JP3208980U - 頭部冷却用具 - Google Patents

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眞滋 守金
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Abstract

【課題】頭部を冷却する冷却性能が優れ、長時間の冷却維持性能を有し、繰り返し使用が可能であり、快適な装着感を有する等の優れた効果を奏する頭部冷却用具を提供する。【解決手段】人体頭部全体を覆って装着可能な頭部装着開口部16と立体空間部を有する頭部冷却用具であって、頭部に装着された時に、頭部に接触するシート状内面部材と外表面側に位置するシート状表面部材とにより形成された収納部4と収納部の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備え、収納部4は複数個に分割された複数個の収納部41、42、43を有し、冷却媒体8は、それぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納され、人体頭部に装着された時に頭部の所望の領域を冷却可能に構成される。【選択図】図1

Description

考案の詳細な説明
本考案は人体頭部に装着して頭部を冷却するための頭部冷却用具に関する。
夏季外出時や工事現場の帽子・ヘルメットの装着時における頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、帽子またはヘルメットに設けたポケットに冷却部材を挿入した種々の冷却帽子が提案されている。また、帽子またはヘルメットの下に被る冷却補助具も提案されている。
他方、家庭や医療現場において、発熱・ほてり・のぼせ等の頭部に熱異常感を感じる時の対処方法として、氷塊を袋中に充填した氷のう・冷水を含浸した冷水布・布基材表面に含水ゲル剤を構成した冷却貼付剤などの頭部冷却用具を人体の額に接触させる方法が汎用されている。
例えば、下記のような種々の形態、構成、形状の冷却機能を備えた冷却帽子、帽子又は着衣に装着可能な冷却補助具、及び、頭部冷却用具が提案されている。
冷却機能を備えた冷却帽子としては、下記の冷却帽子が提案されている。
特開2013−2004号公報(特許文献1)には、装着者の頭部を覆うための半球状のクラウンを備えた帽子であって、クラウンがその外面を形成するクラウン表地とクラウン表地の裏面側に配されたメッシュ素材からなるクラウン裏地とで構成され、クラウン裏地がクラウン表地に対してクラウンの下縁と頂部とを結ぶ経線方向に沿って縫着されるとともに、クラウン裏地の下縁がクラウン表地の下縁に沿って縫着されないことにより、クラウン表地とクラウン裏地との間に、クラウンの下縁に開口部を有するポケットが形成され、該ポケットには吸湿性を有する不織布で形成された冷却シートが抜き取り可能な状態で収容され、冷却シートが前記ポケットに収容された状態にあっては、冷却シートに吸収された水分が蒸発する際の気化熱により装着者の頭部を冷却することを可能とし、前記開口部から冷却シートを抜き取った際には、冷却シートによる冷却効果がない帽子として使用できるようにしたことを特徴とする帽子であって、暑い時期には装着者の頭部を快適に冷却しながら装着できるだけでなく、寒い時期には通常の帽子として快適に装着することができる帽子が開示されている。
実登3166795号公報(特許文献2)には、帽子本体と冷却ベルトと冷却パッドとからなる帽子であって、前記帽子本体は頭部を被覆するクラウンと前記クラウン内面の頭頂に対応する箇所に設けられたポケットと前記クラウン内面の開口縁に沿って額に対応する箇所に取り付けられた本体側面ファスナ部とを有し、前記冷却ベルトは高吸水性繊維を含むベルト本体とベルト本体の片面に取り付けられたベルト側面ファスナ部とを有して、前記ベルト側面ファスナ部により前記帽子本体の本体側面ファスナ部に着脱自在であり、前記ベルト本体の高吸水性繊維が吸収した水の気化熱により頭部の額近辺の熱を奪って冷却可能であり、前記冷却パッドは高吸水性繊維を含むパッド本体と前記パッド本体を包むメッシュカバーとを有して、前記帽子本体のポケットに出し入れ可能であり、前記パッド本体の高吸水性繊維が吸収した水の気化熱により頭部の頭頂近辺の熱を奪って冷却可能である帽子であって、頭部の額近辺と頭頂近辺の双方を冷却可能で、かつ装着感の良好な帽子が開示されている。
実登3164804号公報(特許文献3)には、頭頂部内側に円形もしくは楕円形の冷却ジェル袋を備え、前記冷却ジェル袋は、冷却ジェルを挿入可能とするスリットを有し、且つ、取り付け部材により頭頂部内側に着脱可能であることを特徴とし、汗止め、防臭、帽子への汚れ付着防止が可能であり、且つ、装着者の頭部の冷却が可能な帽子が開示されている。
実登3014909号公報(特許文献4)には、一部若しくは全体を通風性の良いメッシュ生地で形成した頭部被冠部1の頭頂部内面に、アイスノン(株式会社白元本舗の商標)等の蓄冷剤入り袋2が交換自在に収容できる交換用開口部3を有するポケット状袋部からなる保持部4を形成した防暑用帽子であって、保持部4の交換用開口部5は、解放したままでも良いが、保持部4を頭頂部の外面に設ける場合には、蓄冷剤入り袋等の不用意な脱落を防止するために、ファスナー、ホック等の止着手段6によって開閉自在とした防暑用帽子の構造であって、単に直射日光を遮るだけでなく、頭部冷却を可能として、疲労の軽減、平常時の思考力と機敏なる行動力を維持することができる防暑用帽子が開示されている。
実開昭63−81823号号公報(特許文献5)には、帽子の内側にポケットを付け、液化潜熱を応用した冷却剤を上記ポケットに取り付けた構成を有し、頭部を冷却する冷たい帽子が提案されている。
実開昭63−60426号号公報(特許文献6)には、布巾等可撓性材料で作った帽体の内側に、帽体に沿って着脱可能に断熱帽状体に取り付け、この断熱帽状体の内壁面に沿わせてゲル状の冷媒を合成樹脂フィルムで形成した袋に密封してなる適宜厚みの冷却袋を、ファスナーにより着脱可能に定着し、該冷却袋の表側に通気性大でやや肉厚の帽状をしたクッション体を取り外し可能に被覆装着した頭部を冷やす帽子が開示されている。
帽子の内側に装着可能な冷却補助具としては、下記の冷却補助具が提案されている。
特開2003−88543号公報(特許文献7)には、2枚のシート材を熱シールして袋状とし、内部に所要量の高吸水性ポリマーを収納した冷却補助部材であって、2枚のシート材の内、少なくとも一方に通水性を有するシート材を使用し、全体形状を円形または多角形に形成し、中心部から放射状に複数条のシール部を形成したことを特徴とする帽子用冷却補助部材にすることによって、帽子装着時に頭部を冷やす方法であって、これにより、冷却媒体を再冷却して繰り返し使用することが可能であり、その冷却媒体を家庭の冷蔵庫等でも簡単に扱えるようにし、頭部への接触性を良くし、1つの冷却媒体で頭部の冷却を行え、専用のヘルメットや帽子等でなくても使用できる効果を奏することが開示されている。
特開2000−290822号公報(特許文献8)には、内底板部を、帽体を被着する者の頭部と対応して周縁から真中に向かって凹陥する凹湾曲面に形成し、外壁板部を内底板部と所要の間隔で離隔する凸湾曲面に形成し、夫々の周縁を接続して、帽体を被着する者の頭部を適宜深さその内方に収容可能に形成すると共に、外壁板部と内底板部との間の空洞部に冷却剤を封入してなる帽子用冷却盤であって、一般帽子、防護用ヘルメット等の帽体内に配備し、動揺することなく、着帽者の頭部を安定して保冷する効果を奏する帽体用冷却盤が開示されている。
実登3113543号公報(特許文献9)には、袋状体に高分子吸水剤を収容して形成された保冷材と、前記保冷材の少なくとも一部を着脱可能に包む包被材と、前記包被材を保冷対象物に装着するための係止手段と、保冷対象物に加工を施すことなく使用することができ、身体への着脱や運動などによって保冷効果が低下することがなく、優れた保冷効果を得ることができる保冷具が開示されている。
頭部冷却用具としては、下記の頭部冷却用具が提案されている。
特開平11−269714号公報(特許文献10)には、頭部に装着される帽子本体、頭部を部分的に冷却する冷却媒体からなり、帽子本体には冷却媒体を収容するポケット状の冷却媒体収容部を有し、冷却媒体収容部は帽子本体に複数箇所設けられ、頭部の冷却部位に合わせて適宜選択し使用し、任意の位置に冷却媒体を収めることを特徴とする帽子であって、これにより、血流量の上昇を防ぎ、血管の膨張を制御し扁頭痛を沈静化させ、また、任意の部位に媒体を置くことで、帽子全体が軽量化でき、利用者の装着時の違和感を軽減する効果を奏する帽子が開示されている。
特開平10−325010号公報(特許文献11)には、非繊維素材からなる頭部装着具本体1の内面側に、冷却用シート10を着脱自在に取り付けるための着脱部を設けたことを特徴とし、頭部に装着することによって頭部を好適に冷却することができ、しかも簡易な構造で製造コストが安く、使い捨て用としての使用に適した頭部装着具が開示されている。
特開昭57−86340号公報(特許文献12)には、前額部、こめかみ一耳の頭側部および上方頭蓋の後ろ下部を含む人間の頭周りに連続的に取り巻いて巻きつけるに適したはちまき部分、上記はちまき部分の両末端部分に取り付けられる手段、はちまき部分の上縁の中心に固定された前縁、上記前縁の固定から後方に伸びる側縁と前縁から後方に一定間隔で配置され、前縁に平行な末端縁を有する、帽子の頂部分、頂部分の後部末端にある固定手段、はちまき部分の側上縁を頂部分の側縁に固定し、それによって人間の頭皮の髪の生えている部分において、熱交換を行わせるための、連続的に頭皮に接触している帽子体を形成せしめるための手段、の組み合わせからなる、人間の頭の上全頭皮領域を冷却または加熱するための熱交換帽子が開示されている。
実開昭61−194519号公報(特許文献13)には、可撓性材料で作られた帽子形状の頭皮保冷帽を構成する二重の帽子壁内に、冷却したポリビニールアルコールの含水ゲルの小片を複数個、密封包含させてなる自在変形型頭皮保冷帽が開示されている。
特開2013−2004号公報 特開平11−269714公報 実登3166795号公報 実登3164804号公報 実登3014909号公報 実開昭63−81823号号公報 実開昭63−60426号号公報 特開2003−88543号公報 特開2000−290822号公報 実登3113543号公報 特開平11−269714号公報 特開平10−325010号公報 特開昭57−86340号公報 実開昭61−194519号公報
上記のように、夏季外出時や工事現場での頭部の発熱防止、又は、家庭内における人体発熱時の昇熱抑制として、頭部に装着するための種々の頭部装着物品が提案されている。
上記従来技術において、特許文献1〜特許文献6に開示されている冷却帽子は気温の暑い時期や直射日光・炎天下に装着して頭部を冷却する機能を奏する主として屋外装着に用いられる帽子であるため、外出用装飾のための外観を良くする材質・デザイン・色彩等を勘案するとともに日除け用の鍔を必要とするなど、外出用帽子としてのデザイン等の機能と冷却機能との双方の機能を満足する設計構成が必要である。屋内で装着する場合には、外観・デザイン・色彩等を勘案する必要性は少ない。これらの両者の機能を満足する帽子を得るためには、高価な素材・複雑な形状設計・複雑な製造方法が必要となり、量産時のコストが高くなる傾向がある。また、デザイン等の機能を重視した帽子は冷却機能を低減させた設計となり、逆に、冷却機能を重視した帽子はデザイン等の機能を低減させた設計となる傾向がある。
また、特許文献7〜特許文献9に開示されている帽子用内面装着具は、帽子を使用することなく、それらの帽子用内面装着具を単独で使用した場合には、頭部冷却の効果が低下し、又は、装着安定性が不安定でずり落ちやすくなる等の不都合が生じる傾向がある。
また、頭部冷却用具に関して、特許文献10に開示の冷却媒体付き帽子は適切に血管の膨張を制御できる特定の部位に冷却媒体を置くように設計されているために、頭部全体の冷却感に不満足感を覚える傾向がある。特許文献11に開示の頭部装着具は使い捨て用途であるために繰り返し使用に不向きであり、経済的に不満足となる傾向がある。特許文献12に開示の頭皮用伝熱装置は頭の周りに連続的に取り巻いて巻きつける長方形の熱交換部材を使用しているために、着脱が煩雑になり着脱使用性に劣る傾向がある。特許文献13に開示の頭皮保冷帽は可撓性材料製(例えば合成ゴム製)の構成であるために、装着感に劣る傾向がある。
本考案は、人体頭部に容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能、快適冷却感装着感持続時間、快適冷却感装着感持続時間延長効果などを有し、冷却媒体の入れ替えによる繰り返し使用も可能であるとともに、容易に製造可能であり、安価に量産製造が可能であり、経済的に廉価に安価に使用可能な頭部冷却用具を提供する。
本考案の頭部冷却用具は、柔軟性を有するシート状部材(2,3)により形成され、人体頭部を覆って装着可能な頭部装着開口部(16)と立体装着空間部を有し、該頭部の所望の領域を冷却可能な冷却媒体(8)と該冷却媒体を収納する収納部(4)とを備えた頭部冷却用具(1)であって、前記頭部装着開口部(16)は前記シート状部材(2、3)の下縁領域に囲まれて開口形状で形成され、前記シート状部材(2,3)は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置するシート状内面部材(3)と、外表面側に位置するシート状表面部材(2)と、を有し、前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と、前記シート状表面部材(2)と、により形成され、前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納され、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなることを特徴とする(第1構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と、前記シート状表面部材(2)とにより形成されるとともに、複数個に区分された複数個の収納部(4)を有し、前記冷却媒体(8)は前記複数個の収納部(4)のうちの所望の収納部に収納され、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなる、ことを特徴とする(第2構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記収納部(4)は、(i)人体頭部に装着した時に該頭部に接触する内面側、又は、(ii)人体頭部に装着した時の外表面側、のいずれかであって、該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部(4a)を有し、前記冷却媒体(8)が前記収納開口部(4a)を通って前記収納部(4)に出し入れ自在に収納されてなる、ことを特徴とする(第5構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記柔軟性を有するシート状部材(2,3)により形成された略筒状形態を有し、略筒状形態の前記シート状部材の前記下縁領域に囲まれて、人体頭部に装着可能な前記頭部装着開口部(16)が形成され、略筒状形態の前記シート状部材(2,3)の上縁領域に囲まれて、該上縁領域を開閉自在な頭頂部開閉開口部(15)が形成され、前記頭頂部開閉開口部(15)を閉じる機能と開く機能を有する開閉自在な頭頂部開閉部材(9)が前記上縁領域に設置され、前記シート状部材は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置する略筒状のシート状内面部材(3)と、外表面側に位置する略筒状のシート状表面部材(2)と、を有し、前記収納部(4)は、略筒状の前記シート状内面部材(3)と、略筒状の前記シート状表面部材(2)と、前記シート状内面部材(3)と前記シート状表面部材(2)との前記下縁領域が互いに接合された収納下縁接合部と、により囲まれて形成され、前記収納部(4)は、該収納部(4)の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部(4a)を有し、前記頭頂部開閉部材(9)が開かれて前記頭頂部開閉開口部(15)が開口された状態で、前記冷却媒体(8)が前記収納開口部(4a)を通って前記収納部に出し入れ自在に収納され、前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納された状態で、前記頭頂部開閉部材(9)が閉じられることにより、頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態となるとともに前記収納開口部(4a)も閉じられた形態となり、これにより、前記装着開口部(16)を通って人体頭部に装着された時に、人体頭部の頭頂部を覆うことが可能な略半円球状立体形状に形成される、構成を有することを特徴とする(第6構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、積層された複数種類の素材より構成されてなる、ことを特徴とする(第10構成)。
望ましくは、前記シート状表面部材(2)及び/又は前記シート状内面部材(3)は積層された複数種類の表面素材より構成された積層表面部材であり、前記シート状表面部材(2)及び/又は前記シート状内面部材(3)は、最表層に、所望の機能を奏する所望機能性素材を構成し、前記所望機能性素材は、(i)色彩的絵柄的装飾性素材、(ii)良感触性素材、(iii)良撥水性素材、(iv)良断熱性素材、(v)良機械的強度性素材、(vi)柔軟性素材、(vii)良抗菌性素材、(viii)良汚染耐性素材、(ix)良洗濯劣化耐性素材、(x)軽量性素材、(xi)通気性素材、及び、(xii)熱融着接合可能性素材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材であることを特徴とする(第11構成)。
望ましくは、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材を構成してなることを特徴とする(第12構成)。
望ましくは、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、少なくとも、(i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、(iii)微細空洞孔形成繊維製素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、及び、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、及び、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、及び、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の保冷性布素材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの断熱性素材を備えることを特徴とする(第13構成)。
望ましくは、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)は、互い異なる断熱性能を有する断熱性素材を構成することを特徴とする(第14構成)。
望ましくは、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)は、互い異なる断熱性構成を有し、(i)前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)とのうちの快適な装着感が得られる側を人体頭部に接触して人体頭部に装着し、その後、(ii)装着後の所定の時間の経過後に、前記冷却媒体の冷却温度が昇温した時に、裏返して、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)とが逆になる側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、ことが可能な構成を有することを特徴とする(第15構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材(3)は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状内面素材(3)を含有構成し、前記シート状表面部材(2)は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状表面素材(2)を含有構成してなる、ことを特徴とする(第17構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記不織布製シート状内面素材(3)は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シー卜状内面素材(31)から構成され、前記不織布製シート状表面素材(2)は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材(21)から構成され、前記シート状表内面部材接合部(14)は、前記熱融着性不織布製シート状内面素材(31)と前記熱融着性不織布製シート状表面素材(21)との互いの熱融着により接合形成されたシート状表内面部材熱融着接合部(14)であり、前記収納部(4)は、前記熱融着性不織布製シート状内面素材(31)と、前記熱融着性不織布製シート状表面素材(21)と、前記シート状表内面部材熱融着接合部(14)と、により囲まれて所定形状に形成されてなる、ことを特徴とする(第18構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記冷却媒体(8)は、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体を有し、前記密封冷却媒体は、(a)冷却、(b)収納部に収納、(c)頭部に装着使用、及び、(d)収納部から取出、を繰返した繰返使用が可能である性質を有し、前記密封冷却媒体が冷却された状態で、前記それぞれの収納部に収納されて使用可能に構成されてなることを特徴とする。
更に望ましくは、冷却媒体は、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、ゼリー状、及び、液状のうちの少なくとも一つの流動可能な形態を有する(第22構成)。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、前記冷却媒体(8)は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、
前記繰返型密封冷却媒体は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、及び/又は、(ii)前記繰返型密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の形態を備え、前記収納部が異なる広さ面積を有する複数個に区分された収納部を構成する場合に、(i)広い面積を有する収納部に前記複数個分割連結密封冷却媒体を収納し、(ii)狭い面積を有する収納部に前記単一密封冷却媒体を収納し、これらの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着される、ことを特徴とする(第23構成)。
本考案の頭部冷却用具において、下記のような、人体頭部に容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能、快適冷却感装着感持続時間、快適冷却感装着感持続時間延長効果などを有し、冷却媒体の入れ替えによる繰り返し使用も可能であるとともに、容易に製造され、安価に量産製造され、経済的に廉価に安価に使用可能な頭部冷却用具が得られる。
(効果イ)前述の第1構成による、人体頭部を覆って容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた頭部快適冷却効果。
(効果イ‐a)頭部に装着可能な立体装着空間部を有する頭部冷却用具を構成するシート状表面部材とシート状内面部材とにより収納部が形成された構成であり、そのために、収納部を形成するための追加の素材及び形状構成を必要とすることなく、簡単構成の頭部冷却用が得られ、容易に製造できて、これにより安価に提供可能な頭部冷却用が得られる。
(効果ロ)第2構成の、複数個に分割された収納部に冷却媒体が収納設置された構成により、下記の効果が得られる。
(効果ロ−a):複数の収納部と複数の冷却媒体による快適冷却)複数個に区分・分割された収納部とその複数の収納部に冷却媒体を収納した構成により、人体頭部の全体を冷却、又は、人体頭部の所望部位を冷却、を選択して使用可能になり、冷却使用利便性が優れる頭部冷却用具が得られる。また、収納部の中における冷却媒体の位置ずれが最小限抑制されるとともに、最適な装着感を得るための複数個の収納部の位置や形状を自由に設計製造可能となり、優れた設計自由度が得られる。
(効果ローb)複数個の収納部の形状の組み合わせの最適設計により、通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
(効果ローc)容易に安価に複数個に分割された収納部を最適設計することが可能になることにより、容易に安価に収納部を有する頭部冷却用具の製造が可能になる収納部安価量産性を奏する頭部冷却用具が得られる。
(効果ローd)複数個の収納部(4)が、人体頭部に装着された時に、(i)左耳部から頭頂部を経て右耳部に至る領域に分割された複数個の収納部、(ii)額部から頭頂部を経て後頭部に至る領域に分割された複数個の収納部、及び、(iii)額部から左耳部、後頭部、右耳部を経て額部に至る領域に分割された複数個の収納部、からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備えてなる構成により、「通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を有する」、頭部冷却用具が得られる。
(効果ヘ)第5構成の、収納部への冷却媒体を出し入れする収納開口部を形成した構成により、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる冷却媒体使用容易を有する頭部冷却用具が得られる。
(効果ア)第6構成の、頭頂部開閉開口部と装着開口部とを形成して略筒状形態を有し、収納開口部が頭頂部開閉開口部の近傍に形成され、頭頂部開閉開口部を開いた形態で冷却媒体を収納部に収納し、頭頂部開閉部材を閉じて略半円球状立体形状に形成可能な形態になるとともに冷却媒体の飛び出しが防止される形態となる構成により、次の効果が得られる。
(効果ア−a)冷却媒体が収納部に収納されているため冷却媒体の脱落が防止されるとともに、頭部を快適に冷却できる。
(効果ア−b)折りたたんだ状態で平面的な形態で携帯できる嵩低い携帯性。
(効果ア−c)頭頂部開閉開口部を開閉する頭頂部開閉部材を備えた構成により、簡単な操作で頭頂部開閉開口部を閉じた略半球状の立体形状にすることができて、人体頭部に装着時における冷却媒体の脱落が抑制される。
(効果ア−d)頭頂部開閉開口部の近傍に収納部の収納開口部を備えた構成により、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる。
(効果ア−e)冷蔵庫冷却・頭部冷却用具への収納・頭部冷却用具から取出し・冷蔵庫冷却の繰り返し使用が可能な冷却媒体の使用により、経済的に安価である。
(効果ア−f)頭頂部開閉開口部の近傍に収納開口部と頭頂部開閉部材とを形成した構成により、収納開口部を開閉するための収納開口部開閉部材の設置の必要がなく、頭頂部開閉部材を閉じることにより収納開口部も閉じられた形態となるために、頭部に装着した場合に収納されている冷却媒体8の飛び出しが防止される冷却媒体飛び出し防止。
(効果ア−g)頭部を装着者の所望する状態で快適に冷却できる。
(効果ア−h)耳部と後頭部を含む人体頭部に深く着用可能に設計できる。
(効果ア−i)装着する角度によって、後頭部、額部等の冷やしたい部位を任意に設定可能に装着できる。
(効果ア−j)深く装着可能であるために、寝た状態であっても脱げにくい。
(効果ア−k)複雑な形状の素材の使用なく略直方形の単純形状の素材の使用により、素材の無駄がなく、更に、単純な工程で製造可能であり、容易に低価に提供できる効果。
(効果ハ)第10構成、11構第成のシート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つのシート状部材2,3は、積層された複数種類の素材よりなる構成により、所望装飾デザイン性、感触性、断熱性、機械的強度、抗菌性、耐汚染性、通気性などの初望の性能を有する頭部冷却用具が得られる。
(効果ハ−a)第12構成、第13構成の断熱性能を有する断熱性素材を構成することにより、冷却剤の冷気の放散が抑制され、長時間の冷却持続時間が得られ、永い快適装着時間が得られる。
(効果ハ−b)複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材と複数種類の内面素材より構成されたシート状内面部材を有する構成により、裏返して装着することが可能であり、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を有する側を表面側にして装着できるリバーシブル装着。
(効果ホ)シート状表面部材とシート状内面部材とを断熱素材を構成する構成により、長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能。
(効果ホ‐a)第14構成、第15構成の、冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材との断熱性が異なる構成において、冷え過ぎた冷却媒体を収納した頭部冷却用具を裏返して使用可能な構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果。
特に、0℃以下の温度に冷却されている冷却媒体が収納されている場合に、更に優れた上記効果が得られる。また、冷却媒体が快適冷却温度付近に冷却されている場合は、高い断熱性を有する側を表面側にして装着することにより、その高い断熱性に起因して快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果が得られる。特に、約40度を超える屋外で使用する場合等に、高い断熱性を有する側を表面側にして人定頭部に装着することにより、その高い断熱性に起因して、高い外気温に起因する冷却媒体の昇温を抑制し、その結果、快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果が得られる。
(効果ニ)第17構成、第18構成の前記シート状内面部材3は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状内面素材3を含有構成し、前記シート状表面部材2は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状表面素材2を含有構成してなる構成により、下記の効果が得られる。
(効果ニ−a):容易な最適設計製造性・長時間の快適冷却感装着感・安価な量産性・帽子感覚装着感のある頭部冷却用具)綿状・布状、紙状などの種々の形態、及び、熱融着接合可能な不織布素材が安価に入手可能であり、このような種々の不織布を使用して、不織布素材の種類・複数積層構成・複数分割収納部構成・高断熱性構成・等の形状構成の最適設計製造が容易であるとともに、熱融着接合製法により容易に安価に量産可能であり、優れた長時間の快適冷却感装着感が得られ、最適設計により、快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具の設計・製造が容易である。更に、人体頭部に装着された時に、収納部に収納されている冷却媒体の脱落が防止される頭部冷却用具の設計製造も容易であるとともに、帽子に似た快適な装着感を有する頭部冷却用具が得られる。更に、不織布製シートに加えて、高い断熱性を有する金属薄膜及び/又は耐水性・強い機械的強度を有するプラスチック製フィルムシートを積層構成した頭部冷却用具の設計製造も容易であり、優れた実用性を有する頭部冷却用具が得られる。更に、所望の冷却媒体を使用して、所望の温度に冷却された冷却媒体を収納部に収納して構成することが可能であり、装着者の好みに応じて冷却媒体を収納した頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−b:熱融着性不織布の構成による低コスト経済性)不織布の使用により、安価に量産可能であるとともに、特に、熱融着性不織布の構成により、所望の複数の収納部を有する頭部冷却用具が容易に効率よく量産可能であり、低コストな頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−c:加熱により溶融して互いの素材を接合可能な不織布製の素材を使用してシート状表面部材とシート状内面部材を有する構成により、熱融着接合製法により頭部冷却用具を容易に安価に量産することが可能となる安価量産効果、及び、熱融着可能な断熱性不織布の使用による快適装着感持続時間延長効果。
(効果ニ−d:熱融着性不織布の構成による使い捨て可能)熱融着性不織布の構成により、容易に量産して安価に提供可能であるために、一回限りの使用でも採算に合う使い捨てタイプの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−e:熱融着性不織布の構成による優れた衛生的使用性)熱融着性不織布の構成により安価に提供可能であるために、一回限りの使用でも採算に合う使い捨てが可能であるために、病院などの医療機関における病人の頭部を冷却する冷却用具として同一人のみの使用により、衛生的に使用できるの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−f:断熱性不織布の構成による快適冷却感装着感持続時間延長効果)優れた断熱性を有する綿状不織布素材及び/又は金属薄膜素材を容易に構成して熱融着製法により製造することが可能であり、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具が得られる。更に、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−g:最適設計容易性)綿状等のソフトな感覚を有する不織布、布状等の強い機械的強度を有する不織布、優れた断熱性を有する綿状不織布素材、所望のファッション的外観を有する不織布、などの複数種類の不織布を組み合わせて構成した頭部冷却用具の設計が容易である。複数種類の不織布の組み合わせ最適設計により、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能を有する頭部冷却用具、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具、破損が抑制された頭部冷却用具、などの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−h:熱融着性繊維と他の繊維との混合繊維使用による所望性能を有する最適設計容易性)不織布の素材として熱融着可能な化学合成繊維製素材に加えて、綿、羊毛、麻、等の他の繊維との混合繊維の不織布を構成した不織布の使用構成により、綿の優れた吸湿性、羊毛の優れた保温性、麻の優れた耐摩耗性などの所望の性能を有する頭部冷却用具を得ることが可能となる。
(効果ニ−i:不織布を使用した熱融着接合製法による安価提供効果)上記の効果を有する頭部冷却用具を、加圧と加熱により熱融着し、その後、熱融着部が固化されて、シート状内面部材とシート状表面部材との所定領域を接合して、これにより、高い製造コストを要する縫製によることなく、熱融着手段により所望の頭部冷却用具を製造することができるために、前述の効果を有するとともに所望形状を有する頭部冷却用具を、容易に量産可能となり、安価に頭部冷却用具を安価に製造し提供できる効果が得られる。
(効果ニ−j:容易抗菌処理)抗菌処理された不織布の使用により、病院などの医療機関における病人の頭部を冷却する冷却用具として、衛生的に使用できる頭部冷却用具が得られる。
第22構成、第23構成の冷却媒体を収納した構成により、以下の作用効果を有する頭部冷却用具が得られる。
(効果ト−a:繰返し使用可能な密封冷却媒体の構成による繰返し使用可能な安価経済性使用と快適な冷却装着感)冷却と昇温の繰返し使用可能な冷却媒体の構成により、経済的に安価に使用可能となる。また、密封冷却媒体を装着者の好みに応じた冷却温度に冷却して収納部に収納して使用できるために、快適な冷却装着感が得られる。
(効果ト−b)繰返し使用可能な冷却媒体の構成により、経済的に安価に使用可能となる。また、密封冷却媒体を装着者の好みに応じた冷却温度に冷却して収納部に収納して使用できるために、快適な冷却装着感が得られる。また、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒がプラスチックフィルム製密封容器に充填された密封冷却媒体を使用した構成により、所望形状の冷却媒体の製造が可能になり安価に量産できる冷却媒体安価量産性。
なお、本考案の頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、快適な冷却感を感じる温度が約2℃〜約15℃の範囲にある温度を「快冷」温度として定義し、その快冷温度が持続する時間を「快適装着時間」として定義する。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状表面部材の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状内面部材の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の構成模式図及びその製造工程を示す模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の構成模式図及びその製造工程を示す模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状表面部材(符号括弧はシート状内表面部材)の構成模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。 本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図。
<頭部冷却用具の基本構成>
本考案の一実施例の頭部冷却用具の模式図が図1、図2、図3、図4に示される。
図1は、外表面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具を表面の後方から見た概略模式図、(F)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
図2は、内面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前方(又は後方)を見た概略模式図である。
図3は、外表面側に収納開口部を有する頭部冷却用具の概略模式図であって、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前方(又は後方)を見た概略模式図である。
図4は、本考案の一実施例の頭部冷却用具の一部分の断面の構成模式図であって、(A)は複数個に分割された複数個の収納部の中に冷却媒体を収納した構成を示す一部分の断面の構成模式図、(B)は一つの収納部に複数個に分割された冷却媒体を収納した構成を示す一部分の断面の構成模式図、(C)は(A)において更にシート状頭部保護部材を備えた構成を示す一部分の断面の構成模式図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具は、図1〜図3に示されるように、柔軟性を有するシート状部材2,3により形成され、人体頭部を覆って装着可能な頭部装着開口部16と立体装着空間部を有し、該頭部の所望の領域を冷却可能な冷却媒体8と該冷却媒体を収納する収納部4とを備えた頭部冷却用具1であって、頭部装着開口部16はシート状部材2、3の下縁領域に囲まれて開口形状で形成され、シート状部材2,3は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置するシート状内面部材3と、外表面側に位置するシート状表面部材2と、を有し、収納部4は、シート状内面部材3と、シート状表面部材2と、により形成され、冷却媒体8が収納部4に収納され、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなる。
また、特に、シート状内面部材3とシート状表面部材2との互いの接合により形成されたシート状表内面部材接合部14と、シート状内面部材3と、シート状表面部材2と、により囲まれて形成されてなる。
この構成により、(効果イ)人体頭部を覆って容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた頭部快適冷却効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
収納部4は、シート状内面部材3と、シート状表面部材2とにより形成されるとともに、複数個に区分された複数個の収納部4を有し、冷却媒体8は複数個の収納部4のうちの所望の収納部に収納され、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなる。
望ましくは、複数個の収納部4のそれぞれの収納部は、シート状内面部材3とシート状表面部材2とにより接合されたシート状表内面部材接合部により互いに分離されて構成される。
望ましくは、複数個の収納部4のそれぞれの収納部は、シート状内面部材3とシート状表面部材2とにより接合されたシート状表内面部材接合部14により互いに分離されて構成される。
望ましくは、冷却媒体8は複数個の収納部4のうちのすべての収納部に収納されてなる。
複数個の収納部4を有する頭部冷却用具1の構成により、(効果ロ−a:複数の収納部と複数の冷却媒体による快適冷却)複数個に区分・分割された収納部とその複数の収納部に冷却媒体を収納した構成により、人体頭部の全体を冷却、又は、人体頭部の所望部位を冷却、を選択して使用可能になり、冷却使用利便性が優れる頭部冷却用具が得られる。また、収納部の中における冷却媒体の位置ずれが最小限抑制されるとともに、最適な装着感を得るための複数個の収納部の位置や形状を自由に設計製造可能となり、優れた設計自由度が得られる。
(効果ローb)複数個の収納部の形状の組み合わせの最適設計により、通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
(効果ローc)容易に安価に複数個に分割された収納部を最適設計することが可能になることにより、容易に安価に収納部を有する頭部冷却用具の製造が可能になる収納部安価量産性を奏する頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、これらの複数個の収納部41、42、43は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
これにより、それぞれの収納部間の冷却媒体を収納できない間隔が最小限になり、冷却媒体8を収納できる領域が多くなり、上記の「頭部全体冷却性能」がさらに向上する。
