以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の構成を示す図である。図1において、600は画像形成装置、602は画像形成装置本体(以下、装置本体という)、650は装置本体602の上部に設けられた原稿読み取り部(イメージリーダ)、651は複数の原稿を自動的に読み取るための原稿搬送装置である。
装置本体602は、画像形成するための通常のシートSを積載する給紙カセット909a,909b、電子写真プロセスを用いてシート上にトナー画像を形成する画像形成部603、シートに形成されたトナー画像を定着させる定着部904等を備えている。また、装置本体602の上面にはユーザが装置本体602に対して各種入力/設定を行うため操作部601が、また装置本体602の側方には、シート処理装置であるフィニッシャ100が接続されている。なお、630は装置本体602及びフィニッシャ100の制御を司る制御部であるCPU回路部である。
そして、このような画像形成装置600において、不図示の原稿の画像をシートに形成する際には、まず原稿搬送装置651により搬送された原稿の画像を、原稿読み取り部650に設けられたイメージセンサ650aにより読み取る。この後、読み取られたデジタルデータを露光手段604に入力し、露光手段604は、このデジタルデータに応じた光を画像形成部603に設けられた感光体ドラム914(914a〜914d)に照射する。このように光が照射されると、感光体ドラム表面に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像が形成される。
次に、この4色のトナー画像を給紙カセット909a,909bから給送されたシート上に転写し、この後、シート上に転写されたトナー像を、定着部904により永久定着する。なお、このようにトナー画像を定着した後、シートの片面に画像を形成するモードであれば、そのまま、シートを搬送ローラ対907からフィニッシャ100に搬送する。
また、シートの両面に画像を形成するモードであれば、シートを定着部904から反転ローラ905に受け渡しし、この後、所定のタイミングで反転ローラ905を反転させ、シートを両面搬送ローラ906a〜906fの方向へ搬送する。そして、この後、再度、シートを画像形成部603に搬送し、裏面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を転写する。なお、このように裏面に4色のトナー像が転写されたシートは、再度定着部904に搬送されてトナー画像が定着され、この後、搬送ローラ対907から搬送され、装置本体602の側部に接続されたフィニッシャ100に搬送される。
フィニッシャ100は、装置本体602から搬送されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、取り込んだシートの後端付近に孔をあけるパンチ処理を行うようになっている。また、フィニッシャ100は、シート束をステイプルするステイプル処理(綴じ処理)、製本処理等の処理を行うようになっており、シートをステイプルするステイプル部100A及びシート束を二つ折りにして製本するサドルユニット135を備えている。
そして、フィニッシャ100は、図2に示すように、シートを装置内部に取り込むための入口ローラ対102を備えており、装置本体602から排紙されたシートは、入口ローラ対102に受け渡される。なお、この時、入口センサ101によりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。この後、入口ローラ対102により搬送されたシートは搬送パス103を通過しながら、シートの端部位置を横レジ検知センサ104により検知され、フィニッシャ100のセンター(中央)位置に対してどの程度、幅方向のずれが生じているかが検知される。また、このように幅方向のずれ(以下、横レジ誤差という)が検知された後、シートはシフトローラ対105,106に搬送されている途中でシフトユニット108が手前方向、或は奥方向に所定量移動することにより、シートのシフト動作が実施される。
