JP6225940B2 - 風向計、風向風量計および移動方向測定計 - Google Patents

風向計、風向風量計および移動方向測定計 Download PDF

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Description

本発明は、風向計、風向風量計および移動方向測定計に関する。
従来の風向計として、風見鶏と同じ原理を用いたベーン式の風向計がある(例えば、特許文献1参照)。この風向計は、軸受けに支持された回転軸と、風を受けて回転軸を中心に回転可能なベーン(矢羽根)とを備え、ベーンが向く方向によって風向を示すものである。
特開平8−160065号公報
しかし、上記した従来の風向計では、風向の測定時に、軸受けと回転軸で構成される機械式の可動部に摩擦が生じるため、比較的風速の大きい風の風向を検出することはできるものの、室内気流等の微弱な風の風向を検出することは困難であった。
このため、風向計や風向風量計においては、微弱な風の風向の検出が可能であることが望まれる。同様に、風向計を利用して、移動する物体の移動方向を測定する移動方向測定計においても、微弱な風の風向の検出が可能であることが望まれる。
本発明は上記点に鑑みて、微弱な風の風向の検出が可能な風向計、風向風量計および移動方向測定計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(2a)を有し、一面の上方を流れる風の風向を測定する風向計であって、以下の特徴を有する。すなわち、一面が形成されると共に、一端(21aa、250aa)および該一端と反対側の他端(21ab、250ab)を有していて金属もしくは半導体で構成された第1導電体(21a、250a)と、一端(21ba、250ba)および該一端と反対側の他端(21bb、250bb)を有していて第1導電体とは異なる金属もしくは半導体で構成された第2導電体(21b、250b)と、を有し、第1導電体と第2導電体とが直列に接続されると共に、第1導電体および第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の一端(21aa、21ba、250aa、250ba)と、第1導電体の他端(21ab、250ab)および第2導電体の他端(21bb、250bb)と、で温度差が生じたときに電気的な出力を発生させる熱電変換素子(21、21A、21B、370)を備えると共に、発熱および吸熱のうち少なくとも一方を行うことで周囲の温度を変化させる温度変化手段(22、320)を備え、温度変化手段によって温度を変化させられた周囲の空気が風により移動させられて、第1導電体および第2導電体のそれぞれの一端と他端とで温度差が生じたときに、該温度差に応じた出力を発生させる構成とされ、風が所定方向に流れた場合において発生させる出力の値が互いに異なる複数のセンサ(2)と、複数のセンサのそれぞれにおいて発生した出力の値の差に基づいて、風の風向を算出する風向算出手段(3)と、を有することを特徴とする。
これによれば、機械式の可動部を持たない熱電変換素子を用いて風向を検出するので、微弱な風の風向の検出が可能となる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の風向計を備える風向風量計であって、風向算出手段が、出力の値に基づいて、風量を算出する風量計も構成することを特徴とする。これによれば、請求項1に記載の風向計を備えるので、微弱な風の風向の検出が可能である。
また、請求項6に記載の発明では、一面を有する共に、移動体(50)に設置されて、移動体が移動するときに一面の上方において移動体にとって相対的に生じる風を測定することにより、移動体の移動方向を測定する移動方向測定計であって、以下の特徴を有する。すなわち、一面が形成されると共に、一端(21aa、250aa)および該一端と反対側の他端(21ab、250ab)を有していて金属もしくは半導体で構成された第1導電体(21a、250a)と、一端(21ba、250ba)および該一端と反対側の他端(21bb、250bb)を有していて第1導電体とは異なる金属もしくは半導体で構成された第2導電体(21b、250b)と、を有し、第1導電体と第2導電体とが直列に接続されると共に、第1導電体および第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の一端(21aa、21ba、250aa、250ba)と、第1導電体の他端(21ab、250ab)および第2導電体の他端(21bb、250bb)と、で温度差が生じたときに電気的な出力を発生させる熱電変換素子(21、21A、21B、370)を備えると共に、発熱および吸熱のうち少なくとも一方を行うことで周囲の温度を変化させる温度変化手段(22、320)を備え、温度変化手段によって温度を変化させられた周囲の空気が風により移動させられて、第1導電体および第2導電体のそれぞれの一端と他端とで温度差が生じたときに、該温度差に応じた出力を発生させる構成とされ、風が所定方向に流れた場合において発生させる出力の値が互いに異なる複数のセンサ(2)と、
複数のセンサのそれぞれにおいて発生した出力の値の差に基づいて、移動体の移動方向を算出する移動方向算出手段(3)と、を有することを特徴とする。
これによれば、機械式の可動部を持たない熱電変換素子を用いて風向を検出するので、移動体が移動した際に移動体にとって相対的に生じる風を測定するときに、この風が微弱であってもこの風の風向の検出が可能となる。
第1実施形態に係る風向計1の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す風向計1の平面構成を示す図である。 ヒータ22によって生じた熱気の移動を示す図2に対応する図である。 図1中のセンサ2の平面図である。 図4のV−V線断面図である。 第1実施形態におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図である。 第1実施形態において、無風の場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第1実施形態において、風が流れた場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第2実施形態におけるセンサ2の平面図である。 図9のX−X線断面図である。 第2実施形態において、無風の場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図であって、図9のXI−XI線断面に対応する模式図である。 第2実施形態において、風が流れた場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図であって、図9のXII−XII線断面に対応する模式図である。 比較例1において、風が流れた場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第3実施形態に係る風向計1の平面構成を示す図である。 図14中のセンサ2の平面図である。 図14中のセンサ2の底面図である。 図15のXVII−XVII線断面図である。 第3実施形態におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図17に対応する断面図である。 図15のXIX−XIX線断面図である。 第3実施形態におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図17に対応する断面図である。 第3実施形態において、無風の場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第3実施形態において、風が流れた場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第3実施形態の変形例1におけるセンサ2の平面図である。 図23に示すセンサ2の底面図である。 図23のXXV−XXV線断面図である。 第3実施形態の変形例1におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図25に対応する断面図である。 図23のXXVII−XXVII線断面図である。 第3実施形態の変形例1におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図17に対応する断面図である。 第3実施形態の変形例2におけるセンサ2の平面図である。 図29に示すセンサ2の底面図である。 図29のXXXI−XXXI線断面図である。 第3実施形態の変形例2におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図31に対応する断面図である。 図29のXXXIII−XXXIII線断面図である。 第3実施形態の変形例2におけるセンサ2の製造工程を説明するための断面図であって、図33に対応する断面図である。 第3実施形態の変形例2において、無風の場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第3実施形態の変形例2において、風が流れた場合のセンサ2近傍の温度分布を示す図である。 第4実施形態における移動方向測定計1A(バット50を含む)の全体構成を示す図である。 図37のXXXVIII−XXXVIII線断面図である。 他の実施形態における風向計1の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。 他の実施形態におけるセンサ2の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る風向計1について図1〜図8を参照して説明する。この風向計1は、一面2aを有し、一面2aの上方を流れる風の風向を測定する装置であって、図1に示すように、複数のセンサ2と、制御部3と、表示部4とを有する。なお、ここでは一例として、風向計1は、8つのセンサ2を有する構成とされている。
