以下図示の好適な実施の態様に基づいて本発明を詳述する。図1は本発明に係わる画像形成システムの全体構成を示し、図2はシート処理装置としてのシート後処理装置の全体構成の説明図を、図3はシート折りユニットの詳細構成を示す説明図である。そこで図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aとシート後処理装置Bで構成され、シート後処理装置Bにはユニットとしてシート折り装置Cが組み込まれている。
[画像形成装置の構成]
図1に示す画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排紙口3からシートを搬出する。給紙部1は複数のサイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは本体排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路10で表裏反転された後本体排紙口3から搬出される。
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、反射ミラー、集光レンズを経て光電変換素子14で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ貯蔵部17に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置であり、スタッカ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送するフィーダ装置である。
上記構成の画像形成装置Aには制御部(コントローラ)が設けられ、コントローラパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などのプリントアウト条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積され、このデータ貯蔵部から画像データはバッファメモリに転送され、このバッファメモリ19から順次レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
上記コントローラパネル18からは画像形成条件と同時に後処理条件も入力指定される。この後処理条件は例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じモード」「シート束折りモード」などが指定される。そして画像形成装置Aは画像形成条件及び後処理条件に応じてシート上に画像形成する。
[シート後処理装置の構成]
上述の画像形成装置Aに連結されたシート後処理装置Bは、画像形成装置Aの本体排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ、(1)このシートを第1排紙トレイ21に収容するか(前述の「プリントアウトモード」)(2)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えしてステープル綴じした後、第1排紙トレイ21に収納するか(前述の「ステープル綴じモード」)(3)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えした後、冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納(前述の「シート束折りモード」)するように構成されている。
このため、シート後処理装置Aは図2に示すようにケーシング20に上記第1排紙トレイ21と第2排紙トレイ22を備え、本体排紙口3に連なる搬入口23を有するシート搬入経路P1が設けられている。このシート搬入経路P1はケーシング20に略々水平方向の直線経路で構成されている。そしてこのシート搬入経路P1から分岐しシートを反転方向に移送する第1スイッチバック搬送路SP1と第2スイッチバック搬送路SP2が配置されている。そして第1スイッチバック搬送路SP1が経路下流側で、第2スイッチバック搬送路SP2が経路上流側でそれぞれシート搬入経路P1から分岐され、両搬送路は互いに距離を隔て対置に配置されている。
このような経路構成でシート搬入経路P1には搬入ローラ24と排紙ローラ25が配置され、これらのローラは正逆転可能な駆動モータM1(図示せず)に連結されている。またシート搬入経路P1には第2スイッチバック搬送路SP2にシートを案内する経路切換片27が配置されソレノイドなどの作動手段に連結されている。またシート搬入経路P1には搬入口23からのシートにパンチ孔を処理する穿孔装置28が搬入ローラ24の下流側に設けられている。図示の穿孔装置28はケーシング20に装置仕様によって着脱装着可能なように搬入口23で、搬入ローラ24の上流側に配置してある。
[第1スイッチバック搬送路SP1の構成]
図3と図4によく示されるようにシート搬入経路P1の下流側(装置後端部)に配置された第1スイッチバック搬送路SP1は次のように構成されている。シート搬入経路P1にはその出口端に排紙ローラ25と排紙口25aが設けられ、この排紙口25aと段差を隔てた下方に第1集積部29が設けられている。この第1の集積部は排紙口25aからのシートを積載支持するトレイ(以下「第1の処理トレイ29」という)で構成されている。この第1の処理トレイ29の上方には正逆転ローラ30がトレイ上のシートと接する位置と離間した待機位置(図3鎖線位置)との間で昇降自在に配置されている。この正逆転ローラ30には正逆転モータM2が連結され第1の処理トレイ29上にシートが進入する際は同図時計方向に回転し、シート後端がトレイ上に進入した後は反時計方向に回転するように制御される。従って上記第1の処理トレイ29上に第1スイッチバック搬送路SP1が構成されている。図示31はキャタピラベルトであり、排紙ローラ25と一端プーリ側が圧接され、このプーリ軸31aを中心に先端プーリ側が第1の処理トレイ29に垂下するように揺動自在に軸支持されている。図示30bは正逆転ローラ30と係合する従動ローラであり、第1の処理トレイ29に設けられている。
上述の第1スイッチバック搬送路SP1の下流側には第1排紙トレイ21が配置され、この第1排紙トレイ21は第1スイッチバック搬送路SP1及び第2スイッチバック搬送路SP2に導かれるシートの先端を支持するように構成されている。
以上の構成によって排紙口25aからのシートは第1の処理トレイ29上に進入し正逆転ローラ30で第1排紙トレイ21に向って移送され、シート後端が排紙口から第1の処理トレイ29上に進入した後は正逆転ローラ30を逆回転(図示反時計方向)させると第1の処理トレイ29上のシートは排紙方向と逆方向に移送される。このときキャタピラベルト31は正逆転ロ−ラ30と協働してシート後端を第1の処理トレイ29に沿ってスイッチバック搬送することとなる。
上記第1の処理トレイ29の排紙方向後端部には、シート後端を位置規制する後端規制部材32と端面綴じステープル装置33が配置されている。図示のステープル装置33は端面綴じステープラで構成され、トレイ上に集積されたシート束の後端縁の1個所若しくは複数個所にステープル綴じする。また上記後端規制部材32はステープル綴じされたシート束を第1の処理トレイ29の下流側に配置された第1排紙トレイ21に搬出する機能を兼用するため第1の処理トレイ29に沿って排紙方向に往復動自在に構成されている。図示の後端規制部材32の搬出機構はシート束を把持するグリップ爪とシート後端を突き当て規制する後端規制面32bを備え、装置フレームに設けたガイドレールに沿って図示左右方向に移動可能に構成されている。図示34aはこの後端規制部材32を往復動する駆動アームであり、排紙モータM3に連結されている。
また上記第1の処理トレイ29にはトレイ上に集積されたシートの幅方向を整合するサイド整合板34bが設けてあり、このサイド整合板34bはセンター基準でシートを整合するように左右(図3前後)一対の整合板で構成されシート中央に接近及び離反するように構成され図示しない整合モータに連結されている。
