JP6223808B2 - 負極用結着剤 - Google Patents
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Description
カルボキシル基を有するジオール(B1)およびスルホ基を有するジオール(B2)の少なくとも一方を含有する多官能活性水素化合物(B)とポリイソシアネート(A)が反応してなるポリウレタン(C)であって、(J)は、該ポリウレタン(C)と化合物(D)が反応してなるポリウレタンである。
(C)中のカルボキシル基およびスルホ基のうち(D)と反応したモル数が(C)中のカルボキシル基およびスルホ基の合計モル数に対して10〜100%である。
カルボキシル基を有するジオール(B1)の具体例としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸および2,2−ジメチロールオクタン酸等があげられる。これらのうち、えられる結着剤の溶解性の観点から2,2−ジメチロールプロピオン酸が好ましく用いられる。
スルホ基を有するジオール(B2)の具体例としては3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、スルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸などがあげられる。これらのうち、えられる結着剤の溶解性の観点から3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸が好ましく用いられる。
ポリエーテルポリオール(B3)の具体例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などがあげられる。これらのうち電解液の浸透性の観点からポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
ポリエステルポリオール(B4)の具体例としてはポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオールおよびポリブチレンセバケートジオールなどがあげられる。これらのうち電解液の浸透性の観点からポリブチレンアジペートジオールが好ましく用いられる。
ポリカーボネートポリオール(B5)の具体例としては炭素数4〜6のジオールとジアルキルカーボネートから誘導されるポリカーボネートジオール等があげられる。
(B3)〜(B6)の含有量はサイクル特性の観点から(B1)と(B2)の合計重量に対して0〜95%含まれていることがこのましく、20〜90%がより好ましく、更に好ましくは40〜80%である。
(D1)の具体例としては、炭素数1〜20のエポキシ化合物(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−テトラデシレンオキサイドなど)、炭素数1〜20のグリシジルエーテル(メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテルなど)、炭素数1〜20のアルコールのアルキレンオキサイド付加したもののグリシジルエーテル(フェノールのエチレンオキサイド5モル付加物のグリシジルエーテル、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド15モル付加物のグリシジルエーテルなど)、アルコキシシリル基を含有するグリシジルエーテル(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなど)があげられる。
(D2)の具体例としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムがあげられる。これらのうちポリウレタン化合物の溶解性の観点から水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
(D3)の具体例としては炭素数1〜20のアミン化合物(メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなど)があげられる。
これら(D1)〜(D3)のうち(D1)が好ましく用いられ、その中でもオキシアルキレン基を含有する1官能グリシジルエーテル(D11)がとくに好ましく用いられる。
数平均分子量は公知の方法で測定することができるが、本発明における数平均分子量とは検量線を用いたGPC法によるものである。
活物質(F)の含有量は電池容量の観点から好ましくは50〜98重量%であり、更に好ましくは80〜98重量%である。
負極用結着剤(E)の含有量は、電池容量の観点から、好ましくは0.01〜50重量%であり、更に好ましくは0.1〜15重量%である。
導電助剤(I)の含有量は、電池出力の観点から、好ましくは0〜30重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
炭酸エステル系溶媒の具体例としてはジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネート等があげられる。
電解質としては例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等を用いることができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕 測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(Mw 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
攪拌機、温度計および冷却管を取り付けたフラスコにイソホロンジイソシアネート8.3部、ポリエチレングリコール(数平均分子量2000、三洋化成工業(株)製)14.4部、ジメチロールプロピオン酸0.9部、メチルエチルケトン25.0部およびネオスタンU−600(日東化成社製ウレタン化触媒)0.2部を仕込み70℃で6時間撹拌した。その後、メタノール2.0部を加え末端イソシアネートを封鎖した。その後、トリエチルアミンを2.0部およびデナコールEX171(ナガセケムテックス社製、ラウリルアルコールEO15モル付加物のグリシジルエーテル)3.2部を仕込み4時間70℃で撹拌した。溶媒を減圧下で除去しポリウレタン(J−1)を27.0部えた。数平均分子量は5,500、酸成分の反応率は50%であった。
デナコールEX171を4.4部から1.8部に変更したこと以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−2)を25.7部えた。数平均分子量は5,100、酸成分の反応率は20%であった。
