JP2021132112A - 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ - Google Patents

熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2021132112A
JP2021132112A JP2020026417A JP2020026417A JP2021132112A JP 2021132112 A JP2021132112 A JP 2021132112A JP 2020026417 A JP2020026417 A JP 2020026417A JP 2020026417 A JP2020026417 A JP 2020026417A JP 2021132112 A JP2021132112 A JP 2021132112A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
conversion element
electrode
heat transfer
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020026417A
Other languages
English (en)
Inventor
誠 柴田
Makoto Shibata
誠 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2020026417A priority Critical patent/JP2021132112A/ja
Publication of JP2021132112A publication Critical patent/JP2021132112A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)

Abstract

【課題】簡便な構造を有しながら、特定の面内において互いに交差する第1の方向と第2の方向とにおいて、それぞれ電気的に独立した複数の熱電変換素子列を精度良く並べて配置することを可能とした熱電変換装置を提供する。【解決手段】特定の面内において互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yとのうち、第1の方向Xに並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子3Aを各々が有する複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hと、第2の方向Yに並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子3Bを各々が有する複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hとを備え、複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hは、第2の方向Yに並んで配置され、複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hは、第1の方向Xに並んで配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、熱電変換装置、並びにそのような熱電変換装置を用いたインターフェースデバイス及び気流センサに関する。
例えば、自動運転車などの自動制御移動体では、移動中に加速度センサなどの慣性センサにより検出された姿勢の変化を認知し、安定した状態を維持する姿勢制御が行われている。このため、自動制御移動体では、環境の急激な変化に即応できる認知能力及び姿勢制御が求められている。しかしながら、従来の自動制御移動体では、実際の姿勢に変化を与える要因がどの様なものであるかについての認知能力が浅いため、姿勢制御について受動的な対応となっている。
一方、自動制御移動体では、移動中に受ける風速についての環境依存性が強く、例えばトンネルやビルの間などの周辺構造物の変化や、天候などによる気象の変化、山間部などの地形変化等によって、風速の強さや方向が瞬時に変化する。このため、自動制御移動体に対する安全への影響が強く懸念されており、近年その対策のための研究が進んでいる。
具体的には、熱電変換装置を用いた風向風量計(気流センサ)が提案されている(例えば、下記特許文献1を参照。)。下記特許文献1には、ヒータを挟んだ両側に2つの熱電変換素子を配置した複数のセンサを放射状に並べて配置し、これら複数のセンサにより2次元的な風向及び風速を検出する風向風速計が開示されている。
特開2016−11948号公報
ところで、上述した特許文献1に記載の風向風量計において、風向及び風量の検出精度を上げるためには、放射状に並ぶ複数のセンサを互いに電気的に独立した状態とし、且つ、それぞれの位置に正確に配置(作製)する必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載の風向風量計では、各センサの作製とその位置調整が複雑となっている。このため、製造コスト及び製造工程(リードタイム)において、大きな課題が生じる可能性がある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、簡便な構造を有しながら、特定の面内において互いに交差する第1の方向と第2の方向とにおいて、それぞれ電気的に独立した複数の熱電変換素子列を精度良く並べて配置することを可能とした熱電変換装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような熱電変換装置を用いることによって、検出精度の向上並びに低コスト化を可能としたインターフェースデバイス及び気流センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
(1) 特定の面内において互いに交差する第1の方向と第2の方向とのうち、
前記第1の方向に並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子を各々が有する複数の第1の熱電変換素子列と、
前記第2の方向に並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子を各々が有する複数の第2の熱電変換素子列とを備え、
前記複数の第1の熱電変換素子列は、前記第2の方向に並んで配置され、
前記複数の第2の熱電変換素子列は、前記第1の方向に並んで配置されていることを特徴とする熱電変換装置。
(2) 前記第1の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の各々と、前記第2の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の各々とが、前記第1の方向において交互に並んで配置されていることを特徴とする前記(1)に記載の熱電変換装置。
(3) 前記熱電変換素子の前記第1の方向における一端側に設けられた第1の電極と、
前記熱電変換素子の前記第1の方向における他端側に設けられた第2の電極と、
前記第1の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の前記第1の方向において隣り合う一方の熱電変換素子と他方の熱電変換素子との各間に配置されて、前記一方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか一方の電極と、前記他方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか他方の電極との間を電気的に接続する第1の配線と、
前記第2の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の前記第2の方向において隣り合う一方の熱電変換素子と他方の熱電変換素子との各間に配置されて、前記一方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか一方の電極と、前記他方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか他方の電極との間を電気的に接続する第2の配線とを備えることを特徴とする前記(2)に記載の熱電変換装置。
(4) 前記特定の面内に対して直交する方向から見て、前記第1の配線と前記第2の配線との少なくとも一部が絶縁層を介して交差していることを特徴とする前記(3)に記載の熱電変換装置。
(5) 前記複数の熱電変換素子との間に間隔を設けて配置された伝熱部材と、
前記伝熱部材と前記複数の熱電変換素子の各々との間を熱的に接合する伝熱部とを備えることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れか一項に記載の熱電変換装置。
(6) 前記伝熱部材の前記伝熱部が配置された側とは反対側に配置されたヒータを備えることを特徴とする前記(5)に記載の熱電変換装置。
(7) 前記(1)〜(5)の何れか一項に記載の熱電変換装置を用いたインターフェースデバイス。
(8) 前記(6)に記載の熱電変換装置を用いた気流センサ。
