JP6638898B2 - 頭部冷却用具 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は人体頭部に装着して頭部を冷却するための頭部冷却用具に関する。
夏季外出時や工事現場の帽子・ヘルメットの装着時における頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、帽子またはヘルメットに設けたポケットに冷却部材を挿入した種々の冷却帽子が提案されている。また、帽子またはヘルメットの下に被る冷却補助具も提案されている。
他方、家庭や医療現場において、発熱・ほてり・のぼせ等の頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、氷塊を袋中に充填した氷のう・冷水を含浸した冷水布・布基材表面に含水ゲル剤を構成した冷却貼付剤などの頭部冷却用具を人体の額に接触させる方法が汎用されている。
例えば、下記のような種々の形態、構成、形状の冷却機能を備えた冷却帽子、帽子又は着衣に装着可能な冷却補助具、及び、頭部冷却用具が提案されている。
冷却機能を備えた冷却帽子としては、下記の冷却帽子が提案されている。
特開2013−2004号公報(特許文献1)には、装着者の頭部を覆うための半球状のクラウンを備えた帽子であって、クラウンがその外面を形成するクラウン表地とクラウン表地の裏面側に配されたメッシュ素材からなるクラウン裏地とで構成され、クラウン裏地がクラウン表地に対してクラウンの下縁と頂部とを結ぶ経線方向に沿って縫着されるとともに、クラウン裏地の下縁がクラウン表地の下縁に沿って縫着されないことにより、クラウン表地とクラウン裏地との間に、クラウンの下縁に開口部を有するポケットが形成され、該ポケットには吸湿性を有する不織布で形成された冷却シートが抜き取り可能な状態で収容され、冷却シートが前記ポケットに収容された状態にあっては、冷却シートに吸収された水分が蒸発する際の気化熱により装着者の頭部を冷却することを可能とし、前記開口部から冷却シートを抜き取った際には、冷却シートによる冷却効果がない帽子として使用できるようにしたことを特徴とする帽子であって、暑い時期には装着者の頭部を快適に冷却しながら装着できるだけでなく、寒い時期には通常の帽子として快適に装着することができる帽子が開示されている。
実登3166795号公報(特許文献2)には、帽子本体と冷却ベルトと冷却パッドとからなる帽子であって、前記帽子本体は頭部を被覆するクラウンと前記クラウン内面の頭頂に対応する箇所に設けられたポケットと前記クラウン内面の開口縁に沿って額に対応する箇所に取り付けられた本体側面ファスナ部とを有し、前記冷却ベルトは高吸水性繊維を含むベルト本体とベルト本体の片面に取り付けられたベルト側面ファスナ部とを有して、前記ベルト側面ファスナ部により前記帽子本体の本体側面ファスナ部に着脱自在であり、前記ベルト本体の高吸水性繊維が吸収した水の気化熱により頭部の額近辺の熱を奪って冷却可能であり、前記冷却パッドは高吸水性繊維を含むパッド本体と前記パッド本体を包むメッシュカバーとを有して、前記帽子本体のポケットに出し入れ可能であり、前記パッド本体の高吸水性繊維が吸収した水の気化熱により頭部の頭頂近辺の熱を奪って冷却可能である帽子であって、頭部の額近辺と頭頂近辺の双方を冷却可能で、かつ装着感の良好な帽子が開示されている。
実登3164804号公報(特許文献3)には、頭頂部内側に円形もしくは楕円形の冷却ジェル袋を備え、前記冷却ジェル袋は、冷却ジェルを挿入可能とするスリットを有し、且つ、取り付け部材により頭頂部内側に着脱可能であることを特徴とし、汗止め、防臭、帽子への汚れ付着防止が可能であり、且つ、装着者の頭部の冷却が可能な帽子が開示されている。
実登3014909号公報(特許文献4)には、一部若しくは全体を通風性の良いメッシュ生地で形成した頭部被冠部1の頭頂部内面に、アイスノン(株式会社白元本舗の商標)等の蓄冷剤入り袋2が交換自在に収容できる交換用開口部3を有するポケット状袋部からなる保持部4を形成した防暑用帽子であって、保持部4の交換用開口部5は、解放したままでも良いが、保持部4を頭頂部の外面に設ける場合には、蓄冷剤入り袋等の不用意な脱落を防止するために、ファスナー、ホック等の止着手段6によって開閉自在とした防暑用帽子の構造であって、単に直射日光を遮るだけでなく、頭部冷却を可能として、疲労の軽減、平常時の思考力と機敏なる行動力を維持することができる防暑用帽子が開示されている。
実開昭63−81823号号公報(特許文献5)には、帽子の内側にポケットを付け、液化潜熱を応用した冷却剤を上記ポケットに取り付けた構成を有し、頭部を冷却する冷たい帽子が提案されている。
実開昭63−60426号号公報(特許文献6)には、布巾等可撓性材料で作った帽体の内側に、帽体に沿って着脱可能に断熱帽状体に取り付け、この断熱帽状体の内壁面に沿わせてゲル状の冷媒を合成樹脂フィルムで形成した袋に密封してなる適宜厚みの冷却袋を、ファスナーにより着脱可能に定着し、該冷却袋の表側に通気性大でやや肉厚の帽状をしたクッション体を取り外し可能に被覆装着した頭部を冷やす帽子が開示されている。
帽子の内側に装着可能な冷却補助具としては、下記の冷却補助具が提案されている。
特開2003−88543号公報(特許文献7)には、2枚のシート材を熱シールして袋状とし、内部に所要量の高吸水性ポリマーを収納した冷却補助部材であって、2枚のシート材の内、少なくとも一方に通水性を有するシート材を使用し、全体形状を円形または多角形に形成し、中心部から放射状に複数条のシール部を形成したことを特徴とする帽子用冷却補助部材にすることによって、帽子装着時に頭部を冷やす方法であって、これにより、冷却媒体を再冷却して繰り返し使用することが可能であり、その冷却媒体を家庭の冷蔵庫等でも簡単に扱えるようにし、頭部への接触性を良くし、1つの冷却媒体で頭部の冷却を行え、専用のヘルメットや帽子等でなくても使用できる効果を奏することが開示されている。
特開2000−290822号公報(特許文献8)には、内底板部を、帽体を被着する者の頭部と対応して周縁から真中に向かって凹陥する凹湾曲面に形成し、外壁板部を内底板部と所要の間隔で離隔する凸湾曲面に形成し、夫々の周縁を接続して、帽体を被着する者の頭部を適宜深さその内方に収容可能に形成すると共に、外壁板部と内底板部との間の空洞部に冷却剤を封入してなる帽子用冷却盤であって、一般帽子、防護用ヘルメット等の帽体内に配備し、動揺することなく、着帽者の頭部を安定して保冷する効果を奏する帽体用冷却盤が開示されている。
実登3113543号公報(特許文献9)には、袋状体に高分子吸水剤を収容して形成された保冷材と、前記保冷材の少なくとも一部を着脱可能に包む包被材と、前記包被材を保冷対象物に装着するための係止手段と、保冷対象物に加工を施すことなく使用することができ、身体への着脱や運動などによって保冷効果が低下することがなく、優れた保冷効果を得ることができる保冷具が開示されている。
頭部冷却用具としては、下記の頭部冷却用具が提案されている。
特開平11−269714号公報(特許文献10)には、頭部に装着される帽子本体、頭部を部分的に冷却する冷却媒体からなり、帽子本体には冷却媒体を収容するポケット状の冷却媒体収容部を有し、冷却媒体収容部は帽子本体に複数箇所設けられ、頭部の冷却部位に合わせて適宜選択し使用し、任意の位置に冷却媒体を収めることを特徴とする帽子であって、これにより、血流量の上昇を防ぎ、血管の膨張を制御し扁頭痛を沈静化させ、また、任意の部位に媒体を置くことで、帽子全体が軽量化でき、利用者の装着時の違和感を軽減する効果を奏する帽子が開示されている。
特開平10−325010号公報(特許文献11)には、非繊維素材からなる頭部装着具本体1の内面側に、冷却用シート10を着脱自在に取り付けるための着脱部を設けたことを特徴とし、頭部に装着することによって頭部を好適に冷却することができ、しかも簡易な構造で製造コストが安く、使い捨て用としての使用に適した頭部装着具が開示されている。
特開昭57−86340号公報(特許文献12)には、前額部、こめかみ一耳の頭側部および上方頭蓋の後ろ下部を含む人間の頭周りに連続的に取り巻いて巻きつけるに適したはちまき部分、上記はちまき部分の両末端部分に取り付けられる手段、はちまき部分の上縁の中心に固定された前縁、上記前縁の固定から後方に伸びる側縁と前縁から後方に一定間隔で配置され、前縁に平行な末端縁を有する、帽子の頂部分、頂部分の後部末端にある固定手段、はちまき部分の側上縁を頂部分の側縁に固定し、それによって人間の頭皮の髪の生えている部分において、熱交換を行わせるための、連続的に頭皮に接触している帽子体を形成せしめるための手段、の組み合わせからなる、人間の頭の上全頭皮領域を冷却または加熱するための熱交換帽子が開示されている。
実開昭61−194519号公報(特許文献13)には、可撓性材料で作られた帽子形状の頭皮保冷帽を構成する二重の帽子壁内に、冷却したポリビニールアルコールの含水ゲルの小片を複数個、密封包含させてなる自在変形型頭皮保冷帽が開示されている。
特開2013−2004号公報 特開平11−269714公報 実登3166795号公報 実登3164804号公報 実登3014909号公報 実開昭63−81823号号公報 実開昭63−60426号号公報 特開2003−88543号公報 特開2000−290822号公報 実登3113543号公報 特開平11−269714号公報 特開平10−325010号公報 特開昭57−86340号公報 実開昭61−194519号公報
上記のように、夏季外出時や工事現場での頭部の発熱防止、又は、家庭内における人体発熱時の昇熱抑制として、頭部に装着するための種々の頭部装着物品が提案されている。
上記従来技術において、特許文献1〜特許文献6に開示されている冷却帽子は気温の暑い時期や直射日光・炎天下に装着して頭部を冷却する機能を奏する主として屋外装着に用いられる帽子であるため、屋内で装着する場合には、外出用装飾のための外観を良くするために帽子を構成する材質・デザイン・色彩等を勘案するとともに日除け用の鍔を必要とするなど、外出用帽子としてのデザイン等の機能と冷却機能との双方の機能を満足する設計構成が必要である。これらの両者の機能を満足する帽子を得るためには、高価な素材・複雑な形状設計・複雑な製造方法が必要となり、量産時のコストが高くなる傾向がある。また、デザイン等の機能を重視した帽子は冷却機能を低減させた設計となり、逆に、冷却機能を重視した帽子はデザイン等の機能を低減させた設計となる傾向がある。
また、特許文献7〜特許文献9に開示されている帽子用内面装着具は、帽子を使用することなく、それらの帽子用内面装着具を単独で使用した場合には、頭部冷却の効果が低下し、又は、装着安定性が不安定でずり落ちやすくなる等の不都合が生じる傾向がある。
また、頭部冷却用具に関して、特許文献10に開示の冷却媒体付き帽子は適切に血管の膨張を制御できる特定の部位に冷却媒体を置くように設計されているために、頭部全体の冷却感に不満足感を覚える傾向がある。特許文献11に開示の頭部装着具は使い捨て用途であるために繰り返し使用に不向きであり、経済的に不満足となる傾向がある。特許文献12に開示の頭皮用伝熱装置は頭の周りに連続的に取り巻いて巻きつける長方形の熱交換部材を使用しているために、着脱が煩雑になり着脱使用性に劣る傾向がある。特許文献13に開示の頭皮保冷帽は可撓性材料製(例えば合成ゴム製)の構成であるために、装着感に劣る傾向がある。
本発明は、頭部を冷却する冷却性能が優れ、長時間の冷却維持性能を有し、繰り返し使用が可能であり、快適な装着感を有する、等の優れた効果を奏する頭部冷却用具を提供する。
本発明の頭部冷却用具は、人体頭部を覆って装着可能な略半球形状を有する頭部冷却用具であって、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材と、外表面側に位置するシート状表面部材と、収納部と、前記収納部の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体と、を備え、前記収納部は、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材とにより形成されるとともに、平面方向に複数個に分割された複数個の収納部を有し、前記冷却媒体は複数個の冷却媒体を有し、該複数個の冷却媒体のそれぞれの冷却媒体は前記複数個の収納部のそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納され、前記複数個の収納部は、互いに隣り合って形成されるとともに、人体頭部の全体を覆って装着可能な略半球形状になるように、一体に形成されてなり、前記複数個の収納部は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部と、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部と、からなる複数個の収納部を備える、又は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う前記中央収納部と、ここで、前記中央収納部は額収納部と頭頂収納部と後収納部を有する、(B)人体の左側頭部を覆う前記左側頭収納部と、(C)人体の右側頭部を覆う前記右側頭収納部と、からなる複数個の収納部を備える、又は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、ここで、前記中央収納部は額部から後頭部に至る方向に分割された複数個の中央収納部を有する、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部と、ここで、前記左側頭収納部は左前側頭部から左後頭部に至る方向に分割された複数個の左側頭収納部を有する、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部と、ここで、前記右側頭収納部は右前側頭部から右後頭部に至る方向に分割された複数個の右頭収納部を有する、からなる複数個の収納部を備え、前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面部材、にそれぞれの収納開口部を形成し、前記それぞれの収納開口部は、前記それぞれの冷却媒体の出し入れが可能な形状を有し、前記冷却媒体は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、前記繰返型密封冷却媒体は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複 数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、前記複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、及び/又は、(ii)前記繰返型密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の形態を備え、前記中央収納部と前記左側頭収納部と前記右側頭収納部において、分割された複数個の収納部のそれぞれの収納部に前記単一密封冷却媒体が収納され、前記中央収納部と前記左側頭収納部と前記右側頭収納部において、分割されていない収納部のそれぞれの収納部に複数個分割連結密封冷却媒体が収納され、それぞれの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着され、人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成されてなることを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状表面部材は、積層された複数種類の表面素材より構成され、前記複数種類の表面素材は、少なくとも、(A)表面部材最表層に構成される、所望の機能を有する表面部材所望機能性素材、(B)表面部材中間層に構成される表面部材断熱性素材、及び、(C)表面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する表面部材冷却媒体保持素材、を備え、前記シート状内面部材は、積層された複数種類の内面素材より構成され、前記複数種類の内面素材は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する内面部材所望機能性素材、(B)内面部材中間層に構成される内面部材断熱性素材、及び、(C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する内面部材冷却媒体保持素材、を備えてなる、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、前記(B)表面部材断熱性素材は、柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、前記(A)内面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、前記(B)内面部材断熱性素材は、柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、前記(C)内面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材、を備え、前記シート状内面部材と前記シート状内面部材とは、表裏方向において、互いに同じ断熱性能を有してなる、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、前記(B)表面部材断熱性素材は、柔軟性を有する表面綿状断熱性不織布素材を備え、前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、前記(A)内面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、前記(B)内面部材断熱性素材は、柔軟性を有する内面綿状断熱性不織布素材を備え、前記(C)内面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、前記表面綿状断熱性不織布素材は前記内面綿状断熱性不織布素材よりも高い断熱性能を有してなる、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状表面部材は、積層された複数種類の表面素材より構成され、前記複数種類の表面素材は、少なくとも、(A)表面部材最表層に構成される、所望の機能を有する表面部材所望機能性素材、(B)表面部材中間層に構成される表面部材断熱性素材、及び、(C)表面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する表面部材冷却媒体保持素材、を備え、前記シート状内面部材は、表裏方向において、前記シート状表面部材よりも高い通気性能を有するとともに前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能 な機械的強度を有する通気性素材を構成し、これにより、人体頭部に装着された時に、前記収納部に収納された前記冷却媒体に起因する冷気を人体頭部側に伝わりやすくする機能を奏する、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、前記(B)表面部材断熱性素材は、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、前記シート状内面部材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材を備える、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材の双方の部材は、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材、及び、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、からなる群から選ばれる少なくとも1種の断熱性素材により形成されるとともに、熱により融着して接合可能な熱融着性断熱性素材から構成され、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、(a)互いに同じ断熱性素材、又は、(b)互いに異なる断熱性素材、により形成され、前記収納部は、(イ)前記断熱性素材を有する前記シート状内面部材と、前記断熱性素材を有する前記シート状表面部材と、の熱融着により接合されて形成されてなる、又は、(ロ)少なくとも1種の断熱性素材により構成された前記シート状内面部材と、少なくとも1種の断熱性素材により構成された前記シート状表面部材と、により形成されるとともに、加熱により融着して接合する機能を有する熱融着性接着剤を使用して接合されて形成されてなる、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれかの状態で人体頭部に装着し、その後、裏返して装着可能に構成されてなることを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体は、(a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体、(a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒、及び、(a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、からなる群から選ばれる少なくとも一つの繰返型密封冷却媒体であり、前記密封容器は柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の袋容器であることを特徴とする
本発明の頭部冷却用具において、下記のようなに、頭部を冷却する冷却性能が優れ、長時間の冷却維持性能を有し、繰り返し使用が可能であり、快適な装着感を有する、等の優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
(イ)頭部全体を覆った収納部に冷却媒体を収納設置した構成により、頭部全体を冷却可能な冷却性能に優れる頭部全体冷却性能。
(ロ)複数個に分割された収納部に冷却媒体を収納設置した構成により、収納部の中における冷却媒体の位置ずれが最小限抑制されるとともに、最適な装着感を得るための設計自由度が増す優れた設計自由度。
(ハ)断熱素材を構成する構成により、長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能。
(ニ)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体を収納設置した構成により、繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能。
(ホ)複数個の収納部の形状の組み合わせの最適設計により、通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能。
(ヘ)複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材を有する構成により、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能。
(ト)最適設計した収納部への冷却媒体を出し入れする収納開口部を形成した構成により、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる冷却媒体使用容易性。
(チ)二重開口縁部を形成した収納部を有する構成により、収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性。
(リ)容易に安価に複数個に分割された収納部を最適設計することが可能になることにより、容易に安価に収納部を有する頭部冷却用具の製造が可能になる収納部安価量産性。
(ヌ)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒がプラスチックフィルム製密封容器に充填された密封冷却媒体を使用した構成により、所望形状の冷却媒体の製造が可能になり安価に量産できる冷却媒体安価量産性。
(ル)シート状頭部保護部材を追加設置した構成により、冷却媒体が約0℃以下に冷却された状態で収納部に収納されている場合、人体頭部に装着された時に、人体頭部に感ずる温度が冷却媒体の温度よりも約1〜約5℃程度高くなって、冷却媒体の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなる快適装着感持続時間延長効果。
(オ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材との断熱性が異なる構成において、冷え過ぎた冷却媒体を収納した頭部冷却用具を裏返して使用可能な構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果。
(ワ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が同じ断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果。
(カ)複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材と複数種類の内面素材より構成されたシート状内面部材を有する構成により、裏返して装着することが可能であり、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を有する側を表面側にして装着できるリバーシブル装着。
(チ)加熱により溶融して互いの素材を接合可能な不織布製の素材を使用してシート状表面部材とシート状内面部材を有する構成により、熱融着接合製法により頭部冷却用具を容易に安価に量産することが可能となる安価量産効果、及び、熱融着可能な断熱性不織布の使用による快適装着感持続時間延長効果。
なお、本発明の頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、快適な冷却感を感じる温度が約2℃〜約15℃の範囲にある温度を「快冷」温度として定義し、その快冷温度が持続する時間を「快適装着時間」として定義する。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状表面部材の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状内面部材の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。
<頭部冷却用具の基本構成>
本発明の一実施例の頭部冷却用具の模式図が図1、図2、図3、図4に示される。
図1は、外表面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具を表面の後方から見た概略模式図、(F)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
図2は、内面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前方(又は後方)を見た概略模式図である。
図3は、外表面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前方(又は後方)を見た概略模式図である。
図4は、本発明の一実施例の頭部冷却用具の一部分の断面の構成模式図であって、(A)は複数個に分割された複数個の収納部の中に冷却媒体を収納した構成を示す一部分の断面の構成模式図、(B)は一つの収納部に複数個に分割された冷却媒体を収納した構成を示す一部分の断面の構成模式図、(C)は(A)において更にシート状頭部保護部材を備えた構成を示す一部分の断面の構成模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具は、図1〜図3に示されるように、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有する頭部冷却用具であって、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と、外表面側に位置するシート状表面部材2と、により形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8と、を備え、収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部41、42、43を有し、冷却媒体8はそれぞれの収納部41、42、43に、収納及び取出し可能に収納され、人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成される。
これにより、(イ)略半球形状の人体頭部の全体がシート状内面部材3を介して冷却媒体8により覆われることが可能になり、その結果、頭部全体の冷却が可能となり、頭部のさらなる異常昇温を抑制して脳組織を保護することができる「頭部全体冷却性能」が著しく向上する効果が得られる。
望ましくは、これらの複数個の収納部41、42、43は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
これにより、それぞれの収納部間の冷却媒体を収納できない間隔が最小限になり、冷却媒体8を収納できる領域が多くなり、上記の「(イ)頭部全体冷却性能」がさらに向上する。
望ましくは、図1〜図3に示されるように、複数個の収納部41、42、43は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43と、を有し、これらの複数個の収納部41、42、43は、互いに隣り合って形成され、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
これにより、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41が頭部冷却用具の形状的な芯となる機能を奏し、その芯となる中央収納部41の両側に左側頭収納部42と右側頭収納部43が形成された形状構成であるために、冷却媒体を収納した状態においても、略半球形状を崩すことが抑制されて、略半球形状を維持することが可能になり、「(ホ)通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を有する」、頭部冷却用具が得られる。
また、このような形状に分割された複数個の収納を有する頭部冷却用具において、(リ)中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とのそれぞれの収納部を別々に製造し、それらの複数個の収納部41、42、43を繋ぎ合せて結合する製造方法により、容易に安価に頭部冷却用具を製造可能になり、収納部安価量産性が得られる。
望ましくは、図2、図3に示されるように複数個の収納部41、42、43は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)、からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備え、これらの複数個の収納部は、互いに隣り合って形成され、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
図2に示す頭部冷却用具は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)を備える。
