JP2013218115A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感度、解像性及びデフォーカスラチチュード(DOF)に優れ、且つ良好な形状のパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、1個又は2個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を1つ以上有する化合物の前記水素原子の1個以上が、−SO−Rc基(式中、Rcは酸分解性基を含む基である)により置換された含窒素化合物(N)であって、前記酸分解性基の分解に伴い、前記アミノ基における窒素原子と前記−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合が開裂してアミノ化合物(a)を生じる含窒素化合物(N)と、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)とを含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜、及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス並びに高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びにその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜、及びパターン形成方法に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られ、現在では193nmの波長を有するArFエキシマレーザーを光源とする露光装置が開発されている。また、更に解像力を高める技術として、投影レンズと試料の間を高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法の開発が進んでいる。更に、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線、X線及びEUV光等を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。特に電子線リソグラフィーは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられている。
これらリソグラフィーには、高感度且つ高解像性のレジスト組成物が望まれている。感度および/または解像度を改善したレジスト組成物として、これまでに種々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3を参照)。しかし、これらのレジスト組成物においては、パターン形状及びデフォーカスラチチュード(Depth of Focus;DOF)のさらなる改善の余地がある。
特許第4710193号公報 特許第3790649号公報 特許第4425405号公報
本発明の目的は、感度、解像性及びデフォーカスラチチュード(DOF)に優れ、且つ良好な形状のパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、例えば以下の通りである。
[1]1個又は2個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を1つ以上有する化合物の前記水素原子の1個以上が、−SO−Rc基(式中、Rcは酸分解性基を含む基である)により置換された含窒素化合物(N)であって、前記酸分解性基の分解に伴い、前記アミノ基における窒素原子と前記−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合が開裂してアミノ化合物(a)を生じる含窒素化合物(N)と、
酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)と
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[2]前記含窒素化合物(N)は以下の一般式(N3)で表され、前記アミノ化合物(a)は以下の一般式(N1)で表される、[1]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
Figure 2013218115
一般式(N3)において、
Ra及びRbは水素原子又は置換基を表し(但し、Ra及びRbが共に水素原子である場合は除く)、RaとRbが連結して、RaおよびRbが結合する窒素原子と共に環を形成していても良く;
Rcは、酸分解性基を含む基である。
[3]前記含窒素化合物(N)は、以下の一般式(N3a)〜(N3d)のいずれかで表される[1]又は[2]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
Figure 2013218115
一般式(N3a)〜(N3d)において、
〜R、R12、R13、及びR15〜R20は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;
、R及びR14は、それぞれ独立に、置換基を表し、式(N3c)における2つのR14は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく;
RaおよびRbは、[2]で定義した通りである。
[4]前記含窒素化合物(N)において、RaとRbが連結し、RaおよびRbが結合する窒素原子と共に環を形成している、[2]又は[3]に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[5]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含む、[1]〜[4]のいずれか1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[6]樹脂(Ab)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位(B)を含有する[1]〜[5]のいずれか1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[7]更に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを含有する樹脂(Aa)を含有する、[1]〜[6]のいずれか1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
[8]前記樹脂(Ab)は、少なくとも1種の下記一般式(A)により表される繰り返し単位(A)を含有する[1]〜[7]のいずれか1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
Figure 2013218115
一般式(A)中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し(但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す);
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し(ここで、R64は水素原子又はアルキル基を表す);
は、単結合又はアルキレン基を表し;
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成している場合には(n+2)価の芳香環基を表し;
nは、1〜4の整数を表す。
[9][1]〜[8]のいずれか1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を含む感活性光線性又は感放射線性膜。
[10][1]〜[8]のいずれか1に記載の組成物を含む膜を形成することと、該膜に活性光線又は放射線を照射することと、前記活性光線又は放射線を照射した膜を現像することとを含むパターン形成方法。
[11]前記活性光線又は放射線は、EUV光である[10]に記載のパターン形成方法。
[12][10]又は[11]に記載のパターン形成方法を含む工程を経て製造される半導体デバイス。
本発明によれば、感度、解像性及びデフォーカスラチチュード(DOF)に優れ、且つ良好な形状のパターンを形成可能な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びにそれを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書における基及び原子団の表記において、置換又は無置換を明示していない場合は、置換基を有さないものと置換基を有するものの双方が含まれるものとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線、イオンビーム等の粒子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、極紫外線(EUV光)などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も含まれるものとする。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)は、1個又は2個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を1つ以上有する化合物の前記水素原子の1個以上が、−SO−Rc基により置換された含窒素化合物(N)と、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)とを含有する。ここでのRcは、酸分解性基を含む基であり、酸分解性基の分解に伴い、アミノ基における窒素原子と−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合が開裂してアミノ化合物(a)を生じる。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、含窒素化合物(N)を含むことにより、感度、解像性及びデフォーカスラチチュード(DOF)に優れ、且つ良好な形状のパターンを形成することができる組成物となる。
本発明の組成物は、さらに、[2]酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)を含んでもよい。本発明に係る組成物は、さらに、[3]活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含んでもよい。本発明に係る組成物が含み得るさらなる成分としては、[4]フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを含む樹脂(Aa)、[5]塩基性化合物、[6]界面活性剤、[7]染料、[8]光塩基発生剤、[9]酸化防止剤、[10]溶剤等が挙げられる。本発明の組成物は、例えば「パターン形成方法」として後述する方法に従って、パターン形成用に使用され得る。
以下、上述した各成分について、順に説明する。
〔1〕含窒素化合物(N)
含窒素化合物(N)は、1個又は2個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を1つ以上有する化合物(以下、「アミノ化合物(a)」という。)において、前記水素原子の1個以上が、−SO−Rc基により置換された化合物である。ここで、Rcは、酸分解性基を含む基であり、酸分解性基の分解に伴い、アミノ基における窒素原子と−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合が開裂してアミノ化合物(a)を生じる。ここでのRcは、後述する一般式(N3)中のRcと同義である。
アミノ化合物(a)における「アミノ基」とは、カルボニル基に結合したアミノ基を含む。また、含窒素化合物(N)において、アミノ化合物(a)が、少なくとも1個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を二つ以上有し、かつ−SO−Rc基を二つ以上有する場合、各−SO−Rc基は同一または異なる窒素原子に結合することができる。
化学増幅型レジストとして使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物においては、酸発生剤から生成した酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用を有する酸拡散制御剤を配合することにより、樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして解像度が向上する。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性も改善されることが知られている。本発明者らは、酸発生剤を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物における酸拡散制御剤について鋭意検討した結果、塩基性アミノ基を酸解離性の−SO−Rc基で保護した低分子化合物を使用することにより、レジストとしての諸性能が著しく改善されることを見い出し、本発明を成すに至った。
露光時において、含窒素化合物(N)における酸分解性基は、例えば酸発生剤から発生した酸により分解される。その後、または酸分解性基の分解と共に、Rc基が−SO−Rc基における硫黄原子から脱離する。それに伴い、アミノ基における窒素原子と−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合(以下、スルホンアミド基におけるN−S結合とも称する)が開裂し、アミノ化合物(a)が放出される。このアミノ化合物(a)は、塩基性を有し、酸拡散抑制等の機能を担うことができる。そのため、含窒素化合物(N)を本発明の組成物中に含有させることにより、パターン形状が矩形化され、更には、感度、解像性及びDOFが向上すると考えられる。
アミノ化合物(a)は、例えば以下に示す機構で生成するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
アミノ化合物(a)としては、例えば、下記式(1)
Figure 2013218115
〔式(1)において、R1およびRは、相互に独立に水素原子、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示し、これらのアルキル基、アリール基およびアラルキル基はそれぞれ置換されていてもよい。〕で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシル・メチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、1−ナフチルアミン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類や、1−アダマンチルアミン、N−メチル−1−アダマンチルア
ミン等を挙げることができる。含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。含窒素化合物(III)としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、ポリアリルアミン、ポリメタリルアミン、N−(2−アミノエチル)アクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
前記アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン等を挙げることができる。前記ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチル−4−フェニルイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類のほか、インドール、ピロール、ピラゾール、アデニン、グアニン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等を挙げることができる。
これらのアミノ化合物(a)のうち、含窒素化合物(I)、含窒素化合物(II)、含窒素複素環化合物が好ましい。また、含窒素化合物(I)の中では、ジアルキルアミン類、1−アダマンチルアミン類がさらに好ましく、特に、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、1−アダマンチルアミン、N−メチル−1−アダマンチルアミン等が好ましく、含窒素化合物(II)の中では、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等がさらに好ましく、含窒素複素環化合物の中では、イミダゾール類がさらに好ましく、特に、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等が好ましい。また、アミノ化合物(a)は、その共役酸のpKa(測定温度25℃。以下同様。)が0以上であることが好ましい。この場合、アミノ化合物(a)に替えて、例えばイミド化合物などのように共役酸のpKaが0未満である化合物を用いると、得られる
レジストの解像度やパターン形状が損なわれる場合がある。
含窒素化合物(N)は、例えば、以下の一般式(N3)で表される化合物である。この場合、スルホンアミド基のN−S結合が開裂することにより放出されるアミノ化合物(a)は、以下の一般式(N1)で表される。
Figure 2013218115
一般式(N1)および(N3)において、
Ra及びRbは水素原子又は置換基を表し(但し、Ra及びRbが共に水素原子である場合は除く)、RaとRbが連結して、RaおよびRbが結合する窒素原子と共に環を形成していても良く;
Rcは、酸分解性基を含む基である。
RaおよびRbで表される置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、珪素原子を含む有機基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基等が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアルキル基としては、例えば、炭素原子数が1〜20個のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。更に有し得る好ましい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、シクロアルキル基、水酸基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基等のヘテロ環残基などが挙げられ、好ましくは、炭素数12以下の置換基である。
