JP6224853B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
図2(a)は、一般的な積層セラミックコンデンサを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図、(d)は、(a)におけるカバー層付近(A部)を拡大した概略断面図である。
積層セラミックコンデンサ100は、静電容量を発現する容量部101と、容量部101の両端部に設けられた外部電極103とから構成されている。
容量部101は、誘電体セラミック層105と内部電極層107とが交互に積層され構成された有効誘電体部109と、有効誘電体部109の上下面に設けられ、誘電体セラミック層105と同様の主成分を含むカバー層111とを備えた構成となっている。
近年、積層セラミックコンデンサは、携帯情報機器の小型化および高性能化に伴い、ますます小型化および高容量化が求められている。
この目的のために、積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層105の薄層化や誘電体材料の高誘電率化が検討されているが、この他に、容量部101を構成するカバー層111の厚みを薄くして有効誘電体部109の体積比率を大きくすることも試みられている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011−129841号公報
積層セラミックコンデンサは、電圧が印加されると、容量部101が積層方向に伸びる電歪効果が発生するが、通常、有効誘電体部109の周囲に設けられているカバー層111は有効誘電体部109に比較して内部電極層107を有していない分、焼結性が低く、カバー層111内のセラミック粒子113間に多くの空隙115を有している。
カバー層111がこのような磁器組織を有していることから、カバー層111の厚みが薄い場合には、有効誘電体部109の電歪効果による積層方向の伸びを抑える力が弱くなり、有効誘電体部109の歪が大きくなる。
有効誘電体部109の歪が大きくなると、有効誘電体部109内の歪みが集中した部分に電界が集中するようになり、その結果、積層セラミックコンデンサは絶縁破壊電圧(BDV)が低くなってしまう。
従って、本発明の目的は、絶縁破壊電圧を高めることのできる積層セラミックコンデンサを提供することにある。
本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成された有効誘電体部と、該有効誘電体部の上下面に設けられたカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記カバー層はセラミック粒子を主体として含むとともに、ガラス粒子を含んでおり、該ガラス粒子の一部は前記セラミック粒子間に形成された空隙内に存在しているものである。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサの絶縁破壊電圧を高めることができる。
(a)は、本発明の積層セラミックコンデンサの一実施形態を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。(d)は、(a)におけるカバー層付近(A部)を拡大した概略断面図である。 (a)は、従来の積層セラミックコンデンサを模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。(d)は、(a)におけるカバー層付近(A部)を拡大した概略断面図である。
図1(a)は、本発明の積層セラミックコンデンサの一実施形態を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。(d)は、(a)におけるカバー層付近(A部)を拡大した概略断面図である。
本実施形態の積層セラミックコンデンサは、静電容量の発現に寄与する部位である容量部1と、容量部1の対向する両端部に設けられた外部電極3とを有している。
容量部1は、誘電体セラミック層5と内部電極層7とを交互に積層して構成された有効誘電体部9と、有効誘電体部9の上下面に設けられたセラミック製のカバー層11とを備えている。
カバー層11は、セラミック粒子13を主体として含むとともに、ガラス粒子15を含んでおり、カバー層11の断面においてガラス粒子15の一部はセラミック粒子13間に形成された空隙17内に存在している。この場合、ガラス粒子15は、カバー層11を断面視したときに、空隙17内に丁度嵌った状態である。
本実施形態の積層セラミックコンデンサによれば、カバー層11内に含まれるガラス成分がガラス粒子15として、カバー層11の内部に形成された空隙17内に存在していることから、カバー層11に多くの空隙17を有する従来構造のカバー層よりも機械的強度を高めることができる。
これにより、積層セラミックコンデンサに電圧が印加されて、有効誘電体部9に電歪効果が発生した場合にも有効誘電体部9の積層方向への伸びを抑えることができる。