(9) 前記伝熱部材の前記ヒータが配置された側の少なくとも一部との間に間隔を設けて配置されたキャップ部材を備えることを特徴とする前記(8)に記載の気流センサ。
(10) 前記複数の第1の熱電変換素子列のうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列との間における第1の出力差又は出力比を算出し、
前記複数の第2の熱電変換素子列のうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列との間における第2の出力差又は出力比を算出することを特徴とする前記(8)又は(9)に記載の気流センサ。
(11) 前記第1の熱電変換素子列における出力の最大値に対する前記第1の出力差又は出力比の比率を算出し、
前記第2の熱電変換素子列における出力の最大値に対する前記第2の出力差又は出力比の比率を算出することを特徴とする前記(10)に記載の気流センサ。
以上のように、本発明によれば、簡便な構造を有しながら、特定の面内において互いに交差する第1の方向と第2の方向とにおいて、それぞれ電気的に独立した複数の熱電変換素子列を精度良く並べて配置することを可能とした熱電変換装置を提供することが可能である。
また、本発明によれば、そのような熱電変換装置を用いることによって、検出精度の向上並びに低コスト化を可能としたインターフェースデバイス及び気流センサを提供することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る熱電変換装置の概略構成を示す透視平面図である。 図1中に示す線分A−A’による熱電変換装置の断面図である。 図1中に示す線分B−B’による熱電変換装置の断面図である。 図1中に示す線分C−C’による熱電変換装置の断面図である。 図1に示す熱電変換装置の基板側の構成を示す平面図である。 図1に示す熱電変換装置の伝熱板側の構成を示す平面図である。 気流センサの制御回路系及び信号処理回路系を示すブロック図である。 図7に示す気流センサによる風速及び風向の測定原理を説明するための図であり、(A)は第1の方向の風速が0の場合、(B)は第1の方向の風速が小さい場合、(C)は第1の方向の風速が大きい場合を示す気流センサの模式図である。 図8(A)〜(C)に示す場合の熱電変換装置の出力を示すグラフである。 風速及び風向の演算方法を説明するためのフローチャートである。 図8(A)〜(C)に示す場合のX側演算値を算出した結果を示すグラフである。 風速とX側演算値又はY側演算値との関係を示すグラフである。 気流センサにキャップ部材を追加した構成を示す透視平面図である。 図13中に示す線分D−D’による熱電変換装置の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る熱電変換装置を用いたインターフェースデバイスの概略構成を示す透視平面図である。 図15中に示す線分E−E’による熱電変換装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らないものとする。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を熱電変換装置の特定の面内における第1の方向Xとし、Y軸方向を熱電変換装置の特定の面内における第2の方向Yとし、Z軸方向を熱電変換装置の特定の面内に対して直交する第3の方向Zとして、それぞれ示すものとする。
〔第1の実施形態〕
(熱電変換装置)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば図1〜図6に示す熱電変換装置1Aについて説明する。
なお、図1は、熱電変換装置1Aの概略構成を示す透視平面図である。図2は、図1中に示す線分A−A’による熱電変換装置1Aの断面図である。図3は、図1中に示す線分B−B’による熱電変換装置1Aの断面図である。図4は、1中に示す線分C−C’による熱電変換装置1Aの断面図である。図5は、熱電変換装置1Aの基板2側の構成を示す平面図である。図6は、熱電変換装置1Aの伝熱板4側の構成を示す平面図である。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、図1〜図6に示すように、基板2と、複数の熱電変換素子3と、伝熱板4と、ヒータ5とを備えている。
基板2は、厚み方向(第3の方向Z)において互いに対向する第1の面(本実施形態では上面)2aと第2の面(本実施形態では下面)2bとを有する絶縁性の基材からなり、平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。
基板2としては、例えばシート抵抗が10Ω以上となる高抵抗シリコン(Si)基板を用いることが好ましい。シート抵抗が10Ω以上となることで、複数の熱電変換素子3の間で電気的な短絡が生じるのを防止することが可能である。また、基板2としては、上述した高抵抗Si基板の他にも、例えば、基板内に酸化絶縁層を有するSOI(Silicon On Insulator)基板や、セラミック基板、その他の高抵抗単結晶基板などを用いることができる。さらに、基板2としては、シート抵抗が10Ω以下となる低抵抗基板であっても、この低抵抗基板と熱電変換素子3との間に高抵抗材料を配置したものを用いることができる。
複数の熱電変換素子3は、基板2の第1の面2a上にマトリックス状に並んで配置されている。例えば、本実施形態では、熱電変換素子3が、基板2の第1の面2a側の面内(以下、「特定の面内」という。)において互いに交差(本実施形態では直交)する第1の方向Xと第2の方向Yとのうち、第1の方向Xに16個、第2の方向Yに8個、マトリックス状に並んで配置されている。
複数の熱電変換素子3は、互いに同じ大きさで平面視で矩形状(本実施形態では長方形状)に形成されている。また、各熱電変換素子3は、第1の方向Xを短手方向とし、第2の方向Yを長手方向として、第1の方向X及び第2の方向Yに一定の間隔で並んで配置されている。
複数の熱電変換素子3は、n型半導体又はp型半導体の何れか一方(本実施形態ではn型半導体)である熱電変換膜からなる。熱電変換素子3をn型の熱電変換膜とした場合は、例えば高濃度(1018〜1019cm−3)のアンチモン(Sb)がそれぞれドープされたn型シリコン(Si)膜とn型シリコン・ゲルマニウム(SiGe)合金膜との多層膜を用いることができる。また、複数の熱電変換素子3は、互いに同じ構成を有するn型半導体であってもよく、互いに異なる構成を有するn型半導体であってもよい。熱電変換素子3をn型半導体とした場合、熱電変換素子3には、冷接点側から温接点側に向けて電流が流れる。
一方、熱電変換素子3をp型の熱電変換膜とした場合は、例えば高濃度(1018〜1019cm−3)のボロン(B)がそれぞれドープされたp型シリコン(Si)膜とp型シリコン・ゲルマニウム(SiGe)合金膜との多層膜を用いることができる。また、複数の熱電変換素子3は、互いに同じ構成を有するp型半導体であってもよく、互いに異なる構成を有するp型半導体であってもよい。熱電変換素子3をp型半導体とした場合、熱電変換素子3には、温接点側から冷接点側に向けて電流が流れる。
さらに、熱電変換素子3は、上述したn型又はp型半導体の多層膜に必ずしも限定されるものではなく、n型又はp型半導体の単層膜であってもよい。また、半導体として酸化物の半導体を用いることもできる。また、例えば、有機高分子膜や金属膜などからなる熱電変換膜を用いることができる。また、熱電変換素子3は、上述した熱電変換膜に限らず、バルクからなるものを用いてもよい。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、第1の方向Xに並ぶと共に電気的に直列に接続された複数(本実施形態では8個)の熱電変換素子3を各々が有する複数(本実施形態では8列)の第1の熱電変換素子列31A〜31Hと、第2の方向Yに並ぶと共に電気的に直列に接続された複数(本実施形態では8個)の熱電変換素子3を各々が有する複数(本実施形態では8列)の第2の熱電変換素子列32A〜32Hとを備えている。
複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hは、第2の方向Yに並んで配置されている。一方、複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hは、第1の方向Xに並んで配置されている。また、第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の熱電変換素子3の各々と、第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の熱電変換素子の各々とは、第1の方向Xにおいて交互に並んで配置されている。
各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の熱電変換素子3は、それぞれ基板2の第1の面2a上に配置された一対の第1の端子6a,6bの間で電気的に直列に接続されている。一方、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の熱電変換素子3は、それぞれ基板2の第1の面2a上に配置された一対の第2の端子6c,6dの間で電気的に直列に接続されている。複数の第1の熱電変換素子列31A〜31H及び複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hの各々の熱電変換素子3は、互いに電気的に独立している。
