182191

上記一般式(1)中、R11〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R11〜R15の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Zは、1価の有機基を表す。
Figure 2013182191

上記一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基であり、R21、R22及びR23の少なくとも1つは、1価の有機基である。R21、R22及びR23の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成してもよい。
21は、単結合又は2価の連結基を表す。Q21は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(3)中、Q31はアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
31は、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。RとQ31は互いに単結合又は連結基を介して結合して環を形成しても良い。
31は、2〜10の整数を表す。
〔2〕
電子線又は極紫外線露光用である、上記〔1〕に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔3〕
前記化合物(B)が、下記一般式(4)、一般式(4’)、一般式(5)又は一般式(5’)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
Figure 2013182191

上記一般式(4)及び(4’)中、R21、R22、R23、M21及びQ21は、それぞれ、上記一般式(2)におけるR21、R22、R23、M21及びQ21と同義である。
41は、単結合又はアルキレン基を表す。 R41は、水素原子又はメチル基を表す。
Ar41は、アリーレン基を表す。
上記一般式(5)及び(5’)中、Q31、X31及びn31は、それぞれ、上記一般式(3)におけるQ31、X31及びn31と同義である。
51は、単結合又はアルキレン基を表す。
51は、水素原子又はメチル基を表す。
Ar51は、アリーレン基を表す。
〔4〕
前記化合物(B)が、分子量3000以下の低分子化合物である、上記〔1〕又は〔2〕に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔5〕
(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔6〕
活性光線又は放射線の照射により前記化合物(C)より発生した酸が、体積130Å以上の大きさの酸である、上記〔5〕に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔7〕
前記化合物(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)で表される基によって置換されている基を有する化合物であり、
前記一般式(2)におけるR21、R22及びR23の少なくとも1つが、少なくとも1つの環状構造を有する、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔8〕
前記化合物(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)で表される基によって置換されている基を有する化合物であり、
前記一般式(2)におけるR21、R22及びR23の少なくとも2つが互いに結合して多環を形成する、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
〔9〕
上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
〔10〕
上記〔9〕に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
〔11〕
上記〔9〕に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔12〕
上記〔10〕に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
〔13〕
前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、上記〔11〕又は〔12〕に記載のレジストパターン形成方法。
本発明によれば、ラインアンドスペースパターンのみならず、孤立ラインパターンを形成する場合においても、高感度、高解像力、良好なパターン断面形状、及び、良好なラフネス特性を同時に満足させることができる、ポジ型化学増幅型レジスト組成物、並びに、それを用いたレジスト膜、レジスト塗布マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び、フォトマスクを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「酸の体積」とは、酸を構成する原子のファンデルワールス半径に基づいたファンデルワールス球により占有される領域の体積を意味している。具体的には、「酸の体積」とは、以下のようにして計算される体積である。即ち、まず、MM3法を用いた分子力場計算により、酸の最安定立体配座を決定する。その後、この最安定立体配座に対して、PM3法を用いた分子軌道計算により、ファンデルワールス体積を計算する。そして、このファンデルワールス体積を、「酸の体積」とする。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、(A)下記一般式(1)で表される化合物、(B)フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が下記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基とを有する化合物、及び、(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する。
Figure 2013182191
上記一般式(1)中、R11〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R11〜R15の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Zは、1価の有機基を表す。
Figure 2013182191
上記一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基であり、R21、R22及びR23の少なくとも1つは、1価の有機基である。R21、R22及びR23の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成してもよい。
21は、単結合又は2価の連結基を表す。Q21は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
一般式(3)中、Q31はアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
31は、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。
31は、2〜10の整数を表す。
一般式(1)により表される1,3−ジオール誘導体の構造(すなわち、スルホニルオキシ基とヒドロキシ基とが3つの炭素原子を介して連結した構造を有する化合物)は、酸の作用によりスルホン酸を発生し得る(以下、酸増殖剤とも言う)。その機構は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、下記1、又は、下記2のスキームに従って反応が進行していると考えている。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
上記のスキームに示すように、一般式(1)により表される構造は、酸を触媒とする脱水反応により、炭素−炭素二重結合を生じる。次いで、アルケン、若しくは、ジアルケンを生じながらスルホン酸を生成する、
一方、従来から知られている1,2−ジオール誘導体の酸増殖剤(すなわち、スルホニルオキシ基とヒドロキシ基とが2つの炭素原子を介して連結した構造を有する酸増殖剤)は下記ピナコール型の転移反応を経由して分解することが知られているが、反応性に関してはやや不十分であり、ポジ型化学増幅レジストに使用しても、感度向上効果が小さい。なお以下のスキーム中、Rは水素原子又は置換基を表し、Zは1価の有機基を表す。
Figure 2013182191
また、1,4−ジオール誘導体(すなわち、スルホニルオキシ基とヒドロキシ基とが4つの炭素原子を介して連結した構造を有する化合物)は、以下のスキームに示すように酸増殖剤としては機能しない。なお以下のスキーム中、R〜Rの各々は、水素原子又は置換基を表し、R〜Rは、それらの2以上が互いに結合して、環を形成していてもよく、Zは1価の有機基を表す。
Figure 2013182191
本発明者らは、一般式(1)により表される構造を備えた酸増殖剤は、従来の酸増殖剤と比較して、酸増殖能及び安定性がより高いことを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。即ち、優れた酸増殖能は、上述した脱離反応のし易さに起因していると推定している。また、優れた安定性は、水酸基を含んだ構造の熱安定性の高さに起因していると推定している。
従って、この酸増殖剤を化学増幅型ポジ組成物に用いると、感度に優れた組成物を得ることが可能となる。この酸増殖剤を用いると酸発生のコントラストが高くなるため、解像力、パターン形状及びラフネス特性が向上する。
さらに、本発明における上記化合物(B)は、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基を有している。
ここで、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基は、いずれも、酸の作用により分解して、フェノール性水酸基を発生し、化合物(B)のアルカリ現像液に対する溶解度を増大させる基である。
そして、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基は、酸の作用によって分解することによって、反応中間体としてのカルボカチオンを発生するが、このカルボカチオンは、不安定である。
より具体的には、以下のスキームに示すように、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)で表される基によって置換されている基は、例えばR21、R22、及びR23の全てが水素原子で置換された一般的な酸不安定基と比較すると、酸の作用により分解する過程で生成するカルボカチオン中間体が不安定である為、酸分解反応の活性化エネルギーがより高いものと推定される。
Figure 2013182191
また、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(3)で表される基によって置換されている基は、X31が、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせであり、これらは電子求引性の基であるため、カルボカチオン中間体を不安定化することから、X31のような基を有さない場合と比較して、酸分解反応の活性化エネルギーがより高いものと推定される。
このように、本発明においては、酸分解反応の活性化エネルギーが高くなることで、酸不安定基の分解反応が抑制されるため、未露光部において、意図せずに酸分解反応が進行することを抑制できる。これにより、解像力及びラフネス特性が向上し、未露光部における酸分解反応の進行が僅かであっても、その影響を受けやすい孤立パターンの形成において、前記効果は大きい傾向となる。
また活性化エネルギーが高くなることで、前記化合物(A)よりも酸に対する分解反応性を低く保つことが可能であり、前記化合物(A)の分解により生じた酸を効率良く利用できることから感度が向上する。
ところで、特に、ポジ型画像記録方法により孤立パターンを形成する場合は、孤立パターンに対応する領域が未露光部であるとともに、この未露光部を取り囲む領域が露光部となるため、一般に、未露光部は、露光部で多量に発生する酸の影響を受けやすい。その結果、未露光部においても、意図しない酸分解反応が起こりやすく、現像後に、所望の孤立パターンが残らないという不具合が生じやすい。
しかしながら、本発明においては、上記のように、酸不安定基の分解反応が抑制されることから、ラインアンドスペースパターンのみならず、孤立ラインパターンを形成する場合においても、上記したメカニズムにより、高感度、高解像力、良好なパターン断面形状、及び、良好なラフネス特性を同時に満足させることができるものと考えられる。
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましい。
以下、本発明のポジ型化学増幅型レジスト組成物の各成分について詳細に説明する。
〔1〕(A)一般式(1)で表される化合物
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、一般式(1)で表される化合物(A)を含有している。
Figure 2013182191
上記一般式(1)中、R11〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R11〜R15の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Zは、1価の有機基を表す。
上述したように、本発明に係る組成物は、上記一般式(1)で表される化合物(A)と光酸発生剤(C)とを含んでいる。それゆえ、本発明に係る組成物を活性光線又は放射線で照射すると、光酸発生剤(C)が、酸を発生する。そして、上記の組成物に含まれている上記一般式(1)で表される化合物(A)の少なくとも一部は、光酸発生剤(C)から発生した酸の作用により分解し、スルホン酸を発生する。更に、発生したスルホン酸の作用により、上記組成物に含まれている他の上記一般式(1)で表される化合物(A)が分解する。これにより、当該他の上記一般式(1)で表される化合物(A)は、スルホン酸を更に発生する。
このように、本発明に係る一般式(1)で表される化合物(A)は、連鎖的に酸を発生し得る酸増殖剤としての機能を有している。
以下、一般式(1)により表される構造について、詳しく説明する。
11〜R15の各々は、水素原子又は置換基を表す。
この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基及び複素環基が挙げられる。
11及びR12の各々は、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
13は、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
14及びR15の各々は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はシアノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが更に好ましく、アルキル基又はアリール基であることが最も好ましい。R14とR15は互いに結合して、環を形成していることも好ましく、炭素数5〜7の脂肪族炭化水素環を形成していることがより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基及び3−ニトロフェナシル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、単環を有していてもよく、多環を有していてもよい。単環を有したシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等が好ましい。多環を有したシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等が好ましい。炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基がより好ましい。
アルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基及びスチリル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基及びプロパルギル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びにオバレニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ヘキシロキシ基、t−ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、デシロキシ基及びドデシロキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、トリルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、トリフルオロメチルフェニルオキシ基、シアノフェニルオキシ基及びニトロフェニルオキシ基が挙げられる。
アルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基及びトリフルオロメチルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基及び4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、オクタデシルカルボニルオキシ基及びトリフルオロメチルカルボニルオキシ基が挙げられる。
アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、フェニルカルボニルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルカルボニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルカルボニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルカルボニルオキシ基、4−ジエチルアミノフェニルカルボニルオキシ基、2−クロロフェニルカルボニルオキシ基、2−メチルフェニルカルボニルオキシ基、2−メトキシフェニルカルボニルオキシ基、2−ブトキシフェニルカルボニルオキシ基、3−クロロフェニルカルボニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルカルボニルオキシ基、3−シアノフェニルカルボニルオキシ基、3−ニトロフェニルカルボニルオキシ基、4−フルオロフェニルカルボニルオキシ基、4−シアノフェニルカルボニルオキシ基及び4−メトキシフェニルカルボニルオキシ基が挙げられる。
アルキルスルホニルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基、ヘキシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基、オクチルスルホニルオキシ基、2−エチルヘキシルスルホニルオキシ基、デカノイルスルホニルオキシ基、ドデカノイルスルホニルオキシ基、オクタデカノイルスルホニルオキシ基、シアノメチルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基及びパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アリールスルホニルオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、フェニルスルホニルオキシ基、1−ナフチルスルホニルオキシ基、2−ナフチルスルホニルオキシ基、2−クロロフェニルスルホニルオキシ基、2−メチルフェニルスルホニルオキシ基、2−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、2−ブトキシフェニルスルホニルオキシ基、3−クロロフェニルスルホニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ基、3−シアノフェニルスルホニルオキシ基、3−ニトロフェニルスルホニルオキシ基、4−フルオロフェニルスルホニルオキシ基、4−シアノフェニルスルホニルオキシ基、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基及びパーフルオロアルキルスルホニル基が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基が挙げられる。
アルキルチオキシ基としては、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、n−ブチルチオキシ基、トリフルオロメチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、t−ブチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、シクロヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基及びドデシルチオキシ基が挙げられる。
アリールチオキシ基としては、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、トリルチオキシ基、メトキシフェニルチオキシ基、ナフチルチオキシ基、クロロフェニルチオキシ基、トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、シアノフェニルチオキシ基及びニトロフェニルチオキシ基が挙げられる。
複素環基としては、好ましくは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子を含んだ芳香族又は脂肪族の複素環基が挙げられる。この複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基及びチオキサントリル基が挙げられる。
11〜R15の上記基は更に置換基を有していてもよく、上記基が有し得る置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチルアミノ基及びシクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基及びピペリジノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基及びp−トリルアミノ基等のアリールアミノ基;メチル基、エチル基、tert−ブチル基及びドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基及びフェナントリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;ホルミル基;メルカプト基;スルホ基;メシル基;p−トルエンスルホニル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;トリフルオロメチル基;トリクロロメチル基;トリメチルシリル基;ホスフィニコ基;ホスホノ基;トリメチルアンモニウミル基;ジメチルスルホニウミル基、並びにトリフェニルフェナシルホスホニウミル基が挙げられる。
上述したように、R11〜R15は、それらの2以上が互いに結合して、環を形成していてもよい。この環は、脂肪族若しくは芳香族の炭化水素環であってもよく、へテロ原子を含んだ複素環であってもよい。また、これらR11〜R15は、縮合環を形成していてもよい。
脂肪族又は芳香族の炭化水素環としては、例えば、6員環、5員環又は7員環のものが挙げられる。この炭化水素環としては、6員環又は5員環のものが好ましく、5員環のものが特に好ましい。
複素環としては、例えば、ヘテロ原子として硫黄原子、酸素原子又は窒素原子を含んだものが挙げられる。この複素環としては、ヘテロ原子として硫黄原子を含んだものがより好ましい。
縮合環としては、例えば、炭化水素環のみからなる縮合環が挙げられる。この多環縮合環としては、例えば、2〜4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの及びベンゼン環と5員不飽和環とが縮合環を形成したものが挙げられる。
縮合環は、少なくとも1つの複素環を含んだ縮合環であってもよい。この縮合環としては、例えば、ベンゼン環と5員複素環とが縮合環を形成したもの、及び、ベンゼン環と6員複素環とが縮合環を形成したものが挙げられる。
