以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る温度調節ステージの一例を示す。具体的には、図1(A)は、温度調節ステージの平面図であり、図1(B)は、その温度調節ステージのX−X断面図である。
温度調節ステージ400は、半導体ウエハを載置するための載置プレート403と、多数の熱電変換素子を有しペルチェ効果によって載置プレート403側及び後述の熱交換プレート550側を加熱又は冷却する熱電変換部405と、熱電変換部405と外部との間の熱交換を行うための熱交換プレート550とを備える。
載置プレート403は、上面と下面を有し、上面に、半導体ウエハを載置するための複数の突起(以下、これを「支持ピン」と言う)607、607、…が設けられている。半導体製造プロセスでは、処理対象の半導体ウエハが、これら複数の支持ピン607、607、…上に載置される。一方、半導体製造プロセスが開始する前に、温度調節ステージの制御方法(例えば、目標温度や制御演算など各種のパラメータ)を設定する準備段階では、本発明に従うフィルム状のフィルム温度センサ600が設けられた温度測定用の半導体ウエハ(温度測定用基板)402が、支持ピン607、607…上に載置されることになる。また、設定プロセスにおいて、温度調節ステージ(特に載置プレート403)の温度を測定するためには、載置プレート403の表面に、フィルム状のフィルム温度センサ600が貼り付けられる。
載置プレート403の下面に熱電モジュール405が設けられている。熱電変換部405は、1又は複数の熱電変換モジュールを有する(図1(B)には一つの熱電変換モジュールを例示している)。各熱電モジュールは、2次元配列された複数の熱電変換素子と、それら複数の熱電変換素子(401N、401P)を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している複数の電極(514A、514B)とを持ち、それらが2枚の平板511A、511Bの間に挟まれた構成となっている。具体的に言うと、上側の薄型の平板(例えば厚さ0.1mm程度のセラミックス又はポリイミド樹脂から成る接着剤シート)511Aの下面上に備えられている上側の各電極(例えば銅板又は銅箔)514Aに、1つのP型半導体素子401Pと1つのN型半導体素子401Nが半田付けされたパイ型のユニット形成されており、更に、各パイ型ユニットのP型半導体素子401Pとその隣のパイ型ユニットのN型半導体素子401Nとが、下側の平板511Bの上面に備えられている下側の各電極514Bに半田付けされている。こうして、複数のP型半導体素子401Pと複数のN型半導体素子401Pが上側と下側の電極(514A、514B)によって電気的に直列に接続されている。そして、このP型半導体素子401PとN型半導体素子401Nの直列接続体に直流電流を流すと、電流の方向に応じて、上側の面(上側熱交換面)で吸熱し、下側の面(下側熱交換面)で放熱をするか、又は下側熱交換面で吸熱し、上側熱交換面で放熱をする。
熱交換プレート550は、内部に熱媒流体(例えば冷却水)を流すための流路551を有する。その流路551は、単純な形状をしたもの(例えば直方体状の空間)であっても良いし、熱交換プレート550の実質的全面に亘ってサーペンタイン状に巡っていても良い。なお、特に図示しないが、この熱交換プレート550の下方に、又は熱交換プレート550に代えて、空冷フィンが備えられていても良い。
図2は、フィルム温度センサ600の構成を示す図である。
フィルム温度センサ600は、後に具体的に説明するように、絶縁材料製のフィルムで形成されている。そして、その絶縁材料製のフィルムは、温度を測定するための薄膜状の抵抗パターン55と、その抵抗パターン55への外部からの電流供給、及び抵抗パターン55の両端子間電圧を外部装置へ出力するための薄膜状のリード56とを備えている。リード56の末端部には、リード56と外部装置とを電気的に接続するためのセンサターミナル57が設けられている。そして、抵抗パターン55と、リード56と、センサターミナル57とは、上記絶縁材料製のフィルムの表面上又は内部に一体的に形成されている。
