JP6226569B2 - 自動二輪車のクラッチ構造 - Google Patents

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Description

本発明はクラッチ構造に関し、特に、自動二輪車に設けられた動力伝達機構のクラッチ構造に関する。
従来例、自動二輪車のキック始動操作に連動する構造を備えたクラッチ構造において、シフトダウン時のエンジンブレーキが増大することに起因する変速ショックを低減するための逆トルクリミッター機構を設けた技術がある。そして、この従来技術ではキック始動時において、足動操作によるキック始動トルクを変速機およびこの変速クラッチを介してクランク軸に伝達してクランク軸を回転させる構造である。このクランク軸を回転させる構造においては、逆トルクリミッター機構が作動した場合に、クラッチにおいて伝達トルクが低減されてしまうことでキック始動性能の低下を抑制するために、この逆トルクリミッター機構を不能にするリミッターキャンセル機構が設けられている。
さらに詳述すると、このリミッターキャンセル機構は、クラッチセンターに、回転自在に設けられたキックウエイトがラチェットプレートと、クラッチセンターのストッパーの間を、クラッチセンターの回転により発生する遠心力によりラチェットプレート側に付勢させる付勢バネに抗って揺動する構造となっている。そして、通常の走行状態における回転数では、キックウエイトをストッパー側に張り付かせてラチェットプレートと離反させることによって、ラチェットプレート側のプレシャープレートとクラッチセンターとが相対回転可能となり、逆トルクリミッター機構が機能される状態となる。一方、キック始動時の回転数ではキックウエイトが付勢バネの付勢力に勝ってラチェットプレートから離反させられる遠心力が発生しないため、キックウエイトがラチェットプレートと当接してロックされる。この結果、ことで、プレシャープレートとクラッチセンターとが相対回転不能となり、逆トルクリミッター機構を不能とする。
ところで、このようなキックウエイトがラチェットプレートと当接してプレシャープレートとクラッチセンターとをロックする構造においては、キック始動装置からの始動トルクが何らかの理由によりクラッチに過大に伝達されるような場合には、キックウエイトとラチェットプレートが密着した状態がエンジン始動後の走行状態においても維持され続ける可能性がある。キックウエイトとラチェットプレートが密着した状態でも走行できるものの逆トルクリミッターが発揮されないために、変速ショックの発生量が従来と異なるように感じられて車両のドライバビリティーの低下を招くおそれがあった。
特許第3378100号公報
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キックウエイトとラチェットプレートが密着した状態を運転者に認識できる機構を備えてドライバビリティーを向上した自動二輪車のクラッチ構造を提供することにある。また、本発明の目的は、キックウエイトとラチェットプレートが密着した状態を強制的に解除可能な強制解放機構を備えてドライバビリティーを向上した自動二輪車のクラッチ構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、変速機の出力軸側のクラッチセンターとプレッシャープレートとがクラッチ板を挟んで、これらの間隔を拡縮することにより動力伝達の断接を行う摩擦クラッチと、
前記出力軸からの逆トルクの入力により前記クラッチセンターと前記プレッシャープレートが相対回転変位して、相対回転変位を前記出力軸の軸方向の動きに変換して前記プレッシャープレートを前記クラッチセンターに押圧する荷重に抗う方向に作用して荷重を相殺せしめる逆トルクリミッター機構と、
アイドリング回転数以下において前記クラッチセンターと前記プレッシャープレートの相対回転変位を拘束するリミッターキャンセル機構と、
を備える自動二輪車のクラッチ構造において、
異なる径方向位置で基端部から回転方向に向けて延出したウエイトアームおよび係止アームを有して、前記クラッチセンターの外周側で前記ウエイトアームと前記係止アームの前記基端部にて揺動自在に軸支されるとともに、付勢バネにより前記係止アームを出力軸の軸中心側に位置するように付勢されて、前記クラッチセンターの回転に伴って発生する遠心力により前記付勢バネの付勢力に抗して前記ウエイトアームおよび前記係止アームを前記出力軸の軸中心から離れる側に揺動されるキックウエイトと、
アイドリング回転数以下の状態において前記係止アームに当接する係合突起を有して、前記プレッシャープレートに連動するラチェットプレートと、を備え、
前記係止アームと前記係合突起との係合状態が維持された場合に、前記ラチェットプレート側に設けられて前記出力軸の軸方向における前記キックウエイトの端面に対して前記軸方向視で重なる移動規制部が形成された移動規制機構を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記移動規制部は、前記ラチェットプレートに、前記係止アームの先端部に対して前記軸方向視で前記キックウエイトに重なるように一体形成されたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、変速機の出力軸側のクラッチセンターとプレッシャープレートとがクラッチ板を挟んで、これらの間隔を拡縮することにより動力伝達の断接を行う摩擦クラッチと、
