JP2000158577A - 2層構造の布、および衣服 - Google Patents

2層構造の布、および衣服

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JP2000158577A JP11265830A JP26583099A JP2000158577A JP 2000158577 A JP2000158577 A JP 2000158577A JP 11265830 A JP11265830 A JP 11265830A JP 26583099 A JP26583099 A JP 26583099A JP 2000158577 A JP2000158577 A JP 2000158577A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発汗量が多い場合にも、通気性を損なうこと
なく効率良く汗を蒸発させる機能を持ち、且つ、衣服と
皮膚との間に空気層が形成できる素材(布)、および快
適な衣服を提供する。 【解決手段】 疎水性素材の撚糸で織成した網体よりな
る第1の層10と、吸水性繊維で織成する織物素材より
なる第2の層20よりなり、第1の層10と第2の層2
0は所定の間隔(結合間隔を30mm以下)で結合12
されている。第1の層10の層厚は少なくとも1.0m
mを有し、第2の層20の一面に空気層を形成して通気
性を確保すると共に、撚糸を通じて汗等の水分を第2の
層20に導水、効率良く蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸湿効率、および
乾燥効率のよい布、および衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発汗が多いとシャツが吸い込んだ
汗は蒸発しきれないでシャツを濡らし、皮膚に張り付い
て不快感を与える。化学繊維の発達に伴って、素材およ
び形状が急速に改善された現在でも、炎天下を歩いた
り、運動した後の汗で濡れたシャツが及ぼす不快、悪影
響に悩まされている人々は多い。
【0003】すなわち、人体から発汗する汗は、人体を
包んでいる衣服に吸収される、あるいは空気中に蒸発す
る。水分の蒸発は、気温、湿度、空気の流れによって蒸
発量が変化するが、夏季の高温多湿時に運動した場合、
発汗量が蒸発量を上回る。このような状態では、シャツ
等の衣服は濡れたままとなり、濡れたシャツは皮膚に密
着して不快感を与えると共に、皮膚と衣服との間の空気
層がなくなって通気性が失われ、一層汗の蒸発量が減少
してしまうという不都合が発生した。
【0004】さらに、濡れたシャツは依然として蒸発を
続けるので、蒸発による潜熱でシャツは温度を下げる。
皮膚に濡れた衣服が貼り付いている状態では、空気層が
ないので密着している皮膚から直接熱を奪う。人間の皮
膚は、発汗作用によって、温度上昇を抑える機能は持っ
ているが、温度低下を抑える機能を有していない。従っ
て、人体の急冷により自律神経に失調をもたらし、風邪
を引いたり、喘息の発作、冷房病と呼ばれる疾患等を引
き起こしたりする。
【0005】従来より皮膚に直接接触する衣服の殆ど
は、皮膚から汗を吸い取り、蒸発させる目的で、良質の
木綿を素材として用いている。木綿繊維は中空で、極め
て優れた吸水、通気性能を持つ繊維である。この木綿繊
維を網目状に織った布地を用いて、通気性の向上を図っ
たシャツもあるが、発汗が少ないうちは通気性が豊富で
快適なシャツといえるが、発汗量が蒸発量を上回るとシ
ャツは濡れて皮膚に密着してしまう。このようになる
と、結局は皮膚との間に空気層がなくなり、蒸発の潜熱
で皮膚が冷やされることによる、自律神経に失調をもた
らした。
【0006】最近、木綿繊維を上回る蒸発特性を得る目
的で、中空の化学繊維を多孔質としたり、裂け目を設け
たりして、疎水性の繊維を親水化した化学繊維が開発さ
れ、スポーツシャツや布団綿の素材として使われてい
る。また、疎水性と吸水性の2種類の繊維を用いて、表