次に、シートは搬送ローラ110及び離間ローラ111により搬送され、バッファローラ対115に達する。この後、上トレイ136に排紙される場合は、上パス切換部材118が不図示のソレノイド等の駆動手段により、時計回りに移動する。これにより、シートは上パス搬送路117に導かれ、上排紙ローラ120により上トレイ136に搬送される。上トレイ136に搬送されない場合は、バッファローラ対115により搬送されたシートは、実線に示す状態の上パス切換部材118により束搬送パス121に導かれる。この後、搬送ローラ対122、束搬送ローラ対124により順次搬送パス内を通過していく。
次に、搬送されてきたシートをシート積載部としての下方の積載トレイ137に搬送する場合は、実線に示す状態のサドルパス切換部材125により下パス126に搬送される。この後、下排紙ローラ対128により中間処理トレイ138に搬送される。そして、搬送されたシートは、パドル131やベルトローラ158等の戻し手段により、シートを順次積載しながら整合し、整合積載されたシート束に対して処理を施すための中間処理トレイ上(シート積載部上)で所定枚数整合処理される。なお、下排紙ローラ対128、パドル131、ベルトローラ158により、シートを中間処理トレイ138に搬送するシート搬送手段100Dが構成される。
次に、このように中間処理トレイ上で整合処理されたシート束は、必要に応じて綴じ手段であるステイプラ132により綴じ処理が施され、この後、束搬送ローラ対130により下方の積載トレイ137に排紙される。なお、このステイプラ132は、シート搬送方向と直交する方向(以下、奥行き方向という)に移動自在であり、シート束の後端部の一箇所、あるいは二箇所以上を綴じ処理することができる。
一方、シートをサドル(中綴じ)処理する場合には、不図示のソレノイド等の駆動手段によりサドルパス切換部材125を反時計回りに移動させる。これにより、シートはサドルパス133に搬送され、サドル入口ローラ対134によりサドルユニット135に導かれ、サドル処理(中綴じ処理)される。
ここで、ステイプラ132は、後述する図6に示すクリンチモータM132によって、シート束の端部を綴じ処理するものであり、図3に示すスライド支台303上に固定されている。なお、スライド支台303の下部には図4に示すように、転動コロ304,305が設けられている。また、スライド支台303と一体でステイプラ132が移動するステイプラ移動台306にはガイドレール溝307が形成されている。そして、スライド支台303は、転動コロ304,305とガイドレール溝307に案内され、後述する図6に示すステイプラ移動モータM303により、中間処理トレイ138に積載されたシートSの後端に沿ってステイプラ132と共に矢印Y方向に移動する。
ステイプラ132は、中間処理トレイ138に積載されたシートSのコーナーにおいて、シートSの後端縁に対して所定角度αだけ傾斜された姿勢に維持されるようになっている。なお、この傾斜角度αは、約30度に設定されているが、ガイドレール溝307の形状を変えることによって、変更することができる。また、ステイプラ移動台306には、ステイプラ132のホームポジションを検知する後述する図6に示すステイプラホームセンサS303が設けられている。
通常、ステイプラ132は、装置手前側のホームポジションに待機している。なお、本実施の形態において、ステイプラ132による綴じモードとしては、シート束の一箇所を綴じる一箇所綴じモードと、シート束の二箇所を綴じる二箇所綴じモードとを備えている。ここで、本実施の形態において、針の補充やメンテナンスの場合、手前側が望ましいことからステイプラ132のホームポジションを、フィニッシャ100の手前としている。
なお、図3において、100Cは、シートの搬送方向の位置を整合する搬送方向整合部であるシート後端整合部である。このシート後端整合部100Cは、ベルトローラ158と、後端レバー159と、シートの搬送方向上流側端と当接する規制部材である後端ストッパ150を備えている。
図5は、画像形成装置600の制御ブロック図であり、図5において、630は図1に示すように装置本体602の所定の位置に配置されたCPU回路部である。このCPU回路部630は、CPU629、制御プログラム等を格納したROM631、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM660を有している。