上述のように構成された第1スイッチバック搬送路SP1は前記「ステープル綴じモード」のときには排紙口25aからのシートを第1の処理トレイ29上に部揃えし、このシート束を端面綴じステープル装置33で後端縁の1個所又は複数個所をステープル綴じする。また前記「プリントアウトモード」のときには排紙口25aからのシートをスイッチバック搬送することなく、第1の処理トレイ29に沿って送られたシートを正逆転ローラ30と従動ローラ30bとの間で第1排紙トレイ21に搬出する。このように図示のものはステープル綴じするシートを第1の処理トレイ29と第1排紙トレイ21とでブリッジ支持することによって装置をコンパクトに構成することを特徴としている。
[第2スイッチバック搬送路の構成]
前記シート搬入経路P1から分岐された第2スイッチバック搬送路SP2の構成について説明する。この第2スイッチバック搬送路SP2は図4に示すようにケーシング20に略々鉛直方向に配置され、経路入口に搬送ローラ36が、経路出口に搬送ローラ37が配置されている。また第2スイッチバック搬送路SP2の下流側にはこの搬送路から送られたシートを部揃えし一時集積する第2の処理トレイを構成するスタック部(以下、スタッカ部35という)が設けられている。図示のスタッカ部35はシートを移送する搬送ガイドで構成されている。このスタッカ部35には中綴じステープラ40と折りローラ手段45が配置されている。以下順次これらの構成について説明する。
上記第2スイッチバック搬送路SP2の経路入口に配置された搬送ローラ36は正逆転可能に構成され、下流側の第1スイッチバック搬送路SP1に搬入されるシートを一時的にこの第2スイッチバック搬送路SP2に保持(滞留)するようになっている。これは先行するシートを第1の処理トレイ29に集積し、ジョブ終了信号でステープル綴じ処理し、次いでこのシート束を第1排紙トレイ21に搬出する間に画像形成装置Aからシート搬入経路P1に送られたシートを第2スイッチバック搬送路SP2に一時的に保持し、先行シートの処理が終了した後、この待機シートを第1スイッチバック搬送路SP1から第1の処理トレイ29上に搬送する為である。その作用については後述する。
まずスタッカ部35はシートの搬送をガイドするガイド部材で形成され、このガイド上にシートを積載収納するように構成されている。図示のスタッカ部35は第2スイッチバック搬送路SP2に連なり、ケーシング20の中央部に略々鉛直方向に配置されている。これによって装置を小型コンパクトに構成している。このスタッカ部35は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成され、特に図示のものは後述する中綴じステープラ40と折りローラ手段45を配置する側に突出するように湾曲又は屈曲した形状に構成されている。
上記スタッカ部35の搬送方向後端側には前述の第2スイッチバック搬送路SP2の出口端とオーバーラップするスイッチバック進入路35aが連設されている。これは第2スイッチバック搬送路SP2の搬送ローラ37から送られる搬入(後続)シートの先端とこのスタッカ部35に支持されている積載済(先行)シートの後端をオーバーラップさせることによって集積するシートのページ順位を確保するためである。またスタッカ部35にはシートの搬入方向先端を規制するストッパー部としての先端規制部材(以下、ストッパーという)38がガイド下流側に配置してあり、このストッパー38はスタッカ部35に沿って移動可能にガイドレールなどに支持され、シフト手段MS(図示せず)で図示Sh1とSh2とSh3との間で位置移動するように構成されている。
そしてストッパー38を図示位置Sh3に位置させるとスタッカ部35に支持されたシート(束)の後端はスイッチバック進入路35aに進入し、この状態で第2スイッチバック搬送路SP2から送られる後続シートは確実に集積済みシートの上方に積み重ねられることとなる。またストッパー38を図示位置Sh2に位置させると後述する中綴じステープラ40の綴じ位置Xにスタッカ部35に支持されたシート(束)の中央を位置決めする。同様にストッパー38を図示位置Sh1に位置させるとステープル綴じされスタッカ部35に支持されたシート束の中央を折り板(以下、折りブレード46という)が折りローラ手段45に挿入する位置である折位置Yに位置決めするようになっている。従って図示位置Sh1、Sh2、Sh3は、夫々折り位置、綴じ位置、次シート受け止め位置に対応している。
上記スタッカ部35にはシート搬送方向下流側にシート側縁整合部材39が配置されている。このシート側縁整合部材39はスタッカ部35に搬入されストッパー38に支持されたシートの幅方向位置を基準に合わせるように整合する。つまりストッパー38が前記Sh3の位置に位置しシート全体がスタッカ部35に支持された状態でシート側縁をこのシート側縁整合部材39で幅寄せ整合する。図示の装置はシートをセンター基準で幅寄せ整合する関係でシート側縁整合部材39は左右一対の整合板で構成され、この一対の整合板がシートセンタを基準に等距離することによってスタッカ部35に支持されたシート束を幅寄せ整合する。このためシート側縁整合部材39には図示しない整合モータM5に連結されている。
[中綴じステープラの構成]
図5から図11までにおいて中綴じステープラ40について説明する。図4に示されるように上述のスタッカ部35に沿って上流側に綴じ位置X、下流側に折位置Yが設定され、綴じ位置Xには紙製ステープル60でシート束を綴じる中綴じステープラ40が配置されている。この中綴じステープラ40は、紙製ステープル60をシート束100に打ち込むドライバーユニット41と打ち込まれた紙製ステープル60の脚部61、62を向き合う方向に折り曲げこの脚部同士を接着するクリンチャユニット42で構成され、それぞれのユニットはスタッカ部35を挟んで対向する位置に構成されている。
なお、図5から図8の中綴じステープラ40はドライバーユニット41とクリンチャユニット42がフレームに一体的に構成され分離していない非分離タイプを示し、図9から図11はこれらのユニットを上下に分離した分離タイプを示している。
図12から図14まではこの中綴じステープラ40に装填されてシート束を綴じる紙製ステープル60の構成を示しており後述するが、本出願で言う紙製ステープル60とは紙製で作成されたシート束を綴じるステープル針である。ここでの紙製ステープルは全くの紙材料のみでなく、紙と同等の柔軟性と紙類と分別することなく廃棄できるなどの環境対応がある材料であれば薄プラスチック材等であってもよい。
まず、図5から図8に示した非分離タイプの中綴じタイプのステープラについてその概要について説明する。図5に示すように、中綴じステープラ40は後述する紙製ステープル60により綴じ動作を行う際に、ステープル駆動を行う駆動モータ56の下方に位置して綴じシートが挿入されるシート挿入口107等を有するフレーム108と、駆動モータ56及びフレーム108を支えるベース109とを備えて構成される。
駆動モータ56は、図5に示すように、フレーム108の上部に回転可能に取り付けられている。駆動モータ56は、綴じ動作を行う際にドライバーカム52を回転する。また、後述するフレーム108のステープルホルダ111への紙製ステープル60個々を連接させたローラ状ステープル70の装填等を行う際には、駆動モータ56の左側のステープルカバー106を解放させることにより、フレーム108の上面が開いた状態となる。
フレーム108は、後端部にローラ状ステープル70を装填するステープル装填部としてステープルカートリッジ51を備える。更にフレーム108はステープルホルダ111から前方へ向けて、紙製ステープル60の搬送を行うステープル搬送部として略平面状の搬送路113を備える。搬送路113の左右には図示されていない板バネが備えられている。
またフレーム108は、搬送路113の前端部の近傍に、駆動モータ56の駆動によりドライバーカム52を回転し、紙製ステープル60の切断及び略コ字状への成型を行うためのステープル切断成型部としてフォーミングプレート115を備える。フォーミングプレート115は切断、成型をおこなう。更にフレーム108は、駆動モータ56の駆動により、紙製ステープル60の綴じシートに対する貫通を行うためのステープル貫通部としてドライバーユニット41を備える。ドライバーユニット41はシートに孔を貫通させるカッター刃71を上下動するドライバー53が位置している。更にフレーム108は、紙製ステープル60の切断、成型及び貫通を行う際に、綴じシートを押さえるためのシート押さえ119を備える。