図14は、本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納部の断面の構成模式図であり、図14(A)において、シート状表内面部材接合部14により形成された収納部4に冷却媒体8が収納設置されている。(B)において、収納部4は収納部分離接合部14aにより互いに区分された複数個の収納部41、42、43を有し、それぞれの収納部4に冷却媒体8が収納設置されている。(C)において、収納部分離接合部14aと立体形成接合部14bにより区分された複数個の収納部41、42、43を有し、それぞれの収納部4に冷却媒体8が収納設置されてなる。
望ましくは、複数個の収納部4は、人体頭部に装着された時に、(i)左耳部から頭頂部を経て右耳部に至る領域に分割された複数個の収納部、(ii)額部から頭頂部を経て後頭部に至る領域に分割された複数個の収納部、及び、(iii)額部から左耳部、後頭部、右耳部を経て額部に至る領域に分割された複数個の収納部、からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備えてなる。
特に望ましくは、図1〜図3に示されるように、複数個の収納部41、42、43は、(A)人体の額部から頭頭部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43と、を有し、これらの複数個の収納部41、42、43は、互いに隣り合って形成され、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
これにより、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41が頭部冷却用具の形状的な芯となる機能を奏し、その芯となる中央収納部41の両側に左側頭収納部42と右側頭収納部43が形成された形状構成であるために、冷却媒体を収納した状態においても、略半球形状を崩すことが抑制されて、略半球形状を維持することが可能になり、「(効果ローd)通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を有する」、頭部冷却用具が得られる。
また、このような形状に分割された複数個の収納を有する頭部冷却用具において、(効果ローe)中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とのそれぞれの収納部を別々に製造し、それらの複数個の収納部41、42、43を繋ぎ合せて結合する製造方法により、容易に安価に頭部冷却用具を製造可能になり、収納部安価量産性が得られる。
望ましくは、図2、図3に示されるように複数個の収納部41、42、43は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)、からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備え、これらの複数個の収納部は、互いに隣り合って形成され、一体に形成されてなる。冷却媒体8はそれぞれの収納部4に収納及び取出し可能に収納されている。
図2に示す頭部冷却用具は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)を備える。
図3に示す頭部冷却用具は、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41、(ここで、中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する)、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、を備える。
図2及び図3に示す頭部冷却用具に限定されることなく、図示されていないが、(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、(B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42、(ここで、前記左側頭収納部は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する)、及び、(C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43、(ここで、前記右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する)を備える頭部冷却用具も実施可能である。
これにより、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41が頭部冷却用具の形状的な芯となる機能を奏し、その芯となる中央収納部41の両側に左側頭収納部42と右側頭収納部43が形成された形状構成であるために、冷却媒体を収納した状態においても、略半球形状を崩すことが抑制されて、略半球形状を維持することが可能になり、「通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能を有する」頭部冷却用具が得られる。
さらに、(ヌ)中央収納部41を分割形成したそれぞれの額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413、及び、左側頭収納部42を分割形成した左前側頭収納部421と左後側頭収納部422、及び、右側頭収納部43を分割形成した右前側頭収納部431と右後側頭収納部432、のそれぞれの収納部に収納される冷却媒体8の形状としては、湾曲の少ない略平面形状を有する冷却媒体8が使用可能であるために冷却媒体の製造が容易で安価に製造できる冷却媒体安価量産性が得られる。さらに、(効果ローf)冷却媒体を収納部から出し入れする場合に、容易に出し入れすることが可能になる。
また、このような形状に分割された複数個の収納を有する頭部冷却用具を製造する方法において、(リ)中央収納部41を区切り裁縫して額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413を形成し、左側頭収納部42を区切り裁縫して左前側頭収納部421と左後側頭収納部422を形成し、右側頭収納部43を区切り裁縫して右前側頭収納部431と右後側頭収納部432を形成し、その後、区切られた収納部を有するそれらの複数個の収納部41、42、43を繋ぎ合せて結合する製造方法により、容易に頭部冷却用具を製造可能になり、収納部安価量産性が得られる。
<シート状表面部材2及びシート状内面部材3などのシート状部材2、3について>
本考案において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、積層された複数種類の素材より構成されてなる。
本考案において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、積層された複数種類の素材より構成されてなり、シート状部材2、3は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材は、少なくとも、(A)最表層に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材、(B)中間層に構成される断熱性素材、及び、(C)最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材、を備える。
シート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3の最表層の所望機能性素材としては、特に限定されないが、(i)色彩的絵柄的装飾性素材(色彩又は絵柄などの装飾的外観における所望の素材)、(ii)良感触性素材(手触り又は装着感などの感触的観点における所望の素材)、(iii)良撥水性素材(撥水性に優れた素材)、(iv)良断熱性素材(熱伝導が低い又は熱を輻射する性能が高いなどの断熱性に優れた素材)、(v)良機械的強度性素材(破れ難い、耐摩擦性、型崩れし難い、等の機械的強度に優れた素材)、(vi)柔軟性素材(装着したときに人体頭部の形状に馴染みやすい柔軟性を有する素材)、(vii)良抗菌性素材(菌が付着し難い、又は、菌の増殖を抑制する、又は殺菌する性質を備えた素材)、(viii)良汚染耐性素材(汚れ難いなどの汚染しにくい性質を有する素材)、(ix)良洗濯劣化耐性素材(繰返しの洗濯に対しても劣化の少ない素材)、(x)軽量性素材(装着時に重苦しさを軽減する軽く感じる素材)、(xi)通気性素材(装着時に、例えばメッシュ素材等の貫通孔形成素材などの頭部の蒸れ感を軽減する素材)、(xii)熱融着接合可能性素材(例えば、少なくともポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維を含有する不織布製であって、加熱により他の繊維と接合可能な素材)、からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材が望ましい。
所望機能性素材21としては、例えば、合成繊維、天熱繊維、皮革などの素材を用いて所望の性能を付与するように製造した素材が使用できる。
このような所望の機能を有する素材を選択してシート状表面部材2の最表面に構成することにより、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
特に、シート状表面部材2が上記の所望機能性素材21を有する構成が特に望ましい。
これにより、(効果ハ)所望装飾デザイン性、感触性、断熱性、機械的強度、抗菌性、耐汚染性、通気性などの初望の性能を有する頭部冷却用具が得られる。特に、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能、を有する頭部冷却用具においては、「通常の帽子と同じ感覚で頭部着脱が容易な着脱使用性能」が得られる。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の概略模式図が図9に示される。図9の(A)、(B)において、シート状表面部材2は、表面部材最表層21(所望機能性素材)と、 表面部材中間層22(断熱性素材)と、表面部材最裏層23(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)とから構成される。表面部材中間層22(断熱性素材)は、綿状の断熱性不織布により調製された熱伝導断熱素材22aと、紙状の不織布基材22bの表面に付着形成された金属製薄膜により調製された輻射熱伝導熱断熱素材22cにより構成される。冷却媒体8は、シート状表面部材2と、シート状内面部材3とらより形成された収納部4の中に収納されて設置されている。
本頭部冷却用具において、望ましくは、前記シート状内面部材は積層された複数種類の内面素材より構成され、前記複数種類の内面素材は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材又は柔軟性素材、及び、(C)内面部材最裏層に構成される、前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材、を備えることを特徴とする。
すなわち、シート状内面部材3は、シート状表面部材2の構成と概略同じ素材により形成された構成も実施可能である。
望ましくは、冷却媒体保持素材としては、破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記断熱性素材又は柔軟性素材よりも小さい断熱性を有する冷却媒体保持素材の使用が望ましい。
特に、内面部材中間層として断熱性素材を構成した頭部冷却用具は、冷却媒体8が断熱性能を有する表面部材断熱性素材22と内面部材断熱性素材32とに囲まれて収納されているために、永い冷却保持時間を奏する頭部冷却用具が得られる。
すなわち、「冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が同じ断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
本考案に構成される頭部冷却用具の一実施例の断面の概略模式図が図10(A)、(B)に示される。
例えば、図10(A)、(B)に示されるように、シート状内面部材3は、内面部材最表層31(所望機能性素材)と内面部材中間層32(断熱性素材)と、内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)とから構成される。
他の実施例として、例えば、図9(A)に示されるように、シート状内面部材3は内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)から構成される構成、又は、図9(B)に示されるように、シート状内面部材3は内面部材最裏層33(冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)と内面部材中間層32(断熱性素材又は柔軟性素材)とにより構成された構成が実施できる。
本考案において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つのシート状部材2,3は、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材を構成する。
表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材は、汎用のガーゼ・平織布などの織布、紙状の薄い不織布、薄いプラスチック製シート、などの汎用素材よりも高い断熱性能を有する素材を意味する。
これにより、頭部冷却用具が人体頭部に装着された時に、熱を頭部冷却用具の内部に閉じ込めて、頭部冷却用具の外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、(効果ホ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
本考案において、望ましくは、断熱性素材としては、(i)断熱性不織布素材と、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、(iii)微細空洞孔形成繊維素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材22a、及び/又は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材22b、及び/又は、(vii)綿状断熱性不織布22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチック22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材22c、及び/又は、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の保冷性布素材22a、を有する断熱性素材22を備える。
熱伝導断熱素材22a及び約0.3mm厚以上の保冷性布素材22aは素材の表裏方向における熱伝導が小さい性質を有する素材である。
熱伝導断熱素材としては下記の素材が構成される。
(i)断熱性不織布素材としては、ポリエステル製短繊維、ポリアミド(ナイロン)製短繊維、ポリオレフィン製短繊維、アクリル製短繊維、綿、羊毛、フェルト、その他の短繊維、などの短繊維を綿状に結合してシート状に形成した不織布素材であり、所望の空隙率、嵩密度、厚さ、目付などを有する所望の構成の断熱性不織布素材が使用できる。
(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材としては、例えば、連続気泡又は独立気泡を有する発泡プラスチック素材が使用でき、軟質ポリウレタン発泡樹脂素材、ポリオレフィン系樹脂を発泡したポリオレフィン発泡樹脂素材であって、柔軟性を備えた柔軟性発泡プラスチック素材が使用できる。
(iii)微細孔形成繊維素材としては、例えば、微細な空洞孔の中空を形成した繊維(長繊維)を所望の織り方で織って編成した微細孔形成繊維素材が使用できる。
(x)約0.3mm厚以上のフェルト材としては、前記の天然繊維や合成繊維の短繊維が絡み合って縮絨あるいはフェルト化されたシート状圧縮布材が使用される。フェルトは不織布の一種である。
(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材としては、ニードルパンチ手法によって製造されたシート状圧縮布材が使用される。ニードルパンチ材は不織布の一種で短繊維を使用して多数のニードル(針)のついた機械で圧縮してフェルト状に形成した布生地を意味する。
(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材としては、例えば、羊毛、綿、ポリアクリル繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維などを使用して起毛製を有するように、所定の編成形態に編まれて編成された約0.3mm厚以上の天然繊維製起毛製布材、又は、合成繊維製起毛製布材が使用される。
(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材としては、汎用の繊維を使用して平織、ストレッチ織、その他の所定の編成形態で編成され、肉厚に織られた織布である。
これらの起毛製布材、フェルト材、ニードルパンチ材、起毛製布材、肉厚織布材などのの厚さが約0.3mm未満の場合は断熱性に劣る傾向がある。
(vii、viii、viii)上記の断熱性素材の表面に金属薄膜を付着形成した熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材も使用できる。金属薄膜としては、例えば、膜厚が約1μm以下の金属蒸着膜又は金属箔薄膜などが使用できる。
このような熱伝導断熱素材22aはシートの表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有する。従って、熱伝導断熱素材製シートは冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏し、その結果、前述の(効果ホ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
金属膜輻射断熱素材22bは、輻射により熱を遮断する機能を奏する断熱性素材であり、下記の金属膜輻射断熱素材が構成できる。
(iv)金属箔素材としては、例えば、アルミニウムを箔状に形成したアルミ箔、又は、その他の金属を箔状に形成した金属箔が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1〜100μmが望ましい。
(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材としては、例えば、アルミニウムの蒸着により形成されたアルミ蒸着薄膜、又は、その他の金属の蒸着により形成された金属蒸着薄膜が使用できる。これらの金属膜輻射断熱素材の厚さは、特に限定されないが、例えば、約1μm未満の超薄膜が望ましい。
(vi)基材付金属薄膜素材としては、例えば、薄い布状不織布製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着不織布、薄いプラスチック製シートにアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着プラスチックシート、布状織布にアルミニウム製薄膜を付着形成したアルミ薄膜付着織布、又は、アルミ薄膜として、アルミ蒸着膜を基材に直接に蒸着形成したアルミ蒸着膜素材が使用できる。
このような金属膜輻射断熱素材22bは平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有するとともに平滑平面形状の金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、金属膜輻射断熱素材製のシートは、金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果を奏する。
輻射熱伝導熱断熱素材22cは、熱伝導を抑制する機能と、輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する断熱性素材である。
輻射熱伝導熱断熱素材22cとしての(vii)(viii)金属蒸着膜付断熱性不織布素材22cとしては、例えば、上記の熱伝導断熱素材製シート22aにアルミニウム蒸着薄膜22bを形成したアルミ蒸着膜付断熱性不織布素材、又は、上記の熱伝導断熱素材製シート22aに金属薄膜22bを付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材などが使用できる。
(ix)金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材22cとしては、例えば、上記の柔軟性発泡プラスチック22aにアルミニウム薄膜22bを蒸着形成したアルミ蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材、又は、上記の柔軟性発泡プラスチックに所望の金属膜を蒸着形成した金属蒸着膜付柔軟性発泡プラスチック素材などが使用できる。
すなわち、輻射熱伝導熱断熱素材22cは、熱伝導断熱素材22aと金属膜輻射断熱素材22bとが積層されて構成され、その積層形態としては、熱伝導断熱素材22aの表面に直接に金属膜輻射断熱素材22bを蒸着形成した構成、及び、熱伝導断熱素材22aとに金属膜輻射断熱素材22bとを接合手段により積層形成した構成が実施できる。
このような輻射熱伝導熱断熱素材22cは、前述の熱伝導断熱素材22aに起因する表裏方向の熱伝導を抑制する性質を有するとともに、金属膜輻射断熱素材22bに起因する平面方向に熱を良好に伝える熱伝導性を有し、更に、平滑平面に形成した金属製シートは熱を反射する輻射性能を有する。従って、輻射熱伝導熱断熱素材製シート22cは、熱伝導断熱素材に起因する冷却媒体からの冷気を熱伝導断熱素材の低い熱伝導性により熱を内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果と、金属膜輻射断熱素材22bに起因する金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを制御するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果との双方の効果を奏する。
上記のように、優れた断熱性有する断熱性素材を構成することにより、(効果イ)人体頭部を覆って容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた頭部快適冷却効果、及び、(効果ホ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、等が著しく向上した頭部冷却用具が得られる。
なお、上記の記載において、「金属薄膜素材」の語句は、例えば、蒸着により形成された金属蒸着薄膜、金属の延伸、展伸、圧伸等の機械的薄化処理により形成された金属薄膜、その他の方法により製造された約1μm以下の厚さを有する金属製のシート状素材を意味する。「金属箔素材」の語句は、例えば、アルミニウム、その他の金属により製造された約1μm〜約100μmの厚さを有する金属製のシート状素材を意味する。
本考案に構成されるシート状表面部材2の一実施例の概略模式図が図5に示され、(A)、(B)、(C)は断面の概略模式図であり、(D)は斜視の概略模式図である。
図5の(A)に示されるように、シート状表面部材2は表面部材最表層21としての所望機能性素材21と、表面部材中間層22としての断熱性素材22と、最裏層23としての冷却媒体保持素材23とを備える構成が実施できる。
また、図5の(B)に示されるように、表面部材中間層22としての断熱性素材22が、熱伝導断熱素材22aと、基材付金属薄膜素材(金属膜輻射断熱素材)22bとを備えた構成が実施できる。この場合、金属薄膜面が裏層側に位置する構成が望ましい。
また、図5の(C)に示されるように、表面部材中間層22としての断熱性素材22が、熱伝導断熱素材22aと、断熱性基材の表面に金属薄膜を付着形成した輻射断熱素材(金属膜輻射断熱素材)22bとを積層した輻射熱伝導熱断熱素材22cが実施できる。(B)の基材付金属薄膜素材(金属膜輻射断熱素材)22bは基材の表面に金属薄膜を付着形成した素材であり、(C)の輻射熱伝導熱断熱素材22cは断熱基材の表面に金属薄膜を付着形成した素材である。この場合、金属薄膜面が裏層側に位置する構成が望ましい。
本考案において、望ましくは、シート状表面部材2は、少なくとも、冷却媒体8に接触する側に配置された冷却媒体保持素材23と、冷却媒体保持素材23の表面側に配置された断熱性素材22を備え、冷却媒体保持素材23は、ネット状貫通孔、メッシュ状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔性通気性素材より形成され、断熱性素材22は、輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cである。
金属膜輻射断熱素材22b、輻射熱伝導熱断熱素材22cとしては、前述の(iv)〜(viii)の構成を有する。
冷却媒体8に起因する冷気が前記貫通孔形成素材に形成されている貫通孔を通って金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cに貫通可能に構成され、冷却媒体8に起因する冷気がシート状表面部材2の表面側に伝導することを抑制することを特徴とする。
この場合、金属膜輻射断熱素材22b及び/又は輻射熱伝導熱断熱素材22cに構成される金属面が冷却媒体保持素材23の側に位置する構成が望ましい。
金属膜輻射断熱素材22bの具体例としては、前述の(iv)金属箔素材、(v)金属膜素材、(vi)金属膜輻射断熱素材、(vii、viii)金属薄膜膜付不織布素材、(ix)金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材、等の輻射熱伝導熱断熱素材等が使用できる。
これにより、金属膜輻射断熱素材製のシートは、金属面において冷却媒体から発する冷気を平面方向に均一に伝導することにより冷気の平面方向のバラツキを抑制するとともに、冷却媒体からの冷気を金属面の輻射により内部に閉じ込めて、外部に逃げる冷気を抑制する効果が更に著しく向上する。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3は、互い異なる断熱性能を有する断熱性素材を構成することを特徴とする。
特に、望ましくは、シート状内面部材3は、シート状表面部材2より、表裏方向において小さい断熱性能を有する。すなわち、望ましくは、シート状表面部材2が少なくとも断熱性素材を構成するとともに、シート状表面部材2が前記シート状内面部材より、表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材を少なくとも構成する。
これにより、収納されている冷却媒体の冷気が頭部冷却用具の外部よりも人体頭部側により多く閉じ込められ、その結果、頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、等の冷却性能が向上する効果が得られる。
これにより、頭部冷却用具1が人体頭部に装着された時に、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する冷気が、人体頭部に伝わりやすく、シート状内面部材3の表面側に伝わりにくくなるとともに、更に、人体頭部を冷却する時間が永くなるとともに、シート状内面部材3を通って頭部冷却用具1の外側に逃げる冷気が抑制され、冷却持続時間が永くなる効果が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状表面部材2とシート状内面部材3は、互い異なる断熱性構成を有し、(i)シート状表面部材2とシート状内面部材3とのうちの快適な装着感が得られる側を人体頭部に接触して人体頭部に装着し、その後、(ii)装着後の所定の時間の経過後に、前記冷却媒体の冷却温度が昇温した時に、裏返して、シート状表面部材2とシート状内面部材3とが逆になる側を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、ことが可能な構成を有することを特徴とする。
この構成により、頭部冷却用具1が人体頭部に装着された時に、冷えすぎて不快感を感じる場合には、頭部冷却用具を裏返して、シート状表面部材2の側を人体頭部に接触した状態で装着することにより、冷えすぎて不快感を抑制して、快適な冷却装着感を得ることが可能となる、効果が得られる。
すなわち、「冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材との断熱性が異なる構成において、冷え過ぎた冷却媒体を収納した頭部冷却用具を裏返して使用可能な構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材は、シート状表面部材と比べて略同程度の断熱性を有する素材により構成されてなることを特徴とする。
これにより、冷却媒体8が断熱性能を有するシート状表面部材2とシート状内面部材3とに囲まれて収納されているために、永い冷却保持時間を奏する頭部冷却用具が得られる。すなわち、「冷却媒体の収納部を構成するシート状表面部材とシート状内面部材が同じ断熱性を有する断熱性素材により形成された構成により、冷え過ぎ感の抑制された快適冷却感を得るとともに快適冷却持続時間を延長できる快適装着感持続時間延長効果」などの優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、(i)表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する通気性素材、又は、(ii)メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材、を構成し、これにより、人体頭部に装着された時に、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する冷気を人体頭部側に伝わりやすくする機能を奏する構成が望ましい。
図6は、本考案の一実施例の頭部冷却用具に構成されるシート状内面部材の構成模式図であり、(A)〜(D)は側面(又は断面)の構成模式図であり、(E)〜(G)は表面から見た平面の構成模式図である。
「メッシュ状貫通孔」と「ネット状貫通孔」と「網目状貫通孔」と「微小貫通孔」の語句の明確な差異は区別できないが、例えば、以下の貫通孔形成素材が使用される。
メッシュ状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(F)に示されるような、ポリエステル繊維・ポリアミド繊維・その他の汎用の合成繊維、綿・羊毛・麻・その他の汎用の天然繊維、これらの合成繊維と天然繊維との混合繊維を、所望形状のメッシュ状に編成したメッシュ状編成繊維が使用され、その開孔率が、例えば、約10〜約80%のメッシュ状編成繊維が望ましく、特に、開孔率が約30〜60のメッシュ状編成繊維が望ましい。メッシュ開孔形状としては特に限定されなく、例えば、正方形、長方形、円、楕円、多角形などであって、開孔径が約0.5〜5mmの任意のメッシュ開孔形状が使用可能である。メッシュ状編成繊維の開孔率が高くなるに従って、収納部4に収納された冷却媒体8に起因する貫通孔を通じて人体頭部に伝わる冷気が多くなり、逆に、機械的強度は低下する傾向にあり、人体頭部への熱伝達と機械的強度を勘案して、特に、開孔径が約1〜約3mm開孔率が約30〜60のメッシュ状編成繊維が望ましい。
メッシュ状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、上記のほかに、強い機械的強度を有するプラスチック製シートを打ち抜き成形して上記に類似の開孔形状と開孔率を有するメッシュ状プラスチック製シートも使用できる。
ネット状貫通孔又は網目状貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(E)に示されるような、所望の太さの合成繊維、天然繊維又はこれらの混合繊維を、正方形、長方形、円、楕円、多角形などの所望のネット状貫通孔又は網目状貫通孔の形状に編んだ貫通孔形成素材が使用できる。
微小貫通孔を有する貫通孔形成素材としては、特に限定されないが、例えば、図6の(G)に示されるような、繊維を編成して粗い網目としての微小貫通孔を有する微小貫通孔繊維編成、又は、強い機械的強度を有するプラスチック製シートを打ち抜き成形して上記に類似の開孔形状と開孔率を有する微小貫通孔プラスチック製シートが使用できる。
これにより、「頭部冷却用具を人体頭部に装着したときに、収納部に収納されている冷却媒体8に起因する冷気がシート状内面部材3を通気して、人体頭部に到達しやすくなり、その結果頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、が著しく向上した頭部冷却用具が得られる」という効果が更に著しく発揮される頭部冷却用具が得られる。
なお、前述の積層された複数種類の表面素材より構成されシート状表面部材の最裏層に構成される冷却媒体保持素材として、上記のような、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材より形成される構成が実施可能である。
特に、シート状内面部材3が、メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からなる群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材より形成されるとともに、シート状表面部材の最裏層に構成される冷却媒体保持素材が前記のシート状内面部材3と同じ貫通孔形成素材より形成された構成が、望ましい。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、少なくとも柔軟性を有する内面部材柔軟性素材を構成し、前記内面部材柔軟性素材が人体頭部側に構成されてなり、人体頭部に装着された時に、冷却媒体に起因する硬さ感を抑制する機能を奏することを特徴とする。
図9は、本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図である。例えば、図9(A)に示されるように、シート状内面部材3として内面部材冷却媒体保持素材33を構成し、その内面部材冷却媒体保持素材33が内面部材柔軟性素材32としての機能を奏する構成が実施できる。
本頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、少なくとも、内面部材冷却媒体保持素材と内面部材裏面素材とにより構成され、内面部材裏面素材は、人体頭部側に構成され、収納部に収納されている冷却媒体の人体頭部への直接の接触を防止して前記冷却媒体に起因する冷気を抑制する機能を奏することを特徴とする。
例えば、図9(B)に示されるように、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33と内面部材柔軟性素材32とを構成し、人体頭部側に内面部材柔軟性素材32が構成された構成が実施可能である。この場合、内面部材裏面素材が内面部材柔軟性素材32の機能を奏する。
このような内面部材柔軟性素材32としては、特に限定されないが、例えば、綿・羊毛等の天然繊維、又は、ポリアクリル繊維・ポリエステル繊維・ポリアミド繊維等の合成繊維、天然繊維と合成繊維との混紡繊維を使用した繊維編成織布が使用できる。特に、少なくとも綿生地を含有使用した平織又は伸縮性を有する織布が望ましく、これにより、冷却媒体に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、優れた吸湿性を奏する内面部材柔軟性素材が得られ、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる。
<シート状頭部保護部材について>
本発明の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、シート状頭部保護部材7を備え、シート状頭部保護部材7は、収納部4を形成することなく、シート状内面部材3の内面側に位置し、収納部4に収納されている冷却媒体8の人体頭部への直接の接触を防止して冷却媒体8に起因する冷気を抑制する機能を奏することを特徴とする。シート状頭部保護部材7は、シート状内面部材3の内面側に、(i)取外しできない状態で、シート状内面部材3の内面側に設置構成されている、又は、(ii)取付けと取外しが可能な状態の脱着自在に設置構成されている、のいずれかの構成が実施可能である。
望ましくは、シート状頭部保護部材7の全周囲領域が、シート状内面部材3の内面側の全周囲領域に、(i)取外しできない状態で接合してに設置構成されている構成が望ましく、これにより、違和感のない優れた装着感を奏する頭部冷却用具が得られるとともに、更に、シート状頭部保装着者にとって、シート状頭部保護部材7を取り付け、及び、取り外しの作業を省くことができて、容易に装着できる頭部冷却用具が得られ。なお、この場合、これに限定されることなく、シート状頭部保護部材7の所望の部分領域が、シート状内面部材3の内面側の所望の部分領域に取外しできない状態で接合してに設置構成されている構成も実施可能である。
<収納開口部について>
本考案において、望ましくは、収納部4は、該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部4aを有し、収納部4は、(i)人体頭部に装着した時に該頭部に接触する内面側、又は、(ii)人体頭部に装着した時の外表面側、のいずれかであって、該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部4aを有し、冷却媒体8が収納開口部4aを通って前記収納部4に出し入れ自在に収納されてなる。
本考案の一実施例の頭部冷却用具を構成する収納開口部の構成を説明する断面構成模式図が図7に示される。
図7において、(A)はシート状表面部材2の側に、それぞれの表面部材開口部2aを形成した断面構成模式図、(B)はシート状内面部材3の側に、それぞれの内面部材開口部3aを形成した断面構成模式図である。(C)は(A)の構成における表面部材開口部2に表面部材開口連結部材2bを構成した断面構成模式図である。(D)は(B)の構成における内面部材開口部3に内面部材開口連結部材3bを構成した断面構成模式図である
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に、それぞれの収納開口部4aを形成し、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
例えば、図1、図3、図7(A)に示されるように、それぞれの収納部41、42、43は、シート状表面部材側に、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部41a、42a、43a)を形成し、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部41a、42a、43a)は、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
これにより、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる使用容易性、の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。特に、重病人が装着した状態で、頭部冷却用具を脱がすことなく、冷却媒体8の出し入れが可能となり、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる。
又は、望ましくは、それぞれの収納部4は、シート状内面部材3に、それぞれの収納開口部4aを形成し、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
例えば、図2、図7(B)に示されるように、それぞれの収納部41、42、43は、シート状内面部材側に、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部41a、42a、43a)を形成し、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部41a、42a、43a)は、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
これにより、シート状表面部材側に開口部が形成する必要がないために、表面部材最表層に構成された所望の機能を奏する所望機能性素材の性能を最大限に奏することが可能となり、その結果、所望の色彩のデザイン化された外観を有するとともに所望装飾デザイン性に優れる所望装飾デザイン性能を奏する頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、それぞれの収納開口部4aは、互いに重なり合う二重開口縁部を有し、その二重開口縁部は、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
例えば、図1、図2、図3、図7(A)、図7(B)、図8(A)、図8(B)に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2a、又は、内面部材二重開口縁部3aを有し、その開口縁部2a、3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
二重開口縁部2a、3aの互いに重なり合う重なり部分の幅は、特に限定されないが、例えば、約5〜60mmが望ましく、特に、約10〜30mmが望ましい。重なり部分の幅が約5mm未満の場合には、冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能が低下する傾向があり、重なり部分の幅が約60mmを超える場合には、冷却媒体8を収納部4に収納する操作が煩わしくなる傾向がある。
これにより、互いに重なり合う二重開口縁部2a、3aを通して冷却媒体8を収納部4に容易に入れることができ、収納部4に収納されている冷却媒体8の飛び出しが抑制され、その結果、収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性に優れた頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、それぞれの収納開口部4aは、(i)前記それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上、又は、(ii)前記それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上、に形成されてなることを特徴とする。これにより、収納部4の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部4に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
例えば、図1、図2に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、(i)それぞれの収納部41、42、43の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部41、42、43の中に前記冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部41、42、43に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