デナコールEX171を4.4部から3.2部に変更し、水酸化ナトリウム0.3部追加したこと以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−3)を24.3部えた。数平均分子量は6,300、酸成分の反応率は100%であった。
ジメチロールプロピオン酸0.9部のかわりにジメチロールプロピオン酸0.5部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸0.4部を用いた以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−4)を24.3部えた。数平均分子量は6,500、酸成分の反応率は50%であった。
デナコールEX171をデナコールEX145(ナガセケムテックス社製、フェノールEO5モル付加物のグリシジルエーテル)1.5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−5)を25.5部えた。数平均分子量は5,300、酸成分の反応率は50%であった。
デナコールEX171をデナコールKBM−403(信越シリコーン社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1.1部に変更したこと以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−6)を25.5部えた。数平均分子量は4,700、酸成分の反応率は50%であった。
ポリエチレングリコールを使用せずに、イソホロンジイソシアネートを3.0部使用したこと以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−7)を3.7部えた。数平均分子量は490、酸成分の反応率は50%であった。
イソホロンジイソシアネート○○部のかわりに○○部、ポリエチレングリコール○○部のかわりに○○部を用いた以外は実施例1と同様にして行いポリウレタン(J−8)をえた。数平均分子量は110,000、酸成分の反応率50%であった。
デナコールEX171を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして行い比較用ポリウレタン(J−1’)をえた。数平均分子量は4,800、酸成分の反応率0%であった。
[リチウムイオン電池用負極の作製]
<実施例9〜17および比較例2〜3>
以下の要領で負極を作製した。
天然黒鉛95部、N−メチルピロリドン100部および負極用結着剤を表2に示した部数仕込み、乳鉢で充分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、100℃で60分間乾燥して溶媒を蒸発させた後、16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにして実施例9〜17および比較例2〜3のリチウムイオン電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端にリチウム金属および上記方法によって作製した負極を配置し、リチウム金属−負極間にセパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、リチウムイオン電池用セルを作製した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に、LiPF6を12重量%の割合で溶解させた電解液を作製したセルに注液密封し、以下の方法で充放電サイクル特性を評価し、結果を表2にまとめた。
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧0Vから2Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を0Vまで放電し、この充放電を50サイクル繰り返した。この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と、50サイクル目の充電時の電池容量を測定し、下記式から容量保持率を算出する。数値が大きい程、充放電サイクル特性が良好であることを示す。
充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)×100
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧2.0Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電圧を0Vまで放電し、放電容量(以下0.1C放電容量と記載)を測定した。次に0.1Cの電流で電圧2.0Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧を0Vまで放電し容量(以下1C放電容量と記載)を測定し、下記式から1C放電時の容量維持率を算出する。数値が大きい程、出力特性が良好であることを示す。
1C放電時の容量維持率(%)=(1C放電容量/0.1C放電容量)×100
上記方法によって作製した負極を3cm×3cmの正方形に切り出し、その上にマイクロシリンジを用いて1μlの電解液(上記電池作製に用いたものと同じ)を滴下し、その液が負極表面から消失するまでの時間を測定した。消失までの時間が短いほど浸透性が良好であることを示す。
Claims (6)
- カルボキシル基を有するジオール(B1)およびスルホ基を有するジオール(B2)の少なくとも一方を含有する多官能活性水素化合物(B)とポリイソシアネート(A)が反応してなるポリウレタン(C) と化合物(D)が反応してなるポリウレタン(J)を含有する負極用結着剤であって、(C)中のカルボキシル基およびスルホ基のうち(D)と反応したモル数が(C)中のカルボキシル基およびスルホ基の合計モル数に対して10〜100%であり、化合物(D)が1官能グリシジルエーテル(D11)である負極用結着剤(E)。
- 1官能グリシジルエーテル(D11)がオキシアルキレン基を有する請求項1に記載の負極用結着剤(E)。
- ポリウレタン(J)の数平均分子量が400〜500,000である請求項1又は2に記載の負極用結着剤(E)。
- 活物質(F)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の負極用結着剤(E)および溶媒(H)を含有する負極スラリー。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の負極用結着剤(E)を含むリチウムイオン電池用負極。
- 請求項5に記載のリチウムイオン電池用負極を有するリチウムイオン電池。
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