JP6227365B2 - 保冷具 - Google Patents

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本発明は、保冷具、特に人の身体の所定部位を避暑したり保冷したりすることに役立つ保冷具に関する。
従来、この種の保冷具として、頭部に巻き付ける鉢巻きや頭部に被せるバンダナで形成した袋部、三角巾で形成した袋部などに、保水性ポリマーを収納したものが知られていた(特許文献1参照)。また、平板状のポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる乾湿可逆性基材の全体を、ナイロンなどの合成繊維で作られた粗目ネットに包み込んだ保冷具も知られていた(特許文献2参照)。これらの特許文献1や特許文献2に記載されている保冷具は、水の気化熱によって身体を保冷するというものであって、身体の所定部位を保冷するのに便利に使用される。
特開平8−247593号公報 特開2006−238918号公報
特許文献1によって提案されている保冷具では、水を吸収してゲル状になった保水性ポリマーが、圧迫により形崩れを起こして袋から漏れ出し、鉢巻きやバンダナなどの袋部にぬめりが付着することがあった。そのため、保冷具を使用するときには、水に浸けて保水性ポリマーをゲル状にした後、鉢巻きやバンダナなどの袋部に付着したぬめりを完全に洗い落とすという面倒な予備作業を行った後に、余分な水分を搾り取って身体に装着することが必要になるという煩わしさがあった。
これに対し、特許文献2によって提案されている保冷具では、水を吸収させてもゲル状物質が漏れ出すおそれがないためにぬめりを生じず、長時間に亘って保冷効果を持続させることができる、という優れた利点を備えている。その一方で、この保冷具では、粗目ネットによって包み込まれている平板状のポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる乾湿可逆性基材が、乾燥時に硬化してしまっているので、そのままでは首筋や額などの身体の保冷箇所に馴染ませることができない。そこで、この保冷具では、基材を水で十分に湿潤させることによって基材に十分な柔軟性を与えてから、その保冷具を首筋や額などの身体の保冷箇所に当てるということが行われている。
しかしながら、特許文献2によって提案されている保冷具は、基材を水で十分に湿潤させて首筋や額などの身体の保冷箇所に装着したとしても、基材が平板状であるために保冷具が身体の保冷箇所の形状にうまく馴染まずにこわばった状態になりやすく、その結果、保冷作用が損なわれやすいだけでなく、ソフトな装着感も損なわれることがあるという問題があった。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、湿潤させた基材に含まれる水の気化熱によって身体を保冷することを基本とし、特許文献2に示されている乾湿可逆性を持つポリビニルアセタール系樹脂多孔質体を基材に採用したものでありながら、基材が湿潤しているときは勿論、基材が乾燥しているときであっても、その基材が身体の凹んだ箇所や膨らんだ箇所の形状に無理なく馴染んでこわばり感を生じにくいという、ソフトな装着感に優れた保冷具を提供することを目的とする。
併せて、本発明は、身体の保冷箇所に装着したときの冷却作用が、特許文献2によって提案されている保冷具を凌ぐ保冷具を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、基材を包み込んでいる保持材に比較的大きな通気口を具備させて体温を基材に伝わりやすくしてあるにもかかわらず、基材がその通気口を通り抜けて脱落することが防止される保冷具を提供することを目的とする。
本発明に係る保冷具は、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる乾湿可逆性基材が通気性を有する保持材に包み込まれ、その保持材に、上記基材を身体の保冷箇所に臨ませるための身体装着機能を持たせてあるという基本構成を備えている。そして、上記基材が、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体でなる。また、上記保持材が、上記集合体を内包して平板状ないし丸棒状に保形している親水性を有する不織布でなる内布と、この内布を包み込んでその両側に延び出た外布とでなり、その外布に上記身体装着機能を持たせてあると共に、その外布が、織り目の大きさよりも大きな開口によって形成された多数の通気口を全体に亘って散在させた織布でなる。
