JP6226628B2 - 層厚規制部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、現像剤担持体の周面に対する対向面を有する対向部と現像剤の層厚を規制する層厚規制部とを有する層厚規制部材の製造方法に関する。
像担持体に形成された静電像を現像装置により現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録材に転写して定着装置により加熱加圧することにより記録材に画像を形成する画像形成装置が広く用いられている。現像装置は、回転する現像剤担持体に担持された現像剤を層厚規制部材で規制して現像剤担持体に一様な厚さの現像剤を担持させる(特許文献1、2)。
特許文献2の現像装置は、現像剤担持体の両端を回転自在に支持する一対の支持部の間に樹脂製の対向部材を梁状に掛け渡している。金属製の層厚規制部材は、先端部と現像剤担持体との間に所定の隙間を形成するように位置決めた状態で対向部材にねじ固定されている。
特開2002−214886号公報 特開2012−247757号公報
特許文献2の現像装置では、層厚規制部材と層厚規制部材を支持する部材とが別部材であるため部品コストが高くなる。現像剤担持体に対して層厚規制部材を位置決め調整した状態で、層厚規制部材を、対向部材上に複数個所でねじ固定しているため、組み立てコストが高くなる。
そこで、対向部材に層厚規制部を設けた層厚規制部材の全体を樹脂材料で一体に射出成型して一個の部品にすることが提案された。しかし、実際に、層厚規制部を設けた層厚規制部材を射出成型により試作したところ、層厚規制部材に歪みを生じて、現像剤担持体に担持された現像剤に層厚むらが形成されることが判明した。
本発明は、層厚規制部材の金型を改良して、層厚規制部材を第二の割型から分離する際に層厚規制部に作用する応力を軽減して、歪みの少ない層厚規制部が得られる層厚規制部材を提供することを目的としている。
本発明は、現像剤担持体に担持される現像剤量を規制する層厚規制部材であって、前記層厚規制部材は、前記層厚規制部材の長手方向に沿うように前記層厚規制部材の現像剤担持体する対向面から突出して前記現像剤担持体に担持され現像剤を規制する規制部と、前記層厚規制部材の長手方向に沿うように前記対向面の反対面から突出したリブ部と、を備えた層厚規制部材の製造方法において前記層厚規制部材の前記対向面と前記規制部を成型する第一の割型と、前記層厚規制部材の前記反対面と前記リブ部とを成型する第二の割型と、の間に樹脂を射出する第一工程と、前記第一工程によって射出された樹脂を固化させる第二工程と、前記第二工程後に前記第一の割型を前記層厚規制部材から分離して、その後、前記第二の割型を貫通して前記第二の割型に対して相対移動する押し出し部材が前記リブ部の先端を押し出して、前記第二の割型から前記層厚規制部材を分離する第三工程と、を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、第一の割型を層厚規制部材から分離した後に、規制部が形成された対向面の反対面から突出するように形成されたリブの先端を押し出し部材により押し出して、層厚規制部材を第二の割型から分離するので、押し出す際に層厚規制部材に発生する応力が規制部にまで及び難い。
したがって、層厚規制部材を第二の割型から分離する際に、規制部に作用する応力を軽減して規制部の変形を抑制し得て、もって規制部に歪みが少ない層厚規制部材を提供できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 実施例1の現像装置の構成の説明図である。 実施例1の現像スリーブユニットの斜視図である。 スリーブホルダフレームの軸垂直断面図である。 実施例1の射出成型用金型の説明図である。 比較例1の現像装置の構成の説明図である。 実施例2の現像スリーブユニットの斜視図である。 実施例2の射出成型用金型の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置60は、中間転写ベルト61の下向き面に沿って画像形成部60Y、60M、60C、60Bkを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部60Yでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。画像形成部60Mでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。画像形成部60C、60Bkでは、それぞれ感光ドラム1C、1Bkにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト61に転写される。