RaおよびRbにより表されるシクロアルキル基としては、例えば、炭素原子数が3〜10個のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルネル基、アダマンチル基等が挙げられる。シクロアルキル基は、更に置換基を有していてもよい。更に有し得る好ましい置換基としては、例えば、上述したRaおよびRbとしてのアルキル基が有し得る置換基に加え、アルキル基が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアルコキシ基としては、例えば、炭素原子数が1〜10個のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は、更なる置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、上述したRaおよびRbとしてのアルキル基が有し得る好ましい置換基と同様の基が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアシル基としては、例えば、炭素原子数2〜10個のものが好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等が挙げられる。アシル基は、更なる置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、上述したRaおよびRbとしてのアルキル基が有し得る好ましい置換基と同様の基が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアシルオキシ基としては、例えば、炭素原子数2〜10個のものが好ましい。アシルオキシ基におけるアシル基としては、例えば、上述したアシル基と同様の具体例が挙げられ、有し得る置換基も同様である。
RaおよびRbにより表されるアリール基としては、例えば、炭素原子数6〜10個のものが好ましく、具体的には、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。アリール基は、更なる置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、上述したRaおよびRbとしてのアルキル基又はシクロアルキル基が有し得る好ましい置換基と同様の基が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアリールオキシ基、アリールチオ基としては、例えば、炭素原子数2〜10個のものが好ましい。アリールオキシ基及びアリールチオ基におけるアリール基としては、例えば、上述したアリール基と同様の具体例が挙げられ、有し得る置換基も同様である。
RaおよびRbにより表されるアラルキル基としては、例えば、炭素原子数7〜15個のものが好ましく、具体的には、ベンジル基等が挙げられる。これらの基は、更なる置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、上述したRaおよびRbとしてのアルキル基又はシクロアルキル基が有し得る好ましい置換基と同様の基が挙げられる。
RaおよびRbにより表されるアラルキルオキシ基、アラルキルチオ基としては、例えば、炭素原子数7〜15個のものが好ましい。アラルキルオキシ基及びアラルキルチオ基におけるアラルキル基としては、例えば、上述したアラルキルと同様の具体例が挙げられ、有し得る置換基も同様である。
RaおよびRbにより表されるアルキルチオ基としては、例えば、炭素原子数1〜10個のものが好ましい。アルキルチオ基におけるアルキル基としては、例えば、上述したアルキルと同様の具体例が挙げられ、有し得る置換基も同様である。
RaおよびRbにより表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられ、フッ素原子及び塩素原子が好ましく、フッ素原子が最も好ましい。
RaおよびRbにより表される、珪素原子を含む有機基における有機基は、炭素原子を少なくとも1つ含む基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)などのヘテロ原子を含んでいてもよい。この有機基は、炭素原子数が1〜30個であることが好ましい。
珪素原子を含む有機基は、一態様において、下記一般式(S)で表されることが好ましい。
Figure 2013218115
式中、
、R及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン原子を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。
、R及びRにおけるアルキル基としては、例えば、炭素原子数が1〜20のアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。
、R及びRにおけるアルケニル基としては、例えば、炭素原子数が2〜10のアルケニル基が好ましく、置換基を有していてもよい。
、R及びRにおけるシクロアルキル基としては、例えば、炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。
、R及びRにおけるアルコキシ基としては、例えば、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基が好ましく、置換基を有していてもよい。
、R及びRにおけるアリール基としては、例えば、炭素原子数が6〜10のアリール基が好ましく、置換基を有していてもよい。
、R及びRにおけるアラルキル基としては、例えば、炭素原子数が7〜15のアラルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。
Lにより表される2価の連結基としては、例えば、置換又は無置換のアルキレン基、−O−、−S−、−(C=O)−、又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基が挙げられる。
RaおよびRbは、一態様において、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子又は珪素原子を含む有機基であることが好ましく、アルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は珪素原子を含む有機基であることがより好ましく、アルキル基又は下記一般式(S−1)で表される基であることが更に好ましい。
Figure 2013218115
式中、
11、R21及びR31は、各々独立に、アルキル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
11、R21及びR31としてのアルキル基は、先に述べた一般式(S)におけるR、R及びRとしてのアルキル基と同義であり、Lとしての2価の連結基は、一般式(S)におけるLとしての2価の連結基と同義である。
Rcにおける酸分解性基は、酸の作用により分解する基であり、アセタール、3級エステル、3級アルコール等が挙げられる。Rcにおける酸分解性基は、アセタール又は3級エステルであることが好ましく、アセタールであることがより好ましい。
本発明の一態様において、一般式(N3)におけるRa、Rb及びRcのいずれかに、水酸基及び/又は−(C)O−を含むことが好ましく、Ra及びRbの少なくとも一方に水酸基及び/又は−(C)O−を含むことがより好ましい。
また、本発明の他の態様において、(N3)中のRa及びRbが互いに結合して、Ra及びRbが結合する窒素原子と共に環を形成していることが好ましい。このR−N−Rにより形成される含窒素複素環は、式中の窒素原子以外に更に窒素原子、酸素原子を含んでいてもよい。R−N−Rにより形成される含窒素複素環は、好ましくは含窒素芳香族複素環であり、より好ましくはイミダゾリン又はイミダゾールであり、特に好ましくはイミダゾールである。
本発明における含窒素化合物(N)は、以下の一般式(N3a)〜(N3d)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013218115
上記一般式(N3a)〜(N3d)において、
〜R、R12、R13、及びR15〜R20の各々は、水素原子又は1価の置換基を表し;
、R及びR14の各々は、1価の置換基を表し、N3cにおける2つのR14は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく;
RaおよびRbは、上記一般式(N1)および(N3)で定義した通りである。
一般式(N3a)により表される化合物について、詳しく説明する。
まず、R乃至Rについて説明する。
式(N3a)中、R乃至Rの各々は、水素原子又は1価の置換基を表している。
1価の置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基及び複素環基が挙げられる。なお、これらのうち、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基及び複素環基は、置換基を有していてもよい。
アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基及び3−ニトロフェナシル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、単環構造を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。単環構造を有したシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等が好ましい。多環構造を有したシクロアルキル基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等が好ましい。炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基がより好ましい。
アルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基及びスチリル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基及びプロパルギル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びにオバレニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ヘキシロキシ基、t−ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、デシロキシ基及びドデシロキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、トリルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、トリフルオロメチルフェニルオキシ基、シアノフェニルオキシ基及びニトロフェニルオキシ基が挙げられる。
アルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基及びトリフルオロメチルオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基及び4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が挙げられる。
アルキルスルホニルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基、ヘキシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基、オクチルスルホニルオキシ基、2−エチルヘキシルスルホニルオキシ基、デカノイルスルホニルオキシ基、ドデカノイルスルホニルオキシ基、オクタデカノイルスルホニルオキシ基、シアノメチルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基及びパーフルオロアルキルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アリールスルホニルオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニルオキシ基が好ましく、例えば、フェニルスルホニルオキシ基、1−ナフチルスルホニルオキシ基、2−ナフチルスルホニルオキシ基、2−クロロフェニルスルホニルオキシ基、2−メチルフェニルスルホニルオキシ基、2−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、2−ブトキシフェニルスルホニルオキシ基、3−クロロフェニルスルホニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ基、3−シアノフェニルスルホニルオキシ基、3−ニトロフェニルスルホニルオキシ基、4−フルオロフェニルスルホニルオキシ基、4−シアノフェニルスルホニルオキシ基、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニルオキシ基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニルオキシ基が挙げられる。
アルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基及びパーフルオロアルキルスルホニル基が挙げられる。
アリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基及び4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基が挙げられる。
アルキルチオキシ基としては、例えば、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、プロピルチオキシ基、n−ブチルチオキシ基、トリフルオロメチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、t−ブチルチオキシ基、2−エチルヘキシルチオキシ基、シクロヘキシルチオキシ基、デシルチオキシ基及びドデシルチオキシ基が挙げられる。
アリールチオキシ基としては、例えば、フェニルチオキシ基、1−ナフチルチオキシ基、2−ナフチルチオキシ基、トリルチオキシ基、メトキシフェニルチオキシ基、ナフチルチオキシ基、クロロフェニルチオキシ基、トリフルオロメチルフェニルチオキシ基、シアノフェニルチオキシ基及びニトロフェニルチオキシ基が挙げられる。
複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子を含んだ芳香族又は脂肪族の複素環が好ましい。この複素環基としては、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b] チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基及びチオキサントリル基が挙げられる。
乃至Rの何れかが有し得る置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチルアミノ基及びシクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基及びピペリジノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基及びp−トリルアミノ基等のアリールアミノ基;メチル基、エチル基、tert−ブチル基及びドデシル基等のアルキル基;フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基及びフェナントリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;ホルミル基;メルカプト基;スルホ基;メシル基;p−トルエンスルホニル基;アミノ基;ニトロ基;シアノ基;トリフルオロメチル基;トリクロロメチル基;トリメチルシリル基;ホスフィニコ基;ホスホノ基;トリメチルアンモニウミル基;ジメチルスルホニウミル基、並びにトリフェニルフェナシルホスホニウミル基が挙げられる。
乃至Rは、それらの2以上が互いに結合して、環構造を形成していてもよい。この環構造は、脂肪族若しくは芳香族の炭化水素環であってもよく、へテロ原子を含んだ複素環であってもよい。また、これらR乃至Rは、多環縮合環を形成していてもよい。
脂肪族又は芳香族の炭化水素環としては、例えば、6員環、5員環又は7員環構造のものが挙げられる。この炭化水素環としては、6員環又は5員環構造のものが好ましく、5員環構造のものが特に好ましい。
複素環としては、例えば、ヘテロ原子として硫黄原子、酸素原子又は窒素原子を含んだものが挙げられる。この複素環としては、ヘテロ原子として硫黄原子を含んだものがより好ましい。
多環縮合環としては、例えば、炭化水素環のみからなる縮合環が挙げられる。この多環縮合環としては、例えば、2〜4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの及びベンゼン環と5員不飽和環とが縮合環を形成したものが挙げられる。
多環縮合環は、少なくとも1つの複素環を含んだ縮合環であってもよい。この多環縮合環としては、例えば、ベンゼン環と5員複素環とが縮合環を形成したもの、及び、ベンゼン環と6員複素環とが縮合環を形成したものが挙げられる。
乃至Rが形成し得る環構造としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ジチオラン環、オキシラン、ジオキシラン環、チイラン環、ピロリジン環、ピペリジン環、イミダゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾジチオール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾジチオール環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環及びフェナジン環が挙げられる。中でも、ジチオラン環、ベンゾジチオール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環及びベンゾオキサゾール環が特に好ましい。
一般式(N3a)におけるR乃至Rとしては、例えば、以下の化学式中に記載されているものが挙げられる。
Figure 2013218115
次に、R及びRについて説明する。
式(N3a)中、R及びRの各々は、1価の置換基を表している。1価の置換基としては、例えば、1価の有機基及びシリル基が挙げられる。1価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基及びジアルキルアミノカルボニル基が挙げられる。これら1価の有機基は、置換基を更に有していてもよい。