また、フレーム108は、搬送路113の下部に、前述した紙製ステープル60の切断及び成型を行う位置から紙製ステープル60のシート束100への貫通を行う位置へ紙製ステープル60を移動させるための移動機構として、バネにより前方へ付勢されたプッシャ117を備える。フォーミングプレート115、ドライバー53、シート押さえ119及びプッシャ117の下方には、綴じ対象の綴じシート束が挿入されるシート挿入口107及び綴じシートが設置されるテーブル120を備える。
テーブル120の下部には、貫通位置で綴じシート束100貫通後、紙製ステープル60の両方の脚部61、62をシート束100に沿って折り曲げ、折り曲げた両方の脚部61、62を貼り合わるための折り曲げ部を備える。中綴じステープラ40折り曲げ部として、クリンチャユニット42、押し出しユニット124及びクリンチャスライダ123を備え、この押し出しユニットとスライダ126を適宜のタイミングによりクリンチャモータ122で移動させる。中綴じステープラ40は折り曲げ部として、クリンチャベース130に、クリンチャセンター127及びクリンチャレフト128を支持して位置を定めるクリンチャリフタ129等からなるクリンチャユニット42を備える。
中綴じステープラ40は、このような構成を備え、シート挿入口107内でテーブル120に設置されたシート束100を駆動モータ56の動作に基づいてドライバーユニット41を移動する。そして、シート束100に孔を貫通させ合わせて紙製ステープル60をこの孔に差し入れて綴じる作業を行うものである。
図8は図7に示されたドライバー53先端でシート束に紙製ステープル60を貫通させるために設けられたカッター刃71及びその動作を示した図である。図8(a)はフォーミングプレート115によりコの字形状に形成された紙製ステープル60をカッター刃71にプッシャ117でセットした状態を示している。図8(b)はこのカッター刃71にセットされた状態でドライバーユニット41が下降するとカッター刃は紙製ステープル60を保持したままシート束100に挿入された状態を示している。その後、押し出しユニット124及びクリンチャユニット42により紙製ステープル60の脚部61、62を内側に折り曲げるとともに相互に接合する。この動作に合わせてドライバー53は上昇復帰を行うとシート束100を紙製ステープル60で綴じる一方、カッター刃71は図8(c)に示すように元の位置に復帰し、次の紙製ステープル60の装着を待つ。このようにしてシート束100を綴じていく。
なお、中綴じステープラ40のステープラとしての各部の構成の詳細は引用文献3に詳しいので、ここでの説明を省略する。
次に、この中綴じステープラ40のスタッカ部35の配置について図6を用いて説明する。図6は、先ほどの図5で示した中綴じステープラをシートの搬送方向と交差する位置に左右一基ずつ配置している。すなわち左右に中綴じステープラ40を載置するキャリッジ43が上記のスタッカ部にシートの幅方向の長さに応じて移動可能に載置されている。この中綴じステープラ40は左右ともに、紙製ステープル60をクラウン形状に形成するフォーミングプレート115とシート束にこの紙製ステープル60を打ち込むドライバー53を移動させる駆動モータ56がドライバーカム52に伝達ベルト55を介して連結されている。従って、この駆動モータ56の駆動によりドライバーカム52が回転し、紙製ステープル60をシート束100に打ち込む。さらにクリンチャユニット42より、相互の脚部61、62を内側に折り込み、脚部に接着剤が塗布された接着部63で相互の脚部61、62が接着するようになっている。紙製ステープル60は中綴じステープラ40のステープルカートリッジ51内に連結されて収納されステープラで打込むステープル毎に切断される。
このように構成された、中綴じステープラ40に対して、図2、図3に示されるように、中綴じを行うシートがその搬入方向先端を先端規制部材であるストッパー38につき当てられて順次スタッカ部35にスタックされる。このスタックに際しては、前述したようにストッパー38を図示位置Sh3に位置させるとスタッカ部35に支持されたシート(束)の後端はスイッチバック進入路35aに進入し、この状態で第2スイッチバック搬送路SP2から送られる後続シートは確実に集積済みシートの上方に積み重ねられることとなる。その後後続シートの搬入に合わせてSh1側にストッパー38を移動してスタッカ部35に収納する。また、ストッパー38を図示位置Sh2に位置させると後述する中綴じステープラ40の綴じ位置Xにスタッカ部35に支持されたシート(束)の中央を位置決めする。同様にストッパー38を図示位置Sh1に位置させるとステープル綴じされスタッカ部35に支持されたシート束100の中央を折りブレード46が折りローラ手段45に挿入する位置である折位置Yに位置決めするようになっている。従って図示位置Sh1、Sh2、Sh3は、夫々折り位置、綴じ位置、次シート受け止め位置に対応している。
例えば、上昇されたシート束100の搬送方向の半分(長さ方向の1/2)になったとき、本願の場合にあっては図4、図6における綴じ位置Xの位置となったとき、ストッパー38でシート束100の移動を停止し紙製ステープル60が打ち込まれるのを待つ。尚、シートの綴じ位置Xは後述する折り位置Yとシート束では同一の位置となっており、綴じ位置が折り位置となっている。
図7は、中綴じステープラ40によってシート束100に紙製ステープル60を打ち込み綴じ処理をおこなった状態を示している。この紙製ステープル60はシートの搬送方向の折り位置に跨って打ち込まれる様に、ストッパー38の移動によって設定されている。図示のものは左右の紙製ステープル60の夫々の脚部61、62が折り位置を挟んで打込み、この脚部のステープル脚部連結部60aが追って説明する折り位置Yの略中央にシート束搬送方向と同方向に沿って位置するようになっている。この位置に設定することによりシート束の折り処理とともにこの紙製ステープル60の連結部(以下、ステープル脚部連結部60aという)も脚部61、62を内側として容易に折り処理される。すなわち、紙製ステープル60はシート束の折り位置である搬入方向の略中央部に折り位置を跨いでシート束100を綴じるように位置している。
[中綴じステープラの他の実施例/上下分離タイプ〉
ここまでは、中綴じステープラ40のドライバー53側とクリンチャユニット42側が分離していない非分離タイプのものを説明した。これは紙製ステープル60のステープル脚部連結部60aの向きがシート搬送方向と同一方向に設定されシートの折り位置を跨ぐよう綴じ位置を設定することから非分離タイプでも構成できるものである。しかし、別の形態のものとして図9から図11に示すようなドライバー53側とクリンチャユニット42側が分離した分離タイプのものであればシート束の幅方向のセンターに近く設定することができる。
この分離タイプについて説明する。尚、同一機能のものは同一番号として詳しい説明を省略する。まず、図9において、ドライバーユニット41側とクリンチャユニット42側を上下完全に切り離したものである。このためドライバーユニット41の機構であるドライバー53等は、上シートガイドを兼ねるベース109に載置されている。またクリンチャユニット42側の機構部はクリンチャベース130に載置されている。従って、シート束100は図9の手前側から奥側にテーブル120に沿って搬送されて綴じられる。
図10に示したものは、上述のドライバー53側とクリンチャユニット42側を上下完全に切り離した図9に示した中綴じステープラ40を綴じ位置Xに併設している。この場合には、この中綴じステープラ40はすべてスタッカ部35内に配置できるので、幅方向が図6のものに比べてコンパクトにできる。その他の機構は前出の図6の中綴じステープラ40と同様なので説明を省略する。
このように構成された中綴じ40はドライバーユニット41とクリンチャユニット42が分離して互いに対向するように構成され、両者の間をシート束が通過できるようになっている。従ってシート束の中央部、その他任意の位置をステープル綴じすることが可能となる。
このように構成された、中綴じステープラ40に対して、前出同様に中綴じを行うシートがその搬送方向先端を先端規制部材であるストッパー38につき当てられて順次第2の処理トレイ(スタッカ)にスタックされる。このスタックに際しては、まず最下端のSh1、で停止し、一旦Sh2に上昇させて次シートの搬入を待つ、その後シート中央の綴じ位置とするSh3の位置に移動し綴じ処理を行う。その後後述するシート中央を折り折る折り位置に上述したストッパー38で本願の場合はSh2まで下降させる。ストッパー38の昇降は図示しない移動機構により行われる。言い換えると、綴じ位置は上昇されたシート束の搬送方向の半分(長さ方向の1/2)になったとき、本願の場合にあっては図4、図6における綴じ位置Xの位置でシート束の移動を停止し紙製ステープル60が打ち込まれるのを待つ。また、折り位置はシート束100の綴じ位置Xは後述する折り位置Yとシート束では同一の位置となっており、綴じ位置が折り位置となっている。