上記の基本構成を備えていると、水を吸収する基材としてのポリビニルアセタール系樹脂多孔質体が、それ特有の優れた吸水性や含水性を発揮し、併せて、湿潤時に好ましい柔軟性や反発弾性を発揮する。しかも、そのポリビニルアセタール系樹脂多孔質体は吸水して湿潤してもぬめりを生じない性質を有している。したがって、上記の基本構成を備えた 本発明の保冷具によると、使用時には、基材を水に浸けて吸水させることにより湿潤させた後、余分な水分を搾り取るだけで直ちに身体に装着して使用することが可能である。
また、本発明の保冷具は、基材が、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体でなる、という特徴構成を有しているので、保冷具を身体の首筋や額などの保冷箇所に装着したときには、集合体を形成している多数の小片が保持材の中で動いて基材が保冷箇所の形状に沿うように変形し(形状追従性)、保冷具が保冷箇所の形状に無理なく馴染んで優れたソフトな装着感を発揮する。この作用は、基材が吸水して湿潤しているときは勿論、乾燥しているときであっても発揮される。したがって、保冷具を身体に装着して使用している間に、湿潤している基材が経時により次第に乾燥してきても、基材の乾燥部分がこわばって良好なソフトな装着感が損なわれる、という状況が生じにくい。さらに、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体で形成されている基材は、上掲の特許文献2に示されている平板状のポリビニルアセタール系樹脂多孔質体で形成されているものに比べると、基材の表面積が広くなるだけでなく、小片の相互間に不可避的に形成される空隙が基材に付与されるため、冷却作用に寄与する水分量が増大し、それだけ冷却作用が向上する。
さらに、保持材が、上記集合体を内包して平板状ないし丸棒状に保形している内布と、この内布を包み込んでその両側に延び出た外布とでなるので、内布によって平板状ないし丸棒状に保形されたポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体でなる基材を首筋や額に無理なく沿わせて装着しやすい。ここで、「平板状ないし丸棒状に保形されている」とは、小片の集合体が内布に内包されることによって数mm〜数十mm程度の厚さを有する偏平な帯状又は短冊形に束ねられている場合、小片の集合体が内布に内包されることによって断面円形又は断面楕円形、断面長円形などの形状に束ねられている場合を含む意味である。このため、屋外でのランニング時やウォーキング時などに、使用者が任意に選択した身体の保冷箇所に無理なく装着して使用することができるという利便性がある。
さらに、保持材を、上記集合体を内包して平板状ないし丸棒状に保形している内布と、外布とに分け、外布に上記身体装着機能を持たせているので、外布の身体装着機能を利用して当該保冷具を身体に装着するときに、基材を内包している内布によって基材の偏りが抑えられ、偏った基材がじゃまになってうまく装着することができなくなる、という事態を回避しやすくなる。
さらに、外布に用いられている織布に、織り目の大きさよりも大きな開口によって形成された多数の通気口が全体に亘って散在していることにより、通気性が織り目だけでなく通気口によっても確保され、体温が通気口を通して基材に伝わりやすくなり、その基材を湿潤させている水分の気化が促進されやすくなって高い冷却作用が発揮されるようになる。それにもかかわらず、基材を包み込んでいる内布に用いられている不織布が基材に用いられている小片を確実に閉じ込める役割を果たし、しかも、不織布が通気性に優れていることにより、全体の通気性を改善することに役立つ外布の通気口を、基材に用いられている小片が通り抜けて脱落するという事態が起こりにくくなる。さらに、不織布は織布に比べて柔軟性に優れているので、内布に不織布を用いることによって基材の形状追従性も促進されることになる。
さらに、本発明では、特に、上記内布が親水性を有する不織布でなるという構成を有している。このように内布が親水性を有していると、基材を水で湿潤させるときに、内布によって基材への水の浸透が促進され、基材を短時間で十分に湿潤させることが可能になる。