図3に示す頭部冷却用具は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、を備える。
図2及び図3に示す頭部冷却用具に限定されることなく、図示されていないが、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)を備える頭部冷却用具も実施可能である。
これにより、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41が頭部冷却用具の形状的な芯となる機能を奏し、その芯となる中央収納部41の両側に左側頭収納部42と右側頭収納部43が形成された形状構成であるために、冷却媒体を収納した状態においても、略半球形状を崩すことが抑制されて、略半球形状を維持することが可能になり、「(ホ)通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を有する」頭部冷却用具が得られる。
さらに、(ヌ)中央収納部41を分割形成したそれぞれの額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413、及び、左側頭収納部42を分割形成した左前側頭収納部421と左後側頭収納部422、及び、右側頭収納部43を分割形成した右前側頭収納部431と右後側頭収納部432、のそれぞれの収納部に収納される冷却媒体8の形状としては、湾曲の少ない略平面形状を有する冷却媒体8が使用可能であるために冷却媒体の製造が容易で安価に製造できる冷却媒体安価量産性が得られる。さらに、(ト)冷却媒体を収納部から出し入れする場合に、容易に出し入れすることが可能になる。
また、このような形状に分割された複数個の収納を有する頭部冷却用具を製造する方法において、(リ)中央収納部41を区切り裁縫して額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413を形成し、左側頭収納部42を区切り裁縫して左前側頭収納部421と左後側頭収納部422を形成し、右側頭収納部43を区切り裁縫して右前側頭収納部431と右後側頭収納部432を形成し、その後、区切られた収納部を有するそれらの複数個の収納部41、42、43を繋ぎ合せて結合する製造方法により、容易に頭部冷却用具を製造可能になり、収納部安価量産性が得られる。
<シート状表面部材について>
本発明において、望ましくは、シート状表面部材2は、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材22を構成する。
表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材22は、汎用のガーゼ・平織布などの織布、紙状の薄い不織布、薄いプラスチック製シート、などの汎用素材よりも高い断熱性能を有する素材を意味する。
これにより、頭部冷却用具が人体頭部に装着された時に、熱を頭部冷却用具の内部に閉じ込めて、頭部冷却用具の外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
本発明において、望ましくは、前記シート状表面部材2は、少なくとも、(i)断熱性不織布素材と、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、(iii)微細空洞孔形成繊維素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材22a、及び/又は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材22b、及び/又は、(vii)綿状断熱性不織布22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチック22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材22c、及び/又は、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の保冷性布素材22a、を有する断熱性素材22を備える。
熱伝導断熱素材22a及び約0.3mm厚以上の保冷性布素材22aは素材の表裏方向における熱伝導が小さい性質を有する素材である。
熱伝導断熱素材としての(i)断熱性不織布素材としては、ポリエステル製短繊維、ポリアミド(ナイロン)製短繊維、ポリオレフィン製短繊維、アクリル製短繊維、綿、羊毛、フェルト、その他の短繊維、などの短繊維を綿状に結合してシート状に形成した不織布素材であり、所望の空隙率、嵩密度、厚さ、目付などを有する所望の構成の断熱性不織布素材が使用できる。
(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材としては、例えば、連続気泡又は独立気泡を有する発泡プラスチック素材が使用でき、軟質ポリウレタン発泡樹脂素材、ポリオレフィン系樹脂を発泡したポリオレフィン発泡樹脂素材であって、柔軟性を備えた柔軟性発泡プラスチック素材が使用できる。
(iii)微細孔形成繊維素材としては、例えば、微細な空洞孔の中空を形成した繊維(長繊維)を所望の織り方で織って編成した微細孔形成繊維素材が使用できる。
(x)約0.3mm厚以上のフェルト材としては、前記の天然繊維や合成繊維の短繊維が絡み合って縮絨あるいはフェルト化されたシート状圧縮布材が使用される。フェルトは不織布の一種である。
(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材としては、ニードルパンチ手法によって製造されたシート状圧縮布材が使用される。ニードルパンチ材は不織布の一種で短繊維を使用して多数のニードル(針)のついた機械で圧縮してフェルト状に形成した布生地を意味する。
(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材としては、例えば、羊毛、綿、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維などを使用して起毛製を有するように、所定の編成形態に編まれて編成された約0.3mm厚以上の天然繊維製起毛製布材、又は、合成繊維製起毛製布材が使用される。
(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材としては、汎用の繊維を使用して平織、ストレッチ織、その他の所定の編成形態で編成され、肉厚に織られた織布である。
これらの起毛製布材、フェルト材、ニードルパンチ材、起毛製布材、肉厚織布材などのの厚さが約0.3mm未満の場合は断熱性に劣る傾向がある。
(vii、viii、viii)上記の断熱性素材の表面に金属薄膜を付着形成した熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材も使用できる。金属薄膜としては、例えば、膜厚が約1μm以下の金属蒸着膜又は金属箔薄膜などが使用できる。
このような熱伝導断熱素材22aはシートの表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有する。従って、熱伝導断熱素材製シートは冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
金属膜輻射断熱素材22bは、輻射により熱を遮断する機能を奏する断熱性素材である。
金属膜輻射断熱素材としての(iv)金属箔素材としては、例えば、アルミニウムを箔状に形成したアルミ箔、又は、その他の金属を箔状に形成した金属箔が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1〜100μmが望ましい。
(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材としては、例えば、アルミニウムの蒸着により形成されたアルミ蒸着薄膜、又は、その他の金属の蒸着により形成された金属蒸着薄膜が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1μm未満の超薄膜が望ましい。
(vi)基材付金属薄膜素材としては、例えば、薄い布状不織布製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着不織布、薄いプラスチック製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着プラスチックシート、布状織布にアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着織布、又は、アルミ薄膜として、アルミ蒸着膜を基材に直接に蒸着形成したアルミ蒸着膜素材が使用できる。
このような金属膜輻射断熱素材22bは平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有するとともに平滑平面形状の金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、金属膜輻射断熱素材製のシートは、金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏する。その結果、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、及び、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、等が著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
輻射熱伝導熱断熱素材22cは、熱伝導を抑制する機能と、輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する断熱性素材である。
輻射熱伝導熱断熱素材22cとしての(vii)(viii)金属蒸着膜付断熱性不織布素材22cとしては、例えば、上記の熱伝導断熱素材製シート22aにアルミニウム蒸着薄膜22bを形成したアルミ蒸着膜付断熱性不織布素材、又は、上記の熱伝導断熱素材製シート22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付断熱性下織布素材などが使用できる。
(ix)金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材22cとしては、例えば、上記の柔軟性発泡プラスチック22aにアルミニウム薄膜22bを蒸着形成したアルミ蒸着膜付柔軟性発泡プラステック素材、又は、上記の柔軟性発泡プラスチックに所望の金属膜を蒸着形成した金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材などが使用できる。
すなわち、輻射熱伝導熱断熱素材22cは、熱伝導断熱素材22aと金属膜輻射断熱素材22bとが積層されて構成され、その積層形態としては、熱伝導断熱素材22aの表面に直接に金属膜輻射断熱素材22bを蒸着形成した構成、及び、熱伝導断熱素材22aとに金属膜輻射断熱素材22bとを接合手段により積層形成した構成が実施できる。
このような輻射熱伝導熱断熱素材22cは、前述の熱伝導断熱素材22aに起因する表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有するとともに、金属膜輻射断熱素材22bに起因する平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有し、更に、平滑平面に形成した金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、輻射熱伝導熱断熱素材製シート22cは、熱伝導断熱素材に起因する冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果と、金属膜輻射断熱素材22bに起因する金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果との双方の効果を奏する。その結果、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、及び、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、等が著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
本発明において、特に望ましくは、シート状表面部材2は、少なくとも、(vi)基材の少なくとも一方の面に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材を構成し、前記基材は、織布、不織布、プラスチック製シート、断熱性不織布、フェルト材、ニードルパンチ材、及び、柔軟性発泡プラスチックシートのうちの少なくとも一つの基材であり、少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、を有する断熱性素材を備える。
表面部材中間層22としての断熱性素材22としては、特に、熱伝導断熱素材22a、金属膜輻射断熱素材22b、及び、輻射熱伝導熱断熱素材22cを種々に組み合わせた構成の表面部材中間層22を有する構成が実施できる。
表面部材中間層22としての断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22a、金属膜輻射断熱素材22b、及び、輻射熱伝導熱断熱素材22cを種々に組み合わせた構成により、「(イ)金属薄膜の平面方向への熱伝導により冷熱が頭部全体に均一に伝達し、それにより、頭部全体を冷却可能で冷却性能に優れる、(ハ)熱伝導断熱性能と輻射断熱性能との組み合わせにより、長時間の冷却維持性能に優れる」の効果が更に著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
なお、上記の記載において、「金属薄膜素材」の語句は、例えば、蒸着により形成された金属蒸着薄膜、金属の延伸、展伸、圧伸等の機械的薄化処理により形成された金属薄膜、その他の方法により製造された約1μm以下の厚さを有する金属製のシート状素材を意味する。「金属箔素材」の語句は、例えば、アルミニウム、その他の金属により製造された約1μm〜約100μmの厚さを有する金属製のシート状素材を意味する。
本発明に構成されるシート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、前記複数種類の表面素材は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21、(B)表面部材中間層に構成される断熱性素材22、及び、(C)最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
これにより、(ホ)通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能、(ヘ)所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能、(ハ)収納されている冷却媒体の冷気を外部に逃がし難く冷却維持時間を最大限に長く維持することが可能になる長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、
(ニ)繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能、有する頭部冷却用具が得られる。
本発明に構成されるシート状表面部材2の一実施例の概略模式図が図5に示され、(A)、(B)、(C)は断面の概略模式図であり、(D)は斜視の概略模式図である。
図5の(A)に示されるように、シート状表面部材2は表面部材最表層21としての所望機能性素材21と、表面部材中間層22としての断熱性素材22と、最裏層23としての冷却媒体保持素材23とを備える構成が実施できる。
また、図5の(B)に示されるように、表面部材中間層22としての断熱性素材22が、熱伝導断熱素材22aと、基材付金属薄膜素材(金属膜輻射断熱素材)22bとを備えた構成が実施できる。この場合、金属薄膜面が裏層側に位置する構成が望ましい。
また、図5の(C)に示されるように、表面部材中間層22としての断熱性素材22が、熱伝導断熱素材22aと、断熱性基材の表面に金属薄膜を付着形成した輻射断熱素材(金属膜輻射断熱素材)22bとを積層した輻射熱伝導熱断熱素材22cが実施できる。(B)の基材付金属薄膜素材(金属膜輻射断熱素材)22bは基材の表面に金属薄膜を付着形成した素材であり、(C)の輻射熱伝導熱断熱素材22cは断熱基材の表面に金属薄膜を付着形成した素材である。この場合、金属薄膜面が裏層側に位置する構成が望ましい。
本発明において、望ましくは、シート状表面部材2は、少なくとも、冷却媒体8に接触する側に配置された冷却媒体保持素材23と、冷却媒体保持素材23の表面側に配置された断熱性素材22を備え、冷却媒体保持素材23は、ネット状貫通孔、メッシュ状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔性通気性素材より形成され、断熱性素材22は、輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cである。
金属膜輻射断熱素材22bは、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、及び/又は、(vii)断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付不織布素材と、(viii)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材22c、の構成を有する。
冷却媒体8に起因する冷気が前記貫通孔形成素材に形成されている貫通孔を通って金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cに貫通可能に構成され、冷却媒体8に起因する冷気がシート状表面部材2の表面側に伝導することを抑制することを特徴とする。
この場合、金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cに構成される金属面が冷却媒体保持素材23の側に位置する構成が望ましい。
金属膜輻射断熱素材22bの具体例としては、前述の(iv)金属箔素材、(v)金属膜素材、(vi)金属膜輻射断熱素材、(vii、viii)金属薄膜膜付不織布素材、(ix)金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材、等の輻射熱伝導熱断熱素材等が使用できる。
これにより、金属膜輻射断熱素材製のシートは、金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果が更に著しく向上し、その結果、「(イ)頭部全体を冷却可能で冷却性能に優れる、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる」の効果が更に著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
シート状表面部材2の表面部材最表層の所望機能性素材21としては、特に限定されないが、(i)色彩的絵柄的装飾性素材(色彩又は絵柄などの装飾的外観における所望の素材)、(ii)良感触性素材(手触り又は装着感などの感触的観点における所望の素材)、(iii)良撥水性素材(撥水性に優れた素材)、(iv)良断熱性素材(熱伝導が低い又は熱を輻射する性能が高いなどの断熱性に優れた素材)、(v)良機械的強度性素材(破れ難い、耐摩擦性、型崩れし難い、等の機械的強度に優れた素材)、(vi)柔軟性素材(装着したときに人体頭部の形状に馴染みやすい柔軟性を有する素材)、(vii)良抗菌性素材(菌が付着し難い、又は、菌の増殖を抑制する、又は殺菌する性質を備えた素材)、(viii)良汚染耐性素材(汚れ難いなどの汚染しにくい性質を有する素材)、(ix)良洗濯劣化耐性素材(繰返しの洗濯に対しても劣化の少ない素材)、(x)軽量性素材(装着時に重苦しさを軽減する軽く感じる素材)、(xi)通気性素材(装着時に、例えばメッシュ素材等の貫通孔形成素材などの頭部の蒸れ感を軽減する素材)、(xii)熱融着接合可能性素材(例えば、少なくともポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維を含有する不織布製であって、加熱により他の繊維と接合可能な素材)、からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材が望ましい。
所望機能性素材21としては、例えば、合成繊維、天熱繊維、皮革などの素材を用いて所望の性能を付与するように製造した素材が使用できる。
このような所望の機能を有する素材を選択してシート状表面部材2の最表面に構成することにより、(ヘ)所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の概略模式図が図9に示される。図9の(A)、(B)において、シート状表面部材2は、表面部材最表層21(所望機能性素材)と、表面部材中間層22(断熱性素材)と、表面部材最裏層23(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)とから構成される。表面部材中間層22(断熱性素材)は、綿状の断熱性不織布により調製された熱伝導断熱素材22aと、紙状の不織布基材22bの表面に付着形成された金属製薄膜により調製された輻射熱伝導熱断熱素材22cにより構成される。冷却媒体8は、シート状表面部材2と、シート状内面部材3とらより形成された収納部4の中に収納されて設置されている。
<シート状内面部材について>
本頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材は積層された複数種類の内面素材より構成され、前記複数種類の内面素材は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材又は柔軟性素材、及び、(C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材、を備えることを特徴とする。
すなわち、シート状内面部材3は、シート状表面部材2の構成と概略同じ素材により形成された構成も実施可能である。
望ましくは、冷却媒体保持素材としては、破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記断熱性素材又は柔軟性素材よりも小さい断熱性を有する冷却媒体保持素材の使用が望ましい。
特に、内面部材中間層として断熱性素材を構成した頭部冷却用具は、冷却媒体8が断熱性能を有する表面部材断熱性素材22と内面部材断熱性素材32とに囲まれて収納されているために、永い冷却保持時間を奏する頭部冷却用具が得られる。
すなわち、「(ワ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が同じ断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
本発明に構成される頭部冷却用具の一実施例の断面の概略模式図が図10(A)、(B)に示される。
例えば、図10(A)、(B)に示されるように、シート状内面部材3は、内面部材最表層31(所望機能性素材)と内面部材中間層32(断熱性素材)と、内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)とから構成される。
他の実施例として、例えば、図9(A)に示されるように、シート状内面部材3は内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)から構成される構成、又は、図9(B)に示されるように、シート状内面部材3は内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)と内面部材中間層32(断熱性素材又は柔軟性素材)とにより構成された構成が実施できる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材は、少なくとも、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、(iii)微細空洞孔形成繊維製素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、及び、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、及び、
(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、及び、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の保冷性布素材、のうちの少なくとも一つの断熱性素材を備える。
特に、断熱性素材を構成した頭部冷却用具は、冷却媒体8が断熱性能を有する表面部材断熱性素材22と内面部材断熱性素材32とに囲まれて収納されているために、永い冷却保持時間を奏する頭部冷却用具が得られる。
すなわち、「(ワ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
本発明において、望ましくは、シート状内面部材3は、人体頭部に装着された時に、人体頭部に接触する側に、接触冷感を奏する冷感素材を構成したことを特徴とする。
接触冷感を奏する冷感素材としては、例えば、下着、ドレスシャツなどのクールビズ製品に汎用されている素材が使用され、例えば、(xii)水分となじみの良い水酸基を多く含むポリビニールアルコールとポリエチレンとの複合プラスチック繊維エバール(商品名:クラレ製ソフィスタ)を使用した布材、(xiii)吸湿性と放湿性を向上させたポリアミド繊維(商品名:改質ナイロン)を使用した布材、(xiv)吸湿性と放湿性を向上させた異形断面形状を有するポリエステル繊維(商品名:ユニチカ製ハイグラLU)、(xv)吸水速乾性のある異形断面ポリエステル繊維を縦糸に用いるとともに緯糸に凹凸表面形成して通気性を向上した綿糸を用いて編成した高い通気性を有する高通気性布材が使用できる。
本発明において、望ましくは、シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2よりも高い通気性能を有する通気性素材より構成されている。
このようなシート状内面部材3としては、特に限定されないが、例えば、粗い折り目を有する通気性織布シート、粗い嵩密度を有する通気性不織布シート、微細な貫通孔を有する貫通孔形成織布シート又は貫通孔形成不織布シート、微細な貫通孔を有する通気性プラスチック製シート、等が使用できる。
これにより、頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、収納部に収納されている冷却媒体8に起因する冷気がシート状内面部材3を通気して、人体頭部に到達しやすくなり、その結果、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、が著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材より形成され、人体頭部に装着された時に、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する冷気が貫通孔を通じて人体頭部に伝わる機能を奏する構成が望ましい。
図6は、本発明の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状内面部材の構成模式図であり、(A)〜(D)は側面(又は断面)の構成模式図であり、(E)〜(G)は表面から見た平面の構成模式図である。
「メッシュ状貫通孔」と「ネット状貫通孔」と「網目状貫通孔」と「微小貫通孔」の語句の明確な差異は区別できないが、例えば、以下の貫通孔形成素材が使用される。
メッシュ状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(F)に示されるような、ポリエステル繊維・ポリアミド繊維・その他の汎用の合成繊維、綿・羊毛・麻・その他の汎用の天然繊維、これらの合成繊維と天然繊維との混合繊維を、所望形状のメッシュ状に編成したメッシュ状編成繊維が使用され、その開孔率が、例えば、約10〜約80%のメッシュ状編成繊維が望ましく、特に、開孔率が約30〜60のメッシュ状編成繊維が望ましい。メッシュ開孔形状としては特に限定されなく、例えば、正方形、長方形、円、楕円、多角形などであって、開孔径が約0.5〜5mmの任意のメッシュ開孔形状が使用可能である。メッシュ状編成繊維の開孔率が高くなるに従って、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する貫通孔を通じて人体頭部に伝わる冷気が多くなり、逆に、機械的強度は低下する傾向にあり、人体頭部への熱伝達と機械的強度を勘案して、特に、開孔径が約1〜約3mm開孔率が約30〜60のメッシュ状編成繊維が望ましい。
メッシュ状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、上記のほかに、強い機械的強度を有するプラスチック製シートを打ち抜き成形して上記に類似の開孔形状と開孔率を有するメッシュ状プラスチック製シートも使用できる。
ネット状貫通孔又は網目状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(E)に示されるような、所望の太さの合成繊維、天然繊維又はこれらの混合繊維を、正方形、長方形、円、楕円、多角形などの所望のネット状貫通孔又は網目状貫通孔の形状に編んだ貫通孔形成素材が使用できる。
微小貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(G)に示されるような、繊維を編成して粗い網目としての微小貫通孔を有する微小貫通孔繊維編成、又は、強い機械的強度を有するプラスチック製シートを打ち抜き成形して上記に類似の開孔形状と開孔率を有する微小貫通孔プラスチック製シートが使用できる。
これにより、「頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、収納部に収納されている冷却媒体8に起因する冷気がシート状内面部材3を通気して、人体頭部に到達しやすくなり、その結果、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、が著しく向上した頭部冷却用具が得られる」という効果が更に著しく発揮される頭部冷却用具が得られる。
なお、前述の積層された複数種類の表面素材より構成されシート状表面部材の最裏層に構成される冷却媒体保持素材として、上記のような、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材より形成される構成が実施可能である。
特に、シート状内面部材3が、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材より形成されるとともに、シート状表面部材の最裏層に構成される冷却媒体保持素材が前記のシート状内面部材3と同じ貫通孔形成素材より形成された構成が、望ましい。
これにより、前述の(イ)と(ハ)の効果に加えて、(リ)容易に安価に収納部を有する頭部冷却用具の製造が可能になり収納部安価量産性を有する頭部冷却用具が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、少なくとも柔軟性を有する内面部材柔軟性素材を構成し、前記内面部材柔軟性素材が人体頭部側に構成されてなり、人体頭部に装着された時に、冷却媒体に起因する硬さ感を抑制する機能を奏することを特徴とする。