図11は前出の図7と同様に、中綴じステープラ40によってシート束100に紙製ステープル60を打ち込み綴じ処理をおこなった状態を示している。この紙製ステープル60はシートの搬送方向の折り位置に跨って打ち込まれる様に、ストッパー38の移動によって設定されている。図示のものは左右の紙製ステープル60の夫々の脚部61、62、が折り位置を挟んで打込み、この脚部のステープル脚部連結部60aが追って説明する折り位置Yの略中央に位置するようになっている。この位置に設定することによりシート束の折り処理とともにこの紙製ステープル60のステープル脚部連結部60aも脚部61、62を内側として容易に折り処理される。なお、図11の紙製ステープル60はシート幅方向におけるステープル間の間隔が図7のものに比べ短くなっている。これは中綴じステープラ40がシート搬送路を挟んで上下に分割したためステープル60の打込み位置を任意に設定できるようにするためである。
[紙製ステープルの構成]
ここで本願の中綴じステープラ40に装填される紙製ステープル60について図12から図14を用いて説明する。
図12及び図13は、紙製ステープル60及びこの紙製ステープル60が並列に複数連結されたローラ状ステープル70の構成を示す説明図である。図12(a)は、紙製ステープル60の詳細を示す平面図である。図12(b)は、紙製ステープル60を略コ字状に成型した状態を示す斜視図であり、図12(c)は紙製ステープル60により綴じシート束100を綴じた状態を示す断面図である。図13は紙製ステープル60がローラ状に巻き回された状態のローラ状ステープル70を示す説明図である。これらは例えば以下のような構成となる。尚、基本の形態は従来の引用文献3に詳しい。
まず、図12(a)に示すように、細長く略真直状の形状を有する紙製ステープル60が並列に複数連結されて構成される。各紙製ステープル60は、例えば、図12(a)の上下方向(紙製ステープル60の連結方向)の幅は6〜12mm程度であり、図12(a)の左右方向(ステープルの長手方向)の幅は25〜50mm程度である。各紙製ステープル60の長手方向の端部近傍は台形状に形成されており、先端に向かうにつれて幅が狭くなる。また、各紙製ステープル60の長手方向の端部近傍の裏面には、接着剤が塗布された接着部63を備える。
また、各紙製ステープル60が連接して連結される辺の両端部から所定の位置には、楕円状の送り孔が設けられている。二つの送り孔の間はスリット部として、各紙製ステープル60は完全に切り離されている。二つの送り孔の外側で、各紙製ステープル60が連結される辺の両端部までが、連接連結部68として各紙製ステープル60が連結された状態となる。なお送り孔は、ステープラ側の送り爪が係合して徐々に送られる。
この紙製ステープル60はこのステープルの長手方向で脚部をつなぐステープル脚部連結部60aのほぼ中央位置に各紙製ステープル内側に切り込んだ折り位置スリット部64を設けている。これは後述する折り処理においてシート束100とともにこの紙製ステープル60も折りを施す際に折り処理を確実に行うように紙製ステープル自体を折りやすくするためのものである。
また、中綴じステープラ40により、図12(a)に示すように繋がった状態のステープルから紙製ステープル60が切り離されて、図12(b)に示すように、ステープル脚部連結部60aとこのステープル脚部連結部60aの左右から略直角にステープル脚部61、62が折り曲げられた略コ字状に成型される。略コ字状に成型された紙製ステープル60は、図12(c)に示すように、シート束100を貫通した両方の脚部61、62がシート束100に沿って折り曲げられ、一方の脚部61と接着部63を有する他方の脚部62がそれぞれ貼り合わされる。 そしてシート束100を紙製ステープル60で綴じた状態で、脚部側を内側として折り処理を行う場合には、脚部61、62を繋ぐステープル脚部連結部60aのほぼ中央付近に折り位置スリット部64が形成されているので、紙製ステープル60の折り処理も容易になされる。
図12に示す紙製ステープル60は、長手方向の一方の脚部62の裏面に接着部63を備えるとしたが、両方の脚部61、62の裏面夫々に接着部63を備えてもよい。この場合、接着部63はシート束の裏面に脚部62が接着されるとともに、脚部62の裏面に脚部61の接着部63で接着されより接合が強くなる。この紙製ステープル60においてもステープル脚部連結部60aに折り位置スリット部64が設けられているので折り処理が確実になされる。なお、紙製ステープル60は、図13に示されるように、中綴じステープラ40にローラ状に巻かれて収納されている。
さらに、本願における紙製ステープル60は綴じ後の折り処理が確実になされるように次の処理が紙製ステープル60に施されている。これは図12に示されるステープル脚部連結部60aの連結方向の中央部に折り位置スリット部64が形成しているのに加え、図14に示すように両方の脚部61、62側にも折り位置スリット部64を設けたものとなっている。従って、図14(b)に示すように互いの脚部が互いに接着される際には、ステープル脚部連結部60aの折り位置スリット部64と脚部側の折り位置スリット65、66がちょうど重なり合う位置になり、折り処理がなされる場合には、この各折り位置切り込み(以下、脚部側折り位置スリット部という)65、66が折り込まれるようになる。
特に図14のものにあっては、ステープル脚部連結部60aの略中央に設けられた連結部折り位置スリット部64のステープル長手方向の幅αと脚部側折り位置スリット部65、66の幅とがαよりもβが大きく(α〈βの長さ関係に)設定されている。このような関係にすることにより綴じ後折り処理を行うシート束の枚数が多くなって脚部側の折り位置切り込みが多少ずれたとしても、連結部の折り位置スリット部64aと脚部側の折り位置スリット部65、66が相互に重なり合うので、この重なり合った範囲において折り処理がなされることになるので容易にかつ確実にこの紙製ステープル60によって綴じられたシート束100も紙製ステープル60の長手方向略中央で二つ折りにできる。
[折ローラ手段の構成]
次に、折りローラ手段の構成について説明する。上述の中綴じステープラ40の下流側に配置された折位置Yには、図15(a)に示すようにシート束を折り合わせる折りローラ手段45とこの折りローラ手段45のニップ位置NPにシート束を挿入する折りブレード46が備えられている。折りローラ手段45は互いに圧接したローラ45a、45bで構成され、各ローラは略々最大シートの幅長さに形成されている。この折りローラ手段45を構成するローラ45a、45bは互いに圧接して接合するように回転軸45ax、45bxを図示しない装置フレームの長溝に嵌合され、圧縮スプリング45aS、45bSで圧接方向に付勢されている。尚このローラは少なくとも一方が圧接方向に移動可能に軸支持され、その一方に付勢スプリングを掛け渡す構造であっても良い。
上記一対の折りローラ45a、45bはゴムローラなどの比較的摩擦係数の大きい材料で形成されている。これはゴムなどの軟質材によってシートを折曲げながら回転方向に移送する為であり、ゴム質材をライニング加工することによって形成しても良い。
ところで、この折りローラ手段45は図17に示すような凹凸形状に形成されシート幅方向に所定のギャップ144が形成してある。図17のものは折りローラの一方のローラ45aのみを示しているがこれと同一形状の他方のローラ45bとが図15aに示すように互いに圧接している。
この折りローラ45aはシート幅方向にやや長い大径部145とこれに後述する折りブレードの先端が挿入される折りローラ小径部146とさらに幅方向にやや短い大径部147と中央にはやや長い大径部145が位置している。この形状は図17のように左右対称に形成され、図17で図示しない他方のローラ45bも同一形状となっている。従って、折りローラ小径部146の範囲はローラ45a、45bの前述のギャップ144が生じている。このギャップ144は次に述べるように折りブレード46の凹凸と一致するように配置してあり、折りブレード先端がローラニップ45a、45b間に進入し易いように配慮してある。
