JP6223456B2 - パレットコンテナ - Google Patents

Description

本発明は、特に危険な液状の充填物を貯蔵しかつ搬送するためのパレットコンテナであって、該パレットコンテナは、交換可能なプラスチック製内側容器と、該プラスチック製内側容器を密着して取り囲む、管状格子フレームから成る支持周壁とを備え、該支持周壁は、方形のパレットの上方の外縁部において取り付けられており、パレットは、収容されたプラスチック製内側容器のための支持台としての平坦なパレット上面デッキと、コーナベースおよび中間ベースを備えたパレット下部構造とを有している、パレットコンテナに関する。

パレットは、コーナベースと中間ベースとの間に、フォークリフト車両のフォークを差し込むための相応するそれぞれ１つの切欠きを備えている。パレットは、特に長手方向または横方向の４つ全ての側で下側を貫通され得る。通常１２００ｍｍ×１０００ｍｍのパレットサイズを有する、約１０００リットルの充填容量を有する充填されたパレットコンテナは、液状の充填物の固有重量に応じて１トンをはるかに超える重量を有しており、フォークリフト車両によってのみ取り扱い可能である。

先行技術
中実の金属製フレームおよび金属製コーナ支柱を有しない先行技術のこのような簡単に構成される複合材パレットコンテナのためには、これまで最適化された搬送固定のための特別な構造的な装置はない。単に、パレット上へ格子フレーム自体を取り付けるための装置を有するパレットコンテナ（たとえば欧州特許第２４１８３９１号）もしくは支持構造体に積載物自体を取り付けるための装置（たとえば米国特許第６２７６２８５号）ならびに鋼製パレットにおいて中実の鋼薄板から成るコーナ基部自体に設けられた貫通孔（たとえば独国特許出願公開第１０２００６０３１９４０号）が知られている。

課題設定
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のパレットコンテナを改良して、より高い搬送安全性に関する特別な構造を提案することである。

解決手段
この課題は、本発明によれば、請求項１に記載の特徴により解決される。底部パレットのパレット上面デッキ上で、４つ全てのコーナ領域において、外側で、管状格子フレームの、最も下側で水平方向に環状に延びる格子管の手前にもしくは格子管において、金属から成るそれぞれ１つの搬送位置固定アイが設けられ、取り付けられていることによって、充填されたパレットコンテナもしくは多数のパレットコンテナは、締付けベルトによって、搬送位置固定されてトラック上で引っ張りにより固定されるので、パレットコンテナは、加速工程（始動、制動、路面凹凸、路面の窪み）によってトラックの積載面上で滑ることがない。締付けベルトには、一方の端部において搬送位置固定アイ内に引っかけるための位置固定フックが設けられている。

有利には、搬送位置固定アイは、管状格子フレームの、最も下側で水平方向に環状に延びる格子管をコーナ領域において貫通しているねじによって取り付けられている。このねじは、格子フレームを位置固定するためにいずれにせよ設けられており、搬送位置固定アイの別個の別の取付け手段を省略することができる。

本発明の第１の簡単な態様では、搬送位置固定アイが、ヒンジジョイントを有しており、折り畳み可能に形成されていることが規定されている。これによって搬送位置固定アイは、パレット上面デッキ上に平坦に載置することができ、使用時にのみ締付けベルトの各位置固定フックを引っかけるために立ち上げられる。

本発明の有利な態様では、搬送位置固定アイが、取付け舌片と一体的に鋼板ストリップから製造されており、その外縁部およびその貫通開口にそれぞれ曲げられたフランジ縁部を備えていることが規定されている。この場合、この搬送位置固定アイは、取付け舌片と一緒に全体として約６０ｍｍ〜９５ｍｍ、有利には約８５ｍｍの長さと、約５５ｍｍの全幅と、約２０ｍｍ〜４０ｍｍ、有利には約３０ｍｍの貫通開口の自由な内径とを有している。

