JP2004279340A - マイクロチップ及びそれの温度調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロチップの基板の温度を正確に検出することができるようにする。
【解決手段】マイクロチップ1は、表面と裏面を有する基板5と、その基板5に設けられた1以上の反応チャンバ6と、その基板5の内部、裏面及び表面の反応チャンバ6以外の部分、又は反応チャンバ6の内面に設けられ、その基板5外へ温度検出信号を出力する1又は複数の温度センサ10とを備える。また、温度センサ10は、マイクロチップ1の温度調節装置が有するペルチェ熱電変換デバイス9のマイクロチップ1側の表面、又は、ペルチェ熱電変換デバイス9の内部のマイクロチップ1寄りの位置に配置されても良い。
【選択図】 図3
【解決手段】マイクロチップ1は、表面と裏面を有する基板5と、その基板5に設けられた1以上の反応チャンバ6と、その基板5の内部、裏面及び表面の反応チャンバ6以外の部分、又は反応チャンバ6の内面に設けられ、その基板5外へ温度検出信号を出力する1又は複数の温度センサ10とを備える。また、温度センサ10は、マイクロチップ1の温度調節装置が有するペルチェ熱電変換デバイス9のマイクロチップ1側の表面、又は、ペルチェ熱電変換デバイス9の内部のマイクロチップ1寄りの位置に配置されても良い。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応チャンバを備えたマイクロチップ及びそれの温度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロチップとして、例えば、DNA等の塩基配列を決定する等の生物的又は化学的な反応(以下、「生化学反応」と総称する)を行わせる実験等に使用されるバイオチップが知られている。バイオチップは、一般に、エッチング等の方法によって、生化学反応を行わせる場所とする反応チャンバを表面に有する。
【0003】
生化学反応を行わせる実験等では、その反応時の温度が何度であるかを検出する必要があり、そのために、例えば温度検出用のセンサが使用される(特許文献1の図2の参照番号33、34)。
【0004】
また、そのような実験等では、その反応時の温度を所定の値に調節する必要があり、そのため、バイオチップを加熱又は冷却する手段が必要であるが、従来は、その手段としてペルチェ式ヒートブロックが採用されている(特許文献1の図2の参照番号31)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−255328号公報(図2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
生化学反応を行わせる実験等では、その反応時の温度を精度良く調節することが望まれる場合が少なくなく、そのために、バイオチップの温度を精度良く調節する必要がある。バイオチップの温度を精度良く調節するためには、そのバイオチップの温度を検出するための温度センサをどこに配置するかが一つの重要な点である。しかし、従来、温度センサは、バイオチップから離れた場所に配置されている。これでは、バイオチップの温度を正確に検出することは難しい。
【0007】
また、正確な温度検出が難しいので、精度良く温度調節を行なうことが困難である。
【0008】
また、生化学反応を行わせる実験等では、同一の反応でも温度に応じてどう違うかを見たい等の理由から、バイオチップの複数の領域を別々に温度調節したいと望まれる場合がある。しかし、従来、温度調節手段として採用されているヒートブロックは、バイオチップの領域全体にわたった広さを有し、バイオチップ全体を同時に加熱するようになっている。そのため、バイオチップの複数の領域を別々に温度調節することはできない。
【0009】
上記の課題は、バイオチップに限らず、その他のマイクロチップにも共通の課題である。
【0010】
従って、本発明の目的は、マイクロチップの温度を正確に検出することができるようにすることにある。
【0011】
本発明の別の目的は、マイクロチップの温度を正確に調節することができるようにすることにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、マイクロチップの複数の領域を別々に温度調節することができることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
この欄の記述において、カッコ内の数字は、添付の図面に記載の要素との対応関係を例示するものであるが、これは、単なる説明のための例示にすぎず、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0014】
本発明に従うマイクロチップは、表面と裏面を有する基板(5)と、前記基板(5)に設けられた1以上の反応チャンバ(6)と、前記基板(5)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面に設けられ、前記基板(5)外へ温度検出信号を出力する1又は複数の温度センサ(10)とを備える。
【0015】
このマイクロチップによれば、マイクロチップの基板に直接的に温度センサが配置されるので、マイクロチップから離れた場所に温度センサが配置される従来に比べて、精度良く温度測定を行うことができる。
【0016】
本発明の第1の側面に従う温度調節装置は、表面と裏面を有し1以上の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の温度調節を行うためのペルチェ熱電変換デバイス(9)と、前記マイクロチップ(1)の温度を検出するための1又は複数の温度センサ(10)と
を備える。各温度センサ(10)は、以下の(A)〜(C)の場所、
(A)前記マイクロチップ(1)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面、
(B)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の前記マイクロチップ(1)側の表面、
(C)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の内部のマイクロチップ(1)寄りの位置、
のうちのいずれかの場所に配置されている。
【0017】
この温度調節装置によれば、マイクロチップの基板に直接的に温度センサが配置されるか、或いは、ペルチェ熱電変換デバイスの表面又は内部のマイクロチップ寄りの位置に配置されるので、精度良く温度測定を行うことができる。
【0018】
本発明の第2の側面に従う温度調節装置は、2以上のゾーンにそれぞれ配置された複数の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の前記2以上のゾーンの温度調節を個別に行うための2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)と、前記2以上のゾーンの温度を個別に検出するための複数の温度センサ(10)とを備える。複数の反応チャンバは、互いに独立していても良いし、一連の生化学反応を行わせる等の理由から互いに連結していても良い。
【0019】
この温度調節装置によれば、マイクロチップの2以上のゾーンの温度調節を個別に行うことができるように2以上のペルチェ熱電変換デバイスが備えられ、且つ、2以上のゾーンの温度を個別に検出することができるように複数の温度センサが配置されているので、マイクロチップの2以上のゾーンの温度を個別に検出し、それに基づいて、2以上のゾーンの温度調節を個別に行うことができる。