収納部41、42、43の略中央部を通る仮想線上に収納開口部41a、42a、43aが形成された形状構成により、収納部に収納されている冷却媒体8の端部が収納開口部から離れた位置に位置するために、収納部に収納されている冷却媒体8の飛び出しが抑制され、その結果、収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性に優れた頭部冷却用具が得られる。
例えば、図3に示されるように、それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、(ii)それぞれの収納部41、42、43の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。特に、図3(B)に示されるように、略半円形状(又は、図示されないが、略4分の1円形状)の形状を有する左側頭収納部42及び右側頭収納部43の収納開口部42a、43aはそれぞれの耳側の長い端部を有する位置に左側頭収納部42及び右側頭収納部43を形成する構成が望ましい。これにより、冷却により硬くなった冷却媒体8を折り曲げることなく容易に左側頭収納部42及び右側頭収納部43に収納できる。
<収納開口部の解放口の位置について>
収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43のそれぞれの収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4が互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、(i)収納部の一方の側から延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、他方の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が収納部の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される狭幅解放口構成、及び、(ii)収納部の一方の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、他方の側から延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が収納部の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される広幅解放口構成、のいずれかの形状構成が実施可能である。
例えば、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、図3(A)に示されるように、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、中央収納部41が額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413の複数個に分割された収納部を有する構成において、上記の(i)狭幅解放口構成が望ましい。
すなわち、図3(A)のように、広い幅を有する広幅シート状表面部材が左側頭収納部42から右側頭収納部43の端部まで向かって伸びる形状に形成され、その広幅シート状表面部材を覆う形状で、右側頭収納部43から左側頭収納部42に向かって形成された狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が形成された構成である。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
他方、収納開口部4がシート状表面部材2に形成され、収納開口部4aが、互いに重なり合う二重開口縁部を有するとともに、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる構成において、図3(B)に示されるように、左側頭収納部42及び右側頭収納部43が分割されることなくそれぞれ一つの左側頭収納部42及び右側頭収納部43を形成する構成において、上記の(ii)広幅解放口構成が望ましい。
すなわち、図3(B)のように、狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の耳部(図3(B)の下部)から頭頂部に向かって伸びる形状に形成され、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で、頭頂部から耳部に向かって収納部の端部まで伸びて形成された広い幅を有する広幅シート状表面部材が形成された構成である。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
図3(A)の変形例として、中央収納部41が分割されることなく一つの中央収納部41である構成(例えば、図1(A)のように、中央収納部41が一つの収納部を構成)の場合には、上記の(ii)広幅解放口構成が望ましい。
すなわち、狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が左側頭収納部42から右側頭収納部43に向かって伸びる形状に形成され、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で、右側頭収納部43から左側頭収納部42に向かって形成された広い幅を有する広幅シート状表面部材が形成された構成である。
他方、図3(B)の変形例として、左側頭収納部42及び右側頭収納部43のそれぞれの収納部が複数個に分割された構成(例えば、図2(B)のように、左側頭収納部42及び右側頭収納部43がそれぞれ2つに分割された収納部を構成)の場合には、上記の(i)狭幅解放口構成が望ましい。
広い幅を有する広幅シート状表面部材が頭頂部から左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の耳部(図3(B)の下部)の収納部端部まで向かって伸びる形状に形成され、その広幅シート状表面部材を覆う形状で、耳部から頭頂部に向かって伸びて形成された狭い幅を有する狭幅シート状表面部材が形成された構成である。
望ましくは、収納開口部4は、シート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3に形成され、さらに、収納開口部4の少なくとも一部分に設置された表面部材開口部連結部材2b及び/又は内面部材開口部連結部材3bを備え、開口縁部連結部材2b、3bはそれぞれの収納開口部4の少なくとも一部分を解放及び連結自在に構成され、収納部4に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。
例えば、図7(C)に示されるように、収納開口部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)2aを有し、表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)2aの少なくとも一部分を係止するための表面部材開口部連結部材2bを備え、表面部材開口部連結部材2bは表面部材開口部(二重開口縁部開口縁部)2aを解放及び連結自在に構成されている。
例えば、図7(D)に示されるように、収納開口部4は、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aを有し、内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aの少なくとも一部分を係止するための内面部材開口部連結部材3bを備え、内面部材開口部連結部材3bは内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)3aを解放及び連結自在に構成されている。
表面部材開口部連結部材2b又は内面部材開口部連結部材3bとしては、特に限定されないが、例えば、汎用のボタン、鈎と受具との一対の汎用のホックボタン、汎用のファスナー(線ファスナー)、汎用の互いに絡み合った形状で綿的に接合・分離自在な面ファスナーなどが使用できる。面ファスナーは、商品名としては、クラレ製マジックテープ、ベルクロUSA社製ベルクロがあり、ループアンドフック、又は、パイルアンドフックとも呼ばれる。
これにより、収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性がさらに向上した頭部冷却用具が得られる。
特に、表面部材開口部連結部材2b又は内面部材開口部連結部材3bとしては、面ファスナーが望ましく、これにより、「突起高さが小さく、比較的柔軟であり、更に、解放及び連結の操作が容易であり、片手でも解放及び連結の操作が可能で、病人でも容易に解放及び連結の操作でき、その結果、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる使用容易性、収納部に収納されている冷却媒体の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性、等の優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
<装着脱落防止部材について>
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備え、該装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。
更に望ましくは、装着脱落防止部材5は、(i)収納部4の下側縁の全周囲に設置された伸縮性部材、(ii)収納部4の下側縁の全周囲に設置された係止・解放自在な紐部材、(iii)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止自在な伸縮性部材、及び、(iv)収納部4の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止・解放自在な紐部材、からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
例えば、(i)収納部4の下側縁の全周囲に設置された伸縮性部材(装着脱落防止部材)5としては、図1(B)、図2(B)、図3(B)に示されるように、頭部冷却用具の下側縁の全周囲に設置された装着脱落防止部材収納部を構成し、その装着脱落防止部材収納部の中に伸縮可能なゴム紐を設置した構成が実施できる。
(ii)収納部4の下側縁の全周囲に設置された係止・解放自在な紐部材(装着脱落防止部材)5としては、図1(B)、図2(B))、図3(B)に示されるように、頭部冷却用具の下側縁の全周囲に設置された装着脱落防止部材収納部を構成し、その装着脱落防止部材収納部の中に結び解き自在な紐部材を設置した構成が実施できる。
<不織布製のシート状内面部材とシート状表面部材とを構成した頭部冷却用具について>
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状内面素材3を含有構成し、シート状表面部材2は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状表面素材2を含有してなる構成が望ましい。
特に望ましくは、不織布製シート状内面素材3は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31から構成され、不織布製シート状表面素材2は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21から構成され、シート状表内面部材接合部14は、熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着性不織布製シート状表面素材21との互いの熱融着により接合形成されたシート状表内面部材熱融着接合部14であり、収納部4は、熱融着性不織布製シート状内面素材31と、熱融着性不織布製シート状表面素材21と、シート状表内面部材熱融着接合部14と、により囲まれて所定形状に形成されてなる、構成が、望ましい。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の構成模式図が図11の(E)に示される。図11(E)において、頭部冷却用具1は、柔軟性を有するシート状部材2、3により形成され、人体頭部を覆って装着可能な頭部装着開口部16と立体装着空間部を有し、該頭部の所望の領域を冷却可能な冷却媒体8と、該冷却媒体を収納する収納部4とを備える。
装着開口部16はシート状部材2、3の下縁領域に囲まれて開口形状で形成され、シート状部材2、3は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置するシート状内面部材3と、外表面側に位置するシート状表面部材2と、を有する。
収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2との互いの接合により形成されたシート状表内面部材接合部14aと、シート状内面部材3と、シート状表面部材2と、により囲まれて形成され、冷却媒体8が収納部4に収納される。
シート状内面部材3は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状内面素材3を含有構成し、シート状表面部材2は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状表面素材2を含有構成してなる。
本考案において、不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものを意味し、例えば、短繊維又は長繊維を熱的・機械的又は化学的な作用によって接着又は絡み合わせることでシート状に形成したものを意味する。これに対して、織布は、繊維を撚って糸にしたものを織ってシート状に形成したものを意味する。
不織布の原料としては繊維状に加工できるほとんどの物質を使用することができ、複数の原料を組み合わせて、繊維の長さ・太さなどの繊維形状を調整した繊維を使用することにより、目的・用途に応じた機能を有する不織布を製造できる。
一般的に不織布は次のような性質を有する。
・合成繊維、天然繊維などの複数の素材を単に混合するだけの手段により、保温性、保冷性、通気性、吸湿性、保水性、撥水性、難燃性、柔軟性、伸縮性、弾性、機械的強度、等の所望の性質を有するものを容易に製造できる。
・所望の厚みを有するシート状のものを容易に製造できる。
・所望温度の加熱により溶融する繊維(例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)を含有せしめることにより、加熱融着により他のシートと容易に接合して加工することができる。(これに対して、織布は縫製又は接着剤使用により他のシートと接合する必要がある)。
・ランダムに結合されたものは強度、伸びなどに方向性を持つことなく均等な強度や伸びを有する。
・大量生産が可能で、安価に製造できる。
本考案において、不織布としては、次のようなものが含まれる。
(a)断熱性能を有する不織布。例えば、所望の空隙率を有するとともに、比較的厚い厚さ(例えば約0.5mm以上の厚さ、望ましくは、約1mm以上の厚さ)を有する綿状の不織布製シート。一般に、衣料用分野においては保温を目的として使用されているもの(例えば、シート状の防寒用中入綿等)、及び、フィルターとして使用されているもの(空気清浄用フィルター、防塵用フィルター、ろ過用フィルター)であり、適度な空隙率と柔軟性を有し、空隙率が大きくなるにしたがって機械的強度が弱くなる傾向がある。機械的強度が弱い不織布の場合には強い機械的強度を有する他の布材と併用して使用される。
(b)織布に近い機械的強度を有するとともに紙に近い比較的薄い厚さ(例えば、約0.01mm〜約1mmの厚さ、望ましくは、約0.5mm未満の厚さ)であって、柔軟性を有する紙状の不織布。例えば、汎用の不織布製マスク、不織布製ガーゼ、キッチンペーパー、保護用緩衝材、不織布製ウェットティッシュ基材、等のような織布に近い機械的強度を有して単独使用も可能な布状の不織布又は紙状の不織布。なお、この布状の不織布又は紙状不織布は、若干の断熱性を有し、断熱性能を有する不織布と明確な区別ができるものではない。
(c)フェルト材。フェルト材も不織布の一種であり、天熱繊維や化学繊維を編むことなく縮絨(シュクジュウ)して、互いに絡み合わせて、薄く板状に圧縮して形成された不織布である。例えば、断熱、保温、クッション性に優れ、服飾製品、毛氈、カーペットなどに汎用されている。なお、フェルト材は不織布とは別分類される場合もある。
(d)ニードルパンチ材。ニードルパンチ材も不織布の一種であり、天然繊維や化学繊維を編むことなく、短繊維の集合体を多数の針(ニードル)のついた機械で圧縮してフェルト状に形成した不織布の製法の一種であり、この製法により製造された不織を意味する。例えば、カーペットとして汎用されている。なお、ニードルパンチ材は不織布とは別分類される場合もある。
本考案において、不織布としては、特に、上記の(a)優れた断熱性と柔軟性を有する綿状の不織布製シートが望ましい。また、綿状の不織布が強い機械的強度を有する布状(又は紙状)不織布と積層した構成が望ましい。
本考案に使用される不織布は、特に限定されないが、例えば、下記に示されるような不織布が望ましい。
不織布は、繊維シート、ウェブ(繊維だけで構成された薄い膜状のシート)、又はバット(毛布状の繊維)であり、所望の繊維長と所望の繊維径を有する繊維が、ランダム又は一方向に配向してなり、交絡、融着、及び接着のうちの少なくとも一つによって繊維間が結合されて形成された3次元の繊維集合体の形態を有するとともに、布状形態、綿状形態、又は、紙状形態、を有する。不織布は、内部に多数の空隙を有した多孔構造であり、該多孔構造に起因して、断熱性、保温性、保冷性、及び、通気性、からなる群から選ばれる少なくとも一つの性能を有する。不織布は、圧縮柔軟性、及び/又は、屈曲柔軟性、を有する。繊維の繊維径は、約0.01〜約50μmの範囲にある。一般に、繊維径が細くなるに従って、柔軟性が増加し、断熱性が増加する。
不織布製シート状内面素材3及び不織布製シート状表面素材2の厚さは、約0.01〜約50mmの範囲であり、特に、約0.1〜約20mmの範囲が望ましい。その厚さが約0.01mm未満の場合は、頭部冷却用具の装着時に、破れ等の破損が生じる傾向にある。その厚さが厚くなるに従って断熱性能が増加していくか、約50mmを越える場合には、人体頭部に装着時にその著しく高い断熱性能に起因して十分な冷却性能が得られなくなる傾向がある。
不織布製シート状内面素材3及び不織布製シート状表面素2の密度は、約0.01〜約0.5g/ccの範囲が望ましい。一般に、不織布製素材の密度が小さくなるに従って、空隙率が増加し、柔軟性が増加し、断熱性が増加する。
不織布製シート状内面素材3及び不織布製シート状表面素材2の熱伝導率は、約0.02〜約0.1W/m・Kの範囲が望ましい。一般に、ポリエチレン製シートの熱伝導率は約0.4W/m・Kであり、羊毛の熱伝導率は約0.05W/m・Kであり、空気の熱伝導率は約0.024W/m・Kであるといわれている(理科年表第84冊による)。従って、密度が小さくなるに従って、空隙率が増加して、、断熱性が増加する。
一般に、不織布の製法としては、例えば、ケミカルボンド製法、サーマルボンド製法、ニードルパンチ製法、スパンレース製法、ステッチボンド製法、等の製法により製造され、その製法に依存して、断熱性、保温性、保冷性、通気性、圧縮柔軟性、屈曲柔軟性、嵩密度、空隙率、熱伝導率などの種々の性能を有する不織布製シート状素材が製造されている。
本考案の頭部冷却用具1において、望ましくは、不織布製シート状内面素材3は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材3から構成され、不織布製シート状表面素材2は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材2から構成される。そして、シート状表内面部材接合部14は、熱融着性不織布製シート状内面素材3と熱融着性不織布製シート状表面素材2との互いの熱融着により接合形成されたシート状表内面部材熱融着接合部14aであり、収納部4は、熱融着性不織布製シート状内面素材3と、熱融着性不織布製シート状表面素材2と、シート状表内面部材熱融着接合部14aと、により囲まれて所定形状に形成されてなる。
不織布製シート状素材の構成により、人体頭部に容易に装着可能で、頭部からの冷却媒体の脱落が防止され、人体頭部に装着した時に、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能を有するとともに、量産可能な優れた容易な製造方法が可能であり、冷却媒体のみの入れ替えにより繰り返し使用も可能であり、経済的に安価に使用可能な頭部冷却用具が得られる。
特に、下記の優れた効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−a):容易な最適設計製造性・長時間の快適冷却感装着感・安価な量産性・帽子感覚装着感のある頭部冷却用具)綿状・布状、紙状などの種々の形態、及び、熱融着接合可能な不織布素材が安価に入手可能であり、このような種々の不織布を使用して、不織布素材の種類・複数積層構成・複数分割収納部構成・高断熱性構成・等の形状構成の最適設計製造が容易であるとともに、熱融着接合製法により容易に安価に量産可能であり、優れた長時間の快適冷却感装着感が得られ、最適設計により、快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具の設計・製造が容易である。更に、人体頭部に装着された時に、収納部に収納されている冷却媒体の脱落が防止される頭部冷却用具の設計製造も容易であるとともに、帽子に似た快適な装着感を有する頭部冷却用具が得られる。更に、不織布製シートに加えて、高い断熱性を有する金属薄膜及び/又は耐水性・強い機械的強度を有するプラスチック製フィルムシートを積層構成した頭部冷却用具の設計製造も容易であり、優れた実用性を有する頭部冷却用具が得られる。更に、所望の冷却媒体を使用して、所望の温度に冷却された冷却媒体を収納部に収納して構成することが可能であり、装着者の好みに応じて冷却媒体を収納した頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−b:熱融着性不織布の構成による低コスト経済性)不織布の使用により、安価に量産可能であるとともに、特に、熱融着性不織布の構成により、所望の複数の収納部を有する頭部冷却用具が容易に効率よく量産可能であり、低コストな頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−c:加熱により溶融して互いの素材を接合可能な不織布製の素材を使用してシート状表面部材とシート状内面部材を有する構成により、熱融着接合製法により頭部冷却用具を容易に安価に量産することが可能となる安価量産効果、及び、熱融着可能な断熱性不織布の使用による快適装着感持続時間延長効果。
(効果ニ−d:熱融着性不織布の構成による使い捨て可能)熱融着性不織布の構成により、容易に量産して安価に提供可能であるために、一回限りの使用でも採算に合う使い捨てタイプの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−e:熱融着性不織布の構成による優れた衛生的使用性)熱融着性不織布の構成により安価に提供可能であるために、一回限りの使用でも採算に合う使い捨てが可能であるために、病院などの医療機関における病人の頭部を冷却する冷却用具として同一人のみの使用により、衛生的に使用できるの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−f:断熱性不織布の構成による快適冷却感装着感持続時間延長効果)優れた断熱性を有する綿状不織布素材及び/又は金属薄膜素材を容易に構成して熱融着製法により製造することが可能であり、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具が得られる。更に、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−g:最適設計容易性)綿状等のソフトな感覚を有する不織布、布状等の強い機械的強度を有する不織布、優れた断熱性を有する綿状不織布素材、所望のファッション的外観を有する不織布、などの複数種類の不織布を組み合わせて構成した頭部冷却用具の設計が容易である。複数種類の不織布の組み合わせ最適設計により、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能を有する頭部冷却用具、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具、破損が抑制された頭部冷却用具、などの頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−h:熱融着性繊維と他の繊維との混合繊維使用による所望性能を有する最適設計容易性)不織布の素材として熱融着可能な化学合成繊維製素材に加えて、綿、羊毛、麻、等の他の繊維との混合繊維の不織布を構成した不織布の使用構成により、綿の優れた吸湿性、羊毛の優れた保温性、麻の優れた耐摩耗性などの所望の性能を有する頭部冷却用具を得ることが可能となる。
(効果ニ−i:不織布を使用した熱融着接合製法による安価提供効果)上記の効果を有する頭部冷却用具を、加圧と加熱により熱融着し、その後、熱融着部が固化されて、シート状内面部材とシート状表面部材との所定領域を接合して、これにより、高い製造コストを要する縫製によることなく、熱融着手段により所望の頭部冷却用具を製造することができるために、前述の効果を有するとともに所望形状を有する頭部冷却用具を、容易に量産可能となり、安価に頭部冷却用具を安価に製造し提供できる効果が得られる。
(効果ニ−j:容易抗菌処理)抗菌処理された不織布の使用により、病院などの医療機関における病人の頭部を冷却する冷却用具として、衛生的に使用できる頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、本考案の頭部冷却用具に構成される不織布としては、少なくとも、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製繊維(ポリエチレン製繊維、ポリプロピレン製繊維)、ポリアミド製繊維(ナイロン製繊維)、ポリエチレンテレフチレート製繊維(ポリエステル製繊維)、ポリビニールアルコール製繊維(ビニロン製繊維)、ポリアクリル製繊維、ポリウレタン製繊維、ポリ塩化ビニ−ル製繊維、ビニロン製繊維、ポリエチレン酢酸ビニ−ル製繊維、レーヨン繊維、セルロース製繊維、合成ゴム製繊維、からなる群から選ばれる少なくとも一つの熱融着性繊維を含有する。
熱融着性繊維は、融解温度以上に加熱されることにより溶融して融着可能な熱融着接着剤としての機能を奏するとともに、室温に低下した時に固化する性質を有し、熱融着可能な熱融着性繊維を含有する不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着可能な熱融着性繊維を含有する不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21との所定領域が重ね合わされるとともに加圧と加熱により、熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着性不織布製シート状表面素材21との重ね合わされた所定領域が互いの熱融着により接合され、室温に戻った時に重ね合わされた所定領域が固化接合されて、シート状表内面部材熱融着接合部14が形成され、シート状表内面部材熱融着接合部14と熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着性不織布製シート状表面素材21とにより所定部分が囲まれて収納部4が形成されてなる。
望ましくは、本考案において構成される不織布としては、(イ)熱融着可能な前記熱融着性繊維、及び、(ロ)前記熱融着性繊維と他の繊維との混合繊維、のうちの少なくとも一つの不織布である構成が実施可能である。
他の繊維としては、特に限定されないが、例えば、綿、羊毛、麻などの天然繊維、炭素繊維、ポリイミド繊維、その他の著しく熱溶融し難い合成繊維などの、繊維自身が溶融しない性質を有する繊維が使用可能である。熱融着性繊維の熱融着により、これらの他の繊維と熱融着性繊維とが互いに熱融着される。
この構成により、(効果ニ−k:熱融着性繊維と他の繊維との混合繊維使用による所望性能を有する最適設計容易性)不織布の素材として熱融着可能な化学合成繊維製素材に加えて、綿、羊毛、麻、等の他の繊維との混合繊維の不織布を構成した不織布の使用構成により、綿の優れた吸湿性、羊毛の優れた保温性、麻の優れた耐摩耗性などの所望の性能を有する頭部冷却用具を得ることが可能となる。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3及びシート状表面部材2のうちの少なくとも一つは、熱融着可能なプラスチック製フィルム素材26、36または金属蒸着薄膜付きプラスチック製フィルム素材26、36をさらに構成してなり、熱融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材21、31とプラスチック製フィルム素材26、36とが積層して構成されなり、収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2を構成する全ての素材の熱融着により所定の形状に接合されて形成されてなる。
この構成により、(効果ニ−m:水分透過遮断性)不織性シート状素材が有する水分透過性を防止して、密封冷却剤に起因する水滴又は冷却剤の水分が頭部冷却用具の外側に漏れ出る現象が防止され、冷却用具の濡れ現象が抑制される。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、シート状内面部材3は、(i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a、(ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状内面素材31b、(iii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31aの片面又は両面に金属薄膜素材(35)を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート状内面素材、及び、(iv)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状内面素材31bの片面又は両面に金属薄膜素材35を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シート状内面素材、うちの少なくとも一つを構成し、シート状表面部材2は、(v)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a、(vi)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表面素材21b、(vii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aの片面又は両面に金属薄膜素材(25)を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート状表面素材、及び、(viii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bの片面又は両面に金属薄膜素材2)を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シート状表面素材、のうちの少なくとも一つを構成し、収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2との互いの熱融着により所定の形状に接合されて形成されてなる。
前記の(i)、(v)の綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a及び綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aとしては、綿状の外観を有する不織布製シートが使用され、例えば、綿状形態を有する綿状不織布製シートとしては、密度が0.01〜0.2g/ccの範囲にあり、厚さが1〜50mmの範囲にある綿状外観を有する不織布製シートが望ましい。
この構成により、「優れた断熱性を有する綿状不織布の構成による快適装着感持続時間延長効果:綿状不織布製シート状素材に起因する高い断熱性と、綿状不織布製シート状素材の柔軟で柔らかい装着感とを備えるとともに所望の断熱性能を備えたシート状内面部材とシート状表面部材とを構成した頭部冷却用具が設計可能になる。従って、高い断熱性を有するシート状表面部材及び/又はシート状表面部材を構成した頭部冷却用具の場合には、冷却媒体を快適温度よりも低温に冷却して冷え過ぎている冷却媒体を使用することにより、高い断熱性を有する部材を介することにより人体頭部に与える冷え過ぎ感を抑制して快適冷却感を与えることができるとともに、高い断熱性素材により外部に放散する熱が抑制されるために快適冷却持続時間を永くすることが可能となるなどの快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
前記の(ii)の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31b、及び、(vi)布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bとしては、布状の外観を有する不織布製シートが使用され、例えば、布状形態を有する布状不織布製シートとしては、密度が0.2〜0.3g/ccの範囲にあり、厚さが0.01〜1mmの範囲にある布状外観を有する不織布製シートが望ましい。
この構成により、布状熱融着性不織布製シート状表内面素材21b、31bは綿状熱融着性不織布製シート状表内面素材21a、31aよりも、断熱性に劣るが、しかしながら、強い機械的強度を有する。従って、破損に耐える頭部冷却用具が得られる効果がある。
前記の(iii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31aの片面又は両面に金属薄膜素材35を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート状内面素材、及び/又は、(vii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aの片面又は両面に金属薄膜素材25を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート状表面素材が構成された頭部冷却用具においては、「優れた断熱性を有する綿状不織布と金属薄膜素材との双方の構成による快適装着感持続時間延長効果:綿状不織布製シート状素材に起因する高い断熱性と金属薄膜に起因する高い輻射断熱性との双方の優れた断熱性能と、綿状不織布製シート状素材の柔軟で柔らかい装着感とを備えるとともに所望の断熱性能を備えたシート状内面部材とシート状表面部材を構成した頭部冷却用具を設計可能になる。従って、高い断熱性を有するシート状表面部材及び/又はシート状表面部材を構成した頭部冷却用具の場合には、冷却媒体を快適温度よりも低温に冷却して冷え過ぎている冷却媒体を使用することにより、高い断熱性を有する部材を介することにより人体頭部に与える冷え過ぎ感を抑制して快適冷却感を与えることができるとともに、高い断熱性素材により外部に放散する熱が抑制されるために快適冷却持続時間を永くすることが可能となるなどの快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
前記の(iv)、(viii)の布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表内面素材21b、31bの片面又は両面に金属薄膜素材25、35を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シート状表内面素材が構成された頭部冷却用具においては、「布状不織布製シート状素材に起因する強い機械的強度に、金属薄膜に起因する高い輻射断熱性との双方の性能を有する頭部冷却用具を設計可能になる。従って、高い断熱性を有するシート状表面部材及び/又はシート状表面部材を構成した頭部冷却用具の場合には、冷却媒体を快適温度よりも低温に冷却して冷え過ぎている冷却媒体を使用することにより、高い断熱性を有する部材を介することにより人体頭部に与える冷え過ぎ感を抑制して快適冷却感を与えることができるとともに、高い断熱性素材により外部に放散する熱が抑制されるために快適冷却持続時間を永くすることが可能となるなどの快適装着感持続時間延長効果」が得られる。
本考案の頭部冷却用具1において、望ましくは、シート状内面部材3及びシート状表面部材2のうちの少なくとも一つは、熱融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材21、31と、金属薄膜素材25、35を備えてなる。
本考案の頭部冷却用具1において、望ましくは、シート状内面部材3は、(i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a、及び/又は、(ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状内面素材31b、及び、(iii)金属薄膜素材25を備え、前記シート状表面部材2は、(i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a、及び/又は、(ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表面素材21b、及び、(iii)金属薄膜素材25を備える。
本考案の頭部冷却用具1において、望ましくは、シート状内面部材3は、積層された複数種類の熱融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31より構成され、シート状表面部材2は、積層された複数種類の熱融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21より構成され、収納部4は、複数種類の熱融着性不織布製シート状内面素材31より構成されたシート状内面部材3と、複数種類の熱融着性不織布製シート状表面素材21より構成されたシート状表面部材2とのすべての素材の互いの熱融着により所定の形状に接合されて形成されてなる。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図15に示される。図15は頭部冷却用具に構成されるシート状表面部材とシート状内面部材の構成を説明する構成模式図である。
図15(A)において、シート状表面部材2として、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、綿状の熱融着性不織布製シート状表面素材211aと、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、金属薄膜素材25とを構成する。
シート状内面部材3として、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、綿状の熱融着性不織布製シート状内面素材31aと、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、金属薄膜素材25とを構成する。
これらの熱融着性不織布製シート状表面素材21と熱融着性不織布製シート状内面素材31との熱融着によりシート状表内面部接合部14を形成して、そのシート状表内面部接合部14により囲まれた収納部4が構成されている。
金属薄膜素材25、35は、冷却媒体4に面する側の最内層に形成された構成が望ましい。金属薄膜素材25、35が冷却媒体4に面する側の最内層に形成された構成により、冷却媒体の冷気の放散を抑制し、それにより断熱性能が著しく向上する。一般に金属薄膜は、物質から発せられる温度を反射するとともに金属薄膜の平面方向に熱を逃がす性質を有し、これにより、金属薄膜を挟む両側に熱を伝え難くする性質を有する。
但し、この構成に限定されることなく、金属薄膜素材25、35は積層された不織布シート間に積層された構成も実施可能であり、金属薄膜素材を構成しない場合よりも優れた断熱性能を奏する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3とは互いに同じ積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
図15(B)において、シート状表面部材2として、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、綿状の熱融着性不織布製シート状表面素材21aと、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、金属薄膜素材25と、さらに、綿状の熱融着性不織布製シート状表面素材21aと布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bとの間に構成された金属薄膜素材25を備える。シート状内面部材3として、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、綿状の熱融着性不織布製シート状内面素材31aと、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、金属薄膜素材25とを構成する。
シート状内面部材3は(A)の構成と同じである。
図15(B)において、シート状表面部材2はシート状内面部材3よりも優れた断熱性能を有する。
図15(C)において、シート状表面部材2として、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、綿状の熱融着性不織布製シート状表面素材211aと、布状の熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、金属薄膜素材25とを構成する。シート状内面部材3として、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、綿状の熱融着性不織布製シート状内面素材31aと、布状の熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、を構成する。
シート状表面部材2は図15(A)の構成と同じである。シート状内面部材3において、図15(A)に構成されている金属薄膜素材25が構成されていない。
図15(C)において、シート状表面部材2はシート状内面部材3よりも優れた断熱性能を有する。
本考案の頭部冷却用具のシート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3の構成としては、図15に示される構成に限定されることなく、所望の不織布製シート状素材単層のシート状部材、複数種類の不織布製シート状素材を積層したシート状部材、不織布製シート状素材と金属薄膜素材25との積層したシート状部材が使用可能である。また、シート状表面部材とシート状内面部材とが互いに同じ構成、又は、シート状表面部材とシート状内面部材とが互いに異なる構成が実施可能である。
本考案の頭部冷却用具のシート状表面部材及び/又はシート状内面部材の構成を説明するための断面の構成模式図が図16に示される。
図16(A)において、シート状表面部材2又はシート状内面部材3は、不織布製シート状素材21、31の単層のみから構成される。不織布製シート状素材21、31としては、綿状不織布製シート状素材又は布状不織布製シート状素材が実施可能である。