図9は、本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図である。例えば、図9(A)に示されるように、シート状内面部材3として内面部材冷却媒体保持素材33を構成し、その内面部材冷却媒体保持素材33が内面部材柔軟性素材32としての機能を奏する構成が実施できる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、少なくとも、内面部材冷却媒体保持素材と内面部材裏面素材とにより構成され、内面部材裏面素材は、人体頭部側に構成され、収納部に収納されている冷却媒体の人体頭部への直接の接触を防止して前記冷却媒体に起因する冷気を抑制する機能を奏することを特徴とする。
例えば、図9(B)に示されるように、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33と内面部材柔軟性素材32とを構成し、人体頭部側に内面部材柔軟性素材32が構成された構成が実施可能である。この場合、内面部材裏面素材が内面部材柔軟性素材32の機能を奏する。
このような内面部材柔軟性素材32としては、特に限定されないが、例えば、綿・羊毛等の天然繊維、又は、ポリアタリル繊維・ポリエステル繊維・ポリアミド繊維等の合成繊維、天然繊維と合成繊維との混紡繊維を使用した繊維編成織布が使用できる。特に、少なくとも綿生地を含有使用した平織又は伸縮性を有する織布が望ましく、これにより、冷却媒体に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、優れた吸湿性を奏する内面部材柔軟性素材が得られ、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、シート状表面部材2より、表裏方向において小さい断熱性能を有することを特徴とする。
これにより、頭部冷却用具1が人体頭部に装着された時に、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する冷気が、人体頭部に伝わりやすく、シート状内面部材3の表面側に伝わりにくくなるとともに、更に、人体頭部を冷却する時間が永くなるとともに、シート状内面部材3を通って頭部冷却用具1の外側に逃げる冷気が抑制され、冷却持続時間が永くなる効果が得られる。
更に、頭部冷却用具1が人体頭部に装着された時に、冷えすぎて不快感を感じる場合には、頭部冷却用具を裏返して、シート状表面部材2の側を人体頭部に接触した状態で装着することにより、冷えすぎて不快感を抑制して、快適な冷却装着感を得ることが可能となる、効果が得られる。
すなわち、「(オ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材との断熱性が異なる構成において、冷え過ぎた冷却媒体を収納した頭部冷却用具を裏返して使用可能な構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
特に望ましくは、シート状表面部材2が少なくとも断熱性素材を構成するとともに、シート状表面部材2が前記シート状内面部材より、表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材を少なくとも構成する。
これにより、収納されている冷却媒体の冷気が頭部冷却用具の外部よりも人体頭部側により多く閉じ込められ、その結果、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、等の冷却性能が向上する効果が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材は、前記シート状表面部材と比べて略同程度の断熱性を有する素材により構成されてなることを特徴とする。
これにより、冷却媒体8が断熱性能を有するシート状表面部材2とシート状内面部材3とに囲まれて収納されているために、永い冷却保持時間を奏する頭部冷却用具が得られる。すなわち、「(ワ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が同じ断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」などの優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材は、前記シート状表面部材と比べて略同程度の断熱性を有する素材により構成されるとともに、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれの装着も可能に構成されてなることを特徴とする。
この構成により、前述の「(ワ)快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
この構成において、特に、前記シート状内面部材は積層された複数種類の内面素材より構成され、前記複数種類の内面素材は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材、(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材、及び、(C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記断熱性素材よりも小さい断熱性を有する冷却媒体保持素材、を備え構成が望ましい。
例えば、シート状内面部材3がシート状表面部材2と概略同じ素材により構成され、内面部材最表層に構成される所望の機能を有する所望機能性素材の色柄のみが異なるように構成することにより、装着者の好みに応じて、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれかを選択して装着できる。
これにより、前述の「(ワ)快適装着感持続時間延長効果」が得られるとともに、「(カ)複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材と複数種類の内面素材より構成されたシート状内面部材を有する構成により、裏返して装着することが可能であり、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を有する側を表面側にして装着できるリバーシブル装着」などの効果が得られる。
シート状内面部材2の内面部材最表層の所望機能性素材21としては、特に限定されないが、(i)色彩的絵柄的装飾性素材(色彩又は絵柄などの装飾的外観における所望の素材)、(ii)良感触性素材(手触り又は装着感などの感触的観点における所望の素材)、(iii)良撥水性素材(撥水性に優れた素材)、(iv)良断熱性素材(熱伝導が低い又は熱を輻射する性能が高いなどの断熱性に優れた素材)、(v)良機械的強度性素材(破れ難い、耐摩擦性、型崩れし難い、等の機械的強度に優れた素材)、(vi)柔軟性素材(装着したときに人体頭部の形状に馴染みやすい柔軟性を有する素材)、(vii)良抗菌性素材(菌が付着し難い、又は、菌の増殖を抑制する、又は殺菌する性質を備えた素材)、(viii)良汚染耐性素材(汚れ難いなどの汚染しにくい性質を有する素材)、(ix)良洗濯劣化耐性素材(繰返しの洗濯に対しても劣化の少ない素材)、(x)軽量性素材(装着時に重苦しさを軽減する軽く感じる素材)、(xi)通気性素材(装着時に、例えばメッシュ素材等の貫通孔形成素材などの頭部の蒸れ感を軽減する素材)、(xii)熱融着接合可能性素材(例えば、少なくともポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維を含有する不織布製であって、加熱により他の繊維と接合可能な素材)、からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材が望ましい。
所望機能性素材21としては、例えば、合成繊維、天熱繊維、皮革などの素材を用いて所望の性能を付与するように製造した素材が使用できる。
このような所望の機能を有する素材を選択してシート状表面部材2の最表面に構成することにより、(ヘ)所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
<不織布製及び/又はフェルト材製、ニードルパンチ材製の断熱性素材をシート状内面部材とシート状表面部材とに構成した頭部冷却用具について>
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材の双方の部材が、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材、及び、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの断熱性素材により形成され、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、(a)互いに同じ断熱性素材、又は、(b)互いに異なる断熱性素材により形成され、他の素材を構成しなく、前記収納部は、これらの少なくとも一つの断熱性素材により構成された前記シート状内面部材と前記シート状表面部材とにより形成される、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材の双方の部材は、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材、及び、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、からなる群から選ばれる少なくとも2種の断熱性素材により形成され、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、(a)互いに同じ断熱性素材、又は、(b)互いに異なる断熱性素材により形成され、他の素材を構成しなく、前記収納部は、これらの少なくとも2種の断熱性素材により構成された前記シート状内面部材と前記シート状表面部材とにより形成される、ことを特徴とする。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材の双方の部材は、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材、及び、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、からなる群から選ばれる少なくとも2種の熱により融着して接合可能な熱融着性断熱性素材から構成され、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、(a)互いに同じ断熱性素材、又は、(b)互いに異なる断熱性素材により形成され、前記収納部は前記シート状内面部材と前記シート状表面部材との熱融着により接合されて形成されてなることを特徴とする。
上記の断熱性素材を構成したシート状内面部材とシート状表面部材との組み合わせ構成としては、例えば、次の構成が実施可能である。
(イ)シート状内面部材が1種類の断熱性素材により構成され、シート状表面部材が同じ種類の1種類の断熱性素材により構成される構成。
(ロ)シート状内面部材が1種類の断熱性素材により構成され、シート状表面部材が異なる種類の1種類の断熱性素材により構成される構成。
(ハ)シート状内面部材が2種類以上の断熱性素材により構成され、シート状表面部材が同じ種類の2種類以上の断熱性素材により構成される構成。
(ニ)シート状内面部材が2種類以上の断熱性素材により構成され、シート状表面部材が異なる種類の2種類以上の断熱性素材により構成される構成。
(ホ)シート状内面部材が2種類以上の断熱性素材により構成され、シート状表面部材が2種類以上の断熱性素材により構成され、シート状表面部材に構成された2種類以上の断熱性素材のうちの少なくとも1種がシート状内面部材に構成された断熱性素材と同じ断熱性素材であり、他の1種が異なる断熱性素材により構成される構成。
このような、不織布製及び/又はフェルト材製、ニードルパンチ材製の断熱性素材をシート状内面部材とシート状表面部材とに構成した頭部冷却用具は、「ハ)断熱素材を構成する構成により、長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能」が得られる。
<「不織布」の定義について>
本発明において、不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものを意味し、例えば、短繊維又は長繊維を熱的・機械的又は化学的な作用によって接着又は絡み合わせることでシート状に形成したものを意味する。これに対して、織布は、繊維を撚って糸にしたものを織ってシート状に形成したものを意味する。
不織布の原料としては繊維状に加工できるほとんどの物質を使用することができ、複数の原料を組み合わせて、繊維の長さ・太さなどの繊維形状を調整した繊維を使用することにより、目的・用途に応じた機能を有する不織布を製造できる。
一般的に不織布は次のように性質を有する。
・合成繊維、天然繊維などの複数の素材を単に混合するだけの手段により、保温性、保冷性、通気性、吸湿性、保水性、撥水性、難燃性、柔軟性、伸縮性、弾性、機械的強度、等の所望の性質を有するものを容易に製造できる。
・所望の厚みを有するシート状のものを容易に製造できる。
・所望温度の加熱により溶融する繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)を含有せしめることにより、加熱融着により他のシートと容易に接合して加工することができる。(これに対して、織布は縫製又は接着剤使用により他のシートと接合する必要がある)。
・ランダムに結合されたものは強度、伸びなどに方向性を持つことなく均等な強度や伸びを有する。
・大量生産が可能で、安価に製造できる。
本発明において、不織布としては、次のようなものが含まれる。
(a)断熱性能を有する不織布。例えば、所望の空隙率を有するとともに、比較的厚い厚さ(例えば約0.5mm以上の厚さ、望ましくは、約1mm以上の厚さ)を有する不織布製シート。一般に、衣料用分野においては保温を目的として使用されているもの(例えば、シート状の防寒用中入綿等)、及び、フィルターとして使用されているもの(空気清浄用フィルター、防塵用フィルター、ろ過用フィルター)であり、適度な空隙率と柔軟性を有し、空隙率が大きくなるにしたがって機械的強度が弱くなる傾向がある。機械的強度が弱い不織布の場合には強い機械的強度を有する他の布材と併用して使用される場合が多い。
(b)織布に近い機械的強度を有するとともに紙に近い比較的薄い厚さ(例えば、約1mm未満の厚さ、望ましくは、約0.5mm未満の厚さ)であって、柔軟性を有する紙状の不織布。例えば、汎用の不織布製マスク、不織布製ガーゼ、キッチンペーパー、保護用緩衝材、不織布製ウェットティッシュ基材、等のような織布に近い機械的強度を有して単独使用も可能な紙状の不織布。なお、この紙状不織布は、若干の断熱性を有し、断熱性能を有する不織布と明確な区別ができるものではない。
(c)フェルト材。フェルト材も不織布の一種であり、天熱繊維や化学繊維を編むことなく縮絨(シュクジュウ)して、互いに絡み合わせて、薄く板状に圧縮して形成された不織布である。例えば、断熱、保温、クッション性に優れ、服飾製品、毛氈、カーペットなどに汎用されている。なお、フェルト材は不織布とは別分類される場合もある。
(d)ニードルパンチ材。ニードルパンチ材も不織布の一種であり、天熱繊維や化学繊維を編むことなく、短繊維の集合体を多数の針(ニードル)のついた機械で圧縮してフェルト状に形成した不織布の製法の一種であり、この製法により製造された不織を意味する。例えば、カーペットとして汎用されている。なお、ニードルパンチ材は不織布とは別分類される場合もある。
本発明に構成されるシート状内面部材及びシート状表面部材に構成される上記素材において(i)綿状断熱性不織布素材、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材、などの断熱性素材としては、その断熱性素材の厚さが、望ましくは、0.5mm以上が望ましく、特に望ましくは1.0mm以上の厚さが特に望ましい。これらの素材の厚さが0.3mm未満の場合には断熱性能を発揮しない。これらの素材の厚さが0.3mm以上において、厚さが厚くなるに従って断熱性能が向上する傾向にある。しかしながら、厚さが厚くなるに従って、嵩高くなり、また、重くなるために、頭部装着時に不快感を感じ、また、設計上の不都合が生じるために、約10mmまでの厚さが望ましい。
<シート状頭部保護部材について>
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、シート状頭部保護部材7を備え、シート状頭部保護部材7は、収納部4を形成することなく、シート状内面部材3の内面側に位置し、収納部4に収納されている冷却媒体8の人体頭部への直接の接触を防止して冷却媒体8に起因する冷気を抑制する機能を奏することを特徴とする。例えば、図8(A)において、シート状表面部材2とシート状内面部材3は収納部4を形成し、その収納部4を形成しないシート状内面部材3の内面側に位置してシート状頭部保護部材7が設置されている。図9(B)において、4層構成のシート状表面部材2と2層構成のシート状内面部材3は収納部4を形成し、その収納部4を形成しないシート状内面部材3の内面側に位置してシート状頭部保護部材7が設置されている。この構成において、収納開口部4aはシート状表面部材2の側に形成される。
他の実施例として、例えば、図9の(B)において、収納部4を形成した内面部材冷却媒体保持素材33と内面部材柔軟性素材32とよりなるシート状内面部材3の内面側に位置してシート状頭部保護部材7が設置されている。
シート状頭部保護部材7は、シート状内面部材3の内面側に、(i)取外しできない状態で、シート状内面部材3の内面側に設置構成されている、又は、(ii)取付けと取外しが可能な状態の脱着自在に設置構成されている、のいずれかの構成が実施可能である。
望ましくは、シート状頭部保護部材7の全周囲領域が、シート状内面部材3の内面側の全周囲領域に、(i)取外しできない状態で接合してに設置構成されている構成が望ましく、これにより、違和感のない優れた装着感を奏する頭部冷却用具が得られるとともに、更に、シート状頭部保装着者にとって、シート状頭部保護部材7を取り付け、及び、取り外しの作業を省くことができて、容易に装着できる頭部冷却用具が得られ。なお、この場合、これに限定されることなく、シート状頭部保護部材7の所望の部分領域が、シート状内面部材3の内面側の所望の部分領域に取外しできない状態で接合してに設置構成されている構成も実施可能である。
このようなシート状頭部保護部材7としては、特に限定されないが、例えば、綿・羊毛等の天然繊維、又は、ポリアクリル繊維・ポリエステル繊維・ポリアミド繊維等の合成繊維、天然繊維と合成繊維との混紡繊維を使用した繊維編成織布が使用できる。特に、少なくとも綿生地を含有使用した平織又は伸縮性を有する織布が望ましい。
シート状頭部保護部材7を備えた構成により、「冷却媒体8に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる」。更に、「(ル)冷却媒体8が約0℃以下に冷却された状態で収納部4に収納されている場合、人体頭部に装着された時に、人体頭部に感ずる温度が冷却媒体の温度よりも約1〜約5℃程度高くなって、冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られる。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、シート状頭部保護部材7を備え、シート状頭部保護部材7は、収納部4を形成することなく、シート状内面部材3の内面側に位置するとともに、人体頭部に接触する側の表面に突起部を形成しない状態で構成され、表面に突起部を有しないシート状頭部保護部材7は、収納部4に収納されている冷却媒体8の人体頭部への直接の接触を防止して冷却媒体8に起因する冷気を抑制するとともに、人体頭部への突起違和感を防止する機能を奏することを特徴とする。この構成において、収納開口部4aはシート状表面部材2の側に形成される。
「表面に突起部を有しないシート状頭部保護部材7」は、例えば、「表面に、シート状頭部保護部材7を裁縫して形成された縫い代等の突起部を有しないシート状頭部保護部材7」である。例えば、シート状頭部保護部材7を裁縫して形成された縫い代等の突起部が存在する場合には、その突起部を「人体頭部に接触する側と反対側の冷却媒体の位置する側に位置する」構成が望ましい。
これにより、前述の「(ル)冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られるとともに、突起に起因する装着時の違和感、不快感を抑制して快適な装着感が得られる」効果が得られる。
望ましくは、シート状頭部保護部材7は、シート状内面部材3の内面側に、(ii)取付けと取外しが可能な状態の脱着自在に設置構成されてなることを特徴とする。例えば、シート状内面部材3の内面側とシート状頭部保護部材7の一面側との双方の表面の一部分に、平面ファスナーとしてのマジッシテープが形成され、そのマジックテープを介して、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の内面側に取り付け及び取り外し可能に設置された構成である。
例えば、図8(A)又は図9(B)に示される頭部冷却用具において、シート状頭部保護部材7が、マジッシテープによりシート状内面部材3の内面側に取り付け及び取り外し可能に脱着自在に設置される。
これにより、冷却媒体が冷え過ぎて不快感を感じる場合にシート状頭部保護部材7を取り付けて設置して装着し、装着後に冷却媒体の温度が上昇して快適な冷却温度に達した場合にシート状頭部保護部材7を取り外し、シート状頭部保護部材7を取り外した頭部冷却用具1を装着することができる。これにより、前述の「(ル)冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られるとともに、突起に起因する装着時の違和感、不快感を抑制して快適な装着感が得られる」効果が得られる。
本発明において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つの部材は、抗菌機能を奏する抗菌性素材及び/又は防臭機能を奏する防臭性素材を構成する。
抗菌性素材及び防臭性素材としては、特に限定されないが、例えば、汎用の抗菌剤又は防臭剤を付着又は含有する汎用の抗菌性繊維製又は防臭性繊維の織布又は不織布を使用した素材が使用できる。
これにより、抗菌性能を有する頭部冷却用具が得られ、特に、医療機関において使用する場合に、菌の伝染を著しく抑制できる頭部冷却用具が得られる。
<収納開口部について>
本発明の一実施例の頭部冷却用具を構成する収納開口部の構成を説明する断面構成模式図が図7に示される。
図7において、(A)はシート状表面部材2の側に、それぞれの表面部材開口部2aを形成した断面構成模式図、(B)はシート状内面部材3の側に、それぞれの内面部材開口部3aを形成した断面構成模式図である。(C)は(A)の構成における表面部材開口部2に表面部材開口連結部材2bを構成した断面構成模式図である。(D)は(B)の構成における内面部材開口部3に内面部材開口連結部材3bを構成した断面構成模式図である
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に、それぞれの収納開口部4aを形成し、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
例えば、図1、図3、図7(A)に示されるように、それぞれの収納部41、42、43は、シート状表面部材側に、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部41a、42a、43a)を形成し、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部41a、42a、43a)は、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
これにより、(ト)収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる使用容易性、の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。特に、重病人が装着した状態で、頭部冷却用具を脱がすことなく、冷却媒体8の出し入れが可能となり、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる。
又は、望ましくは、それぞれの収納部4は、シート状内面部材3に、それぞれの収納開口部4aを形成し、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
例えば、図2、図7(B)に示されるように、それぞれの収納部41、42、43は、シート状内面部材側に、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部41a、42a、43a)を形成し、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部41a、42a、43a)は、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
これにより、シート状表面部材側に開口部が形成する必要がないために、表面部材最表層に構成された所望の機能を奏する所望機能性素材の性能を最大限に奏することが可能となり、その結果、(ヘ)所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、それぞれの収納開口部4aは、互いに重なり合う二重開口縁部を有し、その二重開口縁部は、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
例えば、図1、図2、図3、図7(A)、図7(B)、図8(A)、図8(B)に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2a、又は、内面部材二重開口縁部3aを有し、その開口縁部2a、3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
二重開口縁部2a、3aの互いに重なり合う重なり部分の幅は、特に限定されないが、例えば、約5〜60mmが望ましく、特に、約10〜30mmが望ましい。重なり部分の幅が約5mm未満の場合には、冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能が低下する傾向があり、重なり部分の幅が約60mmを超える場合には、冷却媒体8を収納部4に収納する操作が煩わしくなる傾向がある。
これにより、互いに重なり合う二重開口縁部2a、3aを通して冷却媒体8を収納部4に容易に入れることができ、収納部4に収納されている冷却媒体8の飛び出しが抑制され、その結果、(チ)収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性に優れた頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、それぞれの収納開口部4aは、(i)前記それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上、又は、(ii)前記それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上、に形成されてなることを特徴とする。これにより、収納部4の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部4に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
例えば、図1、図2に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、(i)それぞれの収納部41、42、43の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部41、42、43の中に前記冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部41、42、43に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
収納部41、42、43の略中央部を通る仮想線上に収納開口部41a、42a、43aが形成された形状構成により、収納部に収納されている冷却媒体8の端部が収納開口部から離れた位置に位置するために、収納部に収納されている冷却媒体8の飛び出しが抑制され、その結果、(チ)収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性に優れた頭部冷却用具が得られる。
例えば、図3に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、(ii)それぞれの収納部41、42、43の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。特に、図3(B)に示されるように、略半円形状(又は、図示されないが、略4分の1円形状)の形状を有する左側頭収納部42及び右側頭収納部43の収納開口部42a、43aはそれぞれの耳側の長い端部を有する位置に左側頭収納部42及び右側頭収納部43を形成する構成が望ましい。これにより、冷却により硬くなった冷却媒体8を折り曲げることなく容易に左側頭収納部42及び右側頭収納部43に収納できる。
<収納開口部の解放口の位置について>
収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43のそれぞれの収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4が互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、(i)収納部の一方の側から延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、他方の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が収納部の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される狭幅解放口構成、及び、(ii)収納部の方の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、他方の側から延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が収納部の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される広幅解放口構成、のいずれかの形状構成が実施可能である。
例えば、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、図3(A)に示されるように、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、中央収納部41が額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413の複数個に分割された収納部を有する構成において、上記の(i)狭幅解放口構成が望ましい。