図1〜図5に示すように、複数のセンサ2は、それぞれ、一面2aおよび一面2aと反対側の他面2bを有する板状の多層基板で構成されている。図1、図2に示すように、複数のセンサ2は、それぞれ、他面2bが固定部材5の平面5aに接着させられて、固定部材5の平面5aに固定されている。具体的には、本実施形態では、センサ2の他面2bの全面が、固定部材5によって被覆されている。また、複数のセンサ2は、互いに、平面5aに対する垂線を軸とした回転方向にずらされた向きで配置されている。ここでは、複数のセンサ2は、互いに、平面5aに対する垂線を軸とした円周(図2中の破線S1を参照)上のうち異なる位置に配置されており、具体的には、8つのセンサ2が、円周S1において等間隔に配置されている。これにより、詳細は後述するが、図2に示すように、本実施形態に係る風向計1では、円周S1の円の径方向の16方向(図2の矢印Da1、Da2、Db1、…、Dh2を参照)の風の風向を測定することができる。なお、この16方向には実質的に同一方向が重複して含まれている(例えば、図2の矢印Da1と矢印De2が重複)ため、本実施形態に係る風向計1において測定できる風の風向は、実質的には8方向である。
図4、図5に示すように、複数のセンサ2は、それぞれ、2つの熱電変換素子21(第1熱電変換素子21A、第2熱電変換素子21B)およびヒータ22を備えた構成とされている。2つの熱電変換素子21は、ヒータ22を挟んで配置されると共に、配線(後述する裏面パターン29)を介して直列に接続されている。なお、ここでは一例として、図5に示すように、2つの熱電変換素子21およびヒータ22は、センサ2の一面2aおよび他面2bに平行な方向で、第1熱電変換素子21A、ヒータ22、第2熱電変換素子21Bの順に並んで配置されている。センサ2は、検出対象である風の流れ方向(図5の矢印Da1、Da2を参照)に平行な方向で、ヒータ22の両側に第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bとが位置するように、固定部材5の平面5aに設置されている。
具体的には、図5に示すように、センサ2は、絶縁基材23、一面2aを有する表面保護部材24、裏面保護部材25が一体化された多層基板で構成されており、この多層基板の内部で熱電変換素子21およびヒータ22が配置されたものである。
図5に示すように、熱電変換素子21は、第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとを有し、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの両端21aa、21ba、21ab、21bbの温度差に応じた起電力、すなわち、電圧を発生させる素子である。第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとは配線(後述する表面パターン28)を介して直列に接続されており、制御部3に電気的に接続されている。第1層間接続部材21aは、金属もしくは半導体で構成されており、第2層間接続部材21bは、第1層間接続部材21aとは異なる金属もしくは半導体で構成されている。なお、第1層間接続部材21aが特許請求の範囲における第1導電体に相当し、第2層間接続部材21bが特許請求の範囲における第2導電体に相当する。
図5に示すように、本実施形態におけるセンサ2では、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれのうち互いに接続された側の一端21aa、21baと、第1層間接続部材21aの一端21aaと反対側の他端21abおよび第2層間接続部材21bの一端21baと反対側の他端21bbとが対向している。より具体的には、該一端21aa、21baと、該他端21ab、21bbとが、風が流れる方向Da1、Da2に垂直な方向における同じ位置に配置されて、対向させられている。また、本実施形態では、該一端21aa、21baが、センサ2の一面2a側に配置されており、該他端21ab、21bbが、センサ2の他面2b側に配置されている。
また、図5に示すように、本実施形態では、複数のセンサ2のそれぞれにおいて、複数(2つ)の熱電変換素子21が配線(後述する裏面パターン29)を介して直列に接続された構成とされている。これにより、本実施形態では、センサ2の起電力を大きくでき、センサ2の高感度化が可能である。
ヒータ22は、温熱を発生させる熱源体であり、ここでは、ニクロム線等の通電により発熱する電熱線によって構成されている。ヒータ22は、周囲の温度を変化させる温度変化手段として設けられており、発熱を行うことで周囲の温度を変化させる。ヒータ22は、制御部3に電気的に接続されている。なお、周囲の温度を変化させる温度変化手段として、ヒータ22の代わりに、吸熱を行うことで周囲の温度を変化させるクーラーを用いてもよい。
絶縁基材23は、本実施形態では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)等に代表される平面矩形状の熱可塑性樹脂フィルムにて構成されている。
なお、本実施形態の第1、2ビアホール26、27は、一面2aから他面2bに向かって径が一定とされた円筒状とされているが、一面2aから他面2bに向かって径が小さくなるテーパ状とされていてもよい。また、他面2bから一面2aに向かって径が小さくなるテーパ状とされていてもよいし、角筒状とされていてもよい。
そして、第1ビアホール26には第1層間接続部材21aが配置され、第2ビアホール27には第2層間接続部材21bが配置されている。つまり、絶縁基材23には、第1、2層間接続部材21a、21bが互い違いになる配置とされている。
このように、第1、2ビアホール26、27内に第1、2層間接続部材21a、21bを配置しているため、第1、2ビアホール26、27の数や径、間隔等を適宜変更することで、第1、2層間接続部材21a、21bの高密度化が可能となる。これにより、本実施形態では、センサ2の起電力を大きくでき、センサ2の高感度化が可能である。
第1、2層間接続部材21a、21bは、ゼーベック効果を発揮するように、互いに異なる金属もしくは半導体で構成されている。例えば、第1層間接続部材21aは、P型を構成するBi−Sb−Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固相焼結された金属化合物で構成される。また、第2層間接続部材21bは、N型を構成するBi−Te合金の粉末が、焼結前における複数の金属原子の結晶構造を維持するように固相焼結された金属化合物で構成される。このように、第1、2層間接続部材21a、21bを形成する金属は、複数の金属原子が当該金属原子の結晶構造を維持した状態で焼結された焼結合金である。これにより、交互に直列接続された第1、2層間接続部材21a、21bにて発生する起電力を大きくでき、センサ2の高感度化が可能である。
このように、本実施形態に係る風向計1では、高感度なセンサ2を用いるので、センサ2を用いて一面2aの上方を流れる微弱な風の風向を検出することが可能である。
図5に示すように、絶縁基材23のうち表面23aには、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)等に代表される平面矩形状の熱可塑性樹脂フィルムにて構成される表面保護部材24が配置されている。この表面保護部材24は、絶縁基材23と平面形状が同じ大きさとされており、絶縁基材23と対向する表面24a側に銅箔等がパターニングされた複数の表面パターン28が互いに離間するように形成されている。そして、各表面パターン28はそれぞれ第1、2層間接続部材21a、21bと適宜電気的に接続されている。
具体的には、図5に示すように、隣接する1つの第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとを1つの組21cとしたとき、各組21cの第1、2層間接続部材21a、21bは同じ表面パターン28と接続されている。つまり、各組21cの第1、2層間接続部材21a、21bは表面パターン28を介して電気的に接続されている。なお、本実施形態では、絶縁基材23の長手方向(図4中の紙面左右方向)に沿って隣接する1つの第1層間接続部材21aと1つの第2層間接続部材21bとが組21cとされている。
絶縁基材23のうち表面23aと反対側の裏面23bには、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)等に代表される熱可塑性樹脂フィルムにて構成される平面矩形状の裏面保護部材25が配置されている。この裏面保護部材25は、絶縁基材23の長手方向の長さが絶縁基材23より長くされており、長手方向の両端部が絶縁基材23から突出するように絶縁基材23の裏面23bに配置されている。
裏面保護部材25には、絶縁基材23と対向する一面25a側に銅箔等がパターニングされた複数の裏面パターン29が互いに離間するように形成されている。そして、各裏面パターン29はそれぞれ第1、2層間接続部材21a、21bと適宜電気的に接続されている。
具体的には、図5に示すように、隣り合う2つの組21cにおいて、一方の組21cの第1層間接続部材21aと他方の組21cの第2層間接続部材21bとが同じ裏面パターン29と接続されている。つまり、組21cを跨いで第1、2層間接続部材21a、21bが同じ裏面パターン29を介して電気的に接続されている。
このようにして、各組21cは、図4中に破線で示すように直列に接続されている。なお、図4中の破線は、直列に接続された複数の組21cおよび配線を示している。
センサ2のうちヒータ22では、絶縁基材23の内部に電熱線22aが埋設されている。また、センサ2のうちヒータ22の下に、ヒータ22を跨ぐように裏面パターン29が形成されている。この裏面パターン29によって、第1熱電変換素子21Aの第1、2層間接続部材21a、21bと、第2熱電変換素子21Bの第1、2層間接続部材21a、21bと、が直列に接続されている。
また、本実施形態におけるセンサ2では、裏面パターン29のうち、上記のように直列に接続されたものの端部となる部分は、図5に示すように、絶縁基材23から露出するように形成されている。そして、裏面パターン29のうち絶縁基材23から露出する部分が制御部3と接続される端子として機能する部分となる。