また、図17に示すように折りブレードの先端は、ギャップ144すなわち折りローラ少径部146に対応し折りローラ手段45の接合点45sgにもっとも近い位置あるに折りブレード短部141(折り側からは最も長い先端部)が位置し、折りローラ大径部145に対応して折りローラ対の接合点45sgにもっとも遠い折りブレード長部140(折りブレード46側からは最も短い先端部)が位置している。これは二つ折りにするシート束100を確実に折りローラ手段45間に折りブレード短部141で挟みこんで折り込む一方、折りブレード長部140が折りローラ手段45間に挟まれて動作しなくなるのを防ぐために相互に凹凸の位置関係となっている。
さらに、図17のように紙製ステープル60で綴じられた個所に対応して比較的幅の短い折りローラ大径部147が位置し、これに対応して折りブレード46も折りブレード長部140と短部141の中間の長さである折りブレード中長部142が位置している。すなわち、折りブレード46の先端の位置はローラ45a、45b対の接合点45sgからの距離が最も長い距離L1の折りブレード長部140とローラ45a、45b対の接合点45sgからの距が最も短い距離L2の折りブレード短部141とこれらの距離L1とL2の中間の距離L3に位置する折りブレード中間長部142としている。言い換えると、中長部yは、折りブレード長部140先端と折りブレード短部141先端との長さxから長さz分短かい、長さyとする中間の長さに設定されている。具体的には、z分は0.3mmから0.6mm程度に設定されている。
この中間の長さは紙製ステープル60がシート束の折り位置を跨いで綴じている個所と対応して設定され、図15(a)に示されるように折りブレード46によって脚部61、62が重なった位置を折りローラに挟持させつつかつ折りブレード46の動作の妨げとならないようにその先端の長さを設定している。これにより図15(b)に示すように紙製ステープル60のシート束100に貫通し互いに接合した脚部61、62を折りローラ手段45の折りローラ大径部147に挟持させこの紙製ステープルも折り込むことができる。
[折りブレードと折りローラの他の実施例]
図17の折り機構においては、折りブレード46の先端のローラ45a、45b対の接合点45sgからの距離を3段階にしたものとローラ45a、45bをこれに対応させて大径部と小径部の2段のものを示したが、これと異なり図18の様に構成することも可能である。
すなわち、折りブレード46の構成は、ローラ45aの大径部145に対応したローラ45a、45b対の接合点45sgからもっとも距離がある折りブレード長部140と小径部に対応した折りブレード短部141の2段構成とする。一方、ローラ45a、45bは、折りローラ大径部145と折りローラ小径部146に加え折りブレード短部141に対応した位置に折りローラ大径部145と折りローラ小径部146の中間の径を有する折りローラ中径部148を備えている。この中径部の位置は紙製ステープル60がシート束100の折り位置を跨いで綴じている位置に対応している。
従って、折りブレード短部141は折りローラ小径部146同士のギャップ144にシート束を押し込むことになる一方紙製ステープル60の綴じ位置に対応する範囲は折りローラ中径部148となっているので、綴じ後の紙製ステープル60を折りローラに向かって押し込むことになる。
特に、本願のものにあっては、紙製ステープル60の接合した脚部61、62側から折りブレードで押し込むので脚部同士の接合が強化される。
ところで、図16及び図19に示すように紙製ステープル60の脚部61、62を折りブレード46の折りブレード短部141によって折りローラ45間に挟持する際の脚部の重なり度合いを調整することによって綴じの接着の程度を強くしたり、折り精度を上げたりすることもできる。
すなわち、図19(a)に示すように、折りブレード46の当接位置において紙製ステープル60の脚部61、62の重なりを大きく取ったもの(図示α分折り位置からオーバーラップしたもの)においては、折りブレードによって脚部61、62を押し込むので脚部間の接着が増加することが期待できる。一方、図19(b)に示すものは折りブレード46の当接位置においては、紙製ステープルの脚部61、62はオーバーラップせずに片側のみで脚部61、62が接合している。この場合には、脚部61、62が相互に重なっていないので折り動作が容易になるとの利点がある。従って綴じ状態を強化するかあるいは折り精度を上げるかは紙製ステープル60の位置の選択により操作者が任意に設定することも可能となる。
ところで、上記ローラ45a、45bはそれぞれが図示ないローラ駆動手段に連結されている。ローラ駆動手段はローラ駆動モータM6と伝動機構(伝動手段)とで構成されている。図示の伝動手段はローラ駆動モータM6の回転を減速して伝達する伝動ベルトなどで構成されている。
次に折りブレード46のブレード駆動手段の構成について説明すると、図15に示すように、前記折りブレード46は図示ない装置フレームにガイドレール等でシート折り方向に移動自在に支持されている。そしてこの折りブレード46は前記スタッカ部35に支持されたシートから退避した待機位置と前記折りローラ手段45のニップ位置NPとの間で往復動可能に支持されている。この折りブレード46を往復動するブレード駆動手段は特に図示していないが、ブレード駆動モータM7とその回転を伝動する伝動ベルトなどで構成されている。
従って、ブレード駆動モータM7を正逆回転すると折りブレード46はガイドレールに沿って待機位置とニップ位置NPとの間を往復動することとなる。この折りブレード46はシート幅方向にナイフエッジを有する板状部材で構成され、その先端は図17図18に図示のように凹凸形状に形成されている。
次に上述の構成の折りローラ手段45及び折りブレード46によるシート折り状態を図15(a)乃至(d)に基づいて説明する。まず前記スタッカ部35に束状に支持されたシート束100は同図(a)の状態でストッパー38に係止され、その折り目位置をステープル綴じされた状態で折位置Yに位置決めされる。
すでに説明したようにこのシート束100は中綴じステープラ40で紙製ステープル60によって綴じられていて、図示のように紙製ステープル60のステープル脚部連結部60aが折りローラ手段45側に位置し、脚部61、62が折りブレード46側に位置している。そして、このステープル脚部連結部60aは折りブレード46の折り位置Yを跨って配置されている。同図のものは、略略中央に位置している。この位置はシート束の先端を規制するストッパー38により位置制御され、セット完了するとセット終了信号を出力する。
このシート束のセット終了信号を得て、シート折り動作制御部97は、モータM6を折りブレード46の移動速度より低速で回転する。これは後述するように折りブレード46でニップ位置に挿入するシート束によって第1及び第2のローラ45a、45bが従動回転する条件を作る為である。
そこでシート折り動作制御部97は折りブレード46を待機位置からニップ位置NPに向かって所定速度で移動する。この移動速度VBに対し折りローラ手段45の回転周速度VRはゼロ又はVB>VRに設定されている。そこで図15(b)の状態にシート束は折り目位置を折りブレード46によって屈曲されローラ間に挿入される。このとき第1の折りローラ45aと第2の折りローラ45bは折りブレード46によって移動するシートに連なって従動回転する。そしてシート折り動作制御部97はシート束100が所定のニップ位置に到達する見込み時間の後、ブレード駆動モータM7を停止し、折りブレード46を同図(c)の位置で静止させる。この場合、紙製ステープル60も図示のように折り曲げられて、折りローラ45間に挟持される。また、折フレード46は紙製ステープル60の脚部61、62シート束100側に押し込むので、脚部相互の接着が増す。尚、この状態を図16において斜視図として示している。
この後、シート折り動作制御部97は再び第1及び第2の折りローラ45a、45bを駆動回転する。するとシート束100は繰り出し方向(同図左側)に送り出される。
その後、シート折り動作制御部97は同図(d)の状態にローラによるシート束100の繰り出しと並行してニップ位置NPに位置する折りブレード46を待機位置に向けて移動復帰させる。