【0020】
好適な実施形態では、前記2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)は、互いに熱的に分離され、互いに独立して駆動可能である。
【0021】
この実施形態によれば、各ペルチェ熱電変換デバイスは、他のペルチェ熱電変換デバイスから熱的な影響を受けることなく且つ独立して駆動可能なので、より精度良くゾーン毎に温度調節することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、マイクロチップには、例えば、バイオチップ、化学プロセスチップ、化学分析チップ、及び環境分析チップ等があるが、以下、マイクロチップとしてバイオチップを例に挙げて説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバイオチップとそれの温度調節装置の断面図である。
【0024】
バイオチップ1は、基板5を有し、基板5の下には、バイオチップ1の温度を調節するための温度調節装置3が備えられる。
【0025】
基板(以下、「チップ基板」と言う)5は、所定の材料、例えば、金属シリコン又はシリコン樹脂(例えばPDMS(polydimethylsiloxane))で作られたものであり、所定の厚さと所定形状(例えば方形又は円形)の表面及び裏面とを有する平板になっている。チップ基板5は、撓むことができるものであっても良いし、撓むことができない剛性のものであっても良い。チップ基板5の表面(又は内部或いは裏面)には、エッチング等の方法により、生化学反応等を起こさせる場所としての反応チャンバ6が設けられている。反応チャンバ6は、どのような形状であっても良い(例えば、複数のスポット状の孔、紙面表裏に走る所定長さの複数の溝、或いは、例えばサーペンタイン状になった1又は複数の流路等であっても良い)。また、チップ基板5の表面には、反応チャンバ6内の検体を保護する等の理由により、所定材料(例えばガラス又はPDMS製)の蓋7を、チップ基板5の表面上に空気が入り込まないようチップ基板5に密着させることができる。
【0026】
温度調節装置3は、複数(又は1つ)の熱電変換モジュール9、9、…と、ヒートシンク2と、ファン23とを備える。
【0027】
複数の熱電変換モジュール9は、チップ基板5とヒートシンク2との間で、例えば一定の間隔又は不規則な間隔で、例えばチップ基板5の1又は複数の反応チャンバ6を有する領域の実質的に全域(又は一部)にわたって配置されている。各熱電変換モジュール9は、図2に示すように、2次元配列された複数の熱電変換素子(13、13、…)、(19、19、…)と、それら複数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している複数の電極(14A、14A、…)、(14B、14B、…)とを持ち、それらが2枚の平板11A、11Bの間に挟まれた構成となっている。具体的に言うと、上側の薄型の平板(例えばセラミックス板又はポリイミド樹脂から成るシート箔)11Aの裏面上に備えられている上側の電極(例えば銅板又は銅箔)14A、14A、…の各々に、1つのP型半導体素子19と1つのN型半導体素子13が半田付けされたパイ型のユニット形成されており、更に、各パイ型ユニットのP型半導体素子19とその隣のパイ型ユニットのN型半導体素子13とが、下側の平板11Bの表面に備えられている下側の電極14B、14B、…の各々に半田付けされている。こうして、複数のP型半導体素子19、19、…と複数のN型半導体素子13、13、…が上側と下側の電極(14A、14A、…)、(14B、14B、…)によって電気的に直列に接続されている。そして、このP型半導体素子19、19、…とN型半導体素子13、13、…の直列接続体に直流電流を流すと、電流の方向に応じて、上側の面(上側熱交換面)で吸熱し、下側の面(下側熱交換面)で放熱をするか、又は下側熱交換面で吸熱し、上側熱交換面で放熱をする。具体的には、直流電流がP型半導体素子19側からN型半導体素子13に向かって流れている電極ではペルチェ効果により発熱が、逆にN型からP型へと流れている電極では吸熱がそれぞれ生じる。このような構成を有する各熱電変換モジュール9は、図1に示すように、その表面(具体的には、上側の平板11Aの表面)がチップ基板7の裏面に、また、その裏面(具体的には下側の平板11Bの裏面)がヒートシンク2の表面に、所定の方法、例えば、所定の材料(例えばポリイミド製の樹脂又は伝熱性に優れた材料)から成る接着剤を用いる又は半田付けをする方法により接着されている(熱電変換モジュール9の上側の平板11Aが接着剤シートであれば、その接着剤シートにより直接的に接着されても良い)。なお、各熱電変換モジュール9は、1段でも良いし多段でも良い。
【0028】
ヒートシンク2は、各熱電変換モジュール9の下側熱交換面から放たれた熱を外気へ放熱するためのフィンである(外気から吸熱するのに使用されても良い)。そして、そのフィンの下方には、各熱電変換モジュール9から放たれた熱の放散を助けるためのファン23が設けられている。
【0029】
なお、例えば、必ずしもファン23は備えられなくても良い。
【0030】
また、例えば、ヒートシンクは、上記のように空冷ではなく水冷のための装置であっても良い。具体的には、例えば、ヒートシンクは、所定の材料(例えばアルミニウム等の金属)から構成された所定形状(例えば方形又は円形)の表面及び裏面を有する平板状のブロックである。そのヒートシンクの内部には、熱媒流体(例えば冷却水)が流れる流路を有し、その熱媒流体によって、上面にある各熱電変換モジュール9から放たれた熱を奪うことができるようになっている。その流路は、例えば、容積を有する単純な空洞であっても良いし、サーペンタイン状になった長いものであっても良い。また、その流路は、例えば、機械加工により金属製のブロック内に形成されたものであっても良いし、例えばサーペンタイン状に曲げられたパイプが金属製のブロックに組み込まれたものであっても良い。
【0031】
以上のような、バイオチップ1には、バイオチップ1のチップ基板5の温度を検出するための複数個(又は1個)の温度センサが備えられる。格別図示しないが、各温度センサは、各熱電変換モジュール9に電流を流すための所定の温度制御システム(例えば、後述するコンピュータマシンと駆動回路とを含んだシステム)と電気的に接続されており、その温度制御システムに、自分が検出した温度を表す電気信号(以下、「検出温度信号」と言う)を出力するようになっている。各温度センサは、例えば、白金センサ(例えば、数十μm×数十μm程度の大きさ)、サーミスタ(例えば、0.5mm×0.5mm程度の大きさ)、熱電対(例えば、0.1mm×0.1mm程度の大きさ)、温度依存性の金属から成る抵抗パターン(例えばフィルム状の温度センサ)等、種々のものを採用可能である。
【0032】
複数の温度センサ10、10、…は、例えば、図3に示すように、埋め込み等の方法により、温度センサ10をチップ基板5の内部に設けることができる。具体的には、例えば、チップ基板5がPDMSである場合、そのチップ基板5の製造過程において、PDMSの硬化前の、所定の金型(液槽)内でPDMSが液状になっているとき(具体的には例えば所定の粘度を有する状態になっているとき)、温度センサ10をその液状のPDMSに入れて、その後にPDMSを硬化させる。それにより、図3に示すように、温度センサ10をチップ基板(つまりPDMS)5の内部、例えば、反応チャンバ6の近傍に設けることができる。なお、温度センサ10、10、…は、例えば、一部領域(一例として、反応チャンバ6の近傍)に集中的に設けられていても良いし、チップ基板5内の全体にわたって均等に設けられていても良い。また、温度センサ10、10、…は、チップ基板5の表面又は裏面の近傍に設けられていても良い。