第1の端子6a,6b及び第2の端子6c,6dの材料としては、金属を用いることが好ましく、その中でも特に、導電性及び熱伝導性が高く、且つ、形状加工がし易い、例えば銅(Cu)や金(Au)などを好適に用いることができる。
一対の第1の端子6a,6bは、互いに同じ大きさで平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。一対の第1の端子6a,6bは、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の熱電変換素子3を挟んだ両側に各々配置されている。
一対の第1の端子6a,6bのうち、一方の第1の端子6aは、第1の方向Xの一端側(−X側)に位置して、第2の方向Yに複数(本実施形態では8個)並んで配置されている。これに対して、他方の第1の端子6bは、第1の方向Xの他端側(+X側)に位置して、第2の方向Yに複数(本実施形態では8個)並んで配置されている。
一対の第2の端子6c,6dは、互いに同じ大きさで平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。一対の第2の端子6c,6dは、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の熱電変換素子3を挟んだ両側に各々配置されている。
一対の第2の端子6c,6dのうち、一方の第2の端子6cは、第2の方向Yの一端側(−Y側)に位置して、第1の方向Xに複数(本実施形態では8個)並んで配置されている。これに対して、他方の第2の端子6dは、第2の方向Yの他端側(+Y側)に位置して、第1の方向Xに複数(本実施形態では8個)並んで配置されている。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、各熱電変換素子3の第1の方向Xにおける一端側(−X側)と電気的に接続された第1の電極7と、各熱電変換素子3の第1の方向Xにおける他端側(+X側)と電気的に接続された第2の電極8とを備えている。
第1の電極7と第2の電極8とは、各熱電変換素子3の第1の方向Xにおいて対向する一端側の側面に沿った上面と、他端側の側面に沿った上面とにそれぞれ配置されている。また、第1の電極7と第2の電極8とは、基板2の第1の面2a上に配置されて、各熱電変換素子3の第2の方向において対向する一端側の側面と他端側の側面とにそれぞれ接触した構成としてもよい。第1の電極7及び第2の電極8の材料としては、上述した第1の端子6a,6b及び第2の端子6c,6dで例示した材料と同じものを用いることができる。
第1の電極7及び第2の電極8は、熱電変換素子3の第2の方向Yの全長に亘って、互いに同じ大きさで平面視で矩形状(本実施形態では長方形状)に形成されている。また、第1の方向Xにおいて隣り合う一方の熱電変換素子3と他方の熱電変換素子3との各間において、一方の熱電変換素子3の第1の電極7(又は第2の電極8)と、他方の熱電変換素子3の第2の電極8(又は第1の電極7)とが互いに離間した状態で配置されている。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、複数の熱電変換素子3のうち、第2の電極8側から第1の電極7側に向けて電流が流れる熱電変換素子3(以下、必要に応じて「第1の熱電変換素子3A」として区別する。)と、第1の電極7側から第2の電極8側に向けて電流が流れる熱電変換素子3(以下、必要に応じて「第2の熱電変換素子3B」として区別する。)とを有している。なお、図1及び図5では、第1の熱電変換素子3Aに流れる電流の方向と、第2の熱電変換素子3Bに流れる電流の方向とを、それぞれ矢印の向きで表している。
本実施形態では、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hが複数の第1の熱電変換素子3Aにより構成され、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hが複数の第2の熱電変換素子3Bにより構成されている。したがって、第1の熱電変換素子3Aと第2の熱電変換素子3Bとは、第1の方向Xに交互に並んで配置されている。また、複数の第1の熱電変換素子3Aは、第2の方向Yに並んで配置されている。同様に、複数の第2の熱電変換素子3Bは、第2の方向Yに並んで配置されている。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aの各間を電気的に接続する複数の第1の配線9a,9bと、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bの各間を電気的に接続する複数の第2の配線10と、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hと各一対の第1の端子6a,6bとの間を電気的に接続する複数の第3の配線11a,11bと、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hと各一対の第2の端子6c,6dとの間を電気的に接続する複数の第4の配線12a,12bとを備えている。
これら第1〜第4の配線9a〜12a,9b〜12bの材料としては、上述した第1の端子6a,6b及び第2の端子6c,6dで例示した材料と同じものを用いることができる。
複数の第1の配線9a,9bは、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aの第1の方向Xにおいて隣り合う一方の第1の熱電変換素子3Aと他方の第1の熱電変換素子3Aとの各間に配置されている。そして、これら複数の第1の配線9a,9bは、一方の第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7と第2の電極8との何れか一方の電極と、他方の第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7と第2の電極8との何れか他方の電極との間を電気的に接続している。
具体的に、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hにおいて、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aのうち、第1の方向Xの一端側(−X側)から2n−1(nは自然数を表す。)番目に位置する第1の熱電変換素子3Aの第2の電極8と、第1の方向Xの一端側(−X側)から2n番目に位置する第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7とが、一方の第1の配線9aを介して電気的に接続されている(但し、本実施形態では、n=1〜4である。)。
一方の第1の配線9aは、互いに電気的に接続される第2の電極8の第2の方向Yの他端側(+Y側)と、第1の電極7の第2の方向Yの他端側(+Y側)とに連続しながら、これら第2の電極8と第1の電極7との間で引き回されている。
また、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hにおいて、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aのうち、第1の方向Xの一端側(−X側)から2n番目に位置する第1の熱電変換素子3Aの第2の電極8と、第1の方向Xの一端側(−X側)から2n+1番目に位置する第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7とが、他方の第1の配線9bを介して電気的に接続されている(但し、本実施形態では、n=1〜3である。)。
他方の第1の配線9bは、互いに電気的に接続される第2の電極8の第2の方向Yの一端側(−Y側)と、第1の電極7の第2の方向Yの一端側(−Y側)とに連続しながら、これら第2の電極8と第1の電極7との間で引き回されている。
これにより、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aは、これら複数の第1の配線9a,9bを介して電気的に直列に接続されている。
複数の第2の配線10は、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bの第2の方向Yにおいて隣り合う一方の第2の熱電変換素子3Bと他方の第2の熱電変換素子3Bとの各間に配置されている。そして、これら複数の第2の配線10は、一方の第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7と第2の電極8との何れか一方の電極と、他方の第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7と第2の電極8との何れか他方の電極との間を電気的に接続している。
具体的に、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bのうち、第2の方向Yの一端側(−Y側)からn番目に位置する第2の熱電変換素子3Bの第2の電極8と、第2の方向Yの一端側(−Y側)からn+1番目に位置する第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7とが、それぞれ第2の配線10を介して電気的に接続されている(但し、本実施形態では、n=1〜7である。)。