取付け舌片は、簡単に取り付けることができるが、その特性に注意すべきである。つまり、孔を有する取付け舌片は、搬送位置固定アイに対して直角に曲げられており、形状接続式に内側から、管状格子フレームの、最も下側で水平方向に環状に延び、コーナ領域で平坦に押し潰された格子管の下に差し込まれ、管状格子フレームの最も下側で水平方向に環状に延びる格子管をコーナ領域において貫通している取付けねじによってねじ締結され、取り付けられている。曲げられた取付け舌片により、当面は、取付けねじの妨げのないねじ込みが可能である。

組付け状態では、搬送位置固定アイは、パレット上面デッキに対してほぼ垂直方向に立ち上げられており、充填されたパレットコンテナの積込み時に初めて、搬送位置固定アイは緊締状態において張るように引き締められた締付けベルトによって斜めに曲折されるので、貫通開口の下側領域の曲げられたフランジ縁部は、コーナ領域においてねじ込まれた取付けねじのねじ頭に載置し、ひいてはねじ頭を覆い、不都合な脱落に対して固定している。

本発明を以下に図面に概略的に示した実施の形態につき詳しく説明する。

コーナ領域Ｘに特別な搬送位置固定アイを備える本発明に係るパレットコンテナを示す図である。 ａおよびｂは、搬送位置固定アイの単純な実施の形態を示す図である。 図２ａおよび図２ｂに示した搬送位置固定アイを有する本発明に係るパレットコンテナのコーナ領域を示す図である。 ａ〜ｃは、搬送位置固定アイの有利な実施の形態を示している。 図４に示した搬送位置固定アイを、本発明に係るパレットコンテナのコーナ領域において組付け状態で示す図である。 図４および図５に示した搬送位置固定アイを締め付けられた引っ張り固定状態で示す図である。

図１には、符号１０で、特に危険な液状の充填物を貯蔵しかつ搬送するための直方体状のパレットコンテナが示されている。パレットコンテナ１０の主要構成部材は、主に、底部パレット１２、液密かつ交換可能なプラスチック製内側容器１４および該プラスチック製内側容器１４を支持周壁として密接して取り囲む管状格子フレーム１６である。管状格子フレーム１６は、底部パレット１２のパレット上面デッキ上の上方の外縁部において取り付けられている。このようなパレットコンテナの充填容量は、通常約１０００リットルである。

底部パレット１２は、本実施の形態では純粋なプラスチック製パレットとして形成されている。しかし、鋼製パレット、木製パレットまたは複合材製パレット（鋼およびプラスチックまたは木材から成るか、またはプラスチック製基部もしくはプラスチック製ベースを有する木材から成る）であってもよい。本発明に係るパレットコンテナの、特別な搬送位置固定アイを有するこの場合に重要なコーナ領域は、円Ｘでマークされている。

搬送位置固定アイ１８の簡単な態様が、図２ａおよび図２ｂに示されている。搬送位置固定アイ１８は、保持リング２２を備えた取付けプレート２０を有しており、ヒンジジョイント２４を備えて折り畳み可能に形成されている。

図３には、組み付けられた搬送位置固定アイ１８を備えた本発明に係るパレットコンテナのコーナ領域が部分的に示されている。底部パレット１２のパレット上面デッキには、４つ全てのコーナ領域において、管状格子フレーム１６の、最も下側で水平方向に環状に延びる格子管２６において外側に、金属から成るそれぞれ１つの搬送位置固定アイ１８が設けられ、かつ取り付けられている。

搬送位置固定アイ１８の取付けはそれぞれ、管状格子フレーム１６の最も下側で水平方向に環状に延びる格子管２６を貫通する取付けねじ２８を用いて行われる。この取付けねじ２８は、取付けプレート２０に設けられた相応する孔を貫通して差し込まれている。折り畳み可能な保持リング２２は、コーナ領域において、底部パレット１２の外側寸法を越えて突出しない。