【0033】
また、例えば、複数の温度センサ10、10、…は、図4に示すように、チップ基板5の裏面上に設ける(例えば接着剤により貼り付ける)ことができる。なお、その場合、温度センサ10は、裏面に載っている状態でも良いし、一部が又は完全に埋まっている状態でも良い。また、温度センサ10は、裏面の実質的に全域に亘って設けられても良い。
【0034】
さらに、例えば、複数の温度センサ10、10、…は、図5に示すように、チップ基板5の表面上(反応チャンバ6と反応チャンバ6との間の部分を含む)に設けることができる。その場合、温度センサ10は、表面に載っている状態でも良いし、一部が又は完全に埋まっている状態でも良い。
【0035】
また、例えば、各温度センサ10は、図6(A)に示すように、チップ基板5の表面に設けられている反応チャンバ6の底又はその近傍、或いは、図6(B)に示すように、反応チャンバ6内壁面又はその近傍に設けることができる(すなわち、反応チャンバ6の内面に設けることができる)。なお、その際、例えば、反応チャンバ6と温度センサ10との間には、伝熱性に優れた(つまり熱抵抗の小さい)材料で作られた絶縁膜31が介在される。
【0036】
さらに、例えば、各温度センサ10は、各熱電変換モジュールの内部、具体的には、例えば、図7(A)に示すように、上側の(チップ基板5側の)電極14Aの裏面上、又は、図7(B)に示すように、チップ基板5側の平板11Aとチップ基板5側の電極14Aとの間(これは、例えば平板11Aが樹脂製のとき)、或いは、図7(C)に示すように、チップ基板5側の平板11Aの裏面上(例えば、上側の電極14A同士の間)にそれぞれ設けることができる。温度センサ10は、平板11A又は電極14A内に埋め込まれるように設けられても良い。好適には、温度センサ10は、熱電変換モジュール9の構成又は機能等(例えば、複数の熱電変換素子の分布密度等)に影響を及ぼさないかたちで設けられる。
【0037】
また、例えば、各温度センサ10は、図8に示すように、チップ基板5側の平板11Aの表面上に設けることができる。その場合は、例えば、伝熱性の高い(熱抵抗の小さい)材質から成るグリースを、少なくとも温度センサ10と接触する領域に塗ってその領域に温度センサ10を密着させ、その後、例えば可撓性を有する(一例として樹脂製の)チップ基板5を載せることによって、バイオチップ1が構成される。なお、この場合、温度センサ10は、熱電変換モジュール9の上側の平板11Aの実質的に全域に亘って設けられても良い。
【0038】
以上が、第1の実施形態に係るバイオチップ1についての説明である。なお、チップ基板5の表面には、例えば半導体製造技術を利用して、温度センサ10等としての電気回路配線や、温度センサ10や上記温度制御システム等の所定の電気機器又は素子からの出力信号を処理するための処理回路等を形成することができる。
【0039】
以上、上述した第1の実施形態に係るバイオチップ1によれば、基板の温度を検出するための複数の(又は1つの)温度センサ10、10、…が、以下の(1)〜(3)の場所、
(1)チップ基板5の内部、裏面、表面の反応チャンバ6以外の部分、又は反応チャンバ6の内面
(2)熱電変換デバイス9のバイオチップ1側の表面、
(3)熱電変換デバイス9の内部のバイオチップ1寄りの位置、
のうちの少なくとも1つの場所に備えられる。それにより、チップ基板5の温度を正確に検出することができる。
【0040】
図9(A)は、本発明の第2の実施形態に係るバイオチップ及びそれの温度調節装置の断面図であり、図9(B)は、そのバイオチップを上方から見たときの様子を示す。
【0041】
第2の実施形態に係るバイオチップ51及び温度調節装置3は、第1の実施形態に係るバイオチップ1及び温度調節装置3と構成は略同じであり(但し、図9(A)では、ファン23の図示が省略されている)、同一の構成要素については同一の参照番号が付してある。以下、重複した説明を避けるため、第1の実施形態との差異点を主に説明する。
【0042】
このバイオチップ51のチップ基板5には、例えば、複数の反応チャンバ6の分布状態或いは実験内容等に基づいて、物理的に又は仮想的に、複数の(例えば3つの)ゾーン53A、53B、53Cが設けられている。そして、複数のゾーン53A、53B、53Cに属する領域の温度(具体的には例えば、その領域内の反応チャンバ6内の温度)を個別に調節するために、複数のゾーン53A、53B、53Cにそれぞれ対応した複数の(例えば3つの)熱電変換モジュール9A、9B、9Cが設けられている(各熱電変換モジュールの構成は、図2に示したものと同じである)。また、複数の熱電変換モジュール9A、9B、9Cのそれぞれの上面又は近傍には、複数のゾーン53A、53B、53Cの温度をそれぞれ検出するための複数の(例えば3つの)温度センサ10A、10B、10Cが備えられる。なお、図示の例では、1つのゾーンに対して、熱電変換モジュール及び温度センサの数は1つであるが、熱電変換モジュール及び/又は温度センサは、1つのゾーンに対して複数個設けられても良い。
【0043】
各熱電変換モジュール9A、9B、9C、及び、各温度センサ10A、10B、10Cは、所定種類のリード線を介して、図10に示すような温度制御システム63と電気的に接続することができる、換言すれば、バイオチップ51は、温度制御システム63を用いて、各ゾーン53A、53B、53C毎に独立した温度調節を行うことができる。以下、詳述する。
【0044】
バイオチップ51の温度制御システム63は、専用の駆動回路65と、汎用のパーソナルコンピュータ69等の所定のコンピュータマシンとを備える。
【0045】
駆動回路65は、整流回路73と、モータ制御回路75と、複数の(例えば3つの)PWM(Pulse Width Modulation)スイッチング回路67A、67B、67Cと、PWMスイッチング制御回路91とを備える。
【0046】
整流回路73は、商用電源AC100Vの交流電圧を直流電圧に変換し、PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C、及びPWMスイッチング制御回路91に直流電圧を印加する。
【0047】
モータ制御回路75は、バイオチップ51のファンモータ77と接続されるものであり、商用電源の交流電圧を直流電圧に変換し、PWMスイッチング制御回路91の制御信号に基づいて、ファンモータ77に供給する電力を制御する。
【0048】
複数のPWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、複数の熱電変換モジュール9A、9B、9Cにそれぞれ電気的に接続される。すなわち、PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、個々の熱電変換モジュール9A、9B、9C毎(別の言い方をすれば、個々のゾーン53A、53B、53C毎)に用意され、PWMスイッチング制御回路91からのON/OFF信号に基づくデューティでON/OFF動作を繰り返す。つまり、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、自分に接続されている熱電変換モジュール9A、9B、9Cに流す電流の大きさを、PWM方式により制御し、それにより、その熱電変換モジュールの温度調節対象であるゾーン53A、53B、又は53Cの温度を調節する。