また、図5において、637は画像形成装置600と外部PC(コンピュータ)620との外部インターフェイスである。この外部インターフェイス637は外部PC620からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部634へ出力する。
そして、この画像信号制御部634は、このデータをプリンタ制御部635へ出力し、プリンタ制御部635は、画像信号制御部634からのデータを不図示の露光制御部へ出力する。なお、イメージリーダ制御部633から画像信号制御部634へは、イメージセンサ650a(図1参照)で読み取った原稿の画像が出力され、画像信号制御部634は、この画像出力をプリンタ制御部635へ出力する。
また、操作部601は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部630に出力すると共に、CPU回路部630からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
CPU回路部630は、ROM631に格納された制御プログラム及び操作部601の設定に従い、画像信号制御部634を制御すると共に、原稿搬送装置制御部632を介して原稿搬送装置651(図1参照)を制御する。また、イメージリーダ制御部633を介して原稿読み取り部650(図1参照)を、プリンタ制御部635を介して画像形成部603(図1参照)を、フィニッシャ制御部636を介してフィニッシャ100をそれぞれ制御する。
なお、本実施の形態において、フィニッシャ制御部636はフィニッシャ100に搭載され、CPU回路部630と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ100の駆動制御を行う。また、フィニッシャ制御部636をCPU回路部630と一体的に装置本体側に配設し、装置本体側から直接、フィニッシャ100を制御するようにしてもよい。
図6は本実施の形態に係るフィニッシャ100の制御ブロック図である。フィニッシャ制御部636は、CPU(マイコン)701、RAM702、ROM703、入出力部(I/O)705、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704等で構成されている。
また入出力部(I/O)705には、搬送制御部707、中間処理トレイ制御部708及び綴じ制御部709が接続されている。ここで、搬送制御部707は、シートの横レジ検知処理、シートバッファリング処理、搬送処理の制御を行うものである。中間処理トレイ制御部708は、後述する前整合板モータM340、奥整合板モータM341、パドル駆動モータM155、束排紙駆動モータM130、後端ストッパ駆動モータM150等の駆動制御を行う。
また、この中間処理トレイ制御部708には、後述する前整合板ホームセンサS340、奥整合板ホームセンサS341、パドル駆動ホームセンサS155等が接続されている。そして、この中間処理トレイ制御部708により、後述する整合板の動作制御、引き込みパドルの動作制御、揺動ガイドの開閉制御がそれぞれ、ホームポジション検知センサと移動モータによって行われる。また、この中間処理トレイ制御部708により、後述する一箇所綴じモード及び二箇所綴じモードにおける後端ストッパ150の移動制御が行われる。
また、綴じ制御部709は、クリンチモータM132、駆動部であるステイプラ移動モータM303等の駆動制御を行うものである。そして、綴じ制御部709には、針有無センサS7、ステイプラホームセンサS303、ステイプラ位置検知センサS304等が接続されている。
次に、中間処理トレイ138を備えたステイプル部100Aの構成について説明する。中間処理トレイ138は、図3に示すようにシート束の搬送方向に対して下流側(図3の左側)を上方に、上流側(図3の右側)を下方に傾斜して配設されており、中間処理トレイ138の上流側である下方端部には後端ストッパ150が配置されている。なお、中間処理トレイ138は、水平であってもよい。
中間処理トレイ138の中間部には図7に示すような前及び奥整合部340A,341Aを備え、中間処理トレイ138に搬送されたシートの幅方向の両側端位置を規制する側端規制部が設けられている。ここで、前及び奥整合部340A,341Aは、整合面を構成する整合部340a,341aを有する前及び奥整合板340,341と、前及び奥整合板340,341を夫々独立して駆動する前及び奥整合板モータM340,M341とを備えている。