第2の配線10は、互いに電気的に接続される第2の電極8の第2の方向Yの他端側(+Y側)と、第1の電極7の第2の方向Yの一端側(−Y側)とに連続しながら、これら第2の電極8と第1の電極7との間で引き回されている。
これにより、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bは、これら複数の第2の配線10を介して電気的に直列に接続されている。
複数の第3の配線11a,11bは、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hと各一対の第1の端子6a,6bとの間に配置されて、それぞれの間を電気的に接続している。
具体的に、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aのうち、第1の方向Xにおいて最も一端側(−X側)に位置する第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7と一方の第1の端子6aとが、それぞれ一方の第3の配線11aを介して電気的に接続されている。
一方の第3の配線11aは、互いに電気的に接続される第1の電極7の第2の方向Yの一端側(−Y側)と、一方の第1の端子6aの第2の方向Yの一端側(−Y側)とに連続しながら、これら第1の電極7と一方の第1の端子6aとの間で引き回されている。
また、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aのうち、第1の方向Xにおいて最も他端側(+X側)に位置する第1の熱電変換素子3Aの第2の電極8と他方の第1の端子6bとが、それぞれ他方の第3の配線11bを介して電気的に接続されている。
他方の第3の配線11bは、互いに電気的に接続される第2の電極8の第2の方向Yの一端側(−Y側)と、他方の第1の端子6bの第2の方向Yの一端側(−Y側)とに連続しながら、これら第2の電極8と他方の第1の端子6bとの間で引き回されている。
これにより、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aは、これら複数の第3の配線11a,11bを介して各一対の第1の端子6a,6bと電気的に直列に接続されている。
複数の第4の配線12a,12bは、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hと各一対の第2の端子6c,6dとの間に配置されて、それぞれの間を電気的に接続している。
具体的に、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bのうち、第2の方向Yにおいて最も一端側(−Y側)に位置する第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7と一方の第2の端子6cとが、それぞれ一方の第4の配線12aを介して電気的に接続されている。
一方の第4の配線12aは、互いに電気的に接続される第1の電極7の第2の方向Yの一端側(−Y側)と、一方の第2の端子6cの第2の方向Yの他端側(+Y側)とに連続しながら、これら第1の電極7と一方の第2の端子6cとの間で引き回されている。
また、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bのうち、第2の方向Yにおいて最も他端側(+Y側)に位置する第2の熱電変換素子3Bの第2の電極8と他方の第2の端子6dとが、それぞれ他方の第4の配線12bを介して電気的に接続されている。
他方の第4の配線12bは、互いに電気的に接続される第2の電極8の第2の方向Yの他端側(+Y側)と、他方の第4の端子6dの第2の方向Yの一端側(−Y側)とに連続しながら、これら第2の電極8と他方の第2の端子6dとの間で引き回されている。
これにより、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bは、これら複数の第4の配線12a,12bを介して各一対の第2の端子6c,6dと電気的に直列に接続されている。
本実施形態の熱電変換装置1Aでは、特定の面内に対して直交する方向(第3の方向Z)から見て、第1の配線9a,9bと第2の配線10との少なくとも一部が絶縁層13を介して交差している。また、第1の配線9a,9bと第4の配線12a,12bとの少なくとも一部が絶縁層13を介して交差している。また、第3の配線11aと第2の配線10との少なくとも一部が絶縁層13を介して交差している。また、第3の配線11aと第4の配線12aとの少なくとも一部が絶縁層13を介して交差している。
絶縁層13は、例えば酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)などの絶縁材料からなる。絶縁層13は、第1の電極7及び第2の電極8が形成された位置を除く、第1の配線9a,9b及び第3の配線11a,11bが設けられた下層側の配線層と、第2の配線10及び第4の配線12a,12bが形成された上層側の配線層との間に亘って設けられている。
これにより、第1の配線9a,9b及び第3の配線11a,11bと第2の配線10及び第4の配線12aとの間が、互いに交差する位置において絶縁層13を介して電気的に絶縁されている。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、各熱電変換素子3の温接点側となる第1の電極7又は第2の電極8(以下、まとめて「温接点側電極14」という。)と、各熱電変換素子3の冷接点側となる第2の電極8又は第1の電極7(以下、まとめて「冷接点側電極15」という。)とを有している。
温接点側電極14は、第1の方向Xにおいて隣り合う第1の熱電変換素子3Aの第1の電極7及び第2の熱電変換素子3Bの第2の電極8により構成されている。一方、冷接点側電極15は、第1の方向Xにおいて隣り合う第1の熱電変換素子3Aの第2の電極8及び第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7により構成されている。したがって、温接点側電極14と冷接点側電極15とは、第1の方向Xに交互に並んで配置されている。また、複数の温接点側電極14は、第2の方向Yに並んで配置されている。同様に、複数の冷接点側電極15は、第2の方向Yに並んで配置されている。
但し、第1の方向Xにおいて最も一端側(−X側)に位置する第2の熱電変換素子3Bの第1の電極7と、第1の方向Xにおいて最も他端側(+X側)に位置する第1の熱電変換素子3Aの第2の電極8とは、それぞれ単独で冷接点側電極15を構成している。
伝熱板4は、基板2の第1の面2a側に複数の熱電変換素子3との間に間隔を設けて配置されている。伝熱板4は、平面視で基板2と重なる大きさで形成されている。また、伝熱板4は、その四隅に位置する4つの角部4aと、4つの角部4aの各間に位置する4つの切欠き部4bとを有して、これら4つの切欠き部4bの内側が平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。
伝熱板4は、温接点側の伝熱部材として、空気よりも熱伝導率の高い材料、好ましくは基板2よりも熱伝導率の高い材料からなる。そのような伝熱板4の材料としては、金属を用いることが好ましく、その中でも特に、熱伝導率が高く、且つ、形状加工がし易い、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)などを好適に用いることができる。また、伝熱板4は、複数の伝熱材料により構成されていてもよい。
本実施形態の熱電変換装置1Aは、伝熱板4と複数の熱電変換素子3の各々との間を熱的に接合する伝熱部16を備えている。伝熱部16は、伝熱板4と温接点側電極14との互いに対向する面のうち、何れか一方の面側から突出された複数の凸部16aを有して、伝熱板4と各熱電変換素子3の温接点側電極14との間を各凸部16aを介して熱的に接合している。
本実施形態では、伝熱板4側から突出された凸部16aにより伝熱部16が構成されている。また、凸部16aは、伝熱板4と一体に形成されるため、この凸部16a(伝熱部16)の材料としては、伝熱板4と同じものを用いることができる。
複数の凸部16aは、伝熱板4の各温接点側電極14と対向する位置から基板2側(−Z側)に向けて突出して設けられている。また、各凸部16aは、平面視で矩形状(本実施形態では断面長方形状)を有して、各温接点側電極14を構成する第1の電極7及び第2の電極8と重なる範囲で突出して設けられている。なお、図6に示す伝熱板4の平面図では、平面視する側とは反対側(−Z側)にある凸部16aを仮想線(破線)で示している。
各凸部16aの先端は、例えば絶縁性の接合材(図示せず。)を介して各温接点側電極14と電気的に絶縁された状態で、各温接点側電極14と熱的に接合されている。接合材は、空気よりも熱伝導率の高い絶縁材料からなる。そのような接合材の材料としては、例えばUV硬化型樹脂やシリコーン系樹脂、熱伝導グリース(例えばシリコーン系のグリースや、金属酸化物を含む非シリコーン系のグリース等)などを用いることができる。