【0049】
PWMスイッチング制御回路91は、所定のインターフェース、例えばUSB(Universal Serial Bus)を介して、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)69に接続される。また、PWMスイッチング制御回路91は、バイオチップ51の各温度センサ10A、10B、10Cにも接続され、各温度センサ10A、10B、10Cから検出温度信号を受信し、それを、PC69に送信する。それにより、PC69において、各ゾーン53A、53B、53C(換言すれば、各熱電変換モジュール9A、9B、9C)に対応した各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cのデューティが計算され、PC69から、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティ情報を受信する。PWMスイッチング制御回路91は、PC69から受信したデューティ情報に基づいて、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cのデューティを制御する。
【0050】
PC69には、例えば、所定の温度調節ソフトウェア(コンピュータプログラム)がインストールされている。その温度調節ソフトウェアは、各ゾーン53A、53B、53C毎に、どの時点で何度に調節するかの温度調節計画情報や、各温度とPWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cの各デューティとの温度/デューティ対応関係情報等を保持している。PC69(温度調節ソフトウェア)は、各ゾーン53A、53B、53C毎の検出された温度を示す検出温度信号を駆動回路65から受信したら、例えば、各検出温度信号と、温度調節計画情報と、温度/デューティ対応関係情報とに基づいて、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティを算出する。そして、PC69は、算出された各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティを駆動回路65に送信する。
【0051】
以上が、第2の実施形態についての説明である。なお、駆動回路65は、商用電源ではなく、USBを介してPC69を電源とし、PC69から、必要となる電力の全て又は一部の供給を受けても良い。
【0052】
また、上述した温度制御システム63は、第2の実施形態に係るバイオチップ51だけでなく、第1の実施形態に係るバイオチップ1にも利用可能である。
【0053】
上述した実施形態によれば、バイオチップ51には、複数のゾーン53A、53B、53Cが設けられる。そして、各ゾーン毎に、温度センサと温度調節部(具体的には、熱電変換モジュールとPWMスイッチングコンバータ)が設けられる。各ゾーン毎に検出された温度は、温度制御システム63にフィードバックされて、温度制御システム63が、各ゾーンに対応した各PWMスイッチングコンバータ別に、デューティを制御する。それにより、各ゾーン毎に独立した温度調節が可能になる。そのため、例えば、同一の生化学反応を温度だけを違えて同時に行わせることもできるし、反応チャンバ6を連続したものにして、温度を違えて行う必要のある一連の生化学反応(例えば、x℃で反応Aを行った後に、y℃で反応Bを行い、最後に、z℃で反応Cを行うという一連の生化学反応)を行うこともできる。
【0054】
また、上述した実施形態によれば、バイオチップの温度調節のためのシステムは、病院や一般家庭等にある汎用型PC等のコンピュータと、駆動回路65があれば構築可能なので、あまり場所を選ばずに生化学反応の実験等を行え、且つ、大掛かりな装置を必要とすることなく低コストでシステムを構築することができる。
【0055】
また、上述した実施形態によれば、PWM方式を利用することにより、一つの電源で複数のゾーンの温度が制御される。それにより、低コスト且つ省スペースになる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の種々の形態でも実施することができる。例えば、PC69は、各ゾーン毎に、どの時点(時刻)又は時期で何度にするかのみを、駆動回路65のPWMスイッチング制御回路91に通知し、PWMスイッチング制御回路91が、通知された各ゾーン毎の各時点又は時期の温度に基づいて、どの時点又は時期に、どのPWMスイッチングコンバータのデューティをどのようにするかを制御しても良い。
【0057】
また、上記の実施形態においては、マイクロチップとしてバイオチップを例に挙げて説明したが、その他の化学反応を行なわせる化学プロセスチップ、化学分析チップ、環境分析チップ等の他の種類のマイクロチップに本願発明を適用することができる。また、本明細書では、「マイクロチップ」という言葉を使用しているが、それは、バイオチップ等のマイクロチップ(例えば、反応又は分析などの所定の処理を行わせるためのチャンバを備えた基体)自体の大きさを限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバイオチップとそれの温度調節装置の断面図。
【図2】熱電変換モジュールの構成を示す図。
【図3】チップ基板内部に温度センサが設けられた場合のバイオチップ及びそれの温度調節装置の断面図。
【図4】チップ基板の裏面に温度センサが設けられたバイオチップの断面図。
【図5】チップ基板の表面に温度センサが設けられたバイオチップの断面図。
【図6】(A)は、反応チャンバの底近傍に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(B)は、反応チャンバの壁面近傍に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図7】(A)は、熱電変換モジュールの上側の電極上に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(B)は、熱電変換モジュールの上側の電極と上側の平板との間に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(C)は、熱電変換モジュールの上側の平板の裏面上に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図8】熱電変換モジュールのチップ基板との接触面に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図9】(A)は、本発明の第2の実施形態に係るバイオチップの断面図。(B)は、そのバイオチップを上方から見た様子を示す図。
【図10】第2の実施形態に係るバイオチップの温度制御システムを示すブロック図。
【符号の説明】
1…バイオチップ(マイクロチップ)、2…ヒートシンク、3…温度調節装置、5…基板、6…反応チャンバ、7…蓋、9…熱電変換モジュール、10…温度センサ、23…ファン
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応チャンバを備えたマイクロチップ及びそれの温度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロチップとして、例えば、DNA等の塩基配列を決定する等の生物的又は化学的な反応(以下、「生化学反応」と総称する)を行わせる実験等に使用されるバイオチップが知られている。バイオチップは、一般に、エッチング等の方法によって、生化学反応を行わせる場所とする反応チャンバを表面に有する。