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルチオカルボニル基及びアリールチオカルボニル基としては、例えば、先にR乃至Rについて列挙したのと同様のものが挙げられる。
置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基としては、例えば、ジメチルアミノカルボニル基、ジメエルアミノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基及びジブチルアミノカルボニル基が挙げられる。
及びRは、互いに結合して、環状アセタール構造を形成していることが好ましい。この環状アセタール構造は、脂肪族若しくは芳香族の炭化水素環又はヘテロ原子を含んだ複素環を置換基として備えていてもよい。また、これら炭化水素環及び/又は複素環は、環状アセタールと縮合環を形成していてもよい。なお、これら炭化水素環及び複素環としては、例えば、先にR乃至Rについて列挙したのと同様のものが挙げられる。
一般式(N3a)におけるR及びRとしては、例えば、以下の化学式中に記載されているものが挙げられる。
Figure 2013218115
一般式(N3a)におけるR乃至Rとしては、例えば、以下の化学式中に記載されているものが挙げられる。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
一般式(N3b)乃至(N3d)により表される化合物について、詳しく説明する。
まず、式(N3b)および(N3c)におけるR12乃至及びR14について説明する。
12及びR13は、水素原子又は1価の置換基である。R14は、1価の置換基である。
12としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基及び水素原子が挙げられる。
13としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アラルキル基及び水素原子が挙げられる。
14は、例えば、酸の作用により脱離する基である。一般式(N3c)における2つのR14は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、及び−CH(R36)(Ar)により表される基が挙げられる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成していてもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
Arは、アリール基を表す。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基及びアリーロキシ基としては、例えば、先に一般式(N3a)について列挙したのと同様のものが挙げられる。これら基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、先に一般式(N3a)について列挙したのと同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
好ましいR12としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基及び水素原子が挙げられる。
好ましいR13としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基及び水素原子が挙げられる。
好ましいR14としては、例えば、t−ブチル基等の3級アルキル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基及び1−エトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、並びにテトラヒドロピラニル基が挙げられる。
次に、式(N3d)におけるR15〜R20について説明する。
15乃至R20は、水素原子又は1価の置換基である。
15としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニルオキシ基及び水素原子が挙げられる。
16としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及び水素原子が挙げられる。
17としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及び水素原子が挙げられる。
18としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及び水素原子が挙げられる。
19としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及び水素原子が挙げられる。
20としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基(アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基)、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基及び水素原子が挙げられる。
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及びアルケニルオキシ基としては、例えば、先に一般式(N3a)について列挙したのと同様のものが挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルケニル基及びアルケニルオキシ基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、先に一般式(N3a)について列挙したのと同様のものが挙げられる。
好ましいR15としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニロキシ基及びメチルビニロキシ基が挙げられる。
好ましいR16としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基及びアリル基が挙げられる。
好ましいR17としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基及びアリル基が挙げられる。
好ましいR18としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基及びアリル基が挙げられる。
好ましいR19としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基及びアリル基が挙げられる。
好ましいR20としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、アセチル基、プロパノイル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、メトキシカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基が挙げられる。R20は、水素原子またはアシル基であることが好ましい。
15乃至R20の少なくとも2つは、互いに結合して、環構造を形成していてもよい。
一般式(N3b)〜(N3d)におけるR12乃至R20としては、例えば、以下の化学式中に記載されているものが挙げられる。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
一般式(N3a)乃至(N3d)で表される化合物のうち、一般式(N3a)で表される化合物が特に好ましい。
以下に、アミノ化合物(a)の具体例と、含窒素化合物(N)における保護基(−SO−Rc)の具体例を示す。
〔アミノ化合物(N1)の具体例〕
Figure 2013218115
〔保護基(−SO−R)の具体例〕
Figure 2013218115
以下に、本発明の含窒素化合物(N)の具体例を示す。但し、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
含窒素化合物(N)の分子量は、好ましくは2000以下であり、より好ましくは1000以下、更に好ましくは750以下、最も好ましくは500以下である。
以上において説明した含窒素化合物(N)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。含窒素化合物(N)は、非イオン性化合物であることが好ましい。
本発明の含窒素化合物(N)の含有率は、組成物の全固形分を基準として、0.001〜20質量%であることが好ましく、0.001〜10質量%であることがより好ましく、0.01〜5質量%であることが特に好ましい。
〔2〕酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)
本発明に係る組成物は、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)を含有する。
樹脂(Ab)は好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
樹脂(Ab)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
酸分解性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基等のアルカリ可溶性基の水素原子が、酸の作用により脱離する基で保護された基を挙げることができる。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成していてもよい。R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
樹脂(Ab)は、一態様において、酸分解性基を有する繰り返し単位として、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2013218115
一般式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子、メチル基又は−CH−Rで表される基を表す。Rは、水酸基または1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、アシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。Xaは好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx〜Rxの少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を
形成してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rxがメチル基またはエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
樹脂(Ab)は、他の態様において、下記一般式(A1)及び(A2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 2013218115
一般式(A1)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成している場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(A1)について更に詳細に説明する。
一般式(A1)におけるR61〜R63のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R61〜R63におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基としては、単環型でも多環型でもよく、好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
62がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、R61〜R63のアルキル基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。R62とLとが結合して形成する環は、5又は6員環であることが特に好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していても良く、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していても良い。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は10以下が好ましい。
nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、n個中の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成していてもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。
Arは、1価の芳香環基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02及びArの1価の芳香環基は、炭素数6〜10の1価の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。なお、シクロアルキル構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、及びArとしての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(VI−A)で表される構造がより好ましい。
Figure 2013218115
ここで、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、又はアルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成してもよい。
及びLとしてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
及びLとしてのシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15個のシクロアルキル基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を好ましい例として挙げることができる。
及びLとしての1価の芳香環基は、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましい例として挙げることができる。
及びLとしてのアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基は、例えば、炭素数6〜20であって、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基など)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、2価の芳香環基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基である。Rは、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基など)である。
Qとしてのアルキル基は、上述のL及びLとしての各基と同様である。
Qとしてのヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基及びヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基に於ける、ヘテロ原子を含まない肪族炭化水素環基及びへテロ原子を含まない1価の芳香環基としては、上述のL及びLとしてのシクロアルキル基、及び1価の芳香環基などが挙げられ、好ましくは、炭素数3〜15である。
ヘテロ原子を含むシクロアルキル基及びヘテロ原子を含む1価の芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール、ピロリドン等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。
Q、M、Lの少なくとも2つが結合して形成していてもよい環としては、Q、M、Lの少なくとも2つが結合して、例えば、プロピレン基、ブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員又は6員環を形成している場合が挙げられる。
一般式(VI−A)におけるL、L、M、Qで表される各基は、置換基を有していてもよく、例えば、前述のR36〜R39、R01、R02、及びArが有してもよい置換基として説明したものが挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
−M−Qで表される基として、炭素数1〜30個で構成される基が好ましく、炭素数5〜20個で構成される基がより好ましい。
特に好ましくは、一般式(A1)で表される繰り返し単位は、以下の一般式(A1’)で表される構造を有する。
Figure 2013218115
一般式(A1’)におけるL、L、M、およびQは、上記一般式(VI−A)において定義した通りである。
以下に、一般式(A1)により表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
次に、一般式(A2)により表される繰り返し単位について説明する。
Xは、上述したように、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、アリール基、カルボキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基を表す。
Xとしてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、さらに好ましくは1〜20であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは3〜20であり、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカノイル基等が挙げられる。
Xとしてのアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数1〜8の上記アルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
Xとしてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