なお、伝熱部16は、上述した凸部16aの先端に設けられた絶縁層等により温接点側電極14と電気的に絶縁されている場合、又は、凸部16aの先端と温接点側電極14との間で電気的な絶縁性が問題とならない場合、上述した絶縁性の接合材を介さずに温接点側電極14と直接接合されていてもよい。
また、伝熱部16は、上述した伝熱板4側から突出された凸部16aにより構成された場合に限らず、温接点側電極14側から突出された凸部16aにより構成することも可能である。この場合、凸部16aは、温接点側電極14(第1の電極7及び第2の電極8)と一体に形成されるため、この凸部16a(伝熱部16)の材料としては、温接点側電極14(第1の電極7及び第2の電極8)と同じものを用いることができる。
さらに、伝熱部16として、伝熱板4と温接点側電極14との間を熱的に接合する別の伝熱部材(上記接合材を含む。)を設けることも可能である。例えば、温接点側電極14の厚みを冷接点側電極15の厚みよりも大きくすることによって、伝熱板4と温接点側電極14とが、上述した凸部16aを介さずに、伝熱部16としての上記接合材を介して熱的に接合された構成とすることも可能である。
また、本実施形態の熱電変換装置1Aでは、基板2と伝熱板4とが互いの四隅を一致させた状態で平面視で重なり合うと共に、伝熱板4と温接点側電極14との間が伝熱部16(凸部16a)を介して熱的に接合されている。これにより、基板2の第1の面2a側と伝熱板4との間に空間Kが設けられている。また、複数の第1の端子6a,6b及び複数の第2の端子6c,6dが、それぞれ切欠き部4bにおいて露出した状態となっている。
なお、本実施形態の熱電変換装置1Aでは、上述した空間Kに伝熱部16よりも熱伝導性が低い材料からなる断熱材を充填することも可能である。すなわち、伝熱部16は、伝熱板4と温接点側電極14との間において、その周囲(空間Kや断熱材)よりも相対的に熱伝導率が高い部分を形成している。
また、基板2と伝熱板4の4つの角部4aとの間には、その間を支持する支持部17を設けた構成としてもよい。支持部17は、上述した伝熱部16よりも熱伝導性が低い材料(例えば、樹脂材料やプラスチック材料など。)により構成することができる。なお、支持部17については、その一部又は全てを省略することが可能である。
また、基板2は、少なくとも冷接点側電極15と対向する部分の厚みが、少なくとも温接点側電極14と対向する部分の厚みよりも厚くなる構成を有している。具体的に、基板2の第1の面2aが平面であるのに対して、基板2の第2の面2bには、複数(本実施形態では9個)の凸部18aと、複数(本実施形態では8個)の凹部18bとが第1の方向Xに交互に並んで設けられている。
複数の凸部18aは、各冷接点側電極15と平面視で重なる範囲を含んで一定の高さで突出して設けられている。複数の凹部18bは、複数の凸部18aの各間に亘って一定の深さで凹んで設けられている。これにより、基板2の凸部18aが設けられた部分の厚みが、凹部18bが設けられた部分の厚みよりも厚くなっている。なお、第1の方向Xの両端に位置する凸部18aは、第2の面2bの第1の方向Xの両端まで一定の高さで延長して設けられている。
ヒータ5は、伝熱板4の中央部を加熱することによって、複数の熱電変換素子3が配置された特定の面内の中央部から外周部に向かって漸次温度が低くなる温度分布(温度勾配)を発生させるものである。
具体的に、このヒータ5は、伝熱板4の伝熱部16が配置された側とは反対側(+Z側)の面上に配置されている。ヒータ5は、発熱部として線状の発熱抵抗体5aを有している。発熱抵抗体5aの両端には、一対の配線部5b,5cが接続されている。また、一対の配線部5b,5cの先端には、一対の給電端子5d,5eが位置している。ヒータ5では、一対の給電端子5d,5eの間で電流を流すことによって、一対の配線部5b,5cを介して発熱抵抗体5aを発熱させることが可能となっている。
ヒータ5の発熱部は、第3の方向Zから見たときに平面視で伝熱板4よりも小さい形状を有している。具体的に、この発熱部を構成する発熱抵抗体5aは、平面視で伝熱板4よりも小さい矩形状(本実施形態では正方形状)の中央エリアに配置されて、第1の方向X及び第2の方向において交互に折れ曲がった形状を有している。なお、発熱抵抗体5aについては、このような形状に限らず、例えば螺旋状に巻回された形状であってもよい。
一対の配線部5b,5cは、発熱抵抗体5aの両端から互いに隣り合う又は対角に位置する2つの角部4aに向かって設けられている。一対の給電端子5d,5eは、これら2つの角部4aの面上に、平面視で矩形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。
本実施形態では、ヒータ5が2つの発熱抵抗体5aを有しており、これら2つの発熱抵抗体5aが発熱部として伝熱板4の中央エリアに配置されている。また、2つの発熱抵抗体5aのそれぞれに接続された一対の配線部5b,5cが互いに異なる2つの角部4aに向かって設けられている。また、一対の配線部5b,5cの先端に位置する一対の給電端子5d,5eが互いに異なる2つの角部4aに配置されている。
なお、ヒータ5については、このような構成のものに必ずしも限定されるものではなく、上述した発熱抵抗体5a以外にも、発熱部として伝熱板4の中央部を加熱する任意の加熱手段を用いることが可能である。
以上のような構成を有する熱電変換装置1Aでは、伝熱板4から伝熱部16を介して温接点側電極14に伝わる熱によって、各熱電変換素子3の温接点側電極14側が相対的に高温となる。一方、各熱電変換素子3に伝わる熱は、冷接点側電極15から基板2を介して外部に放熱されるため、各熱電変換素子3の冷接点側電極15側が相対的に低温となる。したがって、各熱電変換素子3の温接点側電極10側と冷接点側電極11側との間に温度差が発生する。
これにより、各熱電変換素子3の第1の電極7と第2の電極8との間に電荷(キャリア)の移動が起こる。すなわち、各熱電変換素子3の第1の電極7と第2の電極8との間には、ゼーベック効果による起電力(電圧)が発生し、各熱電変換素子3には、冷接点側電極15から温接点側電極14に向けて電流が流れる。
1つの熱電変換素子3で発生する起電力(電圧)は小さいものの、各第1の熱電変換素子列31A〜31Hを構成する複数の第1の熱電変換素子3Aは、それぞれ一対の第1の端子6a,6bの間で電気的に直列に接続されている。したがって、各第1の熱電変換素子列31A〜31H毎に、それぞれ一対の第1の端子6a,6bの間から、複数の第1の熱電変換素子3の総和による起電力(電圧)を出力することが可能である。
一方、各第2の熱電変換素子列32A〜32Hを構成する複数の第2の熱電変換素子3Bは、それぞれ一対の第2の端子6c,6dの間で電気的に直列に接続されている。したがって、各第2の熱電変換素子列32A〜32H毎に、それぞれ一対の第2の端子6c,6dの間から、複数の第2の熱電変換素子3Bの総和による起電力(電圧)を出力することが可能である。
(気流センサ)
次に、図7に示す気流センサ100の構成について説明する。
なお、図7は、気流センサ100の制御回路系及び信号処理回路系を示すブロック図である。
上記熱電変換装置1Aは、例えば図7に示すような気流センサ100に用いられている。気流センサ100は、上記熱電変換装置1Aを用いて2次元的な風向及び風速を検出する。
具体的に、この気流センサ100は、熱電変換装置1Aと、温度測定部101と、制御部102と、アンプ103と、A/D変換部104と、磁気コンパス105と、演算部106とを備えている。
温度測定部101は、ヒータ5の温度を測定する。制御部102は、温度測定部101が測定したヒータ5の温度に基づいて、ヒータ5の温度制御(温度設定)を行う。アンプ103は、各第1及び第2の熱電変換素子列31A〜31H,32A〜32Hから出力される信号を増幅する。A/D変換部104は、アンプ103により増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。磁気コンパス105は、風向の基準となる方位を測定する。演算部106は、A/D変換部104から出力された信号に基づいて、風向及び風速を演算により算出し、その結果を外部へと出力する。
(気流センサによる風速及び風向の測定原理)
次に、気流センサ100による風速及び風向の測定原理について、図8(A)〜(C)及び図9を参照しながら説明する。
なお、図8は、気流センサ100による風速及び風向の測定原理を説明するため図である。図9は、図8(A)〜(C)に示す場合の熱電変換装置1Aの出力を示すグラフである。また、図8(A)〜(C)に示す気流センサ100の模式図は、上記図2に示す熱電変換装置1Aの断面図に対応している。
ここで、図8(A)〜(C)に示すように、第1の方向Xに並ぶ8列の第2の熱電変換素子列32A〜32Hの位置を、第1の方向Xの一端側(−X側)から順に、測定位置(1)〜(8)として区別する。また、各測定位置(1)〜(8)での第2の熱電変換素子列32A〜32Hからの出力の測定結果を図9のグラフA〜Cに示す。
気流センサ100は、上記熱電変換装置1Aの伝熱板4の中央部をヒータ5で加熱することによって、第1の方向Xの中央部から両端部に向かって漸次温度が低くなる温度分布(温度勾配)Hを発生させる。