ここで、図5に示すように、本実施形態におけるセンサ2では、2つの熱電変換素子21(第1、2層間接続部材21a、21b、表面パターン28、裏面パターン29)の構造が、2つの熱電変換素子21間に設けられたヒータ22を軸として線対称となっている。すなわち、第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bは、その形状および大きさが同じであるなど基本的な構造が同じであり、ヒータ22からの距離も同じである。また、第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bとで、第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bの接続順が逆となっている。このため、本実施形態では、第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bとで、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとの温度の高低と起電力の正負との対応関係が逆となる。例えば、2つの熱電変換素子21が共に、第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baが他端21ab、21bbよりも高温となると、2つの熱電変換素子21は、互いに異なる極性(例えば、一方が正であれば他方は負)の起電力を発生させる。また、2つの熱電変換素子21が共に、第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baが他端21ab、21bbよりも低温となったときも、2つの熱電変換素子21は、互いに異なる極性の起電力を発生させる。また、第1熱電変換素子21Aでは一端21aa、21baが他端21ab、21bbよりも高温となり、第2熱電変換素子21Bでは一端21aa、21baが他端21ab、21bbよりも低温となったときには、2つの熱電変換素子21は、同じ極性の起電力を発生させる。このように、このセンサ2では、第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bとで、一端21aa、21baと他端21ab、21bbとの温度の高低が逆である場合に、同じ極性の起電力を発生させる。
以上が本実施形態におけるセンサ2の構成である。このセンサ2では、第1、2熱電変換素子21A、21Bのそれぞれの領域において、互いに接続された第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baが一面2a側に位置し、他端21ab、21bbが他面2b側に位置している。このため、センサ2のうち一面2a側と他面2b側とで温度差が生じると、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとで温度差が生じる。この温度差が生じることにより、このセンサ2では、温度差に応じた起電力が発生する。そして、本実施形態に係る風向計1では、この起電力をセンサ信号として制御部3に出力する。なお、この起電力は、上記温度差が変化することで変化する。
ここで、本実施形態におけるセンサ2の製造方法について、図6を参照しつつ説明する。
まず、図6(a)に示す絶縁基材23を用意する。これは、次のようにして形成される。ヒータ22を埋め込んだ絶縁基材23を用意し、複数の第1ビアホール26をドリルやレーザ等によって形成する。次に、各第1ビアホール26に第1導電性ペースト21dを充填する。なお、第1ビアホール26に第1導電性ペースト21dを充填する方法(装置)としては、本出願人による特願2010−50356号に記載の方法(装置)を採用すると良い。
簡単に説明すると、図示しないが、吸着紙を介して保持台上に、裏面23bが吸着紙と対向するように絶縁基材23を配置する。そして、第1導電性ペースト21dを溶融させつつ、第1ビアホール26内に第1導電性ペースト21dを充填する。これにより、第1導電性ペースト21dの有機溶剤の大部分が吸着紙に吸着され、第1ビアホール26に合金の粉末が密接して配置される。
なお、吸着紙は、第1導電性ペースト21dの有機溶剤を吸収できる材質のものであれば良く、一般的な上質紙等が用いられる。また、第1導電性ペースト21dは、金属原子が所定の結晶構造を維持しているBi−Sb−Te合金の粉末を融点が43℃であるパラフィン等の有機溶剤を加えてペースト化したものが用いられる。このため、第1導電性ペースト21dを充填する際には、絶縁基材23の表面23aが約43℃に加熱された状態で行われる。
続いて、絶縁基材23に複数の第2ビアホール27をドリルやレーザ等によって形成する。
次に、各第2ビアホール27に第2導電性ペースト21eを充填する。この工程は、第1導電性ペースト21dを充填する工程と同様に行うことができる。すなわち、図示しないが、吸着紙を介して保持台上に裏面23bが吸着紙と対向するように絶縁基材23を配置した後、第2ビアホール27内に第2導電性ペースト21eを充填する。これにより、第2導電性ペースト21eの有機溶剤の大部分が吸着紙に吸着され、第2ビアホール27に合金の粉末が密接して配置される。
第2導電性ペースト21eは、第1導電性ペースト21dを構成する金属原子と異なる金属原子が所定の結晶構造を維持しているBi−Te合金の粉末を融点が常温であるテレピネ等の有機溶剤を加えてペースト化したものが用いられる。つまり、第2導電性ペースト21eを構成する有機溶剤は、第1導電性ペースト21dを構成する有機溶剤より融点が低いものが用いられる。そして、第2導電性ペースト21eを充填する際には、絶縁基材23の表面23aが常温に保持された状態で行われる。言い換えると、第1導電性ペースト21dに含まれる有機溶剤が固化された状態で、第2導電性ペースト21eの充填が行われる。これにより、第1ビアホール26に第2導電性ペースト21eが混入することが抑制される。
なお、第1導電性ペースト21dに含まれる有機溶剤が固化された状態とは、第1導電性ペースト21dを充填する工程において、吸着紙に吸着されずに第1ビアホール26に残存している有機溶剤のことである。
また、図6(b)、(c)に示す表面保護部材24および裏面保護部材25を用意する。これらは、次のようにして形成される。まず、表面保護部材24および裏面保護部材25のうち絶縁基材23と対向する一面24a、25aに銅箔等を形成する。そして、この銅箔を適宜パターニングすることにより、表面保護部材24および裏面保護部材25に対して、互いに離間している複数の表面パターン28および互いに離間している複数の裏面パターン29を形成する。
その後、図6(d)に示すように、裏面保護部材25、絶縁基材23、表面保護部材24を順に積層して積層体215を形成する。この積層体215を図示しない一対のプレス板の間に配置し、積層方向の上下両面から真空状態で加熱しながら加圧することにより、積層体を一体化する。具体的には、第1、第2導電性ペースト21d、21eが固相焼結されて第1、第2層間接続部材21a、21bを形成すると共に、第1、第2層間接続部材21a、21bと表面パターン28および裏面パターン29とが接続されるように加熱しながら加圧して積層体215を一体化する。
なお、特に限定されるものではないが、積層体215を一体化する際には、積層体215とプレス板との間にロックウールペーパー等の緩衝材を配置してもよい。以上のようにして、センサ2が製造される。
また、図1に示すように、制御部3は、センサ2の検出結果に基づいて、測定対象である風の風向を算出する風向算出手段である。制御部3は、例えばマイクロコンピュータ、記憶手段としてのメモリ、その周辺回路にて構成される電子制御装置であり、予め設定されたプログラムに従って所定の演算処理を行って、表示部4の作動を制御する。また、制御部3は、ヒータ22の作動と停止を制御するものとして機能する。
表示部4は、制御部3によって算出された風向を表示するモニター等の表示手段である。
固定部材5は、平面5aを有し、平面5aにおいて複数のセンサ2を固定するための部材である。本実施形態における固定部材5は、一面2aの上方の空気(もしくは、一面2aの上方を流れる風)やセンサ2を構成する材料よりも、熱移動し難い材料で構成されており、例えば、樹脂で構成される。
ここで、本実施形態に係る風向計1による風向の測定方法について図7、図8を用いて説明する。
本実施形態に係る風向計1における風向の測定時では、複数(8つ)のセンサ2におけるヒータ22を作動させて発熱させる。
最初に、1つのセンサ2における作動について説明する。
まず、センサ2において測定対象である風(一面2aの上方を流れる風)が流れていない場合(以下、無風の場合という)について説明する。図7に示すように、無風の場合、ヒータ22の熱が伝わることで、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図7中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2b側の固定部材5に図7中の等温線で示す温度分布が形成される。センサ2の一面2a側では一面2aの上方の空気(風)の温度分布に応じた温度となり、センサ2の他面2b側では固定部材5の温度分布に応じた温度となる。具体的には、センサ2の一面2a側および他面2b側において、ヒータ22に近いほど温度が高いという温度分布が形成される。ここで、本実施形態におけるセンサ2では、上記したように、2つの熱電変換素子21の構造が、ヒータ22を軸として線対称となっている。このため、図7の等温線で示すように、本実施形態におけるセンサ2では、無風の場合、ヒータ22から発せられた熱がヒータ22を挟んだ両側(2つの熱電変換素子21のそれぞれ)に均等に伝わる。具体的には、センサ2の一面2aと他面2bにおけるヒータ22からの距離が同じ位置同士の温度を比較すると、風が通る一面2a側の方が、固定部材5が備えられた他面2b側よりも、温度が高くなる。この結果、ヒータ22を挟んで対称の位置に配置された対応する2つの第1層間接続部材21aにおいては、共に、両端(図5中の一端21aaと他端21ab)との温度差が同等となる。同様に、ヒータ22を挟んで対称の位置に配置された対応する2つの第2層間接続部材21bにおいても、共に、両端(図5中の一端21aaと他端21ab)の温度差が同等となる。さらに、本実施形態におけるセンサ2では、上記したように、温度の高低と起電力の正負との対応関係が逆となる構成とされている。よって、本実施形態におけるセンサ2では、無風の場合、2つの熱電変換素子21が発生させる起電力はそれぞれ、大きさが同等であって正負が互いに逆となるため、複数のセンサ2のそれぞれにおける全体の起電力は、ゼロとなる。同様に、複数のセンサ2はそれぞれ、無風の場合に起電力がゼロとなる。なお、本実施形態では、熱移動し難い材料で構成された固定部材5を設けているため、図7に示すように、センサ2の他面2b側における温度分布が、一面2a側における温度分布に比べて、各等温線の間隔が狭くなっている。