これとともにシート束100とこのシート束の折り位置に跨って配置された紙製ステープル60も脚部61、62を内側として折り処理がなされる。これにより、折り束状態では脚部61、62が冊子の内側となるので、接着部のはがれ、脚部61、62間のめくれなどが防止できる。
[制御構成の説明]
上述した画像形成システムの制御構成を図20のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aの制御部(以下「本体制御部」という)80とシート後処理装置Bの制御部(以下「後処理制御部」という)90を備えている。本体制御部80は画像形成制御部81と給紙制御部85と入力部83を備えている。そしてこの入力部83に設けられたコントローラパネル18から「画像形成モード」「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードは前述したように、プリントアウト部数、シートサイズ、カラー・モノクロ印刷、拡大・縮小印刷、両面・片面印刷、その他の画像形成条件を設定する。そして本体制御部80はこの設定された画像形成条件に応じて画像形成制御部及び給紙制御部を制御し、所定のシートに画像形成した後本体排紙口3からシートを順次搬出する。
これと同時にコントローラパネル18からの入力で後処理モードが設定される。処理モードは、例えば「プリントアウトモード」「ステープル綴じ仕上げモード」「シート束折り仕上げモード」等に設定される。そこで本体制御部80は後処理制御部90に後処理の仕上げモードとシート枚数、部数上方と綴じモード(1個所止綴じか2個所以上複数綴じか)情報を転送する。これと同時に本体制御部は画像形成の終了毎にジョブ終了信号を後処理制御部90に転送する。
後処理制御部90は、指定された仕上げモードに応じてシート後処理装置Bを動作させる制御CPU91と、動作プログラムを記憶したROM92と、制御データを記憶するRAM93を備えている。そしてこの制御CPU91は、搬入口23に送られたシートの搬送を実行する搬送制御部94と、シートの集積動作を実行する集積動作制御部95と、シート綴じ処理を実行する綴じ動作制御部96と、シートの束折り動作を実行するシート折り動作制御部97を備えている。
上記搬送制御部94は前述のシート搬入経路P1の搬入ローラ24、排紙ローラ25の駆動モータM1の制御回路に連結され、またこの経路に配置されたシートセンサS1からの検知信号を受信するように構成されている。また、上記集積動作制御部95は、第1集積部(第1の処理トレイ)29にシートを集積するために前記正逆転ローラ30の正逆転モータM2、後端規制部材の排紙モータM3の駆動回路に結線されている。更に上記綴じ動作制御部96は、第1の処理トレイ29の端面綴じステープル装置33とスタッカ部35の中綴じステープラ40に内蔵された駆動モータ56及びクリンチャモータ122の駆動回路に結線されている。
上記シート折り動作制御部97は、前記第1及び第2の折りローラ45a、45bを駆動回転するローラ駆動モータM6の駆動回路と結線されている。またこのシート折り動作制御部97は前述の第2スイッチバック搬送路SP2の搬送ローラ36、37及びスタッカ部35のストッパー38を所定位置に移動制御するシフト手段MSの制御回路に結線され、これらの経路に配置したシートセンサから検知信号を受信するように結線されている。
上述のように構成された制御部はシート後処理装置に次の処理動作を実行させる。
「プリントアウトモード」
このモードでは画像形成装置Aは一連の文書を例えば第1ページから画像形成し、本体排紙口3から順次フェースダウンで搬出する。そこでシート後処理装置Bは経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25aでシート先端を検出した信号でシート先端が第1の処理トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、搬送制御部94は正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、この正逆転ローラ30を図3時計方向に回転する。すると第1の処理トレイ29上に進入したシートはこの正逆転ローラ30で第1排紙トレイ21に向けて搬出され、このトレイ上に収納される。このように順次後続するシートを第1排紙トレイ21に搬出し、このトレイ上に堆積収納する。
従ってこのプリントアウトモードでは画像形成装置Aで画像形成されたシートはシート後処理装置Bのシート搬入経路P1を経て、第1排紙トレイ21に収容され、例えばフェースダウンの姿勢で1ページから順次nページの順に上方に積載収納されることとなる。
「ステープル綴じ仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aは前述のモードと同様に一連の文書を第1ページからnページの順に画像形成し、フェースダウンの状態で本体排紙口3から搬出する。そこで経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで排紙口25aでシート先端を検出した信号でシート先端が第1の処理トレイ29の正逆転ローラ30に到達する見込み時間の後、搬送制御部94は正逆転ローラ30を上方待機位置からトレイ上に降下し、この正逆転ローラ30を図3時計方向に回転する。次いで搬送制御部94はシート後端が第1の処理トレイ29上に搬入した見込み時間の後正逆転ローラ30を図3反時計方向に回転駆動する。すると排紙口25aから進入したシートは第1スイッチバック搬送路SP1に沿って第1の処理トレイ29上にスイッチバック搬送される。このシート搬送を繰り返すことによって第1の処理トレイ29に一連のシートがフェースダウンの状態で束状に集積される。
尚、上述の第1の処理トレイ29上へのシートの集積の都度、制御CPU91はサイド整合板34bを動作させ集積するシートの幅方向位置を整合させる。次いで制御CPU91は画像形成装置Aからのジョブ終了信号で端面綴じステープル装置33を動作させトレイ上に集積されたシート束の後端縁を綴じ合わせる。このステープル動作の後、制御CPU91は束搬出手段を兼用する後端規制部材32を図3実線位置から同鎖線位置に移動する。するとステープル綴じされたシート束は第1排紙トレイ21上に搬出収納される。これによって画像形成装置Aで画像形成した一連のシートをステープル綴じして第1排紙トレイ21に収納することとなる。
「シート束折り仕上げモード」
このモードでは画像形成装置Aはシート後処理装置Bで冊子状に仕上げる。この為シート後処理装置Bはシート搬入経路P1の経路切換片27を図3実線の状態に移動する。これによりシート搬入経路P1に送られたシートは排紙ローラ25に導かれる。そこで制御CPU91はシートセンサS1でシート後端を検出した信号を基準にシート後端が経路切換片27を通過したタイミングで排紙ローラ25を停止し、同時に経路切換片27を図3破線位置に移動する。そして排紙ローラ25を逆転(図3反時計方向)させる。すると搬入経路P1に進入したシートは搬送方向を反転され、経路切換片27から第2スイッチバック搬送路SP2に導かれる。そしてこの経路に配置された搬送ローラ36、37で第2の処理トレイ(スタッカ)に案内される。
第2スイッチバック搬送路SP2からスタッカ部35にシートが搬入されるタイミングで制御CPU91はシート先端を規制するストッパー38を最下端のSh1位置に移動する。するとシートはその全体がスタッカ部35に支持される。この状態で制御CPU91は前述のシート側縁整合部材39を動作させシートを幅寄せ整合する。(尚この幅寄せ整合は最初のシートでは動作させなくても良く、またシート進入の都度に動作させなくても良い)。
次いで制御CPU91はストッパー38をシート後端が前述のスイッチバック進入路35aに進入する位置Sh3に移動する。するとスタッカ部35のガイドに支持されたシート後端はスイッチバック進入路35aに後退する。この状態で後続するシートを第2スイッチバック搬送路SP2からスタッカ部35上に送り、先行シートの上に後続シートを積み重ねる。そしてこの後続シートの搬入に合わせてストッパー38をSh3位置からSh1位置側に移動する。
次いで先と同様にシート側縁整合部材39を動作させて搬入されたシートとガイド上に支持されたシートを幅寄せ整合する。このような動作を繰り返すことによって画像形成装置Aで画像形成されたシートは第2スイッチバック搬送路SP2を経てスタッカ部35上に部揃えされる。そこで制御CPU91はジョブ終了信号を受けるとストッパー38を前記位置Sh2に移動し、シート中央を綴じ位置Xに位置決めセットする。