【0003】
生化学反応を行わせる実験等では、その反応時の温度が何度であるかを検出する必要があり、そのために、例えば温度検出用のセンサが使用される(特許文献1の図2の参照番号33、34)。
【0004】
また、そのような実験等では、その反応時の温度を所定の値に調節する必要があり、そのため、バイオチップを加熱又は冷却する手段が必要であるが、従来は、その手段としてペルチェ式ヒートブロックが採用されている(特許文献1の図2の参照番号31)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2001−255328号公報(図2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
生化学反応を行わせる実験等では、その反応時の温度を精度良く調節することが望まれる場合が少なくなく、そのために、バイオチップの温度を精度良く調節する必要がある。バイオチップの温度を精度良く調節するためには、そのバイオチップの温度を検出するための温度センサをどこに配置するかが一つの重要な点である。しかし、従来、温度センサは、バイオチップから離れた場所に配置されている。これでは、バイオチップの温度を正確に検出することは難しい。
【0007】
また、正確な温度検出が難しいので、精度良く温度調節を行なうことが困難である。
【0008】
また、生化学反応を行わせる実験等では、同一の反応でも温度に応じてどう違うかを見たい等の理由から、バイオチップの複数の領域を別々に温度調節したいと望まれる場合がある。しかし、従来、温度調節手段として採用されているヒートブロックは、バイオチップの領域全体にわたった広さを有し、バイオチップ全体を同時に加熱するようになっている。そのため、バイオチップの複数の領域を別々に温度調節することはできない。
【0009】
上記の課題は、バイオチップに限らず、その他のマイクロチップにも共通の課題である。
【0010】
従って、本発明の目的は、マイクロチップの温度を正確に検出することができるようにすることにある。
【0011】
本発明の別の目的は、マイクロチップの温度を正確に調節することができるようにすることにある。
【0012】
本発明の更なる目的は、マイクロチップの複数の領域を別々に温度調節することができることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
この欄の記述において、カッコ内の数字は、添付の図面に記載の要素との対応関係を例示するものであるが、これは、単なる説明のための例示にすぎず、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0014】
本発明に従うマイクロチップは、表面と裏面を有する基板(5)と、前記基板(5)に設けられた1以上の反応チャンバ(6)と、前記基板(5)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面に設けられ、前記基板(5)外へ温度検出信号を出力する1又は複数の温度センサ(10)とを備える。
【0015】
このマイクロチップによれば、マイクロチップの基板に直接的に温度センサが配置されるので、マイクロチップから離れた場所に温度センサが配置される従来に比べて、精度良く温度測定を行うことができる。
【0016】
本発明の第1の側面に従う温度調節装置は、表面と裏面を有し1以上の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の温度調節を行うためのペルチェ熱電変換デバイス(9)と、前記マイクロチップ(1)の温度を検出するための1又は複数の温度センサ(10)と
を備える。各温度センサ(10)は、以下の(A)〜(C)の場所、
(A)前記マイクロチップ(1)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面、
(B)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の前記マイクロチップ(1)側の表面、
(C)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の内部のマイクロチップ(1)寄りの位置、
のうちのいずれかの場所に配置されている。
【0017】
この温度調節装置によれば、マイクロチップの基板に直接的に温度センサが配置されるか、或いは、ペルチェ熱電変換デバイスの表面又は内部のマイクロチップ寄りの位置に配置されるので、精度良く温度測定を行うことができる。
【0018】
本発明の第2の側面に従う温度調節装置は、2以上のゾーンにそれぞれ配置された複数の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の前記2以上のゾーンの温度調節を個別に行うための2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)と、前記2以上のゾーンの温度を個別に検出するための複数の温度センサ(10)とを備える。複数の反応チャンバは、互いに独立していても良いし、一連の生化学反応を行わせる等の理由から互いに連結していても良い。
【0019】
この温度調節装置によれば、マイクロチップの2以上のゾーンの温度調節を個別に行うことができるように2以上のペルチェ熱電変換デバイスが備えられ、且つ、2以上のゾーンの温度を個別に検出することができるように複数の温度センサが配置されているので、マイクロチップの2以上のゾーンの温度を個別に検出し、それに基づいて、2以上のゾーンの温度調節を個別に行うことができる。
【0020】
好適な実施形態では、前記2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)は、互いに熱的に分離され、互いに独立して駆動可能である。
【0021】
この実施形態によれば、各ペルチェ熱電変換デバイスは、他のペルチェ熱電変換デバイスから熱的な影響を受けることなく且つ独立して駆動可能なので、より精度良くゾーン毎に温度調節することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、マイクロチップには、例えば、バイオチップ、化学プロセスチップ、化学分析チップ、及び環境分析チップ等があるが、以下、マイクロチップとしてバイオチップを例に挙げて説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るバイオチップとそれの温度調節装置の断面図である。
【0024】
バイオチップ1は、基板5を有し、基板5の下には、バイオチップ1の温度を調節するための温度調節装置3が備えられる。
【0025】
基板(以下、「チップ基板」と言う)5は、所定の材料、例えば、金属シリコン又はシリコン樹脂(例えばPDMS(polydimethylsiloxane))で作られたものであり、所定の厚さと所定形状(例えば方形又は円形)の表面及び裏面とを有する平板になっている。チップ基板5は、撓むことができるものであっても良いし、撓むことができない剛性のものであっても良い。チップ基板5の表面(又は内部或いは裏面)には、エッチング等の方法により、生化学反応等を起こさせる場所としての反応チャンバ6が設けられている。反応チャンバ6は、どのような形状であっても良い(例えば、複数のスポット状の孔、紙面表裏に走る所定長さの複数の溝、或いは、例えばサーペンタイン状になった1又は複数の流路等であっても良い)。また、チップ基板5の表面には、反応チャンバ6内の検体を保護する等の理由により、所定材料(例えばガラス又はPDMS製)の蓋7を、チップ基板5の表面上に空気が入り込まないようチップ基板5に密着させることができる。