こうして、有効誘電体部9に発生する歪が小さくなり、有効誘電体部9内で電界が集中し難くなり、その結果、絶縁破壊電圧(BDV)の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、この積層セラミックコンデンサはカバー層11が緻密であることから耐湿負荷試験による寿命を高めることもできる。
ここで、空隙17とは、2個のセラミック粒子13間に形成される二面間粒界や3個のセラミック粒子13間に形成される三重点粒界の空隙とは異なり、これよりも多い数のセラミック粒子13に囲まれて形成されている空隙17のことを言い、輪郭が四角形状以上の多角形あるいは円形状となっているものを言う。
そして、ガラス粒子15は、このような形状を有する空隙17の輪郭の内側に存在し、カバー層11の内部に形成された空隙17の内壁と少なくともガラス粒子15の一部の表面同士が焼結した状態にある。言い換えると、カバー層11を構成しているガラス粒子15は粒子状を成し、空隙17を埋めるように存在している。ここで、ガラス粒子15とは、ガラス(非晶質)状のものだけでなく、酸化ケイ素を主成分とするものであれば、結晶質のものも含まれることを意味する。
カバー層11が設けられた有効誘電体部9の上下面とは、有効誘電体部9の積層方向の上面側および下面側のことである。また、セラミック粒子13を主体として含むとは、有効誘電体部9を占めるセラミック粒子13の体積比率が80%以上であるものを言う。セラミック粒子13の体積比率は、有効誘電体部9の断面写真を用いて得られるセラミック粒子13の面積の比率を対応させて求める。この場合、セラミック粒子13の面積の比率を求めたときにも、その比率は80%以上となるものに対応する。
本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、ガラス粒子15の平均粒径は、絶縁破壊電圧を高められるという点で200〜500nmであることが望ましい。
また、この積層セラミックコンデンサでは、カバー層11の縦断面において、セラミック粒子13の平均粒径をDとし、ガラス粒子15の平均粒径をDとしたときに、D/Dが0.5〜2であることが望ましい。カバー層11内において、ガラス粒子15のサイズがセラミック粒子13と同等になることから、カバー層11中に形成されている空隙17のサイズにほぼ等しいものとなり、これにより空隙率が低くなり、その結果、絶縁破壊電圧とともに耐湿性をさらに高めることができる。
さらに、このカバー層11の縦断面において、ガラス粒子15はセラミック粒子13よりもアスペクト比が大きいことが望ましい。ガラス粒子15が細長い形状であることによってカバー層11に亀裂が発生した場合にも亀裂の進展を抑えることができる。これによりカバー層11の機械的強度が向上し、絶縁破壊電圧をさらに高めることができる。この場合、アスペクト比が大きいとは、ガラス粒子15のアスペクト比とセラミック粒子13のアスペクト比との差が0.2以上である場合を言い、その差が0.1以下の場合には同等とする。
カバー層11中に含まれるガラス粒子15の平均粒径は、積層セラミックコンデンサの断面観察によって得られた写真を解析して求める。この場合、カバー層11を観察した写真の領域において、空隙17の開口部にガラス粒子15が露出している箇所について、空隙17の輪郭の面積を求め、求めた面積を円に換算し、求めた直径を粒径とする。これを撮影した写真の所定の範囲内に存在する複数個のガラス粒子15について測定し、平均値を求める。セラミック粒子13の平均粒径についても同じ写真から同様の方法を用いて求める。
また、この積層セラミックコンデンサでは、カバー層11の縦断面において、ガラス粒子15の存在している空隙17の面積の比率が、カバー層11の縦断面において、単位面積当たりで17〜39%であることが望ましい。また、カバー層11の縦断面におけるガラス粒子15の存在していない空隙17の面積の比率は単位面積当たりで4%以下であることが望ましい。ここで、空隙17内にガラス粒子15が存在しているか否かは、カバー層11の一つの断面においてガラス粒子15が存在しているか否かで判断する。
また、カバー層11の空隙率(空隙17の面積比率)と有効誘電体部9を構成する誘電体セラミック層5の空隙率(空隙17の面積比率)との差が2%以下であることが望ましい。さらには、カバー層11の縦断面において、ガラス粒子15の存在していない空隙17とガラス粒子15の存在している空隙17との合計面積に対するガラス粒子15の存在している空隙17の面積の比率は単位面積当たりで80%以上であることが望ましい。ガラス粒子15の存在している空隙17の面積の比率とガラス粒子の存在していない空隙17の面積の比率とを上記の範囲にすることにより積層セラミックコンデンサの絶縁破壊電圧と耐湿性(耐湿負荷特性)とをさらに向上させることができる。
本実施形態の積層セラミックコンデンサを構成する誘電体セラミック層5およびカバー層11の材料としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛および二酸化チタン等から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物または複合酸化物が好ましい。これらの材料の熱膨張係数としては9×10−6〜11×10−6/℃であるのが良い。
