以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置の構成を示す図である。
図1において、600は画像形成装置、602は画像形成装置本体(以下、装置本体という)、650は装置本体602の上部に設けられた原稿読み取り部(イメージリーダ)、651は複数の原稿を自動的に読み取るための原稿搬送装置である。
装置本体602は、画像形成するための通常のシートPを積載する給紙カセット909a,909b、電子写真プロセスを用いてシート上にトナー画像を形成する画像形成部603、シートに形成されたトナー画像を定着させる定着部904等を備えている。また、装置本体602の上面にはユーザーが装置本体602に対して各種入力/設定を行うため操作部601が、また装置本体602の側方には、シート処理装置であるフィニッシャ100が接続されている。なお、630は装置本体602及びフィニッシャ100の制御を司る制御部であるCPU回路部である。
そして、このような画像形成装置600において、不図示の原稿の画像をシートに形成する際には、まず原稿搬送装置651により搬送された原稿の画像を、原稿読み取り部650に設けられたイメージセンサ650aにより読み取る。この後、読み取られたデジタルデータを露光手段604に入力し、露光手段604は、このデジタルデータに応じた光を画像形成部603に設けられた感光体ドラム914(914a〜914d)に照射する。このように光が照射されると、感光体ドラム表面に静電潜像が形成され、この静電潜像を現像することにより、感光体ドラム表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像が形成される。
次に、この4色のトナー画像を給紙カセット909a,909bから給送されたシート上に転写し、この後、シート上に転写されたトナー像を、定着部904により永久定着する。なお、このようにトナー画像を定着した後、シートの片面に画像を形成するモードであれば、そのまま、シートを排出ローラ対907からフィニシャ100に排出する。
また、シートの両面に画像を形成するモードであれば、シートを定着部904から反転ローラ905に受け渡しし、この後、所定のタイミングで反転ローラ905を反転させ、シートを両面搬送ローラ906a〜906fの方向へ搬送する。そして、この後、再度、シートを画像形成部603に搬送し、裏面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を転写する。なお、このように裏面に4色のトナー像が転写されたシートは、再度定着部904に搬送されてトナー画像が定着され、この後、排出ローラ対907から排出され、装置本体602の側部に接続されたフィニッシャ100に搬送される。
フィニッシャ100は、装置本体602から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、取り込んだシートの後端付近に孔をあけるパンチ処理を行うようになっている。また、フィニッシャ100は、シート束の後端側をステイプルするステイプル処理(綴じ処理)、製本処理等の処理を行うようになっており、シートをステイプルするステイプル部100A及びシート束を二つ折りにして製本するサドルユニット135を備えている。
そして、フィニッシャ100は、図2に示すように、シートを装置内部に取り込むための入口ローラ対102を備えており、装置本体602から排紙されたシートは、入口ローラ対102に受け渡される。なお、この時、入口センサ101によりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。
この後、入口ローラ対102により搬送されたシートは搬送パス103を通過しながら、シートの端部位置を横レジ検知センサ104により検知され、フィニッシャ100のセンター(中央)位置に対してどの程度、幅方向のずれが生じているかが検知される。
また、このように幅方向のずれ(以下、横レジ誤差という)が検知された後、シートはシフトローラ対105,106に搬送されている途中でシフトユニット108が手前方向、或は奥方向に所定量移動することにより、シートのシフト動作が実施される。
次に、シートは搬送ローラ110及び離間ローラ111により搬送され、バッファローラ対115に達する。この後、上トレイ136に排紙される場合は、上パス切換部材118が不図示のソレノイド等の駆動手段により、図中破線の状態になる。これにより、シートは上パス搬送路117に導かれ、上排紙ローラ120により上トレイ136に排出される。
上トレイ136に排出されない場合は、バッファローラ対115により搬送されたシートは、実線に示す状態の上パス切換部材118により束搬送パス121に導かれる。この後、搬送ローラ122、搬送ローラ対124により順次搬送パス内を通過していく。
次に、搬送されてきたシートを下方の積載トレイ137に排出する場合は、実線に示す状態のサドルパス切換部材125により下パス126に搬送される。この後、下排紙ローラ対128により中間処理トレイ138に排出される。そして、排出されたシートは、パドル131やベルトローラ158等の戻し手段により、シートを順次積載しながら整合し、整合積載されたシート束に対して処理を施すためのシート積載部としての中間処理トレイ上で所定枚数整合処理される。