中間転写ベルト61に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Sへ二次転写される。分離ローラ63は、記録材カセット62から引き出した記録材Sを1枚ずつに分離して、レジストローラ65へ送り出す。レジストローラ65は、中間転写ベルト61のトナー像にタイミングを合わせて記録材Sを二次転写部T2へ送り込む。四色のトナー像を二次転写された記録材Sは、定着装置9で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着される。
<画像形成部>
画像形成部60Y、60M、60C、60Bkは、それぞれの現像装置3で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部60Bkについて説明し、他の画像形成部60Y、60M、60Cについては、重複する説明を省略する。
画像形成部60Bkは、感光ドラム1Bkを囲んで、帯電装置2、露光装置68、現像装置3、転写ローラ4、ドラムクリーニング装置5を配置している。感光ドラム1Bkは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層を形成しており、所定のプロセススピードで回転する。
帯電装置2は、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を帯電ローラに印加して、感光ドラム1Bkを一様な負極性の電位に帯電させる。露光装置68は、各色の画像を展開した走査線画像信号をON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1Bkの表面に画像の静電像を書き込む。現像装置3は、トナーを感光ドラム1Bkに移転させて静電像をトナー像に現像する。画像形成によって現像装置3で消費されたトナー量に見合った量の新しいトナーが、トナーカートリッジ605から不図示のトナー搬送経路を経て現像装置3に供給される。
転写ローラ4は、中間転写ベルト61を押圧して、感光ドラム1Bkと中間転写ベルト61の間に転写部を形成する。転写ローラ4に正極性の直流電圧が印加されることにより、感光ドラム1Bkに担持された負極性のトナー像が中間転写ベルト61へ転写される。ドラムクリーニング装置5は、感光ドラム1Bkにクリーニングブレードを摺擦させて、感光ドラム1Bkの表面に付着した転写残トナーを除去する。
中間転写ベルト61は、テンションローラ7c、二次転写対向ローラを兼ねた駆動ローラ66、及び張架ローラ7a、7bに掛け渡して支持され、駆動ローラ66に駆動されて矢印C方向に回転する。二次転写ローラ67は、駆動ローラ66に内側面を支持された中間転写ベルト61に当接して二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ67に正極性の直流電圧が印加されることで、中間転写ベルト61上のトナー像が記録材Sへ移転する。ベルトクリーニング装置8は、中間転写ベルト61にクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト61の表面の転写残トナーを回収する。
<実施例1>
図1に示すように、プロセスカートリッジの一例である画像形成部60Bkは、像担持体の一例である感光ドラム1Bkに担持された静電像を現像装置3によりトナー像に現像する。
図2に示すように、位置決め構造の一例である突き当て部12a、12bは、現像スリーブ70を感光ドラム1Bkから所定の隙間を隔てた位置に位置決める。現像装置3は、現像スリーブ70と平行にスリーブホルダフレーム37を配置している。一対の支持部の一例であるスリーブ軸受け部材11a、11bは、スリーブホルダフレーム37の両端部に配置されて現像スリーブ70の両端を回転自在に支持する。スリーブ軸受け部材11a、11bは、層厚規制部36と現像スリーブ70の隙間を所定距離に調整した後にスリーブホルダフレーム37の端面に固定されている。
層厚規制部材の一例であるスリーブホルダフレーム37は、上流側対向部の一例である現像剤整流部35と下流側対向部の一例であるベース面37Bと層厚規制部の一例である層厚規制部36とを有する。現像剤整流部35は、現像剤担持体一例である現像スリーブ70の周面に対する対向面を有する。層厚規制部36は、現像剤整流部35から現像剤担持体側へ突出して現像スリーブ70に担持された現像剤の層厚を規制する。
(プロセスカートリッジ)