前記出力軸からの逆トルクの入力により前記クラッチセンターと前記プレッシャープレートが相対回転変位して、相対回転変位を前記出力軸の軸方向の動きに変換して前記プレッシャープレートを前記クラッチセンターに押圧する荷重に抗う方向に作用して荷重を相殺せしめる逆トルクリミッター機構と、
アイドリング回転数以下において前記クラッチセンターと前記プレッシャープレートの相対回転変位を拘束するリミッターキャンセル機構と、
を備える自動二輪車のクラッチ構造において、
異なる径方向位置で基端部から回転方向に向けて延出したウエイトアームおよび係止アームを有して、前記クラッチセンターの外周側で前記ウエイトアームと前記係止アームの前記基端部にて揺動自在に軸支されるとともに、付勢バネにより前記係止アームを前記出力軸の軸中心側に位置するように付勢されて、前記クラッチセンターの回転に伴って発生する遠心力により前記付勢バネの付勢力に抗して前記ウエイトアームおよび前記係止アームを前記出力軸の軸中心から離れる側に揺動されるキックウエイトと、
アイドリング回転数以下の状態において前記係止アームに当接する係合突起を有して、前記プレッシャープレートに連動するラチェットプレートと、を備え、
前記ラチェットプレートには、前記係止アームの回転方向で対面する斜面部が形成され、前記斜面部と前記斜面部に当接する前記係止アームとにより強制解放機構が形成されたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の構成に加えて、前記係止アームには、前記傾斜部に対応する傾斜面が形成されたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記係合突起に、軸方向視で前記係止アームに重なるように延出部が形成され、前記延出部の延出端部まで前記斜面部が形成されたことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の構成に加えて、前記係合突起の前記延出部の幅が、前記係止アームの幅よりも小さく形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、エンジンがアイドリング所定回転数以上で回転しているときに、キックウエイトが、何らかの理由で揺動しない場合に、キックウエイトとラチェットプレートとの係合状態が維持されてしまうことが想定される。このようなロック機構が解除されていない状態は、これまでは、運転者から認識することができなかったが、本実施形態においては、例えば、シフトダウン側への変速を抑制の操作を行うときに、プレッシャープレートとクラッチセンターとの間隔が広がる動作(クラッチ摩擦力を弱める動作)ができなくなるので、変速時における動力伝達の操作違和感を生じさせることができる。この結果、運転者に逆トルクリミッター機構が動作しないことを認知させることができる。
請求項2の発明によれば、移動規制部は、ラチェットプレートに、係止アームの先端部に対して外側面に重なるように延出されてラチェットプレートに一体形成されているので、部品点数の増加を抑制でき、移動規制部の加工は、係合突起を形成する工程で加工することができ、加工性がよい。
請求項3の発明によれば、強制解放機構において、係止アームと係合突起との間の接触が、斜面部を介して行われることで、係止アームと係合突起との間では、当接力が生じた状態において、斜面部に沿って滑る方向の力を生じさせることができるので、係止アームと係合突起とが、何らかの理由で引っ掛かりが生じて動かない場合でも、斜面部に沿う方向の力が生じることで、強制的に引っ掛かりを外す力を加えることができ、キックウエイトの正常に動作させることができる。
請求項4の発明によれば、係止アームに、係合突起の傾斜部に対応した傾斜面を形成することで、傾斜面同士の接触とすることができ、ラチェットプレートによりキックウエイトを滑らかに解除方向に移動させることができる
請求項5の発明によれば、係合突起に、軸方向視で係止アーム側に重なるように延出部を設け、この延出部の先端まで傾斜部を形成することにより、傾斜部の全長を長くすることができるので、キックウエイトのロック解除方向のガイド機能をより大きくでき、キックウエイトを確実に解除方向に移動せしめることができる。
請求項6の発明によれば、延出部の幅が、係止アームの幅よりも小さく形成されていることにより、傾斜部により沿って押し出し移動されられる係止アームの移動側に引っ掛かるような状態がなくなるので、押し込まれてくる係合突起に引っかかって停止してしまうことにより解除が行われなくなることを回避できる。