そして、センサ2において測定対象である風(一面2aの上方を流れる風。)が流れた場合について、図2中のセンサ2Aに矢印Da1の方向の風が流れた場合を例として、説明する。図8に示すように、測定対象である風が流れた場合、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図8中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2b側の固定部材5に図8中の等温線で示す温度分布が形成される。本実施形態では、一面2aの上方において風が流れた場合、ヒータ22によって温度を変化させられた周囲の空気(以下、熱気という)のうち一面2a側の空気が、風によって一面2aと平行な方向(図8における右方向)に移動させられる。このとき、本実施形態では、上記したようにセンサ2の他面2bの全面が固定部材5によって被覆されているため、風はセンサ2の他面2b側には流れない。よって、熱気のうち他面2b側の空気は、風によって移動させられない(もしくは、一面2a側の空気に比べて遅く移動させられる)。このため、本実施形態に係る風向計1において風が流れた場合には、図8に示すように、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)の温度分布が変化する。
この結果、センサ2では、風が流れた直後に、図8に示すように、図8における右側の熱電変換素子21においては、一面2a側が高温となり、ひいては第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baが高温となる。また、図8における左側の熱電変換素子21においては、一面2a側が低温となり、ひいては第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baが低温となる。このとき、上記したように、他面2b側の空気は風によって移動させられないため、図8における2つの熱電変換素子21の第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの他端21ab、21bbの温度は変化しない。よって、2つの熱電変換素子21は、それぞれ、第1、2層間接続部材21a、21bの両端21aa、21ba、21ab、21bbにおいて温度差が生じ、しかも、第1熱電変換素子21Aと第2熱電変換素子21Bとで温度の高低が逆となる。こうして、本実施形態では、風が流れた直後に、2つの熱電変換素子21は、それぞれ、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと、第1層間接続部材21aの他端21abおよび第2層間接続部材21bの他端21bbとで温度差が生じる。これにより、センサ2は、両端21aa、21ba、21ab、21bbの温度差に応じた正の起電力を発生させる。しかも、直列に接続された2つの熱電変換素子21が同じ極性(正)の起電力を生じることとなるため、熱電変換素子21が1つの場合に比べて、センサ2の起電力が大きくなり、センサ2の高感度化が可能となる。なお、センサ2では、Da1とは逆の方向(図2中の矢印Da2)に風が流れた場合には、Da1の方向に風が流れた場合に発生する起電力と同等の絶対値である負の起電力が発生する。
本実施形態では、以上説明したように1つのセンサ2が作動する。次に、このように作動する複数(8つ)のセンサ2による風向の測定方法について説明する。
上記したように、複数のセンサ2は、互いに、平面5aに対する垂線を軸とした回転方向にずらされた向きで配置されている。このため、本実施形態では、複数のセンサ2は、風が所定方向に流れた場合において発生させる起電力の値が互いに異なる。具体的には、複数のセンサ2のうち、風によって移動させられた熱気が一面2a(第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21ba)の広範囲に伝わったセンサ2においては、発生させる起電力の絶対値が大きくなる。例えば、図3に示すように、風の風向が図2中の矢印Da1の方向の場合、センサ2Aでは、熱気が一面2aの広範囲に伝わるため、発生させる起電力の絶対値が大きくなる。また、この場合、センサ2Bでは、センサ2Aに比べると、熱気が伝わる範囲が狭くなるため、発生させる起電力が小さくなり、センサ2Cでは、熱気が伝わる範囲がさらに狭いため、発生させる起電力がさらに小さくなる。また、風によって移動させられた熱気が一面2aのどの程度の範囲に伝わるかは、複数のセンサ2のうち、第1熱電変換素子21A、ヒータ22、第2熱電変換素子21Bの並びと、風の風向と、がどの程度一致するかに依存する。以上のことを考慮して、例えば、複数のセンサ2のうち極性が正であって絶対値が最大の起電力を発生させたものを特定することにより、風の風向(センサ2Aの起電力が正で最大の場合、Da1の方向)を測定することができる。
なお、逆向きの風向(ここでは、Da1とは逆のDa2の方向)の風が流れている場合には、センサ2の起電力が負となるため、このことを利用して、1つのセンサ2によって互いに逆の2方向(ここでは、Da1およびDa2)を測定するようにしてもよい。この場合、例えば、本実施形態の風向計1において、センサ2E、2F、2G、2Hを省略して、センサ2A、2B、2C、2Dを備えるだけで、8つのセンサ2(2A〜2H)を備える場合に測定できるすべての方向(Da1〜Dh2)を測定することができる。
このように、本実施形態に係る風向計1では、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生する起電力の差に基づいて、測定対象である風の風向を測定する。
以上の説明の通り、本実施形態に係る風向計1では、機械式の可動部を持たないセンサ2を用いて風向を検出するので、微弱な風の風向の検出が可能となる。さらに、本実施形態に係る風向計1では、高感度なセンサ2を用いていることからも、特に微弱な風の風向の検出が可能となる。
また、上記した従来の風向計は、機械式の可動部を有しており、風向変化時にベーンが慣性により回転してしまうため、慣性によるベーンの回転がなくなるまで待つか、この慣性による回転を考慮して、風向を求めなければならないという問題があった。これに対して、本実施形態に係る風向計1では、機械式の可動部を持たないセンサ2を用いるので、このような問題は発生しない。
なお、周囲の環境温度の変化などによって、一面2aと他面2bとの温度差について誤差が生じることがある。しかしながら、本実施形態におけるセンサ2では、上記したように、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとの温度の高低と起電力の正負との対応関係が逆となる構成とされている。このため、上記の誤差が生じた場合でも、2つの熱電変換素子21が発生させる起電力はそれぞれ、大きさが同等であって正負が互いに逆となり、複数のセンサ2のそれぞれの全体の起電力はゼロとなる。従って、本実施形態におけるセンサ2では、周囲の環境温度の変化などによって上記の誤差が生じた場合であっても、センサ2が発生させる起電力の値に影響が無い(小さい)。
上記で説明したように、本実施形態に係る風向計1は、一面2aを有し、一面2aの上方を流れる風の風向を測定する風向計であって、以下の複数のセンサ2と制御部3を有することを特徴とする。すなわち、センサ2は、一面2aが形成されると共に、金属もしくは半導体で構成された第1層間接続部材21aと、第1層間接続部材21aとは異なる金属もしくは半導体で構成された第2層間接続部材21bとを有する。また、センサ2は、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとで温度差が生じたときに起電力を発生させる熱電変換素子21を備える。そして、センサ2は、ヒータ22によって温度を変化させられた周囲の空気が風により移動させられて、第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとで温度差が生じたときに起電力を発生させる。制御部3は、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生する起電力の差に基づいて、測定対象である風の風向を算出する。
このため、本実施形態に係る風向計1では、機械式の可動部を持たない熱電変換素子21を用いて風向を検出するので、微弱な風の風向の検出が可能となる。さらに、本実施形態に係る風向計1では、高感度なセンサ2を用いていることからも、特に微弱な風の風向の検出が可能となる。
また、本実施形態に係る風向計1では、センサ2が、2つの熱電変換素子21がヒータ22を挟んで配置されると共に配線(裏面パターン29)を介して直列に接続された構成とされている。さらに、センサ2は、第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとの温度の高低と起電力の正負との対応関係が逆となる構成とされている。
このため、本実施形態に係る風向計1では、ヒータ22の片側のみに熱電変換素子21が配置された場合に比べて、センサ2が発生させる起電力を大きくでき、センサ2の高感度化が可能である。
(変形例1)
上記で説明した本実施形態に係る風向計1では、センサ2を、2つの熱電変換素子21(第1熱電変換素子21A、第2熱電変換素子21B)およびヒータ22を備えた構成としていた。しかしながら、本実施形態に係る風向計1において、センサ2を、2つの熱電変換素子21のうち一方のみを備えた構成としてもよい。この構成であっても、測定対象である風が流れた場合、熱気のうち一面2a側の空気が、風によって一面2aと平行な方向に移動させられ、熱気のうち他面2b側の空気は、風によって移動させられない。このため、第1、2層間接続部材21a、21bのそれぞれの一端21aa、21baと他端21ab、21bbとで温度差が生じることで、温度差に応じた起電力が発生するから、風向測定を行うことができる。
(変形例2)
また、上記で説明した本実施形態に係る風向計1では、センサ2を、2つの熱電変換素子21が、ヒータ22を挟んで配置されると共に、配線(裏面パターン29)を介して直列に接続された構成としていた。しかしながら、本実施形態に係る風向計1において、センサ2を、2つの熱電変換素子21が独立して制御部3に電気的に接続された構成としてもよい。ただし、この場合、2つの熱電変換素子21それぞれについて、制御部3と接続するための配線を設けなければならないため、上記で説明した構成(2つの熱電変換素子21を直列に接続した構成)のセンサ2とする方が好ましい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図9〜図13を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、ヒータ22をペルチェ素子320に変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第1実施形態に係る風向計1では、温度変化手段としてヒータ22を備えた構成としていたが、本実施形態に係る風向計1では、図9、図10に示すように、温度変化手段としてペルチェ素子320を備える構成としている。