11〜R15が形成し得る環としては、例えば、シクロヘプタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ジチオラン環、オキシラン、ジオキシラン環、チイラン環、ピロリジン環、ピペリジン環、イミダゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジチオール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾジチオール環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環及びフェナジン環が挙げられる。中でも、シクロヘプタン環、シクロヘキサン環、ジチオラン環、ベンゾジチオール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環及びベンゾオキサゾール環が特に好ましい。
一般式(1)におけるR11〜R15としては、例えば、以下の化学式中に記載されているものが挙げられる。なお以下の化学式中におけるZは、前記一般式(1)におけるZと同義である。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Zは、1価の有機基を表す。1価の有機基は特に限定されないが、Zは、アルキル基、シクロアルキル基、又は芳香族基であることが好ましい。これらアルキル基、シクロアルキル基、及び芳香族基の各々は、置換基を有していてもよい。
アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
アルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基が有し得る置換基の例としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチル基、エチル基、tert−ブチル基及びドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基及びフェナントリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホニル基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;チオキシ基;又はこれらの組み合わせが挙げられる。
Zは、好ましくは、環構造を有している。Zは、より好ましくは、式Z−SOHで表されるスルホン酸の残基であり、式Z−SOHで表されるスルホン酸は下記一般式(6)又は(7)により表される化合物である。更に好ましくは、スルホン酸Z−SOHは、下記一般式(6)により表される化合物である。
Figure 2013182191
式(6)中、
Arは、芳香環基を表し、スルホン酸基及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
nは、0以上の整数を表す。nは、好ましくは1以上の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは2又は3であり、最も好ましくは3である。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基は、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基又はエステル基である。
Bは、炭化水素基を表す。
nが2以上のとき、複数の−(D−B)基は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2013182191
式(7)中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基から選ばれる基を表し、複数存在する場合のR、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Eは、環構造を有する基を表す。
xは1〜20の整数を表す。yは0〜10の整数を表す。zは0〜10の整数を表す。
まず、式(6)で表されるスルホン酸について、詳しく説明する。
式(6)中、Arは、好ましくは、炭素数6〜30の芳香族環である。具体的には、Arで表される芳香族環は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
Arがスルホン酸基及び−(D−B)基以外に置換基を更に有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基及び分岐アルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;メルカプト基;並びにスルホン酸基が挙げられる。中でも、ラフネス改良の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基が好ましい。
式(6)中、Dは、好ましくは、単結合であるか、又は、エーテル基若しくはエステル基である。より好ましくは、Dは、単結合である。
式(6)中、Bは、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基である。Bは、好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基である。Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
Bとしてのアルキル基は、好ましくは、分岐アルキル基である。この分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
Bとしてのアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基及びスチリル基等が挙げられる。
Bとしてのアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基及びプロパルギル基等が挙げられる。
Bとしてのアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
Bとしてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基が置換基を有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基及び分岐アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホン酸基;並びにカルボニル基等が挙げられる。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基が好ましい。
次に、式(7)で表されるスルホン酸について、詳しく説明する。
式(7)中、Xfは、フッ素原子であるか、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、炭素数が1〜4のものがより好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、Xfは、好ましくは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH又はCHCHである。中でも、フッ素原子又はCFが好ましく、フッ素原子が最も好ましい。
式(7)中、R及びRの各々は、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基から選ばれる基である。このフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH又はCHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
式(7)中、xは1〜8の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。yは0〜4の整数が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましく、0〜3の整数が特に好ましい。
式(7)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CONR−(Rは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基)、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基及びこれらの複数が組み合わされた連結基等が挙げられる。中でも、−COO−、−OCO−、−CONR−、−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−が好ましく、−COO−、−OCO−又は−SO−がより好ましい。
式(7)中、Eは、環構造を有する基を表す。Eとしては、例えば、環状脂肪族基、アリール基及び複素環構造を有する基等が挙げられる。
Eとしての環状脂肪族基は、単環構造を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。単環構造を有した環状脂肪族基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましい。多環構造を有した環状脂肪族基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。特には、Eとして6員環以上のかさ高い構造を有する環状脂肪族基を採用した場合、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性が抑制され、解像力及びEL(露光ラチチュード)を更に向上させることが可能となる。
Eとしてのアリール基は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環又はアントラセン環である。
Eとしての複素環構造を有する基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この基に含まれているヘテロ原子としては、窒素原子又は酸素原子が好ましい。複素環構造の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、デカヒドロキノリン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環等が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、デカヒドロキノリン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が好ましい。
Eは、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物(A)が発生するスルホン酸ZSOHは、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、その体積が大きいことが好ましい。具体的には、一般式(1)で表される化合物(A)は、体積200Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積240Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更により好ましく、体積300Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがとりわけ好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。スルホン酸ZSOHの体積例を、一般式(1)で表される酸増殖剤から発生するスルホン酸の構造と共に以下に挙げる。
なお、これら例の各々には、体積の計算値を付記している。
この値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて、以下のようにして求めた。即ち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力した。次に、この構造を初期構造として、MM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定した。その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算した。
本発明に係る一般式(1)で表される酸増殖剤は、以下に記載するスルホン酸を発生する化合物に限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
一般式(1)で表される化合物(A)は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
一般式(1)で表される化合物(A)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、更に好ましくは1.0〜10質量%である。
本発明の一般式(1)で表される化合物(A)の製造方法としては、対応するアルコール化合物とスルホニルハライド又はスルホン酸無水物とを用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン又はピリジン)存在下で、THF、DMF及びアセトニトリル等の不活性溶媒又はピリジン等の塩基性溶媒中で反応させることにより容易に合成できる。反応温度としては、−10〜60℃が好ましい。
また、上記のスルホニルハライドとして、アルキルスルホニルハライド及びアリールスルホニルハライド等を用いることにより、対応する種々のスルホン酸発生化合物が合成可能である。
〔2〕(B)フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基とを有する化合物
本発明のポジ型化学増幅型レジスト組成物は、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が下記一般式(2)又は(3)で表される基(以下において、「酸不安定基」ともいう)によって置換されている基とを有する化合物(B)(以下、化合物(B)とも言う)を含有する。
ここで、フェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。該芳香環基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環やナフタレン環等が挙げられる。
また、「酸不安定基」とは、酸の作用により、化学結合の切断を伴って脱離する基、をいう。
一般式(2)について詳細に説明する。
Figure 2013182191
上記一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基であり、R21、R22及びR23の少なくとも1つは、1価の有機基である。R21、R22及びR23の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成してもよい。
21は、単結合又は2価の連結基を表す。Q21は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
上記の通り、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。ここで1価の有機基は、通常、少なくとも1つの炭素原子を含み、且つ、−(CR212223)中のCと結合する原子が炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である基である。
21、R22及びR23としての有機基において、−(CR212223)中のCと結合する原子が炭素原子である基である場合、R21、R22及びR23としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又は、炭素原子で−(CR212223)中のCと連結する複素環基を挙げることができる。該複素環基は芳香族であっても非芳香族であってもよい。
一態様において、アルキル基の炭素数は、好ましくは20以下であり、更に好ましくは8以下である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びドデシル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
シクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10である。このシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基が挙げられる。中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
アリール基は、複数の芳香環が単結合を介して互いに連結された構造(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基)も含む。アリール基の炭素数は、好ましくは4〜20であり、更に好ましくは6〜14である。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が特に好ましい。
アラルキル基の炭素数は、好ましくは6〜20であり、更に好ましくは7〜12である。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を更に有していてもよい。
アルキル基が更に有し得る置換基としては、例えば、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
シクロアルキル基が更に有し得る置換基としては、アルキル基、及び、アルキル基が更に有し得る置換基の具体例として前述した各基が挙げられる。
なお、アルキル基、シクロアルキル基が更に有し得る置換基の炭素数は、好ましくは8以下とする。
アリール基及びアラルキル基が更に有し得る置換基としては、例えば、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、及びアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)が挙げられる。
炭素原子で(CR212223)中のCと連結する複素環基は、芳香族環でも非芳香族環でもよく、炭素数は好ましくは2〜20であり、より好ましくは4〜14である。この炭素原子で連結する複素環基としては、ピロリル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、チエニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、モルホリニル基などが挙げられる。
21、R22及びR23としての有機基において、−(CR212223)中のCと結合する原子が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子の場合、R21、R22及びR23としては、下記一般式(8)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013182191
81は、n81が0のとき、酸素原子又は硫黄原子を表し、n81が1のとき、窒素原子を表す。
81及びM82は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表す。Q81は有機基を表す。Q82は有機基又は水素原子を表す。
81は、0又は1を表す。
81及びM82は各々、上述したように、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキレン基、例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせであり、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、Rは、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等)である。
81及びM82は、単結合、アルキレン基、−CO−、−CS−、又はアルキレン基と−O−、−CO−、−CS−及び−N(R)−の少なくとも一つとの組み合わせからなる2価の連結基が好ましく、単結合、アルキレン基、−CO−、−CS−がより好ましい。ここで、Rは上述のRと同義である。
81及びM82は置換基を更に有していてもよく、更に有し得る置換基は、上述したR21のアルキル基が有し得る置換基と同様である。
上述したように、Q81は有機基を表し、Q82は有機基又は水素原子を表す。ここで有機基とは、炭素原子を少なくとも1つ含む基であり、炭素−水素結合部分を含む有機基が好ましく、2以上の炭素原子を含む場合は、炭素−炭素結合が単結合のみからなる飽和有機基であってもよいし、炭素−炭素結合が二重結合或いは三重結合からなる部分を含む不飽和有機基であってもよい。また、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
81及びQ82により表される有機基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられる。
81及びQ82としてのアルキル基は、例えば、上述したR21としてのアルキル基と同様である。
81及びQ82としてのシクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。この脂環基の炭素数は、好ましくは3〜10である。このシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、4−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基が挙げられる。中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基が好ましい。
81及びQ82としてのアリール基は、例えば、上述したR21としてのアリール基が挙げられる。その炭素数は、好ましくは、3〜18である。
81及びQ82としてのシクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
81及びQ82としてのアラルキル基は、例えば、上述したR21としてのアラルキル基と同様の具体例が挙げられる。
81は、一態様において、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はアダマンチル基であることが好ましい。
81及びQ82は、互いに結合して、環を形成してもよい。
例えば、X81が窒素原子の場合、Q81とQ82は互いに結合して環を形成してもよく、X81により表される窒素原子を含む環構造の具体例として、マレイミド、フタルイミド、スクシイミド、ピロリジン、ピペリジン、イミダゾール、ピロール、モルホリン、カルバゾール等が挙げられる。
21、R22及びR23の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成してもよい。ここで、R21、R22及びR23のうち2つが互いに結合して環を形成する場合、形成される環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、及びテトラヒドロチオフェン環などの単環、並びに、例えば、アダマンタン環、ノルボルネン環、及びノルボルナン環などの多環が挙げられる。これらは置換基を有しても良く、有し得る置換基としては、アルキル基、及び、アルキル基が更に有し得る置換基の具体例として前述した各基が挙げられる。R21、R22及びR23の全てが互いに結合して環を形成する場合、形成される環としては、例えばアダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ビシクロ[2,2,2]オクタン環、ビシクロ[3,1,1]ヘプタン環が挙げられる。中でもアダマンタン環が特に好ましい。これらは置換基を有しても良く、有し得る置換基としては、アルキル基、及び、アルキル基が更に有し得る置換基の具体例として前述した各基が挙げられる。
耐ドライエッチング性及び化合物(B)のガラス転移温度向上に鑑みると、R21、R22及びR23の少なくとも1つが、少なくとも1つの環状構造を有することが好ましく、R21、R22及びR23の少なくとも2つが、互いに結合して、環(好ましくは多環)を形成することがより好ましく、R21、R22及びR23の全てが互いに結合して環を形成することが特に好ましい。
以下に、−(CR212223)で表される基の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
21としての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキレン基、例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせであり、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、Rは、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等)である。