抵抗パターン55は、温度によって抵抗率が変化する材料(例えば銅等の金属)から構成されている。そのため、抵抗パターン55に一定電流を流した場合、抵抗パターン55の両端子間電圧は、抵抗パターン55の温度によって異なる。そのため、このフィルム温度センサ600は、抵抗パターン55の両端子間電圧の測定結果と、抵抗パターン55の材料の温度と抵抗率との関係に基づいて、温度を測定することができるようになっている。
また、抵抗パターン55は、図2に示すように、半導体ウエハ601の全域又は所定の一部領域に亘ってサーペンタイン状に密に巡っている。
リード56は、抵抗パターン55に電流を流し、そして抵抗パターン55の両端子間電圧を外部装置へ出力する電気配線である。そして、このリード56も、抵抗パターン55と同時に同じ方法で、抵抗パターン55と一体につながった薄膜状のラインパターンに形成されている。また、センサターミナル57も、リード56と抵抗パターン55と同時に同じ方法で、抵抗パターン55及びリード56と一体的に薄膜状に形成されている。
なお、抵抗パターン55は、上述したものに限る必要はなく、種々のバリエーションが考えられる。例えば、抵抗パターン55は、以下の(a)〜(d)の抵抗パターン、
(a)曲がりくねった細長い抵抗パターンであって、その抵抗パターンの電流経路に沿った長さ方向の複数箇所の各々に、外部回路と接続するためのセンサターミナル57が備えられたもの、
(b)曲がりくねった細長い抵抗パターンであって、その抵抗パターンの電流経路に沿った長さ方向の複数箇所の各々に、他の箇所と電気的に接続して短絡するための短絡用センサターミナル57が備えられたもの、
(c)梯子型の抵抗パターンであって、その梯子型の抵抗パターンを流れる電流の入口と出口が対角の位置になっている、
(d)領域を有する抵抗パターン、
の少なくとも1つ、すなわち、抵抗パターンを所定の又は所望の箇所を削る又は短絡させることによって抵抗値の調節が可能な抵抗パターンであっても良い。
従来、半導体ウエハの温度を測定する際は、半導体ウエハの表面に複数の円筒の井戸形状穴をあけ、穴をあけた複数箇所に温度センサを接着固定していた。さらに、穴近傍にワイヤーのリード線をとりつけ、取り付けられたリード線から温度情報を検知していた。そのため、リード線の存在のため基板上に微妙な気流の変化を生じさせてしまい、結果的に微妙な温度変化を生じさせてしまい正確な温度を測定できなかった。そして、リード線を基板上にハンダ等で固定していたため、リード線は壊れやすくハンディ性にかけている。
これに対して、本実施形態のように、抵抗パターン55とリード56とが一体的に形成されている場合だと、抵抗パターン55とリード56とが一体的に形成されているため、抵抗パターン55とリード56との接続部分の耐久性が高い。また、リード56と抵抗パターン55とが一体的なフィルムになっているため、半導体ウエハ601上での微妙な気流の乱れを造ってしまう恐れが少ない。また、フィルム温度センサ600は、フィルム状なので容易に曲がることができるので、平面だけでなく、曲面に貼ることもできる。よって、フィルム温度センサ600は温度を正確に計ることができる。
さて、上述したフィルム温度センサ600の実装態様(例えばフィルム温度センサ600の実装位置や形状)には幾つかのバリエーションが考えられる。以下、図3以降を参照して説明する。
図3は、フィルム温度センサ600の実装態様の第1のバリエーションを示す。なお、以下、同一の構成要素には同一の参照番号を付し、重複した説明をなるべく省略する。
フィルム温度センサ600の実装態様の第1のバリエーションは、フィルム温度センサ600が所定の方法で載置プレート403の表面に貼付されることである(なお、支持ピン607の図示は省略している)。具体的には、例えば、接着剤又は樹脂系接着フィルムを用いてフィルム温度センサ600と載置プレート403表面とが接着される、又は、載置プレート403の表面に孔を設けてその孔から吸引が行われることによってフィルム温度センサ600が載置プレート403表面に吸い付けられることである。
なお、熱応答性の妨げとならないように、接着剤又は接着フィルムは、熱伝導性の高いものが好ましい。
また、図3では、フィルム温度センサ600の抵抗パターンや、外部機器と電気的に接続するためのセンサターミナル57の図示は省略してあるが(これは図4以降も同様)、これは当業者の実施を妨げるものにはならない。当業者であれば、図2を参照する等によってフィルム温度センサ600の設計や製造は可能である。