そして、シートの両側端位置を規制する際は、前及び奥整合板モータM340,M341の駆動を、タイミングベルトB340,B341を介して前及び奥整合板340,341に伝達する。これにより、前及び奥整合板340,341は、中間処理トレイ138に対して幅方向に沿って独立して移動し、中間処理トレイ138上に積載されたシートの両側端に当接してシートを整合する。
即ち、前整合板340と奥整合板341は中間処理トレイ138上に、各整合部(整合面)340a,341aを対向させて配置され、かつ整合方向に正逆移動可能なように組み付けられている。この結果、シート(あるいはシート束)が幅方向にシフトして搬送されてきた場合でも、この前及び奥整合板340,341により、中間処理トレイ138上のシートの位置を整合することができる。
ところで、一方の整合板、例えば前整合板340の整合面を構成する整合部340aは幅方向に移動可能に設けられている。また、この整合部340aと前整合板340の本体340bとの間には、弾性的に変形するバネ345が設けられている。そして、このバネ345とともに圧接部を構成する移動リンク346,347により、整合部340aは所定量Lだけシート側、すなわち整合の際の基準となる奥整合板341側に突出するようになっている。
なお、後述するように、シートの側端位置を規制する際、整合部340aがシートに圧接すると、整合面である整合部340aはバネ345に抗しながら本体340b側に移動する。また、整合部340aが、圧接したシートから離間する際は、本体340bが移動してもバネ345の長さが元に戻るまで、圧接したシートの撓みを解消しながら徐々に整合面が移動するようになる。このように構成することで、シートの撓みが急激に解消されることにより復元力で整合位置がずれるといったことも防止される。
なお、図7において、S340、S341は前及び奥整合板ホームセンサであり、この前及び奥整合板ホームセンサS340,S341により、前及び奥整合板340,341の、それぞれのホームポジション(HP)を検知する。そして、このような前及び奥整合板ホームセンサS340,S341を備えることにより、動作しない時、前及び奥整合板340,341を、それぞれ両端部に位置するところに設定された各ホームポジションに待機させることができる。ここで、この前及び奥整合板340,341のホームポジションは、シートの中間処理トレイ138上への搬送を妨げない位置である。また、図7において、112はシート束搬送方向に移動可能に設けられ、中間処理トレイ138上で処理されたシートを送り出す後端アシストである。
また、図3に示すように中間処理トレイ138の引き込み方向下流側である上方端部には引き込みパドル131と揺動ガイド149が配置されている。ここで、引き込みパドル131は、中間処理トレイ138の上方に配設され、図8に示すパドル駆動モータM155によって回転する駆動軸157上に沿って複数固定されている。そして、パドル駆動モータM155により、適切なタイミングで図3において反時計方向に回転するようになっている。
そして、下排紙ローラ対128から中間処理トレイ上へ搬送されたシートは、中間処理トレイ138の傾斜及び引き込みパドル131の作用によって、中間処理トレイ138の積載面上、又は中間処理トレイ138に積載されたシート上を滑降する。このように滑降したシートは、この後、ベルトローラ158の反時計方向回転によって、後端レバー159にガイドされながら、後端(搬送方向上流端)がストッパである後端ストッパ150a,150bに突き当てられて停止する。これにより、シートの搬送方向の位置が整合される。なお、本実施の形態において、後端ストッパ150a,150bは既述した図6に示す後端ストッパ駆動モータM150により奥行き方向に移動可能となっている。
ここで、無端状のベルトであるベルトローラ158は、中間処理トレイ138の上方に昇降可能(移動可能)可能に設けられると共に、図3に示す下排紙ローラ対128を構成する第1搬送ローラ128aの外周に巻き掛けられている。そして、その下方部が中間処理トレイ138上に積載された最上シートと接するような位置関係で第1搬送ローラ128aの回転に従動して反時計方向に回転する。これにより、中間処理トレイ138上に搬送されたシートは、搬送方向と逆方向に搬送されて後端ストッパ150に当接する。