図1に示すように、画像形成部60Y、60M、60C、60Bkは、露光装置68及び転写ローラ4を除いた部分を、各色毎の交換ユニットであるプロセスカートリッジとして一体化している。画像形成部60Y、60M、60C、60Bkは、画像形成装置60の装置本体フレームに対して着脱可能に取り付けられている。転写ローラ4は、中間転写ベルト61を含む中間転写ユニット6に内蔵されている。プロセスカートリッジは、現像装置3を含む画像形成部60Bkを一体的にユニット化し、画像形成装置60に対して着脱可能としたものである。
なお、画像形成装置によっては、ドラムクリーニング装置5を独立した交換ユニットとしている場合もある。ドラムクリーニング装置5及び帯電装置2を独立した交換ユニットとして、感光ドラム1Bk及び現像装置3を1個のプロセスカートリッジとしている場合もある。
(現像装置)
図2は実施例1の現像装置の構成の説明図である。図2に示すように、現像装置3は、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を混合させた二成分現像剤を現像容器30に貯留する。現像装置3は、現像容器30の現像剤を帯電させ、帯電した現像剤を現像スリーブ70の表面に担持させて感光ドラム1Bkの静電像へトナーを供給する。
現像装置3は、感光ドラム1Bkへ向かう開口部に現像スリーブ70を配置している。現像スリーブ70の下方に、第一搬送スクリュー33と第二搬送スクリュー34が配置されている。現像スリーブ70と第一搬送スクリュー33と第二搬送スクリュー34は、現像容器30の外側でそれぞれの軸端に配置したギア列に連結されて一体に回転駆動される。
現像容器30は、隔壁30hによって第一搬送室31と第二搬送室32とに仕切られている。第一搬送室31と第二搬送室32とは、長手方向の両端に形成された隔壁30hの開口部を通じて連通する。第一搬送室31には第一搬送スクリュー33が配置され、第二搬送室32には第二搬送スクリュー34が配置される。第一搬送スクリュー33及び第二搬送スクリュー34が駆動されることで、隔壁30hの開口部を通じて現像剤が受け渡されて、第一搬送室31と第二搬送室32を現像剤が循環する。第一搬送スクリュー33及び第二搬送スクリュー34によって攪拌を受けつつ搬送される過程で、現像剤中のキャリアとトナーが摩擦して、キャリアが正極性に、トナーが負極性に帯電する。
現像スリーブ70は、現像容器30に対して回転不可に支持されたマグネット部71の周りで回転可能に支持されて、第二搬送スクリュー34と周方向に対向している。第二搬送スクリュー34は、第二搬送室32の現像剤を搬送しつつ現像スリーブ70に供給する。供給された現像剤は、マグネット部71の磁力によって現像スリーブ70の表面に担持されて矢印D方向に搬送される。
マグネット部71は、回転する現像スリーブ70の表面に現像剤を磁気的に担持するための磁界を発生させる。マグネット部71は、磁極が周方向の所定の位相位置に固定されて回転不可に支持されるため、現像スリーブ70の表面に形成される磁極のパターンは、周方向で所定の位相に固定される。マグネット部71の周りで現像スリーブ70の外殻を構成するスリーブ管72のみが回転可能に支持される。現像剤中のキャリアとトナーは、マグネット部71のそれぞれの磁極位置では、摩擦帯電により付着した状態で、現像スリーブ70の表面に対して穂立ち状に担持されて磁気穂を形成する。
現像スリーブ70は、回転方向に沿って第二搬送スクリュー34、現像剤整流部35、層厚規制部36、及び感光ドラム1の順番に対向する。現像剤整流部35は、層厚規制部36へ現像剤を搬送する際のガイドとなる。矢印D方向に回転する現像スリーブ70に担持された現像剤は、現像剤整流部35を通過して層厚規制部36によって層厚規制される。層厚規制部36の手前側の現像スリーブ70と現像剤整流部35とで囲まれた空間に現像剤溜まりが形成されて、現像スリーブ70の回転軸線方向における現像剤の密度が均される。
層厚規制部材(スリーブホルダーフレーム)37は、層厚規制部36の先端部を現像スリーブ70の表面に対向させている。現像スリーブ70の磁界によって起立した穂立ち状の現像剤が、層厚規制部36に向かって搬送される。層厚規制部36の先端面と現像スリーブ70の隙間が所望の範囲に設定されているため、穂立ち状の現像剤は、層厚規制部36を通過することで均一な厚さのコート層となる。
対向配置された現像スリーブ70と感光ドラム1の対向距離は、現像スリーブ70の回転軸を支持するスリーブ軸受け部材(11a、11b:図3)に形成された突き当て部12a、12bによって所定値(300μm)に規定されている。現像スリーブ70と感光ドラム1の対向間隔をSDギャップと呼ぶ。SDギャップを超えて感光ドラム1表面を摺擦する磁気穂によって感光ドラム1の静電像が現像される。現像スリーブ70の回転方向Dは感光ドラム1の回転方向Eに対してカウンタ方向に設定しているが、ウイズ方向に設定してもよい。