また、内部電極層7の材料としては、ニッケル、銅、パラジウムおよび銀から選ばれる1種の金属もしくはこれらの合金を適用することが好ましい。これらの金属の熱膨張係数としては10×10−6〜20×10−6/℃であることが望ましい。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、内部電極層7の平均厚みは有効誘電体部9の積層方向の中央部よりもカバー層11側に近いほど薄くなっていることが望ましい。カバー層11側の内部電極層7の平均厚みが薄くなっていると、内部電極層7による熱膨張に起因した有効誘電体部9の積層方向への伸びをカバー層11近傍で小さくすることができることから、有効誘電体部9に発生する歪をさらに小さくすることができる。これにより積層セラミックコンデンサの絶縁破壊電圧(BDV)をさらに高めることができる。
上述した構成を有する積層セラミックコンデンサとしては、誘電体セラミック層5の平均厚みが0.5〜3μm、内部電極層7の平均厚みが0.2〜2μmであり、また、有効誘電体部9における内部電極層7の積層数が100層以上、カバー層11の厚みが有効誘電体部9の積層方向の厚みを1としたときに0.02以下である薄層、高積層のものに適している。
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサを製造する方法について説明する。まず、誘電体セラミック層5およびカバー層11の材料として、例えば、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粉末を準備し、これに有機ビヒクルを加えてセラミックスラリを調製し、次いで、ドクターブレード法またはダイコータ法などのシート成形法を用いてセラミックグリーンシートを作製する。このとき、カバー層11用のセラミックグリーンシートには誘電体セラミック層5用のセラミックグリーンシートよりも平均粒径の大きいガラス粉末を添加する。
ガラス粒子の平均粒径およびガラス粒子のアスペクト比を変化させる際には、用いるガラス粉末の平均粒径を変化させる。カバー層11における、空隙の面積の比率やガラス粒子の存在している空隙の面積の比率を変化させる際には、セラミックグリーンシートに含ませるガラス粉末の含有量を変化させるようにする。
次に、内部電極層7用にニッケルや銅を主成分として含む導体ペーストを調製する。次に、導体ペーストを用いてセラミックグリーンシートの主面上に矩形状の内部電極パターンの形成されたパターンシートを形成する。
次に、パターンシートを複数層重ねてコア積層体を形成し、次いで、このコア積層体の上下面に導体パターンを形成していないセラミックグリーンシートを所定の枚数だけ重ね、加圧加熱処理を行って容量部1となる積層体を複数個有する母体積層体を形成する。
次に、この母体積層体を切断することにより積層体にする。次に、作製した積層体を所定の条件にて焼成することにより容量部1を作製する。
次に、焼成により得られた容量部1の内部電極層7が露出した端面を含む端部に外部電極3を形成し、必要に応じてニッケルめっき膜およびスズめっき膜を形成して積層セラミックコンデンサを完成させる。
以下、具体的に積層セラミックコンデンサを作製し、評価を行った。まず、誘電体セラミック層用およびカバー層用の材料として、以下の誘電体粉末を調製した。誘電体粉末の原料粉末として、チタン酸バリウム粉末、MgO粉末、Y粉末およびMnCO粉末を準備した。これらの各種粉末を、チタン酸バリウム粉末量を100モルとしたときに、MgO粉末を2モル、Y粉末を0.5モル、MnCO粉末を0.5モル添加し、さらに、チタン酸バリウム粉末100質量部に対して、ガラス粉末(SiO=55,BaO=20,CaO=15,LiO=10(モル%))を1質量部添加して誘電体粉末を調製した。このとき、誘電体セラミック層用のセラミックグリーンシートには平均粒径が100nmのガラス粉末を適用し、カバー層用のセラミックグリーンシートには表1に示した平均粒径のガラス粉末を適用した。この場合、カバー層用のセラミックグリーンシートに適用したガラス粉末のうち、平均粒径が200nm以上のものは焼成後においても同じ平均粒径のガラス粒子として存在していた。平均粒径が100nmのものは焼成後において変形しつつわずかに溶解し、ガラス粒子の平均粒径は110nm程度であったが、平均粒径が50nmのものについては、溶解して空隙中に粒子状のかたちで残っていなかった。セラミックグリーンシートに用いるチタン酸バリウム粉末としては、誘電体セラミック層用およびカバー層用ともに、平均粒径が100nmのものを用いた。
次に、湿式混合した誘電体粉末を、ポリビニルブチラール樹脂を溶解させたトルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径1mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により平均厚みが1μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、このセラミックグリーンシートの上面に矩形状の内部電極パターンを形成してパターンシートを形成した。内部電極パターンを形成するための導体ペーストは、Ni粉末45質量%に対して、共材としてチタン酸バリウム粉末を20重量%と、エチルセルロース5質量%およびオクチルアルコール95質量%からなる有機ビヒクル30質量%を3本ロールで混練したものを用いた。