21は、単結合、アルキレン基、又はアルキレン基と−O−、−CO−、−CS−及び−N(R)−の少なくとも一つとの組み合わせからなる2価の連結基が好ましく、単結合、アルキレン基、又はアルキレン基と−O−との組み合わせからなる2価の連結基がより好ましい。ここで、Rは上述のRと同義である。
21は置換基を更に有していてもよく、M21が更に有し得る置換基は、上述したR21のアルキル基が有し得る置換基と同様である。
21としてのアルキル基は、例えば、上述したR21としてのアルキル基と同様である。
21としてのシクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。このシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10とする。このシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、4−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基が挙げられる。中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−アダマンチル基、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基が好ましい。
21としてのアリール基は、例えば、上述したR21としてのアリール基が挙げられる。その炭素数は、好ましくは、3〜18である。
21としてのシクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
(−M21−Q21)として特に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基で置換されたアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリールオキシアルキレン基等が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルエチル基、2−アダマンチル基、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ベンジル基、2−フェネチル基、2−フェノキシエチレン基等である。
以下に、−(M21−Q21)で表される基の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
一般式(2)で表される酸不安定基の具体例としては、例えば、−(CR212223)で表される基の上記具体例と、−(M21−Q21)で表される基の上記具体例とを組み合わせた基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下に、一般式(2)で表される酸不安定基の好ましい例を示す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
本発明の化合物(B)における、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)で表される酸不安定基によって置換されている基の含有量は、化合物(B)における、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基との総和に対して、1〜60モル%の範囲が好ましく、2〜40モル%の範囲がより好ましく、2〜30モル%の範囲が特に好ましい。
次いで、一般式(3)について詳細に説明する。
Figure 2013182191
一般式(3)中、Q31はアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
31は、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。RとQ31は互いに単結合又は連結基を介して結合して環を形成しても良い。
31は、2〜10の整数を表す。
31としてのアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基の具体例は、上記一般式(2)におけるQ21としてのアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基と同様のものを挙げることができる。
31の総炭素数は6以上30以下であることが好ましく、10以上25以下であることが更に好ましく、13以上20以下であることが特に好ましい。
としてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基等を挙げることができる。
とQ31は互いに単結合又は連結基を介して結合して環を形成する場合における連結基としては、上記X31と同様の基を挙げることができる。
31は、2〜5の整数であることが好ましく、2又は3であることが好ましく、2であることが好ましい。
以下に、一般式(3)で表される酸不安定基の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
本発明の化合物(B)における、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(3)で表される酸不安定基によって置換されている基の含有量は、化合物(B)における、フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基との総和に対して、1〜60モル%の範囲が好ましく、2〜40モル%の範囲がより好ましく、2〜30モル%の範囲が特に好ましい。
化合物(B)は、一態様において、フェノール性水酸基を含む繰り返し単位と、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基により置換されている基を含む繰り返し単位とを含有する高分子化合物であり得る(以下、この高分子化合物を高分子化合物(B)とも言う)。また、化合物(B)は、他の態様において、複数のフェノール性水酸基を有する母核化合物における、一部のフェノール性水酸基の水素原子が、一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基により置換されている低分子化合物であり得る(以下、この低分子化合物を低分子化合物(B)とも言う)。
まず、化合物(B)が高分子化合物である場合について説明する。
上述したように、化合物(B)は、一態様において、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位と、フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基により置換されている基を有する繰り返し単位とを含有する高分子化合物であり得る。
フェノール性水酸基を含む繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(9)又は(10)で表される繰り返し単位が挙げられ、一般式(9)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2013182191
一般式(9)及び(10)において、R91及びR101は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、Ar91及びAr101はそれぞれ独立にアリーレン基を表す。L101は単結合又はアルキレン基を表す。
91は水素原子であることがより好ましく、R101はメチル基であることがより好ましい。
Ar91及びAr101により表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。これらのアリーレン基は、炭素数6〜18の、置換基を有していてもよいアリーレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基又はナフチレン基がより好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基が最も好ましい。またこれらが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
101は上述したように単結合又はアルキレン基を表す。上記アルキレン基として、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基が特に好ましい。
一般式(9)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
一般式(10)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(B)の全繰り返し単位に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜93モル%の範囲がより好ましく、25〜90モル%の範囲が特に好ましい。
フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基で置換された基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)、一般式(4’)、一般式(5)又は一般式(5’)で表される繰り返し単位が挙げられ、下記一般式(4)又は一般式(5)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2013182191
一般式(4)、(4’)、(5)及び(5’)において、
41及びR51は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
41及びL51は、それぞれ独立に、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar41及びAr51は、それぞれ独立に、アリーレン基を表す。
21、R22、R23、M21及びQ21は、それぞれ、上記一般式(2)におけるR21、R22、R23、M21及びQ21と同義である。
31、Q31及びn31は、それぞれ、上記一般式(3)におけるX31、Q31及びn31と同義である。
41及びR51は水素原子であることがより好ましい。
Ar41及びAr51により表されるアリーレン基は置換基を有していてもよく、具体例としては、上記一般式(9)におけるAr91のアリーレン基の具体例と同様の基が挙げられる。
41及びL51により表されるアルキレン基の具体例としては、上記一般式(10)におけるL101のアルキレン基の具体例と同様の基が挙げられる。
一般式(4)、一般式(4’)、一般式(5)及び一般式(5’)で表される繰り返し単位の具体例としては、例えば、先に説明した一般式(9)及び一般式(10)で表される繰り返し単位の具体例におけるフェノール性水酸基の水素原子が、先に説明した一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基の具体例で置換されたものが挙げられる。
フェノール性水酸基の水素原子が一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基により置換されている基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(B)の全繰り返し単位に対して、5〜60モル%の範囲が好ましく、7〜55モル%の範囲がより好ましく、10〜50モル%の範囲が特に好ましい。
高分子化合物(B)は、下記一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される繰り返し単位を更に含んでいても良い。
Figure 2013182191
一般式(A1)中、
nは1〜5の整数を表し、mは1≦m+n≦5なる関係を満足する0〜4の整数を表す。
は、置換基(水素原子を除く)を表し、mが2以上の場合には、複数のSは互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
は、水素原子、又は、下記一般式(a1)若しくは(a2)で表される基を表す。ただし、nが1である場合におけるA、及び、nが2以上である場合における複数のAの内の少なくとも1つは、下記一般式(a1)若しくは(a2)で表される基を表す。
Figure 2013182191
31〜R33は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。R31〜R33としてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びヘテロ環基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(1)のR11〜R15としてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基の具体例及び好ましい例と同様である。
nが2以上の場合には、複数のAは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
以下に、一般式(A1)により表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
一般式(A2)中、
Xは、水素原子、又は、アルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
次に、一般式(A2)により表される繰り返し単位について説明する。
Xとしてのアルキル基の具体例及び好ましい例は、上記一般式(2)中のRとしてのアルキル基の具体例及び好ましい例と同様のものがあげられる。
としては、例えば、先に一般式(A1)におけるAとしての上記一般式(a1)又は(a2)で表される基と同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(A2)により表される繰り返し単位に対応したモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
次に、一般式(A3)により表される繰り返し単位について説明する。
一般式(A3)中、ARは、アリール基を表す。
Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとARとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
一般式(A3)により表される繰り返し単位について詳細に説明する。
ARは、上述したようにアリール基を表す。ARのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又は、フルオレン基等の炭素数6〜20のものが好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。
ARがナフチル基、アントリル基又はフルオレン基である場合、Rnが結合している炭素原子とARとの結合位置には、特に制限はない。例えば、ARがナフチル基である場合、この炭素原子は、ナフチル基のα位に結合していてもよく、β位に結合していてもよい。或いは、ARがアントリル基である場合、この炭素原子は、アントリル基の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよく、9位に結合していてもよい。
ARとしてのアリール基は、1以上の置換基を有していてもよい。このような置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、これらシクロアルキル基部分を含んだシクロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。この置換基としては、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基が好ましく、パラメチル基又はパラメトキシ基がより好ましい。
ARとしてのアリール基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。環は、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。また、この環は、環員に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
更に、この環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、Rnが有していてもよい更なる置換基について後述するものと同様のものが挙げられる。
また、一般式(A3)により表される繰り返し単位は、ラフネス性能の観点から、2個以上の芳香環を含有ことが好ましい。この繰り返し単位が有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
また、一般式(A3)により表される繰り返し単位において、ラフネス性能の観点から、ARは2個以上の芳香環を含有することがより好ましく、ARがナフチル基又はビフェニル基であることが更に好ましい。ARが有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
Rnは、上述したように、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Rnのアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。このアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20のものが挙げられる。Rnのアルキル基は、炭素数1〜5のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましい。
Rnのシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数が3〜15のものが挙げられる。
Rnのアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基及びアントリル基等の炭素数が6〜14のものが好ましい。
Rnとしてのアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の各々は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。中でも、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基及びスルホニルアミノ基が特に好ましい。
は、上述したように、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。これらアルキル基及びシクロアルキル基の各々は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。
が置換基を有するアルキル基又はシクロアルキル基である場合、特に好ましいRとしては、例えば、トリフルオロメチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基が挙げられる。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。中でも、フッ素原子が特に好ましい。
のアルキルオキシカルボニル基に含まれるアルキル基部分としては、例えば、先にRのアルキル基として挙げた構成を採用することができる。
RnとARとが互いに結合して非芳香族環を形成することが好ましく、これにより、特に、ラフネス性能をより向上させることができる。
RnとARとは互いに結合して形成しても良い非芳香族環としては、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
非芳香族環は、脂肪族環であっても、環員として酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
非芳香族環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Rnが有していてもよい更なる置換基について先に説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(A3)により表される繰り返し単位の構造の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
高分子化合物(B)は、一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、一般式(A1)、(A2)又は(A3)で表される繰り返し単位は、高分子化合物(B)の全繰り返し単位に対して、1〜50モル%の範囲が好ましく、1〜40モル%の範囲がより好ましく、1〜30モル%の範囲が特に好ましい。
高分子化合物(B)は、下記一般式(11)により表される非分解性の繰り返し単位を更に含んでもよい。
Figure 2013182191
111は、水素原子又はメチル基を表す。
Ar111は、アリーレン基を表す。
111は、単結合又は2価の連結基を表す。
111は、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
ここで、「非分解性」とは、露光により発生した酸やアルカリ現像液などの作用で、化学結合の切断を生じないことを意味する。
111は上述したように水素原子又はメチル基であり、水素原子がより好ましい。Ar31は上述したようにアリーレン基を表し、具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(2)においてArがアリーレン基になる場合における当該アリーレン基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
111の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、−O−、−CO−、−NR112−、−S−、−CS−及びこれらの組み合わせが挙げられる。ここで、R112は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。L111の2価の有機基の総炭素数は1〜15が好ましく、より好ましくは1〜10である。
上記アルキレン基として、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基が挙げられる。
上記アルケニレン基は、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜4のアルケニレン基である。
112で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(2)におけるR21で表されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
111として好ましい基は、カルボニル基、メチレン基、−CO−NR112−、−CO−(CH−O−、−CO−(CH−O−CO−、−(CH−COO−、−(CH−CONR112−、又は−CO−(CH−NR112−であり、特に好ましくは、カルボニル基、メチレン基、−CO−NR112−、−CH−COO−、−CO−CH−O−、−CO−CH−O−CO−、−CH−CONR112−、又は−CO−CH−NR112−であり、カルボニル基、メチレン基、−CO−NR112−、−CH−COO−が特に好ましい。ここで、前記nは、1〜10の整数を表し、は主鎖側の連結部位、すなわち、式中のO原子との連結部位を表す。
111は上述したようにシクロアルキル基又はアリール基を表し、置換基を有していてもよく、シクロアルキル基又はアリール基の具体例及び好ましい範囲は、前記一般式(2)におけるQ21の具体例及び好ましい範囲と同様である。
一般式(11)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
一般式(11)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(B)の全繰り返し単位に対して、1〜30モル%の範囲が好ましく、2〜20モル%の範囲がより好ましく、2〜10モル%の範囲が特に好ましい。
高分子化合物(B)は、下記一般式(12)により表される繰り返し単位を更に含んでも良い。
Figure 2013182191
121は、水素原子又はメチル基を表す。L121は、単結合又は2価の連結基を表す。L122は、2価の連結基を表す。Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
121は上述したように水素原子又はメチル基であり、水素原子がより好ましい。