図４ａ，図４ｂおよび図４ｃには、極めて安定的な搬送位置固定アイ３０の有利な実施の形態が種々の斜視図で図示されている。

構造的には、搬送位置固定アイ３０は、取付け舌片３２と一体的に、つまりワンピースに１枚の鋼板ストリップから製造されており、その外縁部３４およびその貫通開口３６において、曲げられたフランジ縁部３８，４０を備えている。この場合、搬送位置固定アイ３０は、取付け舌片３２と共に、合計で約６０ｍｍ〜９５ｍｍ、有利には約８５ｍｍの長さと、約５５ｍｍの全幅と、約２０〜４０ｍｍ、有利には約３０ｍｍの貫通開口３６の内径とを有している。鋼板ストリップの厚さは、２ｍｍであり、フランジ縁部３８，４０は、約３．５ｍｍだけ曲げられている。

図５に示されているように、この有利な搬送位置固定アイ３０の特徴は、孔を備えた取付け舌片３２が、搬送位置固定アイ３０に対して直角に曲げられており、形状接続式に内側から、管状格子フレーム１６の最も下側で水平方向に環状に延び、コーナ領域において平坦に押し潰された格子管２６の下に差し込まれ、かつ管状格子フレーム１６の最も下側で水平方向に環状に延びる格子管２６をコーナ領域において貫通しているねじ２８によって取り付けられていることである。この場合、搬送位置固定アイ３０は、組み付けられた状態で、パレット上面デッキに対してほぼ垂直に立ち上げられており、これにより貫通する取付けねじ２８は、問題なくねじ込まれ得る。

トラックに積み込まれ充填された、充填物に応じて１０００ｋｇをはるかに越える重量を有し得るパレットコンテナの緊締状態において初めて、搬送位置固定アイ３０は、引っかけられた締付けフック４２により、張るように引き締められた締付けベルト（Ｓｐａｎｎｇｕｒｔｅ）を介して斜めに曲折され、貫通開口３６の下側の領域の曲げられたフランジ縁部４０は、コーナ領域にねじ込まれた取付けねじ２８のねじ頭に被さって載置するようになり、ねじ位置固定部としてねじ頭を望ましくない脱落に対して位置固定する。搬送のために規定通りに位置固定されたパレットコンテナの緊締状態は、部分図として（見易くするために締付けフックは示していない）図６に示されている。

取付け舌片３２は、引っ張られた状態でＵ字形に、最も下側の格子管２６を取り囲んで屈曲され、これにより、締付けベルトからの引っ張り力を、管状格子フレーム１６の、多重にねじ締結された最も下側で環状に延びる格子管２６の安定的な固定点に、幅広く面状に力伝達するために機能する。最も下側の格子管に巻き付くことによる幅広い力伝達により、ねじは著しく負荷軽減され、ねじ２８は、ほぼ引っ張り負荷に耐える必要がなく、むしろねじは、曲げられた搬送位置固定アイ３０によりさらにそのねじ込まれた位置へと押圧される。取付けねじの引抜きの恐れまたはねじ頭の引きちぎれのおそれは、本実施の形態では、急激な負荷の場合でも確実に排除されている。

外縁部および貫通開口３６の曲げられたフランジ縁部３８，４０により、搬送位置固定アイ３０の安定性は著しく高められ、搬送位置固定アイ自体の引抜きの恐れは確実に排除されている。引っかけられた締付けフック４２は、本実施の形態では、機能的な力伝達のために、線状の当付け面だけではなく、面状の当付け面を有している。パレットコンテナの４つの搬送位置固定アイに引っかけられる締付けベルトにより、トラックの積載面上での確実な位置固定が実現され得るので、これにより充填されたパレットコンテナの著しく改善された積載安全性が保証され得る。

相応するブレーキテストを伴う、DEKRAにより実施された走行試験時に、このように位置固定されたパレットコンテナは唯１つも滑らなかったという、極めて優れた結果が達成された。