なお、試料No.7については、有効誘電体部となる積層体の上面側および下層側5層に、他のパターンシートよりも内部電極パターンの厚みを薄くしたものを適用した。この場合、印刷用スクリーンとして、開口率が他のパターンシートに用いた印刷用スクリーンの開口率を1としたときに0.8の比率となるものを用いた。
次に、作製したパターンシートを500層重ね、次いで、この積層体の上下面にそれぞれ内部電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを重ね、加圧加熱処理を行って容量部となる積層体を複数個有する母体積層体を形成した。この後、この母体積層体を、所定の寸法に切断して積層体を形成した。
次に、作製した積層体を大気中にて脱脂した後、水素−窒素の混合ガス雰囲気にて酸素分圧が10−8Paの条件にて1280℃で2時間の焼成を行い、容量部を作製した。なお、試料No.8については、他の試料の場合よりも温度を10℃ほど上げて焼成を行った。
作製した容量部のサイズは1005型に相当するものであり、そのサイズはおおよそ、0.95mm×0.48mm×0.48mmであった。また、誘電体セラミック層の平均厚みは0.7μm、有効誘電体部の内部電極層の1層の平均厚みは0.6μmであった。カバー層の平均厚みは40μmであった。試料No.7の有効誘電体部の最上層から5層および最下層から5層に位置する内部電極層の1層の平均厚みは0.5μmであった。
これら誘電体セラミック層および内部電極層の1層の平均厚みは、積層セラミックコンデンサを構成する有効誘電体部の断面の積層方向の上層、中層および下層における誘電体セラミック層および内部電極層の両端部(端から1μmほど内側)および中央部(計9箇所)を測定し、平均値から求めた。
次に、作製した容量部の端部に銅ペーストを塗布し、約800℃条件で加熱して外部電極を形成した。
次に、この外部電極の表面に、順に、電解めっき法によりNiメッキ膜およびSnメッキ膜を形成して積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、作製した積層セラミックコンデンサについて以下の評価を行った。カバー層中に含まれるガラス粒子およびセラミック粒子の平均粒径は、作製した積層セラミックコンデンサを断面観察して得られた写真を解析して求めた。この場合、ガラス粒子については、カバー層を観察した写真の中の1箇所を選び、2μm×2μmの領域において、ガラス粒子が開口部に露出している空隙の面積を求め、求めた面積から円に換算したときの直径を求め、粒径とし、これを複数個について測定し、平均値を求めた。セラミック粒子についても同じ領域に含まれる各セラミック粒子の面積を求め、求めた面積を円に換算したときの直径を同様に求め、粒径とし、これを複数個について測定し、平均値を求めた。セラミック粒子の平均粒径は、作製したいずれの試料も0.22μm(220nm)であった。
また、平均粒径を求めたガラス粒子およびセラミック粒子について、最大径とこれに垂直な方向の幅(短径)との比からアスペクト比を求め、ガラス粒子とセラミック粒子との間でどちらのアスペクト比が大きいか評価した。この場合、アスペクト比の違いが0.1以下であるものは同じと判定した。
また、同じ写真から、ガラス粒子が存在していない空隙の面積の比率(表1における(A))およびガラス粒子が存在している空隙の面積の比率(表1における(B))をカバー層の単位面積当たりの値として求め、さらにこれらの値からガラス粒子が存在している空隙の面積の割合(表1における(C))を求めた。なお、表1における(C)はガラス粒子が存在していない空隙の面積とガラス粒子が存在している空隙の面積との間の関係(C=B/(A+B))として求めたものである。
絶縁破壊電圧は、抵抗計を用いて測定した。絶縁破壊電圧の試料数は10個とし、その平均値を求めた。表1に示す絶縁破壊電圧は誘電体セラミック層の平均厚みに対する値である。
耐湿負荷試験は、65℃、65%RH、印加電圧6.3Vにおいて100時間放置した後に絶縁抵抗を測定して求めた。試料数は表1に示すように、100個とし、絶縁抵抗が10Ω以下となったものを不良とした。
静電容量は、LCRメータ(ヒューレットパッカード社製)を用いて、温度25℃、周波数1.0kHz、AC電圧を1.0V/μmとして測定した。このときの測定においてショート率も同時に求めた。
Figure 0006224853
Figure 0006224853
表1、2の結果から明らかなように、カバー層内に含まれるガラス粒子の一部がセラミック粒子間に形成された空隙内に存在している試料(試料No.2〜7、9および10)では、絶縁破壊電圧が80V/μm以上であった。また、耐湿負荷試験での不良数も6個以下であった。