図16(B)において、シート状表面部材2又はシート状内面部材3は、綿状不織布製シート状素材21a、31aを間に挟んだ状態で、布状不織布製シート状素材21bが積層して構成される。
図16(C)において、シート状表面部材2又はシート状内面部材3は、綿状不織布製シート状素材21a、31aを間に挟んだ状態で、布状不織布製シート状素材21bが積層して構成されるとともに、一方の布状の不織布製シート状素材21bの側に金属薄膜素材25、35とを積層して構成される。
図16(D)において、シート状表面部材2又はシート状内面部材3は、布状不織布製シート状素材21b、31bと、綿状不織布製シート状素材21a、31aの一方の側に設置された金属薄膜素材25、35と、布状不織布製シート状素材21bの一方の側に設置された金属薄膜素材25、35とを積層して構成される。
図16(E)において、シート状表面部材2又はシート状内面部材3は、布状不織布製シート状素材21b、31bと、綿状不織布製シート状素材21a、31aと、一方の布状の不織布製シート状素材21b、31bの両側に設置された金属薄膜素材25、35と、プラスチック製フィルムシート状素材26、36を積層して構成される。
なお、上記の図16(B)〜(E)のシート状表面部材2又はシート状内面部材3の構成において、2つの布状不織布製シート状素材21b、31bを構成する場合には、それらの布状不織布製シート状素材21b、31bが同じ嵩密度を有する構成、又は、異なる嵩密度を有する構成のいずれの構成も実施可能である。
また、不織布製シート状素材としては熱融着可能な熱融着性不織布製シート状素材を使用した構成が望ましい。
このような図16に示される構成に限定されることなく、所望の嵩密度を有する不織布製シート状素材及び/又は金属薄膜素材を組み合わせたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを備えた頭部冷却用具が実施可能である。
そして、シート状表面部材2とシート状内面部材3とが互いに同じ構成、又は、互いに異なる構成を備えた頭部冷却用具が実施可能である。
これらの構成を所定に設計することにより、所望の冷却感及び装着感を奏する頭部冷却用具が得られる。
一般に、プラスチック製の不織布製シートはプラスチック製のフィルムシートよりも優れた断熱性を有する。例えば、ポリエチレン製不織布シートの熱伝導率は、空隙率・密度・繊維径・繊維長等に起因して異なるが、ポリエチレン製不織布シートの熱伝導率の約0.4から空気の熱伝導率の約0.024W/m・Kの範囲にある。従って、密度が小さくなるに従って、空隙率が増加して、熱伝導率が小さくなり、断熱性が増加する傾向にある。
本考案に構成される不織布製シートは、通常のプラスチック製のフィルムシートよりも優れた断熱性を有する。
このような綿状不織布製シート状素材の構成により、下記のような効果を有する頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−f:断熱性不織布の構成による快適冷却感装着感持続時間延長効果)優れた断熱性を有する綿状不織布素材及び/又は金属薄膜素材を容易に構成して熱融着製法により製造することが可能であり、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具が得られる。更に、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具が得られる。
(効果ニ−g:最適設計容易性)綿状等のソフトな感覚を有する不織布、布状等の強い機械的強度を有する不織布、優れた断熱性を有する綿状不織布素材、所望のファッション的外観を有する不織布、などの複数種類の不織布を組み合わせて構成した頭部冷却用具の設計が容易である。複数種類の不織布の組み合わせ最適設計により、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能を有する頭部冷却用具、長時間の冷却性能を維持できる頭部冷却用具、冷却感の快適装着感の持続時間を永くできる快適冷却感装着感持続時間延長効果を有する頭部冷却用具、冷却されて硬くなった冷却媒体を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着したとき不織布の圧縮柔軟性と屈曲柔軟性に起因して、その不織布製シート部材の介在緩衝により冷却媒体の硬さが抑制されたソフトな快適装着感が得られる頭部冷却用具、破損が抑制された頭部冷却用具、などの頭部冷却用具が得られる。
頭部冷却用具1について、その一実施例を示す図11に基づき説明する。
(a)工程:図11の(A)に示されるように、所定形状に裁断された図11(A)に示された平面状のシート状内面素材3と、所定形状に裁断された平面状のシート状表面部材2と、を供給する。ここで、シート状内面素材3は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31から構成され、シート状表面素材2は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21から構成される。このような平面状のシート状内面部材3と平面状のシート状表面部材2を一対とした素材の二対を供給する。
なお、シート状内面素材3及びシート状表面素材2としては、単層又は複数の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材が使用される。シート状内面素材3及び/又はシート状表面素材2が、積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材である場合には、積層された複数種類のシート状表面素材2はこれらの周囲の側縁領域があらかじめ熱融着手段、ホットメルト接着手段、接着剤塗布接着手段、等により接合されている構成が望ましく、これにより、開口部が形成された場合に、開口部における積層された複数種類のシート状表面素材2が互いに接合されていることにより、積層された複数種類のシート状表面素材2の分離が防止される効果が得られる。
(b)工程:図11の(B)に示されるように、シート状内面部材3とシート状表面部材2との所定領域(底辺、両側)を、互いに重ね合せるとともに加圧と加熱により熱融着して、シート状内面部材3とシート状表面部材2との所定領域(底辺縁部領域、両側辺縁部領域、略中央縦線領域)を接合してなるシート状表内面部材熱融着接合部14を形成する。シート状表内面部材熱融着接合部14は収納部分離接合部14aの機能も兼ねる。なお、加圧と加熱により熱融着された領域は、熱融着後に固化されてシート状内面部材3とシート状表面部材2との所定領域が接合してなるシート状表内面部材熱融着接合部14が形成される。
これにより、シート状表内面部材接合部14とシート状内面部材3とシート状表面部材2とにより囲まれた収納部4を形成する。収納部4として、第一収納部41と第二収納部42を有する熱融着され収納部を形成した一対のシート状内面部材3とシート状表面部材2と、第三収納部43と第四収納部44を有する熱融着された収納部4が形成される。このようにして、複数個の収納部4を有する二対のシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dを調製する。
ここで、シート状表面部材2とシート状内面部材3の上縁部は接合部を形成することなく、この上縁部の部分が収納開口部4aとなる。熱融着されるシート状表内面部材熱融着接合部14は約2〜15mmの幅長さの略線状で形成される。
次に、(C)のように、これらの二対のシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dを重ね合せて、そして、(D)のように、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する。このようにして、複数の収納部41、42、43、44を有するとともに装着開口部16と立体装着空間部を有する頭部冷却用具の冷却用具不織布構成部1cが得られる。
(c)工程:図11(E)のように、それぞれの収納部41、42、43、44に冷却媒体8を、収納開口部4aを介して出し入れ自在に収納する。
このようにして、頭部冷却用具1が製造される。
ここで、以下のいずれの構成も実施可能である。
(i)前述の(a)工程の図11(A)において、シート状内面部材3の上縁領域の形状が図示のような略半円形状に限定されることなく直線状、折線状、曲線状等の所望の形状を有する構成。
(ii)前述の(a)工程の図11(A)において、シート状内面部材3とシート状表面部材2とが互いに同じ形状を有する構成。この場合、収納部開口部4aは、シート状内面部材3とシート状表面部材2のそれぞれの上縁領域が重なり合う頭部冷却用具1の上縁領域に位置するように形成構成される。
(iii)前述の(b)工程の図11(B)において、4個の収納部41、42、43、44に限定されることなく、所望の領域にシート状表内面部材熱融着接合部14aを形成して、所望の複数個の収納部を形成する構成。
(iv)図11(C)、(D)において、それぞれのシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dのシート状表面部材2の側が表側となるようにシート状内面部材3の側を互いに重ね合せて、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する構成。この場合、収納部開口部4aは、頭部冷却用具1の表側に位置するように形成構成される。
(v)図11(C)、(D)において、それぞれのシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dのシート状表面部材2の側が内側となるようにシート状内面部材3の側を互いに重ね合せて、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する構成。この場合、収納部開口部4aは、頭部冷却用具1の内側に位置するように形成構成される。
この製造方法により、(効果ヘ−a・不織布を使用した熱融着接合製法による安価提供効果)上記の効果を有する頭部冷却用具を、加圧と加熱により熱融着し、その後、熱融着部が固化されて、シート状内面部材とシート状表面部材との所定領域を接合して、これにより、高い製造コストを要する縫製によることなく、熱融着手段により所望の頭部冷却用具を製造することができるために、前述の効果を有するとともに所望形状を有する頭部冷却用具を、容易に量産可能となり、安価に頭部冷却用具を安価に製造し提供できる効果が得られる。
図7(A)、(B)に示されるように、収納開口部4aは、互いに重なり合う二重開口縁部(4b)を有し、冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有し、二重開口縁部4bは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する構成も実施できる。
例えば、それぞれの収納部41、42、43、44は、シート状表面部材側に、互いに重なり合う二重開口縁部4bを有する収納開口部4aを形成し、その二重開口縁部4bを有する収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
二重開口縁部の互いに重なり合う重なり部分の幅は、特に限定されないが、例えば、約5〜60mmが望ましく、特に、約10〜30mmが望ましい。重なり部分の幅が約5mm未満の場合には、冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能が低下する傾向があり、重なり部分の幅が約60mmを超える場合には、冷却媒体8を収納部4に収納する操作が煩わしくなる傾向がある。
二重開口縁部を有する収納部構成により、互いに重なり合う二重開口縁部を通して冷却媒体8を収納部4に容易に入れることができ、収納部4に収納されている冷却媒体8の飛び出しが抑制され、その結果、収納部に収納されている冷却媒体の装着中の収納部から飛び出しが抑制された収納保持安定性を有する頭部冷却用具が得られる。
二重開口縁部の収納部構成を備えた頭部冷却用具の製造方法を説明する模式図が図12に示される。
図12の(A)に示されるように、(a)所定形状に裁断された平面状のシート状内面部材3と、所定形状に裁断された平面状のシート状表面部材2と、を供給する。シート状内面部材3としてはシート状内面部材2の横長さよりも短く、縦長さが同じ寸法の2枚のシート状内面部材3を準備する。
ここで、シート状内面素材3は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材から構成され、シート状表面素材2は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材から構成される。このような1枚のシート状表面素材2と2枚のシート状内面素材3とを一対とする二対の平面状のシート状内面部材3と平面状のシート状表面部材2を供給する。
シート状内面部材3は、横長さが約16cm、縦長さが約20cmの略長方形のシート状内面部材3を2枚準備する。シート状表面部材2は、横長さが約30cm、縦線長さが約20cmの略長方形の平面形状を有する。
なお、図示されていないが、シート状内面素材3及び/又はシート状表面素材2が、積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材である場合には、積層された複数種類のシート状表面素材2はこれらの周囲の側縁領域があらかじめ熱融着手段、接着剤接着手段又はホットメルト接着手段等により接合されている構成が望ましく、これにより、開口部が形成された場合に、開口部における積層された複数種類のシート状表面素材2が互いに接合されていることにより、積層された複数種類のシート状表面素材2の分離が防止される効果が得られる。
図12の(B)に示されるように、シート状表面部材2の左辺と1枚のシート状内面部材3との左辺と重ね合せるとともに、シート状表面部材2の右辺と他のシート状内面部材2との右辺と重ね合せた状態で、これらの全周囲の縁領域と、左辺と右辺とを結ぶ横方向の所定領域を、線状に加圧と加熱により熱融着し、その後、その熱融着された領域が固化されてシート状内面部材3とシート状表面部材2との所定領域を接合してなるシート状表内面部材熱融着接合部14を形成する。シート状表内面部材熱融着接合部14は収納部分離接合部14aの機能も兼ねる。略中央部に位置してシート状内面部材3の重ね合わされた熱融着接合部を形成しない二重開口縁部を有する収納開口部4aとして形成される。これにより、第一収納部41と第二収納部42を有するとともに二重開口縁部の収納開口部4aを有する熱融着され収納部を形成した一対のシート状内面部材3とシート状表面部材2と、第三収納部43と第四収納部44を有する熱融着され収納部4を形成する。このようにして、収納部4を有する二対のシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dを調製する。
次に、(C)のように、これらの二対のシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dを重ね合せて、そして、(D)のように、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する。このようにして、複数の収納部41、42、43、44を有するとともに装着開口部16と立体装着空間部を有する頭部冷却用具の冷却用具不織布構成部1cが得られる。
ここで、以下のいずれの構成も実施可能である。(i)それぞれのシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dのシート状表面部材2の側が表側となるようにシート状内面部材3の側を互いに重ね合せて、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する。この場合、収納部開口部4aは、頭部冷却用具1の表側に位置するように形成構成される。又は、(ii)それぞれのシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dのシート状表面部材2の側が内側となるようにシート状内面部材3の側を互いに重ね合せて、装着開口部16となる底辺を除くシート状表内面部材熱融着接合部形成部材14dの側縁を熱融着して立体形成接合部14bを形成する。この場合、収納部開口部4aは、頭部冷却用具1の内側に位置するように形成構成される。
次に、(E)のように、それぞれの収納部41、42、43、44に冷却媒体8を収納開口部4aを介して出し入れ自在に収納する。このようにして、柔軟性を有するシート状部材2、3により形成され、人体頭部を覆って装着可能な頭部装着開口部16と立体装着空間部を有し、該頭部の所定領域を冷却可能な冷却媒体8と該冷却媒体を収納する収納部4とを備えた頭部冷却用具1が調製される。
本実施例の頭部冷却用具において、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に、それぞれの収納開口部4aを形成し、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。収納開口部4aがシート状表面部材2に形成された頭部冷却用具は、特に、重病人が装着した状態で、頭部冷却用具を脱がすことなく、冷却媒体8の出し入れが可能となり、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる。
なお、収納開口部4aがシート状表面部材2に形成された構成に限定されることなく、収納開口部4aがシート状内面部材3に形成された構成も実施可能であり、この場合、(効果ハ−i)装着されている時に、収納開口部4aが頭部にふさがれた状態となるために、装着時の却媒体の飛び出しが防止される効果が得られる。
望ましくは、本考案の頭部冷却用具は、(A)人体頭部に装着した時に左耳部近傍に位置する領域と右左耳部近傍に位置する領域とを重ね合せて折り畳んだ場合の概略形状、又は、(B)人体頭部に装着した時に額部近傍に位置する領域と後頭部近傍に位置する領域とを重ね合せて折り畳んだ場合の概略形状が、半円形、台形、三角形、四角形、又は、多角形を有し、前記頭部装着開口部16を有するとともに、前記頭部装着開口部16を除く他の領域により、前記立体装着空間部が形成されてなる。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観構成模式図が図13に示される。図13は折り畳んだ状態の頭部冷却用具1の側面の概略模式図を示す。
図13の(A)において、頭部冷却用具1は、略半円状のシート状表面部材2と略半円状のシート状内面部材3を重ね合せた状態ですべての周縁を接合して収納部分離接合部14aを形成し、これにより収納部4を形成したものを2対準備する。これらの2対の収納部4を形成したものを重ね合せて半円の円周部縁部を接合して立体形成接合部14bを形成する。この場合、半円の直径部領域は接合されなく、この接合されない部分が頭部装着開口部16を形成する。2か所の収納部4を有する頭部冷却用具1が得られる。
図13の(B)において、頭部冷却用具1は、略長方形のシート状表面部材2と略長方形のシート状内面部材3を重ね合せた状態ですべての周縁を接合するとともに所定個所を直線状に接合して収納部分離接合部14aを形成し、これにより複数個(図の場合は7個)の収納部4(41、42、43、44、など)を形成する。その後、複数個の収納部を有する接合したものを半分に折り重ねた状態で両側の側縁を接合して立体形成接合部14bを形成する。この場合、折部に対抗する縁部領域は接合されなく、この接合されない部分が頭部装着開口部16を形成する。このようにして、7個の収納部4を有する頭部冷却用具1が得られる。
図13の(C)において、頭部冷却用具1は、略台形状のシート状表面部材2と略台形状のシート状内面部材3を重ね合せた状態ですべての周縁を接合して収納部分離接合部14aを形成し、これにより収納部4を形成したものを2対準備する。これらの2対の収納部4を形成したものを重ね合せて略台形状の円周部縁部をして接合して立体形成接合部14bを形成する。この場合、台形の下辺部領域は接合されなく、この接合されない部分が頭部装着開口部16を形成する。このようにして、8個の収納部4を有する頭部冷却用具1が得られる。
図13の(D)において、頭部冷却用具1は、略三角形状のシート状表面部材2と略三角形状のシート状内面部材3を重ね合せた状態ですべての周縁を接合して収納部分離接合部14aを形成し、これにより収納部4を形成したものを2対準備する。これらの2対の収納部4を形成したものを重ね合せて略三角形状の両側辺部縁部をして接合して立体形成接合部14bを形成する。この場合、三角形の下辺部領域は接合されなく、この接合されない部分が頭部装着開口部16を形成する。このようにして、4個の収納部4を有する頭部冷却用具1が得られる。
図13の(A)〜(D)において、収納部分離接合部14aと立体形成接合部14bは熱融着接合により容易に形成できる。収納部4の一部に収納開口部4aが形成される。この複数個の収納部4のそれぞれの収納部の中に冷却媒体8が収納されている。このようにして、複数個の収納部4を有し、それぞれの収納部の中に冷却媒体4が収納された頭部冷却用具1が得られる。
<頭頂部開閉開口部と頭頂部開閉部材を備えた頭部冷却用具の構成について>
本考案の一実施例の頭部冷却用具の模式図が図17と図18に示される。
図17は本考案の一実施例の頭部冷却用具の頭部冷却用具の概略模式図であって、図18は本考案の他の実施例の頭部冷却用具の頭部冷却用具の概略模式図であって、それぞれの(A)は頭部冷却用具を正面から見た概略模式図、それぞれの(B)は装着可能な状態に操作した場合の概略模式図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具を示す図17と図18において、本考案の頭部冷却用具は、柔軟性を有するシート状部材2,3により形成された略筒状形態を有し、略筒状形態のシート状部材の前記下縁領域に囲まれて、人体頭部に装着可能な頭部装着開口部16が形成され、略筒状形態のシート状部材2,3の上縁領域に囲まれて、該上縁領域を開閉自在な頭頂部開閉開口部15が形成され、頭頂部開閉開口部15を閉じる機能と開く機能を有する開閉自在な頭頂部開閉部材9が前記上縁領域に設置され、収納部4は、略筒状のシート状内面部材3と、略筒状のシート状表面部材2と、シート状内面部材3とシート状表面部材2との下縁領域が互いに接合された収納下縁接合部と、により囲まれて形成され、
収納部4は、該収納部4の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部4aを有し、頭頂部開閉部材9が開かれて頭頂部開閉開口部15が開口された状態で、冷却媒体8が収納開口部4aを通って収納部に出し入れ自在に収納され、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられることにより、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となり、これにより、装着開口部16を通って人体頭部に装着された時に、人体頭部の頭頂部を覆うことが可能な略半円球状立体形状に形成される、構成を有する。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、頭頂部開閉部材9は、(i)紐部材9、ここで、該紐部材は、上縁領域を互いに重ね合せる状態で紐部材が短く絞られることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となり、紐部材9の絞りが解かれて元の長さになることにより頭頂部開閉開口部15が開口された形態となる機能を奏する、(ii)少なくとも一対の面ファスナー部材9、ここで、該面ファスナー部材は、上縁領域を互いに重ね合せる状態で一対の面ファスナー材9が互いに閉じられることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となり、一対の面ファスナー材が解放されることにより頭頂部開閉開口部15が開口された形態となる機能を奏する、(iii)ボタン部材9、ここで、該ボタン部材は、上縁領域を互いに重ね合せる状態でボタン部材が互いに閉じられることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となり、ボタン部材が解放されることにより頭頂部開閉開口部15が開口された形態となる機能を奏する、(iv)ファスナー部材9、ここで、該ファスナー部材9は、上縁領域を互いに重ね合せる状態で一対の面ファスナー材9が互いに閉じられることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となり、一対の面ファスナー材9が解放されることにより頭頂部開閉開口部15が開口された形態となる機能を奏する、のうちの少なくとも一つの開閉部材であることを特徴とする。
収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2の接合により互いに分離された複数個の収納部4を有し、複数個の収納部4はそれぞれの収納部4の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部4aを有し、冷却媒体8は複数個の収納部のうちの所望の収納部4にそれぞれの収納開口部4aを通して収納及び取出し可能に収納され、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となり、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されている。
望ましくは、図17に示されるように、収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2の接合により互いに分離された複数個の収納部としての6個の収納部を有する。但し、図17では3個の収納部41、42、43のみが図示されているが、図示されていない側に更に3個の収納部を有する。複数個の収納部4は、上縁領域11と下縁領域12とを結ぶ領域に形成された複数の収納分離接合部4fにより互いに分離されている。
前記複数個の収納部41、42、43はそれぞれの収納部の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部4aを有し、冷却媒体8は複数個の収納部のうちの所望の収納部にそれぞれの収納開口部4aを通して収納及び取出し可能に収納されている。冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となる。
人体頭部に装着された時に、人体頭部の周囲方向に、複数の収納分離接合部4fが屈曲可能に形成されるとともに、頭部の所望の領域を冷却可能に構成されている。
なお、図17において、収納部4は6個に分離された複数個の収納部を有し、図17において隠れて見えない位置に残りの3個の複数個の収納部が形成されている。
これにより、複数個に分割された収納部に冷却媒体を収納設置した構成により、収納部の中における冷却媒体の位置ずれが最小限抑制されるとともに、最適な装着感を得るための設計自由度が増す優れた設計自由度、の効果が得られる。
複数個の収納部4の個数、位置、形状などは、特に限定されることなく、任意の個数、位置、形状などを有する複数個の収納部が実施可能である。
また、複数個の収納部4のそれぞれの収納開口部4aの位置は、それぞれの収納部の頭頂部開閉開口部15の側に形成された構成が望ましく、これにより、頭頂部開閉部材9が解放されて開かれた状態で冷却媒体8が収納部4に収納され易くなり、また、頭頂部開閉部材9が閉じられることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態においては、収納開口部4aが頭頂部開閉部材9の近傍に形成された構成となることに起因して、収納部4に収納された冷却媒体8の飛び出しが防止される冷却媒体飛び出し防止効果が得られる。
なお、図18において、収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2とに囲まれた4個に分離された複数個の収納部を有する。図18において隠れて見えない位置に残りの2個の複数個の収納部が形成されている。図18では2個の収納部41、42のみが図示されているが、図示されていない側に更に2個の収納部を有する。この場合、後述するが、収納部4の中に収納される冷却媒体8としては、屈曲可能な複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
本考案において、略筒形状の頭部冷却用具において、収納部4の頭頂部開閉開口部15の側に開口する形態で形成され、(i)シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方の上縁領域の端部に形成された形状、又は、(ii)シート状表面部材2の上縁領域の内側に形成された形状、に形成されてなり、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となる構成が望ましい。
(i)シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方の上縁領域の端部に形成された形状の場合には、シート状表面部材2とシート状内面部材3との略筒形状の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法が、互いに同じ長さ寸法を有する。(ii)シート状表面部材2の上縁領域の内側に形成された形状の場合には、シート状表面部材2の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法が、シート状内面部材3の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法よりも長い長さ寸法を有する。
これらの収納開口部の構成において、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部も閉じられた形態となり、収納部に収納されている冷却媒体の飛び出し脱落が防止される形態となる。この構成により、前述の「頭頂部開閉開口部15の近傍に収納開口部と頭頂部開閉部材9とを形成した構成により、収納開口部4aを開閉するための収納開口部開閉部材の設置の必要がなく、頭頂部開閉部材9を閉じることにより収納開口部も閉じられた形態となるために、頭部に装着した場合に収納されている冷却媒体8の飛び出しが防止される冷却媒体飛び出し防止効果」、が得られる。
なお、収納開口部の位置としては、上記の構成に限定されることなく、(iii)収納開口部4aがシート状表面部材2の外側に形成された形状であって、シート状表面部材2の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法が、シート状内面部材3の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法よりも短い構成も実施可能である。但し、この場合、(i)又は(ii)の構成よりも、収納部に収納されている冷却媒体8の飛び出し脱落を防止する効果が少なくなる傾向がある。
図18に示す頭部冷却用具は、(i)シート状表面部材2とシート状内面部材3との略筒形状の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法が、互いに同じ同じ長さ寸法を有し、収納開口部4aがシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方の端部に形成された構成である。この場合、収納部4に冷却媒体8が収納されて、頭頂部開閉開口部15が閉じられた場合に、シート状表面部材2とシート状内面部材3とにより形成された収納開口部4aも閉じられた形態となり、収納されている冷却媒体の脱落が防止される効果が得られる。
図17に示す頭部冷却用具は、(ii)シート状表面部材2の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法がシート状内面部材3の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法よりも長く、収納開口部4aがシート状表面部材2の内側に形成された構成である。この場合、収納部4に冷却媒体8が収納されて、頭頂部開閉開口部15が閉じられた場合に、収納開口部4aを形成するシート状内面部材3の上端がシート状表面部材2の上縁領域の内側に位置し、頭頂部開閉部材9により頭頂部開閉開口部15が閉じられることにより収納開口部4aも閉じられた形態となり、収納されている冷却媒体の脱落が防止される効果が得られる。
(iii)シート状表面部材2の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法が、シート状内面部材3の装着開口部16から頭頂部開閉開口部15までの長さ寸法よりも短く、収納開口部4aがシート状表面部材2の外側に形成された構成の頭部冷却用具は図示されていないが、頭頂部開閉部材9を閉じた状態でも冷却媒体8を出し入れ可能になる利便性があるが、しかしながら、装着中に冷却媒体8が飛び出しやすい傾向がある。
収納部4は、シート状内面部材3とシート状表面部材2の接合により互いに分離された複数個の収納部4を有し、(i)複数個の収納部4はそれぞれの収納部の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部4aを有し、冷却媒体8は複数個の収納部のうちの所望の収納部にそれぞれの収納開口部を通して収納及び取出し可能に収納され、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材15が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となり、人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成される、又は、(ii)複数個の収納部4は、上縁領域と下縁領域とを結ぶ領域に形成された複数の収納分離接合部により互いに分離され、複数個の収納部4はそれぞれの収納部の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部を有し、冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部4にそれぞれの収納開口部4aを通して収納及び取出し可能に収納され、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材15が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となり、人体頭部に装着された時に、人体頭部の周囲方向に、前記複数の収納分離接合部が屈曲可能に形成されるとともに、頭部の所望の領域を冷却可能に構成される。
本考案の、頭頂部開閉開口部と頭頂部開閉部材を備えた頭部冷却用具の構成において、前述の、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つは積層された複数種類の素材より構成され、複数種類の素材は、(A)ファッション的視認感覚又は硬軟感触感覚において所望機能を有する所望機能性素材、(B)冷却媒体の冷気の放散を抑制する断熱機能を有する断熱性素材、及び、(C)冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材を備え、所望の機能を有する素材が設計自在に構成されてなる、構成も実施可能である。
本考案の、頭頂部開閉開口部と頭頂部開閉部材を備えた頭部冷却用具の構成において、前述の、シート状表面部材2とシート状内面部材3のうちの少なくとも一つは、(i)断熱性不織布素材と、(ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、(iii)微細空洞孔形成繊維素材、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材22a、及び/又は、(iv)金属箔素材と、(v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、(vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜膜素材と、のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素材、及び/又は、(vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、(ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラスチック素材と、のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、及び/又は、(x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、(xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、(xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、(xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、からなる群から選ばれる少なくとも一つの断熱性素材を備え、前記冷却媒体の冷気の大気中への放散を抑制できる機能を奏する、ことを特徴とする構成も実施可能である。
上記の頭頂部開閉開口部と装着開口部とを形成して略筒状形態を有し、収納開口部が頭頂部開閉開口部の近傍に形成され、頭頂部開閉開口部を開いた形態で冷却媒体を収納部に収納し、頭頂部開閉部材を閉じて略半円球状立体形状に形成可能な形態になるとともに冷却媒体の飛び出しが防止される形態となる構成により、次の効果が得られる。
(効果ア−a)冷却媒体が収納部に収納されているため冷却媒体の脱落が防止されるとともに、頭部を快適に冷却できる。
(効果ア−b)折りたたんだ状態で平面的な形態で携帯できる嵩低い携帯性。
(効果ア−c)頭頂部開閉開口部を開閉する頭頂部開閉部材を備えた構成により、簡単な操作で頭頂部開閉開口部を閉じた略半球状の立体形状にすることができて、人体頭部に装着時における冷却媒体の脱落が抑制される。
(効果ア−d)頭頂部開閉開口部の近傍に収納部の収納開口部を備えた構成により、収納部への冷却媒体の出し入れが容易になる。
(効果ア−e)冷蔵庫冷却・頭部冷却用具への収納・頭部冷却用具から取出し・冷蔵庫冷却の繰り返し使用が可能な冷却媒体の使用により、経済的に安価である。
(効果ア−f)頭頂部開閉開口部の近傍に収納開口部と頭頂部開閉部材とを形成した構成により、収納開口部を開閉するための収納開口部開閉部材の設置の必要がなく、頭頂部開閉部材を閉じることにより収納開口部も閉じられた形態となるために、頭部に装着した場合に収納されている冷却媒体8の飛び出しが防止される冷却媒体飛び出し防止。
(効果ア−g)頭部を装着者の所望する状態で快適に冷却できる。
(効果ア−h)耳部と後頭部を含む人体頭部に深く着用可能に設計できる。
(効果ア−i)装着する角度によって、後頭部、額部等の冷やしたい部位を任意に設定可能に装着できる。
(効果ア−j)深く装着可能であるために、寝た状態であっても脱げにくい。
(効果ア−k)複雑な形状の素材の使用なく略直方形の単純形状の素材の使用により、素材の無駄がなく、更に、単純な工程で製造可能であり、容易に低価に提供できる効果。
<冷却媒体について>
本考案の頭部冷却用具において、使用される冷却媒体8としては、特に限定されないが、望ましくは、冷却媒体8は、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、密封冷却媒体は、(a)冷却、(b)収納部に収納、(c)頭部に装着使用、及び、(d)収納部から取出、を繰返した繰返使用が可能である性質を有し、密封冷却媒体が冷却された状態で、それぞれの収納部に収納されて使用可能に構成されてなる。
望ましくは、
冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、繰返型密封冷却媒体は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、及び/又は、(ii)繰返型密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の形態を備え、前記収納部が異なる広さ面積を有する複数個に区分された収納部を構成する場合に、(i)広い面積を有する収納部に前記複数個分割連結密封冷却媒体を収納し、(ii)狭い面積を有する収納部に前記単一密封冷却媒体を収納し、これらの冷却媒体は複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着される。
冷却媒体を封入する密封容器としては、特に限定されないが、例えば、柔軟性を有するプラスチック製フィルム製の袋容器、又は、柔軟性を有する金属薄膜をラミネート含有する金属薄膜ラミネットプラスチック製フィルム製の袋容器であって、冷凍冷蔵庫冷却と人体装着との繰り返し使用においても劣化、破損等の発生がない容器が使用でき、特に、熱溶着により密封して封止可能なプラスチック製フィルム製の袋容器が望ましく、これにより、任意の形状を有する袋容器を容易に量産製造可能になる。また、このようなプラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により複数個に分割されるとともに互いに連結された密封冷却媒体を製造できる。
例えば、内層として熱融着可能なポリエチレン、ポリプロピレンが構成され、外層として強い機械的強度を有するポリアミド(ナイロン)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)が構成された柔軟性を有するプラスチックラミネートフィルム製袋容器が使用できる。これに限定されることなく、ポリ塩化ビニール、アルミ蒸着フィルムなどを使用したプラスチックラミネートフィルム製袋容器も使用できる。
内層ポリエチレン層又は内層ポリプロピレン層は熱融着可能であり、任意の形状のフィルム製袋容器を熱融着により形成できる。
外層又は中間層に文字、絵柄、図柄などを印刷形成したプラスチックフィルムも使用でき、冷却媒体の種類、使用方法などを印刷形成することにより、使用者の利便性が向上する。
(i)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷却媒体としては、(a)家庭で使用されている汎用の冷蔵庫又は冷凍庫の中に載置して約10℃以下の温度に冷却することにより、低温状態の冷却状態冷却媒体となり、(c)人体頭部に装着使用して、人体の体温まで昇温した昇温状態の昇温状態冷却媒体となり、(d)昇温状態となった冷却媒体を取出し、(a)取出した冷却媒体を再度、冷凍冷蔵庫内で冷却、のサイクルの冷却と昇温を繰返し使用しても変質しなく劣化しない冷却媒体が望ましい。
このような冷却媒体としては、特に限定されないが、例えば、約25℃において、液体、半固体状物質、固体粉末、又は、これらの混合媒体が使用できるが、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体が望ましい。更に、特に望ましくは、約0℃の低温においても、固化することなく、粘性状、ゲル状、ジェル状、等の半固体形状を有する冷却媒体が特に望ましい。
冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷却媒体が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された密封冷却媒体8としては、(a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体、(a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−iv)無機質の粉末状固体を密封容器に収納した密封冷却媒体、(a−v)有機質又は有機高分子の粒子状固体を密封容器に収納した密封冷却媒体、及び、(a−vi)冷却媒体を含有するマイクロカプセルを密封容器に収納した密封冷却媒体、のうちの少なくとも一つの媒体を含有する密封冷却媒体が望ましい。
(a−i)少なくとも水と水溶性高分子を含有する媒体を密封容器に収納した含水水溶性高分子密封冷却媒体としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、これらの架橋高分子、これらの共重合高分子、等を水に溶解した媒体、又は、水を保持したこれらの水溶性高分子を含有する冷却媒体が使用できる。
(a−ii)少なくとも多価アルコールを含有する媒体としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、等の多価アルコールを含有する媒体、又は、これらの多価アルコールと低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなど)との混合媒体が使用できる。
(a−iii)少なくとも水と水溶性高分子と多価アルコールを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体としては、例えば、上記の水溶性高分子、多価アルコール、低級アルコール及び水を所望割合で混合することにより、任意の粘性を有する媒体が調製できる。
(a−iv)無機質の粉末状固体としては、例えば、発泡パーライト、シリカ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク等の微粉末が使用できる。
(a−v)有機質の粉末状固体としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸塩、その他の有機酸の金属塩の微粉末が使用できる。
(a−vi)冷却媒体を含有するマイクロカプセルとしては、例えば、液状の冷却媒体を含有する約0.1〜5mm径の高分子系のマイクロカプセルが使用でき、特に、上記の液状媒体が中に充填されたマイクロカプセルが使用できる。
これらの冷却媒体の種類、混合割合を設計することにより、凝固温度、流動温度、柔軟性、粘性、半固体形状、冷却時間維持性能を有する所望性能の冷却媒体を調製することができ、−5℃以下の低温においてもソフトな柔軟性を維持する冷却媒体が調製できる。
本考案においては、特に、約25℃において、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有するとともに、約0℃においても、粘性状、ゲル状、ジェル状、及び、ゼリー状のうちの少なくとも一つの半固体形状を有する冷却媒体8が特に望ましい。この場合、冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を装着した時に、人体頭部に硬い違和感を感じることなく軟質のソフトな感触を得て、快適に頭部を冷却できる頭部冷却用具が得られる。
このような、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成された密封冷却媒体を構成した頭部冷却用具により、(イ)頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能、(ハ)長時間の冷却維持性能に優れる長時間冷却維持性能、(ニ)繰り返し使用が容易に可能である経済性に優れる繰返使用性能、等の効果を奏する頭部冷却用具が得られる。
望ましくは、冷却媒体8は、(b)外部衝撃により低温状態に変化する冷媒が密封容器に充填された反応型密封冷却媒体、(c−i)小片状の氷材を袋状容器に充填した氷含有冷却材、(c−ii)低温水を布に含浸した低温水含浸布材又は水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材、(c−iii)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却媒体を布に含浸した低温水アルコール混合液含浸布材、又は、水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を含浸した布を低温に冷却した低温水アルコール混合液含浸布材、及び、(c−iv)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液と小片状の氷材を袋状容器に充填した氷アルコール水含有冷却材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの湿布型冷却媒体を含有する。
前述の(b)外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体としては、冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体を叩いて衝撃を加えることにより何らかの化学的又は物理的反応により瞬間的に冷却される冷却媒体が使用できる。例えば、容器の中に水と小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを充填した密封冷却媒体であって、容器を叩くことにより水と硝酸アンモニウムとの反応により冷却された密封冷却媒体が得られる。硝酸アンモニウムを詰めた小袋としては、「叩く」などの外部衝撃によって破れやすいプラスチック製の小袋が望ましい。
本考案の頭部冷却用具において、冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体8としては、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる構成も実施可能である。
例えば、図1(a)、図4(b)に示されるように、密封冷却媒体8は、例えば、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cの複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体8を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体8は屈曲自在に連結されてなる。これらの分割の数は、特に限定されなく、任意の数に分割された複数個分割連結密封冷却媒体8が使用可能である。
屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体は、例えば、前述のプラスチック製フィルム製の袋容器を使用して熱溶着により作成された複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用できる。
このような密封冷却媒体8は、例えば、冷蔵庫又は冷凍庫の中で約−30℃〜約10℃に冷却され、その冷却された密封冷却媒体8を頭部冷却用具の収納部4の中に収納して、その冷却された密封冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着して使用される。
人体頭部に装着して、密封冷却媒体8の温度が上昇して冷却効力が低下した場合、密封冷却媒体8を、頭部冷却用具の収納部4の中から取出し、冷蔵庫又は冷凍庫の中で冷却する。このように、密封冷却媒体8は、冷却・頭部冷却用具に収納・人体頭部装着使用・頭部冷却用具から取出し・冷却、のサイクルを繰り返して使用される。
これにより、密封冷却媒体8を構成した頭部冷却用具により、下記の効果が得られる。
(効果ト−a:繰返し使用可能な密封冷却媒体の構成による繰返し使用可能な安価経済性使用と快適な冷却装着感)冷却と昇温の繰返し使用可能な冷却媒体の構成により、経済的に安価に使用可能となる。また、密封冷却媒体を装着者の好みに応じた冷却温度に冷却して収納部に収納して使用できるために、快適な冷却装着感が得られる。
(効果ト−b)繰返し使用可能な冷却媒体の構成により、経済的に安価に使用可能となる。また、密封冷却媒体を装着者の好みに応じた冷却温度に冷却して収納部に収納して使用できるために、快適な冷却装着感が得られる。また、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒がプラスチックフィルム製密封容器に充填された密封冷却媒体を使用した構成により、所望形状の冷却媒体の製造が可能になり安価に量産できる冷却媒体安価量産性。
本考案の頭部冷却用具において、使用される他の冷却媒体8としては、(c)蒸発熱や気化熱を利用した湿布型冷媒も使用できる。例えば、(c−i)小片状の氷材を袋状容器に充填した氷含有冷却材、(c−ii)低温水を布に含浸した低温水含浸布材又は水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材、(c−iii)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却媒体を布に含浸した低温水アルコール混合液含浸布材、又は、水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を含浸した布を低温に冷却した低温水アルコール混合液含浸布材、及び、(c−iv)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液と小片状の氷材を袋状容器に充填した氷アルコール水含有冷却材、からなる群から選ばれる少なくとも一つの湿布型冷却媒体8が使用できる。低級アルコールとしては、特に、エタノール及び/又はイソプロピルアルコールの使用が望ましいが、エタノールとイソプロピルアルコールは引火性に注意して使用する必要があり、また、装着者がその蒸発気化アルコール成分を吸引しない工夫が必要である。
(c−i)氷含有冷却材としては、例えば、約0.1〜約5mmの氷片材をプラスチック製袋容器の中に充填したものが使用できる。(c−ii)低温水含浸布材としては、例えば、ガーゼやタオルなどの冷媒保持布材に氷水を含浸したもの、又は、水を含浸した布を低温に冷却した低温水含浸布材が使用できる。(c−iii)水アルコール混合液含浸布材としては、例えば、ガーゼやタオルに、冷却した水エタノール混合液及び/又は水イソプロピルアルコール混合液を含浸したものが使用できる。(c−iv)氷アルコール水含有冷却材としては、例えば、ガーゼやタオルに、冷却した水エタノール混合液及び/又は水イソプロピルアルコール混合液を冷却した冷却混合液に小片状の氷材を柔軟な袋状プラスチック製袋容器の中に充填したものが使用できる。
これらの冷却媒体8の蒸発時に発生する蒸発熱又は気化熱により、人体の体温が低下する性質を利用したものであり、特に、(c−iii)水アルコール混合液含浸布材はアルコールに起因する蒸発熱により頭部を冷却する効果が著しく向上する。
なお、このような湿布型冷却媒体8を収納部4に収納して装着した場合に、シート状内面部材3が水又はアルコールに起因して濡れてくることがあるが、その時には、適切なタオルなどを人体頭と頭部冷却用具との間に介在させて使用する方法が望ましい。
低級アルコールとしてエタノール及び/又はイソプロピルアルコールを使用する場合、これらのアルコール含有割合は、特に限定されないが、水とアルコール合計量に対して、3〜50重量%の範囲が望ましく、3重量%未満の場合には約−5℃の低温において固化する傾向にあり、50%を超える場合には、人体頭部に装着した時にアルコールの蒸発に起因して装着者に不健康感で不愉快感を及ぶす傾向がある。
水と低級アルコールとの混合割合を任意に選択することにより、例えば、−20℃の低温においても固化しない液体状の冷却媒体を得ることが可能となり、布に含浸して使用され、また、柔軟な袋状プラスチック製袋容器の中に充填して使用可能であり、低温においても流動状態を維持しているために、人体頭部に装着した場合に、ゴツゴツした装着違和感が抑制された快適な装着性を有する頭部冷却用具が得られる。
これらの冷却媒体を保持する冷媒保持布材としては、前述のガーゼやタオルに限定されることなく、優れた吸水保持性を有する布材が使用され、その布材としては、例えば、天熱繊維製又は合成繊維製の不織布又は織布、軟質発泡ウレタン・軟質発泡オレフィンなどの連続気泡含有発泡プラスチック、特殊加工した高吸水性の不織布又は織布などが望ましい。
これらの湿布型冷却媒体8は繰返し使用ができないが、優れた冷却能力を奏する性質を有するとともに、家庭や医療機関で容易に取り扱いが可能である利点がある。
本考案の頭部冷却用具において、望ましくは、冷却媒体8は、図1、図2に示されるように、収納部4の形状に略相似する形状であって、収納部4に出し入れ自在に収納可能な形状に形成されてなる。冷却媒体8の形状が収納部4の形状に略相似する形状であることにより、収納部4のできる限り広い領域に冷却媒体8を収納することが可能となり、限定された広さの収納面積を有する収納部4に、最大限の面積で冷却媒体8を収納設置することが可能となり、人体頭部を冷却する効率が著しく向上する。望ましくは、頭部冷却用具の面積の略40%以上に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましく、より望ましくは、約80〜99%の領域に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましい。
例えば、図1(B)のように収納部42、43の形状が略半円状である場合、又は、図2(B)のように収納部421、423の形状が略扇型状である場合、冷却媒体8の形状はその収納部4の形状に合致する略相似形状であるとともに、できる限りその収納部の全領域に収納可能な形状が望ましい。また、収納部4の形状が大きい場合、プラスチック製袋容器に充填された密封冷却媒体8を使用して、図1(B)のように、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
これにより、「頭部全体を冷却可能である冷却性能に優れる頭部全体冷却性能」がさらに向上した頭部冷却用具が得られる。
このように、本考案において、望ましくは、冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、繰返型密封冷却媒体8は、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなり、密封冷却媒体8が冷却された状態で、それぞれの収納部4に収納されて使用可能に構成されてなる構成を有する。
また、本考案において、望ましくは、冷却媒体8は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、繰返型密封冷却媒体8は、(i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、及び、(ii)繰返型密封冷却媒体8は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の種類の形態を備え、収納部4が異なる広さ面積を有する複数個に分割された収納部を構成する場合に、(i)広い面積を有する収納部に複数個分割連結密封冷却媒体8を収納し、(ii)狭い面積を有する収納部に単一密封冷却媒体を収納し、これらの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着される、構成が望ましい。
これにより、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に、、該頭部の形状に一致して複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着されて、違和感なく、快適な状態で頭部冷却用具を装着できる。
<頭部冷却用具を装着した時の冷却媒体の快適な温度及び柔軟ソフト感触性について>
本考案者が実験により確認したことであるが、冷却媒体8を収納した頭部冷却用具1を人体頭部に装着した時に、快適な冷却感を感じる「快適温度」は、約2〜約15℃の範囲である。冷却媒体8の温度が約2℃より低くなる約−5〜約2℃の場合にはやや冷たすぎる強冷のために不快感を感じるようになり、更に低い約−5℃未満の場合には著しく冷たく感じて使用に不向きな「激冷」状態となる。約15℃を超える場合には、冷却感が薄れるとともに人体頭部を冷却する冷却効果が失われる傾向にある。
他方、冷却媒体として、水溶性高分子、多価アルコール、水、などを含有する媒体を密封容器に収納した密封冷却媒体は、常温においては流動性を有するゲル状(又は、液状、ジェル状)であるとともに、温度の低下とともにその粘性が増加して、半固体状を経て、硬い塊状になる傾向があり、人体頭部に装着した時の装着感の観点において、ゲル状(又はジェル状)から粘土状(又は半固体状)になるまでの柔軟でソフトな感触が得られソフト感触が望ましい。
このような望ましい冷却温度とソフト感触を備えた密封冷却媒体8は、上記の水溶性高分子、多価アルコール、水などの媒体の含有割合を適切な所望の形態になるように設計することにより調製することができる。
収納部に収納する冷却媒体8の冷却温度は、収納部4を形成するシート状表面部材2とシート状内面部材3の断熱性能により異なるが、約10℃以下が望ましく、その冷却温度が約10℃を超える場合には、人体頭部に装着時の快適冷却持続時間が著しく短くなり、また、冷却感が得られなくなる傾向がある。更に望ましくは、収納部に収納する冷却媒体8の冷却温度は約−20℃〜約5℃が望ましい。この温度範囲に冷却された冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合、快適冷却持続時間が永くなる傾向がある。頭部冷却用具を構成するシート状表面部材2とシート状内面部材3の断熱性能及び冷却媒体の種類により、冷却媒体8の最適な冷却温度を選択して実施できる。
<頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間について>
頭部冷却用具を装着した時の快適冷却持続時間は、少なくとも、約20分以上を有する頭部冷却用具が望ましく、より望ましくは、約30分以上の快適冷却持続時間上を有する頭部冷却用具が望ましい。頭部冷却用具を装着後、冷却媒体8の温度が約15〜約20℃に上昇した時に、準備している他の0℃以下に冷却した冷却媒体8と入れ替えて交換する。
快適冷却持続時間は、(a)頭部冷却用具1の収納部4の断熱性能、(b)頭部冷却用具1の冷却媒体8が頭部を覆う面積割合、(c)頭部冷却用具1の冷却媒体8の厚さ形状、(d)頭部冷却用具1の冷却媒体8の容積(重量)などに起因して変化する。
本考案の頭部冷却用具において、(a)頭部冷却用具1の収納部4の断熱性能については、断熱性素材22を備えたシート状表面部材2を構成することにより、頭部冷却用具1の表面から逃げる冷気をできる限り抑制することにより、冷却持続時間が永くなるように設計される。(b)頭部冷却用具1の冷却媒体8が頭部を覆う面積割合については、頭部全体を覆う複数個に分割された収納部4を構成し、それぞれの収納部4の中に冷却媒体8を収納した構成により、人体頭部の全体を覆って装着可能な構成を有する。
(c)頭部冷却用具1の冷却媒体8の厚さが厚くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、収納部4の形状に起因して厚さの限界があり、また、装着した時に違和感が生じる傾向にある。(d)頭部冷却用具1の冷却媒体8の容積(重量)が多くなるに従って、冷却持続時間が永くなるが、しかしながら、装着した時に重く感じるために、人体頭や首にストレスを感じる傾向にある。
このような観点から、収納部4の中に収納される冷却媒体8の厚さは、約3〜約15mmが望ましく、より望ましくは、約5〜約13mmの厚さを有するとともに、冷却媒体8の形状に相似形であって、頭部冷却用具の面積の略40%以上に収納設置できる冷却媒体8の形状が望ましい。冷却媒体8の占める面積が形状頭部冷却用具の面積の略40%未満の場合には、冷却持続時間が短くなる傾向がある。より望ましくは、冷却媒体8の占める面積が形状頭部冷却用具の面積の約80〜99%が望ましい。
本考案の頭部冷却用具の典型的実施例を以下に説明する。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図1に示される。図1において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具を表面の後方から見た概略模式図、(F)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7(A)のシート状表面部材2に収納開口部4a(表面部材開口部2a)を有する構成である。
図1において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
シート状表面部材2は、少なくとも、表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材を構成する。
図4に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具体的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
シート状表面部材の表面部材最表層21としてのポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21と、表面部材中間層22としてのポリエステル短繊維製断熱性不織布22aは、抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図1及び図4(A)に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図1に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図1に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部41a、42a、43aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、中央収納部開口部41aは、図1(A)に示されるように、中央収納部41の略中央部である右耳部から左耳部に至る仮想線上に形成されている。図1(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは頭頂部から左耳部に至る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは頭頂部から右耳部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図1、図7(A)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例においては、冷却媒体8としては、下記の種類の冷却媒体8が使用可能である。
(a−i)ゲル状の「冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体」としての、水にポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムとを溶解した25℃においてゲル状の含水水溶性高分子(又は吸水性高分子とも言う)を使用し、そのゲル状の含水水溶性高分子を柔軟なプラスチック製袋容器の中に充填密封した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−ii)ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン(多価アルコールの一種)を主成分とする粘性状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(a−iii)水とカルボキシメチルセルロースとプロピレングリコールとを含有するゲル状の冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した密封冷却媒体8であって、約−20℃〜約5℃に冷却した繰返型密封冷却媒体8。
(b)「外部衝撃により冷却可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体」としての、水と小袋に詰められた硝酸アンモニウムとを含有する反応性冷媒を柔軟なプラスチック製袋容器の中に密封充填した反応型密封冷却媒体8。
(c−iii)水(又は、水とアルコールとの混合液)を所定形状のガーゼに浸漬したものを約−10℃〜約5℃に冷却した湿布型冷却媒体8。
上記の密封冷却媒体8に構成される柔軟なプラスチック製袋容器としては、所定形状に形成された内層ポリエチレンと中間層ポリエチレンテレフタレートと外層ポリアミド(冷媒の種類と使用方法等の説明が印刷されている)とのラミネートプラスチックフィルム製袋容器が使用される。内層ポリエチレン層は熱融着可能であり、このラミネートプラスチックフィルムを熱融着することにより、任意の形状のフィルム製袋容器、及び、複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を容易に調製できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図1に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部(41、42、43)に収納及び取出し可能に収納して使用される。特に、本実施例においては、図1に示されるように、それぞれの収納部の広さ面積が広いために、複数個に分割されるとともに互いに連結された屈曲自在に形成された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。
本実施例において、上記の(a−i)ゲル状含水水溶性高分子を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(a−ii)多価アルコール含有冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、(a−iii)水、水溶性高分子、多価アルコールを含有した冷媒を充填した繰返型密封冷却媒体8、及び、(b)反応型密封冷却媒体8のそれぞれの密封冷却媒体8は、図1の(A)に示されるような、略長方形の3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体、及び、(B)に示されるような、略半円形状を有する3つに分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体が使用される。図1(A)、(B)の複数個分割連結密封冷却媒体8は、第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する。
(A)に示されるような略長方形の繰返型密封冷却媒体8は、略長方形を有する中央収納部41の中に収納及び取出し可能に収納される。(B)に示されるような略半円形の繰返型密封冷却媒体8は、略半円形を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43の中にそれぞれ収納及び取出し可能に収納される。
このように、使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
なお、冷却媒体8の大きさに起因して、構成される冷媒の含有量が異なり、冷却媒体8の厚さが厚くなるにしたがって、含有される冷媒の含有量が多くなり、人体頭部に装着して使用した場合に、冷却保持時間が長く維持できる頭部冷却用具が得られる。しかしながら、含有される冷媒の含有量が多くなるにしたがって、重くなり不愉快な装着感となる。これらの点を勘案して、最適な厚さと重さを有する冷却媒体8を設計使用する必要がある。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本実施例の頭部冷却用具は図2に示される複数個の収納部を有し、実施例1と比べて異なる点は、中央収納部41が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とに分割され、左側頭収納部42が左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とに分割され、右側頭収納部43が右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とに分割された構成、及び、収納開口部4aがシート状内面部材3の側に形成された内面部材開口部3aを構成する点である。
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。図2において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方又は後方から見た概略模式図、(E)は頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された炭数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7の(B)のシート状内面部材3に内面部材開口部3aを有する構成である。
図2において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有する。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有し、左側頭収納部42は左前側頭収納部421と左後側頭収納部422とを有し、右側頭収納部43は右前側頭収納部431と右後側頭収納部432とを有する。これらの複数個の収納部4は、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。
シート状表面部材2は実施例1と同じ積層された複数種類の表面素材より構成され、シート状内面部材3は実施例1と同じメッシュ状貫通孔布素材3が構成される。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が構成されている。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
本実施例において、実施例1と同じように、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図2に示されるように、それぞれの収納部4は、収納開口部4aとして、シート状内面部材3に形成された内面部材開口部3aを備える。その内面部材開口部3aとして、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413a、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aのそれぞれの収納開口部4aを備え、それぞれの収納開口部4aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
それぞれの収納開口部411a、412a、413a、421a、422a、431a、432aは、それぞれの収納部の略中央部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
本実施例において、図2(C)に示されるように、額収納部開口部411a、頭頂収納部開口部412a、後頭収納部開口部413aは、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前頭部から頭頂部を経て後頭部に至る仮想線上に形成されている。また、図2(D)、(E)に示されるように、左前側頭収納部開口部421a、左後側頭収納部開口部422a、右前側頭収納部開口部431a、右後側頭収納部開口部432aは、左前側頭収納部421、左後側頭収納部422、右前側頭収納部431、右後側頭収納部432のそれぞれの収納部の略中央部を通るとともに前側頭部から後側頭部に至る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷内面部材開口部3aから脱落することが防止される。
図2、図7(B)に示されるように、それぞれの内面部材開口部3a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う内面部材二重開口縁部3aを有し、二重開口縁部3aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が内面部材開口部3aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
なお、本実施例において、図7(D)に示されるような内面部材開口部連結部材3bを前述の、二重開口縁部3aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該内面部材開口部3aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。内面部材開口部連結部材3bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図2に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。使用される冷却媒体は、実施例1と類似する冷却媒体が使用され、
収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。本実施例では、冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。図3において、(A)は頭部冷却用具を表面の上方から見た概略模式図、(B)は頭部冷却用具を表面の左側面から見た概略模式図(括弧内は右側面から見た概略模式図)、(C)は頭部冷却用具の内面を下方から見た概略模式図、(D)は頭部冷却用具を表面の前方(又は後方)から見た概略模式図、(E)頭部冷却用具の内面の前(後)を見た概略模式図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図4に示される。図4において、(A)は複数個に分割された収納部のそれぞれの収納部に冷却部材を収納した状態を示す模式的断面図であり、(B)は一つの収納部に、複数個に分割され互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7に示される。図7において、(A)はシート状表面部材2に収納開口部を有する模式図であり、(B)はシート状内面部材3に収納開口部を有する模式図であり、(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図であり、(D)はシート状内面部材3に収納開口部を有するとともに内面部材開口部連結部材3bを構成した模式図である。本実施例は、図7(A)のシート状表面部材2に収納開口部4a(表面部材開口部2a)を有する構成である。
図3において、頭部冷却用具は、人体頭部全体を覆って装着可能な略半球形状を有し、頭部に装着された時に、該頭部に接触するシート状内面部材3と外表面側に位置するシート状表面部材2とにより形成された収納部4と、収納部4の中に脱収納自在に収納された冷却性能を有する冷却媒体8とを備える。
収納部4は平面方向に複数個に分割された複数個の収納部4を有するとともに、互いに一体に形成されてなる。該複数個の収納部4は、人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部41と、人体の左側頭部を覆う左側頭収納部42と、人体の右側頭部を覆う右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる。中央収納部41は額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とを有する。
シート状表面部材2は実施例1、実施例2と同じ積層された複数種類の表面素材より構成され、シート状内面部材3は実施例1、実施例2と同じメッシュ状貫通孔布素材3が構成される。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が構成されている。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図3及び図4(A)に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。ここで、図4(A)は、図3の頭部冷却用具を左耳部から右耳部に至る断面を展開した断面図、及び、図3の頭部冷却用具の中央収納部の前頭から後頭に至る断面を展開した断面図に相当する。
本実施例において、実施例1と同じように、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例において、図3に示されるように、それぞれの収納部4は、シート状表面部材2に形成された表面部材開口部2aを備える。表面部材開口部2aとして、中央収納部41に形成された中央収納部開口部41a、左側頭収納部42に形成された左側頭収納部開口部42a、右側頭収納部43に形成された右側頭収納部開口部43aなどの収納開口部4aを備える。中央収納部開口部41aは額収納部411に開口された額収納部開口部411a、頭頂収納部412に開口された頭頂収納部開口部412a、後頭収納部413に開口された後頭収納部開口部413aを有する。それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの冷却媒体8の出し入れが可能な形状を有する。
本実施例において、それぞれの収納開口部4aは、(ii)それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成されてなる。すなわち、それぞれの収納開口部411a、412a、413a、42a、43aは、それぞれの収納部の略端部を通る仮想線上に形成され、収納部の中に冷却媒体8を収納しやすくする機能と、収納部に収納された冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能とを奏する。
中央収納部開口部41a(411a、412a、413a)は、図3(A)に示されるように、中央収納部41の略端部を通る仮想線上に形成されている。図3(B)に示されるように、左側頭収納部開口部42aは左側頭収納部42の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成され、右側頭収納部開口部43aは右側頭収納部43の略端部(下側端部)を通る仮想線上に形成されている。これにより、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される。
図3、図7(A)に示されるように、それぞれの表面部材開口部2a(収納開口部4a)は、互いに重なり合う表面部材二重開口縁部2aを有し、二重開口縁部2aは、収納部4の中に収納されている冷却媒体8の飛び出しを抑制する機能を奏する。これにより、上記の収納部4の中に収納されている冷却媒体8の端部が表面部材開口部2aから離れた位置に位置するとともに、その開口部が二重に形成されているために、冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。
図3(A)に示されるように、額収納部411、頭頂収納部412、後頭収納部413に分割された中央収納部41を形成するシート状表面部材においては、右側頭収納部の側(図3(A)の上側)から収納部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材と、その広幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、左側頭収納部の側から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が中央収納部41の略端部を通る仮想線上である左側頭収納部の側に形成される形状で構成される。
他方、図3(B)に示されるように、複数個に分割された収納部を構成しない単一の収納部により形成される左側頭収納部42と右側頭収納部43においては、人体耳部の側(図3(B)の下側)から延びる狭い幅を有する狭幅シート状表面部材と、その狭幅シート状表面部材を覆う形状で形成された、人体頭頂部の側から耳部の端部付近まで延びる広い幅を有する広幅シート状表面部材との2重のシート状表面部材により形成され、それらの解放口が左側頭収納部42(又は右側頭収納部43)の略端部を通る仮想線上である人体耳部側の略端部に形成される形状で構成される。
これにより、頭部冷却用具を裁縫により製造する際に、特別な工夫を必要とすることなく、容易に頭部冷却用具を製造するることができる。
なお、本実施例において、図7(C)に示されるような表面部材開口部連結部材2bを前述の、二重開口縁部2aの少なくとも一部分に設置した構成も実施可能であり、これにより、前述の冷却媒体8が該表面部材開口部2aから脱落することが防止される効果が更に著しく発揮される。表面部材開口部連結部材2bとしては、例えば、平面ファスナー(商品名:マジックテープ)が望ましい。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1、実施例2と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図3に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
特に、図3に示されるように、比較的に広い面積を有する左側頭収納部42と右側頭収納部43に収納される冷却媒体としては、複数個に分割されるとともに互いに屈曲自在に連結された複数個分割連結密封冷却媒体の使用が望ましい。比較的狭い面積を有する中央収納部41の額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413とにには、分割されていない単一構造の密封冷却媒体の使用が望ましい。
使用されるそれぞれの冷却媒体8は、収納部4の形状に合致するとともに未収納領域が少なくなるようにした相似形の形状を有する。冷却媒体8の平面形状がそれぞれの収納部4の面積の約75〜約95%になるような平面形状であって、厚さが約10mmの冷却媒体8が使用される。
このような、それぞれの冷却された冷却媒体8をそれぞれの複数個を準備し、人体頭部に装着して使用し、冷却媒体8の温度が上昇した場合に、それらの冷却媒体8を、別に準備した冷却された冷却媒体8に取り換えて使用する。使用後の冷却媒体8は再度、冷凍庫等の中で冷却される。このようにして、冷却媒体8を繰り返して使用することができる。
本実施例は、前述の実施例3の構成において、さらに、シート状頭部保護部材7を構成した頭部冷却用具である。
すなわち、本実施例の頭部冷却用具は、図3に示される頭部冷却用具において、図4(C)に示されるように、収納部4の内面側に位置して、シート状頭部保護部材7が設置されている。シート状頭部保護部材7は、収納部4を形成することなく、収納部4の内面側に位置して構成される。シート状頭部保護部材7の周囲領域とシート状内面部材3の周囲領域とが互いに接合される形態で、シート状頭部保護部材7がシート状内面部材3の裏面側に設置構成される。シート状頭部保護部材7は、収納部4に収納されている冷却媒体8の人体頭部への直接の接触を防止して冷却媒体8に起因する冷気を抑制する効果を奏する。
また、シート状頭部保護部材7は、人体頭部に接触する側の表面に縫い代などの突起部を形成しない状態で構成される。表面に突起部を有しない前記シート状頭部保護部材は、前記収納部に収納されている前記冷却媒体の人体頭部への直接の接触を防止して前記冷却媒体に起因する冷気を抑制するとともに、人体頭部への突起違和感を防止する機能を奏する。本実施例においては、シート状頭部保護部材7としては、柔軟であり、良好な肌あたりと快適な吸湿性を有する綿製の平織綿布(シーチング)を使用する。又は、シート状頭部保護部材7としては、ポリエステル製の伸縮可能なストレッチ機能を有する織布を使用することもできる。