また、第1実施形態に係る風向計1では、センサ2の他面2bの全面を固定部材5によって被覆して、センサ2の他面2b側には風が流れない構成としていたが、本実施形態では、センサ2の(一面2aだけでなく)他面2b側にも風が流れる構成としている。具体的には、ここでは一例として、図示しないが、複数のセンサ2のそれぞれと固定部材5との間にスペーサを設けて、複数のセンサ2のそれぞれについて、他面2bのうち一部のみがスペーサによって被覆された構成としている。
ペルチェ素子320は、温熱と冷熱の両方を発生させる熱源体である。図9に示すように、ペルチェ素子320は、複数のセンサ2のそれぞれにおいて、第1、2熱電変換素子21A、21Bと共に、1つの多層基板に形成されている。本実施形態では、ペルチェ素子320は、第1熱電変換素子21Aと同じ構造とされている。すなわち、ペルチェ素子320は、第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとを有し、第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとが配線(表面パターン28)を介して直列に接続された構成とされており、制御部3に電気的に接続されている。
本実施形態では、ペルチェ素子320を構成する第1層間接続部材21aおよび第2層間接続部材21bのそれぞれの一端21aa、21baが、センサ2の一面2a側に配置されている。また、ペルチェ素子320を構成する第1層間接続部材21aおよび第2層間接続部材21bのそれぞれの他端21ab、21bbが、センサ2の他面2b側に配置されている。本実施形態におけるペルチェ素子320では、第1、2層間接続部材21a、21bに電力が供給されると、第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baにおいて発熱し、第1、2層間接続部材21a、21bの他端21ab、21bbにおいて吸熱する。従って、図11に示すように、本実施形態におけるペルチェ素子320では、第1、2層間接続部材21a、21bに電力が供給されると、センサ2の一面2a側が発熱し、センサ2の他面2b側が吸熱する。このように、ペルチェ素子320は、一面2a側に配置されて発熱もしくは吸熱を行う第1温度変化部としての第1、2層間接続部材21a、21bの一端21aa、21baを有する。また、ペルチェ素子320は、他面2b側に配置されて発熱および吸熱のうち第1温度変化手段が行う方とは異なる方を行う第2温度変化部としての第1、2層間接続部材21a、21bの他端21ab、21bbを有する。なお、本実施形態において、第1温度変化部および第2温度変化部のうち一方としてヒータを備え、他方として該ヒータとは別部材のクーラーを備える構成としてもよい。
また、第1、2熱電変換素子21A、21Bを構成する第1層間接続部材21aおよび第2層間接続部材21bのそれぞれの一端21aa、21baが、センサ2の一面2a側に配置されている。また、第1、2熱電変換素子21A、21Bを構成する第1層間接続部材21aおよび第2層間接続部材21bのそれぞれの他端21ab、21bbが、センサ2の他面2b側に配置されている。
なお、本実施形態のセンサ2は、第1実施形態で説明したセンサ2の製造方法において、センサ2のうちペルチェ素子320を構成する領域に、第1熱電変換素子21Aと同じ構造であって、第1熱電変換素子21Aと電気的に独立したものを形成するように変更することで製造される。
そして、図11に示すように、本実施形態に係る風向計1において風向を測定するときは、ペルチェ素子320を作動させて、センサ2の一面2a側において発熱させて、センサ2の他面2b側において吸熱させる。
図11に示すように、無風の場合、ペルチェ素子320の熱が伝わることで、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図11中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2b側の固定部材5に図11中の等温線で示す温度分布が形成される。本実施形態では、温度変化手段としてペルチェ素子320を用いているため、無風の場合、図11中の等温線で示すように、ペルチェ素子320の吸発熱によって、センサ2の一面2a側が高温となり、センサ2の他面2b側が低温となっている。具体的には、センサ2の一面2a側では、ペルチェ素子320に近いほど温度が高いという温度分布が形成され、センサ2の他面2b側では、ペルチェ素子320に近いほど温度が低いという温度分布が形成される。このため、ペルチェ素子320に近ければ近いほど、一面2a側と他面2b側との温度差が大きくなっている。
このように、本実施形態におけるセンサ2では、無風の場合であっても、一面2a側と他面2b側とで温度差が生じている。しかしながら、本実施形態におけるセンサ2では、2つの熱電変換素子21の構造がペルチェ素子320を軸として線対称となっている。このため、本実施形態におけるセンサ2においても、図11の等温線で示すように、無風の場合、ペルチェ素子320から発せられた熱がペルチェ素子320を挟んだ両側(2つの熱電変換素子21のそれぞれ)に均等に伝わる。よって、ペルチェ素子320を挟んで対称の位置に配置された対応する2つの第1、2層間接続部材21a、21bにおける両端(一端21aa、21baと他端21ab、21bb)の温度差が同等となる。また、第1実施形態の場合と同様、温度の高低と起電力の正負との対応関係が逆となる構成とされているため、本実施形態においても、無風の場合、複数のセンサ2のそれぞれの全体の起電力がゼロとなる。
図12に示すように、測定対象である風が流れた場合、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図12中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2b側の空気(もしくは風)に図12中の等温線で示す温度分布が形成される。本実施形態においても、測定対象である風が流れた場合、第1実施形態の場合と同様、ペルチェ素子320によって温度を変化させられた周囲の空気のうち一面2a側の高温の空気(以下、熱気という)が、風によって一面2aと平行な方向(図12における右方向)に移動させられる。このとき、本実施形態では、上記したようにセンサ2の他面2b側にも風が流れるため、ペルチェ素子320によって温度を変化させられた周囲の空気のうち他面2b側の低温の空気(以下、冷気という)も、熱気と同様に一面2aと平行な方向に移動させられる。
ここで、図13に示すように、温度変化手段としてヒータ22を備えた場合には、第1、2層間接続部材21a、21bの両端の温度差が生じない(生じ難い)。すなわち、無風の場合に一面2aおよび他面2bの両面でヒータ22に近いほど温度が高い温度分布が形成されて、両面2a、2bの温度分布が風で移動させられた場合、第1、2層間接続部材21a、21bの両端の温度差が生じない(生じ難い)。従って、この場合、センサ2の起電力が生じず、風向を検出することができない。
これに対して、本実施形態では、上記のように、無風の場合、センサ2の一面2a側では、ペルチェ素子320に近いほど温度が高いという温度分布が形成され、他面2b側では、ペルチェ素子320に近いほど温度が低いという温度分布が形成される。そして、ペルチェ素子320に近ければ近いほど、一面2a側と他面2b側との温度差が大きくなっている。そして、図12に示すように、両面2a、2bの温度分布が風で移動させられた場合、ペルチェ素子320よりも風の下流側である第2熱電変換素子21Bに温度分布のうち温度差が特に大きい部分が位置する。このため、第2熱電変換素子21Bでは、第1、2層間接続部材21a、21bの両端の温度差が、無風の場合に比べて、大きくなる。一方、図12に示すように、ペルチェ素子320よりも風の上流側である第1熱電変換素子21Aでは、第1、2層間接続部材21a、21bの両端の温度差が、無風の場合に比べて、小さくなる。この結果として、第1熱電変換素子21Aで生じた起電力と第2熱電変換素子21Bで生じた起電力を合わせた正の起電力がセンサ2において生じる。
このように、本実施形態に係る風向計1では、温度変化手段によって変化させられた空気のうち他面2b側の空気が、測定対象である風などによって移動させられた場合であっても、固定部材5を設けることなく、風の風向を測定することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図14〜図36を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して、センサ2の構成を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態においても、複数のセンサ2のそれぞれと固定部材5との間にスペーサを設けて、センサ2の(一面2aだけでなく)他面2b側にも風が流れる構成としている。
まず、本実施形態に係るセンサ2の具体的な構造について図14〜図17、図19を参照しつつ説明する。なお、図15は、図14中の一点鎖線で囲まれた部分Aを拡大して示す図であり、図16〜図20はこれに対応する図である(図14に示すように、センサ2は、実際は全体が湾曲した形状となっているが、図15〜図20では、便宜上、直線形状としてある)。
図14に示すように、本実施形態では、複数のセンサ2が、すべて、1つの多層基板の内部において、面5a(図1を参照)に対する垂線を軸とした円周(図14中の破線S2を参照)の方向に沿って並べられている。従って、複数のセンサ2は、第1実施形態などと同様、互いに、平面5aに対する垂線を軸とした回転方向にずらされた向きで配置されている。また、複数のセンサ2は、互いに、平面5aに対する垂線を軸とした円周(図14中の破線S2を参照)上のうち異なる位置に配置されており、具体的には、8つのセンサ2が、円周S2上において等間隔に配置されている。これにより、詳細は後述するが、本実施形態に係る風向計1でも、第1実施形態と同様に複数方向の風の風向を測定することができる。