121及びL122の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−、−S−、−CS−及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、総炭素数が20以下のものが好ましい。ここで、Rは、アリール基、アルキル基又はシクロアルキルを表す。
122の2価の連結基は、2価の芳香環基であることが好ましく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18(より好ましくは炭素数6〜10)のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
122としての2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、このような置換基の具体例としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
高分子化合物(B)が一般式(12)で表される繰り返し単位を含んでいる場合、例えば、解像度、ラフネス特性及びEL(露光ラチチュード)の少なくとも1つが更に向上する。
121及びL122のアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、及びドデカニレン基等の炭素数1〜12のものが挙げられる。
121及びL122のシクロアルキレン基としては、好ましくは、シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等の炭素数5〜8のものが挙げられる。
121及びL122のアリーレン基としては、好ましくは、フェニレン基及びナフチレン基等の炭素数6〜14のものが挙げられる。
これらアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。
Sは活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる構造部位であることが好ましく、より好ましくは光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又はマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられ、該構造部位はイオン性構造部位であることが更に好ましい。
Sとしては、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を含むイオン性構造部位がより好ましい。より具体的には、Sとして、下記一般式(PZI)又は(PZII)で表される基が好ましい。
Figure 2013182191
上記一般式(PZI)において、
201〜R203は、各々独立に、有機基を表す。
201〜R203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成したものを用いると、露光時の分解物で露光機を汚染することを抑えることが期待でき、好ましい。
は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、組成物の経時安定性も向上する。
201〜R203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などが挙げられる。ここで、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。
201、R202及びR203におけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
201、R202及びR203におけるアルキル基、シクロアルキル基、及び、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)、炭素数3〜10のシクロアルケニル基(例えば、ペンタジエニル基、シクロヘキセニル基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての、これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、インドリル基などの有機基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、シクロアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数4〜15)、アリールカルボニル基(好ましくは炭素数7〜14)、シクロアルケニルオキシ基(好ましくは炭素数3〜15)、シクロアルケニルアルキル基(好ましくは炭素数4〜20)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基としてのシクロアルキル基及びシクロアルケニル基は、環を形成する炭素原子の少なくとも1つがカルボニル炭素であってもよい。
201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基は、更に置換基を有していてもよく、このような更なる置換基の例としては、R201、R202及びR203の各基が有していても良い置換基の上記例と同じものを挙げることができるが、アルキル基、シクロアルキル基が好ましい。
201〜R203のうち、少なくとも1つがアリール基でない場合の好ましい構造としては、特開2004−233661号公報の段落0046,0047、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046、米国特許出願公開第2003/0224288号明細書に式(I−1)〜(I−70)として例示されている化合物、米国特許出願公開第2003/0077540号明細書に式(IA−1)〜(IA−54)、式(IB−1)〜(IB−24)として例示されている化合物等のカチオン構造を挙げることができる。
前記一般式(PZII)中、R204、R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204、R205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204、R205のアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(PZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(PZI)に於けるZと同様のものを挙げることができる。
Sの好ましい具体例を以下に挙げるが、特にこれらに限定されない。なお、*印はL121への結合手を表す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
一般式(12)で表される繰り返し単位の(−L121−S)に相当する部位は、より好ましくは下記一般式(13)で表される。
Figure 2013182191
式中、L131は2価の連結基、Ar131はアリーレン基を表す。R201、R202及びR203は、それぞれ、上記一般式(PZI)におけるR201、R202及びR203と同義である。
131の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−、−S−、−CS−及びこれらの組み合わせが挙げられる。ここで、Rは上記一般式(12)のL121におけるRと同義である。L131の2価の連結基の総炭素数は1〜15が好ましく、より好ましくは1〜10である。
131のアルキレン基及びシクロアルキレン基は、上記一般式(12)のL121におけるアルキレン基及びシクロアルキレン基と同様であり、好ましい例も同様である。
131として好ましい基は、カルボニル基、メチレン基、−CO−(CH−O−、−CO−(CH−O−CO−、−(CH−COO−、−(CH−CONR−、又は−CO−(CH−NR−であり、特に好ましくは、カルボニル基、−CH−COO−、−CO−CH−O−、−CO−CH−O−CO−、−CH−CONR−、又は−CO−CH−NR−である。ここで、前記nは、1〜10の整数を表す。nは、1〜6の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1が最も好ましい。また、は主鎖側の連結部位、すなわち、式中のO原子との連結部位を表す。
Ar131は、アリーレン基を表し、置換基を有していてもよい。Ar131が有していてもよい置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4)、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、より好ましくはフッ素原子)が挙げられる。Ar131の芳香族環は、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)であっても、芳香族複素環(例えば、キノリン環)であってもよく、好ましくは炭素数6〜18、より好ましくは炭素数6〜12である。
Ar131は、無置換又はアルキル基若しくはフッ素原子が置換したアリーレン基であることが好ましく、フェニレン基又はナフチレン基であることが更に好ましい。
201、R202及びR203の具体例及び好ましい例は、上記一般式(PZI)におけるR201、R202及びR203について説明したものと同様である。
一般式(12)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの合成方法としては、特に限定されないが、例えばオニウム構造の場合、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドを交換して合成する方法が挙げられる。
より具体的には、前記繰り返し単位に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)又はアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩を、水又はメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の有機溶剤と水で分液及び洗浄操作をすることにより、目的とする一般式(12)で表される繰り返し単位に相当するモノマーを合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶剤と水の存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水で分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
一般式(12)で表される繰り返し単位はまた、高分子反応によって側鎖に酸アニオン部位を導入し、塩交換によりオニウム塩を導入することによっても合成することが出来る。
以下に、一般式(12)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
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Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
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一般式(12)で表される繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(B)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%の範囲が好ましく、2〜30モル%の範囲がより好ましく、3〜25モル%の範囲が特に好ましい。
高分子化合物(B)は、その他の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位を更に有することも好ましい。
例えば、更に、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位があげられる。そのような基としては、ラクトン構造を有する基、フェニルエステル構造を有する基などがあげられ、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2013182191
一般式(AII)中、Vはアルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表し、Rbは水素原子又はメチル基を表し、Abは単結合又は2価の連結基を表す。
アルカリ現像液の作用で分解する基であるVはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。
好ましいAbは、単結合、又は−AZ−CO−で表される2価の連結基である(AZは、アルキレン基又は脂肪族環基である)。好ましいAZはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
以下に、具体例を示す。式中、Rxは、H又はCHを表す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
高分子化合物(B)は、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、該基を有する繰り返し単位の含有量は、高分子化合物(B)中の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%が好ましく、より好ましくは7〜50モル%、更に好ましくは10〜40モル%である。
高分子化合物(B)は、更に、フッ素原子を含有する繰り返し単位を有していてもよい。このフッ素原子を含有する繰り返し単位は、上記一般式(12)により表される繰り返し単位とは異なることが好ましい。
フッ素原子は、高分子化合物(B)中の主鎖に含まれていてもよく、側鎖に置換していてもよい。フッ素原子を有する繰り返し単位は、例えば、(メタ)アクリレート系繰り返し単位又はスチリル系繰り返し単位であることが好ましい。
フッ素原子を含有する繰り返し単位は、一態様において、部分構造としてフッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する繰り返し単位であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)のいずれかで表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013182191
一般式(F2)〜(F4)中、R57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(鎖状)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ、R65〜R68の少なくとも1つは、フッ素原子又はフルオロアルキル基を表す。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。中でも、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、C(CFOHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合してもよく、さらに、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、またはウレイレン結合よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の組み合わせを介して主鎖に結合してもよい。
フッ素原子を有する繰り返し単位としては、以下に示すものが好適に挙げられる。
Figure 2013182191
式中、R10、R11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。
〜Wは、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には上述した一般式(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、樹脂(Aa)は、他の態様において、一般式(C−II)又は(C−III)で表される単位を含んでいてもよい。
Figure 2013182191
一般式(C−II)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基であり、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる)を表す。ただし、R〜Rの少なくとも1つはフッ素原子を表す。RとRもしくはRとRは環を形成していてもよい。
一般式(C−III)中、Qは脂環構造を表す。脂環構造は単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。単環型としては、炭素数3〜9のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。Qの脂環構造は炭素数5〜9の脂環構造がより好ましい。
は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記一般式(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子またはアルキル基を表す)、−NHSO−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が挙げられる。
以下、フッ素を含有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表し、Xは、−F又は−CFを表す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
高分子化合物(B)は、フッ素原子を含む繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、フッ素原子を含む繰り返し単位の含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、好ましくは1〜90モル%であり、より好ましくは5〜85モル%であり、更に好ましくは10〜80モル%であり、特に好ましくは15〜75モル%である。
高分子化合物(B)における上記以外の繰り返し単位を形成するための重合性モノマーの例としては、スチレン、アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、O−アルキル化スチレン、O−アシル化スチレン、水素化ヒドロキシスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸誘導体(アクリル酸、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸誘導体(メタクリル酸、メタクリル酸エステル等)、N−置換マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、アセナフチレン、置換基を有しても良いインデン等を挙げることができる。置換スチレンとしては4−(1−ナフチルメトキシ)スチレン、4−ベンジルオキシスチレン、4−(4−クロロベンジルオキシ)スチレン、3−(1−ナフチルメトキシ)スチレン、3−ベンジルオキシスチレン、3−(4−クロロベンジルオキシ)スチレンなどが好ましい。
高分子化合物(B)は、これら繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これら繰り返し単位の高分子化合物(B)中の含有量は、高分子化合物(B)を構成する全繰り返し単位に対して、一般的に1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%である。
高分子化合物(B)は、例えば、各繰り返し単位に対応する不飽和モノマーを、ラジカル、カチオン又はアニオン重合させることにより合成することができる。また各繰り返し単位の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いてポリマーを重合した後に、合成したポリマーに低分子化合物を修飾し、所望の繰返し単位へ変換することによって合成することも可能である。いずれの場合も、リビングアニオン重合等のリビング重合を用いることで、得られる高分子化合物の分子量分布が均一となり、好ましい。
高分子化合物(B)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200000であり、更に好ましくは2000〜50000であり、更により好ましくは2000〜15000である。高分子化合物(B)の好ましい分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、1.0以上1.7以下であり、より好ましくは1.0以上1.3以下である。高分子化合物(B)の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
以下に、高分子化合物(B)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
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Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
次に、化合物(B)が低分子化合物である場合について説明する。
上述したように、低分子化合物(B)は、複数のフェノール性水酸基を有する単一の分子骨格から成る母核化合物における、一部のフェノール性水酸基の水素原子が、一般式(2)又は(3)で表される酸不安定基により置換されている低分子化合物であり得る。ここで「低分子化合物」とは、例えば、重合性モノマーに由来する繰り返し単位が10個未満である化合物を意味し、その分子量は、例えば、3000以下であり、好ましくは300〜2000であり、より好ましくは500〜1500である。
低分子化合物(B)は、一態様において、下記一般式(T−1)又は(T−II)で表される構造を有する。
Figure 2013182191
一般式(T−I)及び(T−II)中、
、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。複数のRが結合して環を形成してもよい。また、複数あるR、R、R及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
及びRは、各々独立に、水素原子又は有機基を表し、複数あるR及びRは互いに同じであっても異なっていても良い。また、複数あるR及びRのうち少なくとも1つは一般式(2)又は(3)で表される基である。
Wは単結合、アルキレン基、アリーレン基、およびこれらの任意の組み合わせからなる基を表す。
xは正の整数を表す。
yは0以上の整数を表し、Wが単結合の場合、yは0である。
zは0以上の整数を表す。
vは0以上の整数を表す。
m1、m3、m4及びm6は正の整数を表す。
m2、m5及びm7は0以上の整数を表す。但し、m1+m2+z=5、m3+v=3、m4+m5=5、m2+m5≧2を満たす。また、m6+m7=4である。
なお、一般式(T−I)で表される化合物(B)は、前記一般式(T−III)〜(T−V)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
低分子化合物(B)は、多価フェノール化合物等の母核となる化合物(母核化合物)のフェノール性水酸基と保護反応剤とを反応させ、該母核化合物のフェノール性水酸基を一般式(2)又は(3)で表される基で保護することにより合成できる。ここでの保護反応剤とは、保護基を導入する反応を行う際に使用する化合物を指す。尚、母核化合物中に含まれるフェノール性水酸基の総数に対する酸分解性基で保護されたフェノール性水酸基の割合を保護率と呼ぶ。
以下に、一般式(T−I)で表される低分子化合物(B)の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013182191
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次に、一般式(T−II)で表される化合物(B)の母核化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013182191
化合物(B)は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
化合物(B)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは50〜97質量%であり、より好ましくは60〜95質量%であり、更に好ましくは70〜93質量%である。
〔3〕(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、一態様において、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤とも言う)を含有し得る。