図8(A)に示すような第1の方向Xの風速が0の場合は、図9に示すグラフAのように、出力の最大値が第1の方向Xの中央(測定位置(4),(5)の間)に位置し、第1の方向Xの両端に向かって出力が漸次小さくなっている。また、グラフAは、第1の方向Xの中央を挟んで対称なグラフとなっている。
一方、図8(B)に示すような気流Wの第1の方向Xの風速が+X方向に小さく生じた場合は、図9に示すグラフBのように、出力の最大値が第1の方向Xの中央から他端側(+X側)にシフトすることによって、測定位置(5)に位置し、そこから第1の方向Xの両端に向かって出力が漸次小さくなっている。また、グラフBは、この出力が最大となる測定位置(5)を挟んで第1の方向Xの一端側(−X側)の出力よりも他端側(+X側)の出力が相対的に大きくなる非対称なグラフとなっている。
一方、図8(C)に示すような気流Wの第1の方向Xの風速が+X方向に大きく生じた場合は、図9に示すグラフCのように、出力の最大値が第1の方向Xの中央から他端側(+X側)にシフトすることによって、測定位置(5)に位置し、そこから第1の方向Xの両端に向かって出力が漸次小さくなっている。また、グラフCは、この出力が最大となる測定位置(5)を挟んで第1の方向Xの一端側(−X側)の出力よりも他端側(+X側)の出力が相対的に大きくなる非対称なグラフとなっている。さらに、グラフCは、グラフBに比べて、出力が最大となる測定位置(5)を挟んで第1の方向Xの一端側(−X側)の出力と他端側(+X側)の出力との差が大きくなっている。
(風速及び風向の演算方法)
次に、風速及び風向の演算方法について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
なお、図10は、風速及び風向の演算方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態における風速の演算方法では、複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hのうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列との間における第1の出力差又は出力比を算出する。また、本実施形態における風速の演算方法では、第1の熱電変換素子列31A〜31Hにおける出力の最大値に対する第1の出力差又は出力比の比率を算出する。
同様に、本実施形態における風速の演算方法では、複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hのうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列との間における第2の出力差又は出力比を算出する。また、本実施形態における風速の演算方法では、第2の熱電変換素子列32A〜32Hにおける出力の最大値に対する第2の出力差又は出力比の比率を算出する。
具体的に、本実施形態における風速の演算方法では、先ず、図10に示すステップS101において、演算部106は、第1の方向Xに並ぶ複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hから出力される起電力(X1,X2,・・・,Xn)と、第2の方向Yに並ぶ複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hから出力される起電力(Y1,Y2,・・・,Yn)とを測定する(なお、本例ではn=8である。)。
次に、図10に示すステップS102において、演算部106は、第1の方向Xに並ぶ複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hのうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列及びその出力の最大値(Xmax)と、第2の方向Yに並ぶ複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hのうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列及びその出力の最大値(Ymax)とを特定する。
次に、図10に示すステップS103において、演算部106は、複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hのうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列を挟んだ第1の方向Xの一方側(−X側)の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列の出力値又は複数の第2の熱電変換素子列の出力の積分値(f(−X))と、第1の方向Xの他方側(+X側)の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列の出力値又は複数の第2の熱電変換素子列の出力の積分値(f(+X))とを算出する。
また、演算部106は、複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hのうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列を挟んだ第2の方向Yの一方側(−Y側)の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列の出力値又は複数の第1の熱電変換素子列の出力の積分値(f(−Y))と、第2の方向Yの他方側(+Y側)の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列の出力値又は複数の第1の熱電変換素子列の出力の積分値(f(+Y))とを算出する。
次に、図10に示すステップS104において、演算部106は、複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hのうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列を挟んだ第1の方向Xの一方側(−X側)の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列と、他方側(+X側)の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列との間における第2の出力差又は第2の出力比を算出する。本例では、演算部106が、第2の出力差(f(+X)−f(−X))又は第2の出力比(f(+X)/f(−X))を算出する。
また、演算部106は、複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hのうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列を挟んだ第2の方向Yの一方側(−Y側)の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列と、他方側(+Y側)の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列との間における第1の出力差又は第1の出力比を算出する。本例では、演算部106が、第1の出力差(f(+Y)−f(−Y))又は第1の出力比(f(+Y)/f(−Y))を算出する。
次に、図10に示すステップS105において、演算部106は、第2の熱電変換素子列32A〜32Hにおける出力の最大値(Xmax)に対する第2の出力差(f(+X)−f(−X))の比率({f(+X−f(−X)}/Xmax)又は第2の出力比(f(+X)/f(−X))の比率({f(+X)/f(−X)}/Xmax)を算出する(以下、この算出結果を「X側演算値α」という。)。
また、演算部106は、第1の熱電変換素子列31A〜31Hにおける出力の最大値(Ymax)に対する第1の出力差(f(+Y)−f(−Y))の比率({f(+Y)−f(−Y)}/Ymax)又は第1の出力比(f(+Y)/f(−Y))の比率({f(+Y)/f(−Y)}/Ymax)を算出する(以下、この算出結果を「Y側演算値β」という。)。
次に、図10に示すステップS106において、演算部106は、X側演算値αに基づいて第1の方向Xの風速を算出し、Y側演算値βに基づいて第2の方向Yの風速を算出する。
ここで、上記図8(A)〜(C)に示す場合について、上記図9に示す各グラフA〜Cから、上述した演算方法を用いて、X側演算値αを算出した結果を図11のグラフに示す。
なお、本例では、演算部106が、第2の熱電変換素子列32A〜32Hの第1の方向Xの一方側(−X側)における出力の積分値(f(−X))を測定位置(1)〜(3)から算出し、第2の熱電変換素子列32A〜32Hの第1の方向Xの他方側(+X側)における出力の積分値(f(+X))を測定位置(6)〜(8)から算出している。
上記図8(A)〜(C)に示す場合は、X側演算値αを第2の出力差(f(+X)−f(−X))を用いて算出した例においては、図11中の実線で示すグラフのように、図8(A)に示す場合のX側演算値αが0となり、図8(A)〜(C)に示す場合のX側演算値αを結ぶ相関直線が得られる。