(現像スリーブユニット)
図3は実施例1の現像スリーブユニットの斜視図である。図3に示すように、現像スリーブユニット10は、現像スリーブ70、スリーブ軸受け部材11a、11b、及びスリーブホルダフレーム37を一体に組み立てた交換ユニットである。現像スリーブユニット10は、図2に示す現像容器30に対して、スリーブ軸受け部材11a、11bが有する一対の位置決め軸13によってその姿勢を保持される。位置決め軸13は、現像容器30に対して現像スリーブ70を揺動可能に支持するとともに、スリーブホルダフレーム37の熱膨張/収縮を妨げない。
現像スリーブ70の両端部は、一対のスリーブ軸受け部材11a、11bによって回転自在に支持される。現像スリーブ70の両端から突出した円筒軸は、スリーブ軸受け部材11a、11bに嵌め込まれたベアリング(焼結軸受け)に挿入されている。
スリーブホルダフレーム37は、一対のスリーブ軸受け部材11a、11bの間に掛け渡して梁状に配置される。スリーブ軸受け部材11a、11bは、層厚規制部(36:図2)と現像スリーブ70が対向するSBギャップを適正に設定した後にスリーブホルダフレーム37の両端面に固定される。SBギャップの調整は、スリーブ軸受け部材11a、11bに対してスリーブホルダフレーム37の位置を全体的に動かすことで行う。例えば、TVカメラ等でSBギャップの値が所望の範囲に入ったことを確認した状態のまま、スリーブ軸受け部材11a、11bに対してスリーブホルダフレーム37を固定して全体を一体化している。その固定方法として、ビス等を用いてもよい。しかし、スリーブホルダフレーム37及びスリーブ軸受け部材11a、11bを樹脂材料で形成している場合、レーザー溶着やUV接着などの固定方法を選択することが望ましい。レーザー溶着やUV接着は、ビス等に比較して、固定に伴う部材間の捩れを小さく抑えることが可能である。
(層厚規制部材)
図4はスリーブホルダフレームの軸垂直断面図である。図4に示すように、上流側対向面の一例である現像剤整流部35は、現像スリーブ70の層厚規制部36へ進入する領域に対向する。下流側対向面の一例であるベース面37Bは、現像スリーブ70の層厚規制部36を通過した領域に対向する。補強リブ38A、38Bは、層厚規制部36が突出する方向で層厚規制部36に重なる位置を挟んで現像剤整流部35とベース面37Bとに配置される。
スリーブホルダフレーム37は、現像スリーブ70に対向する反対側の面に補強リブ38A、38B、38Cを形成されている。スリーブホルダフレーム37は、熱可塑性樹脂材料で一体に射出成型された1個の部品であって、現像スリーブ70を保持する門型の構造の一部を構成する。
スリーブホルダフレーム37は、基本肉厚t1で構成されたベース面37Bの現像スリーブ70対向側に、層厚規制部36、現像剤整流部35、及びカバー部37Cを形成している。ベース面37B、層厚規制部36、補強リブ38A、38B、38Cは、スリーブホルダフレーム37の軸垂直断面において一体的に構成される。スリーブホルダフレーム37に用いる樹脂材料としては、PC+AS樹脂材料やPC+ABS樹脂材料など、比較的高い剛性を有するものを選択している。
(金型構成)
図5は実施例1の射出成型用金型の説明図である。図5に示すように、スリーブホルダフレーム37は、金型の一例である射出成型用金型50を用いて一体に射出成型される。第一の割型の一例である凹所側割型50Aは、現像剤整流部35と層厚規制部36とを成型する。第二の割型の一例であるコア側割型50Bは、現像剤整流部35とは反対側の面を成型する。押し出し部材の一例である突き出しピン39Aは、樹脂成型品を分離するためにコア側割型50Bを貫通して移動可能に配置される。
スリーブホルダフレーム37の層厚規制部36と反対側の面は、突き出しピン39Aの移動方向に突出して現像剤回転軸線方向に連続したリブ部の一例である補強リブ38A、38Bを含む。突き出しピン39Aの当接位置は、補強リブ38Aの先端面である。
スリーブホルダフレーム37は、凹所側割型50Aとコア側割型50Bの間に樹脂を射出して樹脂成型品を固化させた後に、固化した樹脂成型品を、突き出しピン39Aによりコア側割型50Bから押し出して分離している。
スリーブホルダフレーム37は、固化した樹脂成型品をコア側割型50Bから分離する前に、層厚規制部36が突出する方向へ凹所側割型50Aを移動させて、コア側割型50Bから凹所側割型50Aを分離する。