光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。これらの例としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩及びビス(アルキルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
光酸発生剤の好ましい例としては、下記一般式(ZI)、(ZII)及び(ZIII)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013182191
上記一般式(ZI)において、R201’、R202’及びR203’は、各々独立に、有機基を表す。R201’、R202’及びR203’としての有機基の炭素数は、例えば1〜30であり、好ましくは1〜20である。
201’〜R203’のうち2つは、単結合又は連結基を介して互いに結合して、環を形成してもよい。この場合の連結基としては、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル基、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。R201’〜R203’のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
201’、R202’及びR203’の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)又は(ZI−3)における対応する基が挙げられる。
は、非求核性アニオンを表す。Xとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 及びSbF が挙げられる。Xは、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2013182191
式AN1〜AN3中、Rc〜Rcは、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が単結合又は連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−SO−及び−SON(Rd)−が挙げられる。ここで、Rdは水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環を形成してもよい。
Rc〜Rcの有機基は、1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフロロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフロロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、ポジ型化学増幅型レジスト組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc〜Rcは、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環を形成していてもよい。
また、好ましいXとして、下記一般式(SA1)又は(SA2)により表されるスルホン酸アニオンが挙げられる。
Figure 2013182191
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
nは、0以上の整数を表す。nは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2又は3であり、最も好ましくは3である。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基、エステル基、及び、これらの2種以上の組み合わせからなる基等を挙げることができる。
Bは、炭化水素基を表す。
Figure 2013182191
式(SA2)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRの各々は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lは、2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Eは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
まず、式(SA1)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA1)中、Arは、好ましくは、炭素数6〜30の芳香族環である。具体的には、Arは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
Arがスルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有している場合、この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;並びにスルホン酸基が挙げられる。
式(SA1)中、Dは、好ましくは、単結合であるか、又は、エーテル基若しくはエステル基である。より好ましくは、Dは、単結合である。
式(SA1)中、Bは、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基である。Bは、好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、更に好ましくはシクロアルキル基である。Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
Bとしてのアルキル基は、好ましくは、分岐アルキル基である。この分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
Bとしてのアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
Bとしてのアリール基としては、例えば、フェニル基、p−トリル基が挙げられる。
Bとしてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基が置換基を有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基;分岐アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホン酸基;並びにカルボニル基等が挙げられる。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基が好ましい。
次に、式(SA2)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA2)中、Xfは、フッ素原子であるか、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、炭素数が1〜4のものがより好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、Xfは、好ましくは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH又はCHCHである。中でも、フッ素原子又はCFが好ましく、フッ素原子が最も好ましい。
式(SA2)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基である。アルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。R及びRの置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、R、Rの置換基を有するアルキル基は、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH及びCHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
式(SA2)中、xは1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、0〜4がより好ましい。
式(SA2)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、総炭素数が20以下のものが好ましい。中でも、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−が好ましく、−COO−、−OCO−又は−SO−がより好ましい。
式(SA2)中、Eは、環状の有機基を表す。Eとしては、例えば、環状脂肪族基、アリール基及び複素環基が挙げられる。
Eとしての環状脂肪族基は、単環構造を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。単環構造を有した環状脂肪族基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましい。多環構造を有した環状脂肪族基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。特には、Eとして6員環以上のかさ高い構造を有する環状脂肪族基を採用した場合、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性が抑制され、解像力及びEL(露光ラチチュード)を更に向上させることが可能となる。
Eとしてのアリール基は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環又はアントラセン環である。
Eとしての複素環基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この基に含まれているヘテロ原子としては、窒素原子又は酸素原子が好ましい。複素環構造の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環等が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が好ましい。
Eは、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201’〜R203’の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)〜(ZI−4)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201’〜R203’の少なくとも1つがアリール基である。即ち、化合物(ZI−1)は、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
化合物(ZI−1)は、R201’〜R203’の全てがアリール基であってもよく、R201’〜R203’の一部がアリール基であり、それら以外がアルキル基であってもよい。なお、化合物(ZI−1)が複数のアリール基を含んでいる場合、これらアリール基は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
化合物(ZI−1)としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物及びアリールジアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
化合物(ZI−1)におけるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、又は、インドール残基及びピロール残基等のヘテロアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基又はインドール残基が特に好ましい。
化合物(ZI−1)が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖、分岐又はシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。
これらアリール基及びアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基及びフェニルチオ基が挙げられる。
好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、及び、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。特に好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。置換基は、3つのR201’〜R203’のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がフェニル基の場合には、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
また、R201’、R202’及びR203’のうち1つ又は2つが、置換基を有していてもよいアリール基であり、残りの基が直鎖、分岐又は環状のアルキル基である態様も好ましい。この構造の具体例としては、特開2004−210670号公報の段落0141〜0153に記載の構造が挙げられる。
このとき、上記アリール基としては、具体的には、R201’、R202’及びR203’としてのアリール基と同様であり、フェニル基又はナフチル基が好ましい。また、アリール基は、水酸基、アルコキシ基又はアルキル基のいずれかを置換基として有することが好ましい。置換基としより好ましくは、炭素数1〜12のアルコキシ基であり、更に好ましくは、炭素数1〜6のアルコキシ基である。
上記の残りの基としての直鎖、分岐又は環状のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。これら基は、更に置換基を有していてもよい。また、上記の残りの基が2つ存在する場合、これら2つが互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
化合物(ZI−1)は、例えば、以下の一般式(ZI−1A)により表される化合物である。
Figure 2013182191
一般式(ZI−1A)中、
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基又はシクロアルキルスルホニル基を表す。
15は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。2つのR15は、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
は、非求核性アニオンを表し、例えば、一般式(ZI)におけるXと同様のものが挙げられる。
13、R14又はR15のアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。このアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
13、R14又はR15のシクロアルキル基としては、環若しくは多環のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基)が挙げられ、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロオクタジエニル基が挙げられる。これらのうち、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル及びシクロオクチル基が特に好ましい。
13又はR14のアルコキシ基のアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のアルキル基として列挙したものが挙げられる。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びn−ブトキシ基が特に好ましい。
13のシクロアルキルオキシ基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のシクロアルキル基として列挙したものが挙げられる。このシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基が特に好ましい。
13のアルコキシカルボニル基のアルコキシ基部分としては、例えば、先にR13又はR14のアルコキシ基として列挙したものが挙げられる。このアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びn−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
14のアルキルスルホニル基のアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のアルキル基として列挙したものが挙げられる。また、R14のシクロアルキルスルホニル基のシクロアルキル基部分としては、例えば、先にR13、R14又はR15のシクロアルキル基として列挙したものが挙げられる。これらアルキルスルホニル基又はシクロアルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基及びシクロヘキサンスルホニル基が特に好ましい。
lは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。rは、好ましくは0〜2である。
13、R14及びR15の各基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルオキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、及びシクロアルキルオキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基及びt−ブトキシ基等の炭素数1〜20のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等の炭素数3〜20のものが挙げられる。
アルコキシアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基及び2−エトキシエチル基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシアルキル基としては、例えば、シクロペンチルオキシエチル基、シクロペンチルオキシペンチル基、シクロヘキシルオキシエチル基及びシクロヘキシルオキシペンチル基等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
アルコキシカルボニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基及びt−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシカルボニル基としては、例えば、シクロペンチルオキシカルボニル基及びシクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基及びt−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜21のものが挙げられる。
シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基及びシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数4〜21のものが挙げられる。
2つのR15が互いに結合して形成し得る環構造としては、一般式(ZI−1A)中のS原子と共に、5員環又は6員環、特に好ましくは5員環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)を形成する構造が好ましい。
この環構造は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。前記環構造に対する置換基は、複数個存在しても良く、また、それらが互いに結合して環(芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又はこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環など)を形成しても良い。
15としては、メチル基、エチル基、及び2つのR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基が特に好ましい。
13のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基、R14のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子(特にフッ素原子)が好ましい。
以下に、一般式(ZI−1A)により表される化合物におけるカチオンの好ましい具体例を示す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201’〜R203’が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201’〜R203’としての芳香環を含有しない有機基は、炭素数が例えば1〜30であり、好ましくは1〜20である。
201’〜R203’は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であることが好ましい。更に好ましくは、直鎖、分岐若しくは環状の2−オキソアルキル基又はアルコキシカルボニルメチル基であり、特に好ましくは、直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基である。
201’〜R203’としてのアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基)及び炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はノルボニル基)が挙げられる。
201’〜R203’としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐及び環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基が挙げられる。
201’〜R203’としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基の好ましい例としては、炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)が挙げられる。
201’〜R203’は、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基及び/又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
201’〜R203’のうち2つが互いに結合して、環構造を形成していてもよい。この環構造は、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合及び/又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201’〜R203’の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、アルキレン基(例えば、ブチレン基又はペンチレン基)が挙げられる。
上記環構造としては、芳香族若しくは非芳香族の炭化水素環、芳香族若しくは非芳香族の複素環、又は、これらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環を挙げることができる。環構造としては、3〜10員環を挙げることができ、4〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
次いで、化合物(ZI−3)について説明する。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)により表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2013182191
式中、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、1〜6が好ましい。
6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましい。
及びRは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基又はビニル基を表す。これら原子団の炭素数は、1〜6が好ましい。