次に、このように中間処理トレイ上で整合処理されたシート束は、必要に応じて綴じ部を構成するステイプラ132により綴じ処理が施され、この後、束排出ローラ対130により下方の積載トレイ137に排紙される。なお、このステイプラ132は、シート排出方向と直交する方向(以下、奥行き方向という)に移動自在であり、シート束の後端部の複数箇所を綴じ処理することができる。
一方、シートをサドル(中綴じ)処理する場合には、不図示のソレノイド等の駆動手段によりサドルパス切換部材125を破線で示す位置に移動させる。これにより、シートはサドルパス133に搬送され、サドル入口ローラ対134によりサドルユニット135に導かれ、サドル処理(中綴じ処理)される。
ここで、シフトユニット108は、図3及び図4に示すようにシフトローラ対105,106を備えている。そして、シートが搬送されてくると、シフト搬送モータ208を駆動し、このシフト搬送モータ208の駆動を駆動ベルト209を介してシフトローラ対106に伝達してシフトローラ対106を駆動する。さらに、シフトローラ対106の駆動を駆動ベルト213を介してシフトローラ対105に伝達してシフトローラ対105を駆動することにより、シートSはC方向に搬送される。
この時、横レジ検知センサ104が不図示の駆動手段により矢印E方向に移動することにより、シートSの位置(横レジ誤差X)が検出される。この横レジ誤差XとシートSのシフト量δを足し合わせたシートのシフト量Z(=X+δ)分だけシートを搬送中に移動する。この動作をシートSがシフトローラ対105,106に挟持されている時に前/奥方向(矢印D間)に行うことで搬送方向Cに搬送しながらシートSを所定量シフトすることができる。
また、綴じ手段(処理手段)であるステイプラ132は、後述する図8に示すクリンチモータM132によって、シート束の端部を綴じ処理するものであり、図5に示すスライド支台303上に固定されている。なお、図6に示すように、スライド支台303の下部には転動コロ304,305が設けられている。そして、スライド支台303は、転動コロ304,305とステイプラ移動台上のガイドレール溝307に案内されて、後述する図8に示すステイプラ移動モータM303により、中間処理トレイ138に積載されたシートの後端縁に沿って矢印Y方向に移動する。
ステイプラ132は、中間処理トレイ138に積載されたシートSのコーナーにおいて、シートの後端縁に対して所定角度θだけ傾斜された姿勢に維持されるようになっている。なお、この傾斜角度θは、約30度に設定されているが、ガイドレール溝307の形状を変えることによって、変更することができる。また、ステイプラ移動台306には、ステイプラ132のホームポジションを検知する後述する図8に示すステイプラホームセンサS303が設けられている。通常、ステイプラ132は、装置手前側のホームポジションに待機している。
なお、図2において、100Bはフィニッシャ100の上部に設けられたインサータである。このインサータ100Bは、シート束の先頭ページ、最終ページ、又は装置本体602にて画像が形成されたシート間に通常のシートとは別のシート(インサートシート)を挿入するためのものである。
このインサータ100Bは、インサートトレイ140,141にセットされたインサートシートを、装置本体602を通すことなく上トレイ136、中間処理トレイ138、サドルユニット135のいずれかに搬送するようにしている。
このようなインサータ100Bにおいて、インサートシートを画像形成シート束の中に挿し込む場合は、インサートトレイ140,141にセットされたインサートシートをピックアップローラ142,143によって給送する。
そして、このインサートシートを、搬送ローラ144,145,146,147,148により搬送し、フィニッシャ100の搬送ローラ110及び離間ローラ111の上流側で合流させる。この後、装置本体602から排紙されたシートと同様にして上トレイ136、中間処理トレイ138、サドルユニット135のいずれかに搬送する。
図7は、画像形成装置600の制御ブロック図であり、CPU回路部630は、CPU629、制御プログラム等を格納したROM631、制御データを一時的に保持するための領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられるRAM660を有している。
また、図7において、637は画像形成装置600と外部PC(コンピュータ)620との外部インターフェイスである。この外部インターフェイス637は外部PC620からのプリントデータを受信すると、このデータをビットマップ画像に展開し、画像データとして画像信号制御部634へ出力する。
そして、この画像信号制御部634は、このデータをプリンタ制御部635へ出力し、プリンタ制御部635は、画像信号制御部634からのデータを不図示の露光制御部へ出力する。なお、イメージリーダ制御部633から画像信号制御部634へは、イメージセンサ650a(図1参照)で読み取った原稿の画像が出力され、画像信号制御部634は、この画像出力をプリンタ制御部635へ出力する。