この中で、ガラス粒子の平均粒径が200〜500nmである試料(試料No.3〜7および10)では、絶縁破壊電圧が100V/μm以上であり、耐湿負荷試験での不良数がいずれも0個であった。また、これらの試料(試料No.3〜7および10)は、ガラス粒子が存在している空隙の面積の割合(表1における(C))が単位面積当たり80%以上であった。
また、内部電極層の平均厚みを積層方向の中央部よりもカバー層に接した方を薄くした試料(試料No.7)は、同じ平均粒径のガラス粉末(平均粒径:200nm)を適用した試料(試料No.3)よりも絶縁破壊電圧が高かった。
これに対し、平均粒径が50nmのガラス粉末を適用した試料(試料No.1)では、空隙の開口部にガラス粒子が露出した状態が見られず、絶縁破壊電圧が60V/μm、耐湿負荷試験での不良数が100個中10個であった。また、同じく、平均粒径が50nmのガラス粉末を適用して作製した試料(試料No.8)については、焼成温度を10℃ほど上げて作製しても、絶縁破壊電圧が45V/μm、耐湿負荷試験での不良数が100個中23個と多くなった。また、この試料No.8は、試料No.1に比較して静電容量の低下があり、また、ショート率が高くなった。容量部の断面の組成を分析(EDS分析)した結果、試料No.8の積層セラミックコンデンサは、試料No.1の積層セラミックコンデンサに比べて、カバー層側から誘電体セラミック層へガラス成分が多く拡散していることが確認された。
1・・・容量部
3・・・外部電極
5・・・誘電体セラミック層
7・・・内部電極層
9・・・有効誘電体部
11・・カバー層
13・・セラミック粒子
15・・ガラス粒子
17・・空隙

Claims (7)

  1. 誘電体セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成された有効誘電体部と、該有効誘電体部の上下面に設けられたカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記カバー層はセラミック粒子を主体として含かつ、ガラス粒子を含んでおり、
    該ガラス粒子の一部は前記セラミック粒子間に形成された空隙内に存在しており、
    前記カバー層の縦断面において、前記ガラス粒子の存在していない前記空隙と前記ガラス粒子の存在している前記空隙との合計面積に対する前記ガラス粒子の存在している前記空隙の面積の比率が単位面積当たりで80%以上であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記ガラス粒子の平均粒径が200〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記カバー層の縦断面において、前記セラミック粒子の平均粒径をDとし、前記ガラス粒子の平均粒径をDとしたときに、D/Dが0.5〜2であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記カバー層の縦断面において、前記ガラス粒子は前記セラミック粒子よりもアスペクト比が大きいことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 誘電体セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成された有効誘電体部と、該有効誘電体部の上下面に設けられたカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記カバー層はセラミック粒子を主体として含み、かつ、ガラス粒子を含んでおり、
    該ガラス粒子の一部は前記セラミック粒子間に形成された空隙内に存在しており、
    前記カバー層の縦断面において、前記ガラス粒子は前記セラミック粒子よりもアスペクト比が大きいことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記カバー層の縦断面において、前記ガラス粒子の存在していない前記空隙の面積の比率が単位面積当たりで4%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 誘電体セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成された有効誘電体部と、該有効誘電体部の上下面に設けられたカバー層とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記カバー層はセラミック粒子を主体として含み、かつ、ガラス粒子を含んでおり、
    該ガラス粒子の一部は前記セラミック粒子間に形成された空隙内に存在しており、
    前記カバー層の縦断面において、前記ガラス粒子の存在している前記空隙の面積の比率が単位面積当たりで17〜39%であることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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