すなわち、図3(A)のように、広い幅を有する広幅シート状表面部材が左側頭収納部42から右側頭収納部43の端部まで向かって伸びる形状に形成され、その広幅シート状表面部材を覆う形状で、右側頭収納部43から左側頭収納部42に向かって形成された狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が形成された構成である。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
他方、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、図3(B)に示されるように、左側頭収納部42及び右側頭収納部43が分割されることなくそれぞれ一つの左側頭収納部42及び右側頭収納部43を形成する構成において、上記の(ii)広幅解放口構成が望ましい。
すなわち、図3(B)のように、狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の耳部(図3(B)の下部)から頭頂部に向かって伸びる形状に形成され、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で、頭頂部から耳部に向かって収納部の端部まで伸びて形成された広い幅を有する広幅シート状表面部材が形成された構成である。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
図3(A)の変形例として、中央収納部41が分割されることなく一つの中央収納部41である構成(例えば、図1(A)のように、中央収納部41が一つの収納部を構成)の場合には、上記の(ii)広幅解放口構成が望ましい。
すなわち、狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が左側頭収納部42から右側頭収納部43に向かって伸びる形状に形成され、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で、右側頭収納部43から左側頭収納部42に向かって形成された広い幅を有する広幅シート状表面部材が形成された構成である。
他方、図3(B)の変形例として、左側頭収納部42及び右側頭収納部43のそれぞれの収納部が複数個に分割された構成(例えば、図2(B)のように、左側頭収納部42及び右側頭収納部43がそれぞれ2つに分割された収納部を構成)の場合には、上記の(i)狭幅解放口構成が望ましい。
広い幅を有する広幅シート状表面部材が頭頂部から左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の耳部(図3(B)の下部)の収納部端部まで向かって伸びる形状に形成され、その広幅シート状表面部材を覆う形状で、耳部から頭頂部に向かって伸びて形成された狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が形成された構成である。
望ましくは、収納開口部4は、シート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3に形成され、さらに、収納開口部4の少なくとも一部分に設置された表面部材開口部連結部材2b及び/又は内面部材開口部連結部材3bを備え、開口縁部連結部材2b、3bはそれぞれの収納開口部4の少なくとも一部分を解放及び連結自在に構成され、収納部4に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
例えば、図7(C)に示されるように、収納開口部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)2aを有し、表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)2aの少なくとも一部分を係止するための表面部材開口部連結部材2bを備え、表面部材開口部連結部材2bは表面部材開口部(二重開口縁部開口縁部)2aを解放及び連結自在に構成されている。
例えば、図7(D)に示されるように、収納開口部4は、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aを有し、内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aの少なくとも一部分を係止するための内面部材開口部連結部材3bを備え、内面部材開口部連結部材3bは内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aを解放及び連結自在に構成されている。
表面部材開口部連結部材2b又は内面部材開口部連結部材3bとしては、特に限定されないが、例えば、汎用のボタン、鈎と受具との一対の汎用のホックボタン、汎用のファスナー(線ファスナー)、汎用の互いに絡み合った形状で綿的に接合・分離自在な面ファスナーなどが使用できる。面ファスナーは、商品名としては、クラレ製マジックテープ、ベルクロUSA社製ベルクロがあり、ループアンドフック、又は、パイルアンドフックとも呼ばれる。
これにより、(チ)収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性がさらに向上した頭部冷却用具が得られる。
特に、表面部材開口部連結部材2b又は内面部材開口部連結部材3bとしては、面ファスナーが望ましく、これにより、「突起高さが小さく、比較的柔軟であり、更に、解放及び連結の操作が容易であり、片手でも解放及び連結の操作が可能で、病人でも容易に解放及び連結の操作でき、その結果、(ト)収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる使用容易性、(チ)収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性、の優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
<装着脱落防止部材について>
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備え、該装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。
更に望ましくは、装着脱落防止部材5は、(i)収納部4の下側縁の全周囲に設置された伸縮性部材、(ii)収納部4の下側縁の全周囲に設置された係止・解放自在な紐部材、(iii)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止自在な伸縮性部材、及び、(iv)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止・解放自在な紐部材、からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
例えば、(i)収納部4の下側縁の全周囲に設置された伸縮性部材(装着脱落防止部材)5としては、図1(B)、図2(B)、図3(B)に示されるように、頭部冷却用具の下側縁の全周囲に設置された装着脱落防止部材収納部を構成し、その装着脱落防止部材収納部の中に伸縮可能なゴム紐を設置した構成が実施できる。
(ii)収納部4の下側縁の全周囲に設置された係止・解放自在な紐部材(装着脱落防止部材)5としては、図1(B)、図2(B))、図3(B)に示されるように、頭部冷却用具の下側縁の全周囲に設置された装着脱落防止部材収納部を構成し、その装着脱落防止部材収納部の中に結び解き自在な紐部材を設置した構成が実施できる。
(iii)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止自在な伸縮性部材としては、図11(B)に示されるように、収納部4の下側縁の両側頭部に設置されたゴム紐(伸縮性部材)5を設置した構成が実施できる。なお、図11(B)は本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図であって、紐部材を構成した説明図である。
(iv)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止・解放自在な紐部材としては、図11(B)に示されるように、収納部4の下側縁の両側頭部に設置された紐5を設置した構成が実施できる。
上記の(iii)及び(iv)の構成において、さらに、ゴム紐5又は左右の紐5に、紐5を係止するための装着脱落防止部材用係止部材5a(図11(B)に示す)設置した構成も実施可能である。
これにより、人体頭部に装着されている頭部冷却用具の脱落を防止して、装着感に優れたす頭部冷却用具が得られる。
<人体首部冷却構成について>
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置された首部収納部5と、首部収納部5の中に収納自在に収納された冷却媒体8、を備え、首部収納部6に収納された冷却媒体8は、人体首を冷却する機能を奏する。
例えば、図11(A)は本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図である。図11において、頭部冷却用具は、左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを備えた左側頭収納部42と、右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを備えた左側頭収納部43と、中央収納部41(図示なし)と、これらの収納部の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備えるとともに、収納部4の後頭部の下側縁に取り付け及び取外し可能に設置された首部収納部6を備え、首部収納部6の中に冷却媒体8が収納自在に収納されている。
首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状表面部材2が構成される。
首部収納部6の首部収納部開口部(図示なし)は、前述のそれぞれの収納部4と同じ位置、例えば、首部収納部6の略中央部を通る仮想線よりも上方向の位置に形成された構成、及び、その開口部が二重に形成された二重開口部縁部を有する構成が望ましい。
首部収納部5を取り付け及び取外し可能に設置する部材としては、特に限定されないが、例えば、前述の表面部材開口部連結部材2b又は内面部材開口部連結部材3bに使用できる汎用のボタン汎用のホックボタン、汎用のファスナー(線ファスナー)、汎用の面ファスナーなどが使用できる。
これにより、血管が皮膚表面に近く通っている首部を冷却することが可能になり、前述の(イ)と(ハ)の効果に加えて、更に、「人体血管が皮膚表面に近く通っている首部を効率的に冷却できる首部冷却性能」を奏する頭部冷却用具が得られる。
<冷却媒体について>
本発明の頭部冷却用具において、使用される冷却媒体8としては、特に限定されないが、望ましくは、冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体、又は、(b)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体、の形態で構成され、密封冷却媒体が冷却された状態で、それぞれの収納部4に収納されて使用可能に構成されてなる。
前述の冷却媒体を封入する密封容器としては、特に限定されないが、例えば、柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の袋容器、又は、柔軟性を有する金属薄膜をラミネート含有する金属薄膜ラミネットプラスチック製フィルム製の袋容器であって、冷凍冷蔵庫冷却と人体装着との繰り返し使用においても劣化、破損等の発生がない容器が使用でき、特に、熱溶着により密封して封止可能なプラスチック製フィルム製の袋容器が望ましく、これにより、任意の形状を有する袋容器を容易に量産製造可能になる。また、このようなプラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により複数個に分割されるとともに互いに連結された密封冷却媒体を製造できる。
例えば、内層として熱融着可能なポリエチレン、ポリプロピレンが構成され、外層として強い機械的強度を有するポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)が構成された柔軟性を有するプラスチックラミネートフィルム製袋容器が使用できる。これに限定されることなく、ポリ塩化ビニール、アルミ蒸着フィルムなどを使用したプラスチックラミネートフィルム製袋容器も使用できる。
内層ポリエチレン層又は内層ポリプロピレン層は熱融着可能であり、任意の形状のフィルム製袋容器を熱融着により形成できる。
外層又は中間層に文字、絵柄、図柄などを印刷形成したプラスチックフィルムも使用でき、冷却媒体の種類、使用方法などを印刷形成することにより、使用者の利便性が向上する。
(i)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷却媒体としては、(a)家庭で使用されている汎用の冷蔵庫又は冷凍庫の中に載置して約10℃以下の温度に冷却することにより、低温状態の冷却状態冷却媒体となり、(c)人体頭部に装着使用して、人体の体温まで昇温した昇温状態の昇温状態冷却媒体となり、(d)昇温状態となった冷却媒体を取出し、(a)取出した冷却媒体を再度、冷凍冷蔵庫内で冷却、のサイクルの冷却と昇温を繰返し使用しても変質しなく劣化しない冷却媒体が望ましい。
このような冷却媒体としては、特に限定されないが、例えば、約25℃において、液体、半固体状物質、固体粉末、又は、これらの混合媒体が使用できるが、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体が望ましい。更に、特に望ましくは、約0℃の低温においても、固化することなく、粘性状、ゲル状、ジェル状、等の半固体形状を有する冷却媒体が特に望ましい。
冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷却媒体が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された密封冷却媒体8としては、(a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体、(a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−iv)無機質の粉末状固体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−v)有機質又は有機高分子の粒子状固体を密封容器に収納した密封冷却媒体、及び、(a−vi)冷却媒体を含有するマイクロカプセルを密封容器に収納した密封冷却媒体、のうちの少なくとも一つの媒体を含有する密封冷却媒体が望ましい。
(a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、これらの架橋高分子、これらの共重合高分子、等を水に溶解した媒体、又は、水を保持したこれらの水溶性高分子を含有する冷却媒体が使用できる。
(a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、等の多価アルコールを含有する媒体、又は、これらの多価アルコールと低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)との混合媒体が使用できる。
(a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体としては、例えば、上記の水溶性高分子、多価アルコール、低級アルコ−ル及び水を所望割合で混合することにより、任意の粘性を有する媒体が調製できる。
(a−iv)無機質の粉末状固体としては、例えば、発泡パーライト、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク等の微粉末が使用できる。
(a−v)有機質の粉末状固体としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸塩、その他の有機酸の金属塩の微粉末が使用できる。
(a−vi)冷却媒体を含有するマイクロカプセルとしては、例えば、液状の冷却媒体を含有する約0.1〜5mm径の高分子系のマイクロカプセルが使用でき、特に、上記の液状媒体が中に充填されたマイクロカプセルが使用できる。
これらの冷却媒体の種類、混合割合を設計することにより、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能を有する所望性能の冷却媒体を調製することができ、−5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。
本発明においては、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有するとともに、約0℃においても、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体8が特に望ましい。この場合、冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を装着した時に、人体頭部に硬い違和感を感じることなく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる。
このような、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された密封冷却媒体を構成した頭部冷却用具により、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、(ニ)繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能、等の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
前述の(b)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体としては、冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体を叩いて衝撃を加えることにより何らかの化学的又は物理的反応により瞬間的に冷却される冷却媒体が使用できる。例えば、容器の中に水と小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを充填した密封冷却媒体であって、容器を叩くことにより水と硝酸アンモニウムとの反応により冷却された密封冷却媒体が得られる。硝酸アンモニウムを詰めた小袋としては、「叩く」などの外部衝撃によって破れやすいプラスチック製の小袋が望ましい。
本発明の頭部冷却用具において、冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体8としては、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる構成も実施可能である。
例えば、図1(a)、図4(b)に示されるように、密封冷却媒体8は、例えば、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cの複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体8を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体8は屈曲自在に連結されてなる。これらの分割の数は、特に限定されなく、任意の数に分割された複数個分割連結密封冷却媒体8が使用可能である。
屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体は、例えば、前述のプラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により作成された複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用できる。
このような密封冷却媒体8は、例えば、冷蔵庫又は冷凍庫の中で約−30℃〜約10℃に冷却され、その冷却された密封冷却媒体8を頭部冷却用具の収納部4の中に収納して、その冷却された密封冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用される。
人体頭部に装着して、密封冷却媒体8の温度が上昇して冷却効力が低下した場合、密封冷却媒体8を、頭部冷却用具の収納部4の中から取出し、冷蔵庫又は冷凍庫の中で冷却する。このように、密封冷却媒体8は、冷却・頭部冷却用具に収納・人体頭部装着使用・頭部冷却用具から取出し・冷却、のサイクルを繰り返して使用される。
これにより、密封冷却媒体8を構成した頭部冷却用具により、(ニ)繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
本発明の頭部冷却用具において、使用される他の冷却媒体8としては、(c)蒸発熱や気化熱を利用した湿布型冷媒も使用できる。例えば、(c‐i)小片状の氷材を袋状容器に充填した氷含有冷却材、(c‐ii)低温水を布に含浸した低温水含浸布材又は水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材、(c‐iii)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却媒体を布に含浸した低温水アルコール混合液含浸布材、又は、水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を含浸した布を低温に冷却した低温水アルコール混合液含浸布材、及び、(c‐iv)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液と小片状の氷材を袋状容器に充填した氷アルコール水含有冷却材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの湿布型冷却媒体8が使用できる。低級アルコールとしては、特に、エタノール及び/又はイソプロピルアルコールの使用が望ましいが、エタノールとイソプロピルアルコールは引火性に注意して使用する必要があり、また、装着者がその蒸発気化アルコール成分を吸引しない工夫が必要である。
(c‐i)氷含有冷却材としては、例えば、約0.1〜約5mmの氷片材をプラスチック製袋容器の中に充填したものが使用できる。(c‐ii)低温水含浸布材としては、例えば、ガーゼやタオルなどの冷媒保持布材に氷水を含浸したもの、又は、水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材が使用できる。(c‐iii)水アルコール混合液含浸布材としては、例えば、ガーゼやタオルに、冷却した水エタノール混合液及び/又は水イソプロピルアルコール混合液を含浸したものが使用できる。(c‐iv)氷アルコール水含有冷却材としては、例えば、ガーゼやタオルに、冷却した水エタノール混合液及び/又は水イソプロピルアルコール混合液を冷却した冷却混合液に小片状の氷材を柔軟な袋状プラスチック製袋容器の中に充填したものが使用できる。
これらの冷却媒体8の蒸発時に発生する蒸発熱又は気化熱により、人体の体温が低下する性質を利用したものであり、特に、(c‐iii)水アルコール混合液含浸布材はアルコールに起因する蒸発熱により頭部を冷却する効果が著しく向上する。
なお、このような湿布型冷却媒体8を収納部4に収納して装着した場合に、シート状内面部材3が水又はアルコールに起因して濡れてくることがあるが、その時には、適切なタオルなどを人体頭と頭部冷却用具との間に介在させて使用する方法が望ましい。
低級アルコールとしてエタノール及び/又はイソプロピルアルコールを使用する場合、これらのアルコール含有割合は、特に限定されないが、水とアルコール合計量に対して、3〜50重量%の範囲が望ましく、3重量%未満の場合には約−5℃の低温において固化する傾向にあり、50%を超える場合には、人体頭部に装着した時にアルコールの蒸発に起因して装着者に不健康感で不愉快感を及ぶす傾向がある。
水と低級アルコールとの混合割合を任意に選択することにより、例えば、−20℃の低温においても固化しない液体状の冷却媒体を得ることが可能となり、布に含浸して使用され、また、柔軟な袋状プラスチック製袋容器の中に充填して使用可能であり、低温においても流動状態を維持しているために、人体頭部に装着した場合に、ゴツゴツした装着違和感が抑制された快適な装着性を有する頭部冷却用具が得られる。
これらの冷却媒体を保持する冷媒保持布材としては、前述のガーゼやタオルに限定されることなく、優れた吸水保持性を有する布材が使用され、その布材としては、例えば、天熱繊維製又は合成繊維製の不織布又は織布、軟質発泡ウレタン・軟質発泡オレフィンなどの連続気泡含有発泡プラスチック、特殊加工した高吸水性の不織布又は織布などが望ましい。
これらの湿布型冷却媒体8は繰返し使用ができないが、優れた冷却能力を奏する性質を有するとともに、家庭や医療機関で容易に取り扱いが可能である利点がある。
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、冷却媒体8は、図1、図2に示されるように、収納部4の形状に略相似する形状であって、収納部4に出し入れ自在に収納可能な形状に形成されてなる。冷却媒体8の形状が収納部4の形状に略相似する形状であることにより、収納部4のできる限り広い領域に冷却媒体8を収納することが可能となり、限定された広さの収納面積を有する収納部4に、最大限の面積で冷却媒体8を収納設置することが可能となり、人体頭部を冷却する効率が著しく向上する。望ましくは、頭部冷却用具の面積の略40%以上に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましく、より望ましくは、約80〜99%の領域に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましい。
例えば、図1(B)のように収納部42、43の形状が略半円状である場合、又は、図2(B)のように収納部421、423の形状が略扇型状である場合、冷却媒体8の形状はその収納部4の形状に合致する略相似形状であるとともに、できる限りその収納部の全領域に収納可能な形状が望ましい。また、収納部4の形状が大きい場合、プラスチック製袋容器に充填された密封冷却媒体8を使用して、図1(B)のように、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
これにより、「(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能」がさらに向上した頭部冷却用具が得られる。
このように、本発明において、望ましくは、冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、繰返型密封冷却媒体8は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、密封冷却媒体8が冷却された状態で、それぞれの収納部4に収納されて使用可能に構成されてなる構成を有する。
また、本発明において、望ましくは、冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、繰返型密封冷却媒体8は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、及び、(ii)繰返型密封冷却媒体8は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の種類の形態を備え、収納部4が異なる広さ面積を有する複数個に分割された収納部を構成する場合に、(i)広い面積を有する収納部に複数個分割連結密封冷却媒体8を収納し、(ii)狭い面積を有する収納部に単一密封冷却媒体を収納し、これらの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着される、構成が望ましい。
これにより、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、、該頭部の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着されて、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できる。
<頭部冷却用具を装着した時の冷却媒体の快適な温度及び柔軟ソフト感触性について>
本発明者が実験により確認したことであるが、冷却媒体8を収納した頭部冷却用具1を人体頭部に装着した時に、快適な冷却感を感じる「快適温度」は、約2〜約15℃の範囲である。冷却媒体8の温度が約2℃より低くなる約−5〜約2℃の場合にはやや冷たすぎる強冷のために不快感を感じるようになり、更に低い約−5℃未満の場合には著しく冷たく感じて使用に不向きな「激冷」状態となる。約15℃を超える場合には、冷却感が薄れるとともに人体頭部を冷却する冷却効果が失われる傾向にある。
他方、冷却媒体として、水溶性高分子、多価アルコール、水、などを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体は、常温においては流動性を有するゲル状(又は、液状、ジェル状)であるとともに、温度の低下とともにその粘性が増加して、半固体状を経て、硬い塊状になる傾向があり、人体頭部に装着した時の装着感の観点において、ゲル状(又はジェル状)から粘土状(又は半固体状)になるまでの柔軟でソフトな感触が得られソフト感触が望ましい。
このような望ましい冷却温度とソフト感触を備えた密封冷却媒体8は、上記の水溶性高分子、多価アルコール、水などの媒体の含有割合を適切な所望の形態になるように設計することにより調製することができる。
収納部に収納する冷却媒体8の冷却温度は、収納部4を形成するシート状表面部材2とシート状内面部材3の断熱性能により異なるが、約10℃以下が望ましく、その冷却温度が約10℃を超える場合には、人体頭部に装着時の快適冷却持続時間が著しく短くなり、また、冷却感が得られなくなる傾向がある。更に望ましくは、収納部に収納する冷却媒体8の冷却温度は約−20℃〜約5℃が望ましい。この温度範囲に冷却された冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合、快適冷却持続時間が永くなる傾向がある。頭部冷却用具を構成するシート状表面部材2とシート状内面部材3の断熱性能及び冷却媒体の種類により、冷却媒体8の最適な冷却温度を選択して実施できる。
<頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間について>
頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間は、少なくとも、約20分以上を有する頭部冷却用具が望ましく、より望ましくは、約30分以上の快適冷却持続時間上を有する頭部冷却用具が望ましい。頭部冷却用具を装着後、冷却媒体8の温度が約15〜約20℃に上昇した時に、準備している他の0℃以下に冷却した冷却媒体8と入れ替えて交換する。
快適冷却持続時間は、(a)頭部冷却用具1の収納部4の断熱性能、(b)頭部冷却用具1の冷却媒体8が頭部を覆う面積割合、(c)頭部冷却用具1の冷却媒体8の厚さ形状、(d)頭部冷却用具1の冷却媒体8の容積(重量)などに起因して変化する。