また、操作部601は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー及び設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、ユーザーによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部630に出力すると共に、CPU回路部630からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
CPU回路部630は、ROM631に格納された制御プログラム及び操作部601の設定に従い、画像信号制御部634を制御すると共に、原稿給送装置制御部632を介して原稿搬送装置651(図1参照)を制御する。また、イメージリーダ制御部633を介して原稿読み取り部650(図1参照)を、プリンタ制御部635を介して画像形成部910(図1参照)を、フィニッシャ制御部636を介してフィニッシャ100をそれぞれ制御する。
なお、本実施の形態において、フィニッシャ制御部636はフィニッシャ100に搭載され、CPU回路部630と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ100の駆動制御を行う。また、フィニッシャ制御部636をCPU回路部630と一体的に装置本体側に配設し、装置本体側から直接、フィニッシャ100を制御するようにしてもよい。
図8は本実施の形態に係るフィニッシャ100の制御ブロック図である。フィニッシャ制御部636は、CPU(マイコン)701、RAM702、ROM703、入出力部(I/O)705、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704等で構成されている。
また入出力部(I/O)705には、搬送制御部707、中間処理トレイ制御部708及び綴じ制御部709が接続されている。ここで、搬送制御部707は、シートの横レジ検知処理、シートバッファリング処理、搬送処理の制御を行うものである。中間処理トレイ制御部708は、前整合板モータM340、奥整合板モータM341、パドル駆動モータM155、束排出モータM130、揺動ガイド開閉モータM149、排紙アシストモータM190等の駆動制御を行う。
また、中間処理トレイ制御部708には前整合板ホームセンサS340、奥整合板ホームセンサS341、揺動ガイド開閉ホームセンサS149、パドル駆動ホームセンサS155、排紙アシストホームセンサS190等が接続されている。
そして、この中間処理トレイ制御部708では、後述する整合板の動作制御、引き込みパドルの動作制御、揺動ガイドの開閉制御、束排出駆動制御、排紙アシスト駆動制御がそれぞれ、ホームポジション検知センサと移動モータによって制御される。また、綴じ制御部709は、クリンチモータM132、ステイプラ移動モータM303等の駆動制御を行うと共に、綴じ制御部709には、針有無センサS7、ステイプラホームセンサS303等が接続されている。
次に、中間処理トレイ138を備えたステイプル部100Aの構成について説明する。
中間処理トレイ138は、図5に示すようにシート束の排出方向に対して下流側(図5の左側)を上方に、上流側(図5の右側)を下方に傾斜して配設されており、中間処理トレイ138の上流側である下方端部には後端ストッパ150が配置されている。なお、中間処理トレイ138は、水平であってもよい。
中間処理トレイ138の中間部には図9に示すような前及び奥整合部340A,341Aを備え、中間処理トレイ138に排出されたシートの幅方向の両側端位置を規制する側端規制部が設けられている。ここで、前及び奥整合部340A,341Aは、整合面を構成する整合部340a,341aを有する前及び奥整合板340,341と、前及び奥整合板340,341を夫々独立して駆動する前及び奥整合板モータM340,M341とを備えている。
そして、シートの両側端位置を規制する際は、前及び奥整合板モータM340,M341の駆動を、前及び奥整合板モータM340,M341と共に移動手段を構成するタイミングベルトB340,B341を介して前及び奥整合板340,341に伝達する。これにより、前及び奥整合板340,341は、中間処理トレイ138に対して幅方向に沿って独立して移動し、中間処理トレイ138上に積載されたシートの両側端に当接してシートを整合する。
すなわち、第1整合板である前整合板340と、第2整合板である奥整合板341は中間処理トレイ138上に、各整合部(整合面)340a,341aを対向させて配置され、かつ整合方向に正逆移動可能なように組み付けられている。この結果、シート(あるいはシート束)が幅方向にシフトして搬送されてきた場合でも、この前及び奥整合板340,341により、中間処理トレイ138上のシートの位置を整合することができる。