Xとしてのアシル基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数2〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
Xとしてのアシロキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜8のアシロキシ基であり、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチルリオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
Xとしてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、有橋式であってもよい。例えば、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピナニル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Xとしてのアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14であり、例えば、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
Xとしてのアルキルオキシカルボニル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基を挙げることができる。
Xとしてのアルキルカルボニルオキシ基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数2〜8であり、例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
Xとしてのアラルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜16のアラルキル基である、例えば、ベンジル基を挙げることができる。
Xとしてのアルキル基、アルコキシ基、アシル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アラルキル基が更に有していてもよい置換基としては、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基又はアラルキル基などが挙げられる。
は、上述したように、酸の作用により脱離する基を表す。即ち、一般式(A2)により表される繰り返し単位は、酸分解性基として、「−COOA」により表される基を備えている。Aとしては、例えば、先に一般式(A1)におけるYについて説明したのと同様のものが挙げられる。
2は炭化水素基(好ましくは炭素数20以下、より好ましくは4〜12)であることが好ましく、t−ブチル基、t−アミル基、脂環構造を有する炭化水素基(例えば、脂環基自体、及び、アルキル基に脂環基が置換した基)がより好ましい。
2は、3級のアルキル基又は3級のシクロアルキル基であることが好ましい。
脂環構造は、単環でも、多環でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環構造を有する炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に脂環構造の例を示す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
本発明においては、上記脂環構造の好ましいものとしては、一価の脂環基の表記として、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
これらにおける脂環が有してもよい置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、更なる置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
脂環構造を有する酸分解性基としては、下記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される基が好ましい。
Figure 2013218115
上記一般式(pI)〜(pV)中、
11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(pI)〜(pV)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
11〜R25における脂環式炭化水素基或いはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、先に脂環構造として述べたものが挙げられる。
一般式(A2)で表される繰り返し単位は、一形態において、下式で表される繰り返し単位である場合が好ましい。
Figure 2013218115
また、一般式(A2)で表される繰り返し単位は、他の形態において、以下に示す一般式(A3)で表される繰り返し単位である場合も好ましい。
Figure 2013218115
一般式(A3)中、
ARは、アリール基を表す。
Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとARとは互いに結合して非芳香族環を形成していてもよい。
Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
一般式(A3)により表される繰り返し単位について詳細に説明する。
ARは、上述したようにアリール基を表す。ARのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又は、フルオレン基等の炭素数6〜20のものが好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。
ARがナフチル基、アントリル基又はフルオレン基である場合、Rnが結合している炭素原子とARとの結合位置には、特に制限はない。例えば、ARがナフチル基である場合、この炭素原子は、ナフチル基のα位に結合していてもよく、β位に結合していてもよい。或いは、ARがアントリル基である場合、この炭素原子は、アントリル基の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよく、9位に結合していてもよい。
ARとしてのアリール基は、1以上の置換基を有していてもよい。このような置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、これらシクロアルキル基部分を含んだシクロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。この置換基としては、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基が好ましく、パラメチル基又はパラメトキシ基がより好ましい。
ARとしてのアリール基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成していても良い。環は、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。また、この環は、環員に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
更に、この環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、Rnが有していてもよい更なる置換基について後述するものと同様のものが挙げられる。
また、一般式(A3)により表される繰り返し単位は、ラフネス性能の観点から、2個以上の芳香環を含有ことが好ましい。この繰り返し単位が有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
また、一般式(A3)により表される繰り返し単位において、ラフネス性能の観点から、ARは2個以上の芳香環を含有することがより好ましく、ARがナフチル基又はビフェニル基であることが更に好ましい。ARが有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
Rnは、上述したように、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Rnのアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。このアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20のものが挙げられる。Rnのアルキル基は、炭素数1〜5のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましい。
Rnのシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数が3〜15のものが挙げられる。
Rnのアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基及びアントリル基等の炭素数が6〜14のものが好ましい。
Rnとしてのアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の各々は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。中でも、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基及びスルホニルアミノ基が特に好ましい。
Rは、上述したように、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
Rのアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。これらアルキル基及びシクロアルキル基の各々は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。
Rが置換基を有するアルキル基又はシクロアルキル基である場合、特に好ましいRとしては、例えば、トリフルオロメチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基が挙げられる。
Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。中でも、フッ素原子が特に好ましい。
Rのアルキルオキシカルボニル基に含まれるアルキル基部分としては、例えば、先にRのアルキル基として挙げた構成を採用することができる。
RnとARとが互いに結合して非芳香族環を形成していることが好ましく、これにより、特に、ラフネス性能をより向上させることができる。
RnとARとは互いに結合して形成しても良い非芳香族環としては、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
非芳香族環は、脂肪族環であっても、環員として酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
非芳香族環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Rnが有していてもよい更なる置換基について先に説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(A2)により表される繰り返し単位に対応したモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
以下に、一般式(A3)により表される繰り返し単位の構造の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
樹脂(Ab)は、更に、下記一般式(A5)で表される繰り返し単位を含有していてもよい。
Figure 2013218115
式(A5)中、
Xは、水素原子、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離しない炭化水素基を表す。
一般式(A5)に於ける、Aの酸の作用により脱離しない炭化水素基としては、上記の酸分解性基以外の炭化水素基が挙げられ、例えば、酸の作用により脱離しないアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、酸の作用により脱離しないシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、酸の作用により脱離しないアリール基(好ましくは炭素数6〜15)等を挙げることができる。
の酸の作用により脱離しない炭化水素基は、更に、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
以下に、一般式(A5)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
樹脂(Ab)は、更に一般式(A6)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2013218115
一般式(A6)中、
2は、水素原子、メチル基、シアノ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のペルフルオロ基を表す。
3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基又はアシル基を表す。
qは、0〜4の整数を表す。
Arは、q+2価の芳香環を表す。
Wは、酸の作用により分解しない基又は水素原子を表す。
Arにより表される芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
Wは酸の作用により分解しない基(酸安定基ともいう)を表すが、上記の酸分解性基以外の基が挙げられ、具体的にはハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アシル基、アルキルアミド基、アリールアミドメチル基、アリールアミド基等が挙げられる。酸安定基としては、好ましくはアシル基、アルキルアミド基であり、より好ましくはアシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基である。
Wの酸安定基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。Wはベンゼン環上のどの位置にあってもよいが、好ましくはスチレン骨格のメタ位かパラ位であり、特に好ましくはパラ位である。
以下に、一般式(A6)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるがこれらに限定するものではない。
Figure 2013218115
樹脂(Ab)における酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、5〜95モル%が好ましく、より好ましくは10〜60モル%であり、特に好ましくは15〜50モル%である。
また、樹脂(Ab)は、アルカリ現像液に対する良好な現像性を維持するために、アルカリ可溶性基、例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基が導入され得るように適切な他の重合性モノマーが共重合されていてもよいし、膜質向上のためにアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートのような疎水性の他の重合性モノマーが共重合されてもよい。
樹脂(Ab)は、一態様において、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2013218115
式(A)中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成している場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
式(A)におけるR41、R42、R43のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、及びこれらの基が有し得る置換基の具体例としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は10以下が好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していても良い。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、上記一般式(A1)におけるR61〜R63のアルキル基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Arとしては、置換基を有していても良い炭素数6〜18の芳香環基がより好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、ビフェニレン環基が特に好ましい。
繰り返し単位(A)は、ヒドロキシスチレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Arは、ベンゼン環基であることが好ましい。
以下に、一般式(A)で表される繰り返し単位(A)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2013218115
樹脂(Ab)は、一形態において、一般式(A)で表される繰り返し単位として、少なくとも下式で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2013218115
樹脂(Ab)における、一般式(A)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂(Ab)中の全繰り返し単位に対し、0〜90mol%が好ましく、より好ましくは5〜80mol%であり、更に好ましくは10〜70mol%であり、特に好ましくは20〜60mol%である。
樹脂(Ab)は、一態様において、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位(B)(以下において、「酸発生繰り返し単位(B)」又は「繰り返し単位(B)」という)を含んでいてもよい。
この構造部位は、例えば、活性光線又は放射線の照射により分解することにより、繰り返し単位(B)中に酸アニオンを生じさせる構造部位であってもよいし、酸アニオンを放出して繰り返し単位(B)中にカチオン構造を生じさせる構造部位であってもよい。
また、この構造部位は、例えば、スルホニウム塩構造又はヨードニウム塩構造を備えたイオン性構造部位であることが好ましい。
この構造部位は、例えば、以下に説明する一般式(B1)、(B2)及び(B3)中のAにより表される構造部位と同様の構造部位であってもよい。