層を吸水性素材により拡散層とし、内層を疎水性素材に
より導水層とした2層構造、あるいは、3層構造(拡散
層、中間層、導水層)として一体織物を形成し、蒸発効
率を向上させた材料も開発されている。これらはいずれ
も、蒸発特性は改善されているが、発汗量が蒸発量を上
回ると結局衣服は濡れて皮膚に密着して通気性がなくっ
てしまう不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、発汗量が多い場合にも、通気性を損なうことなく
効率良く汗を蒸発させる機能を持ち、且つ、衣服と皮膚
との間に空気層が形成できる素材(布)、および濡れて
も皮膚に密着しない快適な衣服を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の疎水性素材より
なる第1の層と、吸水性素材よりなる第2の層よりなる
布は、第1の層を疎水性繊維の撚糸で織成した網体で構
成し、第2の層を吸水性繊維で織成する織物で構成する
と共に、第1の層と第2の層は所定の間隔で結合(縫合
・接着・織成等の手段による結合)する構成を具備す
る。
【0009】また、疎水性繊維の撚糸よりなる第1の層
は、吸水性素材よりなる第2の層に所定間隔に固着され
る構成を有する。さらに、第1の層の層厚は1.0mm
以上を有し、第2の層の一面に空気層を形成するととも
に、第1の層と第2の層の結合間隔を30mm以下とし
て、第1の層と第2の層は結合間隔間でそれぞれが自由
に移動できる構成を有する。さらに、本発明の疎水性素
材よりなる第1の層と、吸水性素材よりなる第2の層を
有する布は、第1の層を疎水性素材よりなる不織布をエ
ンボス加工により凹凸面を形成した構成を備えている。
上記2層構造の布で形成する衣服は、第1の層を人体に
対向する面に配置する。また、第1の層の層厚を1.0
mm以上とすることにより、人体と第2の層との間に少
なくとも1.0mmの空気の層を形成することにより、
皮膚との間に空気層を常に確保し、皮膚の急冷却を防止
している。さらに、多量の発汗に対しては、衣服の裾部
分に吸水手段を取外し自在に配設して余分な汗を吸収さ
せる構成としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の2層構造の布、および本
発明の素材により形成する衣服を図面により説明する。 〈実施の形態1〉図1は本発明に係る2層構造の布の斜
視図、図2はその断面図、図3は作用説明図、図4は拡
大説明図である。布1は、疎水性素材よりなる第1の層
10と、吸水性素材よりなる織物で形成される第2の層
20よりなる。
【0011】この実施の形態では第1の層10の素材は
ナイロン素材、第2の層20は木綿繊維の織物を用いた
例を示す。第1の層10はナイロン糸を撚って、撚糸の
径寸法aを略1.0〜2.0mmとしたナイロン撚糸1
1を用い、ほぼ6角形状を有する網目を連結する網体で
構成される。ナイロン撚糸11は吸水性がなく、撥水加
工等も施されていない。この実施例における第1の層1
0の網目のサイズbは略5.0〜6.5mmとしてお
り、全体の67%が空気層となっている。第2の層20
は木綿繊維を用いた織布よりなりその厚さ寸法cはほぼ
1〜2mm程度としている。布1は第1の層10と第2
の層20を重ねて、ほぼ間隔d=30mm以下で第1の
層10と第2の層20を縫合、編み込み、接着等の手段
により連結部12を形成し、一体化させている。この実
施の形態においては、連結部12は間隔dを設けて平行
する直線形状に設けているが、連結部を縦横に形成して
格子形状とすることもできる。さらに、2層構造の織物
として、第1の層のナイロン糸を第2の層の木綿糸とと
もに織り込んで、形成することもできる。
【0012】このように構成される布1は、第1の層1
0と第2の層20の連結部12間では間隙(空気層)3
0が形成され、各層がそれぞれ自由に移動可能となって
いる。
【0013】布1の作用を図3により説明する。布1の
第1の層10を皮膚50に接触する面とし、第2の層2
0を外気に面して配置したとき、皮膚50から発汗する