ところで、一方の整合板、例えば前整合板340の整合面を構成する整合部340aは幅方向に移動可能に設けられている。また、この整合部340aと前整合板340の本体340bとの間には、引っ張りバネ345が設けられており、この引っ張りバネ345と移動リンク346,347により、整合部340aは所定量Lだけシート側に突出するようになっている。なお、後述するように、シートの側端位置を規制する際、整合部340aがシートに圧接すると、圧接部である整合部340aは引っ張りバネ345に抗しながら本体側に移動する。
なお、図9において、S340、S341は前及び奥整合板位置センサであり、この前及び奥整合板位置センサS340,S341により、前及び奥整合板340,341の、それぞれのホームポジションを検知する。そして、このような前及び奥整合板位置センサS340,S341を備えることにより、動作しない時、前及び奥整合板340,341を、それぞれ両端部に位置するところに設定された各ホームポジション位置に待機させることができる。
また、図9において、190は中間処理トレイ138の排出方向上流側に排出方向に沿って移動可能に設けられ、綴じ処理されたシート束の排出方向上流側端部を押してシート束を排出方向に移動させる排紙アシストである。この排紙アシスト190は、後端ストッパ150a,150bの間に配置され、排紙アシストモータM190(図8参照)によって搬送方向(排出方向)に移動可能になっている。
そして、後述するようにシート束の綴じ処理等が終了すると、排紙アシスト190が積載トレイ方向に移動し、これにより中間処理トレイ138上に積載されたシート束の後端部が押され、シート束が積載トレイ方向(排出方向)に移動する。なお、シート束を排出する際は、この排紙アシスト190と、シート束に対して接離自在に設けられ、シート束を排出する排出手段としての回転体対である束排出ローラ対130とにより排出される。
また、図5に示すように中間処理トレイ138の引き込み方向下流側である上方端部には引き込みパドル131と揺動ガイド149が配置されている。ここで、引き込みパドル131は、中間処理トレイ138の上方に配設され、パドル駆動モータM155(図8参照)によって回転する駆動軸157上に沿って複数固定されている。そして、パドル駆動モータM155により、適切なタイミングで図5において反時計方向に回転するようになっている。
なお、図5において、100Cは既述した排紙アシスト190、束排出ローラ対130、揺動ガイド149及び後述する移動機構100D等を備え、綴じ処理されたシート束を排出するシート排出部である。
そして、下排紙ローラ対128から排出されたシートは、中間処理トレイ138の傾斜及び引き込みパドル131の作用によって、中間処理トレイ138の積載面上、又は中間処理トレイ138に積載されたシート上を滑降する。このように滑降したシートは、この後、シート搬送手段としてのベルトローラ158の反時計方向の回転によって、後端レバー159にガイドされながら、後端(排出方向上流端)がストッパである後端ストッパ150に突き当てられて停止する。
なお、ベルトローラ158は、その下方部が中間処理トレイ138上に積載された最上シートと接するような位置関係で中間処理トレイ138の上方に設けられている。また、ベルトローラ158は、下排紙ローラ対128を構成する第1排紙ローラ128aの外周に掛けられ、第1排紙ローラ128aの回転に従動して反時計方向に回転する。
一方、シート排出部100Cを構成する揺動ガイド149は、中間処理トレイ138に対向した上側の搬送ガイドとして配置されている。そして、この揺動ガイド149は、中間処理トレイ138の下流側端部に設けられた第1回転体である下部束排出ローラ130aと共にシートを挟持搬送する束排出ローラ対130を構成する第2回転体である上部束排出ローラ130bを回転自在に保持している。
ここで、この揺動ガイド149は、支持軸154を中心に回動可能に支持されると共に、摺動溝167aが形成されているリンク部材である回動リンク167の一端が取り付けられている。そして、この揺動ガイド149は、揺動ガイド開閉モータM149の駆動によって回転すると共にリンク軸166を備え、回動リンク167の摺動溝167aにリンク軸166が摺動可能に挿入された回動円板165と、回動リンク167を介して連結されている。これにより、揺動ガイド開閉モータM149が駆動され、回動円板165が矢印方向に回転すると、摺動溝167aを摺動するリンク軸166により作動する回動リンク167によって揺動ガイド149が上下方向に揺動する。
そして、このような上部束排出ローラ130bを、下部束排出ローラ130aに対して接離自在に保持する保持部材である揺動ガイド149の揺動に伴って上部束排出ローラ130bは、下部束排出ローラ130aに対して離接するようになっている。言い換えれば、揺動ガイド149は、上部束排出ローラ130bを下部束排出ローラ130aから離間させる第1位置と、上部束排出ローラ130bを下部束排出ローラ130aに当接させる第2位置とに移動可能となっている。