繰り返し単位(B)は、一態様において、下記一般式(B1)、(B2)及び(B3)で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。これらのうち、下記一般式(B1)又は(B3)により表される繰り返し単位がより好ましく、下記一般式(B1)により表される繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 2013218115
一般式(B1)、(B2)及び(B3)中、
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを発生する構造部位を表す。
04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
06は、シアノ基、カルボキシ基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R25は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R26及びR27は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R26とR27とは、互いに結合して、窒素原子と共に環を形成していてもよい。
、X及びXは、各々独立に、単結合、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。R33は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸アニオンを発生する構造部位を表し、具体的には、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、及びマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられる。
また、Aとしては、スルホニウム塩構造又はヨードニウム塩構造を備えたイオン性構造部位がより好ましい。より具体的には、Aとして、下記一般式(ZI)又は(ZII)で表される基が好ましい。
Figure 2013218115
一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
一般式(ZII)中、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的には1〜30であり、好ましくは1〜20である。また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを表す。Zは、非求核性アニオンであることが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、及びトリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンが挙げられる。
なお、非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンを意味している。非求核性アニオンを用いると、分子内求核反応による経時分解を抑制することができる。これにより樹脂及び組成物の経時安定性を向上させることが可能となる。
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位としては、例えば、下記光酸発生剤が有しているスルホン酸前駆体となる構造部位を挙げることができる。この光酸発生剤としては、例えば、以下の(1)〜(3)の化合物が挙げられる。
(1)M.TUNOOKAetal.,PolymerPreprintsJapan,35(8);G.Berneretal.,J.Rad.Curing,13(4);W.J.Mijsetal.,CoatingTechnol.,55
(697),45(1983);H.Adachietal.,PolymerPreprints,Japan,37(3);欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号の各明細書、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、及び特開平4−365048号等の各公報に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物。
(2)特開昭61−166544号公報等に記載のジスルホン化合物。
(3)V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980);A.Abadetal,TetrahedronLett.,(47)4555(1971);D.H.R.Bartonetal.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970);米国特許第3,779,778号;及び欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物。
以下に繰り返し単位(B)の具体例を挙げるが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
樹脂(Ab)が繰り返し単位(B)を含有する場合、樹脂(Ab)における、繰り返し単位(B)の含有率は、樹脂(Ab)中の全繰り返し単位に対し、0.1〜80mol%が好ましく、より好ましくは0.5〜60mol%であり、更に好ましくは1〜40mol%である。
また、本発明のポジ型レジストをArFエキシマレーザーで露光する際には、ArFエキシマレーザーに対する透明性の観点から、樹脂(Ab)として芳香環を有さない樹脂を用いることが好ましい。
以下、ArFエキシマレーザー露光に好適な樹脂(以下、樹脂(A’)ともいう)について説明する。
樹脂(A’)の有する酸分解性基としては、前記樹脂(Ab)におけるものと同様のものが挙げられ、酸分解性基を含む繰り返し単位としては、好ましくは前記一般式(A2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A’)中の全繰り返し単位に対し、20〜50mol%が好ましく、より好ましくは25〜45mol%である。
樹脂(A’)は、更に、ラクトン基、水酸基、シアノ基及びアルカリ可溶性基から選ばれる少なくとも1種類の基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A’)中の全繰り返し単位に対し、 15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
ラクトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
樹脂(A’)は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A’)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2013218115
樹脂(A’)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子吸引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A’)中の全繰り返し単位に対し、 0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013218115
樹脂(A’)は、更に、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有してもよい。これにより液浸露光時にレジスト膜から液浸液への低分子成分の溶出が低減できる。このような繰り返し単位として、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位などが挙げられる。
樹脂(Ab)は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
樹脂(Ab)の添加量は、総量として、本発明の組成物の全固形分に対し、通常10〜99質量%であり、好ましくは20〜99質量%であり、特に好ましくは30〜99質量%である。
樹脂(Ab)の重量平均分子量(Mw)は、それぞれ1000〜200,000の範囲であることが好ましい。樹脂自体のアルカリに対する溶解速度、感度の点から200,000以下が好ましい。分散度(Mw/Mn)は、1.0〜3.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜2.5、特に好ましくは、1.0〜2.0である。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、さらに好ましくは1,000〜100,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜50,000の範囲であり、最も好ましくは1,000〜25,000の範囲である。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
アゾ系重合開始剤を用いてラジカル重合を行うことで分散度2.0以下の樹脂(Ab)を合成することができる。さらに好ましい分散度1.0〜1.5の樹脂(Ab)は例えばリビングラジカル重合によって合成可能である。
樹脂(Ab)は、公知のアニオン重合法またはラジカル重合法などで重合することが好ましい。例えば、特開2010−13428に記載の方法を用いて合成することができる。
以下に樹脂(Ab)の具体例を以下に示すがこれらに限定するものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
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樹脂(Ab)が酸発生繰り返し単位(B)を含有しない場合は、フッ素原子を含む繰り返し単位の含有率は1モル%以下であることが好ましく、フッ素原子は含有しないことがより好ましい。樹脂(Ab)が繰り返し単位(B)を有する場合は、繰り返し単位(B)以外の繰り返し単位であって、フッ素原子を含む繰り返し単位の含有率は1モル%以下であることが更に好ましく、フッ素原子は含有しないことが最も好ましい。
〔3〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の組成物は、更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ともいう。)を含有してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。これらの例としては、スルホニウム塩及びヨードニウム塩等のオニウム塩、並びに、ビス(アルキルスルホニルジアゾメタン)等のジアゾジスルホン化合物が挙げられる。
光酸発生剤の好ましい例としては、下記一般式(ZI)、(ZII)及び(ZIII)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013218115
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、例えば1〜30であり、好ましくは1〜20である。
201〜R203のうち2つは、単結合又は連結基を介して互いに結合して、環構造を形成してもよい。この場合の連結基としては、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、カルボニル基、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。R201〜R203のうちの2つが結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
は、非求核性アニオンを表す。Xとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 及びSbF が挙げられる。Xは、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2013218115
式AN1〜AN3中、Rc〜Rcは、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO3−及び−SO2N(Rd1)−が挙げられる。ここで、Rd1は水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環構造を形成してもよい。
Rc〜Rcの有機基は、1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフロロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフロロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc〜Rcは、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環構造を形成していてもよい。
また、好ましいX-として、下記一般式(SA1)又は(SA2)により表されるスルホン酸アニオンが挙げられる。
Figure 2013218115
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
nは、1以上の整数を表す。nは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3であり、最も好ましくは3である。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基は、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基又はエステル基である。
Bは、炭化水素基を表す。
Figure 2013218115
式(SA2)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
、Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、複数存在する場合のR及びRの各々は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Eは、環状構造を有する基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
一般式(SA1)又は(SA2)により表されるスルホン酸アニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2013218115
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
以下、一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。これらアリール基、アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
なお、一般式(ZII)及び(ZIII)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
光酸発生剤の他の好ましい例として、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2013218115
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。こうすると、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子求引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子求引性基は、置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
好ましいR209としては、置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子求引性基が挙げられる。この電子求引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフロロアルキル基が挙げられる。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましい。
本発明に用いられる酸発生剤として、酸の作用により分解しアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基を有する化合物も好ましく用いることができる。そのような酸発生剤の例としては、例えば、特開2005−97254号公報、特開2007−199692号公報などに記載の化合物が挙げられる。
光酸発生剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
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Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
なお、光酸発生剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。後者の場合、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
また、光酸発生剤の含有率は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜40質量%であり、更に好ましくは1〜30質量%である。
〔4〕樹脂(Aa)
本発明に係る組成物は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを含む樹脂(Aa)を更に含有していてもよい。
樹脂(Aa)に於けるフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかは、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
樹脂(Aa)がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)のいずれかで表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013218115