本発明に係る保冷具において、基材としての集合体を構成しているポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の小片の形状は、多角形や円板形の薄板片であっても球状であってもよい。また、上記集合体を形成している単一の小片の見掛け上の平均体積は、1mm3以上で1000mm3以下であることが望ましい。集合体を形成している単一の小片の好ましい見掛け上の平均体積が1mm3よりも小さいと、小片のサイズが小さすぎて多数の小片同士が一体化する傾向を示し、多数の小片が保持材の中で個別に動きにくくなって、保冷具を身体の保冷箇所に装着したときに上記の形状追従性が損なわれたり、基材の表面積が広くなることや空隙が形成されることによる利点が失われたりする、ということが云える。また、見掛け上の平均体積が1000mm3よりも大きいと、小片のサイズが大きすぎて多数の小片の集合体の形状追従性に係る利点が失われやすく、また、基材の表面積が広くなることや空隙が形成されることによる利点も失われやすい、ということが云える。望ましい小片の見掛け上の平均体積は1〜1000mm3であり、この範囲であると、良好で無理のない形状追従性が発揮されるだけでなく、冷却作用に寄与する水分量が増大して冷却作用が向上する。
本発明では、外布に形成されている多数の上記通気口が、集合体を形成している個々の上記小片の通り抜けを不能にするサイズ又は形状を有していることが望ましい。この構成であると、外布の通気口を、基材に用いられている小片が通り抜けて脱落するという事態が確実に防止される。
本発明では、集合体を形成している個々の上記小片が、織物でなる芯地がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体によって覆われて一体化されたものを含む、という構成を採用することが可能である。本発明において集合体を形成している個々の小片には、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体だけでなるもの(一層体)を用いることは勿論、この発明のように、織物でなる芯地がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体によって覆われて一体化されたもの(複合体)だけを用いることも可能である。また、このような複合体と上記の一層体とを混合して用いることも可能である。複合体は、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の劣化が進んでも、それが芯地から分離して細片ないし細粉になるという事態が抑制される。そのため、基材の耐用寿命が改善されるだけでなく、芯地から分離した細片ないし細粉が不織布の目や外布の通気口をその細片ないし細粉が通り抜けるという事態が生じにくくなる。
本発明において、上記外布は、接触冷温感評価値Qmaxが、下記(1)式又は(2)式の範囲である織布でなることが望ましい。
Qmax=0.2W/cm2 ……(1)
Qmax>0.2W/cm2……(2)
W/cm2 は、単位面積当りの熱の吸収量を示している。
接触冷温感評価値は、一般的に、肌面が生地(本発明では保持材又は外布)に触れたときに、冷たく感じるか温かく感じるかを評価することに用いる値である。言い換えると、肌面から生地への熱の移動量によって冷温感の感じ方が異なるという事実を評価する指標として利用されていて、接触冷温感評価値Qmaxの値が大きいほど、冷感度や接触涼感性、ドライ感などに優れ、着用感が向上する。接触冷温感評価値Qmaxが0.2W/cm2よりも小さいと、十分な冷感度や接触涼感性、ドライ感が得られにくくなると推考される。
以上説明したように、本発明によれば、上掲の特許文献2によって提案されている保冷具によって得られる効果、すなわち、基材の湿潤時に好ましい柔軟性や反発弾性を発揮し、基材が湿潤してもぬめりを生じず、身体への装着準備が簡単である、といった効果が得られる。
それに加えて、基材が、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体でなるので、保冷具を身体の首筋や額などの保冷箇所に装着したときの形状追従性に優れている。そのため、保冷具が保冷箇所の形状に無理なく馴染んで優れたソフトな装着感が得られる。また、基材がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体で形成されていることにより、基材の表面積が広くなり、基材に小片の相互間に不可避的に形成される空隙が付与されることになり、冷却作用に寄与する水分量が増大し、それだけ冷却作用が向上するという効果が奏される。
さらに、外布に通気口を形成して全体の通気性を改善してあるとしても、保持材としての不織布でなる内布が、基材に用いられている小片を確実に閉じ込める役割を果たすので、基材に用いられている小片がその通気口を通り抜けて脱落するという事態が起こりにくいという効果が奏される。
本発明の実施形態に係る保冷具を一部破断して説明的に示した概略外観図である。 小片の具体的形状を例示した説明図である。 図1のIII−III線に沿う部分を拡大断面で示した説明図である。 外布を説明的に示した部分平面図である。 身体装着機能を発揮させるための構成の一例を示した概略斜視図である。 変形例による小片の説明図である。