スリーブホルダフレーム37は、射出成型用金型50を用いて射出成型加工されている。射出成型用金型50の凹所側割型50Aとコア側割型50Bとは、分離線PLで分離される。凹所側割型50Aは、現像剤整流部35及びカバー部37Cを成型する面と、層厚規制部36を成型する凹所を有する。コア側割型50Bは、ベース面37Bを成型する凹所と、補強リブ38A、38B、38Cを成型する凹所とを有する。
射出成型後、凹所側割型50Aをコア側割型50Bから分離した際に、成型されたスリーブホルダフレーム37は、コア側割型50B上に保持されている。このため、突き出しピン39A、39B、39Cは、スリーブホルダフレーム37の補強リブ38A、38B、38Cの先端位置に突き出して、コア側割型50Bからスリーブホルダフレーム37を押し出す。
(比較例1)
図6は比較例1の現像装置の構成の説明図である。図6に示すように、比較例1の現像装置3Eは、層厚規制部材(ドクターブレード)73とベース部材75とを別部材化しており、層厚規制部材73にステンレス製の薄い板金部材を使用している。金属製の層厚規制部材73の先端部を現像スリーブ70の周面に対向させてSBギャップGを形成している。現像スリーブ70の磁界によって付着した穂立ち状の現像剤を等しく刈り揃えて、現像スリーブ70に均一な厚さの現像剤コート層を形成するため、SBギャップGは、現像剤搬送方向に直角な方向において均一であることが要求される。
比較例1でも、現像装置3Eのカバー76を取り外して、現像スリーブ70とベース部材75とを一体に取り出し/取り付け可能である。現像スリーブ70とスリーブ軸受け部材(11a、11b:図3参照)とベース部材75とを一体に取り出した状態で治具にセットして、SBギャップGが所望の範囲内に収まるように、ベース部材75に対して層厚規制部材73を移動させる。ベース部材75上で層厚規制部材73を手動により位置調整した状態で、ベース部材75に対して層厚規制部材73を調整ビス74によって固定する。
比較例では、調整ビス74を複数の個所で締結した場合の各位置の変位量も考慮しながら、トライアンドエラーの調整を行う必要があるため、組み立て調整の作業効率が良くない。
比較例では、層厚規制部材73が薄い板金部材であるため、曲げや振動を生じる可能性がある。層厚規制部材73は、現像スリーブ70の表面の現像剤から大きな負荷を受けると、調整ビス74の間隔で変形する可能性がある。層厚規制部材73が変形すると、SBギャップGが現像スリーブ70の回転軸線方向で変位して、現像スリーブ70の現像剤コート量が不均一となり、画像濃度ムラの原因となる。金属の層厚規制部材73が摩耗すると、摩耗に伴う金属粉が現像スリーブ70上の現像剤に混入する可能性がある。
(実施例1の効果)
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、軽量化およびコストダウンの観点から、金属材料を樹脂材料に置き換えている。樹脂材料は非磁性であり、成型加工の自由度が高いため好ましい。
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、比較例におけるベース部材たる現像剤整流部35と層厚規制部材たる層厚規制部36とを一体的に構成することで、比較例における非効率的な調整に関する課題を解決する。現像剤整流部35と層厚規制部36とを一体的に構成することは、剛性面でも大きな断面二次モーメントを確保しやすい。
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、現像剤の整流部および層厚規制部を安価な材料および加工方法にて高精度に構成することができる。これにより、安価でありながら高精度・高剛性の厚規制部材を実現し、現像スリーブ70の長手方向で均一なコート量を安定的に実現できる。その結果、安定した現像濃度が得られるようになり、現像剤から受ける負荷および使用環境(温湿度)の変化に対しても画像濃度を安定的に保つことが可能となる。
スリーブホルダフレーム37は、材料として樹脂材料を用いているので、現像装置3の部品点数削減及び軽量化に貢献できる。現像剤に接する部分に金属材料を使用しないので、層厚規制された現像剤に金属粉が混入する要因を低減できる。
実施例1の射出成型用金型50によれば、凹所側割型50Aが離型性の良い形状ため、凹所側割型50Aをコア側割型50Bから分離する際のスリーブホルダフレーム37の変形が最小限に抑えられる。
実施例1の射出成型用金型50によれば、突き出しピン39A、39B、39Cが補強リブ38A、38B、38Cの先端位置を押すので、コア側割型50Bから分離する際のスリーブホルダフレーム37の変形が最小限に抑えられる。
このため、射出成型後にスリーブホルダフレーム37を型抜きする過程における層厚規制部36の長手方向に対する反りが低減されて層厚規制部36の真直度が出易い。