その他の構成は、前述の実施例3と同じである。
これにより、「冷却媒体8に起因する硬さ感を抑制する機能を奏するとともに、頭部冷却用具を人体頭部に装着した時に頭部の湿気感を低減して優れた爽快感が得られる」。更に、「冷却媒体8が約0℃以下に冷却された状態で収納部4に収納されている場合、人体頭部に装着された時に、人体頭部に感ずる温度が冷却媒体の温度よりも約1〜約5℃程度高くなって、冷却媒体8の冷え過ぎによる不快感を抑制し、快適な装着感を得ることが可能となり、更に、快適な装着感を感じる時間が永くなり、快適装着感持続時間が永くなる」効果が得られる。
本実施例の頭部冷却用具は、実施例3に類似した複数個の収納部を構成する。実施例3と比べて主として異なる点は、シート状表面部材2が断熱性素材を構成するとともに、シート状内面部材3も断熱性素材を構成した頭部冷却用具である。その他の構成は、上記の実施例3と概略同じ構成である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図10に示され、シート状表面部材2が断熱性素材を構成するとともに、シート状内面部材3も断熱性素材を構成した頭部冷却用具である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の収納開口部の断面の構成模式図が図7(C)に示される。図7(C)はシート状表面部材2に収納開口部を有するとともに表面部材開口部連結部材を構成した模式図である。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3と同じ断熱性能を有する断熱性素材より構成されている。
図10(A)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、
(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成される断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。、この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状表面部材2における基材付金属薄膜素材22bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材23との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
シート状内面部材3は、上記のシート状表面部材2と同じ断熱性能を有する断熱性素材より構成されている。
すなわち、図10(A)に示すように、シート状内面部材3は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の内面素材3は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される所望の機能を有する所望機能性素材31、
(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材又は柔軟性素材32、及び、(C)内面部材最裏層に構成される前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有するとともに、前記断熱性素材又は柔軟性素材よりも小さい断熱性を有する冷却媒体保持素材33を備える。
さらに詳しくは、本実施例において、シート状内面部材3は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層32に構成される断熱性能を有する断熱性素材32として、熱伝導断熱素材32aとしての断熱性不織布32aと、金属膜輻射断熱素材32bとしての基材付金属薄膜素材32bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)内面部材最表層31として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材31が使用される。(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材32bとが積層されて構成される断熱性素材32が使用される。、この場合、厚さ約0.5mmの紙状のポリエステル短繊維製不織布基材が断熱性能を有する場合には、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材32bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと 類似素材(機能)を兼ね備える。(C)最裏層33として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材33が使用される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材33は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
なお、シート状内面部材3における基材付金属薄膜素材32bの金属薄膜の面とメッシュ状冷却媒体保持素材33との面とが互いに接触するように積層されて構成される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図3に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。この場合、それぞれの収納部4は、積層された複数種類の表面素材より構成されたシート状表面部材2と積層された複数種類の内面素材より構成されたシート状内面部材3とにより囲まれた形状で形成される。
収納開口部、装着脱落防止部材5などのその他の形状構成は、実施例3の形状構成と同じである。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1、実施例2、実施例3と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図3に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例の頭部冷却用具1は、前述の実施例2で説明した図2に示されるような複数個の収納部を構成する。実施例2と異なる点は、シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方が積層された複数種類の素材により構成される。また、シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する頭部冷却用具1である。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の断面の構成模式図が図10に示される。図10において、密封冷却媒体を収納した状態を示す模式的断面図である。本考案の一実施例の頭部冷却用具の開口部はシート状内面部材3に形成されている。
図10(A)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成される。
複数種類の表面素材2は、少なくとも(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)(C)最裏層23として、図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。
シート状内面部材3としては、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材を構成する。
図10(A)に示すように、シート状内面部材3は積層された複数種類の内面素材より構成され、複数種類の内面素材3は、少なくとも、(A)内面部材最表層に構成される所望の機能を有する所望機能性素材31、(B)内面部材中間層に構成される断熱性素材32、及び、(C)内面部材最裏層に構成される前記冷却媒体を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材33を備え、冷却媒体保持素材33は断熱性素32よりも小さい断熱性を有する。
具体的には、(A)内面部材最表層31として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材31が使用される。(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約3mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約30g/平米)が使用される。(C)最裏層33として、ポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を行する冷却媒体保持素材33が使用される。
すなわち、表面部材中間層22として、厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)が使用され、内面部材中間層32として、厚さ約3mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布32a(嵩密度:約30g/平米)が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを裁縫して、図2に示されるような、それぞれの収納部が、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
収納開口部等のその他の構成は、前述の実施例2の構成と同じである。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例1〜3、と同じ種類の冷却媒体8が使用できる。
上記の冷却媒体8は、状況に応じて、適切な冷却媒体が選択されて使用される。図2に示されるように、冷却媒体8がそれぞれの収納部に収納及び取出し可能に収納して使用される。
本実施例の頭部冷却用具1は、シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側に(実施例4と同じ)シート状頭部保護部材7が構成された頭部冷却用具1である。
すなわち、本実施例の頭部冷却用具は、図3に示される頭部冷却用具において、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用した所望機能性素材21が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約7mmの綿状のポリエステル短繊維製断熱性不織布22a(嵩密度:約100g/平米)が使用される。(C)最裏層23として、ポリエステル繊維製織布の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23が使用される。
本実施例の頭部冷却用具は、実施例2の図2に類似した複数個の収納部を構成し、シート状表面部材2が断熱性素材を構成することなく、メッシュ状貫通孔布素材のみを構成し、シート状内面部材3もメッシュ状貫通孔布素材のみを構成した頭部冷却用具である。実施例2と比べて主として異なる点は、シート状表面部材2が断熱性素材を構成することなく、メッシュ状貫通孔布素材のみを構成した点である。その他の構成は、上記の実施例2と概略同じ構成である。
図示されていないが、シート状表面部材2は、実施例2において構成した冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23としての図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する冷却媒体保持素材23のみにより構成される。このメッシュ状の冷却媒体保持素材23は通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備える。
シート状内面部材3としては、通気性素材、貫通孔通気性素材、柔軟性素材、冷却媒体保持素材などの機能を兼ね備えた内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が構成される。具他的には、前述のシート状表面部材2の最裏層23に使用された冷却媒体保持素材23と同じ素材である図6の(F)に示されるような約50%の開孔率のメッシュ状に編成されたポリエステル繊維製の強い機械的強度を有する内面部材メッシュ状貫通孔布素材3が使用される。
その他の頭部冷却用具1の構成、冷却媒体8の構成などは前記の実施例2と同じである。
本実施例の頭部冷却用具は、実施例3の頭部冷却用具において、複数の収納部のうちの一部の収納部のみに冷却媒体を収納して構成した頭部冷却用具であり、実施例3と主として異なる点は、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない点である。その他の構成は、上記の実施例3と概略同じ構成である。
プロピレングリコール12重量%とカルボキシメチルセルロース3重量%と水85重量%とを含有する25℃の室温で互いに溶解された透明でゲル状を有する粘性の混合媒体を調製する。
内層ポリエチレンと表面部材中間層ポリエステルと外層ポリアミドとからなるラミネートフィルム製袋容器に上記の混合媒体を充填して、熱融着により周囲を密封した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。複数種類の密封冷却媒体8として、図1(A)、図1(B)、図3(B)の第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する複数個分割連結密封冷却媒体8、及び、図2(A)、図2(B)、図3(A)に示されるような、略正方形(略長方形)、略半円状、及び略扇状の密封冷却媒体を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例11で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例で調製したそれぞれの頭部冷却用具の収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
すなわち、密封冷却媒体8を、約−20℃の冷蔵冷凍庫で冷却する。そして、冷蔵冷凍庫から取り出された約−20℃に冷却されたそれらの密封冷却媒体8の表面温度が−15℃になった時に、それぞれの密封冷却媒体8を前記の実施例の頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。それぞれの実施例の頭部冷却用具についての測定結果を表1に示す。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表1に示す。
なお、本実施例で使用した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8において、冷却媒体8の「硬さ」は、(a)約−10℃未満において、硬く、頭にフィット感がない形態であり、(b)約−10℃〜約−2℃において、半固体で屈曲性があり若干フィット感がないが装着し続けることができて頭ストレスを感じない形態であり、(c)約−2℃以上の温度において、ゲル状又はジェル状で、人体頭部に装着した時にフィット感があり違和感なく快適な装着感を感じる形態である。
なお、冷却媒体8の「硬さ」が硬く頭にフィット感がない形態であり場合においても、本実施例の(柔軟な柔らかさを有する)綿状の断熱性素材を構成した部材を介する状態で頭部冷却用具を人体頭部に装着した場合には、頭ストレスを感じなく装着し続けることができる。
前述の実施例12の装着実験において、実施例3及び実施例6について、頭部冷却用具1を人体頭部に装着した時に、冷却媒体8が0℃以下の冷えすぎる場合に、頭部冷却用具1を裏返して人体頭部に装着し、その後、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が約5℃になった時に、その頭部冷却用具1を表に返して人体頭部に装着した場合の実施結果を表2に示す。
密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価を表2に示す。
Figure 0003208980
Figure 0003208980
[実施例1〜実施例3の測定結果について]
表1において、シート状表面部材2に断熱性素材を構成し、シート状内面部材3にメッシュ状布素材のみを構成した実施例1〜実施例3の頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」はいずれも約90分である。
収納開口部がシート状表面部材形成された構成の実施例1と実施例3は、収納開口部がシート状内面部材形成された実施例2と比べて、約−15℃の冷却状態から約20℃に達するまでの「経過時間と内面側のシート状部材の表面温度」との関係に著しい差は認められない。
但し、装着する人の感覚により異なるが、収納開口部がシート状内面部材形成された実施例2の頭部冷却用具を装着した場合に、収納開口部の二重開口縁部のわずかな膨らみ形状に起因する違和感を感じる傾向がある。
〈実施例4の測定結果について〉
実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。すなわち、人体頭部と冷却媒体との間にシート状頭部保護部材7を設置することにより、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができる。本実施例のシート状頭部保護部材7を構成した場合において、シート状頭部保護部材7を介在することにより、人体頭部に達する温度が約4〜5℃低くなるが、このシート状頭部保護部材7の種類を替えることにより、所望の温度に調整した頭部冷却用具が得られる。
[実施例5の測定結果について]
実施例3の頭部冷却用具において構成したシート状表面部材と同じ断熱性を有する素材をシート状内面部材に構成した実施例5の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は210分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
[実施例6の測定結果について]
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する実施例6の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は165分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりも優れた断熱性能を有する実施例5の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
〈実施例7の測定結果について〉
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は105分である。すなわち、シート状表面部材の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりもシート状表面部材2が優れた断熱性能を有する実施例4の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
[実施例8の測定結果について]
シート状表面部材とシート状内面部材との双方に、メッシュ状素材のみを構成した実施例8の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分である。すなわち、頭部冷却用具の表面から逃げる冷気が多くなるために、冷却媒体の冷却維持時間が短くなるものと想到される。
[実施例9の測定結果について]
実施例3の頭部冷却用具の複数の収納部のうち、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例9の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分であり、実施例3の「約90分の快適装着時間」と比べて、「快適装着時間」は短い。更に、本実施例において、人体頭部の一部のみを冷却しているに過ぎなく、人体の頭頂部のみに冷却感を感じるが、人体頭部の全体の冷却感は感じられな、快適冷却感に劣る傾向がある。また、装着する人によっても異なるが、設置されている冷却媒体の形状に起因する凹凸により、装着時に違和感を感じる傾向がある。
すなわち、冷却媒体が人体頭部の全体に収納された頭部冷却用具(実施例3)は、冷却媒体が人体頭部の一部分に収納された頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」に優れるとともに、更に、優れた装着感を得ることができる。
上記の実施例において、約−20℃に冷却した冷却媒体8を使用したが、これに限定されることなく、所望の温度に冷却した冷却媒体8を使用することが可能であり、この場合、その冷却温度に起因する「快適装着時間」が得られる。
例えば、約−5℃〜0℃に冷却された冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着する場合、装着した時点から、冷え過ぎ感の抑制された快適な冷却感が得られる。
[頭部冷却用具を裏返し装着した場合の測定結果について]
表2の測定結果において、実施例3の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、90分から150分に永くなった。実施例4の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、120分から165分に永くなった。実施例6の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、165分から180分に永くなった。実施例7の頭部冷却用具を裏返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、「快適装着時間」は、105分から165分に永くなった。
このように、冷却媒体が0℃以下に冷え過ぎている場合に、頭部冷却用具を裏返して人体頭部に装着し、その後、快適冷却温度(約5〜7度)になった時に、その頭部冷却用具を表に返して人体頭部に正常装着した場合、「快適装着時間」は約15分〜60分永くなった。
実施例11で調製した冷却媒体8に替えて、所定量のジエチレングリコールとプロピレングリコールとグリセリンとを均一に混合して、25℃において、互いに混合された透明で、粘性流動性を有するゲル状(又はジェル状)の冷却媒体を調製する。この冷却媒体は約−20℃においても固化することなく、流動可能なゲル状(又はジェル状)の形態を有する。この冷却媒体を内層ポリエチレンと外層ポリアミドとからなるラミネートフィルム製袋容器に上記の混合媒体を充填して、熱融着により周囲を密封した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。複数種類の密封冷却媒体8として、図1(A)、図1(B)、図3(B)の第一分割冷却媒体8a、第二分割冷却媒体8b、第三分割冷却媒体8cに分割された形状を有する複数個分割連結密封冷却媒体8、及び、図2(A)、図2(B)、図3(A)に示されるような、略正方形(略長方形)、略半円状、及び略扇状の密封冷却媒体8を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例11で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例1、4、5、6、7、8、9で調製した頭部冷却用具に収納し、その冷却媒体を収納した実施例1b、4b、5b、6b、7b、8b、9bのそれぞれの頭部冷却用具を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−10℃の冷凍冷蔵庫で冷却する。それらの密封冷却媒体8をそれぞれの頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納して、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が約−5℃になった時点で、室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
それぞれのの頭部冷却用具についての測定結果を表3に示す。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表3に示す。
冷却媒体8として、湿布型冷却媒体を調製する。綿製ガーゼを水に浸漬し、これを軽く絞って、冷凍冷蔵庫内で約−10℃に冷却して、所定形状の約10mm厚の湿布型冷却媒体を調製する。
これらの冷却媒体8を前述の実施例4、7で調製した頭部冷却用具に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの実施例4c、7cの頭部冷却用具を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
密封冷却媒体8を、約−10℃の冷蔵冷凍庫で冷却する。そして、冷蔵冷凍庫から取り出された約−10℃に冷却されたそれらの密封冷却媒体8の表面温度が−5℃になった時に、それぞれの密封冷却媒体8を前記の実施例の頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表3に示す。
Figure 0003208980
[実施例1bの測定結果について]
表3において、シート状表面部材2に断熱性素材を構成し、シート状内面部材3にメッシュ状布素材のみを構成した実施例bの頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」は約75分である。
[実施例4bの測定結果について]
実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。すなわち、人体頭部と冷却媒体との間にシート状頭部保護部材7を設置することにより、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができる。本実施例のシート状頭部保護部材7を構成した場合において、シート状頭部保護部材7を介在することにより、人体頭部に達する温度が約4〜5℃低くなるが、このシート状頭部保護部材7の種類を替えることにより、所望の温度に調整した頭部冷却用具が得られる。
[実施例5bの測定結果について]
実施例3の頭部冷却用具において構成したシート状表面部材と同じ断熱性を有する素材をシート状内面部材に構成した実施例5bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は210分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
[実施例6bの測定結果について]
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも高い断熱性を有する実施例6bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は165分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりも優れた断熱性能を有する実施例5の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
[実施例7bの測定結果について]
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は120分である。すなわち、シート状表面部材の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、本実施例よりもシート状表面部材2が優れた断熱性能を有する実施例4の頭部冷却用具と比べた場合、「快適装着時間」はやや短くなる傾向がある。
[実施例8bの測定結果について]
シート状表面部材とシート状内面部材との双方に、メッシュ状素材のみを構成した実施例8bの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分である。すなわち、頭部冷却用具の表面から逃げる冷気が多くなるために、冷却媒体の冷却維持時間が短くなるものと想到される。
[実施例9bの測定結果について]
実施例3の頭部冷却用具の複数の収納部のうち、密封冷却媒体8が中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例9の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約60分であり、実施例3の「約90分の快適装着時間」と比べて、「快適装着時間」は短い。更に、本実施例において、人体頭部の一部のみを冷却しているに過ぎなく、人体の頭頂部のみに冷却感を感じるが、人体頭部の全体の冷却感は感じられな、快適冷却感に劣る傾向がある。
すなわち、冷却媒体が人体頭部の全体に収納された頭部冷却媒体は、冷却媒体が人体頭部の一部分に収納された頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」に優れるとともに、更に、優れた装着感を得ることができる。
[実施例4cの測定結果について]
湿布型冷却媒体8を使用して、実施例3の頭部冷却用具の内面側にシート状頭部保護部材7を構成した実施例4cの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約120分である。
なお、本実施例において、装着時間の経過とともに、湿布型冷却媒体8に含有されている氷の融解に起因して水分が頭部冷却用具の内面側から滲み出てくる傾向にある。その水分の滲み出の現象が不快に感じる場合には、人体頭部と頭部冷却用具との間にガーゼ又はタオルなどを介在させる方策が望ましく使用できる。
[実施例7cの測定結果について]
シート状表面部材2が金属薄膜を含まない断熱性素材を構成し、シート状内面部材3が内面部材冷却媒体保持素材33を構成するとともに、シート状内面部材3の内面側にシート状頭部保護部材7が構成された実施例7cの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は150分である。
なお、本実施例において、装着時間の経過とともに、湿布型冷却媒体8に含有されている氷の融解に起因して水分が頭部冷却用具の内面側から滲み出てくる傾向にあるが、その傾向は前述の実施例4cよりは少ない。その水分の滲み出の現象が不快に感じる場合には、人体頭部と頭部冷却用具との間にガーゼ又はタオルなどを介在させる方策が望ましく使用できる。
本実施例においては、シート状表面部材2とシート状内面部材3としてシート状フェルト材製断熱性素材を構成する。複数個に分割された収納部の構成形状は前述の実施例1において説明した形状構成と同じである。
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図1に示される。
シート状表面部材2は、表裏方向において断熱性能を有するフェルト材製の断熱性素材を構成する。シート状表面部材2としては、厚さが約1.3mm厚のポリエステル繊維を主成分とするフェルト材であって、肌触りの良い柔軟性、若干の伸縮性、及び、冷却部材を保持して破損しない程度の強い機械的強度を有するシート状フェルト材製断熱性素材のみを使用し、他の素材は構成されない。
シート状内面部材3としては、シート状表部材2に構成するシート状フェルト材製断熱性素材と同じ素材のみ構成し、他の素材は構成されない。
本実施例で構成するシート状内面部材3とシート状表面部材2は、実施例1で構成するシート状表面部材2よりも小さい断熱性能を有し、実施例1で構成するシート状内部材2よりも優れた断熱性能を有する。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを、加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープを介在して互いに接合することにより、図1に示されるような、中央収納部41と左側頭収納部42と右側頭収納部43とを有し、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例11で調製した冷却媒体が使用される。
本実施例の頭部冷却用具の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、縫製により、シート状表面部材2とシート状内面部材3とを所望形状の収納部を有する頭部冷却用具を製造できるとともに、加熱による融着加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープ又はホットメルト接着剤などにより互いに接合することが可能な、シート状フェルト材製断熱性素材を構成した点である。加熱による融着加熱により互いの素材を融着して接合できる熱融着性接着テープを使用して頭部冷却用具を製造する方法により、縫製方法と比べて、より安価に量産することが可能となる利点がある。
本実施例においは、頭部冷却用具を構成するシート状表面部材2とシート状内面部材3との双方は、積層された複数枚の不織布製シートにより構成されるとともに、類似の不織布製シートにより構成される。本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図2に示される。複数個に分割された収納部の構成形状は前述の実施例2において説明した形状構成と同じである。
図5(A)に示すように、シート状表面部材2は
(A)表面部材最表層21として、所望機能性素材21としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22としての厚さ約5mmの綿状のポリエステル繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する不織布製断熱性不織布22(嵩密度:約50g/平米)が使用される。
(C)表面部材最裏層23として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、表面部材最表層21に構成される布状不織布と表面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、表面部材最表層21と表面部材最裏層23として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
シート状内面部材3としては、シート状表面部材2に構成される素材と同じ素材を使用して積層した(A)熱融着可能な不織布製の内面部材最表層31、(B)熱融着可能な不織布製断熱性不織布製の内面部材中間層32、(C)熱融着可能な不織布製の内面部材最裏層33が構成される。
シート状表面部材2とシート状内面部材3に構成される不織布製繊維には抗菌性処理(銀イオン含有抗菌材)を施した繊維素材が使用される。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3とを高周波熱融着接合装置を使用して互いの熱融着により接合して、図2に示されるような、それぞれの収納部が、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図2に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5は、前述のシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、収納部4の下側縁の全周囲に形成された伸縮性部材収納部の中にゴム製伸縮紐を設置した構成である。
装着脱落防止部材5の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略半球形状を有し、その略半球形状の内周の円周長さは略56cmである。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例11と同じ種類の冷却媒体8が使用される。
本実施例の頭部冷却用具の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、加熱による熱融着にすべての構成素材を互いに接合して複数個の収納部を形成した頭部冷却用具を製造できるような不織布製素材を構成した点である。これにより、縫製による製造法と比べて、著しく安価に、頭部冷却用具を量産できる利点がある。さらに、この製法に限定されることなく、熱融着性接着テープ又はホットメルト接着剤を使用して互いの素材を接合して製造することも可能である。
本実施例においは、頭部冷却用具を構成するシート状表面部材2とシート状内面部材3との双方は、積層された複数枚の不織布製シートにより構成され、シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が構成されている。
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図3に示される。複数個に分割された収納部の構成形状は前述の実施例3において説明した形状構成と同じである。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が少なくとも構成されている。
図5(B)に示すように、シート状表面部材2は積層された複数種類の表面素材より構成され、 複数種類の表面素材2は、少なくとも、(A)表面部材最表層21に構成される、所望の機能を有する所望機能性素材21と、(B)表面部材中間層22に構成される、シート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22、及び、(C)最裏層23に構成される、冷却媒体8を収納した状態において破損なく使用可能な機械的強度を有する冷却媒体保持素材23、を備える。さらに詳しくは、本実施例において、シート状表面部材2は、図5の(B)に示さるように、表面部材中間層22に構成されるシート状内面部材3より高い断熱性能を有する断熱性素材22として、熱伝導断熱素材22aとしての断熱性不織布22aと、金属膜輻射断熱素材22bとしての基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される。
具体的には、(A)表面部材最表層21として、所望機能性素材21としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。
(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリエチレン繊維とポリエステル繊維を含有する熱融着可能な不織布基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。この場合、厚さ約0.5mmの紙状の不織布基材がわずかな断熱性能を有し、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bは、図5の(C)に示される輻射熱伝導熱断熱素材22cと同じ素材(機能)を兼ね備える。
(C)表面部材最裏層23として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、表面部材最表層21に構成される布状不織布と表面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、表面部材最表層21と表面部材最裏層23として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
シート状内面部材3としては、上記のシート状表面部材2の構成における基材付金属薄膜素材22bが含有されない構成であり、シート状内面部材3がシート状表面部材2よりも表裏方向において小さい断熱性能を有する構成である。
すなわち、(A)内面部材最表層31として、所望機能性素材31としてのポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。
(B内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約5mmの綿状のポリエステル短繊維とポリエチレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、優れた断熱性を有する断熱性不織布22a(嵩密度:約50g/平米)を有する断熱性素材22が使用される。
(C)内面部材最裏層33として、ポリエステル繊維とポリプロピレン繊維を含有する熱融着可能な不織布製であって、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度を有する、厚さが約0.3mmの薄い布状不織布が使用される。本実施例においては、内面部材最表層21に構成される布状不織布と内面部材最裏層23に構成される布状不織布は互いに同じ不織布である。
なお、内面部材最表層31と内面部材最裏層33として使用される0.3mmの薄い布状不織布は汎用の同じ厚さの織布と比べて若干の高い断熱性能を有するが、本実施例においては、断熱性を付与する目的ではなく、柔軟性、良汚染耐性、良機械的強度などの機能を付与するとともに、加熱による熱融着による接合可能な素材としての機能を付与する目的で構成している。
本実施例においては、冷却媒体8としては、前述の実施例11と同じ種類の冷却媒体8が使用される。
本実施例の頭部冷却用具の特徴は、シート状表面部材2とシート状内面部材3との双方の構成素材として、加熱による熱融着にすべての構成素材を互いに接合して複数個の収納部を形成した頭部冷却用具を製造できるような不織布製素材を構成した点である。これにより、縫製による製造法と比べて、著しく安価に、頭部冷却用具を量産できる利点がある。
前述の実施例11において調整したプロピレングリコール12重量%とカルボキシメチルセルロース3重量%と水85重量%とを含有する25℃の室温で互いに溶解された透明でゲル状を有する粘性の混合媒体を、プラスチックフィルムラミネート製容器に充填した複数種類の密封冷却媒体8を準備する。
これらのそれぞれの密封冷却媒体8及び複数個分割連結密封冷却媒体8の大きさ形状は、頭部冷却用具のそれぞれの収納部4の形状に相似形の形状を有するとともに、約10mmの厚さ形状を有し、収納部4に密封冷却媒体8を収納した時に約0.1〜約3mmの余白がある大きさを有するような大きさ形状である。
実施例11で調製した密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例で調製した頭部冷却用具の収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側の温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−10℃の冷蔵冷凍庫で冷却し、そして、冷蔵冷凍庫から取り出して、密封冷却媒体8の表面温度が約−5℃になった時に、それらの密封冷却媒体8を頭部冷却用具のそれぞれの収納部4に収納する。室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。それぞれの頭部冷却用具についての測定結果を表4に示す。
測定結果に基づき、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価も表4に示す。
実施例18で調製した頭部冷却用具を使用して、シート状表面部材側が人体頭部に接触するように裏返して装着し、内面の温度が約5℃になった時に、シート状内面部材側が人体頭部に接触するように戻して装着し、その後の経過時間毎の温度を測定した。測定結果を表4に示す。