図1は本発明の実施形態に係る保冷具Aを一部破断して説明的に示した概略外観図である。同図の保冷具Aでは、浸み込んだ水を保持して湿潤しかつ外部熱の影響を受けて保持している水を気化させるという乾湿可逆性を有する基材2(後述する)を保持材1に包み込んでなる。保持材1は柔軟な内布11と柔軟な外布12とに分かれていて、外布12に身体装着機能(後述する)を持たせてある。
内布11は細長に形作られていて、基材2を内包し得る筒形になっている。外布12も細長に形作られていて、その中央部に内布11を包み込み、かつ、内布11の両側にほゞ同一長さに亘って延び出ている。
内布11に内包されている乾湿可逆性の基材2は、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体(PVAt系樹脂多孔質体)でなる多数の小片21(後述する)の集合体でなる。ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体は、優れた吸水性や含水性を発揮し、併せて、湿潤時に柔軟性や反発弾性を発揮するだけでなく、吸水して湿潤してもぬめりを生じない性質を有している。この種のポリビニルアセタール系樹脂多孔質体は、ポリビニルアルコール、気孔形成剤、架橋剤及び架橋触媒からなる反応液を架橋反応させた後、気孔形成剤を除去することによって製造されるのであって、アセタール化度が小さいほど吸水性に優れている。なお、界面活性剤を含有又は付着させたポリビニルアセタール系樹脂多孔質体を用いると、完全に乾燥しきったポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の吸水速度が速まることがわかっていて、そのように界面活性剤で処理したポリビニルアセタール系樹脂多孔質体を用いた基材2では、水に浸けると1分以内に基材2が十分な湿潤状態になって長時間に亘って保冷作用を発揮するのに十分な吸水量が確保される。
基材2としての集合体を形成している小片21には任意の形状のものを使用することができる。使用可能な小片21の具体的形状を図2に示している。同図(イ)は多角形に形成された薄板状の小片21を示し、同図(ロ)は円板形に形成された薄板状の小片21を示し、(ハ)は球形の小片21を示している。これらはすべて例示であり、図示していない多角形、歪みを持った円板形や球形などであっても、勿論差し支えなく使用することが可能である。
基材2が、柔軟な内布11に内包されて多数の小片21の集合体によって形成されていると、基材2が湿潤しているときでも乾燥しているときでも、多数の小片21が内布11の中で自由に動くので、柔軟な外布12が、内布11を包み込んでいる中央部分でも様々な形状に容易に変形する。そのため、保冷具A自体が優れた形状追従性を備えていることになり、保冷具Aを身体の首筋や額などに装着したときに、こわ張り感を感じにくいソフトな装着感が得られる。したがって、保冷具Aを身体に装着して使用している間に、湿潤している基材2が経時により次第に乾燥してきても、基材2の乾燥部分がこわばって良好なソフトな装着感が損なわれる、という状況が生じにくい。
また、基材2がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片21の集合体で形成されていると、上掲の特許文献2によって提案されているような基材が平板状に形成されているものに比べて、基材2の表面積が格段に広くなるだけでなく、小片21の相互間に不可避的に形成される空隙が基材2に付与されるため、冷却作用に寄与する水分量が増大して、それだけ高い冷却作用が発揮される。
基材2としての集合体を形成しているポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる小片21は、たとえば次の方法で製造することが可能である。すなわち、厚さ1〜2mm程度のポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる乾燥したシートを、粉砕機などを使用して小さく粉砕するという方法や、厚さ数mm程度(たとえば1〜2mm)の乾燥したポリビニルアセタール系樹脂多孔質体をシート状にスライス加工した後、打抜き機などを用いて一体の体積を有する小片状に加工するという方法、などを適宜採用することが可能である。
この実施形態では、基材2としての集合体を形成している単一の小片21は、その見掛け上の平均体積が、1mm3以上で1000mm3以下の範囲に収まっている。集合体に含まれる単一の小片21の見掛け上の平均体積がこの範囲に収まっていると、良好で無理のない形状追従性が発揮されるだけでなく、冷却作用に寄与する水分量が増大して優れた冷却作用が発揮されることを確認している。