本発明の頭部冷却用具において、(a)頭部冷却用具1の収納部4の断熱性能については、断熱性素材22を備えたシート状表面部材2を構成することにより、頭部冷却用具1の表面から逃げる冷気をできる限り抑制することにより、冷却持続時間が永くなるように設計される。(b)頭部冷却用具1の冷却媒体8が頭部を覆う面積割合については、頭部全体を覆う複数個に分割された収納部4を構成し、それぞれの収納部4の中に冷却媒体8を収納した構成により、人体頭部の全体を覆って装着可能な構成を有する。
(c)頭部冷却用具1の冷却媒体8の厚さが厚くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、収納部4の形状に起因して厚さの限界があり、また、装着した時に違和感が生じる傾向にある。(d)頭部冷却用具1の冷却媒体8の容積(重量)が多くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に重く感じるために、人体頭や首にストレスを感じる傾向にある。
このような観点から、収納部4の中に収納される冷却媒体8の厚さは、約3〜約15mmが望ましく、より望ましくは、約5〜約13mmの厚さを有するとともに、冷却媒体8の形状に相似形であって、頭部冷却用具の面積の略40%以上に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましい。冷却媒体8の占める面積が形状頭部冷却用具の面積の略40%未満の場合には、冷却持続時間が短くなる傾向がある。より望ましくは、冷却媒体8の占める面積が形状頭部冷却用具の面積の約80〜99%が望ましい。
<頭部冷却用具の適用方法について>
本発明の頭部冷却用具の適用方法は、所定の温度に冷気された前記冷却媒体が収納された上記の頭部冷却用具を、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれかの状態で、人体頭部に装着し、その後、前記頭部冷却用具を裏返して、裏返しされた前記頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用することを特徴とする。
これにより、「冷却感、装着快適感、色彩満足感などの装着者の好みに応じた装着感が得られる」効果が得られる。
本発明の頭部冷却用具の適用方法において、望ましくは、前記頭部冷却用具を構成する前記シート状表面部材は前記シート状内面部材よりも高い断熱性能を有し、冷却媒体の冷却温度が低い場合に、(ii)前記シート状表面部材の側が人体頭部に接触する状態で、前記頭部冷却用具を人体頭部に装着し、その後、装着後の所定の時間の経過後に、前記冷却媒体の冷却温度が昇温した場合に、(i)前記シート状内面部材の側が人体頭部に接触する状態で、前記頭部冷却用具を人体頭部に装着する、ことを特徴とする。
これにより、頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用した場合に、冷えすぎた不快感を抑制できるとともに、快適冷却持続時間が永くなる効果がさらに顕著に得られる。
例えば、約−20〜約10℃に冷却された冷却媒体8が収納部4に収納された頭部冷却用具1を、シート状表面部材2が表面に位置する状態で人体頭部に装着して使用する方法が適用できる。
本発明において、冷却媒体8が冷えすぎて不快感を感じる場合であって、シート状表面部材2がシート状内面部材3より、表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材を少なくとも構成した本発明の頭部冷却用具において、頭部冷却用具1を、シート状表面部材2が人体頭部の側に位置する状態で人体頭部に装着して使用する方法が適用できる。すなわち、約0℃以下に冷却され冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着した際に、人体頭部に接触する側の頭部冷却用具の温度が約2℃以下の冷えすぎた強冷領域又は激冷領域にある場合には、頭部冷却用具1のシート状表面部材2が頭部側に位置するように頭部冷却用具1の表裏を裏返して装着することができる。これにより、人体頭部に接触する側のシート状表面部材2の温度が、断熱素材に起因する断熱性能により冷却媒体の温度よりも約1〜7℃高い温度で冷え過ぎ感が抑制されて、冷え過ぎ感の少ない冷感装着感が得られる。そして、装着持続後、人体頭部に接触する側の頭部冷却用具の温度が2℃以上の快適冷感温度領域になった時に頭部冷却用具1を正常状態に戻した状態で装着することができる。これにより、快適冷却持続時間が永くなる効果がある。
すなわち、「(オ)冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材との断熱性が異なる構成において、冷え過ぎた冷却媒体を収納した頭部冷却用具を裏返して使用可能な構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
前記頭部冷却用具を構成する前記シート状表面部材と前記シート状内面部材とは、互いに類似する断熱性能を有し、前記シート状表面部材は積層された複数種類の内面素材より構成される。
前記複数種類の表面素材は、少なくとも、(A)表面部材最表層に構成される所望の機能を有する表面部材所望機能性素材、(B)表面部材中間層に構成される表面部材断熱性素材、及び、(C)表面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する表面部材冷却媒体保持素材を備える。
前記シート状内面部材は積層された複数種類の内面素材より構成され、前記複数種類の内面素材は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する内面部材所望機能性素材、(B)内面部材中間層に構成される内面部材断熱性素材、及び、(C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する内面部材冷却媒体保持素材を備える。
なお、表面部材冷却媒体保持素材としては前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記表面部材断熱性素材よりも小さい断熱性を有するものが望ましい。内面部材冷却媒体保持素材としては前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記表面部材断熱性素材よりも小さい断熱性を有するものが望ましい
装着者の好みに応じて、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれかの状態で、前記頭部冷却用具を人体頭部に装着する、ことを特徴とする。
これにより、頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合に、装着者の好みに応じた良好な外観を奏する効果が得られる。
本発明において、さらに、頭部冷却用具を、(i)前記シート状内面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、及び、(ii)前記シート状表面部材の側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、のいずれかの状態で、人体頭部に装着する。
前記冷却媒体の温度が冷え過ぎて不快感を感じる場合に、前記頭部冷却用具と人体頭部との間に、シート状頭部保護部材を介在設置して装着し、その後、所望時間経過後に、前記シート状頭部保護部材を取り除いて、前記シート状頭部保護部材が取り除かれた前記頭部冷却用具を人体頭部に装着する適用方法が望ましい。この場合、快適冷却持続時間が永くなる利点がある。
なお、本発明において、頭部冷却用具の製造方法は特に限定されないが、例えば、本発明の頭部冷却用具は、所定のシート状部材を使用して、下記のような製法により、製造することができる。
(a)複数のシート状素材を縫い合わせて接合する縫製。
(b)複数のシート状素材を、布用接着材又は布用加熱溶融接着テープなどの接着部材を介在して加熱加圧することにより、接着して接合する接着製法。布用加熱溶融接着テープとしては、例えば、熱により溶融する樹脂により調製された不織布製接着テープ、又は、不織布基材に熱により溶融する樹脂を含浸させたテープ状接着剤が使用できる。
(c)加熱により溶融し、常温において固化するホットメルト接着剤を使用して接合する接着製法。
(d)加熱により溶融するシート状部材を構成する頭部冷却用具の場合に、加熱するとともに加圧して互いのシート状部材を接合する加熱圧着接合製法。加熱方法としては、高周波加熱、又は、熱圧着などの方法が適用できる。
これらの所望の方法により、頭部冷却用具を製造することができる。
本発明の頭部冷却用具の典型的実施例を以下に説明する。
実施例1
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図1に示される。図1において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具を表面の後方から見た概略模式図、(F)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7(A)のシート状表面部材2に収納開口部4a(表面部材開口部2a)を有する構成である。
図1において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
シート状表面部材2は、少なくとも、表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材を構成する。
図4に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具他的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
シート状表面部材の表面部材最表層21としてのポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21と、表面部材中間層22としてのポリエステル短繊維製断熱性不織布22aは、抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図1及び図4(A)に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。ここで、図4(A)は、図1の頭部冷却用具を左耳部から右耳部に至る断面を展開した断面図に相当し、図4(B)は図1の頭部冷却用具の中央収納部41を側頭部から見た断面図に相当する。
本実施例において、図1に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図1に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、中央収納部開口部41aは、図1(A)に示されるように、中央収納部41の略中央部である右耳部から左耳部に至る仮想線上に形成されている。図1(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは頭頂部から左耳部に至る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは頭頂部から右耳部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図1、図7(A)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することも実施可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、下記の種類の冷却媒体8が使用可能である。
(a−i)ゲル状の「冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体」としての、水にポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムとを溶解した25℃においてゲル状の含水水溶性高分子(又は吸水性高分子とも言う)を使用し、そのゲル状の含水水溶性高分子を柔軟なプラスチック製袋容器の中に充填密封した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−ii)ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン(多価アルコールの一種)を主成分とする粘性状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−iii)水とカルボキシメチルセルロースとプロピレングリコールとを含有するゲル状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(b)「外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体」としての、水と小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを含有する反応性冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した反応型密封冷却媒体8。
(c−iii)水(又は、水とアルコールとの混合液)を所定形状のガーゼに浸漬したものを約−10℃〜約5℃に冷却した湿布型冷却媒体8。
上記の密封冷却媒体8に構成される柔軟なプラスチック製袋容器としては、所定形状に形成された内層ポリエチレンと中間層ポリエチレンテレフタレートと外層ポリアミド(冷媒の種類と使用方法等の説明が印刷されている)とのラミネートプラスチックフィルム製袋容器が使用される。内層ポリエチレン層は熱融着可能であり、このラミネートプラスチックフィルムを熱融着することにより、任意の形状のフィルム製袋容器、及び、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を容易に調製できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図1に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部(41、42、43)に収納及び取出し可能に収納して使用される。特に、本実施例においては、図1に示されるように、それぞれの収納部の広さ面積が広いために、複数個に分割されるとともに互いに連結された屈曲自在に形成された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図1の(A)に示されるような、略長方形の3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図1(A)、(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形の繰返型密封冷却媒体8は、略長方形を有する中央収納部41の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の繰返型密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
実施例2
本実施例2の頭部冷却用具が実施例1と主として異なる点は、中央収納部41が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とに分割され、左側頭収納部42が左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とに分割され、右側頭収納部43が右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とに分割された構成、及び、収納開口部4aがシート状内面部材3の側に形成された内面部材開口部3aを構成する点である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。図2において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方又は後方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7の(B)のシート状内面部材3に内面部材開口部3aを有する構成である。
図2において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有し、右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する。これらの複数個の収納部4は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
図4に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、
複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成されるシート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具他的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
シート状表面部材の表面部材最表層21としてのポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21と、表面部材中間層22としてのポリエステル短繊維製断熱性不織布22aは、抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図2及び図4(A)に示されるような、それぞれの収納部が、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。ここで、図4(A)は、図2の頭部冷却用具の左側頭収納部42又は右側頭収納部43を側頭部から見た断面図に相当し、図2の頭部冷却用具の中央収納部41を上部から見た断面図に相当する。
本実施例において、図2に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図2に示されるように、それぞれの収納部4は、収納開口部4aとして、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部3aを備える。その内面部材開口部3aとして、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413a、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aのそれぞれの収納開口部4aを備え、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部411a、412a、413a、421a、422a、431a、432aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、図2(C)に示されるように、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413aは、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前頭部から頭頂部を経て後頭部に至る仮想線上に形成されている。また、図2(D)、(E)に示されるように、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aは、左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前側頭部から後側頭部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷内面部材開口部3aから脱落することが防止される。
図2、図7(B)に示されるように、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う内面部材二重開口縁部3aを有し、二重開口縁部3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が内面部材開口部3aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、図7(D)に示されるような内面部材開口部連結部材3bを前述の、二重開口縁部3aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。内面部材開口部連結部材3bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することが可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図2に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、それぞれの収納部4の形状に略相似形の形状を有する。すなわち、図2の(A)、(C)に示されるような、略正方形(略長方形)密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略扇型密封冷却媒体が使用される。(A)、(C)に示されるような略正方形の繰返型密封冷却媒体8は、中央収納部41の分割された略正方形のそれぞれの額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略扇型の繰返型密封冷却媒体8は、略扇型を有する左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
実施例3
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。図3において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7(A)のシート状表面部材2に収納開口部4a(表面部材開口部2a)を有する構成である。
図3において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が少なくとも構成されている。
図4に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成されるシート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具他的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
シート状表面部材の表面部材最表層21としてのポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21と、表面部材中間層22としてのポリエステル短繊維製断熱性不織布22aは、抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図3及び図4(A)に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。ここで、図4(A)は、図3の頭部冷却用具を左耳部から右耳部に至る断面を展開した断面図、及び、図3の頭部冷却用具の中央収納部の前頭から後頭に至る断面を展開した断面図に相当する。
本実施例において、図3に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図3に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。中央収納部開口部41aは額収納部411に開口された額収納部開口部411a、頭頂収納部412に開口された頭頂収納部開口部412a、後頭収納部413に開口された後頭収納部開口部413aを有する。それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
本実施例において、それぞれの収納開口部4aは、(ii)それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。すなわち、それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
中央収納部開口部41a(411a、412a、413a)は、図3(A)に示されるように、中央収納部41の略端部を通る仮想線上に形成されている。図3(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは左側頭収納部42の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは右側頭収納部43の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図3、図7(A)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
図3(A)に示されるように、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413に分割された中央収納部41を形成するシート状表面部材においては、右側頭収納部の側(図3(A)の上側)から収納部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、左側頭収納部の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が中央収納部41の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される形状で構成される。
他方、図3(B)に示されるように、複数個に分割された収納部を構成しない単一の収納部により形成される左側頭収納部42と右側頭収納部43においては、人体耳部の側(図3(B)の下側)から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、人体頭頂部の側から耳部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の略端部を通る仮想線上である人体耳部側の略端部に形成される形状で構成される。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することも実施可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図3に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
特に、図3に示されるように、比較的に広い面積を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43に収納される冷却媒体としては、複数個に分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。比較的狭い面積を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とにには、分割されていない単一構造の密封冷却媒体の使用が望ましい。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図3の(A)に示されるような、略長方形又は略正方形の密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図3(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形(略正方形)の繰返型密封冷却媒体8が、略長方形(略正方形)を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の複数個分割連結密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
実施例4
本実施例は、前述の実施例3の構成において、さらに、シート状頭部保護部材7を構成した頭部冷却用具である。
すなわち、本実施例の頭部冷却用具は、図3に示される頭部冷却用具において、図4(C)に示されるように、収納部4の内面側に位置して、シート状頭部保護部材7が設置されている。シート状頭部保護部材7は、収納部4を形成することなく、収納部4の内面側に位置して構成される。シート状頭部保護部材7の周囲領域とシート状内面部材3の周囲領域とが互いに接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成される。シート状頭部保護部材7は、収納部4に収納されている冷却媒体8の人体頭部への直接の接触を防止して冷却媒体8に起因する冷気を抑制する効果を奏する。
また、シート状頭部保護部材7は、人体頭部に接触する側の表面に縫い代などの突起部を形成しない状態で構成される。表面に突起部を有しない前記シート状頭部保護部材は、前記収納部に収納されている前記冷却媒体の人体頭部への直接の接触を防止して前記冷却媒体に起因する冷気を抑制するとともに、人体頭部への突起違和感を防止する機能を奏する
本実施例においては、シート状頭部保護部材7としては、柔軟であり、良好な肌あたりと快適な吸湿性を有する綿製の平織綿布(シーチング)を使用する。又は、シート状頭部保護部材7としては、ポリエステル製の伸縮可能なストレッチ機能を有する織布を使用することもできる。
その他の構成は、前述の実施例3と同じである。
これにより、「冷却媒体8に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる」。更に、「(ル)冷却媒体8が約0℃以下に冷却された状態で収納部4に収納されている場合、人体頭部に装着された時に、人体頭部に感ずる温度が冷却媒体の温度よりも約1〜約5℃程度高くなって、冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られる。
なお、本実施例において、シート状頭部保護部材7の周囲領域とシート状内面部材3の周囲領域とが互いに接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成された構成であるが、これに限定されることなく、シート状頭部保護部材7の周囲領域における少なくとも一部分とシート状内面部材3の周囲領域における少なくとも一部分とが互いに平面ファスナー(マジックテープ)により取付取外し自在に接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成された構成も実施可能である。
実施例5
本実施例の頭部冷却用具は、実施例3に類似した複数個の収納部を構成し、シート状表面部材2が断熱性素材を構成するとともに、シート状内面部材3も断熱性素材を構成した頭部冷却用具である。実施例3と比べて主として異なる点は、シート状内面部材3も実施例3で構成されるシート状表面部材2と同じ断熱性素材を構成した点であり、その他の構成は、上記の実施例3と概略同じ構成である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。図3において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図10に示され、シート状表面部材2が断熱性素材を構成するとともに、シート状内面部材3も断熱性素材を構成した頭部冷却用具である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7(C)に示される。図7(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図である。