一方、シート搬送部を構成する揺動ガイド149は、中間処理トレイ138の下流側端部に設けられた下部搬送ローラ130aと共に束搬送ローラ対130を構成する上部搬送ローラ130bを回転自在に保持している。そして、この揺動ガイド149の揺動に伴って上部搬送ローラ130bは、下部搬送ローラ130aに対して離接するようになっている。なお、搬送ローラ対である束搬送ローラ対130(例えば、下部搬送ローラ130a)は、束排紙駆動モータM130(図6参照)によって正逆回転するようになっている。
また、この束搬送ローラ対130の一方のローラである上部搬送ローラ130bを保持する揺動ガイド149は、揺動ガイド開閉モータM180からの駆動により、支持軸154を支点として上下方向に揺動するようになっている。そして、通常、シートが中間処理トレイ138上に搬送されるとき、上方へ揺動し、これに伴い上部搬送ローラ130bが、束搬送ローラ対130の他方のローラである下部搬送ローラ130aから離れた開口状態となる。
また、中間処理トレイ138上でのシートの処理が終了したとき、揺動ガイド149は下方に揺動し、上部搬送ローラ130bと下部搬送ローラ130aとでシート束を挟むようになっている。そして、この後、このように上部搬送ローラ130bと下部搬送ローラ130aとによりシート束を挟持した状態で束搬送ローラ対130が回転することにより、シート束は下方の積載トレイ137に搬送される。
さらに、揺動ガイド149には、上部搬送ローラ130bの上流部に位置し、シートを上部搬送ローラ130bのローラニップ部へ案内する案内ガイド151が設けられている。また、この揺動ガイド149には、下排紙ローラ対128から中間処理トレイ138内へシートを排紙する際のシートの表面電荷を除去する第1除電針152が軸方向に渡って配置されている。さらに、この揺動ガイド149には、上部搬送ローラ130bの下流部に位置し、束搬送ローラ対130により搬送されるシートの表面電荷を除去する第2除電針153が軸方向に渡って配置されている。
次に、このように構成されたフィニッシャ100のステイプルモード時のシートの搬送から整合動作、ステイプル処理動作を図9及び図10に示すフローチャートを用いて説明する。例えば、一箇所ステイプルのジョブが操作部601で選択されるとステイプルジョブがスタートし、装置本体602から排紙されたシートS1の中間処理トレイ138への搬送が開始される。そして、図9の(a)に示すように、シートS1の後端が下排紙ローラ対128のニップを抜け、シートS1の中間処理トレイ138上への搬送が完了すると(S712のY)、フィニッシャ制御部636は、引き込みパドル131を反時計方向に回転させる。
これにより、シートS1の後端部を後端ストッパ150の方向に搬送する戻し処理が行われる(S713)。なお、このように後端ストッパ150の方向に搬送されたシートS1は、この後、反時計方向に回転するベルトローラ158によって更に後端ストッパ150に引き寄せられ、後端ストッパ150に突き当てられて整合される。
次に、シートS1の搬送方向(後端)の整合が終了すると、フィニッシャ制御部636は、前整合板340及び奥整合板341を駆動する。これにより、シートに対する幅方向のシフト移動及び整合処理が行われる(S714)。そして、この一連のシフト整合動作を後続の搬送シートに対して繰り返し、ステイプル束の最終シート(束内最終搬送シート)が下排紙ローラ対128から搬送されるまで繰り返す。
この後、フィニッシャ制御部636は、搬送されたシートが束内最終搬送シートかを判断する(S715)。そして、搬送されたシートが束内最終搬送シートでなければ(S715のN)、次のシートの処理トレイへの搬送動作を行う。一方、搬送されたシートが束内最終搬送シートであれば(S715のY)、ステイプラ132による綴じ処理を行う(S716)。ここで、本実施の形態においては、一箇所ステイプルの際は、ステイプラ132によってシート束Saの片側コーナーの一箇所、すなわち既述した図4に示す位置A、又は位置Dにおいて綴じ処理を行う。この後、図9の(b)に示すように揺動ガイド149を降下させ、シート束Saを上部搬送ローラ130bと下部搬送ローラ130aで挟持し、束搬送ローラ対130及び、既述した図7に示す後端アシスト112により積載トレイ137に搬送する(S717)。