内布11と外布12とは、ホットメルトで接着されていると共に筒状に縫製されていて、外布12に包み込まれた内布11の中にポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる多数の小片21が装填され、装填された多数の小片21でなる集合体が、内布11によって平板状ないし丸棒状に保形されている。ここで、「平板状ないし丸棒状」とは、数mm〜数十mm程度の厚さを有する偏平な帯状又は短冊形、断面円形又は断面楕円形、断面長円形などの形状を含む意味である。内布11の内部への小片21の装填量は、細長い袋状の内布11を容易に偏平に押し潰したり、容易に円弧状に折り曲げたり、容易に屈曲させたりすることかできる程度に抑えられている。
また、外布12の両端部が先尖り形状に形作られている。そして、外布12の中央部に位置ずれしないように内布11が包み込まれている。なお、図1において、符合14は外布12の両耳縁を結合している縫着線を示している。
図3は図1のIII−III線に沿う部分を拡大断面で示した説明図である。同図のように、外布12の中央部では、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる多数の小片21の集合体でなる基材2を内包している内布11が外布12に摺動可能に重なり合っている。
この実施形態では、内布11に親水性を有する不織布を採用している。「親水性」とは、水に濡れやすく、水に浸けたときに表面を濡らして内部に水をスムーズに浸透させることのできる性質のことである。このように内布11に親水性を有する不織布を採用しておくと、内布11に内包されている基材2を水で湿潤させるときに、内布11によって基材2への水の浸透が促進され、基材2を短時間で十分に湿潤させることが可能になる。また、一般的な不織布は、織布に比べて柔軟性に優れているので、内布11に不織布を用いることによって基材2の形状追従性も促進されることになる。
図4は外布12を説明的に示した部分平面図である。この実施形態では、外布12に織布を採用していて、同図に示したように、その織布に、当該織布自体に備わっている織り目の大きさよりも大きな開口でなる多数の通気口15を全体に亘って散在させている。同図では、通気口15を規則的な配列パターンで散在させた事例を示したけれども、通気口15の配列パターンは不規則であってもよい。また、外布12には、ナイロン繊維でなる織布が使われている。
実施形態で採用されている外布12には、接触冷温感評価値Qmaxが、下記(1)式又は(2)式の範囲に収まる織布が採用されている。
Qmax=0.2W/cm2 ……(1)
Qmax>0.2W/cm2 ……(2)
W/cm2 は、単位面積当りの熱の吸収量を示す。
接触冷温感評価値Qmaxは、肌面が外布12に触れたときに、冷たく感じるか温かく感じるかを評価することに用いられていて、接触冷温感評価値Qmaxの値が大きいほど、冷感度や接触涼感性、ドライ感などに優れ、着用感にも優れている。接触冷温感評価値Qmaxが(1)式又は(2)式の範囲に収まる外布12を用いると、使用中の冷感度や接触涼感性、ドライ感などに優れ、着用感もよくなることが確認されている。接触冷温感評価値Qmaxで(1)式又は(2)式の範囲に収まる外布12としてナイロン素材の織布、さらに具体的には、東レ株式会社の商品名「クールインF」やユニチカ社の商品名「クールキャッチプラス」を好適に用いることができる。一般的に、これらの織布は衣類に利用されている。
次に、外布12に備わっている身体装着機能を説明する。この身体装着機能は、保冷具
Aを身体に装着することに利用される。
図5は身体装着機能を発揮させるための構成の一例を示した概略斜視図である。同図の例では、保持材1としての外布12の一端部の耳部同士を縫着してループ部16を形成し、そのループ部16に外布12の他端部を挿し通すことができるようにしている。この構成であれば、保冷具Aを身体の保冷箇所、たとえば首筋に装着したいときに、首に巻き付けた外布12の他端部を上記のループ部16に挿し通すことによって、内布11に内包されている基材2を首筋に沿わせて無理なく装着することができる。なお、身体装着機能は他の手段によっても保冷具に付与することが可能である。たとえば、図1の保冷具Aでは、外布12の両端部を結び合わせることによって身体装着機能が発揮される。面状ファスナーなどの止め具を外布12の両端部に縫着しておくことによっても発揮される。