本発明に係る第1実施形態におけるクラッチ構造を備えにおける自動二輪車の右側面図である。 本発明に係る第1実施形態における摩擦クラッチの断面図である。 本発明に係る第1実施形態における摩擦クラッチの別の切断面の断面図である。 図2に示すプレッシャープレートの概略正面図であって、逆トルクリミッター機構が非作動状態にあるときの正面図である。 図4におけるX−X断面図である。 図2をクラッチセンター側から見た正面図であって、リミッターキャンセル機構および移動規制機構を示す要部正面図である。 図2に示すプレッシャープレートの概略正面図であって、逆トルクリミッター機構が作動した状態にあるときの正面図である。 図6における示す移動規制機構のY−Y断面図である。 図6に示す移動規制機構の要部斜視図である。 本発明に係る第2実施形態におけるリミッターキャンセル機構および強制解放機構を示す要部正面図である。 図10における強制解放機構のZ−Z断面図である。 図10に示す強制解放機構の要部斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図9を参照しながら詳細に説明する。本実施形態は、キック始動機構を有する自動二輪車100について、具体的に説明する。
第1実施形態における自動二輪車100は、図1に示すように、前部に前輪82を備え、後部に後輪83を備え、中央下部にエンジン81を備え、中央上部に乗車シート85を備え、この乗車シート85の前方に跨ぎ空間RSを備えた構成である。そして、乗員は乗り降りの際には、跨ぎ空間RSを介して足を通過させるようにして、乗車シート85の前方寄りの位置に跨り、ステップ84pに足を載せて、シフトペダル(図1においては反対側のため不図示)を操作し、ハンドル88を握りながら走行させる。
また、この自動二輪車100は、停車中においては、図1に示すように、車両下方側に設けられたセンタースタンド82aを起立姿勢して、後輪83を地面から浮かせるようにする。また、サイドスタンドは車両下方の左側に設けられ、車両が左側に若干傾くようにして簡易停車時に利用し易いように設けられている。
自動二輪車100は、カバー部材90により適宜覆われている。すなわち、カバー部材90は、例えばセンタカバー91、リアボディカバー92、リアサイドカバー93,リアフェンダ94、フロントカバー95、フロントフェンダ96等らなり車両各部分をそれぞれ覆う構成となっている。
本実施形態においては、エンジン81から後輪83への駆動力伝達は、チェーンケース81c内に収納されたチェーンを介して行われる。すなわち、スイングアーム81aの先端側に設けられた後輪側のスプロケットおよびチェーンによりエンジン駆動力が後輪83に伝達される。
そして、エンジン81は、車体のほぼ中央部において、メインフレームによって、シリンダが前方へ略水平に延びた状態で支持されている。また、エンジン81の始動のためのキック始動のためのキックペダル65pがステップ84pの後方側に配置されている。また、シリンダの斜め上方にはエアクリーナ等の吸気系が前掲の跨ぎ空間RSの下側のカバー部材内側に配置され、乗車シート85の下側には燃料タンクが配置されている。また、エンジン81にて燃焼された排気ガスは、車体下方の排気管84hおよび車両後方に延びるマフラー84mを介して排出される。
以下、本実施形態におけるクラッチ構造について、図2から図9を参照して説明する。
図2および図3に示すように、被駆動側であるクラッチ出力軸2に軸受3を介して所定位置に有底円筒状のクラッチアウター4が回転自在に支持されている。そして、このクラッチアウター4の底部外側面に沿ってクラッチ入力側のクラッチ入力ギア5が嵌着されている。
クラッチアウター4の円筒内に突出したクラッチ出力軸2には、クラッチ出力軸2と一体的に回転するクラッチセンター8が取付けられている。詳細には、クラッチセンター8の中央側の中央円筒部8aが、クラッチ出力軸2に対してスプライン嵌合したハブ6に保持されることで、クラッチセンター8がクラッチ出力軸2と一体的に回転することができる。なお、ハブ6は、クラッチ出力軸2の先端部に装着されたナット7により軸方向の移動を禁止されている。
クラッチセンター8の形状については、中央円筒部8aの一端側(図2中右側)から回転軸中心Cの径方向に環状円板部8bが延出されており、この環状円板部8bの外周縁には回転軸中心Cに平行な壁面にて構成される偏平な円筒部8cを備え、さらにこの円筒部8cを経て径方向に延びる環状円板のフランジ部8dを備えた構造である。そして、フランジ部8dの最外縁部分が、クラッチアウター4の先端部4eに接近して延出されているので、クラッチセンター8は、クラッチアウター4の開口を塞ぐように取付けられてクラッチ出力軸2と一体に回転する。
クラッチアウター4の円筒状内部には、クラッチセンター8のプ中央円筒部8aの外周側にプレッシャープレート9が設けられている。このプレッシャープレート9は、クラッチセンター8の中央円筒部8aに貫通されて軸方向の摺動可能であると共にクラッチセンター8に対して相対回転自由に支持されている。このプレッシャープレート9は、環状の円板部9aがクラッチアウター4の円筒内径より若干小さい外径を有してクラッチセンター8のフランジ部8dと対向し、円板部9aの途中から回転中心線方向に延出した円筒部9bがクラッチセンター8の円筒部8cの外周面に沿って形成されている。