次に、フィニッシャ制御部636は、搬送したシート束が最終束かを判断する(S718)。そして、最終束でないと判断した場合には(S718のN)、2部目以降のシート束に対して同様の整合処理、綴じ処理を行い、積載トレイ137へ搬送する。この動作を指定束部数回繰り返し行い、この後、最終束が搬送されると(S718のY)、ジョブが終了する。なお、二箇所ステイプルのジョブを行う場合も、シートを中間処理トレイ138へ搬送した後、整合動作を行い、この後、ステイプル処理を行って束排出動作を行う。
ところで、一箇所ステイプルや二箇所ステイプルを行う際、ステイプラ132及び後端ストッパ150を綴じモードに応じた待ち受け位置に移動させるようにしている。次に、綴じモード時における、綴じ動作前のステイプラ132と後端ストッパ150の待ち受け位置について、既述した図4及び図11のフローチャートを用いて説明する。
設定されたステイプルジョブが手前綴じの場合は(S751のY)、フィニッシャ制御部636は、ステイプラ132を、シートの束の後端ストッパ側(規制手段側)の一端に沿って図4に示す位置Aへ移動させる(S752)。また、既述した図6に示す後端ストッパ駆動モータM150を駆動し、後端ストッパ150aを図4の位置150a−1に、後端ストッパ150bを位置150b−1に移動させる(S753)。これにより、初期位置移動動作が完了し(S760)、この後、ジョブをスタートする。
同様に、奥綴じジョブが設定された場合は(S751のN,S754のY)、ステイプラ132を位置Dへ(S755)、後端ストッパ150aを位置150a−1、後端ストッパ150bを150b−1へと移動させる(S756)。これにより、初期位置移動動作が完了し(S760)、この後、ジョブをスタートする。また、二箇所綴じの場合は(S751のN,S754のN,S757のY)、ステイプラ132を位置B又はCへ(S758)、後端ストッパ150aを位置150a−2、後端ストッパ150bを150b−2へと移動させる(S759)。これにより、初期位置移動動作が完了し(S760)、この後、ジョブをスタートする。
ところで、本実施の形態では、ステイプラ132が位置A〜位置Dを移動する際、またはホームポジションから位置A〜位置Dへ移動する際、図12の(a)に示すステイプラ132の開口部内を後端ストッパ150が通過する構成となっている。これは、後端ストッパ150が、矢印に示す奥行き方向に移動する際も同様である。
つまり、本実施の形態において、ステイプラ132と後端ストッパ150a,150bは待ち受け位置に移動する際、ステイプラ132の開口部132aの中を後端ストッパ150a,150bが通過する。また、ジョブ終了後、ステイプラ132が手前側のホームポジションに戻る際も、ステイプラ132の開口部内を後端ストッパ150a,150bが通過する。
ところで、ステイプラ132は、後端ストッパ150a,150bが通過可能な開口部132aに中間処理トレイ138へ順次積載されるシートを受け入れると共に後端ストッパ150a,150bにより位置が規制されたシートの束を綴じるようにしている。そして、この開口部132aの下面には複数の穴、段差等が形成されており、シートを中間処理トレイ138へ順次積載する際、この段差等にシートが引っ掛かる場合がある。そこで、図12の(b)に示すように、ステイプラ132の開口部132aの下面には、シートが引っ掛からないようガイドする第1ガイド部であるシートガイド部180aを有するガイド手段であるステイプルガイド180が配置されている。
また、ステイプルガイド180には、後端ストッパ150a,150bが通過する際、ステイプラ132と当接することがないよう、後端ストッパ150a,150bをすくい上げる第2ガイド部であるすくい部180bが設けられている。ここで、後端ストッパ150a,150bと当接して開口部132aに案内するすくい部180bはシートガイド部180aのステイプラ132の移動方向である奥行き方向の両端に奥行き方向外側(幅方向外側)が低くなるように傾斜して設けられている。