また、フィルム温度センサ600の面積は、図示のように、載置プレート403表面上の半導体ウエハ601に対応した領域の面積と実質的に同一であっても良いし、それ以上でもそれ以下であっても良い。
また、図3では、1個のフィルム温度センサ600が備えられているが、複数個のフィルム温度センサ600が、載置プレート403表面の複数のゾーンにそれぞれ備えられても良い(これは、図4以降でも同様である)。
また、フィルム温度センサ600の基体がポリイミド樹脂等の接着性を有する材料で構成されている場合には、その基体に例えば所定量の熱を加えることで、フィルム温度センサ600と載置プレート403とが接着されても良い。
図4は、フィルム温度センサ600の実装態様の第2のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第2のバリエーションは、フィルム温度センサ600が所定の方法で載置プレート403の裏面に貼付されることである(なお、支持ピン607の図示は省略している)。貼付の方法は、上記第1のバリエーションと同様である。フィルム温度センサ600の面積は、図示のように、載置プレート403裏面上の半導体ウエハ601に対応した領域の面積と実質的に同一であっても良いし、それ以上でもそれ以下であっても良い。
図5は、フィルム温度センサ600の実装態様の第3のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第3のバリエーションは、フィルム温度センサ600が所定の方法で載置プレート403の側面に貼付されることである。貼付の方法は、上記第1のバリエーションと同様である。フィルム温度センサ600の幅は、載置プレート403の厚み以下になるように帯状になっていっても良いし、一部分を折って載置プレート403の表面又は裏面に接着剤等で貼れるようになっても良い。また、フィルム温度センサ600の長さは、載置プレート403の外縁を略1周することができる程度の長さであっても良いし、それ以上でもそれ以下であっても良い。
図6は、フィルム温度センサ600の実装態様の第4のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第4のバリエーションは、載置プレート403の裏面と、熱電変換部405の表面(具体的には、例えば、熱電変換モジュールの上側プレート511Aの上面)との間に、フィルム温度センサ600が挟み込まれることである。この場合、フィルム温度センサ600は、単に挟み込まれるだけであっても良いし、載置プレート403の裏面及び熱電変換部405の上面の少なくとも一方に貼付されても良い。
図7は、フィルム温度センサ600の実装態様の第5のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第5のバリエーションは、フィルム温度センサ600を載置プレート403表面に備える場合に、載置プレート403内部からその表面を突き出て半導体ウエハ601を持ち上げる1又は複数のウエハリフトピン(図示せず)や、支持ピン607(図示せず)の邪魔にならないように、フィルム温度センサ600に所定の孔を設けることである。具体的には、フィルム温度センサ600を載置プレート403表面に貼付した際にウエハリフトピンが位置するフィルム温度センサ600上の各箇所に、ウエハリフトピンが通過可能なウエハリフトピン用の孔701が備えられ、且つ、支持ピン607が位置するフィルム温度センサ600上の各箇所に、支持ピン607が通過可能な支持ピン用の孔703が備えられる。孔701、703の太さは、各種ピンよりも太いものとなっている。また、フィルム温度センサ600が有する抵抗パターンは、各孔701、703を避けるように設計される。
図8は、フィルム温度センサ600の実装態様の第6のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第6のバリエーションは、載置プレート403の表面に、フィルム温度センサ600の一部分(例えば、ハッチングで示したように、フィルム温度センサ600の外縁)のみを貼付し、他の部分は貼付されないことである。このため、図9に示すように、載置プレート403表面と、フィルム温度センサ600の上記貼付されない部分との間には、所定の断熱材(例えば空気)605を介在することができる。これにより、フィルム温度センサ600は載置プレート403の熱の影響を受けづらくなって、フィルム温度センサ600の全域を載置プレート403表面に貼り付ける場合と比べて、半導体ウエハ601の温度変化を応答性良く捕らえる事が可能である。