【0026】
温度調節装置3は、複数(又は1つ)の熱電変換モジュール9、9、…と、ヒートシンク2と、ファン23とを備える。
【0027】
複数の熱電変換モジュール9は、チップ基板5とヒートシンク2との間で、例えば一定の間隔又は不規則な間隔で、例えばチップ基板5の1又は複数の反応チャンバ6を有する領域の実質的に全域(又は一部)にわたって配置されている。各熱電変換モジュール9は、図2に示すように、2次元配列された複数の熱電変換素子(13、13、…)、(19、19、…)と、それら複数の熱電変換素子を電気的に接続して両側の熱交換面を構成している複数の電極(14A、14A、…)、(14B、14B、…)とを持ち、それらが2枚の平板11A、11Bの間に挟まれた構成となっている。具体的に言うと、上側の薄型の平板(例えばセラミックス板又はポリイミド樹脂から成るシート箔)11Aの裏面上に備えられている上側の電極(例えば銅板又は銅箔)14A、14A、…の各々に、1つのP型半導体素子19と1つのN型半導体素子13が半田付けされたパイ型のユニット形成されており、更に、各パイ型ユニットのP型半導体素子19とその隣のパイ型ユニットのN型半導体素子13とが、下側の平板11Bの表面に備えられている下側の電極14B、14B、…の各々に半田付けされている。こうして、複数のP型半導体素子19、19、…と複数のN型半導体素子13、13、…が上側と下側の電極(14A、14A、…)、(14B、14B、…)によって電気的に直列に接続されている。そして、このP型半導体素子19、19、…とN型半導体素子13、13、…の直列接続体に直流電流を流すと、電流の方向に応じて、上側の面(上側熱交換面)で吸熱し、下側の面(下側熱交換面)で放熱をするか、又は下側熱交換面で吸熱し、上側熱交換面で放熱をする。具体的には、直流電流がP型半導体素子19側からN型半導体素子13に向かって流れている電極ではペルチェ効果により発熱が、逆にN型からP型へと流れている電極では吸熱がそれぞれ生じる。このような構成を有する各熱電変換モジュール9は、図1に示すように、その表面(具体的には、上側の平板11Aの表面)がチップ基板7の裏面に、また、その裏面(具体的には下側の平板11Bの裏面)がヒートシンク2の表面に、所定の方法、例えば、所定の材料(例えばポリイミド製の樹脂又は伝熱性に優れた材料)から成る接着剤を用いる又は半田付けをする方法により接着されている(熱電変換モジュール9の上側の平板11Aが接着剤シートであれば、その接着剤シートにより直接的に接着されても良い)。なお、各熱電変換モジュール9は、1段でも良いし多段でも良い。
【0028】
ヒートシンク2は、各熱電変換モジュール9の下側熱交換面から放たれた熱を外気へ放熱するためのフィンである(外気から吸熱するのに使用されても良い)。そして、そのフィンの下方には、各熱電変換モジュール9から放たれた熱の放散を助けるためのファン23が設けられている。
【0029】
なお、例えば、必ずしもファン23は備えられなくても良い。
【0030】
また、例えば、ヒートシンクは、上記のように空冷ではなく水冷のための装置であっても良い。具体的には、例えば、ヒートシンクは、所定の材料(例えばアルミニウム等の金属)から構成された所定形状(例えば方形又は円形)の表面及び裏面を有する平板状のブロックである。そのヒートシンクの内部には、熱媒流体(例えば冷却水)が流れる流路を有し、その熱媒流体によって、上面にある各熱電変換モジュール9から放たれた熱を奪うことができるようになっている。その流路は、例えば、容積を有する単純な空洞であっても良いし、サーペンタイン状になった長いものであっても良い。また、その流路は、例えば、機械加工により金属製のブロック内に形成されたものであっても良いし、例えばサーペンタイン状に曲げられたパイプが金属製のブロックに組み込まれたものであっても良い。
【0031】
以上のような、バイオチップ1には、バイオチップ1のチップ基板5の温度を検出するための複数個(又は1個)の温度センサが備えられる。格別図示しないが、各温度センサは、各熱電変換モジュール9に電流を流すための所定の温度制御システム(例えば、後述するコンピュータマシンと駆動回路とを含んだシステム)と電気的に接続されており、その温度制御システムに、自分が検出した温度を表す電気信号(以下、「検出温度信号」と言う)を出力するようになっている。各温度センサは、例えば、白金センサ(例えば、数十μm×数十μm程度の大きさ)、サーミスタ(例えば、0.5mm×0.5mm程度の大きさ)、熱電対(例えば、0.1mm×0.1mm程度の大きさ)、温度依存性の金属から成る抵抗パターン(例えばフィルム状の温度センサ)等、種々のものを採用可能である。
【0032】
複数の温度センサ10、10、…は、例えば、図3に示すように、埋め込み等の方法により、温度センサ10をチップ基板5の内部に設けることができる。具体的には、例えば、チップ基板5がPDMSである場合、そのチップ基板5の製造過程において、PDMSの硬化前の、所定の金型(液槽)内でPDMSが液状になっているとき(具体的には例えば所定の粘度を有する状態になっているとき)、温度センサ10をその液状のPDMSに入れて、その後にPDMSを硬化させる。それにより、図3に示すように、温度センサ10をチップ基板(つまりPDMS)5の内部、例えば、反応チャンバ6の近傍に設けることができる。なお、温度センサ10、10、…は、例えば、一部領域(一例として、反応チャンバ6の近傍)に集中的に設けられていても良いし、チップ基板5内の全体にわたって均等に設けられていても良い。また、温度センサ10、10、…は、チップ基板5の表面又は裏面の近傍に設けられていても良い。
【0033】
また、例えば、複数の温度センサ10、10、…は、図4に示すように、チップ基板5の裏面上に設ける(例えば接着剤により貼り付ける)ことができる。なお、その場合、温度センサ10は、裏面に載っている状態でも良いし、一部が又は完全に埋まっている状態でも良い。また、温度センサ10は、裏面の実質的に全域に亘って設けられても良い。
【0034】
さらに、例えば、複数の温度センサ10、10、…は、図5に示すように、チップ基板5の表面上(反応チャンバ6と反応チャンバ6との間の部分を含む)に設けることができる。その場合、温度センサ10は、表面に載っている状態でも良いし、一部が又は完全に埋まっている状態でも良い。
【0035】
また、例えば、各温度センサ10は、図6(A)に示すように、チップ基板5の表面に設けられている反応チャンバ6の底又はその近傍、或いは、図6(B)に示すように、反応チャンバ6内壁面又はその近傍に設けることができる(すなわち、反応チャンバ6の内面に設けることができる)。なお、その際、例えば、反応チャンバ6と温度センサ10との間には、伝熱性に優れた(つまり熱抵抗の小さい)材料で作られた絶縁膜31が介在される。
【0036】