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ及びR65〜R68の少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、フルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62及びR63がパーフルオロアルキル基であるとき、R64は水素原子であることが好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、−CH(CF)OH等が挙げられ、−C(CFOHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合しても良く、さらに、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレイレン結合よりなる群から選択される基、あるいはこれらの2つ以上を組み合わせた基を介して主鎖に結合しても良い。
フッ素原子を有する好適な繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられる。
Figure 2013218115
式中、R10及びR11は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
〜Wは、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、樹脂(Aa)は、これら以外にも、フッ素原子を有する繰り返し単位として下記に示すような単位を有していてもよい。
Figure 2013218115
式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表す。該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては特にフッ素化アルキル基を挙げることができる。
ただし、R〜Rの少なくとも1つはフッ素原子を表す。RとR若しくはRとRは環を形成していてもよい。
は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子又はアルキルを表す)、−NHSO−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
Qは脂環式構造を表す。脂環式構造は置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、多環型の場合は有橋式であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。Qとして特に好ましくはノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。
樹脂(Aa)は、珪素原子を含有してもよい。
珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有することが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 2013218115
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
〜Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレイレン結合よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
フッ素原子又は珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位は(メタ)アクリレート系繰り返し単位であることが好ましい。
以下、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表し、Xは、−F又は−CFを表す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
樹脂(Aa)は、下記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b)を有することが好ましい。
(x)アルカリ可溶基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基
(z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位(bx)の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
極性変換基(y)としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSOO−)、スルホン酸エステル基(−SOO−)などが挙げられ、好ましくはラクトン基である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位(by)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。また、前記樹脂(Ab)の繰り返し単位(A3)の具体例として挙げたものも、繰り返し単位(by)の具体例として挙げることができる。
Raは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
樹脂(Aa)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位(bz)は、樹脂(Ab)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
樹脂(Aa)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2013218115
一般式(III)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基、又はフッ素で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH−O−Rac基を表す。式中、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子を含む基等で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
樹脂(Aa)は、更に、下記一般式(BII−AB)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2013218115
式(BII−AB)中、
c11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc’は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
一般式(III)、(BII−AB)で表される繰り返し単位における各基が、フッ素原子又は珪素原子を含む基で置換されている場合、その繰り返し単位は、前記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位にも相当する。
以下に一般式(III)、(BII−AB)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。なお、RaがCFである場合の繰り返し単位は、前記フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位にも相当する。
Figure 2013218115
樹脂(Aa)は、樹脂(Ab)と同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジスト組成物が得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜3の範囲が好ましく、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1〜1.8、最も好ましくは1〜1.5の範囲である。
樹脂(Aa)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、樹脂(Ab)で説明した内容と同様である。
以下に樹脂(Aa)の具体例を示す。また、後掲の表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを含有する疎水性の樹脂(Aa)を含有することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜の表層に樹脂(Aa)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対する該膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物からなる塗膜をベークした後で且つ露光前の膜の後退接触角は露光時の温度、通常室温23±3℃、湿度45±5%において60°〜90°が好ましく、より好ましくは65°以上、更に好ましくは70°以上、特に好ましくは75°以上である。
樹脂(Aa)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
樹脂(Aa)は、疎水的であるためアルカリ現像後に現像残渣(スカム)、BLOB欠陥が悪化しやすいが、少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有することで直鎖型樹脂に比べ、アルカリ溶解速度が向上するため現像残渣(スカム)、BLO欠陥性能が改善される。
樹脂(Aa)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有率は、樹脂(Aa)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(Aa)中の全繰り返し単位に対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
樹脂(Aa)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有率は、樹脂(Aa)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、樹脂(Aa)の全繰り返し単位に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂(Aa)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜30,000である。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の樹脂(Aa)の含有率は、感活性光線又は感放射線樹脂膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.01〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.5〜8質量%である。
樹脂(Aa)は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
〔5〕塩基性化合物
本発明に係る組成物は、塩基性化合物(上記含窒素化合物(N)を除く)を更に含んでいてもよい。塩基性化合物は、好ましくは、フェノールと比較して塩基性がより強い化合物である。また、この塩基性化合物は、有機塩基性化合物であることが好ましく、含窒素塩基性化合物であることが更に好ましい。
使用可能な含窒素塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(7)
に分類される化合物を用いることができる。
(1)一般式(BS−1)により表される化合物
Figure 2013218115
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は、特に限定されないが、通常6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(BS−1)により表される化合物では、Rのうち少なくとも2つが有機基であることが好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、及び2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンが挙げられる。
また、一般式(BS−1)により表される好ましい塩基性化合物として、少なくとも1つのRがヒドロキシ基で置換されたアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、例えば、トリエタノールアミン及びN,N−ジヒドロキシエチルアニリンが挙げられる。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CH2CH2O−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される塩基性化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
この化合物は、より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有している。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が特に好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、及び、US2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、例えば、フェノキシ基を有する1級又は2級アミンとハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得られる。また、フェノキシ基を有するアミン化合物は、1級又は2級アミンと、末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することによって得ることもできる。
(4)アンモニウム塩
塩基性化合物として、アンモニウム塩も適宜用いることができる。アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、ハライド、スルホネート、ボレート及びフォスフェートが挙げられる。これらのうち、ハライド及びスルホネートが特に好ましい。
ハライドとしては、クロライド、ブロマイド及びアイオダイドが特に好ましい。
スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキルスルホネート及びアリールスルホネートが挙げられる。
アルキルスルホネートに含まれるアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基及びアリール基が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的には、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート及びノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。
アリールスルホネートに含まれるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基及び炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル及びシクロヘキシル基が好ましい。他の置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基及びアシロキシ基が挙げられる。
このアンモニウム塩は、ヒドロキシド又はカルボキシレートであってもよい。この場合、このアンモニウム塩は、炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−(n−ブチル)アンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドであることが特に好ましい。
好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン及びアミノアルキルモルフォリンが挙げられる。これらは、置換基を更に有していてもよい。
好ましい置換基としては、例えば、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基及びシアノ基が挙げられる。
特に好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン及びN−(2−アミノエチル)モルフォリンが挙げられる。
(5)プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)
本発明に係る組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、 π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。 π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 2013218115
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。本発明においては、活性光線又は放射線の照射により化合物(PA)が分解して発生する化合物の酸解離定数pKaが、pKa<−1を満たすことが好ましく、より好ましくは−13<pKa<−1であり、更に好ましくは−13<pKa<−3である。
本発明に於いて、酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測することができ、また、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示している。
ソフトウェアパッケージ1:AdvancedChemistryDevelopment(ACD/Labs)SoftwareV8.14forSolaris(1994−2007ACD/Labs)
以下、化合物(PA)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
本発明の組成物において、化合物(PA)の組成物全体中の配合率は、全固形分中0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。
(6)グアニジン化合物
本発明の組成物は、下式で表される構造を有するグアニジン化合物を更に含有していてもよい。
Figure 2013218115
グアニジン化合物は3つの窒素によって共役酸のプラスの電荷が分散安定化されるた
め、強い塩基性を示す。
本発明のグアニジン化合物(A)の塩基性としては、共役酸のpKaが6.0以上であることが好ましく、7.0〜20.0であることが酸との中和反応性が高く、ラフネス特性に優れるため好ましく、8.0〜16.0であることがより好ましい。
このような強い塩基性のため、酸の拡散性を抑制し、優れたパターン形状の形成に寄与することができる。