そこで制御CPU91は中綴じステープラ40を動作させ、シート中央の2箇所をステープル綴じする。(2箇所以外にも必要に応じて、一箇所又は2箇所より多くともよい。)この動作の完了信号で制御CPU91はストッパー38を前記位置Sh1に移動し、シート中央を折位置Yに位置決めセットする。そこで前述した図15(a)乃至(d)に示すシーケンスでシート束に折り処理を施し、このシート束を第2排紙トレイ22に搬出する。
[パンチ処理を付加した簡易リング構成の説明]
次に、本発明の主体をなすシートにパンチ孔を穿孔する穿孔装置28に紙製ステープル60でこのパンチ孔を綴じる機構・動作について図21から図27に基づいて説明する。この穿孔装置は、先に説明した図1から図3に図示されているように後処理装置Bのシートの搬入口23付近の搬入ローラ24とその下流側のローラとの間に配置してある。
図21は穿孔装置を画像形成装置Aの側面側からの見た構成の説明図、図22は穿孔装置を同装置Aの正面側から見た構成の説明図、図23はこの穿孔装置によりシートにパンチ孔を先行した状態の説明図である。図24は二つ折りにしたシート束に紙製ステープル60によりパンチ孔に紙製ステープル60で綴じ、中央にファイリング用のパンチ孔を穿孔した状態を示す説明図である。図25から図27は穿孔装置で穿孔し紙製ステープルで綴じる手順を示すフローチャート図である。
(穿孔装置の機構説明)
図21に示すように、穿孔装置28の筐体(上ガイド164と下ガイド165)内には各パンチユニット151、152の駆動源であるパンチモータ162が設けられている。パンチモータ162からの駆動はギア列161、入口ギア159を介して駆動軸158に入力されるように配列されている。
この駆動軸158には、シートの所定位置に穿孔するパンチユニット151、152が設けられている。パンチユニット152はシートの幅方向の中央付近にファイリング用孔fpを穿孔するファイリング用のパンチを穿孔するユニットである。またパンチユニット151はシート側縁に近い位置にこれまで説明してきた紙製ステープル60を貫通させる簡易リング用パンチ孔rpを穿孔する。従って、紙製ステープル60を貫通させて簡易のリング製本とするためにはリング用パンチユニット151を動作させ、ファイリングのための穿孔のためにはファイリング用パンチユニット152を動作させることになる。また、リング用及びファイリング用両方のパンチ孔を穿孔させるためにはこの両方のパンチユニット151、152を動作させることになる。
図22によく示されているように、パンチユニット151、152は回転するカムの位相のみが異なり他は同じ構成となっている。図22は手前側に簡易リング用パンチrpを穿孔するリング用パンチユニット151が後側にファイリング用パンチfpを穿孔するファイリング用パンチユニット152が配置してある。
この各パンチユニット151、152は、駆動軸158の回転により回転する偏心カム181と、この変身カムの外側で従動して回転するカムホルダ180が取り付けられている。このカムホルダ180の下端部にはシートにパンチ口を穿孔するパンチ刃153がパンチ刃取り付けピン182よって軸支されている。パンチ刃153は、穿孔装置28のフレームの一部を構成する上フレーム150に取り付けせれたパンチ刃ガイド154によって上下の移動を案内される。この上フレーム150の下側にはシート搬送経路(P1)156を挟んでパンチ刃153が貫通するパンチダイ155が対向している。
ところで、パンチ刃ガイド154等を支持する上フレーム150とダイ等が形成されたパンチ下フレーム170は一体となって図21左右方向に移動可能となっている。これはパンチ支持フレーム167上にコロ171で移動可能となっている。この移動は上ガイド164の図21右側に設けられたラック172とこれに噛み合うギア173によって行われる。ラック172はギア173を介して移動モータ174によって移動し、この移動によりパンチユニット151、152、パンチ刃ガイド154を含む上ガイド164及びパンチダイ155を含むパンチ下フレーム170が下ガイド165に設けられたパンチ支持フレーム167上をコロで左右に摺動することになる。
この摺動動作は、図示のもっとも右寄りのホームポジションにパンチユニット151、152とパンチダイ155等の上ガイド164を位置させておき、シートがシート搬入経路(P1)156に搬入された以降に下ガイド165に固定されている移動モータ174を駆動する。この駆動によりギア173が回転し、この回転によりラック172を図示左側に移動する。この移動で搬送途中のシートの側端をセンサ175が検出した段階で移動モータ174の駆動を停止する。これによりシートの幅方向に多少のばらつきがあっても搬送されるすべてのシートに同じ位置に所望のパンチ孔が穿孔できる。なお、図22におけるパンチユニット151、152の下方には、パンチ刃153によって穿孔処理によって発生したパンチ屑を収納する屑ボックス166が下ガイド165内に設けられている。
(穿孔装置の動作説明)
以上のように構成された穿孔装置28は、次のように動作する。
まず、シートが搬入ローラ24よって搬入されてくることをセンサS1によって検出するとシートの搬送方向の端縁か、中央か、中央の場合はファイリング用のパンチ孔frか、紙製ステープルをパンチ孔に打ち込ませる簡易リング用のパンチ孔rpか、あるいは中央でもファイリング用あるいはファイリング用frと簡易リング用パンチ孔rpかなどのパンチ孔穿孔位置の指定に従って穿孔装置28が動作する。
ここでの説明は、ファイリング用パンチ孔frと簡易リング用パンチ孔rpの両方にパンチ孔を形成することを例として示す。図23によく示されているようにシート長さ情報からシート搬送方向の2/1Lの位置が搬送方向の中央となる。この位置は、これまで説明したシート束となった際の折り位置Yとなり、また紙製ステープル60がこの位置を跨いで打ち込まれる位置でもある。従って、ファイリング用パンチ孔frと簡易リング用パンチ孔rpは折り位置を挟んでシート搬送方向前後に穿孔される。
さて、センターS1で検出されたシートは中央線1/2Lのよりもβ分手前位置になったとき搬入ローラ24及び排紙ローラ25によるシートの搬送を一旦停止する。この搬送過程においてパンチユニット151、152を支持する上ガイドは図21の最も右側のホームポジション位置からシート側端を検出するセンサ175がシート側縁を検知するまで、移動モータ174を動作させシート端部からファイリング用のパンチ孔fpを設定し、停止後パンチ処理を実行する。
このパンチ処理は、パンチモータ162を図22時計方向に90度回転させる。この回転角度は駆動軸158の入口ギアに取り付けられたパルス発生フラグをエンコーダセンサー160によって検出して決定する。駆動軸158が図示反時計方向に回転すると偏心カム181も反時計方向に回転する。この偏心カム181の回転によりリング用パンチユニット151のパンチ刃153は図示b方向に上昇移動する。一方、ファイリング用パンチユニット152は偏心カム181の位相を異ならせているため下降移動し、シートにファイリングパンチfpを穿孔する。このファイリング用のパンチ孔fpをパンチ後、パンチモータ162を逆転させる。同時に搬入ローラ24及び排紙ローラ25再度駆動回転させ、シートをさらに搬送し、シートの中央線1/2Lとの差がαとなったところでシートを停止させる。この状態でさらにパンチモータを図22に図示の時計方向に回転させると、今度はリング用パンチユニット151のパンチ刃153が図示a方向に移動し、シートに紙製ステープル60の脚部61、62が貫通するリング用パンチrpを穿孔する。
この上流側のファイリング用パンチ孔fpと簡易リング用パンチ孔rfを穿孔後、再度シートを1/2Lの中央線を越えて移動する。そして今度は下流側の簡易リングパンチ孔r‘pとファイリング用パンチ孔f’pを穿孔する。これにより図23に示すように搬送されるシートの中央1/2L線を挟んで4つのパンチ孔が穿孔される。このパンチの穿孔が終了すると、これまで述べたようにスタッカ部35にパンチ孔が穿孔されたシートが一時集積され、中綴じステープラ40、折りローラ35、折りブレード46により折り処理され、第2排紙トレイに集積される。