図3に示すように、画像形成時に現像剤により発生する力F1、F2による撓みおよび熱変形による反りを含めても、層厚規制部36の真直度は20〜30μm以下に抑えられた。連続画像形成の開始時から6時間の連続画像形成を継続して温度上昇しても、終始、安定した画像濃度が得られることが確認された。
実施例1の射出成型用金型50によれば、層厚規制部36および現像剤整流部35を、安価な樹脂材料と生産性の高い射出成型加工で製造できるため、部品の製造コストが低下する。特許文献2に示されるような、現像剤層厚規制ブレードを位置調整して梁部材に取り付ける煩雑な調整作業が省略される。層厚規制部36に金属製のブレード部材を使用しないため、金属製のブレード部材のように、現像剤と摩擦して金属粉を発生することもない。
一般的に画像濃度ムラを発生させないためには、層厚規制部36の真直度および反りは20〜30μm以下のレベルが要求される。射出成型用金型50は、現像剤整流部35と層厚規制部36とを一体的に樹脂材料で射出成型加工する際に、金型からの離型性や突き出しによる変形が課題とならないため、層厚規制部の真直度および反りは20〜30μm以下のレベルとなる。
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、スリーブホルダフレーム37の金型構成によって、安価でありながら高精度・高剛性の層厚規制部材を実現し、安定した現像濃度が得られる電子写真方式の現像装置を提供している。
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、現像剤から受ける層厚規制部36の負荷および使用環境(温湿度)の変化に伴う材料の伸縮や成型加工時の離型性や突き出しにより、スリーブホルダフレーム37が変形しにくい。スリーブホルダフレーム37における層厚規制部36の負荷および材料の伸縮や成型加工に伴う真直度の低下や反りの影響が低減されたため、出力画像の濃度変動が発生しにくくなった。
(実施例1の見分け方)
実施例1のスリーブホルダフレーム37は、補強リブ38A、38B、38Cの頂上に、所定間隔おきに突き出しピン39A、39B、39Cのピン跡が形成されている。図5に示すように、突き出しピン39A、39B、39Cは、コア側割型50Bに形成されたシリンダ内にピストン状に保持されているため、シリンダの縁に沿った低いバリが形成されている。
<実施例2>
図7は実施例2の現像スリーブユニットの斜視図である。図8は実施例2の射出成型用金型の説明図である。図8に示すように、スリーブホルダフレーム37は、発泡樹脂材料を用いて一体に成型されている。
図7に示すように、実施例2は、スリーブホルダフレーム37に補強リブを有しないことと、スリーブホルダフレーム37が発泡樹脂成型されていること以外は実施例1と等しく構成される。したがって、図7、図8中、実施例1と等しい構成には図3、図5と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、スリーブホルダフレーム37は、長手方向の任意の断面で切った場合に、補強リブ等の肉抜き部がない形状を有する。その代わり、スリーブホルダフレーム37は、樹脂材料を用いた発泡成型加工などで形状が実現されて材料の節約と軽量化が図られている。
射出成型用金型50の凹所側割型50Aとコア側割型50Bとは、分離線PLで分離される。凹所側割型50Aは、現像剤整流部35及びベース面37Bを成型する面と、層厚規制部36を成型する凹所を有する。コア側割型50Bは、ベース面37Bの厚みを成型する凹所と、補強リブ38A、38B、38Cを成型する凹所とを有する。
射出成型後、凹所側割型50Aをコア側割型50Bから分離した際に、成型されたスリーブホルダフレーム37は、コア側割型50B上に保持されている。このため、突き出しピン39A、39B、39Cは、スリーブホルダフレーム37の補強リブ38A、38B、38Cの先端位置に突き出して、コア側割型50Bからスリーブホルダフレーム37を押し出す。
(実施例2の効果)
実施例2のスリーブホルダフレーム37は、荷重による撓みおよび熱変形による反りを含めても、層厚規制部36の真直度は20〜30μm以下に抑えることが可能となり、安定した画像濃度が得られる現像装置を提供することができた。
実施例2のスリーブホルダフレーム37は、現像スリーブ70の回転軸線方向の全域に渡って同じ断面形状が連続した形状となっているため、使用環境(温湿度)の変化に伴う熱応力の分布も均一となる。
実施例2のスリーブホルダフレーム37は、補強リブの肉抜きがなくて断面二次モーメントも十分に確保できるため、力F1、F2に抗する剛性が確保できる。