このプレッシャープレート9の円筒部9bの外周面とクラッチアウター4の円筒内周面との間の空間に、クラッチアウター4側のクラッチ板であるクラッチフリクションプレート11とプレッシャープレート9側のクラッチ板であるクラッチプレート10とが複数枚交互に配設されている。
すなわち、クラッチアウター4の円筒内周面には軸方向に指向した割溝4aが周方向に亘って複数本形成され、この割溝4aにクラッチフリクションプレート11の外周突起部が係合し軸方向の摺動を許して複数枚支持されている。一方、プレッシャープレート9の円筒部9bの外周面にも軸方向に指向した溝条9cが周方向に亘って複数本形成され、この溝条9cにはクラッチプレート10の内周突起部が係合し軸方向の摺動を許して複数枚がクラッチフリクションプレート11間に各1枚ずつ配設されている。
これら複数のクラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10は、クラッチセンター8のフランジ部8dとプレッシャープレート9の円板部9aとの間に挟まれている。したがって、プレッシャープレート9がクラッチセンター8に近づいて間隔を縮小するとクラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10とは互いに接近して摩擦係合を強くし、逆にプレッシャープレート9がクラッチセンター8から離れて間隔を拡大するとクラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10とは互いに離れて摩擦係合を弱くする。
なお、プレッシャープレート9は、ハブ6に基端を係止されたクラッチスプリングである皿バネ12によってクラッチセンター8に近づく方向(図2において右方向)に付勢されている。
また、プレッシャープレート9の環状の円板部9aには、その円筒部9bとは反対の面に中空円板状のカムプレート20が皿バネ12により圧接されている。このカムプレート20は、プレッシャープレート9の円板部9aに円周方向等間隔で3か所穿設された円孔9h(図4参照)にそれぞれ嵌入する3個のカム膨出部20aを有している。さらに、このカム膨出部20aには、先端面にカム凹部20bが形成されている。このカム凹部20bに後述するリフターピン25が対応する。
このカムプレート20は、その一端に皿バネ12が当接することでプレッシャープレート9に圧接されてクラッチセンター8に近づく方向に付勢された状態でプレッシャープレート9と一体的に保持されている。図4に示すように、円周方向等間隔の位置にカム凹部20bがクラッチセンター8に対向した面に形成されている。このカム凹部20bは、図5に示すように、カム膨出部20aの先端面に回転方向後側(図4における矢印R方向の後方側)が深く窪んだ構造となっており、回転方向前側(矢印R方向の前方側)が徐々に滑らかに浅くなるように形成されている。
したがって、後述するように、プレッシャープレート9とクラッチセンター8とが相対回転したときは、図5の一点鎖線にて示すように、移動距離L1分だけ相対位置がずれることで、プレッシャープレート9がクラッチセンター8に対してB方向に離れるように移動する。
また、プレッシャープレート9の環状の円板部9aには、図4に示すように等間隔に3か所ネジ孔21が穿設されている。このネジ孔21の周りが若干盛り上がって後記するレリーズホルダー支持ボス30の取付段部21aを形成している。さらにプレッシャープレート9の環状の円板部9aには、そのクラッチセンター8に対向する面に、図3および図4に示すようにやはり等間隔に3か所長溝22が形成されており、リターンスプリング35の半体が嵌まるようになっている。
一方、クラッチセンター8には、プレッシャープレート9に対向する円板部8bに、カム凹部20bに対応してリフターピン25が嵌着されている。このリフターピン25の頭部をカム凹部20bに臨ませており、また、ネジ孔21に対応して周方向に長い長円孔26が穿設され、長溝22に対向して横断面半円状の長溝27が形成されている。プレッシャープレート9の取付段部21aには、貫通ネジ孔21に螺着されたボルト31によって円筒状のレリーズホルダー支持ボス30がクラッチセンター8の長円孔26(円周方向に長い孔)を貫通するように取り付けられている。
クラッチ出力軸2の先端に近接して設けられるレリーズホルダー32は、内側に軸受33を介して回転自在に設けられており、このレリーズホルダー32のフランジ32aに環状のラチェットプレート40が当接されて、その重ね合わされた3ヶ所が3本のレリーズホルダー支持ボス30の先端にそれぞれ当接されてボルト31(図2および図6参照)によってレリーズホルダー支持ボス30,レリーズホルダー32,ラチェットプレート40が同軸に貫通され共締めされて支持される。
クラッチセンター8の長円孔26を貫通するレリーズホルダー支持ボス30は、長円孔26に沿って円周方向に移動可能であり、よってクラッチセンター8に対してプレッシャープレート9の相対回転は、レリーズホルダー支持ボス30が長円孔26を移動できる範囲に規制されている。