汗等の水分60は、皮膚50に接触する第1の層10の
ナイロン撚糸11の毛細管現象に導かれて吸水性を有す
る第2の層20方向に運ばれる(ウイック効果とい
う)。この水分は吸水性を有する第2の層20に吸収さ
れて、外気中に蒸発する。
【0014】また、図4に示すように、第1の層10、
第2の層20は着用者の動きに合わせて、矢印xで示す
ように、連結部12を中心として移動する。第1の層1
0と第2の層20との間隙30に蒸発した水分は、この
第1の層10、第2の層20の動きにより間隙30内の
空気と共に、矢印yに示すように、第1の層10の網目
を通して移動する。この空気の移動により皮膚50と布
1間にある空気、および第1の層10と第2の層20間
の間隙30にある空気は、ポンプ作用により移動が促進
され、蒸発効率を向上する。
【0015】このように、布1は第1の層10のナイロ
ン糸のウイック効果、および第1の層10、第2の層2
0の移動による空気のポンプ作用により皮膚50と布1
との間にある水分の蒸発を促進させる。
【0016】さらに、第2の層20は少なくとも第1の
層10の厚さ1.0〜2.0mmの空気層を介してお
り、第2の層20に吸水された水分が蒸発する段階で潜
熱を奪い第2の層20は温度を下げるが、第1の層10
は第2の層20とは点接触となり、第1の層10の撚糸
11を伝わって皮膚を冷す熱量は少なく、むしろ第1の
層10で構成される空気層(間隙30)を冷却し、間接
的に皮膚を冷却する。このように、この布1で皮膚50
を直接被覆すると、皮膚と布1との間に存在する空気層
は乾燥、冷却が達成した快適な状態となる。
【0017】次に、本発明の布を用いて構成する衣服の
実施例を、図5により説明する。 実施例1 図5は、本発明の布1でシャツを構成した例であって、
シャツの平面図を示す。シャツ100は第1の層110
と第2の層120よりなる布を第1の層110を内側、
第2の層120を外側となるようにして裁断縫合して、
衿ぐり105、袖ぐり107を設けた人体被覆機構を備
えた形状のシャツとなっている。第1の層110は所定
の間隔で第2の層120に縫合等の手段により連結され
ている。内側の第1の層110の下端には吸水ベルト1
50が取り外し可能に接続されている。吸水ベルト15
0は不織布に水分吸水剤(例えば超吸水ポリマ−等)を
含浸させた素材よりなる。第1の層110はナイロン撚
糸で網目状に織られ、網目は対辺距離が6.5mmの6
角形で開孔率は67%程度、厚さは1.5mm程度であ
る。第2の層120は木綿糸で織成された木綿織物であ
る。
【0018】シャツ100を着用したとき、皮膚に対向
する第1の層110は吸水性を有さないが、撚糸となっ
ているので、撚糸の毛細管現象で、ランプの芯材と同じ
作用(ウイック効果)を実行し、皮膚上の汗を第2の層
120に導く導水機能を持っている。さらに、第1の層
110を網目状としているので、皮膚との接触面積を減
らして、第2の層120から網目繊維(第1の層11
0)を伝わって皮膚への熱伝導を避けることができる。
さらに、汗でシャツが完全に濡れて皮膚に密着した状態
となっても、第1の層110が形成する空間は埋まるこ
とがなく、第2の層120との間には第1の層110の
厚み分の空気層が確保できる。また、第2の層120
は、一般のシャツと同じ木綿などの吸水性と蒸発性を有
する織物である。
【0019】そこで、肌の汗は第1の層110の毛細管
現象によって吸い取られ、第2の層120に吸水されて
蒸発する。蒸発による潜熱は、第2の層120の温度を
下げるが、肌に接触する第1の層110は網目状の布地
なので、撚糸の水分を伝わって皮膚を冷やす熱量は少な
く、第1の層110に包まれる間隙(空気層)115を
冷却し、間接的に皮膚を冷却する。また、シャツ100
は着用者の動きに合わせて動く。この動きによりシャツ
100の第1の層110と第2の層120は連結部分を
中心として移動してポンプ作用が行われ、通気性能が向
上する。従って、着用により、通気性が促進され快適さ