上記の折り処理を行い排出されたシート束100の状態が図24に示されている。シーシートの側縁近い側にリング用パンチ孔rpを穿孔し、中綴じステープラ40よって紙製ステープル60で綴じられている状態を示している。またシート幅方向の中央寄りにはファイリング用のパンチ孔fpが穿孔されている。ファイルに綴じ込む際はこのファイリング用のパンチ孔fPを綴じ金具を通して綴じることとなる。従って、従来のように、出来上がった二つ折りシート束を別の穴あけ機でファイリング用のパンチをすることなく綴じ込み整理することができ、利便性が向上する。
ところで、本願にあってはパンチ孔の位置について次の配慮をしている。図24でシート束100を二つ折りにした場合に、シートの1/2Lの位置である折り線からパンチまでの距離は最も、もっとも内側のシートと最も外側のシートでズレが生じる。これは折りブレード46側のシートは間に何も介在なく折られ、折りローラ手段45に近い外側に行くに従って折り厚さが加わってパンチ口の位置は折り位置に近づくことになる。従って、折り込むシートがすべて同じ位置(図23のαとβの距離)であると綴じる搬送枚数が多いときは折った場合にずれが生じ、紙製ステープル60に余分な負荷がかかったり、ファイリングが入れにくかったりする。この為、本願にあってはスタック部35でスタックした際にもっとも折りブレード46に近いシートの中央線1/2Lからのα・βのパンチ孔間の間隔を、順次搬入されるシート毎に大きくするようにしている。このようにすることにより折り後のシート束100のパンチ位置のずれが少なくなるか、なくなり紙製ステープル60の貫通やファイリングがしやすくなる。本実施の場合、スタック部35にスタックする1枚目のシートのα・βを基準として、後続のシートのα・βを徐々に大きくし、最後にスタックするシートのα・βの間隔をもっとも大きくしている。
上述のように、パンチ処理を行いスタッカ部35に集積した後の動作は、これまでのパンチなしの中綴じ処理と同様であり、これと異なる点は、中綴じステープラ40の紙製ステープル60でシート束100を綴じる際に簡易リング用パンチ孔rp、r‘pに紙製ステープル60の脚部61、62を貫通させて綴じ込みを行う点である。なお、これは、リング部材を用いて綴じるものもあるが、かなり強固なリング部材を用いて行うことなく簡易なリング綴じが可能となり、さらに予めパンチ孔が開いているので硬い紙や厚いシート束100を綴じる場合に紙製ステープル60の脚部を貫通させる際の負荷抵抗も低減できる。尚、すでに述べてあるように折りローラ手段45にシート束100を折り込む折りブレード46をシート束100の前記パンチ孔(rp)貫通した後に内側に折り曲げられた紙製ステープル60の脚部側62の接着部63に当接させて接合を強化している。
(パンチ処理の有無を含む全体手順)
ここからは、穿孔装置28を用いてパンチ処理を行う場合、あるいは行わない場合を含め実施形態の手順を図25から図27までのフローチャートを用いて説明する。
図25において、中綴じ処理を設定すると少なくともシート束100の折り位置を跨いで紙製ステープル60で綴じることとなる。この際ステップS100で、紙製ステープル60でリング用のパンチ孔(rp、r‘p)に綴じ処理を行うか否かを設定する。設定する(YES)場合は、次ステップS101でファイリング用のパンチ孔(fp、f’p)を穿孔するかを設定する。設定する(YES)場合は、ステップS102で対象シートのサイズをから搬送方向長さ1/2の位置(折り位置・綴じの跨ぎ位置)の設定及びリング用のパンチ孔(rp、r‘p)及びファイリング用のパンチ孔(fp、f’p)の位置を決定する。この設定はすでに述べているのでここでの説明を省略する。この設定が行われた後、ステップS103で後処理装置Bの搬入口23からシートの搬入を行う。搬入ローラ24近傍のシート検出センサS1が先端を検出し、実際にシート上流側(シート搬送方向長さの1/2位置手前)のファイリング用のパンチ孔(f‘p)位置を設定する。
ここで、図25に示すステップS100で、紙製ステープル60でリング用のパンチ孔(rp、r‘p)を行なわない場合について説明する。この場合、S105ステップでファイリング用のパンチをするかどうかの条件設定をする。ファイリング用のパンチをしない場合は、紙製ステープル60の綴じ通常の折り処理のみなので、後述するスタッカ部処理に移行する。一方、ファイリング用のパンチを行う場合はすでに説明したように、S106に示されるように、搬入するシートサイズからシート長さを割り出しシート長さの1/2L位置を中心としてパンチを行う位置を割り出す。この後、S107において後処理装置Bの搬入口23からシートの搬入を行う。S108で搬入ローラ24近傍のシート検出センサS1が先端を検出し、実際にシート上流側(シート搬送方向長さの1/2L位置の手前)のファイリング用のパンチ孔(f‘p)位置に達しているかを確認し、達している場合はシートを停止して次のステップに進む。
次に、図26により引き続く手順を説明する。まず、リング綴じ用パンチ及びファイリング用パンチの両方を実行する(1)のフローは、S113ステップで図23に示す上流側のファイリング用のパンチを実行する。このパンチ動作は、すでに説明してあるようにパンチユニット152の中央側の2対で実行される。今度はS114ステップで、シートの側縁側に近いリングパンチ位置を割り出す。この位置は図23に示すように折り位置よりも上流側に位置し、S115ステップで左右に箇所に夫々紙製ステープル60の脚部61、62を貫通させるためのパンチ孔を穿孔する。これが完了すると再びシートを下流側に搬送する。この時点でシートはシート長1/2L位置を通過し、ステップS117で下流側のパンチ位置までシートを搬送する。下流側のパンチ位置に至ると、今度は穿孔装置28の両側に位置するリング用パンチユニット151で下流側のリング用パンチ(r‘p)に箇所にパンチ処理を実行する。次にステップS118で、下流側のファイリングパンチ位置かを確認し、パンチ位置に達するとファイリング用パンチユニット152で下流側に箇所にファイリング用パンチ(f’p)を穿孔すし、スタック部の処理に移行する。
次にリングパンチは行わずファイリングパンチと紙製ステープル60での綴じを行う(2)のタイプ処理を同じ図26で説明する。先の動作で上流側のファイリングパンチ位置(fp)を設定しているので、ステップS120で上流側のファイリングパンチを実行する。完了後シートをさらに搬送しシート長さ1/2Lを超えた位置であるステップ121でファイリングパンチ位置を確認する。ステップ122で下流側ファイリングパンチ(f‘p)を穿孔しスタック部処理に移行する。
次に(3)のフローであるリング用パンチを行うが、ファイリングパンチは行わない動作を説明する。すでにリングパンチ位置を設定しているので、ステップ125で上流側のパンチ位置かを確認し、その位置に達した時点でシートを停止し、ステップ126で上流側リングパンチの穿孔動作を実行する。完了後シートを搬送し、シートの搬送方向長さの1/2L長さを超えた位置で、ステップ127で下流側のリングパンチ位置を確認する。この位置に達した場合、ステップ128で下流側のリング用パンチ孔の穿孔動作を実行し、スタッカ部の処理に移行する。
以上のように、パンチ孔穿孔処理を、(1)紙製ステープルを貫通させる簡易リング用のパンチ処理とファイリング用のパンチ孔処理を行うもの。(2)簡易リングは行わず、直接紙製ステープル60で綴じ次処理を行うとともにファイリング用のパンチ孔の穿孔処理を行うもの。(3)簡易リング用のパンチ孔の穿孔処理のみを行うもの。(4)そして4番目の処理として簡易リング用のパンチもファイリング用のパンチも行わず、本願の前半で説明した紙製ステープル60で綴じるのみのものに区別される。これら何れのものも図27に示すように紙製ステープル60での綴じ処理を実行し折りローラ45と折り板46により折り処理を実行する。この動作はすでに説明したのでここでの説明を省略するが、簡易リング用パンチを穿孔するとこの位置に紙製ステープル60が貫通される。また、シート搬送方向の前後のパンチ孔は折りあわされてもパンチの位置が一致していることは言うまでもない。
以上説明したように、本願にあっては、パンチ孔に対して紙製スープルを貫通するので、簡易のリング綴じが可能であるとともに、シート材が固いものや厚いものであっても予め綴じ位置で穿孔処理を行うことで、抵抗なく容易に綴じることができる。さらに、ファイル用のパンチ孔と組み合わせることでファイリング用のパンチを別に穿孔することなくオペレターの多様な要求に対応することができる。