このすくい部180bは、図13の(a)及び(b)に示すように、後端ストッパ150a,150bをすくい上げることができるようテーパ形状を有するガイド部180b1を有している。また、このガイド部180b1の幅方向の側端には、すくい部180bをステイプラ132の筐体132bに固定するための固定部180cが下方に延在して設けられている。そして、この固定部180cを取り付けビス181により、ガイド部180b1の下方でステイプラ132の筐体132bに固定するようにしている。
ここで、後端ストッパ150a,150bが通過する際、ステイプラ132の上下方向のガタにより、すくい部180bの上端部に後端ストッパ150a,150bが当接する場合がある。このような位置に後端ストッパ150a,150bが当接すると、すくい部180bには、すくい部180bを上方に捲り上げるような力が加わる。しかし、本実施の形態のように、固定部180cをステイプラ132の筐体132bに固定することにより、すくい部180bに、すくい部180bを上方に捲り上げるような力が加わった場合でも、すくい部180bが上方に捲り上がるのを防ぐことができる。
このように、すくい部180bに固定部180cを設け、この固定部180cをステイプラ132に固定することにより、後端ストッパ150a,150bがすくい部180bに当接しても、すくい部180bが上方に捲り上げられるのを防ぐことができる。なお、本実施の形態において、ステイプルガイド180は厚さ0.2mm以下の薄いバネ性を有する板金で作製されている。このため、万が一、後端ストッパ150a,150bをガイドする時、すくい部180bにすくい部180bを上方に捲り上げるような力が加わった場合も、すくい部180bは弾性により元の形状へ復帰可能である。
以上説明したように、本実施の形態においては、すくい部180bに固定部180cを下方に延在させて設け、この固定部180cをステイプラ132の筐体132bに固定するようにしている。これにより、手前綴じ、奥綴じ、二箇所綴じの動作切り替えの際、後端ストッパ150a,150bがすくい部180bに当接しても、すくい部180bが上方に捲り上げられるのを防ぐことができる。
つまり、すくい部180bを、ガイド部180b1の下方でステイプラ132の筐体132bに固定することにより、後端ストッパ150a,150bをガイドする際の、すくい部180bの変形を防止することができる。この結果、ステイプラ132の開口部132aの上下方向の幅を拡げることなく、言い換えればステイプラ132を大型化することなく、確実に後端ストッパ150a,150bを通過させながらステイプラ132を移動させることができる。そして、このようにステイプラ132の大型化を防ぐことにより、スペースの有効活用、コストダウンを達成することができる。また、後端ストッパ150a,150bを小さくする必要もないため、整合可能なシートの枚数の減少を防ぐことができる。
なお、本実施の形態においては、手前綴じ、奥綴じ、二箇所綴じの切り替えについて述べたが、例えばA4縦送りのような細長いシートの整合、綴じ処理を行う場合は整合後、綴じ処理前に後端ストッパが退避するような動作となる。この場合は、束毎に後端ストッパがステイプラの開口部内を通過することとなるが、本発明のようにすくい部180bをステイプラ132の筐体132bに固定することにより、後端ストッパを、確実にステイプラの開口部内を通過させることができる。
また、これまでの説明においては、すくい部180bに固定部180cを設けたが、本発明は、これに限らない。例えば、図14のようにシートガイド部180aのシート搬送方向上流端から下方に延在して固定部180dを設け、この固定部180dを、すくい部180bの固定部180cと一緒に取り付けビス181によりステイプラ132に固定しても良い。このように構成した場合、シートガイド部180aの上下方向の位置精度アップ、強度アップを図ることができる。
また、図15のようにシートガイド部180aのシート搬送方向上流端から下方に延在して設けられた固定部180dと、すくい部180bの固定部180cとを、例えば溶接加工のようなもので結合しても良い。そして、このように2つの固定部180c,180dを結合すると共に、2つの固定部180c,180dが一緒になった結合部180e以外の他の部分を取り付けビス181にてステイプラ132に固定するようにしても良い。