図17、図19に示すように、センサ2は、第1絶縁層210と、第1絶縁層210の表面210aに配置された第2絶縁層220と、第2絶縁層220の表面220aに配置された表面保護フィルム層270と、第1絶縁層210の裏面210bに配置された裏面保護フィルム層280が積層されて一体化された多層基板で構成されている。第1絶縁層210、第2絶縁層220、表面保護フィルム層270、裏面保護フィルム層280は、第1実施形態の絶縁基材23、表面保護部材24および裏面保護部材25と同様に、熱可塑性樹脂フィルムにて構成されている。ここで、第1絶縁層210、第2絶縁層220は、第1実施形態における絶縁基材23に対応する。表面保護フィルム層270は、第1実施形態における表面保護部材24に対応する。裏面保護フィルム層280は、第1実施形態における裏面保護部材25に対応する。
第2絶縁層220の表面220aには、第1接続用パターン231と、ヒータ22と、第2接続用パターン232とが配置されている。第1接続用パターン231と第2接続用パターン232は、銅箔等の薄膜状の導体がパターニングされたものである。ヒータ22は、温熱を放出する熱源体であり、電熱線や薄膜抵抗体等によって構成されたものである。ここで、第1接続用パターン231は、第1実施形態における表面パターン28に対応する。第2接続用パターン232は、第1実施形態における裏面パターン29に対応する。
図15に示すように、ヒータ22は、一方向に長く延びた形状である。第1接続用パターン231は、ヒータ22を挟んだ両側の一方、すなわち、図15中の上側に配置されているとともに、ヒータ22の長手方向に沿って互いに離間して複数配置されている。同様に、第2接続用パターン232は、ヒータ22を挟んだ両側の他方、すなわち、図15中の下側に配置されているとともに、ヒータ22の長手方向に沿って互いに離間して複数配置されている。なお、本実施形態では、ヒータ22の長手方向に垂直な方向におけるヒータ22から第1接続用パターン231までの距離とヒータ22から第2接続用パターン232までの距離は同じである。
また、図17、図19に示すように、第1絶縁層210の裏面210bには、薄膜状のP型素子250aと薄膜状のN型素子250bが形成されている。ここで、P型素子250aは、第1実施形態における第1層間接続部材21aに対応し、N型素子250bは、第1実施形態における第2層間接続部材21bに対応する。すなわち、P型素子250aが特許請求の範囲における第1導電体に相当し、N型素子250bが特許請求の範囲における第2導電体に相当する。
従って、本実施形態では、P型素子250aおよびN型素子250bで構成された部分が、両端の温度差に応じた起電力を発生させる熱電変換素子370として機能する。図17、図19に示す断面において、本実施形態におけるセンサ2においても、ヒータ22を軸として線対称となる構造となっている。
図15、図16に示すように、1つのP型素子250aと1つのN型素子250bは、どちらも、その一端側と他端側がヒータ22を挟んだ両側に位置するように、一端側から他端側まで延びた形状である。なお、図16は、図15中の多層基板の裏側の平面図であり、図15と上下が逆となっている。そして、P型素子250aとN型素子250bは、ヒータ22の長手方向に沿って交互に複数配置されている。
また、図15、図16に示すように、隣り合う1つのP型素子250aと1つのN型素子250bは、どちらも、その一端側が共通の第1接続用パターン231と接続されている。これにより、1つのP型素子250aと1つのN型素子250bとが接続されている。また、隣り合う1つのP型素子250aと1つのN型素子250bであって、共通の第1接続用パターン231と接続されていないものは、その他端側が共通の第2接続用パターン232と接続されている。これにより、互いに接続されたP型素子250aとN型素子250bを一組として、複数組のP型素子250aとN型素子250bが直列に接続されている。本実施形態では、一組の互いに接続されたP型素子250aとN型素子250bが1つの熱電変換素子370を構成している。
なお、図17に示すように、1つのP型素子250aと第1接続用パターン231との接続は、第1、第2絶縁層210、220のうち第1接続用パターン231の直下に形成されたビア211、221を介して行われている。同様に、1つのP型素子250aと第2接続用パターン232との接続は、第1、第2絶縁層210、220のうち第2接続用パターン232の直下に形成されたビア212、222を介して行われている。
また、図19に示すように、1つのN型素子250bと第1接続用パターン231との接続は、第1、第2絶縁層210、220のうち第1接続用パターン231の直下に形成されたビア211、221を介して行われている。同様に、1つのN型素子250bと第2接続用パターン232との接続は、第1、第2絶縁層210、220のうち第2接続用パターン232の直下に形成されたビア212、222を介して行われている。
ここで、図15に示すように、P型素子250a、N型素子250bのそれぞれのうち互いに接続された側の一端250aa、250baと他端250ab、250bbとがヒータ22を挟んだ反対側に位置している。また、本実施形態におけるセンサ2では、風が流れる方向Da1において、P型素子250aの一端250aaおよびN型素子250bの一端250baを、風の上流側に配置している。また、風が流れる方向Da1において、P型素子250aの他端250abおよびN型素子250bの他端250bbを、風の下流側に配置している。このように、本実施形態におけるセンサ2では、該一端250ba、250baを風の上流側に配置すると共に、該他端250ab、250bbを風の下流側に配置している。
また、本実施形態のセンサ2は、絶縁基材23、表面保護部材24、裏面保護部材25が熱可塑性樹脂を用いて構成されており、可撓性を有している。このため、本実施形態のセンサ2は、容易に、図14に示すような湾曲した形状とすることができる。以上が本実施形態におけるセンサ2の基本的な構成である。
次に、本実施形態におけるセンサ2の製造方法について、図18〜図20を参照しつつ説明する。
図18、図20に示すように、P型素子材料251、N型素子材料261のパターンが形成された第1絶縁層210と、P型素子材料251、N型素子材料261がビア221、222に充填された第2絶縁層220と、表面保護フィルム層270と、裏面保護フィルム層280とを用意する。ここで、P型素子材料251、N型素子材料261は、それぞれ、第1実施形態における第1導電性ペースト21d、第2導電性ペースト21eに対応する。
そして、第1実施形態と同様に、裏面保護フィルム層280、第1絶縁層210、第2絶縁層220、表面保護フィルム層270の順に積層して積層体を形成し、この積層体を加熱しながら加圧することにより、積層体を一体化する。このとき、積層体の一体化の際の加熱によって、P型素子材料251、N型素子材料261が固相焼結されて、P型素子250a、N型素子250bが形成される。以上のようにして、本実施形態におけるセンサ2が製造される。
次に、本実施形態に係る風向計1による風向の測定方法について図21、図22を用いて説明する。なお、図21、図22は、図17に対応した図であるが、図17中の表面保護フィルム層270、裏面保護フィルム層280を省略している。
本実施形態に係る風向計1における風向の測定時では、ヒータ22を作動させて発熱させる。
最初に、1つのセンサ2における作動について説明する。
まず、無風の場合について説明する。図21に示すように、無風の場合、ヒータ22の熱が伝わることで、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図21中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2b側の固定部材5に図21中の等温線で示す温度分布が形成される。センサ2の一面2a側では一面2aの上方の空気(風)の温度分布に応じた温度となり、センサ2の他面2b側では他面2bの下方の空気(風)の温度分布に応じた温度となる。具体的には、センサ2の一面2a側および他面2b側において、ヒータ22に近いほど温度が高いという温度分布が形成される。ここで、本実施形態におけるセンサ2においても、ヒータ22を軸として線対称となる構造となっている。このため、図21の等温線で示すように、本実施形態におけるセンサ2では、無風の場合、ヒータ22から発せられた熱がヒータ22を挟んだ両側に均等に伝わる。この結果、ヒータ22を挟んで対称の位置に配置された対応するP型素子250aの両端(図21中の一端250aaと他端250ab)の温度差がゼロとなる。同様に、ヒータ22を挟んで対称の位置に配置された対応するN型素子250bにおいても、両端(一端250baと他端250bb)の温度差がゼロとなる。このため、複数のセンサ2のそれぞれにおける起電力は、ゼロとなる。同様に、複数のセンサ2はそれぞれ、無風の場合に起電力がゼロとなる。
そして、センサ2において測定対象である風(一面2aの上方を流れる風。)が流れた場合について、図14中のセンサ2Aに矢印Da1の方向の風が流れた場合を例として、説明する。図22に示すように、測定対象である風が流れた場合、センサ2の一面2a側の空気(もしくは風)に図22中の等温線で示す温度分布が形成されると共に、センサ2の他面2bの空気(もしくは風)に図22中の等温線で示す温度分布が形成される。本実施形態では、一面2aの上方において風が流れた場合、ヒータ22によって温度を変化させられた周囲の空気のうち一面2a側の空気(以下、一面2a側の熱気という)が、風によって一面2aと平行な方向(図22における右方向)に移動させられる。また、センサ2の他面2b側にも風が流れるため、ヒータ22によって温度を変化させられた周囲の空気のうち他面2b側の高温の空気も、一面2a側の熱気と同様に一面2aと平行な方向に移動させられる。このため、本実施形態に係る風向計1において風が流れた場合には、図22に示すように、センサ2の一面2a側および他面2b側の空気(もしくは風)の温度分布が変化する。
この結果、センサ2では、風が流れた直後に、図22に示すように、図22における右側(他端250ab側)においては、一面2a側および他面2b側が高温となり、ひいてはP型素子250aの他端250abが高温となる。また、図22における左側(一端250aa側)の熱電変換素子21においては、一面2a側および他面2b側が低温となり、ひいてはP型素子250aの一端250aaが低温となる。このため、本実施形態では、風が流れた直後に、熱電変換素子370は、P型素子250aの一端250aaと他端250abとで温度差が生じる。また、ここでは説明を省略するが、N型素子250bにおいても、P型素子250aの場合と同様、他端250bb側が高温となって、一端250ba側が低温となることで、一端250baと他端250bbとで温度差が生じる。これにより、センサ2は、両端250aa、250ab、250ba、250bbの温度差に応じた正の起電力を発生させる。なお、このセンサ2においても、第1実施形態などの場合と同様、Da1とは逆の方向(図14中の矢印Da2)に風が流れた場合には、Da1の方向に風が流れた場合に発生する起電力と同等の絶対値である負の起電力が発生する。