本実施例の頭部冷却用具が実施例17と主として異なる点は、密封冷却媒体8が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413との中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない点である。その他の構成は、上記の実施例17と概略同じ構成である。本実施例の頭部冷却用具を使用して、人体頭部に装着し、その後の経過時間毎の温度を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 0003208980
[実施例16の測定結果について]
表4において、シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、断熱性素材としてのシート状フェルト材製断熱性素材のみを構成した実施例16の頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」は約120分である。
すなわち、冷却媒体を収納するシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成する頭部冷却用具は、シート状内面部材3(シート状表面部材2)に断熱性素材を構成しない場合と比べて、「快適装着時間」を永くすることができる
[実施例17の測定結果について]
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、表面部材最表層21としての厚さが約0.3mmの薄い布状不織布と、表面部材中間層22としての厚さが約5mmの熱融着可能な不織布製断熱性不織布22と、表面部材最裏層23としての厚さが約0.3mmの薄い布状不織布とを構成した実施例17の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約150分である。
すなわち、冷却媒体を収納するシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成するとともに、実施例16のシート状フェルト材製断熱性素材よりも優れた断熱性能を有する本実施例の不織布製断熱性不織布22を構成した頭部冷却用具は、実施例16の頭部冷却用具よりも永い「快適装着時間(約150分)を発揮する。
[実施例18の測定結果について]
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に、厚さが約5mmの熱融着可能な不織布製断熱性不織布を構成するとともに、シート状表面部材2に、更に、厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bを構成して、シート状表面部材2がシート状内面部材3よりも宿世れた断熱性能を有する〈実施例18のの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約165分である。
すなわち、実施例17の頭部冷却用具よりも、シート状表面部材2に著しくすぐれた断熱性素材を構成することにより、若干に「快適装着時間」が永くなる。
[実施例20の測定結果について]
実施例18の冷却用具を裏返して装着した場合の「快適装着時間」は約180分である。正常装着の場合と比べて、「快適装着時間」は約15分永くなる。
[実施例21の測定結果について]
密封冷却媒体8が額収納部411と頭頂収納部412と後頭収納部413との中央収納部41のみに収納され、左側頭収納部42及び右側頭収納部43には収納されていない実施例20の頭部冷却用具において、「快適装着時間」は約90分である。
すなわち、冷却媒体が全ての収納部に収納された実施例17の頭部冷却用具と比べて、「快適装着時間」は著しく短くなる。
[実施例8の断熱素材を構成しない頭部冷却用具との比較について]
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方にメッシュ状素材のみを構成し、断熱性素材を構成構成しない実施例8の頭部冷却用具の「快適装着時間」は約60分である。この実施例8の頭部冷却用具と比べて、実施例16〜実施例18のシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方に断熱性素材を構成した頭部冷却用具の「快適装着時間」は、120分〜175分であり、「快適装着時間」は著し永くなる。
すなわち、シート状表面部材2及び/又はシート状内面部材3に断熱性素材を構成した頭部冷却用具は、断熱素材を構成しない頭部冷却用具よりも永い「快適装着時間」を得ることができる。
<略筒状形態を有する頭部冷却用具に関する実施例>
本考案の頭部冷却用具の一実施例の略筒状形態を有し、頭頂部開閉開口部(15)と前記頭頂部開閉開口部(15)を閉じる機能と開く機能を有する開閉自在な頭頂部開閉部材(9)を備えた頭部冷却用具の典型的実施例を以下に説明する。
実施例21a
本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。
図17において、頭部冷却用具1は人体頭部に装着して該頭部の所定領域を冷却可能な冷却媒体8と該冷却媒体8を収納する収納部4とを備える。頭部冷却用具1は、柔軟性を有するシート状部材より形成された略筒状形態を有し、略筒状形態の前記シート状部材に下縁領域12が形成されるとともに、人体頭部に装着可能な装着開口部16が下縁領域12に囲まれて形成されている。略筒状形態の前記シート状部材に上縁領域11が形成されるとともに、上縁領域11を開閉自在な頭頂部開閉開口部15が上縁領域11に囲まれて形成されている。開閉開口部16を閉じる機能と開く機能を有する開閉自在な頭頂部開閉部材9が上縁領域11に設置されている。
前記シート状部材は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置する略筒状のシート状内面部材3と、外表面側に位置する略筒状のシート状表面部材2と、を有する。
収納部4は、略筒状のシート状内面部材3と、略筒状のシート状表面部材2と、シート状内面部材3とシート状表面部材2との下縁領域12が互いに接合されたた収納下縁接合部4eと、により囲まれて形成されるとともに、収納部4は、収納部4の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有する収納開口部4aを有する。
図17(A)のような、頭頂部開閉部材9が開かれて頭頂部開閉開口部15が開口された状態で、冷却媒体4は、収納開口部4aを通って収納部4に出し入れ自在に収納される。
図17(B)のような、冷却媒体8が収納部4に収納された状態で、頭頂部開閉部材9が閉じられた場合に、頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となるとともに収納開口部4aも閉じられた形態となり、これにより、頭部冷却用具1が装着開口部16を通って人体頭部に装着された時に、人体頭部の頭頂部を覆うことが可能な略半円球状立体形状に形成される、構成を有する。
収納部4は、シート状内面部材2とシート状表面部材3の接合により互いに分離された複数個の収納部41、42、43(図17において図示されていないが図の裏面側に更に3個の収納部を有する)を有し、前記複数個の収納部は、前記上縁領域と前記下縁領域とを結ぶ複数の収納分離接合部により互いに分離され、複数個の収納部41、42、43はそれぞれの収納部の頭頂部開閉開口部15の側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部4aを有し、冷却媒体8は複数個の収納部41、42、43のうちの所望の収納部にそれぞれの収納開口部4aを通して収納及び取出し可能に収納され、人体頭部に装着された時に、人体頭部の周囲方向に、複数の収納分離接合部4eが屈曲可能に形成されるとともに、頭部の所望の領域を冷却可能に構成されている。
略筒状形態の前記シート状部材の上縁領域11に、頭頂部開閉部材設置部91が構成される。頭頂部開閉部材設置部91は、上縁領域11に沿って、帯状のシート材が上縁領域11に接合形成された空洞形状を有する。
その頭頂部開閉部材設置部91の空洞に、頭頂部開閉部材9としての紐部材が設置されている。該紐部材9は、上縁領域11を互いに重ね合せる状態で紐部材9が短く絞られることにより頭頂部開閉開口部15が閉じられた形態となり、紐部材9の絞りが解かれて元の長さになることにより頭頂部開閉開口部15が開口された形態となる機能を奏する。
シート状表面部材2は実施例1と同じ積層された複数種類の表面素材より構成され、シート状内面部材3は実施例1と同じメッシュ状貫通孔布素材3が構成される。複数種類の表面素材及びシート状内面部材3の積層構成は実施例1と同じ構成である。
シート状表面部材2は、シート状内面部材3より表裏方向において高い断熱性能を有する断熱性素材が構成されている。また、複数個の収納部が形成されている。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。
シート状表面部材2を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmである。
シート状内面部材3は、表裏方向において、シート状表面部材2より高い通気性能を有する。シート状内面部材3の縦長さ寸法は220mmであり、横長さ寸法は640mmである。すなわち、シート状内面部材3の縦長さ寸法はシート状表面部材2の縦長さ寸法よりも短かい。これにより、収納開口部は、略筒状形態の頭部冷却用具の内側に形成される構成となる。
上記のようなシート状表面部材2とシート状内面部材3とを使用して、所定の形状に裁断し、それらの裁断されたシート状表面部材2とシート状内面部材3との所定個所を接合して、図17に示されるような、互いに隣り合って形成されるとともに、一体に形成されてなる複数個の収納部4を有する頭部冷却用具を調製する。
本実施例において、図17に示されるように、さらに、収納部4の下側縁に設置された装着脱落防止部材5を備える。装着脱落防止部材5は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏する。本実施例における装着脱落防止部材5としては、前述の頭部冷却用具1の下側縁の両側頭部又は後頭部に設置され、装着開口部16の長さを調節可能に設置された係止・解放自在な長さ調節係止部材を設置した構成である。
本実施例における装着開口部16の長さは約56cmである。すなわち、本実施例の頭部冷却用具の外観は略筒形を有し、その略筒形状の装着開口部16及び頭頂部開閉開口部15のそれぞれの円周長さは略56cmである。
本実施例において、シート状表面部材2とシート状内面部材3との相対的な形状は、(ii)シート状内面部材3の頭頂部開閉開口部15から装着開口部16までの長さ寸法がシート状表面部材2の頭頂部開閉開口部15から装着開口部16までの長さ寸法よりも短かく、収納開口部4aがシート状表面部材2の上縁領域とシート状内面部材3の端部とにより形成された形状で構成されている。
また、これに限定されることなく、(i)シート状表面部材2とシート状内面部材3との略筒形状の頭頂部開閉開口部15から装着開口部16までの長さ寸法が、互いに同じ同じ長さ寸法を有し、収納開口部4aがシート状表面部材2とシート状内面部材3の双方の端部に形成された形状、又は、(iii)シート状内面部材3の頭頂部開閉開口部15から装着開口部16までの長さ寸法が、シート状表面部材2の頭頂部開閉開口部15から装着開口部16までの長さ寸法よりも長く、収納開口部4aがシート状内面部材3の上縁領域とシート状表面部材2の端部とにより形成された形状、のいずれの構成も実施可能である。
本実施例において、図17に示されるように、頭部冷却用具1の人体装着時に人体耳に接触する領域には、耳接触部7が形成され、その耳接触部7に冷却媒体が収納されない構成となっている。
また、収納部4は6個に分割された複数個の収納部を有する構成であるが、これに限定されることなく、所望の複数個に分割された複数個の収納部を有する構成も実施可能である。
また、頭頂部開閉部材設置部91は、略筒形状の頭部冷却用具の外側の表面側に設置された構成であるが、これに限定されることなく、頭部冷却用具の内側の内面側に設置された構成も実施可能である。
また、頭頂部開閉部材9としての紐部材9を絞って、頭頂部開閉開口部が閉じられた形態にした時に、露出した紐部材9を収納するための頭頂部開閉紐部材収納部が、シート状内面部材3の表面側に形成された構成も実施可能である。これにより、装着時において、長く露出する紐部材9が頭頂部開閉紐部材収納部の中に収納されて、長く露出する紐部材9が邪魔にならなくなり、快適な装着感が得られる。
実施例22a
本実施例の外観模式図が図17に示される。本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材2が複数種類の素材から構成され、シート状内面部材3もシート状表面部材2と同じ複数種類の素材から構成された構成である。また、シート状表面部材2とシート状内面部材3は、前述の実施例21と同じく、互いに同じ横長さ寸法を有するが、互いに異なる縦長さ寸法を有する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3の縦長さ寸法は、実施例17と同じように互いに異なり、シート状表面部材2を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmであり、シート状内面部材3の縦長さ寸法は220mmであり、横長さ寸法は640mmである。すなわち、シート状表面部材2の縦長さ寸法はシート状内面部材3の縦長さ寸法よりも長い形状を有する。
シート状表面部材2は実施例21aと同じ複数種類の素材より構成される。また、シート状内面部材3も、シート状表面部材2に構成される同じ複数種類の素材より構成される。
その他の構成は、実施例21aと同じである。
実施例22b
本実施例において、実施例22aで構成するシート状表面部材とシート状内面部材と同じシート状表面部材とシート状内面部材を使用して、図18に示されるような構成を有する頭部冷却用具を調製する。すなわち、シート状表面部材2とシート状内面部材3とは、互いに同じ縦長さ寸法と同じ横長さ寸法を有するとともに、互いに同じ複数種類の素材より構成される。
シート状表面部材2とシート状内面部材3を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmである。
収納開口部4はシート状表面部材2とシート状内面部材3の上縁端部に形成された構成であり、この点において実施例22aと異なる。
その他の構成は、前述の実施例22aと同じ構成を有する。
実施例23a
本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材2が3種類の素材から構成され、シート状内面部材3が2種類の素材から構成された構成である。その他の構成は、実施例21aと類似する。本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。
シート状表面部材2とシート状内面部材3の縦長さ寸法は、実施例1aと同じように互いに異なり、シート状表面部材2を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmであり、シート状内面部材3の縦長さ寸法は220mmであり、横長さ寸法は640mmである。すなわち、シート状表面部材2の縦長さ寸法はシート状内面部材3の縦長さ寸法よりも長い形状を有する。
シート状表面部材2は下記の3種類の素材より構成される。
(A)最表層21に、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用し、ファッション的視認感覚又は硬軟感触感覚において所望機能を有する所望機能性素材21が構成される。構成するポリエステル繊維製織布は約1mm厚で柔軟性を有する。
(B)中間層22として、熱伝導断熱素材32aとしての厚さ約5mmの発泡ポリウレタン製の断熱性発泡プラスチック素材22が使用される。
(C)最裏層23として、、冷却媒体を保持できる程度の機械的強度を有する厚さ約1mmのポリエステル繊維製織布の冷却媒体保持素材23が使用される。
シート状内面部材3は下記の2種類の素材より構成される。
(A)最表層31に、表面に所望の図柄色彩を染色したポリエステル繊維製織布を使用し、硬軟感触感覚において所望機能を有する所望機能性素材31が構成される。構成するポリエステル繊維製織布は約1mm厚で柔軟性を有する。
(C)最裏層33として、、冷却媒体を保持できる程度の機械的強度を有する厚さ約1mmのポリエステル繊維製織布むの冷却媒体保持素材33が使用される。
その他の構成は、前述の実施例21と同じ構成を備える。
実施例23b
本実施例で構成するシート状表面部材とシート状内面部材と同じシート状表面部材とシート状内面部材を使用して、図18に示されるような構成を有する頭部冷却用具を調製する。すなわち、本実施例の頭部冷却用具は、図18に示されるように、シート状表面部材2とシート状内面部材3とにより囲まれた4つの収納部を有する。
シート状表面部材2及びシート状内面部材3を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmである。その他の構成は、前述の実施例23aと同じ構成を有する。
実施例24a
本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材2が1種類の素材から構成され、シート状内面部材3も1種類の素材から構成された構成である。その他の構成は、実施例21aと類似する。本考案の一実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。
シート状表面部材2は一種類の素材より構成される。ファッション的視認感覚又は硬軟感触感覚において所望機能を有し、冷却媒体を保持できる程度の機械的強度を有する機能を有するとともに、更に、織布繊維内部に多くの空隙を含有可能な形状で断熱性を有する機能をも兼ね備えた所望機能性素材21として、約3mm厚のポリエステル繊維製織布が構成される。
シート状内面部材3もシート状表面部材2と同じ1種類の素材より構成される。
ファッション的視認感覚又は硬軟感触感覚において所望機能を有し、冷却媒体を保持できる程度の機械的強度を有する機能を有するとともに、更に、織布繊維内部に多くの空隙を含有可能な形状で断熱性を有する機能をも兼ね備えた所望機能性素材31として、約3mm厚のポリエステル繊維製織布が構成される。その他の構成は、前述の実施例1aと同じ構成を備える。
その他の構成は、前述の実施例21aと同じ構成を有する。
実施例25a
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材3及びシート状表面部材2の双方が、(i)加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材、から構成され、収納部4は、シート状表面部材2とシート状内面部材3を構成するそれぞれの熱融着性シート状素材の互いの熱融着により接合形成された熱融着収納分離接合部により分離されて形成されてなるとともに、シート状表面部材3とシート状表面部材2との双方が同じ複数種類の素材から構成された構成である。
その他の構成は、実施例21aと類似する。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(A)表面部材最表層21として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状の熱融着性不織布製シート状素材22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。
(C)最裏層23として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
シート状内面部材3はシート状表面部材2と同じ素材を有するシート状表面部材2の複数種類の素材より構成される。
(A)内面部材最表層31として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状の熱融着性不織布製シート状素材22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5mmの紙状のポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。
(C)最裏層33として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
これらのシート状表面部材2とシート状内面部材3とを構成する全ての素材は、融解温度以上に加熱されることにより溶融して融着可能な熱融着可能な機能を奏するとともに、室温に低下した時に固化する性質を有する。
そして、熱融着可能な熱融着性繊維を含有する不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着可能な熱融着性繊維を含有する不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21との所定領域が重ね合わされるとともに加圧と加熱により、熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着性不織布製シート状表面素材21との重ね合わされた所定領域が互いの熱融着により接合され、室温に戻った時に重ね合わされた所定領域が固化接合されて、収納分離接合部4fが形成され、熱融着性不織布製シート状内面素材31と熱融着性不織布製シート状表面素材21と収納分離接合部4fにより所定部分が囲まれて収納部4が形成されている。
その他の構成は、前述の実施例21aと同じ構成を備える。
実施例26a
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材3及びシート状表面部材2の双方が、(i)加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材、から構成され、収納部4は、シート状表面部材2とシート状内面部材3を構成するそれぞれの熱融着性シート状素材の互いの熱融着により接合形成された熱融着収納分離接合部により分離されて形成されてなる。
本実施例が前述の実施例25aと異なる点は、シート状表面部材3がシート状表面部材2よりも優れた断熱性能を有する複数種類の素材から構成された構成である。
その他の構成は、実施例25aと類似する。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(A)表面部材最表層21として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状の熱融着性不織布製シート状素材22a(高密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.5
mmの紙状のポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。
(C)最裏層23として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
シート状内面部材3は下記の複数種類の素材より構成される。
(A)内面部材最表層31として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)内面部材中間層32として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状の熱融着性不織布製シート状素材22a(嵩密度:約50g/平米)の断熱性素材22が使用される。なお、本内面部材中間層32には表面部材中間層に構成されるアルミ製金属薄膜は構成されていない。
(C)最裏層33として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
その他の構成は、前述の実施例25aと同じ構成を備える。
実施例26b
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図18に示される。実施例26aで構成するシート状表面部材とシート状内面部材と同じシート状表面部材とシート状内面部材を使用して、図18に示されるような構成を有する頭部冷却用具を調製する。
シート状表面部材2及びシート状内面部材3を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmである。
その他の構成は、前述の実施例26aと同じ構成を有する。
実施例27a
本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材3及びシート状表面部材2の双方が、(i)加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材、及び、(ii)加熱により溶融して熱融着可能な熱融着性プラスチック製フィルム素材、の熱融着性シート状素材から構成され、収納部4は、シート状表面部材2とシート状内面部材3を構成するそれぞれの熱融着性シート状素材の互いの熱融着により接合形成された熱融着収納分離接合部により分離されて形成されてなる。なお、本実施例における熱融着性プラスチック製フィルム素材は、アルミニウムの蒸着されたアルミニウム蒸着薄膜付き熱融着性プラスチック製フィルム素材が使用される。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(A)表面部材最表層21として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)表面部材中間層22として、熱伝導断熱素材22aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状の熱融着性不織布製シート状素材22a(嵩密度:約50g/平米)と、金属膜輻射断熱素材22bとしての厚さ約0.1mmのポリエステルフィルムシート状基材に厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材22bとが積層されて構成される断熱性素材22が使用される。
(C)最裏層23として、厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
シート状内面部材3は下記の複数種類の素材より構成される。
すなわち、シート状内面部材3は、シート状表面部材2に使用された同じ素材を有する(A)内面部材最表層31、(B)表面部材中間層32、(C)最裏層33が積層された同じ構成の複数種類の積層した素材によって構成される。
その他の構成は、前述の実施例25aと同じ構成を備える。
実施例27a
本実施例の頭部冷却用具の形状は図18に示される構成を有する。
本実施例において、実施例27aで構成されるシート状表面部材とシート状内面部材と同じ構成を有する。
シート状表面部材2及びシート状内面部材3を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmである。
その他の構成は、前述の実施例27aと同じ構成を有する。
実施例28a
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図17に示される。
本実施例の頭部冷却用具は、シート状表面部材3及びシート状表面部材2の双方が、積層された複数種類の不織布製素材より構成され、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状素材、から構成され、収納部4は、シート状表面部材2とシート状内面部材3を構成するそれぞれの熱融着性シート状素材の互いの熱融着により接合形成された熱融着収納分離接合部により分離されて形成されてなる。
本実施例が前述の実施例25aと異なる点は、断熱性を有しなく、また、金属薄膜素材層を有しない熱融着性不織布を構成した点である。その他の構成は、実施例25aと類似する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3は下記の複数種類の素材より構成される。
(A)最表層21、31として、厚さ約0.5mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
(B)中間層22、32として、厚さ約1mmの熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材素材22、32が使用される。
(C)最裏層23、33として、厚さ約0.5mmのシート状の熱融着可能なポリオレフィン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の熱融着性不織布製シート状素材が構成される。
なお、本実施例に構成されるシート状表面部材2とシート状内面部材3は断熱性を有しなく、実施例6a、7aに構成される素材よりも低い断熱性を有する。
実施例28b
本実施例の頭部冷却用具の外観模式図が図18に示される。本実施例において、シート状表面部材2とシート状内面部材3は実施例28aと同じシート状表面部材とシート状内面部材を使用して、図18に示されるような構成を有する頭部冷却用具を調製する。
シート状表面部材2及びシート状内面部材3を構成するそれぞれの素材の縦長さ寸法は280mmであり、横長さ寸法は640mmであり、収納開口部4aは。
その他の構成は、前述の実施例28aと同じ構成を有する。
実施例29a
実施例11で調製した含水高分子ゲル密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例21a〜実施例28aで調製した頭部冷却用具のそれぞれの収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側のシート状部材の温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−20℃の冷蔵冷凍庫で冷却し、冷却された密封冷却媒体8を取り出して、密封冷却媒体8の表面温度が−15℃になった時に、それらの密封冷却媒体8をそれぞれの頭部冷却用具の収納部4に収納して、室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
それぞれの頭部冷却用具についての測定結果を表5に示す。
実施例29e
前述の実施例29aの装着実験において頭部冷却用具1を人体頭部に装着した時に、冷却媒体8が0℃以下の冷えすぎる場合に、頭部冷却用具1を裏返して人体頭部に装着し、その後、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が約5℃になった時に、その頭部冷却用具1を表に返して人体頭部に装着した場合の実施結果を表4に示す。実施例21a、実施例23a、実施例26aの頭部冷却用具1に実施例11の含水高分子ゲル複数個分割連結密封冷却媒体8を収納し、実施例21e、実施例23e、実施例26eとして実験した。
密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価を表6に示す。
実施例29f
実施例11で調製した含水高分子ゲル複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例21a、実施例22a、実施例25aで調製した頭部冷却用具の複数個の収納部のうちの額部と後頭部に接触する2か所のみに収納し、その冷却媒体を収納した実施例21e、実施例22e、実施例25eのそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側のシート状部材の温度を測定した。
密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「快冷」である温度「約2℃〜約15℃」の場合を「快適装着時間」として総合評価し、それぞれの頭部冷却用具を装着した場合の総合評価を表6に示す。
Figure 0003208980
Figure 0003208980
[実施例21aの測定結果について]
表3において、シート状表面部材2に断熱性素材を構成し、シート状内面部材3にメッシュ状布素材のみを構成した実施例21aの頭部冷却用具において、密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度が「約2℃〜約15℃」の「快適装着時間」は約80分である。
[実施例22aの測定結果について]
シート状表面部材とシート状内面部材とが断熱性素材を構成するとともに、同じ断熱性を有する素材をシート状表内面部材に構成した実施例22aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は150分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
[実施例23aの測定結果について]
シート状表面部材とシート状内面部材とが断熱性素材を構成するとともに、シート状表面部材がシート状内面部材よりも優れた断熱性を有する構成の実施例23aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は120分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有するシート状表面部材により、シート状表面部材から逃げる冷気の上昇が抑制されて、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
[実施例24aの測定結果について]
シート状表面部材とシート状内面部材とがポリエステル繊維製の織布の1層のみにより構成された実施例24aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は70分である。すなわち、優れた断熱性能を有するシート状表面部材とシート状内面部材とを備えた実施例22a、23aよりも「快適装着時間」は短くなる傾向がある。
[実施例25aの測定結果について]
3層の熱融着性不織布製素材により構成され、シート状表面部材とシート状内面部材とが断熱性素材を構成するとともに、同じ断熱性を有する素材をシート状表内面部材に構成した実施例25aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は155分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有する収納部に冷却媒体が収納された構成により、人体頭部に達する冷えすぎた冷却媒体の温度を快適な温度範囲に緩和して、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。
[実施例26aの測定結果について]
3層の熱融着性不織布製素材により構成され、シート状表面部材とシート状内面部材とが断熱性素材を構成するとともに、シート状表面部材がシート状内面部材よりも優れた断熱性を有する構成の実施例26aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は130分である。すなわち、シート状表面部材とシート状内面部材との双方の構成素材として高い断熱性能を有する素材を使用し、その高い断熱性を有するシート状表面部材により、シート状表面部材から逃げる冷気の上昇が抑制されて、「快適装着時間」を永くすることができるとともに、更に、冷却媒体の昇温速度を遅くして、「快適装着時間」を永くすることができる。しかしながら、シート状内面部材に金属蒸着薄膜を構成した実施例25aと本実施例26aのシート状内面部材に金属蒸着薄膜を構成しない場合と比べて、本実施例26aの頭部冷却用具の「快適装着時間」が約25分短くなる。
[実施例27aの測定結果について]
複数層の熱融着性不織布製素材により構成され、シート状表面部材とシート状内面部材とに熱融着可能プラスチック製フィルムを構成する実施例26aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は145分である。プラスチック製フィルムを構成した頭部冷却用具も実施例25a、実施例26aの不織布製シート素材を構成した頭部冷却用具と略同程度の「快適装着時間」が得られる。
[実施例28aの測定結果について]
断熱性を有しない熱融着性不織布製素材により構成され、シート状表面部材とシート状内面部材とが同じ素材より構成された実施例28aの頭部冷却用具において、「快適装着時間」は75分であり、「快適装着時間」は高い断熱性を有する実施例25aの頭部冷却用具よりも約80分短い。
[実施例29eの頭部冷却用具を裏返し装着した後、正常装着した場合の測定結果について]
表4の実施例21e、実施例23e、実施例26eの測定結果において、始めに頭部冷却用具を裏返して装着し、その後表返して装着した場合、正常装着のみの場合と比べて、実施例21eの「快適装着時間」は80分から120分になり、実施例23eの「快適装着時間」は120分から160分になり、実施例26eの快適装着時間」は130分から155分になった。このように、冷却媒体が0℃以下に冷え過ぎている場合に、頭部冷却用具を裏返して人体頭部に装着し、その後、快適冷却温度(約5〜7度)になった時に、その頭部冷却用具を表返して人体頭部に正常装着した場合、「快適装着時間」は約25分〜約40分間の延長が認められた。
表4の実施例21f、実施例22f、実施例25fの測定結果において、冷却媒体を複数個の収納部のうちの額部と後頭部に接触する2か所のみに収納した場合、全ての収納部に収納下場合と比べて、実施例1eの場合の「快適装着時間」は120分から80分になり、実施例23eの場合の「快適装着時間」は160分から120分になった。このように、冷却媒体を複数個の収納部のうちの額部と後頭部に接触する2か所のみに収納した場合、全ての収納部に収納した場合と比べて、「快適装着時間」は約25分〜約60分間の短くなった。
本実施例において、約−20℃に冷却した冷却媒体8を使用したが、これに限定されることなく、所望の温度に冷却した冷却媒体8を使用することが可能であり、この場合、その冷却温度に起因する「快適装着時間」が得られる。例えば、約−5℃〜0℃に冷却された冷却媒体8を収納した頭部冷却用具を人体頭部に装着する場合、装着した時点から、冷え過ぎ感の抑制された快適な冷却感が得られる。
また、装着者の好みに応じて、複数個の収納部のうちの所望の収納部に冷却媒体を収納した頭部冷却媒体を使用することも実施可能である。
<不織布製シート状素材を構成した頭部冷却用具に関する実施例>
実施例31a
本実施例はシート状表面部材2とシート状内面部材3として、不織布製シート状素材を使用した頭部冷却用具である。本実施例の頭部冷却用具及びその製造工程の外観模式図が図11に示される。
本実施例において、シート状表面部材2とシート状内面部材3は図15Aに示されるような積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。シート状表面部材2とシート状内面部材3は互いに同じ積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3は下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状素材21b、31bと、(b)熱伝導断熱性シート状素材21a、31aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状素材21a、31a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状素材21b、31bと、(d)金属薄膜素材25、35としての厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25、35。
なお、アルミ製金属薄膜25、35は布状熱融着性不織布製シート状素材21b、31bに蒸着構成された形状で供給されて、構成される。
シート状内面部材3は、横長さが約31cm、縦長さが約20cmであり、縦側辺は約15cmの直線形状であって、上辺が図示のような略円弧形状の平面形状を有する。シート状表面部材2は、横長さが約31cm、縦線長さが約15cmの略長方形の平面形状を有する。
少なくとも、複数種類の熱融着性不織布製シート状表面素材2により構成されたシート状表面部材2の上辺の側縁領域は予め熱融着手段又はホットメルト接着手段により接合され、それぞれの素材が分離されないように形成されている。また、シート状表面部材2の全周囲の側縁領域が熱融着手段又はホットメルト接着手段により接合された構成も実施可能である。
図11(B)〜(E)に示されるように、収納部4は、シート状内面部材3と、シート状表面部材2とにより形成されるとともに、複数個に区分された第一収納部41、第二収納部42、第三収納部43、第四収納部44とを有する複数個の収納部4を有する。
複数個の収納部4のそれぞれの収納部41、42、43、44は、シート状内面部材3とシート状表面部材2とにより接合されたシート状表内面部材接合部14により互いに分離されている。シート状表内面部材接合部14の線幅は約7mm〜約10mmである。
冷却媒体8は複数個の収納部4のうちの所望の収納部に収納され、
人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されている。
図11(D)に示されるように、第一収納部41は該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の第一収納開口部41aを有し、第二収納部42は該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の第二収納開口部42aを有し、第三収納部43は該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の第三収納開口部43aを有し、第四収納部44は該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の第四収納開口部44を有する。
図11(E)に示されるように、冷却媒体8がそれらの収納開口部4aを通って収納部4に出し入れ自在に収納されてなる。
このような頭部冷却用具の製造方法は、(a)所定形状に裁断された前記シート状内面素材3は、少なくとも加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材31から構成された平面状のシート状内面部材3と、少なくとも加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材21から構成された所定形状に裁断された平面状のシート状表面部材2と、を供給する工程と、(b)前記(a)工程により得られたシート状内面部材3とシート状表面部材2との所定領域を、互いに重ね合せるとともに加圧と加熱により熱融着して、前記シート状内面部材とシート状表面部材との所定領域を接合してなるシート状表内面部材熱融着接合部14を形成し、これにより、シート状表内面部材接合部14とシート状内面部材3とシート状表面部材2とにより囲まれた収納部4と、人体頭部を覆って装着するための頭部装着開口部16と、を形成する工程、及び、(c)収納部4に冷却媒体8を収納する工程、を備える。
このようにして、頭部装着開口部16の周囲の長さが約57〜約59cm、深さが約19cmであって、立体装着空間部を形成した冷却用具不織布構成部1cが製造される。
実施例31b
本実施例は、図11に示される頭部冷却用具の外観形状を備え、シート状表面部材2とシート状内面部材3は図15(B)に示されるような積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方は、積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成し、これらの構成するシート状素材構成が異なり、シート状表面部材2はシート状内面部材3よりも優れた断熱性能を有する。