図3において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3と同じ断熱性能を有する断熱性素材より構成されている。
図10(A)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、
(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成される断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。、この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される幅射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3は、上記のシート状表面部材2と同じ断熱性能を有する断熱性素材より構成されている。
すなわち、図10(A)に示すように、シート状内面部材3は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の内面素材3は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される所望の機能を有する所望機能性素材31、
(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材又は柔軟性素材32、及び、(C)内面部材最裏層に構成される前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記断熱性素材又は柔軟性素材よりも小さい断熱性を有する冷却媒体保持素材33を備える。
さらに詳しくは、本実施例において、シート状内面部材3は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層32に構成される断熱性能を有する断熱性素材32として、熱伝導断熱素材32aとしての断熱性不織布32aと、金属膜輻射断熱素材32bとしての基材付金属薄膜素材32bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)内面部材最表層31として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材31が使用される。(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材32bとが積層されて構成される断熱性素材32が使用される。、この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材32bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと 類似素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層33として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材33が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材33は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状内面部材3における基材付金属薄膜素材32bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材33との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
表面部材最表層21及び内面部材最表層31としてのポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21、31と、表面部材中間層22及び内面部材中間層32としてのポリエステル短繊維製断熱性不織布22a、32aは、抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図3に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。この場合、それぞれの収納部4は、積層された複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材2と積層された複数種類の内面素材より構成されたシート状内面部材3とにより囲まれた形状で形成される。
本実施例において、図3に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図3に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。中央収納部開口部41aは額収納部411に開口された額収納部開口部411a、頭頂収納部412に開口された頭頂収納部開口部412a、後頭収納部413に開口された後頭収納部開口部413aを有する。それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
本実施例において、それぞれの収納開口部4aは、(ii)それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。すなわち、それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
中央収納部開口部41a(411a、412a、413a)は、図3(A)に示されるように、中央収納部41の略端部を通る仮想線上に形成されている。図3(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは左側頭収納部42の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは右側頭収納部43の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図3、図7(A)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
図3(A)に示されるように、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413に分割された中央収納部41を形成するシート状表面部材においては、右側頭収納部の側(図3(A)の上側)から収納部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、左側頭収納部の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が中央収納部41の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される形状で構成される。
他方、図3(B)に示されるように、複数個に分割された収納部を構成しない単一の収納部により形成される左側頭収納部42と右側頭収納部43においては、人体耳部の側(図3(B)の下側)から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、人体頭頂部の側から耳部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の略端部を通る仮想線上である人体耳部側の略端部に形成される形状で構成される。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することも実施可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1と同じ種類の冷却媒体8を準備する。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図3に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図3の(A)に示されるような、略長方形又は略正方形の密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図3(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形(略正方形)の繰返型密封冷却媒体8が、略長方形(略正方形)を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の複数個分割連結密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
実施例6
本実施例の頭部冷却用具1は、シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する頭部冷却用具1である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。図2において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方又は後方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図10に示される。図10において、密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。本発明の一実施例の頭部冷却用具の開口部はシート状内面部材3に形成されている。
図2において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有し、右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する。これらの複数個の収納部4は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
図10(A)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、
複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。
シート状内面部材3としては、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材を構成する。
図10(A)に示すように、シート状内面部材3は積層された複数種類の内面素材より構成され、複数種類の内面素材3は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される所望の機能を有する所望機能性素材31、(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材32、及び、(C)内面部材最裏層に構成される前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材33を備え、冷却媒体保持素材33は断熱性素32よりも小さい断熱性を有する。
具体的には、(A)内面部材最表層31として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材31が使用される。(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約3mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約30g/平米)が使用される。(C)最裏層33として、ポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材33が使用される。
すなわち、表面部材中間層22として、厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)が使用され、内面部材中間層32として、厚さ約3mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約30g/平米)が使用される。
シート状表面部材2及びシート状内面部材3を構成する素材には抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図2に示されるような、それぞれの収納部が、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図2に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図2に示されるように、それぞれの収納部4は、収納開口部4aとして、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部3aを備える。その内面部材開口部3aとして、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413a、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aのそれぞれの収納開口部4aを備え、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部411a、412a、413a、421a、422a、431a、432aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、図2(C)に示されるように、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413aは、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前頭部から頭頂部を経て後頭部に至る仮想線上に形成されている。また、図2(D)、(E)に示されるように、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aは、左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前側頭部から後側頭部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷内面部材開口部3aから脱落することが防止される。
図2に示されるように、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う内面部材二重開口縁部3aを有し、二重開口縁部3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が内面部材開口部3aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、内面部材開口部連結部材3bを前述の、二重開口縁部3aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。内面部材開口部連結部材3bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することが可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図2に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、それぞれの収納部4の形状に略相似形の形状を有する。すなわち、図2の(A)、(C)に示されるような、略正方形(略長方形)密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略扇型密封冷却媒体が使用される。(A)、(C)に示されるような略正方形の繰返型密封冷却媒体8は、中央収納部41の分割された略正方形のそれぞれの額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略扇型の繰返型密封冷却媒体8は、略扇型を有する左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
なお、本実施例において、シート状表面部材2に構成される断熱性素材22aとして、厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)が使用され、シート状内面部材3に構成される断熱性素材32aとして、厚さ約3mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約30g/平米)が使用されているが、この構成に変えて、天然繊維製又は合成繊維製の(ix)約0.3mm厚以上の起毛製布材、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材、又は、(xi)約0.3mm厚以上の肉厚織布材などの約0.3mm厚以上の保冷性布素材を構成することができる。
実施例7
本実施例の頭部冷却用具1は、シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された頭部冷却用具1である。
すなわち、本実施例の頭部冷却用具は、図3に示される頭部冷却用具において、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)が使用される。(C)最裏層23として、ポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。
本実施例においては、シート状頭部保護部材7としては、柔軟であり、良好な肌あたりと快適な吸湿性を有する綿製の平織綿布(シーチング)を使用する。又は、シート状頭部保護部材7としては、ポリエステル製の伸縮可能なストレッチ機能を有する織布を使用することもできる。
これにより、「冷却媒体8に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる」。更に、「(ル)冷却媒体8が約0℃以下に冷却された状態で収納部4に収納されている場合、人体頭部に装着された時に、人体頭部に感ずる温度が冷却媒体の温度よりも約1〜約5℃程度高くなって、冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られる。
なお、本実施例において、シート状頭部保護部材7の周囲領域とシート状内面部材3の周囲領域とが互いに接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成された構成であるが、これに限定されることなく、シート状頭部保護部材7の周囲領域における少なくとも一部分とシート状内面部材3の周囲領域における少なくとも一部分とが互いに平面ファスナー(マジックテープ)により取付取外し自在に接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成された構成も実施可能である。
実施例8
本実施例の頭部冷却用具は、実施例2に類似した複数個の収納部を構成し、シート状表面部材2が断熱性素材を構成することなく、メッシュ状貫通孔布素材のみを構成し、シート状内面部材3もメッシュ状貫通孔布素材のみを構成した頭部冷却用具であり、実施例2と比べて主として異なる点は、シート状表面部材2が断熱性素材を構成することなく、メッシュ状貫通孔布素材のみを構成した点である。その他の構成は、上記の実施例2と概略同じ構成である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。図2において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方又は後方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本発明の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
図2において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有し、右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する。これらの複数個の収納部4は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
図示されていないが、シート状表面部材2は、実施例2において構成した冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23としての図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23のみにより構成される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具他的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
その他の頭部冷却用具1の構成、冷却媒体8の構成などは前記の実施例2と同じである。
実施例9
本実施例の頭部冷却用具は、複数の収納部のうちの一部の収納部のみに冷却媒体を収納して構成した頭部冷却用具であり、実施例3と主として異なる点は、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない点である。その他の構成は、上記の実施例2と概略同じ構成である。
実施例10
上記の実施例1〜実施例5において、シート状表面部材2に構成される断熱性素材22として、厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用されているが、この構成に替えて、金属薄膜を含有しなく、(i)約0.5mm厚以上の柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、(ii)約0.5mm厚以上の柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、(ix)約0.3mm厚以上の起毛製布材、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材、(xi)約0.3mm厚以上の肉厚織布材などの断熱性を有する素材を構成した頭部冷却用具も実施可能である。
実施例11
プロピレングリコール12重量%とカルボキシメチルセルロース3重量%と水85重量%とを含有する25℃の室温で互いに溶解された透明でゲル状を有する粘性の混合媒体を調製する。
内層ポリエチレンと表面部材中間層ポリエステルと外層ポリアミドとからなるラミネートフィルム製袋容器に上記の混合媒体を充填して、熱融着により周囲を密封した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。複数種類の密封冷却媒体8として、図1(A)、図1(B)、図3(B)の第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する複数個分割連結密封冷却媒体8、及び、図2(A)、図2(B)、図3(A)に示されるような、略正方形(略長方形)、略半円状、及び略扇状の密封冷却媒体を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例12
実施例11で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例1〜実施例9で調製した頭部冷却用具の収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側のの温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−20℃の冷蔵冷凍庫で冷却し、それらの密封冷却媒体8を実施例1〜実施例9の頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、なお、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
実施例1〜実施例9の頭部冷却用具についての測定結果を表1に示す。
実施例1、実施例2、実施例3、実施例5、実施例8、実施例9、については、約−20℃の冷蔵冷凍庫で冷却した冷却媒体を収納部に収納したシート状内面部材の表面温度が−15℃になった時に人体頭部に装着して、その後の経過時間毎の温度を個測定した。
実施例4については、実施例3のシート状内面部材の表面温度が−15℃になった時に、実施例4のシート状内面部材の表面温度を測定するとともに、人体頭部に装着して、その後の経過時間毎の温度を測定した。実施例7については、実施例6のシート状内面部材の表面温度が−15℃になった時に、実施例6のシート状内面部材の表面温度を測定するとともに、人体頭部に装着して、その後の経過時間毎の温度を個測定した。実施例5については、実施例3のシート状内面部材の表面温度が−15℃になった時に、実施例5のシート状内面部材の表面温度を測定するとともに、人体頭部に装着して、その後の経過時間毎の温度を個測定した。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表1に示す。
なお、本実施例で使用した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8において、冷却媒体8の「硬さ」は、(a)約−10℃未満において、硬く、頭にフィット感がない形態であり、(b)約−10℃〜約−2℃において、半固体で屈曲性があり若干フィット感がないが装着し続けることができて頭ストレスを感じない形態であり、(c)約−2℃以上の温度において、ゲル状又はジェル状で、人体頭部に装着した時にフィット感があり違和感なく怏適な装着感を感じる形態である。
なお、冷却媒体8の「硬さ」が硬く頭にフィット感がない形態であり場合においても、本実施例の(柔軟な柔らかさを有する)綿状の断熱性素材を構成した部材を介する状態で頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合には、頭ストレスを感じなく装着し続けることができる。
実施例13
前述の実施例12の装着実験において、実施例3及び実施例4について、頭部冷却用具1を人体頭部に装着した時に、冷却媒体8が0℃以下の冷えすぎる場合に、頭部冷却用具1を裏返して人体頭部に装着し、その後、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が約5℃になった時に、その頭部冷却用具1を表に返して人体頭部に装着した場合の実施結果を表2に示す。
密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価を表2に示す。
Figure 0006638898
Figure 0006638898
〈実施例1〜実施例3の測定結果について〉
表1において、シート状表面部材2に断熱性素材を構成し、シート状内面部材3にメッシュ状布素材のみを構成した実施例1〜実施例3の頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」はいずれも約90分である。
収納開口部がシート状表面部材形成された構成の実施例1と実施例3は、収納開口部がシート状内面部材形成された実施例2と比べて、約−15℃の冷却状態から約20℃に達するまでの「経過時間と内面側のシート状部材の表面温度」との関係に著しい差は認められない。
但し、装着する人の感覚により異なるが、収納開口部がシート状内面部材形成された実施例2の頭部冷却用具を装着した場合に、収納開口部の二重開口縁部のわずかな膨らみ形状に起因する違和感を感じる傾向がある。
〈実施例4の測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。すなわち、人体頭部と冷却媒体との間にシート状頭部保護部材7を設置することにより、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができる。本実施例のシート状頭部保護部材7を構成した場合において、シート状頭部保護部材7を介在することにより、人体頭部に達する温度が約4〜5℃低くなるが、このシート状頭部保護部材7の種類を替えることにより、所望の温度に調整した頭部冷却用具が得られる。
〈実施例5の測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具において構成したシート状表面部材と同じ断熱性を有する素材をシート状内面部材に構成した実施例5の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は210分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
〈実施例6の測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する実施例6の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は165分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりも優れた断熱性能を有する実施例5の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
〈実施例7の測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は105分である。すなわち、シート状表面部材の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりもシート状表面部材2が優れた断熱性能を有する実施例4の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
〈実施例8の測定結果について〉
シート状表面部材とシート状内面部材との双方に、メッシュ状素材のみを構成した実施例8の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分である。すなわち、頭部冷却用具の表面から逃げる冷気が多くなるために、冷却媒体の冷却維持時間が短くなるものと想到される。
〈実施例9の測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具の複数の収納部のうち、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例9の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分であり、実施例3の「約90分の快適装着時間」と比べて、「快適装着時間」は短い。更に、本実施例において、人体頭部の一部のみを冷却しているに過ぎなく、人体の頭頂部のみに冷却感を感じるが、人体頭部の全体の冷却感は感じられな、快適冷却感に劣る傾向がある。また、装着する人によっても異なるが、設置されている冷却媒体の形状に起因する凹凸により、装着感に違和感を感じる傾向がある。
すなわち、冷却媒体が人体頭部の全体に収納された頭部冷却媒体は、冷却媒体が人体頭部の一部分に収納された頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」に優れるとともに、更に、優れた装着感を得ることができる。
上記の実施例1〜実施例10において、約−20℃に冷却した冷却媒体8を使用したが、これに限定されることなく、所望の温度に冷却した冷却媒体8を使用することが可能であり、この場合、その冷却温度に起因する「快適装着時間」が得られる。
例えば、約−5℃〜0℃に冷却された冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着する場合、装着した時点から、冷え過ぎ感の抑制された快適な冷却感が得られる。
〈頭部冷却用具を裏返し装着した場合の測定結果について〉