なお、通常、シートが中間処理トレイ138上に排出されるとき、揺動ガイド149は上方へ揺動し、これに伴い上部束排出ローラ130bが、束排出ローラ対130の他方のローラである下部束排出ローラ130aから離れた開口状態となる。また、中間処理トレイ138上でのシートの処理が終了したとき、揺動ガイド149は下方に揺動し、上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aとでシート束を挟むようになっている。そして、この後、このように上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aとによりシート束を挟持した状態で束排出ローラ対130が回転することにより、シート束は下方の積載トレイ137に排出される。
ここで、揺動ガイド149の上下方向に揺動する位置は、図10に示す移動機構100Dを構成する回動円板165の同軸上に設けた不図示の検知フラグの回転位置を揺動ガイド開閉ホームセンサS149によって、検知することにより制御する。なお、図10に示すように、揺動ガイド149の両側面には付勢部材である付勢バネ163がフィニッシャ100のフレーム100aとの間で掛けられている。そして、この付勢バネ163により、上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ側(第1回転体側)付勢され、下部束排出ローラ130aに対して圧接するようになっている。また、束排出ローラ対130(例えば、下部束排出ローラ130a)は、束排出モータM130(図8参照)によって正逆回転するようになっている。
さらに、揺動ガイド149には、上部束排出ローラ130bの上流部に位置し、シートを上部束排出ローラ130bのローラニップ部へ案内する案内ガイド151が設けられている。また、この揺動ガイド149には、下排紙ローラ対128から中間処理トレイ138内へシートを排紙する際のシートの表面電荷を除去する第1除電針152が軸方向に渡って配置されている。さらに、この揺動ガイド149には、上部束排出ローラ130bの下流部に位置し、束排出ローラ対130により排出されるシートの表面電荷を除去する第2除電針153が軸方向に渡って配置されている。
次に、このように構成されたフィニッシャ100の未綴じソートモード時及びステイプルソートモード時の動作について説明する。
まず、未綴じソートモード時における動作について説明する。
未綴じソートモードのジョブが選択されると、装置本体602から排紙されたシートをシフトユニット108で排紙中心から手前方向に所定量シフトさせながら搬送する。そして、この後、シートSを図11の(a)及び(b)に示すように、下排紙ローラ対128(128a,128b)から束排出ローラ対130(130a,130b)を経て、積載トレイ137へ排出する。以後、同様の動作を指定ソート枚数分繰り返し、2部目では1部目のシフト方向と反対側(奥側)に所定量シフトさせながら、シートSを1部目同様に下排紙ローラ対128から束排出ローラ対130を経て積載トレイ137へ排出する。
ここで、本実施の形態においては、1回のシフト量は排紙中心から片側15mmと定めることで、束間のソートオフセット量を30mmとした状態でシートSを積載トレイ137上に積載する。なお、ソート無しのモードが指定された場合には、上流部において斜送等でずれて搬送されてきたシートをシフトユニット108で排紙中心位置へ戻す横レジ補正動作を行い、排紙中心位置で束排出ローラ対130を経て、積載トレイ137へ排出する。このように、綴じ処理を行わない未綴じのジョブにおいては、シートSを1枚ずつ積載トレイ137に排出するようにしている。
次に、ステイプルソートモード時における動作について説明する。
ステイプルソートモードのジョブが選択されると、装置本体602から排紙された1部目の1枚目のシートをシフトユニット108で排紙中心から手前方向に所定量シフトさせながら搬送し、この後、下排紙ローラ対128から束排出ローラ対130に搬送する。そして、図12の(a)に示すように1枚目のシートS1の後端が、下排紙ローラ対128を抜けて所定量送られた後、束排出ローラ対130を逆転させ、シートS1の後端を後端ストッパ150の方向に搬送速度Vbで搬送する。つまり、本実施の形態においては、束排出ローラ対130は選択的に逆転するようになっており、シートをステイプル処理する場合には、束排出ローラ対130を逆転させる。
次に、1枚目のシートS1の後端が後端ストッパ150に突き当たるまでに、揺動ガイド開閉モータM149(図8参照)を駆動し、図12の(b)に示すように揺動ガイド149を上昇させ、上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aを離間させる。これにより、搬送速度Vbで搬送されたシートS1は、この後、束排出ローラ対130による挟持が解除された状態で後端ストッパ150に突き当って整合されるようになり、特に薄手のシートで発生しやすい座屈の発生を防止することができる。なお、この揺動ガイド149の動作については、後述する。この後、1枚目のシートS1の搬送方向(後端部)の整合が終了すると、幅方向の整合を前及び奥整合部340,341によって行う。