なお、実際には、スリーブホルダフレーム37は、現像剤担持領域の全域に渡って同じ断面形状であるが、図7に示すスリーブ軸受け部材11a、11bとの接合面である両端部は、ビス締結用の穴や位置決め用のボスなどの形状を例外的に有する。
<実施例3>
本発明は、層厚規制部を一体に形成した層厚規制部材が層厚規制部と反対側の割型から押し出されている限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。層厚規制部を一体に形成した層厚規制部材を有する現像装置及びプロセスカートリッジであれば実施可能である。
実施例1乃至3では、現像装置の場合を例に挙げて説明をしたが、現像装置を含む画像形成部60Bk(図4参照)を一体的にユニット化し、画像形成装置に対して着脱可能としたプロセスカートリッジ形態であっても同様の効果が得られる。さらに、これら現像装置またはプロセスカートリッジを備えた画像形成装置であれはモノクロ機、カラー機を問わず本発明は適用可能である。
画像形成装置は、1ドラム型/タンデム型、中間転写方式/記録材搬送体方式の区別なく実施できる。像担持体の数、像担持体の帯電方式、静電像の形成方式、転写方式等の区別無く実施できる。
また、ここでは、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明しているが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
実施例1乃至3における効果は樹脂材料において限定されるものではなく、金属材料を用いた成型加工(例えばダイキャストなど)で層厚規制部材を形成した場合でも同様の効果が得られる。
実施例1乃至3では、現像装置の場合を例に挙げて説明をしたが、感光ドラム等と一体に交換ユニット化されて画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて実施した場合も、実施例1乃至4と同様の効果が得られる。
1 感光ドラム、2 帯電装置、3 現像装置、4 転写ローラ
5 ドラムクリーニング装置、10 現像スリーブユニット
11 スリーブ軸受け部材、30 現像容器、31 第一搬送室
32 第二搬送室、33 第一搬送スクリュー
34 第二搬送スクリュー、35 現像剤整流部、36 層厚規制部
37 スリーブホルダフレーム、38 補強リブ、39 突出しピン
50 射出成型用金型、50A 凹所側割型、50B コア側割型
61 中間転写ベルト、66 二次転写内ローラ
67 二次転写外ローラ、68 露光装置、70 現像スリーブ
71 マグネット部、72 スリーブ管、73 ドクターブレード
74 調整ビス、605 トナー容器、G SBギャップ

Claims (4)

  1. 現像剤担持体に担持される現像剤量を規制する層厚規制部材であって、前記層厚規制部材は、前記層厚規制部材の長手方向に沿うように前記層厚規制部材の現像剤担持体する対向面から突出して前記現像剤担持体に担持され現像剤を規制する規制部と、前記層厚規制部材の長手方向に沿うように前記対向面の反対面から突出したリブ部と、を備えた層厚規制部材の製造方法において
    前記層厚規制部材の前記対向面と前記規制部を成型する第一の割型と、前記層厚規制部材の前記反対面と前記リブ部とを成型する第二の割型と、の間に樹脂を射出する第一工程と、前記第一工程によって射出された樹脂を固化させる第二工程と、前記第二工程後に前記第一の割型を前記層厚規制部材から分離して、その後、前記第二の割型を貫通して前記第二の割型に対して相対移動する押し出し部材が前記リブ部の先端を押し出して、前記第二の割型から前記層厚規制部材を分離する第三工程と、を有する、
    ことを特徴とする層厚規制部材の製造方法。
  2. 前記リブ部は、前記規制部が設けられている位置と対応する位置とは重ならない位置に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の層厚規制部材の製造方法。
  3. 前記第三工程において、前記押し出し部材は、前記リブ部の長手方向で異なる複数の位置に突き当てることで前記第二の割型から前記層厚規制部材を分離する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の層厚規制部材の製造方法。
  4. 前記リブ部は、前記層厚規制部材の長手方向に沿って複数配置されており、前記第三工程において、前記複数の補強リブ部の各々の先端は、前記押し出し部材により押し出される、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の層厚規制部材の製造方法。
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