表2の測定結果において、実施例3の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、90分から150分に永くなった。実施例4の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、120分から165分に永くなった。実施例6の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、165分から180分に永くなった。実施例7の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、105分から165分に永くなった。
このように、冷却媒体が0℃以下に冷え過ぎている場合に、頭部冷却用具を裏返して人体頭部に装着し、その後、快適冷却温度(約5〜7度)になった時に、その頭部冷却用具を表に返して人体頭部に正常装着した場合、「快適装着時間」は約15分〜60分永くなった。
実施例14
実施例11で調製した冷却媒体8に替えて、所定量のジエチレングリコールとプロピレングリコールとグリセリンとを均一に混合して、25℃において、互いに混合された透明で、粘性流動性を有するゲル状(又はジェル状)の冷却媒体を調製する。この冷却媒体は約−20℃においても固化することなく、流動可能なゲル状(又はジェル状)の形態を有する。この冷却媒体を内層ポリエチレンと外層ポリアミドとからなるラミネートフィルム製袋容器に上記の混合媒体を充填して、熱融着により周囲を密封した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。複数種類の密封冷却媒体8として、図1(A)、図1(B)、図3(B)の第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する複数個分割連結密封冷却媒体8、及び、図2(A)、図2(B)、図3(A)に示されるような、略正方形(略長方形)、略半円状、及び略扇状の密封冷却媒体8を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例14で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例1、実施例4、実施例5〜実施例9で調製した頭部冷却用具に収納し、その冷却媒体を収納した実施例1b、実施例4b、実施例5b〜実施例9bのそれぞれの頭部冷却用具を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−10℃の冷凍冷蔵庫で冷却し、それらの密封冷却媒体8をそれぞれの頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
それぞれのの頭部冷却用具についての測定結果を表3に示す。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表3に示す。
実施例15
冷却媒体8として、湿布型冷却媒体を調製する。綿製ガーゼを水に浸漬し、これを軽く絞って、冷凍冷蔵庫内で約−10℃に冷却して、所定形状の約10mm厚の湿布型冷却媒体を調製する。
これらの冷却媒体8を前述の実施例4及び実施例7で調製した頭部冷却用具に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの実施例4c及び実施例7cの頭部冷却用具を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
すなわち、調製した約−10℃に冷却した湿布型冷却媒体8をそれぞれの頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。それぞれのの頭部冷却用具についての測定結果を表3に示す。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表3に示す。
Figure 0006638898
〈実施例1bの測定結果について〉
表3において、シート状表面部材2に断熱性素材を構成し、シート状内面部材3にメッシュ状布素材のみを構成した実施例bの頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」は約75分である。
〈実施例4bの測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。すなわち、人体頭部と冷却媒体との間にシート状頭部保護部材7を設置することにより、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができる。本実施例のシート状頭部保護部材7を構成した場合において、シート状頭部保護部材7を介在することにより、人体頭部に達する温度が約4〜5℃低くなるが、このシート状頭部保護部材7の種類を替えることにより、所望の温度に調整した頭部冷却用具が得られる。
〈実施例5bの測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具において構成したシート状表面部材と同じ断熱性を有する素材をシート状内面部材に構成した実施例5bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は210分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
〈実施例6bの測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する実施例6bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は165分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりも優れた断熱性能を有する実施例5の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
〈実施例7bの測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は120分である。すなわち、シート状表面部材の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりもシート状表面部材2が優れた断熱性能を有する実施例4の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
〈実施例8bの測定結果について〉
シート状表面部材とシート状内面部材との双方に、メッシュ状素材のみを構成した実施例8bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分である。すなわち、頭部冷却用具の表面から逃げる冷気が多くなるために、冷却媒体の冷却維持時間が短くなるものと想到される。
〈実施例9bの測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具の複数の収納部のうち、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例9の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分であり、実施例3の「約90分の快適装着時間」と比べて、「快適装着時間」は短い。更に、本実施例において、人体頭部の一部のみを冷却しているに過ぎなく、人体の頭頂部のみに冷却感を感じるが、人体頭部の全体の冷却感は感じられな、快適冷却感に劣る傾向がある。
すなわち、冷却媒体が人体頭部の全体に収納された頭部冷却媒体は、冷却媒体が人体頭部の一部分に収納された頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」に優れるとともに、更に、優れた装着感を得ることができる。
〈実施例4cの測定結果について〉
湿布型冷却媒体8を使用して、実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4cの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。
なお、本実施例において、装着時間の経過とともに、湿布型冷却媒体8に含有されている氷の融解に起因して水分が頭部冷却用具の内面側から滲み出てくる傾向にある。その水分の滲み出の現象が不快に感じる場合には、人体頭部と頭部冷却用具との間にガーゼ又はタオルなどを介在させる方策が望ましく使用できる。
〈実施例7cの測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7cの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は150分である。
なお、本実施例において、装着時間の経過とともに、湿布型冷却媒体8に含有されている氷の融解に起因して水分が頭部冷却用具の内面側から滲み出てくる傾向にあるが、その傾向は前述の実施例4cよりは少ない。その水分の滲み出の現象が不快に感じる場合には、人体頭部と頭部冷却用具との間にガーゼ又はタオルなどを介在させる方策が望ましく使用できる。
実施例16
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図1に示される。図1において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具を表面の後方から見た概略模式図、(F)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
図1において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
シート状表面部材2は、表裏方向において断熱性能を有するフェルト材製の断熱性素材を構成する。シート状表面部材2としては、厚さが約1.3mm厚のポリエステル繊維を主成分とするフェルト材であって、肌触りの良い柔軟性、若干の伸縮性、及び、冷却部材を保持して破損しない程度の強い機械的強度を有するシート状フェルト材製断熱性素材のみを使用し、他の素材は構成されない。
シート状内面部材3としては、シート状表部材2に構成するシート状フェルト材製断熱性素材と同じ素材のみ構成し、他の素材は構成されない。
本実施例で構成するシート状内面部材3とシート状表面部材2は、実施例1で構成するシート状表面部材2よりも小さい断熱性能を有し、実施例1で構成するシート状内部材2よりも優れた断熱性能を有する。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを、加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープを介在して互いに接合することにより、図1に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図1に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図1に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、中央収納部開口部41aは、図1(A)に示されるように、中央収納部41の略中央部である右耳部から左耳部に至る仮想線上に形成されている。図1(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは頭頂部から左耳部に至る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは頭頂部から右耳部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図1に示されるように、それぞれの収納部においてそれぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することも実施可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、下記の種類の冷却媒体8が使用できる。
(a−i)ゲル状の「冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体」としての、水にポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムとを溶解した25℃においてゲル状の含水水溶性高分子(又は吸水性高分子とも言う)を使用し、そのゲル状の含水水溶性高分子を柔軟なプラスチック製袋容器の中に充填密封した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約−10℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−ii)ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン(多価アルコールの一種)を主成分とする粘性状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約−10℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−iii)水とカルボキシメチルセルロースとプロピレングリコールとを含有するゲル状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約−10℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(b)「外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体」としての、水と小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを含有する反応性冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した反応型密封冷却媒体8。
(c−iii)水(又は、水とアルコールとの混合液)を所定形状のガーゼに浸漬したものを約−10℃〜約0℃に冷却した湿布型冷却媒体8。
上記の密封冷却媒体8に構成される柔軟なプラスチック製袋容器としては、所定形状に形成された内層ポリエチレンと中間層ポリエチレンテレフタレートと外層ポリアミド(冷媒の種類と使用方法等の説明が印刷されている)とのラミネートプラスチックフィルム製袋容器が使用される。内層ポリエチレン層は熱融着可能であり、このラミネートプラスチックフィルムを熱融着することにより、任意の形状のフィルム製袋容器、及び、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を容易に調製できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図1に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部(41、42、43)に収納及び取出し可能に収納して使用される。
特に、本実施例においては、図1に示されるように、それぞれの収納部の広さ面積が広いために、複数個に分割されるとともに互いに連結された屈曲自在に形成された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図1の(A)に示されるような、略長方形の3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図1(A)、(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形の繰返型密封冷却媒体8は、略長方形を有する中央収納部41の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の繰返型密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本実施例の頭部冷却用具の他の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、縫製により、シート状表面部材2とシート状内面部材3とを所望形状の収納部を有する頭部冷却用具を製造できるとともに、加熱による融着加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープ又はホットメルト接着剤などにより互いに接合することが可能な、シート状フェルト材製断熱性素材を構成した点である。加熱による融着加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープを使用して頭部冷却用具を製造する方法により、縫製方法と比べて、より安価に量産することが可能となる利点がある。
実施例17
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。図2において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方又は後方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
図2において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有し、右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する。これらの複数個の収納部4は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
図5(A)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、所望機能性素材21としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22としての厚さ約5mmの綿状のポリエステル繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する不織布製断熱性不織布22(嵩密度:約50g/平米)が使用される。
(C)表面部材最裏層23として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、表面部材最表層21に構成される布状不織布と表面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、表面部材最表層21と表面部材最裏層23として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
シート状内面部材3としては、シート状表面部材2に構成される素材と同じ素材を使用して積層した(A)熱融着可能な不織布製の内面部材最表層31、(B)熱融着可能な不織布製断熱性不織布製の内面部材中間層32、(C)熱融着可能な不織布製の内面部材最裏層33が構成される。
シート状表面部材2とシート状内面部材3に構成される不織布製繊維には抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを高周波熱融着接合装置を使用して互いの熱融着により接合して、図2に示されるような、それぞれの収納部が、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図2に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図2に示されるように、それぞれの収納部4は、収納開口部4aとして、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部3aを備える。その内面部材開口部3aとして、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413a、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aのそれぞれの収納開口部4aを備え、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部411a、412a、413a、421a、422a、431a、432aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、図2(C)に示されるように、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413aは、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前頭部から頭頂部を経て後頭部に至る仮想線上に形成されている。また、図2(D)、(E)に示されるように、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aは、左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前側頭部から後側頭部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷内面部材開口部3aから脱落することが防止される。
図2、図7(B)に示されるように、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う内面部材二重開口縁部3aを有し、二重開口縁部3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が内面部材開口部3aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、図7(D)に示されるような内面部材開口部連結部材3bを前述の、二重開口縁部3aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。内面部材開口部連結部材3bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することが可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例17と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図2に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、それぞれの収納部4の形状に略相似形の形状を有する。すなわち、図2の(A)、(C)に示されるような、略正方形(略長方形)密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略扇型密封冷却媒体が使用される。(A)、(C)に示されるような略正方形の繰返型密封冷却媒体8は、中央収納部41の分割された略正方形のそれぞれの額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略扇型の繰返型密封冷却媒体8は、略扇型を有する左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本実施例の頭部冷却用具の他の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、加熱による熱融着にすべての構成素材を互いに接合して複数個の収納部を形成した頭部冷却用具を製造できるような不織布製素材を構成した点である。これにより、縫製による製造法と比べて、著しく安価に、頭部冷却用具を量産できる利点がある。さらに、この製法に限定されることなく、熱融着性接着テープ又はホットメルト接着剤を使用して互いの素材を接合して製造することも可能である。
実施例18
本発明の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。図3において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
図3において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する。
シート状表面部材2に収納開口部4a(表面部材開口部2a)を有する。
左側頭収納部42と右側頭収納部43には複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体8a,8b,8cが収納され、中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413には複数個に分割されることなく単一構成形状の密封冷却媒体8が収納される。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が少なくとも構成されている。
図5(B)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シー卜状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成されるシート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、所望機能性素材21としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。
(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエチレン繊維とポリエステル繊維を含有する熱融着可能な不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状の不織布基材がわずかな断熱性能を有し、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。
(C)表面部材最裏層23として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、表面部材最表層21に構成される布状不織布と表面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、表面部材最表層21と表面部材最裏層23として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
シート状内面部材3としては、上記のシート状表面部材2の構成における基材付金属薄膜素材22bが含有されない構成であり、シート状内面部材3がシート状表面部材2よりも表裏方向において小さい断熱性能を有する構成である。
すなわち、(A)内面部材最表層31として、所望機能性素材31としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。
(B内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)を有する断熱性素材22が使用される。
(C)内面部材最裏層33として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、内面部材最表層21に構成される布状不織布と内面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、内面部材最表層31と内面部材最裏層33として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
シート状表面部材2とシート状内面部材3に構成される不織布製繊維には抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを高周波加熱装置を使用して互いに溶融接合して、図3に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図3に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図3に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。中央収納部開口部41aは額収納部411に開口された額収納部開口部411a、頭頂収納部412に開口された頭頂収納部開口部412a、後頭収納部413に開口された後頭収納部開口部413aを有する。それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
本実施例において、それぞれの収納開口部4aは、(ii)それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。すなわち、それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
中央収納部開口部41a(411a、412a、413a)は、図3(A)に示されるように、中央収納部41の略端部を通る仮想線上に形成されている。図3(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは左側頭収納部42の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは右側頭収納部43の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図3、図7(C)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
図3(A)に示されるように、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413に分割された中央収納部41を形成するシート状表面部材においては、右側頭収納部の側(図3(A)の上側)から収納部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、左側頭収納部の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が中央収納部41の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される形状で構成される。
他方、図3(B)に示されるように、複数個に分割された収納部を構成しない単一の収納部により形成される左側頭収納部42と右側頭収納部43においては、人体耳部の側(図3(B)の下側)から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、人体頭頂部の側から耳部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の略端部を通る仮想線上である人体耳部側の略端部に形成される形状で構成される。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例において、さらに、図11の(A)に示されるように、収納部4の後頭部の下側縁に取付取外自在に設置可能な首部収納部6と、首部収納部6の中に収納自在に収納された冷却媒体8を備える。首部収納部6は前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3と同じ仕様構成が実施可能であり、首部に接する側にシート状内面部材3が構成される。
首部収納部5は汎用の面ファスナーにより、頭部冷却用具の後下縁に取り付け及び取外し可能に設置可能である。さらに、首部収納部5は二重開口部縁部を有し、その二重開口部縁部を介して冷却媒体8が収納される。
なお、この首部収納部6を取付設置しない状態で、頭部冷却用具を装着することも実施可能である。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例17と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図3に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