なお、ここで「pKa」とは、水溶液中でのpKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。水溶液中でのpKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測することができ、また、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示している。
ソフトウェアパッケージ1:AdvancedChemistryDevelopment(ACD/Labs)SoftwareV8.14forSolaris(1994−2007ACD/Labs)。
本発明において、logPとは、n−オクタノール/水分配係数(P)の対数値であり、広範囲の化合物に対し、その親水性/疎水性を特徴づけることのできる有効なパラメータである。一般的には実験によらず計算によって分配係数は求められ、本発明においては、CSChemDrawUltraVer.8.0softwarepackage(Crippen’sfragmentationmethod)により計算された値を示す。
また、グアニジン化合物(A)のlogPが10以下であることが好ましい。上記値以下であることによりレジスト膜中に均一に含有させることができる。
本発明におけるグアニジン化合物(A)のlogPは2〜10の範囲であることが好ましく、3〜8の範囲であることがより好ましく、4〜8の範囲であることが更に好ましい。
また、本発明におけるグアニジン化合物(A)はグアニジン構造以外に窒素原子を有さないことが好ましい。
以下、グアニジン化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
(7)窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物
本発明の組成物は、上記含窒素化合物(N)の他に、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」又は「化合物(D)」ともいう)を含有することができる。低分子化合物(D)は、酸の作用により脱離する基が脱離した後は、塩基性を有することが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Figure 2013218115
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2013218115
化合物(D)は、後述する塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Figure 2013218115
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
少なくとも2つのRbが結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
一般式(A)において、RaおよびRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Ra及び/又はRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンゾイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基がヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
一般式(A)で表される化合物は、特開2007−298569号公報、特開2009−199021号公報などに基づき合成することができる。
本発明において、低分子化合物(D)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明の組成物は、低分子化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(D)の含有量は、上述した塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
その他、本発明に係る組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、及び特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物等が挙げられる。
塩基性化合物として、感光性の塩基性化合物を用いてもよい。感光性の塩基性化合物としては、例えば、特表2003−524799号公報、及び、J.Photopolym.Sci&Tech.Vol.8,P.543−553(1995)等に記載の化合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、通常は100〜1500であり、好ましくは150〜1300であり、より好ましくは200〜1000である。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が塩基性化合物を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2〜4.0質量%であることが特に好ましい。
塩基性化合物の光酸発生剤に対するモル比は、好ましくは0.01〜10とし、より好ましくは0.05〜5とし、更に好ましくは0.1〜3とする。このモル比を過度に大きくすると、感度及び/又は解像度が低下する場合がある。このモル比を過度に小さくすると、露光と加熱(ポストベーク)との間において、パターンの細りを生ずる可能性がある。より好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜3である。なお、上記モル比における光酸発生剤とは、上記樹脂の繰り返し単位(B)と上記樹脂が更に含んでいてもよい光酸発生剤との合計の量を基準とするものである。
〔6〕界面活性剤
本発明に係る組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、DIC(株)製のメガファックF176及びメガファックR08、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、並びに、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341が挙げられる。
フッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
その他、公知の界面活性剤を適宜使用することができる。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その使用量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%とし、より好ましくは0.001〜1質量%とする。
〔6〕染料
本発明に係る組成物は、染料を更に含んでいてもよい。好適な染料としては、例えば、油性染料及び塩基性染料が挙げられる。具体的には、例えば、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS及びオイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、並びに、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)及びメチレンブルー(CI52015)が挙げられる。
〔7〕光塩基発生剤
本発明に係る組成物は、光塩基発生剤を更に含んでいてもよい。光塩基発生剤を含有させると、更に良好なパターンを形成することが可能となる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開平4−151156号、同4−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、及び欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられる。
好ましい光塩基発生剤としては、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド及び1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメートが挙げられる。
〔8〕酸化防止剤
本発明に係る組成物は、酸化防止剤を更に含んでいてもよい。酸化防止剤を含有させると、酸素の存在下における有機材料の酸化を抑制することが可能となる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機酸誘導体からなる酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミン−アルデヒド縮合物からなる酸化防止剤、及びアミン−ケトン縮合物からなる酸化防止剤が挙げられる。これら酸化防止剤のうち、フェノール系酸化防止剤及び有機酸誘導体からなる酸化防止剤を使用することが特に好ましい。こうすると、組成物の性能を低下させることなしに、酸化防止剤としての機能を発現させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、置換フェノール類、又は、ビス、トリス若しくはポリフェノール類を使用することができる。
置換フェノール類としては、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)2,4−ビス・オクチル−チオ−1,3,5トリアジン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tertブチル・フェニル)プロピオネート、オクチル化フェノール、アラルキル置換フェノール類、アルキル化−p−クレゾール、及びヒンダードフェノールが挙げられる。
ビス、トリス若しくはポリフェノール類としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、メチレンビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル・フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−アルファメチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン架橋した多価アルキルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−( αメチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、及びテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。
酸化防止剤としては、好ましくは、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、及びクエン酸イソプロピルが挙げられる。これらのうち、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、t−ブチルヒドロキノンがより好ましく、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール又は4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノールが更に好ましい。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物に酸化防止剤を含有させる場合、その添加量は、好ましくは1ppm以上とし、より好ましくは5ppm以上とし、更に好ましくは10ppm以上とし、更により好ましくは50ppm以上とし、特に好ましくは100ppm以上とし、最も好ましくは100〜1000ppmとする。
〔9〕溶剤
本発明に係る組成物は、溶剤を更に含んでいてもよい。この溶剤としては、典型的には、有機溶剤を使用する。この有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有していてもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキルが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2アセトキシプロパン)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル及び乳酸ブチルが挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル及び3−メトキシプロピオン酸エチルが挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン及び α−ヒドロキシ−γブチロラクトンが挙げられる。
環を含有していてもよいモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン及び3−メチルシクロヘプタノンが挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネートが挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3メチルブチル、及び酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル及びピルビン酸プロピルが挙げられる。
溶剤としては、常温常圧下における沸点が130℃以上であるものを用いることが好ましい。具体的には、例えば、シクロペンタノン、 γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、PGMEA、3エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル及びプロピレンカーボネートが挙げられる。
これら溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。後者の場合、水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用することが好ましい。
水酸基を含んだ溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、PGME、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び乳酸エチル等が挙げられる。これらのうち、PGME及び乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含んでいない溶剤としては、例えば、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、 γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、 γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン及び酢酸ブチルが挙げられる。これらのうち、PGMEA、エチルエトキシプロピオネート及び2−ヘプタノンが特に好ましい。
水酸基を含んだ溶剤と水酸基を含んでいない溶剤との混合溶剤を使用する場合、これらの質量比は、好ましくは1/99〜99/1とし、より好ましくは10/90〜90/10とし、更に好ましくは20/80〜60/40とする。
なお、水酸基を含んでいない溶剤を50質量%以上含んだ混合溶剤を用いると、特に優れた塗布均一性を達成し得る。また、溶剤は、PGMEAと他の1種以上の溶剤との混合溶剤であることが特に好ましい。
本発明の組成物中における溶剤の含有率は、所望の膜厚等に応じて適宜調整可能であるが、一般的には組成物の全固形分濃度が0.5〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、より好ましくは1.5〜10質量%となるように調製される。
<パターン形成方法>
本発明は、上記した本発明の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜に関する。また、本発明のパターン形成方法は、上記感活性光線性又は感放射線性膜を、露光、現像する工程を有している。
本発明に係る組成物は、典型的には、以下のようにして用いられる。即ち、本発明に係る組成物は、典型的には、基板等の支持体上に塗布されて、膜を形成する。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
この組成物は、例えば、精密集積回路素子やインプリント用モールドなどの製造等に使用される基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン及びクロム蒸着された石英基板など)上に、スピナー及びコーター等を用いて塗布される。その後、これを乾燥させて、感活性光線性又は感放射線性の膜(以下、レジスト膜ともいう)を形成する。なお、公知の反射防止膜を予め塗設することもできる。
次いで、上記の感活性光線性又は感放射線性膜に活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。ベークを行うことにより、更に良好なパターンを得ることが可能となる。
活性光線又は放射線としては、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、及び電子線が挙げられる。これら活性光線又は放射線としては、例えば250nm以下、特には220nm以下の波長を有したものがより好ましい。このような活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、及び電子線が挙げられる。好ましい活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマーレーザー、電子線、X線及びEUV光が挙げられる。より好ましくは、電子線、X線及びEUV光である。
すなわち、本発明は、KrFエキシマーレーザー、電子線、X線又はEUV光用(より好ましくは電子線、X線又はEUV光用)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物にも関する。
現像工程では、通常、アルカリ現像液を用いる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及びアンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン及びn−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン及びメチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、又は、ピロール及びピヘリジン等の環状アミン類を含んだアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、適当量のアルコール類及び/又は界面活性剤を添加してもよい。