また、プレッシャープレート9側の長溝22とクラッチセンター8側の長溝27には、両者に亘ってリターンスプリング35が周方向に圧縮状態で介装されており、プレッシャープレート9に対し相対的にクラッチセンター8が回転方向に進んだ場合これを元に戻す方向に付勢している。
一方、クラッチセンター8におけるフランジ部8dには、ラチェットプレート40の係合突起40bに略対応する位置に偏平な円筒ボス部8eが形成され、同円筒ボス部8eに軸受41(図2参照)を介してキックウエイト42がその基端部を枢支され座金43を介して平ネジ44により揺動自在に取付けられている(図2参照)。
ラチェットプレート40は、図6に示すように、ボルト31によるに三箇所の取付け部40aが設けられ、取付け部40a,40a間の周縁には、径方向に切り込まれた切り込み部40rに連続した3個の係合突起40bが形成されている。この係合突起40bには、キックウエイト42の係止アーム42bの回転付勢にともなう当接力を受ける部分としてのストッパー部40kが設けられている。
キックウエイト42の付勢バネ45により付勢される係止アーム42bの回転位置を規制するストッパー部40kは、係止アーム42bが係合する係合面40tに隣接して連なって形成されている。
このように、キックウエイト42を係合突起40bに押し付けて位置規制されるストッパー部40を、係止アーム42bが当接する係合面40tに隣接して連なって形成することで、ストッパー部40kと係合面40tの加工形成が同一工程内で行える。
また、ストッパー部40kに加えて、第2のストッパー部40uを、係止アーム42bに対して係止アーム先端から揺動中心間の中央付近に当接する位置に設けている。このように、キックウエイト42の付勢に対抗するストッパー構造を、係止アーム42bの先端と略中央部の複数箇所にて当接して支えるようにしたので、キックウエイト42をラチェットプレート40にて確実に位置規制できて、ウエイトの位置のばらつきをなくして振動発生を抑制できる。
図6に示すように、キックウエイト42は、基端部から回転方向に向けてウエイトアーム42aと係止アーム42bとが延出している。そして、ウエイトアーム42aの方が係止アーム42bより径方向外側の位置にあって長尺である。このキックウエイト42は、クラッチセンター8との間に介装された付勢バネ45によって円筒ボス部8e周りに付勢されている。すなわち、ウエイトアーム42aおよび係止アーム42bが、円筒ボス部8eを揺動中心として回転軸心C側に付勢されて、ラチェットプレート40に係合できるようになっている。
したがって、停止している場合等、エンジン回転が所定以下の場合には、係止アーム42bは、ラチェットプレート40の係合突起40bの径方向の位置と同位置にあるので、付勢バネ45の付勢力により係合突起40bに係合している。また、クラッチセンター8のフランジ部8dの外周縁の所定位置にはストッパー46が設けられていて(図6参照)、キックウエイト42のウエイトアーム42aの先端部が当接し、キックウエイト42の揺動を規制するようになっている。
キックウエイト42とラチェットプレート40等の組み合わせからリミッターキャンセル機構62が構成されている。このリミッターキャンセル機構62は、クラッチ出力軸2とともにクラッチセンター8が停止しているときまたはアイドリング所定回転数以下のときは、キックウエイト42は付勢バネ45によりラチェットプレート40側に押しつけられクラッチセンター8よりラチェットプレート40が回転方向に最も先行した状態で図6に実線で示すように係止アーム42bが第2のストッパー部40uに当接され係止アーム42bの先端が係合突起40bに当接して係合している。この結果、クラッチセンター8に対するラチェットプレート40の相対的回転を拘束している。
ラチェットプレート40は、レリーズホルダー32,レリーズホルダー支持ボス30を介してプレッシャープレート9と一体であるので、上記状態ではクラッチセンター8に対しプレッシャープレート9が相対的回転を禁止されクラッチセンター8に対しプレッシャープレート9が最も近接した位置にあってクラッチ接合状態が維持される。したがって、クラッチ出力軸2から逆に入力されるトルクは接続状態にある摩擦クラッチ1を介してクラッチ入力ギア5に途中滑りを生じることなく伝達される。
したがって、キックペダル65pを使用したキックスタートあるいは、押しがけスタート時に回転するクラッチ出力軸2の回転トルクがクラッチ入力ギア5に僅かな動力ロスで伝達され、クラッチ入力ギア5からエンジンのクランクシャフトに伝達され、エンジンの始動を円滑に行うことができる。
そして、クラッチセンター8がアイドリング所定回転数以上の回転数となると、キックウエイト42は、遠心力によって、付勢バネ45の付勢力に抗して、図6に1点鎖線で示すように径外方側へ揺動する。この結果、係止アーム42bとラチェットプレート40の係合突起40bとの係合が解除されるので、クラッチセンター8とプレッシャープレート9との間の相対的回転は自由となる。
図4に、プレッシャープレート9をクラッチセンター8側から見た正面図を示すが、図4には、プレッシャープレート9に対しクラッチセンター8側のリフターピン25,長円孔26,長溝27の相対的な位置を2点鎖線で示している。すなわち、図4は通常走行時または加速時におけるプレッシャープレート9とクラッチセンター8の位置関係を示している。