1c〜R7cのいずれか2つ以上が互いに結合して、環構造を形成していてもよい。また、RとRとが結合して、環構造を形成していてもよい。これらの環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合及び/又はアミド結合を含んでいてもよい。
一般式(ZI−3)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
化合物(ZI−3)の具体例としては、特開2004−233661号公報の段落0046及び0047、又は、特開2003−35948号公報の段落0040〜0046に例示されている化合物に記載されている化合物が挙げられる。
続いて、化合物(ZI−4)について説明する。
化合物(ZI−4)は、以下の一般式(ZI−4)により表されるカチオンを有した化合物である。この化合物(ZI−4)は、アウトガスの抑制に有効である。
Figure 2013182191
一般式(ZI−4)中、
〜R13は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R〜R13のうち少なくとも1つは、アルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。なお、ここで「アルコール性水酸基」とは、アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を意味している。
Zは、単結合又は2価の連結基である。
〜R13がアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R〜R13は−(W−Y)により表される基であることが好ましい。ここで、Yは水酸基で置換されたアルキル基であり、Wは単結合又は2価の連結基である。
Yにより表されるアルキル基の好ましい例としては、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。Yは、特に好ましくは、−CHCHOHにより表される構造を含んでいる。
Wにより表される2価の連結基としては、特に制限は無いが、好ましくは単結合、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた2価の基であり、更に好ましくは、単結合、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基又はアルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた2価の基である。
〜R13がアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は、好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくは2〜4である。
〜R13としてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有していてもよい。R〜R13としてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数は、1〜6であり、好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1である。
一般式(ZI−4)により表される化合物の有するアルコール性水酸基の数は、R〜R13すべて合わせて1〜10であり、好ましくは1〜6であり、更に好ましくは1〜3である。
〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R13としての置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及び複素環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基〔−B(OH)〕、ホスファト基〔−OPO(OH)〕、スルファト基(−OSOH)、並びに、他の公知の置換基が挙げられる。
〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R13は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基又はウレイド基である。
〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R13は、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基又はカルバモイル基である。
〜R13がアルコール性水酸基を含有しない場合、R〜R13は、特に好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基である。
〜R13のうちの隣接する2つが互いに結合して、環を形成してもよい。この環には、芳香族及び非芳香族の炭化水素環並びに複素環が含まれる。これら環は、更に組み合わされて、縮合環を形成していてもよい。
化合物(ZI−4)は、好ましくは、R〜R13のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含んだ構造を有しており、更に好ましくは、R〜R13のうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含んだ構造を有している。
Zは、上述したように、単結合又は2価の連結基を表している。この2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基及びアミノスルホニルアミノ基が挙げられる。
この2価の連結基は、置換基を有していてもよい。これらの置換基としては、例えば、先にR〜R13について列挙したのと同様のものが挙げられる。
Zは、好ましくは、単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基及びアミノスルホニルアミノ基等の電子求引性を持たない結合又は基であり、更に好ましくは、単結合、エーテル基又はチオエーテル基であり、特に好ましくは、単結合である。
以下、一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204’、R205’、R206及びR207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
204’、R205’、R206及びR207としてのアリール基の好ましい例としては、先に化合物(ZI−1)におけるR201’〜R203’について列挙したのと同様の基が挙げられる。
204’、R205’、R206及びR207としてのアルキル基及びシクロアルキル基の好ましい例としては、先に化合物(ZI−2)におけるR201’〜R203’について列挙した直鎖、分岐又はシクロアルキル基が挙げられる。
204’、R205’、R206及びR207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204’、R205’、R206及びR207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
なお、一般式(ZII)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
光酸発生剤の他の好ましい例として、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013182191
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar及びArは、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。こうすると、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基が有していても良い置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、及び、ニトロ基が挙げられる。
好ましいR209としては、置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子吸引性基が挙げられる。この電子吸引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフロロアルキル基が挙げられる。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
Ar、Ar、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI−1)におけるR201’、R202’及びR203’としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI−2)におけるR201’、R202’及びR203’としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エチニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましく、化合物(ZI−1)〜(ZI−3)が特に好ましい。
本発明においては、光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積200Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積300Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤の具体例を以下に示すが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
なお、光酸発生剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
2種以上を組み合わせて使用する場合、発生する酸の体積が異なる2種以上の光酸発生剤を使用することが好ましい。発生する酸の体積が異なる2種以上の光酸発生剤を所望の比率で混合することにより、発生する酸のレジスト膜中での平均的な拡散長を制御することが可能であり、ラフネス特性を良好にすることができる。
2種以上の光酸発生剤を混合する場合、とくに好ましい選択は、250Å以上350Å未満の体積のスルホン酸を発生するオニウム塩系酸発生剤を1種以上、400Å以上の体積のスルホン酸を発生するオニウム塩系酸発生剤を1種以上含む態様である。
本発明のポジ型化学増幅型レジスト組成物は、一般式(SA1)で表されるスルホン酸アニオンを有する、化合物(ZI−1)又は化合物(ZI−4)を含有すると、発生する酸を適度な強度とすることができ、好ましい。
本発明に係る組成物が光酸発生剤を更に含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
〔4〕塩基性化合物
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物は、好ましくは、フェノールと比較して塩基性がより強い化合物である。また、この塩基性化合物は、有機塩基性化合物であることが好ましく、含窒素塩基性化合物であることが更に好ましい。
使用可能な含窒素塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(7)に分類される化合物を用いることができる。
(1)一般式(BS−1)により表される化合物
Figure 2013182191
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は、特に限定されないが、通常6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(BS−1)により表される化合物では、Rのうち少なくとも2つが有機基であることが好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、及び2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンが挙げられる。
また、一般式(BS−1)により表される好ましい塩基性化合物として、少なくとも1つのRがヒドロキシ基で置換されたアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、例えば、トリエタノールアミン及びN,N−ジヒドロキシエチルアニリンが挙げられる。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CHCHO−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される塩基性化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
この化合物は、より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有している。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が特に好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、及び、US2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、例えば、フェノキシ基を有する1級又は2級アミンとハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得られる。また、フェノキシ基を有するアミン化合物は、1級又は2級アミンと、末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することによって得ることもできる。
(4)アンモニウム塩
塩基性化合物として、アンモニウム塩も適宜用いることができる。アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、ハライド、スルホネート、ボレート及びフォスフェートが挙げられる。これらのうち、ハライド及びスルホネートが特に好ましい。
ハライドとしては、クロライド、ブロマイド及びアイオダイドが特に好ましい。
スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキルスルホネート及びアリールスルホネートが挙げられる。
アルキルスルホネートに含まれるアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基及びアリール基が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的には、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート及びノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。
アリールスルホネートに含まれるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基及び炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル及びシクロヘキシル基が好ましい。他の置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基及びアシロキシ基が挙げられる。
このアンモニウム塩は、ヒドロキシド又はカルボキシレートであってもよい。この場合、このアンモニウム塩は、炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−(n−ブチル)アンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドであることが特に好ましい。
好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン及びアミノアルキルモルフォリンが挙げられる。これらは、置換基を更に有していてもよい。
好ましい置換基としては、例えば、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基及びシアノ基が挙げられる。
特に好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン及びN−(2−アミノエチル)モルフォリンが挙げられる。
(5)プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)
本発明に係る組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、 π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 2013182191
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。本発明においては、活性光線又は放射線の照射により化合物(PA)が分解して発生する化合物の酸解離定数pKaが、pKa<−1を満たすことが好ましく、より好ましくは−13<pKa<−1であり、更に好ましくは−13<pKa<−3である。
本発明に於いて、酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測することができ、また、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示している。
ソフトウェアパッケージ1:AdvancedChemistryDevelopment(ACD/Labs)SoftwareV8.14forSolaris(1994−2007ACD/Labs)
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する上記プロトン付加体として、例えば、下記一般式(PA−1)で表される化合物を発生する。一般式(PA−1)で表される化合物は、プロトンアクセプター性官能基とともに酸性基を有することにより、化合物(PA)に比べてプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物である。
Figure 2013182191
一般式(PA−1)中、
Qは、−SOH、−COH、又は−XNHXRfを表す。ここで、Rfは、アルキル基、シクロアルキル基若しくはアリール基を表し、X及びXは各々独立に、−SO−又は−CO−を表わす。
Aは、単結合又は2価の連結基を表す。
Xは、−SO−又は−CO−を表す。
nは、0又は1を表す。
Bは、単結合、酸素原子又は−N(Rx)Ry−を表す。Rxは、水素原子又は1価の有機基を表し、Ryは単結合又は2価の有機基を表す。Ryと結合して環を形成してもよく、又はRと結合して環を形成してもよい。
Rは、プロトンアクセプター性官能基を有する1価の有機基を表す。
一般式(PA−1)について更に詳細に説明する。
Aにおける2価の連結基としては、好ましくは炭素数2〜12の2価の連結基であり、例えば、アルキレン基、フェニレン基等が挙げられる。より好ましくは少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキレン基であり、好ましい炭素数は2〜6、より好ましくは炭素数2〜4である。アルキレン鎖中に酸素原子、硫黄原子などの連結基を有していてもよい。アルキレン基は、特に水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基が好ましく、Q部位と結合した炭素原子がフッ素原子を有することがより好ましい。更にはパーフルオロアルキレン基が好ましく、パーフロロエチレン基、パーフロロプロピレン基、パーフロロブチレン基がより好ましい。
Rxにおける1価の有機基としては、好ましくは炭素数1〜30であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。これら基は更に置換基を有していてもよい。
Rxにおけるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
Ryにおける2価の有機基としては、好ましくはアルキレン基を挙げることができる。
RxとRyとが互いに結合して形成してもよい環構造としては、窒素原子を含む5〜10員の環、特に好ましくは6員の環が挙げられる。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基にシクロアルキル基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
Rxにおけるシクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。
Rxにおけるアリール基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基である。
Rxにおけるアラルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられる。
Rxにおけるアルケニル基としては、置換基を有していてもよく、例えば、Rxとして挙げたアルキル基の任意の位置に2重結合を有する基が挙げられる。
Rにおけるプロトンアクセプター性官能基とは、上記の通りであり、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジンやイミダゾールといった窒素を含む複素環式芳香族構造などを有する基が挙げられる。
このような構造を有する有機基として、好ましい炭素数は4〜30であり、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基などを挙げることができる。
Rにおけるプロトンアクセプター性官能基又はアンモニウム基を含むアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基に於けるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基は、前記Rxとして挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基と同様のものである。
上記各基が有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)などが挙げられる。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造、及びアミノアシル基については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を挙げることができる。
Bが−N(Rx)Ry−の時、RとRxが互いに結合して環を形成していることが好ましい。環構造を形成することによって、安定性が向上し、これを用いた組成物の保存安定性が向上する。環を形成する炭素数は4〜20が好ましく、単環式でも多環式でもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでいてもよい。
単環式構造としては、窒素原子を含む4員環、5員環、6員環、7員環、8員環等を挙げることができる。多環式構造としては、2又は3以上の単環式構造の組み合わせから成る構造を挙げることができる。単環式構造、多環式構造は、置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アシル基(好ましくは炭素数2〜15)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜15)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)などが好ましい。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。アミノアシル基については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
Qにより表される−XNHXRfにおけるRfとして、好ましくは炭素数1〜6のフッ素原子を有してもよいアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。また、X及びXとしては、少なくとも一方が−SO−であることが好ましく、より好ましくはX及びXの両方が−SO2−である場合である。
一般式(PA−1)で表される化合物のうち、Q部位がスルホン酸である化合物は、一般的なスルホンアミド化反応を用いることで合成できる。例えば、ビススルホニルハライド化合物の一方のスルホニルハライド部を選択的にアミン化合物と反応させて、スルホンアミド結合を形成した後、もう一方のスルホニルハライド部分を加水分解する方法、あるいは環状スルホン酸無水物をアミン化合物と反応させ開環させる方法により得ることができる。
化合物(PA)は、イオン性化合物であることが好ましい。プロトンアクセプター性官能基はアニオン部、カチオン部のいずれに含まれていてもよいが、アニオン部位に含まれていることが好ましい。