さらに、例えば、各温度センサ10は、各熱電変換モジュールの内部、具体的には、例えば、図7(A)に示すように、上側の(チップ基板5側の)電極14Aの裏面上、又は、図7(B)に示すように、チップ基板5側の平板11Aとチップ基板5側の電極14Aとの間(これは、例えば平板11Aが樹脂製のとき)、或いは、図7(C)に示すように、チップ基板5側の平板11Aの裏面上(例えば、上側の電極14A同士の間)にそれぞれ設けることができる。温度センサ10は、平板11A又は電極14A内に埋め込まれるように設けられても良い。好適には、温度センサ10は、熱電変換モジュール9の構成又は機能等(例えば、複数の熱電変換素子の分布密度等)に影響を及ぼさないかたちで設けられる。
【0037】
また、例えば、各温度センサ10は、図8に示すように、チップ基板5側の平板11Aの表面上に設けることができる。その場合は、例えば、伝熱性の高い(熱抵抗の小さい)材質から成るグリースを、少なくとも温度センサ10と接触する領域に塗ってその領域に温度センサ10を密着させ、その後、例えば可撓性を有する(一例として樹脂製の)チップ基板5を載せることによって、バイオチップ1が構成される。なお、この場合、温度センサ10は、熱電変換モジュール9の上側の平板11Aの実質的に全域に亘って設けられても良い。
【0038】
以上が、第1の実施形態に係るバイオチップ1についての説明である。なお、チップ基板5の表面には、例えば半導体製造技術を利用して、温度センサ10等としての電気回路配線や、温度センサ10や上記温度制御システム等の所定の電気機器又は素子からの出力信号を処理するための処理回路等を形成することができる。
【0039】
以上、上述した第1の実施形態に係るバイオチップ1によれば、基板の温度を検出するための複数の(又は1つの)温度センサ10、10、…が、以下の(1)〜(3)の場所、
(1)チップ基板5の内部、裏面、表面の反応チャンバ6以外の部分、又は反応チャンバ6の内面
(2)熱電変換デバイス9のバイオチップ1側の表面、
(3)熱電変換デバイス9の内部のバイオチップ1寄りの位置、
のうちの少なくとも1つの場所に備えられる。それにより、チップ基板5の温度を正確に検出することができる。
【0040】
図9(A)は、本発明の第2の実施形態に係るバイオチップ及びそれの温度調節装置の断面図であり、図9(B)は、そのバイオチップを上方から見たときの様子を示す。
【0041】
第2の実施形態に係るバイオチップ51及び温度調節装置3は、第1の実施形態に係るバイオチップ1及び温度調節装置3と構成は略同じであり(但し、図9(A)では、ファン23の図示が省略されている)、同一の構成要素については同一の参照番号が付してある。以下、重複した説明を避けるため、第1の実施形態との差異点を主に説明する。
【0042】
このバイオチップ51のチップ基板5には、例えば、複数の反応チャンバ6の分布状態或いは実験内容等に基づいて、物理的に又は仮想的に、複数の(例えば3つの)ゾーン53A、53B、53Cが設けられている。そして、複数のゾーン53A、53B、53Cに属する領域の温度(具体的には例えば、その領域内の反応チャンバ6内の温度)を個別に調節するために、複数のゾーン53A、53B、53Cにそれぞれ対応した複数の(例えば3つの)熱電変換モジュール9A、9B、9Cが設けられている(各熱電変換モジュールの構成は、図2に示したものと同じである)。また、複数の熱電変換モジュール9A、9B、9Cのそれぞれの上面又は近傍には、複数のゾーン53A、53B、53Cの温度をそれぞれ検出するための複数の(例えば3つの)温度センサ10A、10B、10Cが備えられる。なお、図示の例では、1つのゾーンに対して、熱電変換モジュール及び温度センサの数は1つであるが、熱電変換モジュール及び/又は温度センサは、1つのゾーンに対して複数個設けられても良い。
【0043】
各熱電変換モジュール9A、9B、9C、及び、各温度センサ10A、10B、10Cは、所定種類のリード線を介して、図10に示すような温度制御システム63と電気的に接続することができる、換言すれば、バイオチップ51は、温度制御システム63を用いて、各ゾーン53A、53B、53C毎に独立した温度調節を行うことができる。以下、詳述する。
【0044】
バイオチップ51の温度制御システム63は、専用の駆動回路65と、汎用のパーソナルコンピュータ69等の所定のコンピュータマシンとを備える。
【0045】
駆動回路65は、整流回路73と、モータ制御回路75と、複数の(例えば3つの)PWM(Pulse Width Modulation)スイッチング回路67A、67B、67Cと、PWMスイッチング制御回路91とを備える。
【0046】
整流回路73は、商用電源AC100Vの交流電圧を直流電圧に変換し、PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C、及びPWMスイッチング制御回路91に直流電圧を印加する。
【0047】
モータ制御回路75は、バイオチップ51のファンモータ77と接続されるものであり、商用電源の交流電圧を直流電圧に変換し、PWMスイッチング制御回路91の制御信号に基づいて、ファンモータ77に供給する電力を制御する。
【0048】
複数のPWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、複数の熱電変換モジュール9A、9B、9Cにそれぞれ電気的に接続される。すなわち、PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、個々の熱電変換モジュール9A、9B、9C毎(別の言い方をすれば、個々のゾーン53A、53B、53C毎)に用意され、PWMスイッチング制御回路91からのON/OFF信号に基づくデューティでON/OFF動作を繰り返す。つまり、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cは、自分に接続されている熱電変換モジュール9A、9B、9Cに流す電流の大きさを、PWM方式により制御し、それにより、その熱電変換モジュールの温度調節対象であるゾーン53A、53B、又は53Cの温度を調節する。
【0049】
PWMスイッチング制御回路91は、所定のインターフェース、例えばUSB(Universal Serial Bus)を介して、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と略記する)69に接続される。また、PWMスイッチング制御回路91は、バイオチップ51の各温度センサ10A、10B、10Cにも接続され、各温度センサ10A、10B、10Cから検出温度信号を受信し、それを、PC69に送信する。それにより、PC69において、各ゾーン53A、53B、53C(換言すれば、各熱電変換モジュール9A、9B、9C)に対応した各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cのデューティが計算され、PC69から、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティ情報を受信する。PWMスイッチング制御回路91は、PC69から受信したデューティ情報に基づいて、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cのデューティを制御する。
【0050】
PC69には、例えば、所定の温度調節ソフトウェア(コンピュータプログラム)がインストールされている。その温度調節ソフトウェアは、各ゾーン53A、53B、53C毎に、どの時点で何度に調節するかの温度調節計画情報や、各温度とPWMスイッチングコンバータ67A、67B、67Cの各デューティとの温度/デューティ対応関係情報等を保持している。PC69(温度調節ソフトウェア)は、各ゾーン53A、53B、53C毎の検出された温度を示す検出温度信号を駆動回路65から受信したら、例えば、各検出温度信号と、温度調節計画情報と、温度/デューティ対応関係情報とに基づいて、各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティを算出する。そして、PC69は、算出された各PWMスイッチングコンバータ67A、67B、67C毎のデューティを駆動回路65に送信する。