が維持できると共に、皮膚が急冷されないので、自律神
経に変調を与えることはない。
【0020】さらに発汗量が増えた場合、第2の層12
0は汗を吸収しきれなくなり、シャツは濡れて肌に密着
するが、第1の層110の空気層は確保されている。ま
た、余剰の汗は吸水性を有さない第1の層110を伝わ
って移動し、吸水ベルト150に吸収される。吸水ベル
ト150は、吸水性能が高い素材で作られているので、
第1の層110を伝わって垂れてきた水分を吸収してそ
のまま保持する。吸水ベルト150は取り外しが可能で
あって、濡れて不快な場合は交換ができる。あるいは不
要な場合は、取付けないこともできる。勿論、取り付け
た状態でシャツと一緒に洗濯、乾燥させることもでき
る。なお、吸水ベルト150は吸水繊維(多孔質中空繊
維)を用いた布帛としてもよい。この場合は、布帛のコ
ストが安いので使い捨てとすることができる。
【0021】本発明によるシャツは、汗を蒸発させる第
2の層(表地)120と、皮膚から汗を吸い取る第1の
層(裏地)110の2層構造となっており、裏地は網目
織りとなっているので皮膚との間に人体を包む空気層が
確保され、この空気層を通して間接的に皮膚が冷却され
る。従って、皮膚を急冷することがなく、自律神経の失
調をもたらすことがない。
【0022】この実施例では、第2の層(表地)と第1
の層(裏地)を同一形状に裁断して縫合する例を示した
が、第1の層(裏地)を全面に配さず、胸の部分等最適
な場所に限定して配設する構成としても、ある程度の効
果が得られる。
【0023】ここで、布の種類を変えてシャツを形成
し、着用実験を実施した。その結果(考察)を下記に示
す。 1)布の種類……木綿布地 中空断面構造を持ち吸水性、通気性に富んでいる木綿布
地で構成するシャツは、吸水性と蒸発性に富み、通常の
状態では皮膚の汗(水分)を吸収して蒸発させ、蒸発の
潜熱がシャツから熱を奪ってシャツを冷却し、皮膚との
間に存在する空気層が冷却されて、快適である。しか
し、発汗量が増えて、シャツからの蒸発量を上回ると、
シャツは濡れた状態となり通気性を失うとともに、吸水
性(親水性)を持っているので皮膚に密着して空気層を
失い、さらに蒸発量が減るので、濡れがひどくなった。
濡れたシャツが皮膚に密着した状態では、冷えた室内な
どに入ると、蒸発の潜熱でシャツが冷却される。空気層
がなくなっているので、冷却熱が濡れた汗を伝導して皮
膚を急に冷却し、自律神経の失調を引き起こした。
【0024】2)布の種類……網目生地 木綿の撚糸を編んで網目状とし、通気性を持たせた布に
よるシャツは、通常の状態では、一般的な木綿のシャツ
と同じで快適性に富んでいる。発汗量が蒸発量を上回っ
ても網目状なので通気性を失うことはない。汗を蒸発さ
せる能力の点では有利であるが、着用試験の結果、発汗
量が増えた場合には、冷えた室内などに入った時、通常
の織り方の綿のシャツより悪い影響を与える場合があっ
た。これは、皮膚に溜まった汗が網目の開孔部を通って
皮膚から直接蒸発するので、蒸発の潜熱が皮膚を直接冷
却していることが判った。
【0025】3)布の種類……吸水性を持たない化学繊
維 吸水性を持たない化学繊維(ナイロンなど)の布で構成
するシャツは、木綿のシャツと異なり皮膚の汗を吸収し
ないので、通気性にも富み、通常の状態では快適なシャ
ツと云える。しかし、発汗量が多くなると皮膚の表面に
溜まった汗が、繊維撚糸毛細管現象に引かれて吸水し、
シャツは皮膚に張り付いて空気層を失い、上記のシャツ
類と同じ結果となってしまった。
【0026】4)布の種類……衣料用機能繊維 疎水性の繊維を親水化させて、木綿繊維を上回る蒸発特
性を持たせた繊維による布を用いたシャツも、発汗量が
蒸発限度以上に多くなった場合は、木綿繊維と同じ作用
となった。
【0027】5)布の種類……衣料用機能繊維 2種類の繊維を一体織物として、表層を拡散層に、内層
を導水層にした材料で、内層が皮膚の汗を外層に導き、
外層が拡散層として働く布によるシャツは、蒸発特性は
改善されているが、発汗量が蒸発量を上回るとシャツは