化合物(PA)として、好ましくは下記一般式(4)〜(6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013182191
一般式(4)〜(6)において、A、X、n、B、R、Rf、X及びXは、一般式(PA−1)における各々と同義である。
はカウンターカチオンを示す。
カウンターカチオンとしては、オニウムカチオンが好ましい。より詳しくは、光酸発生剤において、先に一般式(ZI)におけるS(R201’)(R202’)(R203’)として説明したスルホニウムカチオン、一般式(ZII)におけるI(R204’)(R205’)として説明したヨードニウムカチオンが好ましい例として挙げられる。
以下、化合物(PA)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
また、本発明においては、一般式(PA−1)で表される化合物を発生する化合物以外の化合物(PA)も適宜選択可能である。例えば、イオン性化合物であって、カチオン部にプロトンアクセプター部位を有する化合物を用いてもよい。より具体的には、下記一般式(7)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013182191
式中、Aは硫黄原子又はヨウ素原子を表す。
mは1又は2を表し、nは1又は2を表す。但し、Aが硫黄原子の時、m+n=3、Aがヨウ素原子の時、m+n=2である。
Rは、アリール基を表す。
は、プロトンアクセプター性官能基で置換されたアリール基を表す。
は、対アニオンを表す。
の具体例としては、上述した一般式(ZI)におけるX−と同様のものが挙げられる。
R及びRのアリール基の具体例としては、フェニル基が好ましく挙げられる。
RNが有するプロトンアクセプター性官能基の具体例としては、前述の式(PA−1)で説明したプロトンアクセプター性官能基と同様である。
本発明の組成物において、化合物(PA)の組成物全体中の配合率は、全固形分中0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。
(6)グアニジン化合物
本発明の組成物は、下式で表される構造を有するグアニジン化合物を更に含有していてもよい。
Figure 2013182191
グアニジン化合物は3つの窒素によって共役酸のプラスの電荷が分散安定化されるた
め、強い塩基性を示す。
本発明のグアニジン化合物(A)の塩基性としては、共役酸のpKaが6.0以上であることが好ましく、7.0〜20.0であることが酸との中和反応性が高く、ラフネス特性に優れるため好ましく、8.0〜16.0であることがより好ましい。
このような強い塩基性のため、酸の拡散性を抑制し、優れたパターン形状の形成に寄与することができる。
なお、ここで「pKa」とは、水溶液中でのpKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。水溶液中でのpKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測することができ、また、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示している。
ソフトウェアパッケージ1:AdvancedChemistryDevelopment(ACD/Labs)SoftwareV8.14forSolaris(1994−2007ACD/Labs)。
本発明において、logPとは、n−オクタノール/水分配係数(P)の対数値であり、広範囲の化合物に対し、その親水性/疎水性を特徴づけることのできる有効なパラメータである。一般的には実験によらず計算によって分配係数は求められ、本発明においては、CSChemDrawUltraVer.8.0softwarepackage(Crippen’sfragmentationmethod)により計算された値を示す。
また、グアニジン化合物(A)のlogPが10以下であることが好ましい。上記値以下であることによりレジスト膜中に均一に含有させることができる。
本発明におけるグアニジン化合物(A)のlogPは2〜10の範囲であることが好ましく、3〜8の範囲であることがより好ましく、4〜8の範囲であることが更に好ましい。
また、本発明におけるグアニジン化合物(A)はグアニジン構造以外に窒素原子を有さないことが好ましい。
以下、グアニジン化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
(7) 窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物
本発明の組成物は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」又は「化合物(D)」ともいう)を含有することができる。低分子化合物(D)は、酸の作用により脱離する基が脱離した後は、塩基性を有することが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Figure 2013182191
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2013182191
化合物(D)は、後述する塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Figure 2013182191
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
少なくとも2つのRbが結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
一般式(A)において、RaおよびRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Ra及び/又はRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基がヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
一般式(A)で表される化合物は、特開2007−298569号公報、特開2009−199021号公報などに基づき合成することができる。
本発明において、低分子化合物(D)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明の組成物は、低分子化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(D)の含有量は、上述した塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
また、本発明の組成物が酸発生剤を含有する場合、酸発生剤と化合物(D)の組成物中の使用割合は、酸発生剤/[化合物(D)+下記塩基性化合物](モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/[化合物(D)+上記塩基性化合物](モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
その他、本発明に係る組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、及び特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物等が挙げられる。
塩基性化合物として、感光性の塩基性化合物を用いてもよい。感光性の塩基性化合物としては、例えば、特表2003−524799号公報、及び、J.Photopolym.Sci&Tech.Vol.8,P.543−553(1995)等に記載の化合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、通常は100〜1500であり、好ましくは150〜1300であり、より好ましくは200〜1000である。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が塩基性化合物を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2〜4.0質量%であることが特に好ましい。
塩基性化合物の光酸発生剤に対するモル比は、好ましくは0.01〜10とし、より好ましくは0.05〜5とし、更に好ましくは0.1〜3とする。このモル比を過度に大きくすると、感度及び/又は解像度が低下する場合がある。このモル比を過度に小さくすると、露光と加熱(ポストベーク)との間において、パターンの細りを生ずる可能性がある。より好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜3である。なお、上記モル比における光酸発生剤とは、高分子化合物(B)が有していてもよい上記一般式(12)で表される繰り返し単位と上記樹脂が更に含んでいてもよい光酸発生剤との合計の量を基準とするものである。
〔5〕界面活性剤
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、界面活性剤を更に含んでいても、含まなくてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176及びメガファックR08、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、並びに、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341が挙げられる。
フッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
その他、公知の界面活性剤を適宜使用することができる。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その使用量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%とし、より好ましくは0.001〜1質量%とする。
〔6〕その他の添加剤
(染料)
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、染料を更に含んでいてもよい。好適な染料としては、例えば、油性染料及び塩基性染料が挙げられる。具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS及びオイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、並びに、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)及びメチレンブルー(CI52015)が挙げられる。
(光塩基発生剤)
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、光塩基発生剤を更に含んでいてもよい。光塩基発生剤を含有させると、更に良好なパターンを形成することが可能となる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、及び欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられる。
好ましい光塩基発生剤としては、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド及び1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメートが挙げられる。
(酸化防止剤)
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、酸化防止剤を更に含んでいてもよい。酸化防止剤を含有させると、酸素の存在下における有機材料の酸化を抑制することが可能となる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機酸誘導体からなる酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミン−アルデヒド縮合物からなる酸化防止剤、及びアミン−ケトン縮合物からなる酸化防止剤が挙げられる。これら酸化防止剤のうち、フェノール系酸化防止剤及び有機酸誘導体からなる酸化防止剤を使用することが特に好ましい。こうすると、組成物の性能を低下させることなしに、酸化防止剤としての機能を発現させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、置換フェノール類、又は、ビス、トリス若しくはポリフェノール類を使用することができる。
置換フェノール類としては、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)2,4−ビス・オクチル−チオ−1,3,5トリアジン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tertブチル・フェニル)プロピオネート、オクチル化フェノール、アラルキル置換フェノール類、アルキル化−p−クレゾール、及びヒンダードフェノールが挙げられる。
ビス、トリス若しくはポリフェノール類としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、メチレンビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル・フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−アルファメチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン架橋した多価アルキルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(αメチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、及びテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。
酸化防止剤としては、好ましくは、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、及びクエン酸イソプロピルが挙げられる。これらのうち、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノンがより好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又は4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノールが更に好ましい。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その添加量は、好ましくは1ppm以上とし、より好ましくは5ppm以上とし、更に好ましくは10ppm以上とし、更により好ましくは50ppm以上とし、特に好ましくは100ppm以上とし、最も好ましくは100〜1000ppmとする。
〔7〕溶剤
本発明に係るポジ型化学増幅型レジスト組成物は、溶剤を更に含んでいてもよい。この溶剤としては、典型的には、有機溶剤を使用する。この有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有していてもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキルが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル及び乳酸ブチルが挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル及び3−メトキシプロピオン酸エチルが挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン及び α−ヒドロキシ−γブチロラクトンが挙げられる。
環を含有していてもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン及び3−メチルシクロヘプタノンが挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネートが挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3メチルブチル、及び酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びピルビン酸プロピルが挙げられる。
溶剤としては、常温常圧下における沸点が130℃以上であるものを用いることが好ましい。具体的には、例えば、シクロペンタノン、 γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、PGMEA、3エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル及びプロピレンカーボネートが挙げられる。
これら溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。後者の場合、水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用することが好ましい。
水酸基を含んだ溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、PGME、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び乳酸エチル等が挙げられる。これらのうち、PGME及び乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含んでいない溶剤としては、例えば、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン及び酢酸ブチルが挙げられる。これらのうち、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート及び2−ヘプタノンが特に好ましい。
水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用する場合、これらの質量比は、好ましくは1/99〜99/1とし、より好ましくは10/90〜90/10とし、更に好ましくは20/80〜60/40とする。
なお、水酸基を含んでいない溶剤を50質量%以上含んだ混合溶剤を用いると、特に優れた塗布均一性を達成し得る。また、溶剤は、PGMEAと他の1種以上の溶剤との混合溶剤であることが特に好ましい。
本発明のポジ型化学増幅型レジスト組成物中における溶剤の含有率は、所望の膜厚等に応じて適宜調整可能であるが、一般的には組成物の全固形分濃度が0.5〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、より好ましくは1.5〜10質量%となるように調製される。
〔8〕パターン形成方法
本発明は、上記した本発明の組成物を用いて形成されたレジスト膜に関する。また、本発明のパターン形成方法は、上記レジスト膜を、露光、現像する工程を有している。
本発明に係る組成物は、典型的には、以下のようにして用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、基板等の支持体上に塗布されて、膜を形成する。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
この組成物は、例えば、精密集積回路素子、インプリント用モールド及びフォトマスクなどの製造等に使用される基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン及びクロム蒸着された石英基板など)上に、スピナー及びコーター等を用いて塗布される。その後、これを乾燥させて、レジスト膜を形成することができる。
ここで、本発明は、上記のようにして得られるレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクスにも関する。このようなレジスト塗布マスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にレジストパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、該基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でも良いが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5nm〜100nmであることが好ましく、10nm〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に限定されないが、5nm〜200nmであることが好ましく、10nm〜150nmであることがより好ましい。
次いで、レジスト膜(フォトマスクの製造においては、レジスト塗布マスクブランクス)を、必要に応じて所定のマスクを通して、活性光線又は放射線を照射し(露光し)、好ましくはベーク(加熱)を行い、次いで、露光された膜(フォトマスクの製造においては、露光されたレジスト塗布マスクブランクス)を現像し、更に、好ましくはリンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
活性光線又は放射線としては、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、及び電子線が挙げられる。これら活性光線又は放射線としては、例えば250nm以下、特には220nm以下の波長を有したものがより好ましい。このような活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、極紫外線(EUV光)及び電子線が挙げられる。好ましい活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマーレーザー、電子線、X線及び極紫外線(EUV光)が挙げられる。より好ましくは、電子線、X線及び極紫外線(EUV光)が挙げられ、更に好ましくは、電子線又は極紫外線(EUV光)が挙げられる。
すなわち、本発明は、KrFエキシマーレーザー、電子線、X線又は極紫外線(EUV光)露光用ポジ型化学増幅型レジスト組成物であることが好ましく、電子線、X線又はEUV光露光用ポジ型化学増幅型レジスト組成物であることがより好ましく、電子線又は極紫外線露光用ポジ型化学増幅型レジスト組成物であることが更に好ましい。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
現像工程では、通常、アルカリ現像液を用いる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、又は、ピロール及びピヘリジン等の環状アミン類を含んだアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、適当量のアルコール類及び/又は界面活性剤を添加してもよい。
アルカリ現像液の濃度は、通常は0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常は10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
リンス工程においては、現像を行ったウェハをリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
また、現像工程又は、リンス工程の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
なお、本発明に係る組成物を用いてインプリント用モールドを作製してもよく、その詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」を参照されたい。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。
<化合物(A)の合成>
<合成例1:化合物(A−1)の合成>
3−メチル−1,3−ブタンジオール10gをアセトニトリル200mLに溶解し、14.6gのトリエチルアミン、235mgの4−ジメチルアミノピリジンを加えた後、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸クロリド29.1gを加え、室温で4時間撹拌した。反応液に酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを加え、分液ロートに移し、水層を除去した。その後有機層を200mLの蒸留水で3回洗浄後、有機層を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/1(体積比))で精製し、溶媒を減圧留去後、真空乾燥することで化合物(A−1)30.7gが得られた。