以上説明した保冷具Aによると、使用時には、保冷具Aの全体又は中央部分を水に浸けて基材2を湿潤させた後、余分な水分を搾り取るだけで直ちに使用することができる。使用に際しては、身体の保冷すべき箇所に吸水させて湿潤させた基材2を当てがうようにして保冷具Aを身体に装着することによって、基材2からの水分の気化熱によって保冷作用が発揮される。そのため、たとえば炎天下での農作業のほか、ゴルフなどの屋外スポーツに使用することができるほか、病気発熱に際しての熱さましなどにも好適に用いることができる。
また、基材2を内包している内布11が親水性を示すので、基材2を短時間で湿潤させることが可能であり、身体に装着したときには、保冷具Aが被服を濡らしたり肌に付着することによる不快感が生じたりしにくく、しかも、基材2に外布12の通気口15を通して体温が伝わりやすくなって基材2を湿潤させている水分の気化が促進されやすくなり、気化熱による保冷作用が効率よく発揮される。
上記した保冷具Aにおいて、基材2に用いられる小片には、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体だけによって形成されているもの(一層体)を用いることができることは勿論、芯地によってポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の細片化や細粉化を抑制したものを用いることも可能である。
図6は小片の変形例を示した説明図である。同図の小片21は、織物でなる芯地22がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体層23,23によって覆われて一体化された複合体でなる。このような複合体でなる小片21は、上記した一層体と混ぜて使用してもよい。また、複合体でなる小片21だけで基材としての集合体を構成してもよい。小片21が図6のような芯地22を備えた構成を有していると、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体層23の劣化が進んでも、それが芯地22から分離して細片ないし細粉になるという事態が抑制されるため、基材2の耐用寿命が改善されるだけでなく、芯地22から分離した細片ないし細粉が不織布の目や外布の通気口15をその細片ないし細粉が通り抜けるという事態が生じにくくなる。
A 保冷具
1 保持材
2 基材
11 内布
12 外布
15 通気口
21 ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の小片
22 芯地
23 ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体層

Claims (5)

  1. ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体でなる乾湿可逆性基材が通気性を有する保持材に包み込まれ、その保持材に、上記基材を身体の保冷箇所に臨ませるための身体装着機能を持たせてある保冷具であって、
    上記基材が、ポリビニルアセタール系樹脂多孔質体の多数の小片の集合体でなり、
    上記保持材が、上記集合体を内包して平板状ないし丸棒状に保形している親水性を有する不織布でなる内布と、この内布を包み込んでその両側に延び出た外布とでなり、その外布に上記身体装着機能を持たせてあると共に、その外布が、織り目の大きさよりも大きな開口によって形成された多数の通気口を全体に亘って散在させた織布でなることを特徴とする保冷具。
  2. 上記集合体を形成している単一の小片の見掛け上の平均体積が、1mm3以上で1000mm3以下である請求項1に記載した保冷具。
  3. 外布に形成されている多数の上記通気口が、集合体を形成している個々の上記小片の通り抜けを不能にするサイズ又は形状を有している請求項1又は請求項2のいずれかに記載した保冷具。
  4. 集合体を形成している個々の上記小片が、織物でなる芯地がポリビニルアセタール系樹脂多孔質体によって覆われて一体化されたものを含む請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した保冷具。
  5. 上記外布は、接触冷温感評価値Qmaxが、下記(1)式又は(2)式の範囲である織布でなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した保冷具。
    Qmax=0.2W/cm2 ……(1)
    Qmax>0.2W/cm2 ……(2)
    W/cm2 は、単位面積当りの熱の吸収量を示す。
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