充填されたパレットコンテナの積載安全性のためのこれまでの提案は、このパレットコンテナを、縦置きされた木製パレットで、滑止めマットおよび締付けベルトを用いてトラック上の積載面に位置固定することにある。しかしこのことは比較的に手間がかかる。本発明により提案された簡易固定システムでは、全てのトラックに存在しているわけではない付加的なパレットは必要なく、全てのトラックが有している通常の締付けベルトによって、簡単かつ最適な積載固定を実現することができる。

１０ パレットコンテナ
１２ 底部パレット
１４ プラスチック製内側容器
１６ 管状格子フレーム（支持周壁）
１８ 搬送位置固定アイ
２０ 取付けプレート（１８）
２２ 保持リング
２４ ヒンジ（ジョイント）
Ｘ 円＝重要な箇所
２６ 下側で環状に延びる格子フレーム管（１６）
２８ 貫通する取付けねじ（２６）
３０ 搬送位置固定アイ 安定的
３２ 取付け舌片（３０）
３４ 外縁部
３６ 貫通開口
３８ フランジ縁部 外側（３４）
４０ フランジ縁部 内側（３６）
４２ 締付けフック

Claims (4)

1. 危険な液状の充填物を貯蔵しかつ搬送するためのパレットコンテナ（１０）であって、該パレットコンテナ（１０）は、交換可能なプラスチック製内側容器（１４）と、該プラスチック製内側容器（１４）に密着して取り囲む、管状格子フレーム（１６）から成る支持周壁とを有し、前記管状格子フレーム（１６）は、方形の底部パレット（１２）のパレット上面デッキ上で上方の外縁部に取り付けられている、パレットコンテナ（１０）において、
   前記底部パレット（１２）の前記パレット上面デッキ上で、４つ全てのコーナ領域において、外側で、前記管状格子フレーム（１６）の最も下側で水平方向に環状に延びる格子管（２６）に、金属から成るそれぞれ１つの搬送位置固定アイ（３０）であって、取付け舌片（３２）と一体的に鋼板ストリップから製造されており、その外縁部（３４）およびその貫通開口（３６）に曲げられたフランジ縁部（３８，４０）を備えている、搬送位置固定アイ（３０）が設けられ、かつ取り付けられており、
   前記搬送位置固定アイ（３０）は、前記管状格子フレーム（１６）の最も下側で水平方向に環状に延びる前記格子管（２６）を前記コーナ領域において貫通している取付けねじ（２８）によって取り付けられていて、該取付けねじ（２８）は前記管状格子フレーム（１６）を前記底部パレット（１２）に位置固定していることを特徴とする、パレットコンテナ。
2. 前記取付け舌片（３２）を備えた前記搬送位置固定アイ（３０）は、全体で約６０ｍｍ〜９５ｍｍ、有利には約８５ｍｍの長さと、約２０ｍｍ〜４０ｍｍ、有利には約３０ｍｍの、前記貫通開口（３６）の自由な内径を有している、請求項１記載のパレットコンテナ。
3. 孔を備える前記取付け舌片（３２）は、前記搬送位置固定アイ（３０）に対して直角に曲げられ、かつ形状接続式に内側から、前記管状格子フレーム（１６）の、最も下側で水平方向に環状に延び、前記コーナ領域で平坦に押し潰された格子管（２６）の下に差し込まれ、かつ前記管状格子フレーム（１６）の、最も下側で水平方向に環状に延びる前記格子管（２６）を前記コーナ領域において貫通している前記取付けねじ（２８）によりねじ締結されかつ取り付けられている、請求項１または２記載のパレットコンテナ。
4. 前記搬送位置固定アイ（３０）は、組み付けられた状態で、前記パレット上面デッキに対してほぼ垂直方向に立ち上げられており、かつ緊締状態において初めて、張るように引き締められた締付けベルトによって斜めに曲折され、前記貫通開口（３６）の下側領域の曲げられた前記フランジ縁部（４０）は、前記コーナ領域にねじ込まれた前記取付けねじ（２８）の前記ねじ頭に載置し、これによりねじ頭を覆い、不都合な脱落に対して固定している、請求項１から３までのいずれか１項記載のパレットコンテナ。

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