H−NMR(CDCl:ppm)δ:1.33〜1.22(18H、m)、1.91(2H、t、J=7.1Hz)、2.97−2.85(1H、m)、4.28〜4.08(4H、m)、7.18(2H、s)
<合成例2:化合物(A−2)の合成>
3−フェニル−1,3−ブタンジオール2.5gをアセトニトリル100mLに溶解し、5.87gのトリエチルアミン、74mgの4−ジメチルアミノピリジンを加えた後、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸クロリド4.56gを加え、室温で4時間撹拌した。反応液に酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを加え、分液ロートに移し、水層を除去した。その後有機層を200mLの蒸留水で3回洗浄後、有機層を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/1(体積比))で精製し、溶媒を減圧留去後、真空乾燥することで化合物(A−2)3.07gが得られた。
H−NMR(CDCl:ppm)δ:1.27〜1.19(18H、m)、1.58(3H、s)、2.24(2H、t、J=7.1Hz)、2.94〜2.84(1H、m)、3.98〜3.91(1H、m)、4.18−4.03(3H、m)、7.15(2H、s)、7.34〜7.20(5H、m)
<合成例3:化合物(A−3)の合成>
1,1−ジフェニル−1,3−プロパンジオール3.0gをアセトニトリル100mLに溶解し、5.13gのトリエチルアミン、64mgの4−ジメチルアミノピリジンを加えた後、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸クロリド3.98gを加え、室温で4時間撹拌した。反応液に酢酸エチル100mLと蒸留水100mLを加え、分液ロートに移し、水層を除去した。その後有機層を200mLの蒸留水で3回洗浄後、有機層を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=10/1(体積比))で精製し、溶媒を減圧留去後、真空乾燥することで化合物(A−3)4.33gが得られた。
H−NMR(CDCl:ppm)δ:1.26〜1.20(18H、m)、2.75(2H、t、J=7.5Hz)、2.94〜2.84(1H、m)、4.12〜4.02(4H、m)、7.14(2H、s)、7.34〜7.19(10H、m)
上記した合成例と同様に、ジオール化合物とスルホン酸クロリドを塩基存在下反応させることで、化合物(A−4)〜化合物(A−14)も合成した。
化合物(A−1)〜(A−14)の化学式、及び、酸の作用により化合物(A−1)〜(A−14)から発生するスルホン酸の体積について、下表に示す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
<化合物(B)の合成>
<合成例4:化合物(B−1H)の合成>
(クロロエーテル化合物の合成)
500mLナス型フラスコに、1−アダマンタンカルボアルデヒド20.0g、オルトギ酸トリメチル16.8g、カンファースルホン酸283mg、ヘキサン100mLを加え、25℃で1時間攪拌を行った。トリエチルアミン617mgを加えて攪拌し、蒸留水150mLで3回、有機層を洗浄した。減圧条件でヘキサンを除去することで、アセタール化合物として、下記に示す化合物1を24.0g得た。
次に、得られた化合物1の20.0gに対し、塩化アセチル8.96gを加え、45℃の水浴で4時間攪拌した。室温に戻した後、減圧条件で未反応の塩化アセチルを除去することで、クロロエーテル化合物として、下記に示す化合物2を20.42g得た。
H−NMR(CDCl:ppm)δ:1.58〜1.83(12H、m)、2.02(3H、s)、3.52(3H、s)、5.08(1H、s)
Figure 2013182191
(化合物(B−1H)の合成)
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−2500,日本曹達株式会社製)10.0gをテトラヒドロフラン(THF)60gに溶解し、トリエチルアミン8.85gを加え、氷水浴中で攪拌した。反応液に、上記で得られた化合物2(4.47g)を滴下し、4時間攪拌した。反応液を少量採取してH−NMRを測定したところ、保護率は22.3%であった。その後、少量の化合物2を追添して1時間攪拌し、H−NMRを測定する操作を繰り返し、保護率が目標値である25.0%を超えた時点で蒸留水を加えて反応を停止した。THFを減圧留去して反応物を酢酸エチルに溶解した。得られた有機層を蒸留水で5回洗浄した後、有機層をヘキサン1.5L中に滴下した。得られた沈殿を濾別し、少量のヘキサンで洗浄した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)35gに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、化合物(B−1H)のPGMEA溶液(23.7質量%)が43.3g得られた。
得られた化合物(B−1H)につき、H−NMR測定により、化合物(B−1H)の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:THF)測定により、化合物(B−1H)の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「PDI」ともいう)を算出した。
下記に示す樹脂群、並びに、以下に示す化合物(B−101)、及び、化合物(B−102)についても、合成例4と同様に、対応するヒドロキシスチレン化合物と、クロロエーテル化合物を反応させることで合成した。ここで、各樹脂の化学構造は、その樹脂の名称として前掲したものにおける化学構造と同様である。合成した高分子化合物の組成比(モル比)、重量平均分子量、分散度は、下記表に示す通りである。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
<合成例5:化合物(B−61)の合成>
ポリヒドロキシスチレン化合物としてのポリ(p−ヒドロキシスチレン)(VP−8000,日本曹達株式会社製)30.0gをアセトン120gに溶解し、1−クロロメチルナフタレン1.32g、炭酸カリウム2.07g、ヨウ化ナトリウム0.56gを加え、4時間還流した。エバポレーターでアセトンを約半分量留去した後、酢酸エチル200mL、次いで1規定塩酸200mLを攪拌しながら加えた。分液ロートに移し、水層を除去した後、有機層を1規定塩酸200mL、次いで蒸留水200mLで洗浄し、エバポレーターで有機層を濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)120gに溶解した。
上記溶液に、ビニルエーテル化合物として、2,6−ジフェニルフェニルオキシエチルビニルエーテル9.88g、及び、1.45gの2質量%カンファースルホン酸(PGMEA溶液)を加え、室温で4時間撹拌した。1.05gの質量%トリエチルアミン(PGMEA溶液)を加え、しばらく撹拌した後、反応液を酢酸エチル165mLの入った分液ロートに移した。この有機層を蒸留水200mLで3回洗浄後、有機層をエバポレーターで濃縮し、酢酸エチルを除去した。この反応液をヘキサン2L中に滴下した。得られた沈殿の一部をNMR測定用に採取し、残りを70gのPGMEAに溶解した。得られた溶液からエバポレーターで低沸点溶媒を除去することで、化合物(B−61)のPGMEA溶液(31.7質量%)が103.6g得られた。
下記表に示す樹脂群についても、合成例5と同様に、対応するヒドロキシスチレン化合物と、ビニルエーテル化合物を反応させることで合成した。ここで、以下に示す各樹脂の化学構造は、その樹脂の名称として前掲したものにおける化学構造と同様である。合成した樹脂の組成比(モル比)、重量平均分子量、分散度は、下記表に示す通りである。
Figure 2013182191
比較例用の下記化合物についても、合成例5と同様に合成した。以下の化学式中、繰り返し単位の比はモル比である。
Figure 2013182191
〔光酸発生剤〕
<合成例:化合物(PAG−1)>
(トリシクロヘキシルベンゼンの合成)
ベンゼン20.0gに塩化アルミニウム6.83gを加え、3℃で冷却攪拌し、シクロヘキシルクロリド40.4gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷水にあけた。酢酸エチルで有機層を抽出し、得られた有機層を40℃で減圧留去した。更に170℃で減圧留去後、室温に冷却し、アセトン50mlを投入し、再結晶させた。析出した結晶を濾取し、トリシクロヘキシルベンゼン14gを得た。
(トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成)
トリシクロヘキシルベンゼン30gを塩化メチレン50mlに溶解し、3℃で冷却攪拌し、クロロスルホン酸15.2gをゆっくり滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌し、氷10gを投入後、50質量%水酸化ナトリウム水溶液を40g投入した。更にエタノールを20g加え、50℃で1時間攪拌後、不溶分を濾過除去し、40℃で減圧留去した。析出した結晶を濾取し、ヘキサン洗浄し、1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30gを得た。
(化合物(PAG−1)の合成)
トリフェニルスルホニウムブロミド4.0gをメタノール20mlに溶解し、20mlのメタノールに溶解させた1,3,5−トリシクロヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0gを加えた。室温で2時間攪拌後、イオン交換水50mlを加えクロロホルムで抽出した。得られた有機層を水で洗浄後、40℃で減圧留去し、得られた結晶をメタノール/酢酸エチル溶媒で再結晶した。これにより化合物(PAG−1)を5.0g得た。
H−NMR(400MHz,CDCl) δ=7.85(d,6H),7.68(t,3H),7.59(t,6H),6.97(s,2H),4.36−4.27(m,2H),2.48−2.38(m,1H),1.97−1.16(m,30H)
同様にして、化合物(PAG−1)の合成例と同様に、化合物(PAG−2)〜(PAG−8)についても合成した。化合物(PAG−1)〜(PAG−8)の化学式を、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の体積値とともに、以下に示す。
Figure 2013182191
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物としては、次式により表される化合物を用いた。
Figure 2013182191
〔界面活性剤及び溶剤〕
界面活性剤としては、以下のものを用いた。
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
溶剤としては、以下のものを用いた。
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
S3:シクロヘキサノン
S4:乳酸エチル(EL)
〔EB露光評価1〕
[実施例1〜15及び比較例1〜5]
下記表5に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させた。これを0.1μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターを用いてろ過した。これにより、表5に示す全固形分濃度のポジ型レジスト溶液を調製した。なお、表5に示す各成分の濃度は、全固形分の質量を基準とした質量濃度である。
<レジスト評価>
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコータを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、130℃で90秒間に亘って加熱乾燥を行った。これにより、膜厚40nmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対して、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750;加速電圧50keV)を用いて、電子線照射を行った。照射後直ぐに、120℃で90秒間ホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)と孤立ラインパターン(ライン:スペース=1:>100)を形成した。なお、以下では、ラインアンドスペースパターンをLSパターンと略記し、孤立ラインパターンをILパターンと略記することがある。
〔感度、形状〕
得られた各パターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。線幅100nmのLSパターンを解像する際の最小照射エネルギーをLS感度(μC/cm)、線幅100nmのILパターンを解像する際の最小照射エネルギーをIL感度(μC/cm)とした。パターン形状については、線幅100nmのラインパターン(LSおよびILパターン)における断面形状を観察し、矩形に近いものを◎、やや膜減り形状を○、テーパー形状を△で表した。
〔解像力〕
それぞれ上記のLS感度及びIL感度を示す照射量における、LSパターン及びILパターンの限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)を、それぞれLS解像力(nm)及びIL解像力(nm)とした。
〔ラフネス特性:ラインエッジラフネス(LER)〕
それぞれ上記のLS感度及びIL感度を示す照射量にて形成した線幅100nmのLSパターン及びILパターンの、ラインの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この値が小さい程、ラインエッジラフネスが良好である。
評価結果を表5に示す。
Figure 2013182191
表5に示すように、実施例1〜15に係る組成物によれば、LSパターン及びILパターンのいずれにおいても、比較例1〜5に係る組成物と比較して、高解像力、高感度、良好なパターン形状及び良好なLER特性を同時に満足した。
一方、比較例1と、比較例2又は3を比較することで明らかなように、本発明の化合物(B)を用いても、本発明の化合物(A)を用いなければ、解像力、感度、及び、LER特性は向上しなかった。また、比較例4と比較例5を比較することで明らかなように、本発明の化合物(A)を用いても、本発明の化合物(B)を用いなければ、解像力、感度、及びLER特性は向上しなかった。
本発明の化合物(A)と本発明の化合物(B)を組み合わせた場合には、化合物(A)から発生する酸が、化合物(B)の分解反応に使用されるのに対し、本発明の化合物(A)と本発明の化合物(B)を組み合わせない場合には、化合物(A)から酸が発生する前に化合物(B)の分解反応が進行し、化合物(A)から発生する酸が、化合物(B)の分解に使用されない為である、と推定している。
〔EB露光評価2〕
[実施例16〜42及び比較例6〜12]
マスクブランクス上におけるレジスト膜の性能を確認すべく、(1)ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板を、化学蒸着によって厚み100nmの酸化クロム膜(遮光膜)が設けられたガラス基板に変更し、(2)下記表6に示す各成分を使用して、表6に示す全固形分濃度のポジ型レジスト溶液を調製し、(3)レジスト溶液塗布後の加熱条件を130℃で90秒間から130℃で600秒間に変更し、(4)電子線照射後の加熱条件を120℃で90秒間から120℃で600秒間に変更した以外は、実施例1〜15と同様にポジ型レジスト溶液を調製し、レジスト膜を形成し、レジスト評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 2013182191
Figure 2013182191
Figure 2013182191
表6に示すように、実施例16〜42に係る組成物によれば、LSパターン及びILパターンのいずれにおいても、比較例6〜12に係る組成物と比較して、高解像力、高感度、良好なパターン形状及び良好なLER特性を同時に満足した。
一方、比較例12から明らかなように、本発明の化合物(B)を用いても、本発明の化合物(A)を用いなければ、解像力、感度、パターン形状の特性、及び、LER特性は向上しなかった。また、比較例6〜11から明らかなように、本発明の化合物(A)を用いても、本発明の化合物(B)を用いなければ、解像力、感度、パターン形状の特性、及びLER特性は向上しなかった。
本発明の化合物(A)と本発明の化合物(B)を組み合わせた場合には、化合物(A)から発生する酸が、化合物(B)の分解反応に使用されるのに対し、本発明の化合物(A)と本発明の化合物(B)を組み合わせない場合には、化合物(A)から酸が発生する前に化合物(B)の分解反応が進行し、化合物(A)から発生する酸が、化合物(B)の分解に使用されない為である、と推定している。
これら本発明の組成物からなるレジスト膜が形成されたマスクブランクスを、露光、現像することにより、半導体製造用として好適なフォトマスクブランクスが得られた。
[実施例43〜49及び比較例13〜15]
EUV露光におけるレジスト膜の性能を確認すべく、下記表7に示す各成分を使用して、表7に示す全固形分濃度のポジ型レジスト溶液を調製し、レジスト膜の膜厚を40nmから50nmに変更した以外は、実施例1〜15と同様にポジ型レジスト膜を形成した。
このレジスト膜に対し、EUV露光装置(波長=13.5nm、Na=0.3)を用いてEUV光を照射した。照射後直ぐに、110℃で90秒間に亘ってホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で30秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、線幅35nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。
(感度)
まず、得られた線幅35nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380)を用いて観察した。そして、線幅35nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像するときの露光量を、感度(Eopt)とした。
(パターン形状)
上記の感度を示す照射量における線幅35nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その断面形状を、矩形、逆テーパー形状、テーパー形状の3段階で評価した。
〔ラフネス特性:ラインウィズスラフネス(LWR)〕
上記の線幅35nmの1:1ラインアンドスペースパターンを、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380)を用いて観察した。そして、そのラインの長さ方向2μmに含まれる等間隔の50点について、エッジがあるべき基準線と実際のエッジとの間の距離を測定した。そして、この距離の標準偏差を求め、3σを算出した。そして、この3σを「LWR(nm)」とした。この値が小さい程、ラフネス特性は良好である。
評価結果を表7に示す。
Figure 2013182191
表7に示すように、実施例43〜49の組成物によれば、比較例13〜15の組成物と比較して、感度、パターン形状及びLWR特性において優れていた。

Claims (13)

  1. (A)下記一般式(1)で表される化合物、及び、(B)フェノール性水酸基と、フェノール性水酸基の水素原子が下記一般式(2)又は(3)で表される基によって置換されている基とを有する化合物を含有する、ポジ型化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 2013182191

    上記一般式(1)中、R11〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R11〜R15の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
    Zは、1価の有機基を表す。
    Figure 2013182191

    上記一般式(2)中、R21、R22及びR23は、各々独立に、水素原子又は1価の有機基であり、R21、R22及びR23の少なくとも1つは、1価の有機基である。R21、R22及びR23の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成してもよい。
    21は、単結合又は2価の連結基を表す。Q21は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
    一般式(3)中、Q31はアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。
    31は、−S−、−O−、−CO−、−CS−、−SO−、−N(R)−、又はこれらの2種以上の組み合わせを表す。Rは、水素原子又はアルキル基を表す。RとQ31は互いに単結合又は連結基を介して結合して環を形成しても良い。
    31は、2〜10の整数を表す。
  2. 電子線又は極紫外線露光用である、請求項1に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  3. 前記化合物(B)が、下記一般式(4)、一般式(4’)、一般式(5)又は一般式(5’)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物である、請求項1又は2に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 2013182191

    上記一般式(4)及び(4’)中、R21、R22、R23、M21及びQ21は、それぞれ、上記一般式(2)におけるR21、R22、R23、M21及びQ21と同義である。
    41は、単結合又はアルキレン基を表す。
    41は、水素原子又はメチル基を表す。
    Ar41は、アリーレン基を表す。
    上記一般式(5)及び(5’)中、Q31、X31及びn31は、それぞれ、上記一般式(3)におけるQ31、X31及びn31と同義である。
    51は、単結合又はアルキレン基を表す。
    51は、水素原子又はメチル基を表す。
    Ar51は、アリーレン基を表す。
  4. 前記化合物(B)が、分子量3000以下の低分子化合物である、請求項1又は2に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  5. (C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  6. 活性光線又は放射線の照射により前記化合物(C)より発生した酸が、体積130Å以上の大きさの酸である、請求項5に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  7. 前記化合物(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)で表される基によって置換されている基を有する化合物であり、
    前記一般式(2)におけるR21、R22及びR23の少なくとも1つが、少なくとも1つの環状構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  8. 前記化合物(B)が、フェノール性水酸基の水素原子が上記一般式(2)で表される基によって置換されている基を有する化合物であり、
    前記一般式(2)におけるR21、R22及びR23の少なくとも2つが互いに結合して多環を形成する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポジ型化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
  10. 請求項9に記載のレジスト膜を塗布した、レジスト塗布マスクブランクス。
  11. 請求項9に記載のレジスト膜を露光すること、及び、前記露光された膜を現像することを含む、レジストパターン形成方法。
  12. 請求項10に記載のレジスト塗布マスクブランクスを露光すること、及び、前記露光されたマスクブランクスを現像することを含む、レジストパターン形成方法。
  13. 前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる、請求項11又は12に記載のレジストパターン形成方法。
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