特に、図3に示されるように、比較的に広い面積を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43に収納される冷却媒体としては、複数個に分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。比較的狭い面積を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とにには、分割されていない単一構造の密封冷却媒体の使用が望ましい。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図3の(A)に示されるような、略長方形又は略正方形の密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図3(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形(略正方形)の繰返型密封冷却媒体8が、略長方形(略正方形)を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の複数個分割連結密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本実施例の頭部冷却用具の他の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、加熱による熱融着にすべての構成素材を互いに接合して複数個の収納部を形成した頭部冷却用具を製造できるような不織布製素材を構成した点である。これにより、縫製による製造法と比べて、著しく安価に、頭部冷却用具を量産できる利点がある。
実施例19
前述の実施例11において調整したプロピレングリコール12重量%とカルボキシメチルセルロース3重量%と水85重量%とを含有する25℃の室温で互いに溶解された透明でゲル状を有する粘性の混合媒体を、プラスチックフィルムラミネート製容器に充填した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例11で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例16〜実施例18で調製した頭部冷却用具の収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側のの温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−10℃の冷蔵冷凍庫で冷却し、それらの密封冷却媒体8を実施例16〜実施例18の頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、なお、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
実施例16〜実施例18の頭部冷却用具についての測定結果を表4に示す。
約−10℃の冷蔵冷凍庫で冷却した冷却媒体を収納部に収納したシート状内面部材の表面温度が−5℃になった時に人体頭部に装着して、その後の経過時間毎の温度を測定した。測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表4に示す。
実施例20
実施例18で調製した頭部冷却用具を使用して、シート状表面部材側が人体頭部に接触するように裏返して装着し、内面の温度が約5℃になった時に、シート状内面部材側が人体頭部に接触するように戻して装着し、その後の経過時間毎の温度を測定した。測定結果を表4に示す。
実施例21
本実施例の頭部冷却用具が実施例17と主として異なる点は、密封冷却媒体8が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413との中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない点である。その他の構成は、上記の実施例17と概略同じ構成である。本実施例の頭部冷却用具を使用して、人体頭部に装着し、その後の経過時間毎の温度を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0006638898
〈実施例16の測定結果について〉
表4において、シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、断熱性素材としてのシート状フェルト材製断熱性素材のみを構成した実施例16の頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」は約120分である。
すなわち、冷却媒体を収納するシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成する頭部冷却用具は、シート状内面部材3(シート状表面部材2)に断熱性素材を構成しない場合と比べて、「快適装着時間」を永くすることができる
〈実施例17の測定結果について〉
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、表面部材最表層21としての厚さが約0.3mmの薄い布状不織布と、表面部材中間層22としての厚さが約5mmの熱融着可能な不織布製断熱性不織布22と、表面部材最裏層23としての厚さが約0.3mmの薄い布状不織布とを構成した実施例17の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約150分である。
すなわち、冷却媒体を収納するシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成するとともに、実施例16のシート状フェルト材製断熱性素材よりも優れた断熱性能を有する本実施例の不織布製断熱性不織布22を構成した頭部冷却用具は、実施例16の頭部冷却用具よりも永い「快適装着時間(約150分)を発揮する。
〈実施例18の測定結果について〉
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、厚さが約5mmの熱融着可能な不織布製断熱性不織布を構成するとともに、シート状表面部材2に、更に、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bを構成して、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも宿世れた断熱性能を有する〈実施例18のの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約165分である。
すなわち、実施例17の頭部冷却用具よりも、シート状表面部材2に著しくすぐれた断熱性素材を構成することにより、若干に「快適装着時間」が永くなる。
〈実施例20の測定結果について〉
実施例18の冷却用具を裏返して装着した場合の「快適装着時間」は約180分である。正常装着の場合と比べて、「快適装着時間」は約15分永くなる。
〈実施例21の測定結果について〉
密封冷却媒体8が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413との中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例20の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約90分である。
すなわち、冷却媒体が全ての収納部に収納された実施例17の頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」は著しく短くなる。
〈実施例8の断熱素材を構成しない頭部冷却用具との比較について〉
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方にメッシュ状素材のみを構成し、断熱性素材を構成構成しない実施例8の頭部冷却用具の「快適装着時間」は約60分である。この実施例8の頭部冷却用具と比べて、実施例16〜実施例18のシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成した頭部冷却用具の「快適装着時間」は、120分〜175分であり、「快適装着時間」は著し永くなる。
すなわち、シート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3に断熱性素材を構成した頭部冷却用具は、断熱素材を構成しない頭部冷却用具よりも永い「快適装着時間」を得ることができる。
実施例22
上記のそれぞれの実施例の頭部冷却用具において、図11(A)のような、 中央収納部41の後頭収納部の下側縁にマジックテープにより取付取外自在に設置された首部収納部6と、前記首部収納部の中に収納自在に収納された密封冷却媒体を備えた頭部冷却用具を作製する。このような頭部冷却用具を人体頭部に装着して、上向きに寝た状態を維持することにより、人体の首部を効率的に冷却することができる。
なお、上記のそれぞれの実施例において、冷却媒体の温度が約2℃未満の冷え過ぎて不快感を感じる場合、(イ)収納する密封冷却媒体8の周囲にガーゼ、タオル又は布などの緩衝材を覆って、その緩衝材に覆われた冷却媒体8を収納部に設置する、又は、(ロ)シート状内面部材と人体頭部との間にガーゼ又は布などの緩衝材を介在させることにより、冷たすぎる感覚を抑制することも可能である。これにより、「快適装着時間」を更に永くすることができる。
上記の実施例において使用する密封冷却媒体8は、冷却と使用を繰り返して使用することが可能である。また、湿布型冷却媒体8は、ガーゼに含浸する水(又は氷水)を交換して、冷却と使用を繰返して使用することができる。
実施例1〜実施例8、実施例16〜実施例18のそれぞれの頭部冷却用具1を、汎用の電気洗濯機を使用して、約20回を繰り返して洗濯しても、頭部冷却用具1を構成するシート状表面部材2及びシート状内面部材3の破損、劣化などは認めなれなかった。
特に、アルミ薄膜を構成した実施例1〜実施例5、実施例18において、アルミ薄膜の破損を懸念していたが、約20回の繰り返し洗濯においても、アルミ薄膜の破損は認められなく、繰り返し洗濯使用に耐える頭部冷却用具1が得られた。
人体頭部に装着して使用した場合、頭部を冷却する冷却性能が優れ、長時間の冷却維持性能を有し、繰り返し使用が可能であり、快適な装着感を有する、等の優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
1 頭部冷却用具
2 シート状表面部材(積層表面部材、複数種類の表面素材)
21 表面部材最表層(表面部材所望機能性素材、色彩的絵柄的装飾性素材)
22 表面部材中間層(断熱性素材、輻射断熱素材、熱伝導断熱素材、輻射熱伝導熱断熱素材)
22a 熱伝導断熱素材(断熱性不織布、発泡性樹脂、微細空洞孔形成繊維)
22b 金属膜輻射断熱素材(金属蒸着膜、金属箔、基材付金属薄膜素材)
22c 輻射熱伝導熱断熱素材
23 表面部材最裏層(表面部材冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)
2a 表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)
2b 表面部材開口部連結部材
3 シート状内面部材(内面部材通気性素材、貫通孔通気性素材、内面部材柔軟性素材、冷却媒体保持素材 内面部材メッシュ状貫通孔布素材)
3a 内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)
3b 内面部材開口部連結部材
31 内面部材裏面素材
32 内面部材柔軟性素材
33 内面部材冷却媒体保持素材(内面部材メッシュ状貫通孔布素材)
4 収納部 複数個の収納部
4a 収納開口部
41 中央収納部
41a 中央収納部開口部
411 額収納部
411a 額収納部開口部
412 頭頂収納部
412a 頭頂収納部開口部
413 後頭収納部
413a 後頭収納部開口部
42 左側頭収納部
42a 左側頭収納部開口部
421 左前側頭収納部
421a 左前側頭収納部開口部
422 左後側頭収納部
422a 左後側頭収納部開口部
43 右側頭収納部
43a 右側頭収納部開口部
431 右前側頭収納部
431a 右前側頭収納部開口部
432 右後側頭収納部
432a 右後側頭収納部開口部
5 装着脱落防止部材
5a 装着脱落防止部材用係止部材
6 首部収納部
7 シート状頭部保護部材(伸縮性素材、ニット素材、綿素材)
8 冷却媒体(密封冷却媒体、粘性媒体、複数個分割連結密封冷却媒体)
8a 第一分割冷却媒体
8b 第二分割冷却媒体
8c 第三分割冷却媒体

Claims (14)

  1. 人体頭部を覆って装着可能な略半球形状を有する頭部冷却用具であって、
    頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材と、外表面側に位置するシート状表面部材と、収納部と、前記収納部の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体と、を備え、
    前記収納部は、前記シート状内面部材と前記シート状表面部材とにより形成されるとともに、平面方向に複数個に分割された複数個の収納部を有し、
    前記冷却媒体は複数個の冷却媒体を有し、該複数個の冷却媒体のそれぞれの冷却媒体は前記複数個の収納部のそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納され、
    前記複数個の収納部は、互いに隣り合って形成されるとともに、人体頭部の全体を覆って装着可能な略半球形状になるように、一体に形成されてなり、
    前記複数個の収納部は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、
    (B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部と、
    (C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部と、からなる複数個の収納部を備える、
    又は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う前記中央収納部と、
    ここで、前記中央収納部は額収納部と頭頂収納部と後収納部を有する、
    (B)人体の左側頭部を覆う前記左側頭収納部と、
    (C)人体の右側頭部を覆う前記右側頭収納部と、からなる複数個の収納部を備える、
    又は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、
    ここで、前記中央収納部は額部から後頭部に至る方向に分割された複数個の中央収納部を有する、
    (B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部と、
    ここで、前記左側頭収納部は左前側頭部から左後頭部に至る方向に分割された複数個の左側頭収納部を有する、
    (C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部と、
    ここで、前記右側頭収納部は右前側頭部から右後頭部に至る方向に分割された複数個の右頭収納部を有する、
    からなる複数個の収納部を備え、
    前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面部材、にそれぞれの収納開口部を形成し、
    前記それぞれの収納開口部は、前記それぞれの冷却媒体の出し入れが可能な形状を有し、
    前記冷却媒体は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、
    前記繰返型密封冷却媒体は、
    (i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、前記複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、
    及び/又は、
    (ii)前記繰返型密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、
    の形態を備え、
    前記中央収納部と前記左側頭収納部と前記右側頭収納部において、分割された複数個の収納部のそれぞれの収納部に前記単一密封冷却媒体が収納され、
    前記中央収納部と前記左側頭収納部と前記右側頭収納部において、分割されていない収納部のそれぞれの収納部に複数個分割連結密封冷却媒体が収納され、
    それぞれの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成されてなることを特徴とする頭部冷却用具。
  2. 前記複数個の収納部は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、
    (B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部と、
    (C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部と、からなる複数個の収納部を備え
    前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面部材、にそれぞれの収納開口部を形成し、
    前記中央収納部に収納される前記冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲 自在に連結されてなり、
    前記左側頭収納部に収納される前記冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、
    前記右側頭収納部に収納される前記冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、
    前記それぞれの冷却媒体は前記それぞれの収納部に前記収納開口部を通して収納及び取出し可能に収納され、
    これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の頭部冷却用具。
  3. 前記複数個の収納部は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う前記中央収納部、ここで、前記中央収納部は額収納部と頭頂収納部と後頭収納部とを有する、
    (B)人体の左側頭部を覆う前記左側頭収納部、ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部と左後側頭収納部とを有する、及び、
    (C)人体の右側頭部を覆う前記右側頭収納部、ここで、前記右側頭収納部は右前側頭収納部と右後側頭収納部とを有する、
    からなる複数個の収納部を備え、
    前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面部材、にそれぞれの収納開口部を形成し、
    前記中央収納部の前記額収納部と前記頭頂収納部と前記後頭収納部に収納されるそれぞれの前記冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
    前記左側頭収納部の前記左前側頭収納部と前記左後側頭収納部に収納されるそれぞれの前記冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
    前記右側頭収納部の前記右前側頭収納部と前記右後側頭収納部に収納されるそれぞれの前記冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
    前記それぞれの冷却媒体は前記それぞれの収納部に前記収納開口部を通して収納及び取出し可能に収納され、
    これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の頭部冷却用具。
  4. 前記複数個の収納部は、
    (A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う前記中央収納部、ここで、前記中央収納部は額収納部と頭頂収納部と後頭収納部とを有する、
    (B)人体の左側頭部を覆う前記左側頭収納部、及び、
    (C)人体の右側頭部を覆う前記右側頭収納部、
    からなる複数個の収納部を備え、
    前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面部材、にそれぞれの収納開口部を形成し、
    前記中央収納部の前記額収納部と前記頭頂収納部と前記後頭収納部に収納されるそれぞれの前記冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有し、
    前記左側頭収納部に収納される前記冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、
    前記右側頭収納部に収納される前記冷却媒体は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、該複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、
    前記それぞれの冷却媒体は前記それぞれの収納部に前記収納開口部を通して収納及び取出し可能に収納され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の全体を冷却可能に構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の頭部冷却用具。
  5. 前記シート状表面部材は、積層された複数種類の表面素材より構成され、
    前記複数種類の表面素材は、少なくとも、
    (A)表面部材最表層に構成される、所望の機能を有する表面部材所望機能性素材、
    (B)表面部材中間層に構成される表面部材断熱性素材、及び、
    (C)表面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する表面部材冷却媒体保持素材、を備え、
    前記シート状内面部材は、表裏方向において、前記シート状表面部材よりも高い通気性能を有するとともに前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する通気性素材を構成し、これにより、人体頭部に装着された時に、前記収納部に収納された前記冷却媒体に起因する冷気を人体頭部側に伝わりやすくする機能を奏する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  6. 前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、
    前記(B)表面部材断熱性素材は、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、(vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、
    前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、
    前記シート状内面部材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載の頭部冷却用具。
  7. 前記シート状表面部材は、積層された複数種類の表面素材より構成され、
    前記複数種類の表面素材は、少なくとも、
    (A)表面部材最表層に構成される、所望の機能を有する表面部材所望機能性素材、
    (B)表面部材中間層に構成される表面部材断熱性素材、及び、
    (C)表面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する表面部材冷却媒体保持素材、を備え、
    前記シート状内面部材は、積層された複数種類の内面素材より構成され、
    前記複数種類の内面素材は、少なくとも、
    (A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する内面部材所望機能性素材、
    (B)内面部材中間層に構成される内面部材断熱性素材、及び、
    (C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する内面部材冷却媒体保持素材、
    を備えてなる、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  8. 前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、
    前記(B)表面部材断熱性素材は、柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、
    前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、
    前記(A)内面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、
    前記(B)内面部材断熱性素材は、柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材とを備え、
    前記(C)内面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材、を備え、
    前記シート状内面部材と前記シート状内面部材とは、表裏方向において、互いに同じ断熱性能を有してなる、ことを特徴とする、請求項7に記載の頭部冷却用具。
  9. 前記(A)表面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、
    前記(B)表面部材断熱性素材は、柔軟性を有する表面綿状断熱性不織布素材を備え、
    前記(C)表面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての表面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、
    前記(A)内面部材所望機能性素材は、彩的絵柄的装飾性素材を備え、
    前記(B)内面部材断熱性素材は、柔軟性を有する内面綿状断熱性不織布素材を備え、
    前記(C)内面部材冷却媒体保持素材は、通気性素材としての内面部材メッシュ状貫通孔布素材を備え、
    前記表面綿状断熱性不織布素材は前記内面綿状断熱性不織布素材よりも高い断熱性能を有してなる、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の頭部冷却用具。
  10. 前記シート状内面部材と前記シート状表面部材の双方の部材は、
    (i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材、
    (ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材、
    (vi)不織布に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材、及び、
    (vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材、
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の断熱性素材により形成されるとともに、熱により融着して接合可能な熱融着性断熱性素材から構成され、
    前記シート状内面部材と前記シート状表面部材は、
    (a)互いに同じ断熱性素材、又は、
    (b)互いに異なる断熱性素材、により形成され、
    前記収納部は、
    (イ)前記断熱性素材を有する前記シート状内面部材と、前記断熱性素材を有する前記シート状表面部材と、の熱融着により接合されて形成されてなる、又は、
    (ロ)少なくとも1種の断熱性素材により構成された前記シート状内面部材と、少なくとも1種の断熱性素材により構成された前記シート状表面部材と、により形成されるとともに、加熱により融着して接合する機能を有する熱融着性接着剤を使用して接合されて形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  11. さらに、シート状頭部保護部材を備え、
    前記シート状頭部保護部材は、前記収納部を形成することなく、前記シート状内面部材の内面側に位置して、固定設置又は脱着自在に設置構成されてなり、前記収納部に収納されている前記冷却媒体の人体頭部への直接の接触を防止して前記冷却媒体に起因する冷気を抑制する機能を奏することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  12. さらに、人体頭部に装着された時に後頭部に位置する前記収納部の下側縁に取付取外自在に設置された首部収納部と、前記首部収納部の中に収納自在に収納された冷却媒体、を備え、
    前記首部収納部に収納された冷却媒体は、人体首を冷却する機能を奏することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  13. 前記(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体は、
    (a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体、
    (a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒、
    及び、
    (a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの繰返型密封冷却媒体であり、
    前記密封容器は柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の袋容器である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  14. 前記それぞれの収納部は、(i)前記シート状表面部材、又は、(ii)前記シート状内面 部材に、前記収納部の中に収納されている前記冷却媒体の飛び出しを抑制する機能を奏するそれぞれの収納開口部を形成し、
    前記それぞれの収納開口部は、前記それぞれの冷却媒体の出し入れが可能な形状を有するとともに、前記収納部の中に収納されている前記冷却媒体の飛び出しを抑制する機能を奏する互いに重なり合う二重開口縁部を有し、
    (i)前記二重開口縁部は、それぞれの収納部の一方の側から延びるシート状表面部材と、該収納部の他方の側から延びるシート状表面部材とが互いに重なり合う所定幅を有する状態で形成されてなる構成、
    又は、
    (ii)前記二重開口縁部は、それぞれの収納部の一方の側から延びるシート状内面部材と、該収納部の他方の側から延びるシート状内面部材とが互いに重なり合う所定幅を有する状態で形成されてなる構成、
    を備えてなることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の頭部冷却用具。
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