濡れて皮膚に密着するので、空気層がなくなり、蒸発の
潜熱が皮膚から直接熱を奪って、人体の自律神経に失調
をもたらすことになった。
【0028】6)布の種類……本発明による2層構造の
布 シャツが汗で濡れることが少なくなり、仮に、シャツが
汗で濡れて皮膚に密着したときも第2の層と皮膚との間
には空気層が確保されているので、汗をかいた後、冷房
された場所に入っても皮膚が急冷されなかった。その結
果、咳や喘息の発作は出なかった。
【0029】以上、この実施の形態では2層構造の布と
して、第1の層と第2の層を所定の間隔で結合した例を
説明したが、図6に示すように、木綿織物200の一面
にナイロンの撚糸210を縫合、接着等の手段により所
定間隔に取り付ける構成の布も第2の層の一面に空気層
を形成できる。この場合も、ナイロン撚糸210の太さ
寸法を1.5mm〜2.0mmとすることにより、空気
層が所定の厚さを有し、保温、通気機能を損なうことが
ない。
【0030】さらに、木綿織物200に取り付けるナイ
ロン撚糸220は、図7に示すように、波状としても同
様の効果を奏する。また、第2の層を木綿織物から化学
繊維(ナイロン)の撚糸による織布に代えて実験したと
ころ、繊維素材は吸水性を有していないが、撚糸内に水
分を溜めることができるので、第2の層をナイロン撚糸
による布としてもよい。
【0031】〈実施の形態2〉この実施の形態は、第1
の層300をエンボス加工を施した不織布、第2の層は
木綿等の吸水性の織物を用いた2層構造の布3の例を示
す。布3の第1の層300はナイロン繊維等を積層した
不織布よりなり、エンボス加工により凹凸面315を形
成している。第1の層300の凹凸面315は、空気層
を形成すると共に、第2層350と点接触し、第1の層
300を皮膚面に対向させたとき、発汗する水分は第1
の層の皮膚に接触しているエンボス凹凸点から、毛細管
現象に導かれて吸水性を有する第2の層350方向に運
ばれて、第2の層350に吸収されて、外気中に蒸発す
る。このように、この2層構造の布3も第1の層300
のエンボス加工された凹凸面のウイック効果、および第
2の層350との間に形成される凹凸面内の空気のポン
プ作用により、水分の蒸発を促進させる。
【0032】この実施の形態による布3により、大人
用、小児用のおむつを形成した例を図9に示す。おむつ
400は、股ぐり部410、胴囲り部430、係止部4
50等の人体を被覆する機構を備えた形状を有し、胴囲
り部430、係止部450には係合具470が配設され
ている。2層構造の布3をエンボス加工を施した不織布
よりなる第1の層300を内側に、第2の層350を外
側に配設する。
【0033】このおむつを装着したとき、エンボス加工
された凹凸面315が皮膚に点接触し、汗、あるいは排
泄物等の水分を毛細管現象により吸水性を有する第2の
層350に運び吸収させる。皮膚に点接触する第1の層
300は、エンボス加工の凹凸面315に空気層が形成
され、着用者の動きに合わせてポンプ作用が行われ、通
気性能が向上する。従って、着用したおむつは、着用者
の動きにより、通気性が促進され、快適さが維持できる
と共に、皮膚が急冷されることがない。
【0034】また、この布3の第2の層350に、防水
性の布を重合することにより着用面は通気性を備え、か
つ外部への水分の漏れ出しを防止したおむつかバーを形
成することができる。また、この実施例においては、布
3の第2の層を吸水性を有する織物とした例を示した
が、紙等を用いると、経済性が向上する。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による2層
構造の布は、第1の層が疎水性の撚糸、あるいは、エン
ボス加工された凹凸面の毛細管現象により導水した水分
を第2の層で吸水し外気に蒸発させるので、効率良い水
分の蒸発が達成できる。さらに、第1の層は空気層を有
しているので、第2の層の一面に常に一定の空間を形成
し、通気性がよく、かつ保温性のよい布となる。また、
本発明の衣服は、着用により、通気性が促進され快適さ