本実施形態では、以上説明したように1つのセンサ2が作動する。そして、第1実施形態で説明した風向の測定方法と同様に、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生する起電力の差に基づいて、測定対象である風の風向を測定することができる。
(変形例1)
上記で説明した本実施形態に係る風向計1において、各絶縁層の積層方向におけるP型素子250a、N型素子250bの配置を変更してもよい。これについて、図23〜図25、図27を用いて説明する。
このセンサ2では、P型素子250aとN型素子250bが、第1絶縁層210と第2絶縁層220の間に配置されている。
このセンサ2は、次のようにして製造される。図26、図28に示すように、裏面保護フィルム層280と、第1絶縁層210と、第2絶縁層220と、表面保護フィルム層270とを用意する。このとき、第2絶縁層220は、表面220aに第1接続用パターン231と第2接続用パターン232が形成されている。また、第2絶縁層220は、ビア221、222にP型素子材料251およびN型素子材料261が充填されるとともに、裏面220bにP型素子材料252およびN型素子材料261のパターンが形成されている。そして、裏面保護フィルム層280と、第1絶縁層210と、第2絶縁層220と、表面保護フィルム層270とを順に積層した積層体を加熱しながら加圧することで一体化する。
このセンサ2を用いた場合でも、上記で説明した本実施形態に係る風向計1と同様に、起電力が生じ、風の風向を測定することができる。なお、本実施形態では、P型素子250aとN型素子250bの両方を第1絶縁層210と第2絶縁層220の間に配置したが、P型素子250aとN型素子250bの一方を第1絶縁層210と第2絶縁層220の間に配置し、P型素子250aとN型素子250bの他方を第1絶縁層210の裏面210bに配置してもよい。
(変形例2)
上記で説明した本実施形態に係る変形例1の風向計1において、図29〜図31、図33に示すように、各絶縁層の積層方向における第1、第2接続用パターン231、232の配置を変更してもよい。
このセンサ2では、P型素子250aとN型素子250bに加えて、第1、第2接続用パターン231、232が、第1絶縁層210と第2絶縁層220の間に配置されている。
このセンサ2は、次のようにして製造される。図32、図33に示すように、裏面保護フィルム層280と、第1絶縁層210と、第2絶縁層220と、表面保護フィルム層270とを用意する。このとき、第1絶縁層210の表面210aに、P型素子材料251およびN型素子材料のパターンが形成されている。第2絶縁層220の裏面220bに第1、第2接続用パターン231、232が形成されている。また、第2絶縁層220の表面220aにヒータ22が配置される。そして、裏面保護フィルム層280と、第1絶縁層210と、第2絶縁層220と、表面保護フィルム層270とを順に積層して積層体を形成し、この積層体を加熱しながら加圧することで一体化する。
このセンサ2を用いた場合でも、上記で説明した本実施形態に係る風向計1と同様に、図35に示すように、無風の場合、第1、第2接続用パターン231、232は温度差が無く、図36に示すように、風が流れた場合、第1、第2接続用パターン231、232は温度差が生じる。このため、起電力が生じ、風の風向を測定することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、移動体の移動方向を測定する移動方向測定計1Aについて図37、図38を参照して説明する。図37に示すように、移動方向測定計1Aは、移動体50に設置される装置であり、複数のセンサ2と、制御部3とを備えている。本実施形態では、移動体50としては、例えば、野球用のバット、ゴルフクラブ、テニスラケット、卓球ラケット、製造設備やアームロボットの可動部や、ゲーム機用のコントローラ等が挙げられる。ここでは、一例として、移動体を野球用のバット50とした例について示す。図37に示すように、本実施形態では、バット50の表面400に複数のセンサ2が貼り付けている。
本実施形態のセンサ2は、第1実施形態のセンサ2と同じ構造のものである。図37、図38に示すように、センサ2は、バット50の移動方向(例えば、Dj1の方向)に平行な方向で、ヒータ22の両側に第1熱電変換素子21A、第2熱電変換素子21Bが位置するように、バット50に固定される。なお、センサ2と制御部3とを電気的に接続する配線については、バット50に巻き付けたり、バット50に穴をあけてその穴を通してバット50の内部に配置したりして、まとめておいた方が邪魔にならずによい。
次に、本実施形態の移動方向測定計1Aによるバット50の移動方向の測定方法について、図38を用いて説明する。ここで、バット50が移動した場合、バット50の視点でみると、バット50に対して移動方向の逆の方向の風が流れた場合と同じ状況となる。すなわち、バット50が移動した場合、静止したバット50において移動方向の逆の方向の風が流れた場合と同じ状況となる。例えば、図37に示すように、バット50がDj1の方向に移動する場合には、Dj1の逆の方向であるDi1の方向の風が流れた場合と同じ状態となる。従って、この風の風向を測定することで、バット50の移動方向を測定することができる。よって、第1〜3実施形態で説明した風向計1における風の風向の測定方法と同様の考え方で、バット50の移動方向の測定を行うことができる。このように、本実施形態の移動方向測定計1Aは、バット50が移動するときに一面2aの上方においてバット50にとって相対的に生じる風を測定することにより、バット50の移動方向を測定する。
例えば、図38に示すように、バット50が移動しそうな異なる複数の方向(ここでは、8方向Dj1〜Dq1)に対応する方向を測定できるように、複数のセンサ2(ここでは、図のセンサ2A〜2H)を備える移動方向測定計1Aとすればよい。例えば、図38中の矢印Dj1の方向にバット50が移動した場合には、相対的に生じる風の風向が、センサ2Gにとっては、一面2aに平行な方向となり、その他のセンサ2A〜2F、2Hにとっては、平行とならない。このため、矢印Dj1の方向にバット50が移動した場合には、センサ2Gが複数のセンサ2のなかで絶対値が最大の起電力を生じさせる。また、このときセンサ2Gは正の起電力を生じている。つまり、このように、本実施形態の移動方向測定計1Aでは、複数のセンサ2のうち極性が正であって絶対値が最大の起電力を発生させたものを特定することにより、風の風向(センサ2Gの起電力が正で最大の場合、Dj1の方向)を特定でき、ひいては、バット50の移動方向(センサ2Gの起電力が正で最大の場合、Di1の方向)を測定することができる。
制御部3Aは、センサ2の検出結果に基づいて、測定対象である移動体の移動方向を算出する移動方向算出手段である。制御部3Aは、例えばマイクロコンピュータ、記憶手段としてのメモリ、その周辺回路にて構成される電子制御装置である。また、制御部3Aは、ヒータ22の作動と停止を制御するものとして機能する。制御部3Aは、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生した起電力の値の差に基づいて、バット50の移動方向を算出する。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態のセンサ2において、ヒータ22の位置を変更してもよい。第1実施形態では、ヒータ22を、センサ2の一面2aおよび他面2bに垂直な方向での中央部に位置していたが、ヒータ22を、センサ2の一面2aに位置させてもよい。すなわち、例えば、ヒータ22を、通電により発熱する抵抗体によって構成して、該抵抗体が表面保護部材24に設けられて表面保護部材24から露出させられた構成としてもよい。
また、第1〜3実施形態の風向計1、第4実施形態の移動方向測定計1Aにおいて、複数のセンサ2の各センサ2間に風除けを設けてもよい。この場合、センサ2の風下でのカルマン渦の発生を抑制できるため、高精度に風の風向もしくは移動体の移動方向を測定することができる。
また、第1〜3実施形態の風向計1では、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生する起電力の差に基づいて、測定対象である風の風向を測定し、同様に、第4実施形態の移動方向測定計1Aにおいて、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生した起電力の値の差に基づいて、移動体(バット)50の移動方向を測定していた。しかしながら、第1〜4実施形態において、電圧ではなく電流の差に基づいて、風の風向や移動体50の移動方向を測定してもよい。すなわち、本発明に係る風向計1および移動方向測定計1Aは、複数のセンサ2のそれぞれにおいて発生した電圧と電流の一方の電気的な出力の差に基づいて、風の風向や移動体50の移動方向を測定することができる。
ここで、第1〜3実施形態の風向計1における第1、2導電体(第1、2層間接続部材21a、21b、P、N型素子250a、250b)のそれぞれの一端21aa、21ba、250aa、250baと他端21ab、21bb、250ab、250bbとで生じる温度差と風の風量との間に一定の関係がある。すなわち、該温度差に応じてセンサ2が発生させる起電力の値と風の風量との間に一定の関係がある。従って、このことを利用して、第1〜3実施形態に係る風向計1によって、センサ2から出力された起電力の値に基づいて風量を測定する風量計も構成した風向風量計とすることもできる。すなわち、第1〜3実施形態における制御部3において、センサ2から出力された起電力の値と、その起電力の値と風量との関係とに基づいて、風量を算出するようにしてもよい。この場合、具体的には、例えば、複数のセンサ2のうち極性が正であって絶対値が最大の起電力を発生させたものを特定し、その特定されたセンサ2が発生させた起電力の値に基づいて風量を算出するようにすればよい。また、この場合において、複数のセンサ2のうち極性が負のものであって絶対値が最大の起電力を発生させたものを特定し、その特定されたセンサ2が発生させた起電力の値も考慮するようにしてもよい。なお、センサ2から出力される起電力と風量との関係は、予め実験等によって求められ、制御部3のメモリに予め記憶させておくようにすればよい。