図10は、フィルム温度センサ600の実装態様の第7のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第7のバリエーションは、半導体ウエハ601の表面又は裏面の実質的に全域又は一部領域に、フィルム温度センサ600が貼付されることである。
図11は、フィルム温度センサ600の実装態様の第8のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第8のバリエーションは、半導体ウエハ601の表面又は裏面の複数のゾーンのそれぞれに、複数個のフィルム温度センサ600、600、…が貼付されることである。なお、図11の例では、半導体ウエハ601の裏面の中心に、1つの円形のゾーン、その外縁の外に、同心円レイヤの一部分となった扇形の3つのゾーンが備えられるが、半導体ウエハ601のゾーンの態様(例えば数又は形状)はこれに限られず、処理目的等に応じて、ゾーンの数、各ゾーンの形状及び面積を決定することができる。また、どのゾーンにフィルム温度センサ600が貼付されるかに基づいて、そのフィルム温度センサ600の抵抗パターンの形態や抵抗値を調節することができる(なお、このことは、載置プレート403表面、裏面又は側面に備える場合にも同様である)。
図12は、フィルム温度センサ600の実装態様の第9のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第9のバリエーションは、半導体ウエハ601の表面又は裏面に設けられた複数のゾーンが扇形になっており、それら複数のゾーンのそれぞれに、扇形の複数個のフィルム温度センサ600、600、…が貼付されることである。なお、このバリエーションでは、各ゾーン及び各温度センサ600が、扇形になっていれば良く、ゾーン及び温度センサ600の数は、図示のように4つに限らずそれ以上でも以下でも良い。
図13は、フィルム温度センサ600の実装態様の第10のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第10のバリエーションは、半導体ウエハ601上に備えられる1又は複数の任意の物体(例えば、半導体ウエハに備えられる半導体チップ)に対応した半導体ウエハ601裏面上の1又は複数の領域の全域又は一部に、フィルム温度センサ600が貼付されることである。フィルム温度センサ600は、図示のように、複数の任意の物体にそれぞれ対応した複数の領域の全てに設けられても良いし、任意に選択された1又は2以上の物体に対応した領域のみの温度を測定することができるように設けられても良い。
図14は、フィルム温度センサ600の実装態様の第11のバリエーションを示す。
半導体ウエハ601の裏面の複数のゾーンに、それぞれ複数のフィルム温度センサ600が貼付され、且つ、各フィルム温度センサ600には、図15に示すように、外部機器に電気的に接続するための複数個のセンサターミナル57が備えられる(図示の例では、半導体ウエハ601の中心に円形のゾーン、その外縁の外に、その円形のゾーンの同心円レイヤの一部分となった扇形のゾーンといった2つのゾーンが備えられているが、ゾーンの態様はこれに限られない)。
センサターミナル57は、フィルム温度センサ600内に存在する抵抗パターンを流れる電流の入口である入力端子又はその電流の出口である出力端子である。各センサターミナル57は、外部機器に設けられている端子に電気的に接続可能である。
この半導体ウエハ601は、例えば以下のような基板回転装置のステージに載せることができる。
図16は、基板回転装置を示す。具体的には、図16(a)は、基板回転装置の平面図(上方から見た図)であり、図16(b)は、基板回転装置の側面図である。
この基板回転装置713は、例えば後述のレジスト膜形成処理で使用されるものであり、半導体ウエハ601が載置される円形の平板状ステージ(以下、「基板ステージ」と言う)715と、基板ステージ715の中心に接続された基板ステージ715の回転軸(以下、「ステージ回転軸」と言う)714とを有している。ステージ回転軸714が、モーターとギヤとを備えたステージ回転軸駆動部(図示せず)によって所定方向(例えば反時計周り)に軸周りに回転することによって、基板ステージ715を円周方向に回転させることができる。