一方、上記図8(A)〜(C)に示す場合とは逆向き、すなわち、気流Wの第1の方向Xの風速が−X方向である場合、X側演算値αを第2の出力差(f(+X)−f(−X))を用いて算出した例においては、図11中の破線で示すグラフのように、図8(A)に示す場合のX側演算値αが0となり、風速の大きさ毎のX側演算値αを結ぶ相関直線が得られる。
気流センサ100では、演算部106が、図11に示す実線及び破線で示す相関直線と、測定時に算出されたX側演算値αとに基づいて、第1の方向Xの風速を算出する。すなわち、このX側演算値αは、上述した第2の出力差(f(+X)−f(−X))又は第2の出力比(f(+X)/f(−X))に基づいて算出される。したがって、気流センサ100は、第2の出力差(f(+X)−f(−X))又は第2の出力比(f(+X)/f(−X))に基づいて、第1の方向Xの風速を算出する。
気流センサ100では、演算部106が、図10に示すステップS106において、第1の方向Xの風速の場合と同様にして、測定時に算出されたY側演算値βに基づいて、第2の方向Yの風速を算出する。すなわち、このY側演算値βは、第1の出力差(f(+Y+)−f(−Y))又は第1の出力比(f(+Y)/f(−Y))に基づいて算出される。したがって、気流センサ100は、第1の出力差(f(+Y)−f(−Y))又は第1の出力比(f(+Y)/f(−Y))に基づいて、第2の方向Yの風速を算出する。
次に、図10に示すステップS107において、演算部106は、ステップS106において算出された第1の方向Xにおける風速と第2の方向Yにおける風速とに基づいて、2次元的な風向及び風速を算出する。具体的に、この演算部106は、第1の方向Xにおける風速と第2の方向Yにおける風速とを用いたベクトル演算によって、特定の面内における2次元的な風向及び風速を算出する。
したがって、本実施形態の気流センサ100では、上述した第2の出力差(f(+X)−f(−X))又は第2の出力比(f(+X)/f(−X))及び第1の出力差(f(+Y)−f(−Y))又は第1の出力比(f(+Y)/f(−Y))に基づいて、2次元的な風向及び風速を算出することが可能である。
さらに、演算部106は、磁気コンパス105が測定した方位に基づいて、具体的な風向を演算により算出し、その結果を外部へと出力することも可能である。
なお、上記図8(A)〜(C)に示す場合について、第1の方向Xの風速を大きくしていったときの風速とX側演算値α又はY側演算値βとの関係を図12のグラフに示す。
図12のグラフに示すように、上述した相関直線は、風速を大きくしていくと、ある地点から相関性が低下していくことがわかる。したがって、上記気流センサ100では、この相関直線が得られる範囲Tで測定を行うことが好ましい。
一方、上記気流センサ100では、上述したヒータ5の温度を制御部102により任意に設定できるため、風速を算出する感度が最適となる温度(相関直線が得られる温度)に調整することが可能である。
以上のように、本実施形態の熱電変換装置1Aでは、上述した簡便な構造を有しながら、特定の面内において互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yとにおいて、それぞれ電気的に独立した複数の第1の熱電変換素子列31A〜31H及び複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hを精度良く並べて配置することが可能である。
したがって、本実施形態の気流センサ100では、上述した熱電変換装置1Aを用いることによって、検出精度の向上並びに低コスト化を図ることが可能である。また、この気流センサ100は、2次元的な風向及び風速の検出を精度良く行うことが可能である。
(熱電変換装置の変形例)
次に、図13及び図14に示す気流センサ100が備える熱電変換装置1Aの変形例について説明する。
なお、図13は、熱電変換装置1Aにキャップ部材19を追加した構成を示す透視平面図である。図14は、図13中に示す線分D−D’による熱電変換装置1Aの断面図である。
上記熱電変換装置1Aは、図13及び図14に示すように、上述した構成に加えて、キャップ部材19を備えた構成である。キャップ部材19は、特定の面内に対して直交する方向(第3の方向Z)から伝熱板4に向かって吹き付ける気流W’によって、測定誤差が発生することを防ぐためのものである。
キャップ部材19は、伝熱板4のヒータ5が配置された側(+Z側)の少なくとも一部との間に間隔を設けて配置されている。例えば、キャップ部材19は、伝熱板4のヒータ5が配置された側(+Z側)の、複数の第1の熱電変換素子列31A〜31H及び複数の第2の熱電変換素子列32A〜32H(マトリックス状に並んで配置された複数の熱電変換素子3)と第3の方向Zから見たときに平面視で重なる部分との間に間隔を設けて配置されている。
キャップ部材19は、平面視で伝熱板4よりも大きい円形状を有して、全体として円板状に形成されている。キャップ部材19は、上述した伝熱板4よりも熱伝導性が低い材料(例えばプラスチック材料など。)からなる。
基板2は、伝熱板4よりも大きい矩形平板(本実施形態では正方平板状)のベース板2に保持されている。ベース板20の中央部には、この基板2を保持する凹部20aが設けられている。また、ベース板20の周囲には、複数の外部接続用端子21が並んで設けられている。複数の外部接続用端子21は、上述した複数の第1の端子6a,6b、複数の第2の端子6c,6d及び複数の給電端子5d,5eの各々に対応して設けられて、各端子6a〜6d,5d,5eと電気的に接続されている。
また、ベース板20の面上には、キャップ部材19と伝熱板4との間を通過する気流Wの流れを良くする気流ガイド22が設けられている。気流ガイド22は、キャップ部材19と平面視で外周形状が同じ大きさで、板状に形成されている。また、気流ガイド22の中央部には、伝熱板4を露出させる開口部22aが設けられている。伝熱板4は、この開口部22aにおいて露出することによって、気流ガイド22と面一となるように配置されている。
伝熱板4と気流ガイド22との間には、その間を支持する複数の支持脚19aが設けられている。複数の支持脚18aは、気流ガイド22とキャップ部材19との間の周囲を囲むように、所定の間隔で並んで配置されている。
なお、伝熱板4とキャップ部材19との間には、少なくとも平面視で複数の熱電変換素子3が配置された部分に間隔を設けることが好ましい。また、伝熱板4とキャップ部材19との間を通過する気流Wの流れを妨げないように、複数の支持脚19aを設けることが好ましい。
気流センサ100では、このようなキャップ部材19によって、伝熱板4に向かって吹き付ける気流W’を遮断することができ、検出精度の向上を図ることが可能である。
〔第2の実施形態〕
(熱電変換装置及びインターフェースデバイス)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば図15及び図16に示す熱電変換装置1Bを用いたインターフェースデバイス300について説明する。
なお、図15は、熱電変換装置1Bを用いたインターフェースデバイス300の概略構成を示す透視平面図である。図16は、図15中に示す線分E−E’による熱電変換装置1Bの断面図である。また、以下の説明では、上記熱電変換装置1Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
本実施形態の熱電変換装置1Bは、図15及び図16に示すように、タッチパネル面300aを指等で走査することにより各種の入力を行うインターフェースデバイス300を構成するものである。
すなわち、この熱電変換装置1Bは、上記熱電変換装置1Aの構成のうち、ヒータ5を省略した構成となっている。また、伝熱板4の伝熱部16が配置された側とは反対側(+Z側)の面がタッチパネル面300aを構成している。
以上のような構成を有する熱電変換装置1Bでは、タッチパネル面300aを指で走査することによって、伝熱板4の走査位置と平面視で重なる伝熱部16を介して温接点側電極14に熱が伝わる。このとき、タッチパネル面300a上での指の走査に合わせて、第1の方向Xに並ぶ複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hから出力される起電力と、第2の方向Yに並ぶ複数の第1の熱電変換素子列31A〜31Hから出力される起電力とが変化し、指の走査位置を検出することが可能である。
したがって、この熱電変換装置1Bを用いたインターフェースデバイス300では、タッチパネル面300a上で走査される指の走査位置を検出することで、各種の入力を行うことが可能である。
以上のように、本実施形態の熱電変換装置1Bでは、上述した熱電変換装置1Aと同様に、簡便な構造を有しながら、特定の面内において互いに交差する第1の方向Xと第2の方向Yとにおいて、それぞれ電気的に独立した複数の第1の熱電変換素子列31A〜31H及び複数の第2の熱電変換素子列32A〜32Hを精度良く並べて配置することを可能である。
したがって、本実施形態のインターフェースデバイス300では、上述した熱電変換装置1Bを用いることによって、検出精度の向上並びに低コスト化を図ることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、上述したn型半導体からなる熱電変換素子3を用いた場合を例示しているが、それとは逆にp型半導体からなる熱電変換素子3を用いた場合は、上記図1に示す各熱電変換素子3に流れる電流の方向(矢印の向き)が逆向きとなる。