通常走行時においては、駆動側に比べ被駆動側のクラッチセンター8が遅れリターンスプリング35の付勢力も働いて、図4に図示するようにクラッチセンター8側の長円孔26の回転方向前側端に取付段部21a(レリーズホルダー支持ボス30)が先行して位置しクラッチセンター8を一体に回転させている。この結果、リフターピン25も遅れてカム凹部20bの回転方向後側の最も凹みの深い位置にある(図5参照)。
したがって、クラッチセンター8に対しプレッシャープレート9が最も近接した位置にあり、クラッチセンター8のフランジ部8dとプレッシャープレート9の円板部9aとの間隔を縮小してクラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10との摩擦係合を強くしているので、クラッチ接合状態としクラッチ入力ギア5の駆動をクラッチ出力軸2に僅かな動力ロスで伝達している。
減速走行時または車両停止に至るまでの間では、エンジンブレーキによりクラッチに逆トルクがかかり、被駆動軸たるクラッチ出力軸2と一体のクラッチセンター8がエンジン側のプレッシャープレート9より回転方向に先行する。この状態は、図7に図示するように、リターンスプリング35に抗してクラッチセンター8側の長円孔26がプレッシャープレート9側の取付段部21a(レリーズホルダー支持ボス30)に対し相対的に進み、リフターピン25がカム凹部20bの回転方向前側に相対的に移動して、図5の一点鎖線にて示すように徐々に浅くなる凹みによりプレッシャープレート9を軸方向(矢印B方向)に押圧して皿バネ12に抗した荷重(F0)を発生する。
したがって、クラッチセンター8のフランジ部8dとプレッシャープレート9の円板部9aとの押圧力が低減されてクラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10との摩擦係合を弱くし適当にクラッチを滑らすことができる。この結果、過大な逆トルクがクラッチ入力ギア5に働いてエンジン側にかかるのを軽減し過回転を防止することができる。また逆にエンジンブレーキの効き過ぎを防止することができる。
以上のように、アイドリング所定回転数以上で回転しているときは、キックウエイト42とラチェットプレート40との係合が解除されていてクラッチセンター8とプレッシャープレート9との相対的回転が自由で逆トルクリミッター機構61が働きエンジンの過回転やエンジンブレーキの効き過ぎを防止することができる。
なお、クラッチレバーを操作してクラッチを切る場合は、クラッチレバーに連動してレリーズホルダー32をクラッチ出力軸2側に押し込みレリーズホルダー支持ボス30を介してプレッシャープレート9を皿バネ12に抗してクラッチセンター8から遠ざける方向に移動することで、クラッチフリクションプレート11とクラッチプレート10との摩擦係合を解きクラッチを切ることができる。
本実施形態においては、プレッシャープレート9とクラッチセンター8との軸方向の移動を制限する移動規制機構63が、キックウエイト42とラチェットプレート40との間に形成されている。この移動規制機構63は、図8および図9に示すように、係合突起40bに、係止アーム42bの先端部の外側面42sと、この外側面42sに対面するべく係合突起40bに設けられた移動規制部40eと、により形成されている。
すなわち、係止アーム42bと係合突起40bとの係合状態が維持されている場合には、移動規制部40eが、ラチェットプレート40側に設けられてキックウエイト42の外側面42sに対して回転軸方向視で重なるように位置されるので、プレッシャープレート9とクラッチセンター8とが軸方向で離間する方向への移動(図1におけるクラッチセンター8の矢印B方向の移動)ができなくなる。
これは、エンジンがアイドリング所定回転数以上で回転しているときに、キックウエイト42が、例えば、隣接部材との間において何らかの理由出引っかかりなどが生じて揺動しない場合に、キックウエイト42とラチェットプレート40との係合状態が維持されてしまうことが想定される。このようなロック機構が解除されていない状態は、これまでは、運転者から認識することができなかったが、本実施形態においては、例えば、シフトダウン側への変速を抑制の操作を行うときに、プレッシャープレート9とクラッチセンター8との間隔が広がる動作(クラッチ摩擦力を弱める動作)ができなくなるので、変速時における動力伝達の操作違和感を生じさせることができる。この結果、運転者に逆トルクリミッター機構61が動作しないことを認知させることができる。
また、本実施形態においては、移動規制部40eは、ラチェットプレート40に、係止アーム42bの先端部に対して外側面42sに重なるように延出されてラチェットプレート40に一体形成されているので、部品点数の増加を抑制できる。移動規制部40eは、係合突起40bの一部分として形成されるので、係合突起40bと同時に加工でき、また、係止アーム42bの先端部に対応する構造であるので、移動規制部40eの大きさを、係止アーム42bの先端に対応するだけの小さい構造にできる。