また、第1〜3実施形態の風向計1では、風向計1が8つのセンサ2を有する構成であったが、センサ2の数は他の数であってもよい。例えば、図39に示すように、風向計1が3つのセンサ2を有する構成であってもよい。このように、センサ2の数は偶数に限らず、奇数であってもよい。また、第1〜3実施形態の風向計1では、複数のセンサ2が円周S1において等間隔に配置されていたが、等間隔に配置されていなくてもよい。
また、第1〜3実施形態の風向計1は、8つのセンサ2を用いて、8方向の風向(8方位)を測定するものであったが、風向計1が有するセンサ2の数および風向計1が測定する風向の数は、任意に変更可能である。なお、第1〜3実施形態の風向計1は、制御部3が、複数のセンサ2のそれぞれの出力と、これらの出力と8方位のそれぞれとの関係に基づいて、風向を算出する。これにより、風向が8方位のいずれであるかを特定することができる。
ここで、平面5aに設置された複数のセンサ2のそれぞれの出力は、風向によって異なる。そこで、制御部3が、複数のセンサ2のそれぞれの出力と、特定したい風向の全てと複数のセンサ2のそれぞれの出力との関係とに基づいて、風向を算出するようにしてもよい。これにより、風向が特定したい複数の方向のいずれであるかを特定することができる。例えば、複数のセンサ2のそれぞれの出力と、360方位のそれぞれの風向と複数のセンサ2のそれぞれの出力との関係とに基づいて、風向を算出する。これにより、風向が360方位のいずれであるかを特定できる。すなわち、全方向の風向を特定することができる。
また、第1実施形態の風向計1では、図1、2に示されるように、1つのセンサ2の構成を、ヒータ22を挟んで、1つの熱電変換素子21Aと1つの熱電変換素子21Bとが配置された構成としていたが、他の構成としてもよい。例えば、図40に示すように、1つのセンサ2の構成を、ヒータ22を挟んだ一方側(図中の上側)と他方側(図中の下側)において、一方側に1つの熱電変換素子21Aを配置し、他方側に2つの熱電変換素子21B1、21B2を配置した構成としてもよい。また、図41に示すように、ヒータ22を挟んだ一方側に2つの熱電変換素子21A1、21A2を配置し、他方側に1つの熱電変換素子21Bを配置してもよい。また、図42に示すように、ヒータ22を挟んだ一方側に2つの熱電変換素子21A1、21A2を配置し、他方側に2つの熱電変換素子21B1、21B2を配置してもよい。このように、ヒータ22を挟んだ一方側と他方側のそれぞれに配置される熱電変換素子21の数は任意に変更可能である。同様に、第2実施形態の風向計1においても、ペルチェ素子320を挟んだ一方側と他方側のそれぞれに配置される熱電変換素子21の数は任意に変更可能である。なお、ここでいう1つの熱電変換素子21は、第1層間接続部材21aと第2層間接続部材21bとが直列に接続されて構成されたものである。
また、第1実施形態の風向計1では、図2に示されるように、ヒータ22を挟んで配置された2つの熱電変換素子21A、21Bの形状が、それぞれ、長方形であったが、他の形状としてもよい。例えば、2つの熱電変換素子21A、21Bの形状を、それぞれ、図43に示す台形や、図44に示す円や、図45に示す三角形としてもよい。また、2つの熱電変換素子21、21Bの形状を同じ形状でなく、図46に示すように、異なる形状としてもよい。なお、熱電変換素子21の形状とは、熱電変換素子21の形成領域の形状である。すなわち、第1、第2層間接続部材21a、21bが形成された領域において、最外周に位置する第1、第2層間接続部材21a、21bに沿って、全ての第1、第2層間接続部材21a、21bを囲むように線を引いたときに、この線によって形成される形状である。第2実施形態の風向計1においても同様である。
2 センサ
21aa 第1層間接続部材の一端
21ab 第1層間接続部材の他端
21ba 第2層間接続部材の一端
21bb 第2層間接続部材の他端
22 ヒータ
250aa P型素子の一端
250ab P型素子の他端
250ba N型素子の一端
250bb N型素子の他端
3 制御部
320 ペルチェ素子

Claims (7)

  1. 一面(2a)を有し、前記一面の上方を流れる風の風向を測定する風向計であって、
    前記一面が形成されると共に、一端(21aa、250aa)および該一端と反対側の他端(21ab、250ab)を有していて金属もしくは半導体で構成された第1導電体(21a、250a)と、一端(21ba、250ba)および該一端と反対側の他端(21bb、250bb)を有していて前記第1導電体とは異なる金属もしくは半導体で構成された第2導電体(21b、250b)と、を有し、前記第1導電体と前記第2導電体とが直列に接続されると共に、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の一端(21aa、21ba、250aa、250ba)と、前記第1導電体の前記他端(21ab、250ab)および前記第2導電体の前記他端(21bb、250bb)と、で温度差が生じたときに電気的な出力を発生させる熱電変換素子(21、21A、21B、370)を備えると共に、発熱および吸熱のうち少なくとも一方を行うことで周囲の温度を変化させる温度変化手段(22、320)を備え、前記温度変化手段によって温度を変化させられた周囲の空気が前記風により移動させられて、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの一端と他端とで温度差が生じたときに、該温度差に応じた前記出力を発生させる構成とされ、前記風が所定方向に流れた場合において発生させる前記出力の値が互いに異なる複数のセンサ(2)と、
    前記複数のセンサのそれぞれにおいて発生した前記出力の値の差に基づいて、前記風の風向を算出する風向算出手段(3)と、を有することを特徴とする風向計。
  2. 前記センサは、2つの前記熱電変換素子が前記温度変化手段を挟んで配置されると共に配線(29)を介して直列に接続され、前記2つの前記熱電変換素子は、互いに、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの一端と他端との温度の高低と前記出力の正負との対応関係が逆となる構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の風向計。
  3. 前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの一端が、前記一面側に配置されると共に、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの他端が、前記一面とは反対側の他面(2b)側に配置されており、
    前記温度変化手段は、前記一面側に配置されて発熱もしくは吸熱を行う第1温度変化部(21aa、21ba)と、前記他面側に配置されて発熱および吸熱のうち前記第1温度変化部が行う方とは異なる方を行う第2温度変化部(21ab、21bb)と、で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の風向計。
  4. 前記風が流れる方向において、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの一端が、前記風の上流側に配置されると共に、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの他端が、前記風の下流側に配置された構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の風向計。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の風向計を備え、
    前記風向算出手段が、前記出力の値に基づいて、風量を算出する風量計も構成することを特徴とする風向風量計。
  6. 面を有する共に、移動体(50)に設置されて、前記移動体が移動するときに前記一面の上方において前記移動体にとって相対的に生じる風を測定することにより、前記移動体の移動方向を測定する移動方向測定計であって、
    前記一面が形成されると共に、一端(21aa、250aa)および該一端と反対側の他端(21ab、250ab)を有していて金属もしくは半導体で構成された第1導電体(21a、250a)と、一端(21ba、250ba)および該一端と反対側の他端(21bb、250bb)を有していて前記第1導電体とは異なる金属もしくは半導体で構成された第2導電体(21b、250b)と、を有し、前記第1導電体と前記第2導電体とが直列に接続されると共に、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の一端(21aa、21ba、250aa、250ba)と、前記第1導電体の前記他端(21ab、250ab)および前記第2導電体の前記他端(21bb、250bb)と、で温度差が生じたときに電気的な出力を発生させる熱電変換素子(21、21A、21B、370)を備えると共に、発熱および吸熱のうち少なくとも一方を行うことで周囲の温度を変化させる温度変化手段(22、320)を備え、前記温度変化手段によって温度を変化させられた周囲の空気が前記風により移動させられて、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれの一端と他端とで温度差が生じたときに、該温度差に応じた前記出力を発生させる構成とされ、前記風が所定方向に流れた場合において発生させる前記出力の値が互いに異なる複数のセンサ(2)と、
    前記複数のセンサのそれぞれにおいて発生した前記出力の値の差に基づいて、前記移動体の移動方向を算出する移動方向算出手段(3)と、を有することを特徴とする移動方向測定計。
  7. 前記センサは、前記温度変化手段を挟んで配置された第1熱電変換素子(21A)と第2熱電変換素子(21B)とを備え、
    前記第1熱電変換素子および前記第2熱電変換素子において、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の前記一端が、前記第1導電体および前記第2導電体のそれぞれのうち互いに接続された側の前記他端よりも高温もしくは低温となると、前記第1熱電変換素子および前記第2熱電変換素子は、互いに異なる極性の前記出力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の風向計。
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