が維持できると共に、裏地(第1の層)は皮膚との間に
人体を包む空気層が確保され、この空気層を通して間接
的に皮膚が冷却される構成となっているので、皮膚を急
冷することがなく、自律神経の失調をもたらすことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2層構造の布の斜視図。
【図2】2層構造の布の断面図。
【図3】布の作用説明図。
【図4】布の作用説明図。
【図5】本発明に係る衣服の平面説明図。
【図6】2層構造の他の実施例を示す平面図。
【図7】2層構造の他の実施例を示す平面図。
【図8】実施の形態2に示す布の断面図。
【図9】おむつの平面図。
【符号の説明】
1,3 2層構造の布 10,300 第1の層 11,210,220 ナイロン撚糸 12 連結部 20,200,350 第2の層 30 間隙(空気層) 50 皮膚 100 シャツ 110 第1の層 120 第2の層 150 吸水ベルト 315 エンボス凹凸面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 27/28 A41D 27/28 D 31/00 501 31/00 501C 501D 31/02 31/02 H A D06M 17/00 D03D 11/00 Z // D03D 11/00 D06M 17/00 H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性素材よりなる第1の層と、吸水性
    素材よりなる第2の層を備え、 第1の層は疎水性繊維の撚糸で織成した網体で構成さ
    れ、第2の層は吸水性繊維で織成する織物で構成される
    と共に、 第1の層と第2の層は所定の間隔を設けて結合されてな
    る2層構造の布。
  2. 【請求項2】 疎水性素材よりなる第1の層と、吸水性
    素材よりなる第2の層を備え、 第1の層は疎水性繊維の撚糸よりなり、第2の層は吸水
    性繊維で織成する織物で構成されると共に、第1の層は
    第2の層に全面あるいは所定間隔に固着されてなる2層
    構造の布。
  3. 【請求項3】 第1の層の層厚は1.0mm以上である
    請求項1、または2記載の2層構造の布。
  4. 【請求項4】 疎水性素材よりなる不織布で構成される
    第1の層と、吸水性素材よりなる織物で構成される第2
    の層を備え、第1の層はエンボス加工された凹凸面を有
    し、第2の層と点接触するよう構成されてなる2層構造
    の布。
  5. 【請求項5】 人体被覆機構を備える布製の衣服におい
    て、 衣服を構成する布は、疎水性素材よりなる第1の層と、
    吸水性素材よりなる第2の層を備え、第1の層は疎水性
    繊維の撚糸で織成した網体で構成され、第2の層は吸水
    性繊維で織成する織物で構成されると共に、第1の層と
    第2の層は所定の間隔で結合されてなる2層構造を有
    し、第1の層を人体に対向する面に配置してなる衣服。
  6. 【請求項6】 第1の層の層厚は1.0mm以上を有
    し、人体を被覆したとき、人体と第2の層との間に少な
    くとも1.0mmの空気の層を形成するよう構成してな
    る請求項5記載の衣服。
  7. 【請求項7】 裾部分には吸水手段を取外し自在に配設
    してなる請求項5記載の衣服。
  8. 【請求項8】 裾部分に配設する吸水手段は第1の層に
    連結してなる請求項7記載の衣服。
  9. 【請求項9】 人体被覆機構を備える布製の衣服におい
    て、 衣服を構成する布は、疎水性素材よりなる不織布で構成
    される第1の層と、吸水性素材よりなる織物で構成され
    る第2の層を備え、第1の層はエンボス加工された凹凸
    面を有して第2の層に点接触する構成を有し、第1の層
    を人体に対向する面に配置してなる衣服。
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