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態について、具体的に説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態と同じ構造については、図示ならびに説明を適宜省略し、第1実施形態と異なった構造及びその周辺構造について説明し、第1実施形態と同じ構成要素については、同符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、逆トルクリミッター機構61と、リミッターキャンセル機構62と、を備える自動二輪車100のクラッチ構造である点において、前述の第1実施形態と全く同じ構造である。しかし、第1実施形態における移動規制機構63が設けられた部分に、図10に示すように、強制解放機構70が3箇所に形成されている。
この強制解放機構70は、図11および図12に示すように、係止アーム42bと係合突起40bとの間の接触は、斜面部40gを介して行われている。すなわち、係止アーム42bと係合突起40bとが係合状態にあるときに、係止アーム42bと係合突起40bとの間で、当接力F1(シフトダウン等におけるプレッシャープレート9の移動)が生じた状態においては、斜面部40gに沿って滑る方向の力F2を生じさせ、係止アーム42bの回転移動方向の力(矢印F3)生み出すことができる。したがって、係止アーム42bと係合突起40bとが、例えば揺動中心の回転部で何らかの理由で引っ掛かりが生じて接触状態にあっても、斜面部40gに沿う方向の力F2が生じることで、強制的に引っ掛かりを外す力を加えることができる。この結果、引っ掛かり状態が解消され、通常のシフトダウン操作等が行え、ドライバビリティーの向上した自動二輪車100を提供できる。
本実施形態においては、係合突起40bに斜面部40gが設けられているとともに、係止アーム42bにも、斜面部40gに対応する傾斜面42gが形成されている。また、係合突起40bに、軸方向視で係止アーム42bに重なるように延出部40fが形成されており、延出部40fの先端まで斜面部40gが形成されている。
このように、本実施形態の強制解放機構70においては、係止アーム42b側に係合突起40b側の斜面部40gに対応した傾斜面42gを形成することで、両傾斜面同士の接触とすることができ、傾斜した接触部分を長く形成することができ、ラチェットプレート40によりキックウエイト42を滑らかに解除方向に移動させることができる。
また、係合突起40に、軸方向視で係止アーム側に重なるように延出端部40jを設けて、この延出端部40jの先端まで斜面部40gを形成することにより、この斜面部40gの全長を長くして作用面を長く形成できるので、キックウエイト42を確実に解除方向に移動せしめることができる。
また、係合突起40bには、前述のごとく、軸方向視で係止アーム42bに重なって延出する延出部40fが形成されているが、この延出部40fの延出端部40jは、係止アーム42bとの回転方向(図12における矢印F3方向)の幅の途中まで重なる構造となっている。すなわち、係合突起40bの延出部40fの幅W1が、係止アーム42bの幅W2よりも小さく形成されている。
このように、延出部40fの幅が、係止アーム42bの幅よりも小さく形成されていることにより、傾斜部により沿って押し出し移動されられる係止アームの移動側に引っ掛かるような状態がなくなるので、押し込まれてくる係合突起に引っかかって停止してしまうことにより解除が行われなくなることを回避できる。
以上、前述の第1実施形態においては、キックウエイト42に対して回転軸方向視で重なる移動規制部40eとして、係合突起40bの先端部分から係止アーム42bの先端部分を覆うような形状としたが、本発明の移動規制機構63としてはこのような構造に制限されるものではなく、例えば、係合突起40bの先端部分から外れた位置において係止アーム42bの基部側を覆うように対応する構造でもよい。
また、前述の第2実施形態では、斜面部40gと傾斜面42gによって強制解放機構70を形成するようにしたが、本発明はこれに限るものではなく、係止アーム42b側は、傾斜面の構造でなくてもよい。
1 摩擦クラッチ
2 出力軸
4 クラッチアウター
8 クラッチセンター
9 プレッシャープレート
10 クラッチプレート(クラッチ板)
11 クラッチフリクションプレート(クラッチ板)
40 ラチェットプレート
40b 係合突起
40e 移動規制部
42s 外側面
42 キックウエイト
42a ウエイトアーム
42b 係止アーム
45 付勢バネ
61 逆トルクリミッター機構
62 リミッターキャンセル機構
63 移動規制機構
100 自動二輪車

Claims (6)

  1. 変速機の出力軸(2)側のクラッチセンター(8)とプレッシャープレート(9)とがクラッチ板(10,11)を挟んで、これらの間隔を拡縮することにより動力伝達の断接を行う摩擦クラッチ(1)と、
    前記出力軸(2)からの逆トルクの入力により前記クラッチセンター(8)と前記プレッシャープレート(9)が相対回転変位して、相対回転変位を前記出力軸(2)の軸方向の動きに変換して前記プレッシャープレート(9)を前記クラッチセンター(8)に押圧する荷重に抗う方向に作用して荷重を相殺せしめる逆トルクリミッター機構(61)と、