【0051】
以上が、第2の実施形態についての説明である。なお、駆動回路65は、商用電源ではなく、USBを介してPC69を電源とし、PC69から、必要となる電力の全て又は一部の供給を受けても良い。
【0052】
また、上述した温度制御システム63は、第2の実施形態に係るバイオチップ51だけでなく、第1の実施形態に係るバイオチップ1にも利用可能である。
【0053】
上述した実施形態によれば、バイオチップ51には、複数のゾーン53A、53B、53Cが設けられる。そして、各ゾーン毎に、温度センサと温度調節部(具体的には、熱電変換モジュールとPWMスイッチングコンバータ)が設けられる。各ゾーン毎に検出された温度は、温度制御システム63にフィードバックされて、温度制御システム63が、各ゾーンに対応した各PWMスイッチングコンバータ別に、デューティを制御する。それにより、各ゾーン毎に独立した温度調節が可能になる。そのため、例えば、同一の生化学反応を温度だけを違えて同時に行わせることもできるし、反応チャンバ6を連続したものにして、温度を違えて行う必要のある一連の生化学反応(例えば、x℃で反応Aを行った後に、y℃で反応Bを行い、最後に、z℃で反応Cを行うという一連の生化学反応)を行うこともできる。
【0054】
また、上述した実施形態によれば、バイオチップの温度調節のためのシステムは、病院や一般家庭等にある汎用型PC等のコンピュータと、駆動回路65があれば構築可能なので、あまり場所を選ばずに生化学反応の実験等を行え、且つ、大掛かりな装置を必要とすることなく低コストでシステムを構築することができる。
【0055】
また、上述した実施形態によれば、PWM方式を利用することにより、一つの電源で複数のゾーンの温度が制御される。それにより、低コスト且つ省スペースになる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、他の種々の形態でも実施することができる。例えば、PC69は、各ゾーン毎に、どの時点(時刻)又は時期で何度にするかのみを、駆動回路65のPWMスイッチング制御回路91に通知し、PWMスイッチング制御回路91が、通知された各ゾーン毎の各時点又は時期の温度に基づいて、どの時点又は時期に、どのPWMスイッチングコンバータのデューティをどのようにするかを制御しても良い。
【0057】
また、上記の実施形態においては、マイクロチップとしてバイオチップを例に挙げて説明したが、その他の化学反応を行なわせる化学プロセスチップ、化学分析チップ、環境分析チップ等の他の種類のマイクロチップに本願発明を適用することができる。また、本明細書では、「マイクロチップ」という言葉を使用しているが、それは、バイオチップ等のマイクロチップ(例えば、反応又は分析などの所定の処理を行わせるためのチャンバを備えた基体)自体の大きさを限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバイオチップとそれの温度調節装置の断面図。
【図2】熱電変換モジュールの構成を示す図。
【図3】チップ基板内部に温度センサが設けられた場合のバイオチップ及びそれの温度調節装置の断面図。
【図4】チップ基板の裏面に温度センサが設けられたバイオチップの断面図。
【図5】チップ基板の表面に温度センサが設けられたバイオチップの断面図。
【図6】(A)は、反応チャンバの底近傍に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(B)は、反応チャンバの壁面近傍に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図7】(A)は、熱電変換モジュールの上側の電極上に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(B)は、熱電変換モジュールの上側の電極と上側の平板との間に温度センサが設けられたときの様子を示す図。(C)は、熱電変換モジュールの上側の平板の裏面上に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図8】熱電変換モジュールのチップ基板との接触面に温度センサが設けられたときの様子を示す図。
【図9】(A)は、本発明の第2の実施形態に係るバイオチップの断面図。(B)は、そのバイオチップを上方から見た様子を示す図。
【図10】第2の実施形態に係るバイオチップの温度制御システムを示すブロック図。
【符号の説明】
1…バイオチップ(マイクロチップ)、2…ヒートシンク、3…温度調節装置、5…基板、6…反応チャンバ、7…蓋、9…熱電変換モジュール、10…温度センサ、23…ファン
Claims (4)
- 表面と裏面を有する基板(5)と、
前記基板(5)に設けられた1以上の反応チャンバ(6)と、
前記基板(5)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面に設けられ、前記基板(5)外へ温度検出信号を出力する1又は複数の温度センサ(10)と
を備えるマイクロチップ。 - 表面と裏面を有し1以上の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、
マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の温度調節を行うためのペルチェ熱電変換デバイス(9)と、
前記マイクロチップ(1)の温度を検出するための1又は複数の温度センサ(10)と
を備え、各温度センサ(10)は、以下の(A)〜(C)の場所、
(A)前記マイクロチップ(1)の内部、裏面及び表面の前記反応チャンバ(6)以外の部分、又は前記反応チャンバ(6)の内面、
(B)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の前記マイクロチップ(1)側の表面、
(C)前記ペルチェ熱電変換デバイス(9)の内部のマイクロチップ(1)寄りの位置、
のうちのいずれかの場所に配置されている、
温度調節装置。 - 2以上のゾーンにそれぞれ配置された複数の反応チャンバ(6)を備えるマイクロチップ(1)の温度調節装置であって、
マイクロチップ(1)が載置されるようになっており、前記マイクロチップ(1)の前記2以上のゾーンの温度調節を個別に行うための2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)と、
前記2以上のゾーンの温度を個別に検出するための複数の温度センサ(10)と
を備える温度調節装置。 - 前記2以上のペルチェ熱電変換デバイス(9)は、互いに熱的に分離され、互いに独立して駆動可能である、
請求項3記載の温度調節装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003074106A JP2004279340A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | マイクロチップ及びそれの温度調節装置 |
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