基板ステージ715の表面には、図16(a)に示すように、複数の端子(以下、この端子を「回転装置ターミナル」と言う)717が備えられる。回転装置ターミナル717の数は、半導体ウエハ601の裏面に備えられたセンサターミナル57の数と同数であり、複数の回転装置ターミナル717は、裏面が下に向いた図14の半導体ウエハ601が基板ステージ715の所定位置に載置したときに、その半導体ウエハ601が有する複数のセンタターミナル57と接触するような位置に備えられている。従って、裏面に1又は複数のフィルム温度センサ600が備えられた半導体ウエハ601を、裏面を下に向けて基板ステージ715上の所定位置に載置すれば、複数の回転装置ターミナル717がそれぞれ複数のセンタターミナル57に接触して電気的に接続する。それにより、半導体ウエハ601裏面にある各フィルム温度センサ600に電流を流して、各フィルム温度センサ600に対応した半導体ウエハ601の各ゾーンの温度を測定することができる。
なお、この状態において、半導体ウエハ601の表面には、従来技術のように、温度測定に必要な部材(例えばRTDやリード)等のような無駄な物体は備えられていない。そのため、半導体ウエハ601の温度測定を行いつつ、半導体ウエハ601の表面に対して、所定の処理、例えばレジスト膜形成処理を施すことが可能である。それについて、図18を参照して説明する。
フィルム温度センサ600が裏面に備えられた半導体ウエハ601が、裏面が下に向いた状態で基板ステージ715表面上の所定位置に載置されることにより、半導体ウエハ601裏面上の複数のセンタターミナル57が、それぞれ、基板ステージ715表面上の複数の回転装置ターミナル717に接触して、半導体ウエハ601の温度測定が可能な状態になる。半導体ウエハ601は、所定の方法(例えば、基板ステージ715の表面に設けられる図示しない1又は複数の孔から吸引が行われること)によって、基板ステージ715表面に固定される。
そして、基板ステージ715に固定された半導体ウエハ601の表面には、レジスト滴下ノズル718より適量のレジスト液が滴下される。その後、ステージ回転軸714が高速に回転することによって、基板ステージ715と共に、それに固定された半導体ウエハ601が高速に回転し、遠心力によって、滴下されたレジスト液が半導体ウエハ601の全域に拡散されて、レジスト膜が形成される。その際、半導体ウエハ601表面における各地点の回転速度は、中心からの距離と角速度との積で決定されるため、半導体ウエハ601の外周側の回転速度は中心側の回転速度よりも大きくなる。したがって、レジスト液が揮発する速度が外周側の方が大きくなりレジスト液の粘度が上昇する。その結果、形成されるレジスト膜は、中心側の膜厚が小さく、外周側の膜厚は大きくなり易い。レジスト膜の膜厚をリアルタイムで計測しながら回転数を変動調節し、均一な膜厚を得ることができればそうすることが望ましいかもしれないが、現実には困難である。本実施形態では、粘度の差を蒸発潜熱による半導体ウエハ601の温度差としてモニタし、その温度差のデータを用いて、均一な膜厚が得られるように回転数を変動調節することにより、レジスト膜の膜厚のコントロールが行われる。これが可能なのは、温度測定しつつ、半導体ウエハ601それ自体の表面に対して処理を施すことができるようになっているからである。
なお、上記説明では、半導体ウエハ601が電気的に接続することができる外部機器として基板回転装置713を例に採ったが、それに限らず、例えば、温度調節ステージ400の載置プレート403の表面上に、基板ステージ715と同様に複数のターミナルを備え、それら複数のターミナルにそれぞれ複数のセンサターミナル57を半田付け等の方法で電気的に接続することも可能である。なお、その際、半導体ウエハ601の裏面(例えばフィルム温度センサ600)と載置プレート403との間に、断熱材を介在させても良い。
以上、上述した第11のバリエーションによれば、フィルム温度センサ600が半導体ウエハ601の裏面に備えられ、半導体ウエハ601の表面には格別凹凸は形成されない。そのため、半導体ウエハ601の温度測定を行いつつ、半導体ウエハ601表面に所定の処理(例えばレジスト膜の形成処理)を施すことができる。その際、半導体ウエハ601の表面に無駄な凹凸はないので、半導体ウエハ601上空に気流の乱れを生じさせることがない。また、半導体ウエハ601の温度測定を行いつつ表面にレジスト膜の形成が可能なので、レジストの蒸発潜熱を考慮した温度履歴の計測が可能である。また、レジスト膜が形成される半導体ウエハ601の表面には、格別凹凸は形成されないので、形成されたレジスト膜を薬液で剥離して、半導体ウエハ601を再利用することができる。