    アイドリング回転数以下において前記クラッチセンター(8)と前記プレッシャープレート(9)の相対回転変位を拘束するリミッターキャンセル機構(62)と、
    を備える自動二輪車(100)のクラッチ構造において、
    異なる径方向位置で基端部から回転方向に向けて延出したウエイトアーム(42a)および係止アーム(42b)を有して、前記クラッチセンター(8)の外周側で前記ウエイトアーム(42a)と前記係止アーム(42b)の前記基端部にて揺動自在に軸支されるとともに、付勢バネ(45)により前記係止アーム(42b)を前記出力軸(2)の軸中心(C)側に位置するように付勢されて、前記クラッチセンター(8)の回転に伴って発生する遠心力により前記付勢バネ(45)の付勢力に抗して前記ウエイトアーム(42a)および前記係止アーム(42b)を前記出力軸(2)の軸中心(C)から離れる側に揺動されるキックウエイト(42)と、
    アイドリング回転数以下の状態において前記係止アーム(42b)に当接する係合突起(40b)を有して、前記プレッシャープレート(9)に連動するラチェットプレート(40)と、を備え、
    前記係止アーム(42b)と前記係合突起(40b)との係合状態が維持された場合に、前記ラチェットプレート(40)側に設けられて前記出力軸の軸方向における前記キックウエイト(42)の端面(42s)に対して前記軸方向視で重なる移動規制部(40e)が形成された移動規制機構(63)を備えることを特徴とする自動二輪車(100)のクラッチ構造。
  2. 前記移動規制部(40e)は、前記ラチェットプレート(40)に、前記係止アーム(42b)の先端部に対して前記軸方向視で前記キックウエイト(42)に重なるように一体形成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車(100)のクラッチ構造。
  3. 変速機の出力軸(2)側のクラッチセンター(8)とプレッシャープレート(9)とがクラッチ板(10,11)を挟んで、これらの間隔を拡縮することにより動力伝達の断接を行う摩擦クラッチ(1)と、
    前記出力軸(2)からの逆トルクの入力により前記クラッチセンター(8)と前記プレッシャープレート(9)が相対回転変位して、相対回転変位を前記出力軸(2)の軸方向の動きに変換して前記プレッシャープレート(9)を前記クラッチセンター(8)に押圧する荷重に抗う方向に作用して荷重を相殺せしめる逆トルクリミッター機構(61)と、
    アイドリング回転数以下において前記クラッチセンター(8)と前記プレッシャープレート(9)の相対回転変位を拘束するリミッターキャンセル機構(62)と、
    を備える自動二輪車(100)のクラッチ構造において、
    異なる径方向位置で基端部から回転方向に向けて延出したウエイトアーム(42a)および係止アーム(42b)を有して、前記クラッチセンター(8)の外周側で前記ウエイトアーム(42a)と前記係止アーム(42b)の前記基端部にて揺動自在に軸支されるとともに、付勢バネ(45)により前記係止アーム(42b)を前記出力軸(2)の軸中心(C)側に位置するように付勢されて、前記クラッチセンター(8)の回転に伴って発生する遠心力により前記付勢バネ(45)の付勢力に抗して前記ウエイトアーム(42a)および前記係止アーム(42b)を前記出力軸(2)の軸中心(C)から離れる側に揺動されるキックウエイト(42)と、
    アイドリング回転数以下の状態において前記係止アーム(42b)に当接する係合突起(40b)を有して、前記プレッシャープレート(9)に連動するラチェットプレート(40)と、を備え、
    前記ラチェットプレート(40)には、前記係止アーム(42b)の回転方向で対面する斜面部(40g)が形成され、前記斜面部(40g)と前記斜面部(40g)に当接する前記係止アーム(42b)とにより強制解放機構(70)が形成されたことを特徴とする自動二輪車(100)のクラッチ構造。
  4. 前記係止アーム(42b)には、前記斜面部(40g)に対応する傾斜面(42g)が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の自動二輪車(100)のクラッチ構造。
  5. 前記係合突起(40b)に、軸方向視で前記係止アーム(42b)に重なるように延出部(40f)が形成され、前記延出部(40f)の延出端部(40j)まで前記斜面部(40g)が形成されたことを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車(100)のクラッチ構造。
  6. 前記係合突起(40b)の前記延出部(40f)の幅(W1)が、前記係止アーム(42b)の幅(W2)よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項5に記載の自動二輪車(100)のクラッチ構造。
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