アルカリ現像液の濃度は、通常は0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpH
は、通常は10.0〜15.0である。
本発明の含窒素化合物(N)は、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)を含む組成物を塗布、製膜、露光した後に、有機溶剤を主成分とする現像液を用いて現像し、ネガ型パターンを得るプロセスにも用いることができる。このようなプロセスとしては例えば特開2010−217884号公報に記載されているプロセスを用いることができる。
有機系現像液としては、エステル系溶剤(酢酸ブチル、酢酸エチルなど)、ケトン系溶剤(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど)、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。有機系現像液全体としての含水率は10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む工程を経て製造される半導体デバイスにも関する。本発明の半導体デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
なお、本発明に係る組成物を用いてインプリント用モールドを作製してもよく、その詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」を参照されたい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<含窒素化合物(N)>
〔合成例1:化合物(AM−39)の合成〕
化合物(AM−39)を、下記スキームに従って合成した。
6.30gの化合物(1)を160.00gの塩化メチレンに溶解させ、6.50gのトリエチルアミンを加えた。0℃に冷却し、10.00gの化合物(2)(増田化学工業(株)製)を滴下し、室温で4時間撹拌した。1000gの酢酸エチルを加えて、有機層を300gのイオン交換水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで単離精製し、9.73gの(AM−39)を得た。
1H−NMR(ppm、CDCl):1.26−1.30(1H、m)、1.91−1.95(1H、m)、2.14−2.19(2H、m)、3.64−3.76(4H、m)、3.99−4.02(2H、m)、4.64(1H、t)、5.09(1H、s)、7.41−7.45(2H、m)、7.77−7.80(1H、m)、7.85−7.88(1H、m)
Figure 2013218115
〔その他の含窒素化合物〕
上記化合物(AM−39)以外の含窒素化合物(N)として、先に挙げた含窒素化合物(AM−1)〜(AM−45)の中から、表3及び表4に示す化合物を、上記合成例1と同様の方法で合成した。
<樹脂(Ab)>
〔合成例2:樹脂(Ab−14)の合成〕
特開2007−052193号公報の段落0153に記載のポリマー(B−2)の合成方法と同様の方法で合成した。
〔合成例3:樹脂(Ab−97)の合成〕
特開2009−86358号公報の段落0357に記載のポリマー(A−1)と同様の方法で合成した。
〔合成例4:樹脂(Ab−245)の合成〕
樹脂(Ab−245)を、下記スキームに従って合成した。
Figure 2013218115
(化合物(5)の合成)
100.00gの化合物(1)を、400gの酢酸エチルに溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、47.60gのナトリウムメトキシド(28質量%メタノール溶液)を30分かけて滴下した。その後、これを室温で5時間に亘って撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて、有機層を蒸留水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、化合物(2)(54質量%酢酸エチル溶液)131.70gを得た。
18.52gの化合物(2)(54質量%酢酸エチル溶液)に、56.00gの酢酸エチルを加えた。これに、31.58gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを加え、0℃に冷却した。12.63gのトリエチルアミンを25.00gの酢酸エチルに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、液温を0℃に維持したまま4時間に亘って撹拌した。酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、32.90gの化合物(3)を得た。
35.00gの化合物(3)を315gのメタノールに溶解させ、0℃に冷却し、245gの1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、34.46gの化合物(4)を得た。
28.25gの化合物(4)を254.25gのメタノールに溶解させ、23.34gのトリフェニルスルホニウムブロミドを加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去して、蒸留水を加えて、クロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を蒸留水で3回洗浄した後、溶媒を留去した。このようにして、42.07gの化合物(5)を得た。
(樹脂(Ab−245)の合成)
8.15gの化合物(6)(53.1質量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.14gの化合物(7)と、7.31gの化合物(5)と、2.07gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、30.13gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に7.53gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に2時間かけて滴下した。反応溶液を4時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、30gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。250gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を70gのアセトンに溶解させ、700gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、13.87gの樹脂Ab−245を得た。
〔その他の樹脂(Ab)〕
上記樹脂(Ab−14)、(Ab−97)及び(Ab−245)以外の樹脂(Ab)として、先に挙げた樹脂(Ab−1)〜(Ab−267)の中から、表2に示す樹脂の各々を、合成例2〜4で述べた方法と同様の方法で合成した。
上記で合成した樹脂(Ab)について、GPC(東ソー株式会社製;HLC−8120;Tsk gel Multipore HXL−M)を用いて重量平均分子量及び分散度を測定した。その結果を、組成比と共に下記表2に示す。なお、このGPC測定では、溶媒としてTHFを用いた。具体例に示した各樹脂における各繰り返し単位の位置関係と、表2における組成比の数字の位置関係は対応する。
Figure 2013218115
<樹脂(Aa)>
樹脂(Aa)としては、先に挙げた樹脂(B−1)〜(B−55)の中から、表3及び表4に示す(B−16)、(B−29)及び(B−52)を使用した。
<光酸発生剤>
光酸発生剤としては、先に挙げた化合物(B−1)〜(B−177)、(Y−1)〜(Y−75)の中から、表3及び表4に示す化合物を使用した。
<塩基性化合物>
本発明の含窒素化合物(N)以外の塩基性化合物としては、下記N−1〜N−5の何れかを用いた。
Figure 2013218115
<界面活性剤>
界面活性剤としては、下記W−1〜W−4の何れかを用いた。
W−1:メガファックR08(DIC(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−2:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製;フッ素系)
W−4:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
<溶剤>
溶剤としては、下記S−1〜S−4の何れかを適宜混合して用いた。
S−1:PGMEA(b.p.=146℃)
S−2:PGME(b.p.=120℃)
S−3:乳酸メチル(b.p.=145℃)
S−4:シクロヘキサノン(b.p.=157℃)
<レジスト評価:EB露光>
下記表3に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させて、固形分濃度が3.0質量%の溶液を調製した。この溶液をポアサイズ0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを用いてろ過して、ポジ型レジスト溶液を得た。
表3中に示した「質量%」の数値は、組成物の界面活性剤を除く全固形分を基準とした値である。なお、界面活性剤の含有率は、組成物の界面活性剤を除く全固形分に対して0.01質量%である。
ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に、スピンコータを用いて、上記のポジ型レジスト溶液を塗布した。これを、110℃で90秒間に亘ってホットプレート上で加熱乾燥させ、平均膜厚が100nmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に対し、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750;加速電圧50keV)を用いて電子線照射を行った。照射後直ぐに、130℃で90秒間に亘ってホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を形成した。
〔感度〕
まず、得られたラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、100nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを求め、この値を「感度(μC/cm)」とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その形状を、「矩形」又は「逆テーパー」の2段階で評価した。
〔解像性〕
上記で得られた感度において、ライン:スペース=1:1が何nmまで解像するかを上記走査型電子顕微鏡により観察した。
これらの評価結果を、表3に示す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
<レジスト評価:EUV露光>
下記表4に示す各成分を、同表に示す溶剤に溶解させて、固形分濃度が1.5質量%の溶液を調製した。この溶液をポアサイズ0.1 μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを用いてろ過して、ポジ型レジスト溶液を得た。
表4中に示した「質量%」の数値は、組成物の界面活性剤を除く全固形分を基準とした値である。なお、界面活性剤の含有量は、組成物の界面活性剤を除く全固形分に対して0.01質量%である。
ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に、スピンコータを用いて、上記のポジ型レジスト溶液を塗布した。これを、120℃で90秒間に亘ってホットプレート上で加熱乾燥させ、平均膜厚が50nmのレジスト膜を得た。
このレジスト膜に対し、EUV露光装置を用いてEUV光を照射した。照射後直ぐに、130℃で90秒間に亘ってホットプレート上にて加熱した。その後、濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて、23℃で60秒間現像し、30秒間純水を用いてリンスした後、乾燥させた。これにより、ラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を形成した。
〔感度〕
まず、得られたラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、50nmの線幅のラインを解像する際の最小照射エネルギーを求め、この値を「感度(mJ/cm)」とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターン(ライン:スペース=1:1)の断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4800)を用いて観察した。そして、その形状を、「矩形」又は「逆テーパー」の2段階で評価した。
〔解像性〕
上記で得られた感度において、ライン:スペース=1:1が何nmまで解像するかを上記走査型電子顕微鏡により観察した。
〔デフォーカスラチチュード(DOF)〕
50nmのラインパターン(ライン:スペース=1:1)、50nmの孤立ライン(ライン:スペース=1:10)、50nmの孤立トレンチパターンについて、焦点変動許容幅を求め、すべてにおいて許容できる共通の焦点変動幅(μm)を求めた。
これらの評価結果を、表4に示す。
Figure 2013218115
Figure 2013218115
Figure 2013218115
上記実施例において、現像液としてアルカリ現像液の代わりに有機溶剤である酢酸ブチルを用いた場合でも、良好なネガ型パターンを得ることができた。
上記結果より、本発明の組成物は、各種の半導体素子、記録媒体などの電子デバイスの製造におけるリソグラフィープロセスにおいて、好適に用い得ることがわかる。

Claims (12)

  1. 1個又は2個の水素原子が窒素原子に結合したアミノ基を1つ以上有する化合物の前記水素原子の1個以上が、−SO−Rc基(式中、Rcは酸分解性基を含む基である)により置換された含窒素化合物(N)であって、前記酸分解性基の分解に伴い、前記アミノ基における窒素原子と前記−SO−Rc基における硫黄原子の間の結合が開裂してアミノ化合物(a)を生じる含窒素化合物(N)と、
    酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(Ab)と
    を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  2. 前記含窒素化合物(N)は以下の一般式(N3)で表され、前記アミノ化合物(a)は以下の一般式(N1)で表される、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
    Figure 2013218115
    一般式(N3)において、
    Ra及びRbは水素原子又は置換基を表し(但し、Ra及びRbが共に水素原子である場合は除く)、RaとRbが連結して、RaおよびRbが結合する窒素原子と共に環を形成していても良く;
    Rcは、酸分解性基を含む基である。
  3. 前記含窒素化合物(N)は、以下の一般式(N3a)〜(N3d)のいずれかで表される請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
    Figure 2013218115
    一般式(N3a)〜(N3d)において、
    〜R、R12、R13、及びR15〜R20は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;
    、R及びR14は、それぞれ独立に、置換基を表し、式(N3c)における2つのR14は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく;
    RaおよびRbは、請求項2で定義した通りである。
  4. 前記含窒素化合物(N)において、RaとRbが連結し、RaおよびRbが結合する窒素原子と共に環を形成している、請求項2又は3に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  6. 樹脂(Ab)は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位(B)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  7. 更に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを含有する樹脂(Aa)を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 前記樹脂(Ab)は、少なくとも1種の下記一般式(A)により表される繰り返し単位(A)を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物:
    Figure 2013218115
    一般式(A)中、
    41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表し(但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す);
    は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し(ここで、R64は水素原子又はアルキル基を表す);
    は、単結合又はアルキレン基を表し;
    Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成している場合には(n+2)価の芳香環基を表し;
    nは、1〜4の整数を表す。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を含む感活性光線性又は感放射線性膜。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物を含む膜を形成することと、該膜に活性光線又は放射線を照射することと、前記活性光線又は放射線を照射した膜を現像することとを含むパターン形成方法。
  11. 前記活性光線又は放射線は、EUV光である請求項10に記載のパターン形成方法。
  12. 請求項10又は11に記載のパターン形成方法を含む工程を経て製造される半導体デバイス。
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