シート状表面部材2は、(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(b)熱伝導断熱性シート状表面素材21aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(d)最内層に積層された厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25と、(e)綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aと布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bとの間に積層された厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25。なお、(d)のアルミ製金属薄膜25は(c)の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bの表面に蒸着形成された構成で供給され、(e)のアルミ製金属薄膜25は綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aの表面に蒸着形成した構成であり、前述の実施例31aにおけるシート状表面部材2と比べて、2か所にアルミ製金属薄膜25が構成されている点において、実施例31aの構成と異なる。
シート状内面部材3は前述の実施例31aにおけるシート状内面部材3と同じ複数種類の素材より構成される。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31c
本実施例は、シート状表面部材2とシート状内面部材3は図15(C)に示されるような積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3の双方は、積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成し、これらの構成するシート状素材構成が異なり、シート状表面部材2はシート状内面部材3よりも優れた断熱性能を有する。
シート状表面部材2は前述の実施例31aと同じ複数種類の素材より構成される。
シート状内面部材3は前述の実施例31aと比べてアルミ製金属薄膜35が構成されない素材により構成され、下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、(b)熱伝導断熱性シート状内面素材31aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31b。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31d
本実施例は、前述の本実施例31aにおいて、シート状表面部材2は図16(E)に示されるような積層されたプラスチック製フィルム層を含む複数種類の熱融着性不織布製シート状表面素材を構成し、シート状内面部材3は図16(C)の積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面素材を構成する。これらの構成するシート状素材構成が異なり、シート状表面部材2はシート状内面部材3よりも優れた断熱性能を有する。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(b)熱伝導断熱性シート状表面素材21aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(d)厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25と、(e)綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21aと布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bとの間に積層された厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25と、(f)ポリエステル製フィルム26にアルミ製蒸着薄膜25を付着形成したアルミ製蒸着薄膜付きポリエステル製フィルム26。なお、上記(d)のアルミ製金属薄膜25は(c)の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bの表面に蒸着形成された構成で供給され、(e)のアルミ製金属薄膜25は(b)の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bの表面に蒸着形成された構成で供給される。
シート状内面部材3は、前述の実施例31cと同じアルミ製金属薄膜35が構成されない素材により構成され、下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、(b)熱伝導断熱性シート状内面素材31aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31bと、(d)最内層に積層された厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜35。なお、(d)のアルミ製金属薄膜35は(c)の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31bに蒸着構成された形状で供給されて、構成される。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31e
本実施例は、前述の本実施例1aにおいて、シート状表面部材2は図16(C)に示されるような積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状表面素材を構成し、シート状内面部材3は図16(A)に示されるような単層の熱融着性不織布製シート状内面素材を構成する。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(b)熱伝導断熱性シート状表面素材21aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(d)厚さ約1μmのアルミ製金属薄膜25。なお、アルミ製金属薄膜25は布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bに蒸着構成された形状で供給されて、構成される。
シート状内面部材3は、(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表内素材31bを備える。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31f
本実施例は、前述の本実施例1aにおいて、シート状表面部材2とシート状内面部材3が複数種類のシート状表内面部材より構成されるが、アルミ製金属薄膜を構成しない構成である。その他の構成及び形状は、前述の本実施例1aと同じである。
すなわち、本実施例において、シート状表面部材2とシート状内面部材3は図16(B)に示されるような積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
シート状表面部材2とシート状内面部材3は互いに同じ積層された複数種類の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。
シート状表面部材2は下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bと、(b)熱伝導断熱性シート状表面素材21aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状表面素材21a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21b。
シート状内面部材3は下記の複数種類の素材より構成される。
(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリ内面素材31bと、(b)熱伝導断熱性シート状内面素材31aとしての厚さ約5mmの熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の綿状熱融着性不織布製シート状内面素材31a(嵩密度:約50g/平米)と、(c)前記(a)と同じ構成の布状熱融着性不織布製シート状内面素材31b。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31g
本実施例は、前述の本実施例1aにおいて、シート状表面部材2とシート状内面部材3が単層の熱融着性不織布製シート状表内面部材より構成される構成である。その他の構成及び形状は、前述の本実施例1aと同じである。
すなわち、本実施例において、シート状表面部材2とシート状内面部材3は図16(A)に示されるような単層の熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。シート状表面部材2とシート状内面部材3は互いに同じ熱融着性不織布製シート状内面(表面)素材を構成する。シート状表面部材2は(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリエチレン系短繊維とポリエステル短繊維との混合繊維製の布状熱融着性不織布製シート状表面素材21bから、構成される。シート状内面部材3は(a)厚さ約1.0mmのシート状の熱融着可能なポリ内面素材31bから構成される。
その他の構成及び形状は、前述の本実施例31aと同じである。
実施例31h
実施例11で調製した含水高分子ゲル密封冷却媒体8及び/又は複数個分割連結密封冷却媒体8を前述の実施例21a〜実施例28aで調製した頭部冷却用具のそれぞれの収納部に収納し、その冷却媒体を収納したそれぞれの頭部冷却用を人体頭部に装着して、装着後の経過時間毎において、冷却媒体8を収納している収納部の人体頭部に接触している側のシート状部材の温度を測定した。
すなわち、調製した密封冷却媒体8を、約−20℃の冷蔵冷凍庫で冷却し、冷却された密封冷却媒体8を取り出して、密封冷却媒体8の表面温度が−15℃になった時に、それらの密封冷却媒体8をそれぞれの頭部冷却用具の収納部4に収納して、室温約25℃のエアコン風の当たらない場所で、これらの頭部冷却用具を人体頭部に装着し、それぞれの収納されている密封冷却媒体8の位置する内面側のシート状部材の表面温度を経過時間毎に表面温度計(赤外線放射温度計ISK−8700II)で測定する。それぞれの経過時間毎に、複数の収納部表面の温度を測定し、その平均値を算出する。
それぞれの頭部冷却用具についての測定結果を表7に示す。
Figure 0003208980
[実施例31hの測定結果について]
実施例31a〜31gにおいて、それぞれの頭部冷却用具は、熱融着手段により容易に製造できる。さらに、15℃に達するまでの時間が155〜315分であり、快適装着時間は65〜225分を奏する優れた頭部冷却効果が得られる。
特に、下記の知見が得られる。
(a−1)実施例31a〜31gの熱融着性不織布製シート状表内面素材により構成されたそれぞれの頭部冷却用具は、熱融着手段により容易に製造できる。
(b−1)実施例31a〜31gの複数個に区分された収納部を構成したそれぞれの頭部冷却用具は、熱融着手段により容易に製造できるとともに、優れた頭部冷却効果を奏することが確認される。
(b−2)図11に示されるような(iii)額部から左耳部、後頭部、右耳部を経て額部に至る領域に分割された複数個の収納部を構成したそれぞれの頭部冷却用具」は、熱融着手段により容易に製造できることが確認された。
(c−1)実施例31a〜31gのようなシート状表面部材2及びシート状内面部材3の少なくとも一つが、(i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表内面素材21a、31a、(ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表内面素材21b、31b、(iii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表内面素材21a、31a、の片面又は両面に金属薄膜素材35、25を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート状表内面素材、及び、(iv)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表内面素材、21b、31bの片面又は両面に金属薄膜表素材25、35を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シート状表内面素材を構成したそれぞれの頭部冷却用具は、熱融着手段により容易に製造できる。
(c−2)実施例31a〜31eのように、シート状表内面部材2、3は、(i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表内面素材21a、31a、及び/又は(ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表内面素材21b、31bと、金属薄膜素材25、35を構成したそれぞれの頭部冷却用具は、熱融着手段により容易に製造できるとともに、優れた頭部冷却効果を奏する。
(c−3)実施例31a、31b、31cの比較において、シート状表面部材が金属薄膜素材25を有するとともにシート状内面部材が金属薄膜素材35を有する図15(A)の実施例31aにおける快適装着時間(142分)は、シート状表面部材が金属薄膜素材25を有するがシート状内面部材が金属薄膜素材を有しない図15(C)の実施例1cにおける快適装着時間(125分)よりも、永い快適装着時間を奏する。また、シート状表面部材が2層の金属薄膜素材25を有するとともにシート状内面部材が金属薄膜素材35を有する図15(B)の実施例31bにおける快適装着時間(150分)は、シート状表面部材が金属薄膜図15(B)素材25を有するとともにシート状内面部材が金属薄膜素材35を有する図15(A)の実施例31aにおける快適装着時間(142分)よりも、永い快適装着時間を奏する。すなわち、2層の金属薄膜素材25を有する図15(B)の実施例31bの頭部冷却用具が最も永い快適装着時間を奏する。
上記の実施例において使用する密封冷却媒体8は、冷却と使用を繰り返して使用することが可能である。また、湿布型冷却媒体8は、ガーゼに含浸する水(又は氷水)を交換して、冷却と使用を繰返して使用することができる。
上記実施例のそれぞれの頭部冷却用具1を、汎用の電気洗濯機を使用して、約10回を繰り返して洗濯しても、頭部冷却用具1を構成するシート状表面部材2及びシート状内面部材3の破損、劣化などは認めなれなく、繰り返し使用が可能である。
特に、金属製薄膜を構成した頭部冷却用具において、金属製薄膜の破損を懸念していたが、約10回の繰り返し洗濯においても、金属製薄膜の破損は認められなく、繰り返し洗濯使用に耐える頭部冷却用具1が得られる。
人体頭部に容易に装着可能で、装着した時に、頭部からの頭部冷却用具の脱落が防止されるとともに冷却媒体の脱落が防止される、等の快適装着感、頭部全体又は頭部の所望領域を快適に冷却する優れた快適冷却性能、快適冷却感装着感持続時間、快適冷却感装着感持続時間延長効果などを有し、冷却媒体の入れ替えによる繰り返し使用も可能であるとともに、容易に製造可能であり、安価に量産製造が可能であり、経済的に廉価に安価に提供可能な頭部冷却用具が得られる。
1 頭部冷却用具
11 上縁領域
11a シート状表面部材上縁領域
11b シート状内面部材上縁領域
12 下縁領域
12a シート状表面部材下縁領域
12b シート状内面部材下縁領域
14 シート状表内面部材周縁接合部
14a シート状表内面部材上周縁接合部
14b シート状表内面部材下周縁接合部
14c シート状表内面部材中央接合部
14L シート状表内面部材左周縁接合部
14R シート状表内面部材右周縁接合部
14P シート状表内面部材左右周縁接合部
14m シート状表内面部材折曲部
15 頭頂部開閉開口部
16 装着開口部
2 シート状表面部材(積層表面部材、複数種類の表面素材)
21 表面部材最表層(表面部材所望機能性素材、色彩的絵柄的装飾性素材)
22 表面部材中間層(断熱性素材、輻射断熱素材、熱伝導断熱素材、輻射熱伝導熱断熱素材)
22a 熱伝導断熱素材(断熱性不織布、発泡性樹脂、微細空洞孔形成繊維)
22b 金属膜輻射断熱素材(金属蒸着膜、金属箔、基材付金属薄膜素材)
22c 輻射熱伝導熱断熱素材
23 表面部材最裏層(表面部材冷却媒体保持素材、表面素材メッシュ状貫通孔布素材)
2a 表面部材開口部(表面部材二重開口縁部)
2b 表面部材開口部連結部材
25 熱融着可能不織布製素材
25a 断熱性熱融着可能不織布製素材
25b シート状熱融着可能不織布製素材
25c 輻射熱伝導熱断熱素材
26 熱融着可能プラスチック製フィルム
3 シート状内面部材(内面部材通気性素材、貫通孔通気性素材、内面部材柔軟性素材、冷却媒体保持素材 内面部材メッシュ状貫通孔布素材)
3a 内面部材開口部(内面部材二重開口縁部)
3b 内面部材開口部連結部材
31 内面部材最表層(内面部材所望機能性素材、色彩的絵柄的装飾性素材)
32 内面部材中間層(断熱性素材、輻射断熱素材、熱伝導断熱素材、輻射熱伝導熱断熱素材)
32a 熱伝導断熱素材(断熱性不織布、発泡性樹脂、微細空洞孔形成繊維)
32b 金属膜輻射断熱素材(金属蒸着膜、金属箔、基材付金属薄膜素材)
32c 輻射熱伝導熱断熱素材(金属蒸着膜、金属箔材)
33 内面部材最裏層(内面部材冷却媒体保持素材、内面素材メッシュ状貫通孔布素材)
35 熱融着可能不織布製素材
35a 断熱性熱融着可能不織布製素材
35b シート状熱融着可能不織布製素材
35c 輻射熱伝導熱断熱素材
36 熱融着可能プラスチック製フィルム
4 収納部 複数個の収納部
4a 収納開口部
4e 収納下縁接合部
4f 収納分離接合部
41 複数個の収納部、中央収納部
41a 中央収納部開口部
411 額収納部
411a 額収納部開口部
412 頭頂収納部
412a 頭頂収納部開口部
413 後頭収納部
413a 後頭収納部開口部
42 複数個の収納部、左側頭収納部
42a 左側頭収納部開口部
421 左前側頭収納部
421a 左前側頭収納部開口部
422 左後側頭収納部
422a 左後側頭収納部開口部
43 複数個の収納部、右側頭収納部
43a 右側頭収納部開口部
431 右前側頭収納部
431a 右前側頭収納部開口部
432 右後側頭収納部
432a 右後側頭収納部開口部
44 複数個の収納部
45 複数個の収納部
46 複数個の収納部
5 装着脱落防止部材
5a 装着脱落防止部材用係止部材
7 シート状頭部保護部材(伸縮性素材、ニット素材、綿素材)
8 冷却媒体(密封冷却媒体、粘性媒体、複数個分割連結密封冷却媒体)
8a 第一分割冷却媒体
8b 第二分割冷却媒体
8c 第三分割冷却媒体
9 頭頂部開閉部材(紐部材)
91 頭頂部開閉部材設置部

Claims (24)

  1. 柔軟性を有するシート状部材(2,3)により形成され、人体頭部を覆って装着可能な頭部装着開口部(16)と立体装着空間部を有し、該頭部の所望の領域を冷却可能な冷却媒体(8)と該冷却媒体を収納する収納部(4)とを備えた頭部冷却用具(1)であって、
    前記頭部装着開口部(16)は前記シート状部材(2、3)の下縁領域に囲まれて開口形状で形成され、
    前記シート状部材(2,3)は、頭部に装着された時に該頭部に接触する内面側に位置するシート状内面部材(3)と、外表面側に位置するシート状表面部材(2)と、を有し、
    前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と、前記シート状表面部材(2)と、により形成され、
    前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなることを特徴とする頭部冷却用具。
  2. 前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と、前記シート状表面部材(2)とにより形成されるとともに、複数個に区分された複数個の収納部(4)を有し、
    前記冷却媒体(8)は前記複数個の収納部(4)のうちの所望の収納部に収納され、
    人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の頭部冷却用具。
  3. 前記複数個の収納部(4)は、人体頭部に装着された時に、
    (i)左耳部から頭頂部を経て右耳部に至る領域に分割された複数個の収納部、
    (ii)額部から頭頂部を経て後頭部に至る領域に分割された複数個の収納部、及び、
    (iii)額部から左耳部、後頭部、右耳部を経て額部に至る領域に分割された複数個の 収納部、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の頭部冷却用具。
  4. 前記複数個の収納部(4)は、
    (i)(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部と、
    (B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部、及び、
    (C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部、
    を備えた複数個の収納部、
    (ii)(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う前記中央収納部 、ここで、前記中央収納部は額収納部と頭頂収納部と後頭収納部とを有す る、
    (B)人体の左側頭部を覆う前記左側頭収納部、及び、
    (C)人体の右側頭部を覆う前記右側頭収納部、
    を備えた複数個の収納部、及び、
    (iii)(A)人体の額部から頭頂部を経て後頭部までを連続して覆う中央収納部、
    ここで、前記中央収納部は前記額部から前記後頭部に至る方向に分割され た複数個の中央収納部を有する、
    (B)人体の左側頭部を覆う左側頭収納部、ここで、前記左側頭収納部は左前側 頭部から左後頭部に至る方向に分割された複数個の左側頭収納部を有する 、及び、
    (C)人体の右側頭部を覆う右側頭収納部、ここで、前記右側頭収納部は右前側 頭部から右後頭部に至る方向に分割された複数個の右頭収納部を有する、
    を備えた複数個の収納部、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの複数個の収納部を備え、
    これらの複数個の収納部は、互いに隣り合って形成され、一体に形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の頭部冷却用具。
  5. 前記収納部(4)は、(i)人体頭部に装着した時に該頭部に接触する内面側、又は、(ii)人体頭部に装着した時の外表面側、のいずれかであって、該収納部の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部(4a)を有し、
    前記冷却媒体(8)が前記収納開口部(4a)を通って前記収納部(4)に出し入れ自在に収納されてなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  6. 前記柔軟性を有するシート状部材(2,3)により形成された略筒状形態を有し、
    略筒状形態の前記シート状部材の前記下縁領域に囲まれて、人体頭部に装着可能な前記頭部装着開口部(16)が形成され、
    略筒状形態の前記シート状部材(2,3)の上縁領域に囲まれて、該上縁領域を開閉自在な頭頂部開閉開口部(15)が形成され、
    前記頭頂部開閉開口部(15)を閉じる機能と開く機能を有する開閉自在な頭頂部開閉部材(9)が前記上縁領域に設置され、
    前記収納部(4)は、略筒状の前記シート状内面部材(3)と、略筒状の前記シート状表面部材(2)と、前記シート状内面部材(3)と前記シート状表面部材(2)との前記下縁領域が互いに接合された収納下縁接合部と、により囲まれて形成され、
    前記収納部(4)は、該収納部(4)の少なくとも一つの方向に形成された開口形態の収納開口部(4a)を有し、
    前記頭頂部開閉部材(9)が開かれて前記頭頂部開閉開口部(15)が開口された状態で、前記冷却媒体(8)が前記収納開口部(4a)を通って前記収納部に出し入れ自在に収納され、
    前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納された状態で、前記頭頂部開閉部材(9)が閉じられることにより、頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態となるとともに前記収納開口部(4a)も閉じられた形態となり、これにより、前記装着開口部(16)を通って人体頭部に装着された時に、人体頭部の頭頂部を覆うことが可能な略半円球状立体形状に形成される、構成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の頭部冷却用具。
  7. 前記頭頂部開閉部材(9)は、
    (i)紐部材、ここで、該紐部材は、前記上縁領域を互いに重ね合せる状態で前記紐部材 が短く絞られることにより前記頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態となり 、前記紐部材の絞りが解かれて元の長さになることにより前記頭頂部開閉開口部( 15)が開口された形態となる機能を奏する、
    (ii)少なくとも一対の面ファスナー部材、ここで、該一対の面ファスナー部材は、前 記上縁領域を互いに重ね合せる状態で前記一対の面ファスナー材が互いに閉じられ ることにより前記頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態となり、前記一対の 面ファスナー材が解放されることにより前記頭頂部開閉開口部(15)が開口され た形態となる機能を奏する、
    (iii)ボタン部材、ここで、該ボタン部材は、前記上縁領域を互いに重ね合せる状態 で前記ボタン部材が互いに閉じられることにより前記頭頂部開閉開口部(15)が 閉じられた形態となり、前記ボタン部材が解放されることにより前記頭頂部開閉開 口部(15)が開口された形態となる機能を奏する、及び、
    (iv)ファスナー部材、ここで、該ファスナー部材は、前記上縁領域を互いに重ね合せ る状態で前記一対の面ファスナー材が互いに閉じられることにより前記頭頂部開閉 開口部(15)が閉じられた形態となり、前記一対の面ファスナー材が解放される ことにより前記頭頂部開閉開口部(15)が開口された形態となる機能を奏する、
    のうちの少なくとも一つの開閉部材であることを特徴とする請求項6に記載の頭部冷却用具。
  8. 前記収納開口部(4a)は、前記収納部(4)の前記頭頂部開閉開口部(15)の側に開口する形態で形成されるとともに、(i)前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)の双方の上縁領域の端部に形成された形状、又は、(ii)シート状表面部材(2)の上縁領域の内側に形成された形状、に形成されてなり、
    前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納された状態で、前記頭頂部開閉部材(9)が閉じられた場合に、前記頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態となるとともに前記収納開口部(4a)も閉じられた形態となることを特徴とする請求項6または7に記載の頭部冷却用具。
  9. 前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と前記シート状表面部材(2)の接合により互いに分離された複数個の収納部(4)を有し、
    (i)前記複数個の収納部(4)はそれぞれの収納部の前記頭頂部開閉開口部(15)の 側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部(4a)を有し、
    前記冷却媒体(8)は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部(4)にそれぞれ の収納開口部を通して収納及び取出し可能に収納され、
    前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納された状態で、前記頭頂部開閉部材 (15)が閉じられた場合に、前記頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態と なるとともに前記収納開口部(4a)も閉じられた形態となり、
    人体頭部に装着された時に該頭部の所望の領域を冷却可能に構成される、
    又は、
    (ii)前記複数個の収納部(4)は、前記上縁領域と前記下縁領域とを結ぶ領域に形成 された複数の収納分離接合部により互いに分離され、
    前記複数個の収納部(4)はそれぞれの収納部の前記頭頂部開閉開口部(15)の 側に形成された開口を有するそれぞれの収納開口部を有し、
    前記冷却媒体(8)は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部(4)にそれぞれ の収納開口部(4a)を通して収納及び取出し可能に収納され、
    前記冷却媒体(8)が前記収納部(4)に収納された状態で、前記頭頂部開閉部材 (15)が閉じられた場合に、前記頭頂部開閉開口部(15)が閉じられた形態と なるとともに前記収納開口部(4a)も閉じられた形態となり、
    人体頭部に装着された時に、人体頭部の周囲方向に、前記複数の収納分離接合部が 屈曲可能に形成されるとともに、頭部の所望の領域を冷却可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  10. 前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、積層された複数種類の素材より構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  11. 前記シート状表面部材(2)及び/又は前記シート状内面部材(3)は積層された複数種類の表面素材より構成された積層表面部材であり、
    前記シート状表面部材(2)及び/又は前記シート状内面部材(3)は、最表層に、所望の機能を奏する所望機能性素材を構成し、
    前記所望機能性素材は、
    (i)色彩的絵柄的装飾性素材、
    (ii)良感触性素材、
    (iii)良撥水性素材、
    (iv)良断熱性素材、
    (v)良機械的強度性素材、
    (vi)柔軟性素材、
    (vii)良抗菌性素材、
    (viii)良汚染耐性素材、
    (ix)良洗濯劣化耐性素材、
    (x)軽量性素材、
    (xi)通気性素材、及び、
    (xii)熱融着接合可能性素材、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの素材である、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  12. 前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2、3)は、少なくとも、表裏方向において断熱性能を有する断熱性素材を構成してなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  13. 前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)のうちの少なくとも一つのシート状部材(2,3)は、少なくとも、
    (i)柔軟性を有する綿状断熱性不織布素材と、
    (ii)柔軟性を有する柔軟性発泡プラスチック素材と、
    (iii)微細空洞孔形成繊維製素材と、
    のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能を奏する熱伝導断熱素材、
    及び、
    (iv)金属箔素材と、
    (v)金属蒸着により形成された金属薄膜素材と、
    (vi)基材に金属薄膜を付着形成した基材付金属薄膜素材と、
    のうちの少なくとも一つの輻射により熱を遮断する機能を奏する金属膜輻射断熱素 材、
    及び、
    (vii)綿状断熱性不織布に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付断熱性不織布素材と、
    (viii)フェルト基材又はニードルパンチ基材に金属薄膜を付着形成した金属薄膜付 断熱性不織布素材と、
    (ix)柔軟性発泡プラスチックに金属薄膜を付着形成した金属薄膜付柔軟性発泡プラス チック素材と、
    のうちの少なくとも一つの熱伝導を抑制する機能と輻射により熱を遮断する機能 との双方の機能を奏する輻射熱伝導熱断熱素材、
    及び、
    (x)約0.3mm厚以上のフェルト材と、
    (xi)約0.3mm厚以上のニードルパンチ材と、
    (xii)約0.3mm厚以上の起毛製布材と、
    (xiii)約0.3mm厚以上の肉厚織布材と、
    のうちの少なくとも一つの約0.3mm厚以上の保冷性布素材、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの断熱性素材を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  14. 前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)は、互い異なる断熱性能を有する断熱性素材を構成することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  15. 前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)は、互い異なる断熱性構成を有し、
    (i)前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)とのうちの快適な装着 感が得られる側を人体頭部に接触して人体頭部に装着し、その後、
    (ii)装着後の所定の時間の経過後に、前記冷却媒体の冷却温度が昇温した時に、裏返 して、前記シート状表面部材(2)と前記シート状内面部材(3)とが逆になる側 を人体頭部に接触して人体頭部に装着する、
    ことが可能な構成を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  16. 前記シート状内面部材(3)は、
    (i)表裏方向において、前記シート状表面部材(2)より高い通気性能を有する通気 性素材、又は
    (ii)メッシュ状貫通孔、ネット状貫通孔、網目状貫通孔、及び、微小貫通孔からな る群から選ばれる少なくとも一つの貫通孔を有する貫通孔形成素材、
    を構成し、
    これにより、人体頭部に装着された時に、前記収納部に収納された前記冷却媒体に起因する冷気を人体頭部側に伝わりやすくする機能を奏することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  17. 前記シート状内面部材(3)は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状内面素材(3)を含有構成し、
    前記シート状表面部材(2)は、少なくとも、不織布により形成された不織布製シート状表面素材(2)を含有構成してなる、
    ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  18. 前記不織布製シート状内面素材(3)は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状内面素材(31)から構成され、
    前記不織布製シート状表面素材(2)は、少なくとも、加熱により溶融して融着可能な不織布により形成された熱融着性不織布製シート状表面素材(21)から構成され、
    前記シート状表内面部材接合部(14)は、前記熱融着性不織布製シート状内面素材(31)と前記熱融着性不織布製シート状表面素材(21)との互いの熱融着により接合形成されたシート状表内面部材熱融着接合部(14)であり、
    前記収納部(4)は、前記熱融着性不織布製シート状内面素材(31)と、前記熱融着性不織布製シート状表面素材(21)と、前記シート状表内面部材熱融着接合部(14)と、により囲まれて所定形状に形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項17に記載の頭部冷却用具。
  19. 前記シート状内面部材(3)は、
    (i)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材(31a)、
    (ii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状内面素材(31b)、
    (iii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状内面素材(31a)の片面又 は両面に金属薄膜素材(35)を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート 状内面素材、及び、
    (iv)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状内面素材(31b)の片面又は 両面に金属薄膜素材(35)を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シート状 内面素材、
    のうちの少なくとも一つを構成し、
    前記シート状表面部材(2)は、
    (v)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材(21a)、
    (vi)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表面素材(21b)、
    (vii)綿状形態を有する綿状熱融着性不織布製シート状表面素材(21a)の片面又 は両面に金属薄膜素材(25)を形成した金属薄膜付綿状熱融着性不織布製シート 状表面素材、及び、
    (viii)布状形態を有する布状熱融着性不織布製シート状表面素材(21b)の片面 又は両面に金属薄膜素材(25)を形成した金属薄膜付布状熱融着性不織布製シー ト状表面素材、
    のうちの少なくとも一つを構成し、
    前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と前記シート状表面部材(2)との互いの熱融着により所定の形状に接合されて形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の頭部冷却用具。
  20. 前記シート状内面部材(3)及び前記シート状表面部材(2)のうちの少なくとも一つは、熱融着可能なプラスチック製フィルム素材(26、36)または金属蒸着薄膜付きプラスチック製フィルム素材(26、36)をさらに構成してなり、
    熱融着可能な不織布により形成された前記熱融着性不織布製シート状素材(21、31)と前記プラスチック製フィルム素材(26、36)とが積層して構成されなり、
    前記収納部(4)は、前記シート状内面部材(3)と前記シート状表面部材(2)を構成する全ての素材の熱融着により所定の形状に接合されて形成されてなる、
    ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  21. さらに、前記収納部(4)の下側縁に設置された装着脱落防止部材(5)を備え、
    前記装着脱落防止部材(5)は、
    (i)前記収納部の下側縁の全周囲に設置された伸縮性部材、
    (ii)前記収納部の下側縁の全周囲に設置された係止・解放自在な紐部材、
    (iii)前記収納部の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止自在な伸縮 性部材、及び、
    (iv)前記収納部の下側縁の両側頭部に設置された人体顎を通って係止・解放自在な 紐部材、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、
    前記装着脱落防止部材(5)は人体頭部からの脱落を防止する機能を奏することを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  22. 前記冷却媒体(8)は、冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された密封冷却媒体の形態で構成され、
    前記密封冷却媒体は、(a)冷却、(b)収納部に収納、(c)頭部に装着使用、及び、(d)収納部から取出、を繰返した繰返使用が可能である性質を有し、
    前記密封冷却媒体が冷却された状態で、前記それぞれの収納部に収納されて使用可能に構成されてなる、
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  23. 前記冷却媒体(8)は、(a)冷却と昇温の繰返し使用が可能な冷媒が密封容器に充填された繰返型密封冷却媒体、の形態で構成され、
    前記繰返型密封冷却媒体は、
    (i)複数個に分割されるとともに互いに連結された複数個分割連結密封冷却媒体の形 態を有し、それらの複数個分割連結密封冷却媒体は屈曲自在に連結されてなる、
    及び/又は、
    (ii)前記繰返型密封冷却媒体は、複数個に分割されることなく、一つの密封冷却媒 体の形態の単一密封冷却媒体の形態を有する、の形態を備え、
    前記収納部が異なる広さ面積を有する複数個に区分された収納部を構成する場合に、
    (i)広い面積を有する収納部に前記複数個分割連結密封冷却媒体を収納し、
    (ii)狭い面積を有する収納部に前記単一密封冷却媒体を収納し、
    これらの冷却媒体は前記複数個の収納部のうちの所望の収納部に収納及び取出し可能に収納され、
    これにより、人体頭部に装着された時に、該頭部の形状に一致して前記複数個分割連結密封冷却媒体が屈曲した状態で装着される、
    ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の頭部冷却用具。
  24. 前記冷却媒体(8)は、
    (b)外部衝撃により低温状態に変化する冷媒が密封容器に充填された反応型密封冷却媒体、
    (c−i)小片状の氷材を袋状容器に充填した氷含有冷却材、
    (c−ii)低温水を布に含浸した低温水含浸布材又は水を含浸した布を低温に冷却し た低温水含浸布材、
    (c−iii)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却媒体 を布に含浸した低温水アルコール混合液含浸布材、又は、水と低級アルコー ルを含有する水アルコール混合液を含浸した布を低温に冷却した低温水アル コール混合液含浸布材、
    及び、
    (c−iv)水と低級アルコールを含有する水アルコール混合液を冷却した冷却混合液 と小片状の氷材を袋状容器に充填した氷アルコール水含有冷却材、
    からなる群から選ばれる少なくとも一つの湿布型冷却媒体を含有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の頭部冷却用具。
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