1A,1B…熱電変換装置 2…基板(基材) 3…熱電変換素子 3A…第1の熱電変換素子 3B…第2の熱電変換素子 4…伝熱板(伝熱部材) 5…ヒータ 6a,6b…第1の端子 6c,6d…第2の端子 7…第1の電極 8…第2の電極 9a,9b…第1の配線 10…第2の配線 11a,11b…第3の配線 12a,12b…第4の配線 13…絶縁層 14…温接点側電極 15…冷接点側電極 16…伝熱部 17…支持部 18a…凸部 18b…凹部 19…キャップ部材 20…ベース板 21…外部接続用端子 22…気流ガイド 31A〜31H…第1の熱電変換素子列 32A〜32H…第2の熱電変換素子列 100…気流センサ 101…温度測定部 102…制御部 103…アンプ 104…A/D変換部 105…磁気コンパス 106…演算部 300…インターフェースデバイス

Claims (11)

  1. 特定の面内において互いに交差する第1の方向と第2の方向とのうち、
    前記第1の方向に並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子を各々が有する複数の第1の熱電変換素子列と、
    前記第2の方向に並ぶと共に電気的に直列に接続された複数の熱電変換素子を各々が有する複数の第2の熱電変換素子列とを備え、
    前記複数の第1の熱電変換素子列は、前記第2の方向に並んで配置され、
    前記複数の第2の熱電変換素子列は、前記第1の方向に並んで配置されていることを特徴とする熱電変換装置。
  2. 前記第1の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の各々と、前記第2の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の各々とが、前記第1の方向において交互に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
  3. 前記熱電変換素子の前記第1の方向における一端側に設けられた第1の電極と、
    前記熱電変換素子の前記第1の方向における他端側に設けられた第2の電極と、
    前記第1の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の前記第1の方向において隣り合う一方の熱電変換素子と他方の熱電変換素子との各間に配置されて、前記一方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか一方の電極と、前記他方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか他方の電極との間を電気的に接続する第1の配線と、
    前記第2の熱電変換素子列を構成する複数の熱電変換素子の前記第2の方向において隣り合う一方の熱電変換素子と他方の熱電変換素子との各間に配置されて、前記一方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか一方の電極と、前記他方の熱電変換素子の前記第1の電極と前記第2の電極との何れか他方の電極との間を電気的に接続する第2の配線とを備えることを特徴とする請求項2に記載の熱電変換装置。
  4. 前記特定の面内に対して直交する方向から見て、前記第1の配線と前記第2の配線との少なくとも一部が絶縁層を介して交差していることを特徴とする請求項3に記載の熱電変換装置。
  5. 前記複数の熱電変換素子との間に間隔を設けて配置された伝熱部材と、
    前記伝熱部材と前記複数の熱電変換素子の各々との間を熱的に接合する伝熱部とを備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の熱電変換装置。
  6. 前記伝熱部材の前記伝熱部が配置された側とは反対側に配置されたヒータを備えることを特徴とする請求項5に記載の熱電変換装置。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の熱電変換装置を用いたインターフェースデバイス。
  8. 請求項6に記載の熱電変換装置を用いた気流センサ。
  9. 前記伝熱部材の前記ヒータが配置された側の少なくとも一部との間に間隔を設けて配置されたキャップ部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の気流センサ。
  10. 前記複数の第1の熱電変換素子列のうち、出力が最大となる第1の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第1の熱電変換素子列との間における第1の出力差又は出力比を算出し、
    前記複数の第2の熱電変換素子列のうち、出力が最大となる第2の熱電変換素子列を挟んだ一方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列と、他方側の中から選択される少なくとも1つの第2の熱電変換素子列との間における第2の出力差又は出力比を算出することを特徴とする請求項8又は9に記載の気流センサ。
  11. 前記第1の熱電変換素子列における出力の最大値に対する前記第1の出力差又は出力比の比率を算出し、
    前記第2の熱電変換素子列における出力の最大値に対する前記第2の出力差又は出力比の比率を算出することを特徴とする請求項10に記載の気流センサ。
JP2020026417A 2020-02-19 2020-02-19 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ Pending JP2021132112A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026417A JP2021132112A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026417A JP2021132112A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021132112A true JP2021132112A (ja) 2021-09-09

Family

ID=77551208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020026417A Pending JP2021132112A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021132112A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140036953A1 (en) Temperature sensor device and radiation thermometer using this device, production method of temperature sensor device, multi-layered thin film thermopile using photo-resist film and radiation thermometer using this thermopile, and production method of multi-layered thin film thermopile
KR101895302B1 (ko) 풍향계, 풍향 풍량계 및 이동 방향 측정계
CN102576721A (zh) 具有三维微结构的热电换能器、制造该换能器的方法和该换能器的应用
JP4431475B2 (ja) 半導体型3軸加速度センサ
JP2021132112A (ja) 熱電変換装置、インターフェースデバイス及び気流センサ
JP5056086B2 (ja) 熱式センサ
JPH0640712B2 (ja) 充電完了検知器
CN107436365B (zh) 一种石墨烯风速风向传感器
KR101677717B1 (ko) 멤스 써모파일 센서 및 그 제조방법
US8607631B2 (en) Heated air mass WCSP package and method for accelerometer
JP5224089B2 (ja) 熱式センサ
JP7101899B2 (ja) Memsセンサおよびmemsセンサを動作させるための方法
KR101230021B1 (ko) 써모파일 패키지
US10989603B2 (en) Infrared sensor chip, and infrared sensor employing same
JP4820124B2 (ja) 温度分布測定装置
KR101331996B1 (ko) 써모파일 센서 및 그 제조방법
KR100935836B1 (ko) 기울기 센서 및 이의 제조방법
JP2020025047A (ja) 熱電変換装置
JP5407438B2 (ja) 半導体装置
JP2019140294A (ja) 熱電変換装置及びその製造方法
JP2018125498A (ja) 熱電変換装置
JP2019100996A (ja) 湿度センサおよびその製造方法
JP2019039821A (ja) 熱流センサ
WO2021006034A1 (ja) 光センサ
JP2012202759A (ja) 加速度センサ