図19は、フィルム温度センサ600の実装態様の第12のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第12のバリエーションは、第11のバリエーションと同様に、半導体ウエハ601の裏面にフィルム温度センサ600及びセンサターミナル57を備えるものであるが、以下の点で異なったものである。
すなわち、半導体ウエハ601の裏面には、半導体ウエハ601よりも広いフィルム温度センサ600が固定される。そのフィルム温度センサ600には、半導体ウエハ601に対応した中心エリア732内であって、半導体ウエハ601の複数のゾーン(例えば図示のように扇形ゾーン)にそれぞれ対応した複数の領域の各々に、独立した配線パターン731が備えられる。そして、各配線パターン731には、複数のセンサターミナル57が備えられ、各センサターミナル57は、半導体ウエハ601に対応したエリア732の外、つまり、フィルム温度センサ600の外周エリア734上に備えられる。
なお、半導体ウエハ601に対応したエリア732の外に備えられるセンサターミナル57は、必ずしもリング状の外周エリア734を用意してそこに備えなければならないわけではなく、例えばフランジのような態様でフィルム温度センサ600の基体の一部分のみを半導体ウエハ601に対応したエリア732の外に張り出し、そこに、センサターミナル57が備えられても良い。
図20は、フィルム温度センサ600の実装態様の第13のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第13のバリエーションは、半導体ウエハ601の表面と裏面の両方に、フィルム温度センサ600が貼付されることである。その際、表面に貼付されたフィルム温度センサ600が温度測定する領域と、裏面に貼付されたフィルム温度センサ600が温度測定する領域は、例えば、同一形状且つ同一面積であって、互いに対向した位置にある。換言すれば、フィルム温度センサ600は、半導体ウエハ601の表面と、それに対向する同位相の裏面に貼付される。これは、半導体ウエハ601の表面(又は裏面)に備える温度センサ600の数が1個であっても複数個であっても同様である。
この第13のバリエーションによれば、半導体ウエハ601の任意領域について、表面と裏面との温度差を計測すること、つまり厚さ方向の温度差を計測することができる。その際、フィルム温度センサ600は薄いので(例えば厚さはμmオーダーなので)、半導体ウエハ601上の気流を乱すことがない。
図21は、フィルム温度センサ600の実装態様の第14のバリエーションを示す。
フィルム温度センサ600の実装態様の第14のバリエーションは、半導体ウエハ601が、多層状になり、多層の半導体ウエハ601の内部に一レイヤとしてフィルム温度センサ600が備えられることである。この半導体ウエハ601は、例えば薄厚ウエハであり、例えばハンドリングの裏打ち材となり得る保護シート(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やガラス基板)777に、ポリイミド樹脂等から作られた接着シート775を介してフィルム温度センサ600が接着され、更に、そのフィルム温度センサ600に、接着シート773を介して、レジスト膜形成処理等の所定の処理が施される表面を持った被処理シート(例えばシリコン等の半導体)771が接着されて積層状になったものである。保護シート777は、接着剤シート775から剥離することができるようになっている。
この被処理シート771は、例えば直径200mmで厚さが25〜300μm程度であり、半導体ウエハ601の総厚は、被処理シート771の平坦性を損なわない厚さ、例えば1mm程度である。この半導体ウエハ601は、例えば、実際の半導体製造工程で集積回路を形成する実ワークとして用いリアルタイムで温度測定されても良いし、特定のプロセスの温度プロファイルを検査するダミーウエハとして使用されても良い。また、フィルム温度センサ600の数は、1個でも良いし複数個でも良い。フィルム温度センサ600が複数個備えられる場合は、フィルム温度センサ600同士の隙間には、接着剤等の所定部材で埋められても良いし、空いたままになっていても良い。また、フィルム温度センサ600は、半導体ウエハ601内部ではなく裏面に貼付されても良い。
この第14のバリエーションによれば、フィルム温度センサ600は薄いため、多層状の薄厚ウエハ内に一レイヤとして組み込むことができ、それにより、薄厚ウエハの処理中に、薄厚ウエハの全域又は一部領域の代表温度を測定することができる。
なお、この第14のバリエーションにおいて、フィルム温度センサ600の基体が、例えばハンドリングの裏打ち材となり得る材料で構成されていれば(つまり、フィルム温度センサ600が保護シートの役割を兼ねることができれば)、図22に示すように、保護シート777及びその上層にある接着剤シート775はなくても良い。これにより、半導体ウエハ601をより薄くすることができる。
また、ペルチェ効果により加熱又は冷却を実行する温度調節ステージ400を例に挙げたが、それに限らず、別種の温度調節ステージ、例えば、(1)抵抗発熱体(例えば、ニクロム線状体やステンレス等の薄膜抵抗体)及び冷却装置(例えば、空冷フィンを備えた冷却機構や、冷却液の流路を備えた冷却機構)のどちらか一方又は両方を有するステージ、(2)シリコンラバーヒータ、マイカヒータ、シーズヒータ、フォイルヒータ等の発熱体を有する加熱用ステージ、(3)複雑な冷却回路(例えば冷却のための熱媒流体が流れる流路であってサーペンタイン状になった流路を有する熱交換部)を有する冷却用ステージへの適用も同様の理由(すなわち、所定領域内における多数の箇所が平均化された代表温度が測定できるという理由)で可能である。
また、上述の説明では、載置プレート403も半導体ウエハ601も図示の例では円形であるが、必ずしも円形である必要なく、例えば方形等別の形状をしていても良い。その場合、フィルム温度センサ600の形状も、載置プレート403や半導体ウエハ601の形状に応じてデザインすることができる。
また、半導体ウエハ601又は温度調節ステージ400の温度変化を応答性良く検知するという観点から考えれば、温度センサは、上述したような薄膜状のフィルム温度センサ以外のセンサ、例えば点状センサであっても良い。温度センサは、例えば以下のように、温度調節ステージ400(又は半導体ウエハ601)に実装することができる。
図23は、温度センサの温度調節ステージ400への実装例を示す。なお、この図では、載置プレート403より下方の要素(例えば熱交換部405)の図示は省略してある。
載置プレート403表面に、ポリイミド樹脂等の断熱材シート805が供えられ、断熱材シート805の上には、1又は複数個の温度センサ780が備えられる。このように、載置プレート403と温度センサ780との間には、断熱材が介在するので、温度センサ780が載置プレート403の熱の影響を受けづらくなり、半導体ウエハ601の温度変化を応答性良く検知することができる。
本発明のフィルム温度センサは、温度調節ステージに貼ることで、温度調節ステージの温度の測定にも利用できる。半導体製造プロセス中に処理されている半導体ウエハの温度を測定するために、本発明のフィルム温度センサを用いて温度調節ステージの温度測定をしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の種々の形態でも実施することができる。
樹脂フィルムに抵抗パターン55(抵抗体)及びリード56等の導体膜を一体形成する方法として、(1)スパッタ膜+エッチング、(2)銅めっき膜+パターンエッチング、(3)パターン銅めっき、(4)スクリーン印刷などが採用できる。
また、2以上のセンサ部を同一位置で積層し、熱流束センサとして機能させても良い。例えば、両面に金属箔が接着されたフレキシブル基板を利用して上下同じ位置に抵抗パターン(抵抗体)を作り温度センサとして機能させれば、上下の温度差データからその位置を通る熱流束を計算することが出来る。
400…温度調節ステージ、401N…N型熱電変換素子、401P…P型熱電変換素子、402…基板、403…載置プレート、405…熱電変換部、511A…上側プレート、511B…下側プレート、514A…上側電極、514B…下側電極、550…熱交換プレート、551…流路、600…フィルム温度センサ、607…支持ピン