次に、このように1枚目のシートS1の積載整合が終了すると、1部目の2枚目のシートが下排紙ローラ対128から中間処理トレイ138に排出される。この時、図13の(a)に示すように揺動ガイド149は上昇位置で上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aを離間させた状態で2枚目のシートS2を迎える。
そして、2枚目のシートS2の後端が下排紙ローラ対128のニップを抜けると、シートS2は中間処理トレイ138上に排出される。この後、引き込みパドル131を反時計方向に回転させ、シート後端部を後端ストッパ150の方向に搬送する。なお、このように後端ストッパ150の方向に搬送された2枚目のシートS2は、この後、反時計方向に回転するベルトローラ158によって更に後端ストッパ150に引き寄せられ、後端ストッパ150に突き当てながら整合される。
次に、このような2枚目のシートS2の搬送方向(後端)の整合が終了すると、1枚目のシートS1と同様、幅方向の整合を前及び奥整合部340,341によって行う。この一連の動作を1部目の最終紙Snが後端ストッパ150に突き当たるまで繰り返す。
次に、最終シートSnの整合動作が終了すると、ステイプラ132によってシート束SAの後端縁をステイプルする。この時、一箇所綴じであれば、ステイプラ132は図6に示すAもしくは、D位置において、綴じ処理を行う。二箇所綴じであれば、ステイプラ132は、B位置で一箇所目を綴じ処理した後、スライド支台303と共にガイドレール溝307に沿ってC位置に移動し、二箇所目を綴じる。そして、この後、図13の(b)に示すように揺動ガイド149を降下させ、シート束SAを上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aで挟持し、図14に示すように積載トレイ137に排出する。
次に、1部目のシート束SAが排出されると、2部目のシートは、下排紙ローラ対128から束排出ローラ対130に搬送され、この後、中間処理トレイ138に排出される。次に、このシートの後端が、下排紙ローラ対128を抜けて所定量送られた後、1部目の1枚目のシートと同様に、束排出ローラ対130を逆転させ、シートの後端を後端ストッパ150の方向に搬送速度Vbで搬送する。
なお、この後、シートの後端が後端ストッパ150に突き当たる前に、揺動ガイド149を上昇させ、上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aを離間させる。次に、シートを整合処理し、この後、ステイプル及び積載トレイ137への排出を行う。この動作を指定部数分繰り返した後、ジョブは終了する。
ところで、シート束SAを積載トレイ137に排出する際、シート束SAの後端が束排出ローラ対130を通過した直後、シート束SAの上面に圧接していた上部束排出ローラ130bが、揺動ガイド149と共に落下して下部束排出ローラ130aに衝突する。本実施の形態においては、上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに衝突した際の衝撃力を少なくするよう、回動円板165の回転量を制御することにより、上部束排出ローラ130bを衝突前に一旦停止するように構成している。
このように、下部束排出ローラ130aとの衝突前に上部束排出ローラ130bを一旦停止させることにより、一旦停止後の落下距離を少なくし、下部束排出ローラ130aに低い速度で衝突するようにしている。上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに低速度で衝突した際の衝撃力は小さいため衝突音も抑えることができる。
次に、このような上部束排出ローラ130bの落下距離を少なくするための回動円板165の回転量制御について説明する。なお、本実施の形態においては、回動円板165の回転量制御は、フィニッシャ制御部636により揺動ガイド開閉モータM149の駆動を制御することにより行っているが、装置本体602のCPU回路部630により行っても良い。
まず、中間処理トレイ138上でシートを束状に積載する時、揺動ガイド開閉モータM149を回転させ、回動円板165を、図15の(a)に示すように、リンク軸166が垂線に対して角度αの離間位置になるように回転させる。これにより、リンク軸166を介して回動円板165に連結された回動リンク167が上方へ持ち上げられ、これに伴い揺動ガイド149が、上部束排出ローラ130bがシートの搬送を阻害しない上方の離間位置に移動する。
そして、この状態でシート束の積載動作が行われる。移動機構100Dは、回動円板165、リンク軸166、回動リンク167等により構成され、上部束排出ローラ130bを、下部束排出ローラ130aから最も離れた離間位置と下部束排出ローラ130aに当接する当接位置の間で移動させる。
次に、シート束の最終シートの中間処理トレイ138への排出が終了し、整合積載が終了すると、ステイプラによるステイプル処理が行われる。そして、ステイプル処理の際、揺動ガイド開閉モータM149を回転させて回動円板165を時計方向に回転させ、リンク軸166を、回動リンク167の摺動溝167aに沿って摺動させながら垂線に対して角度αの離間位置から角度βの中間位置に移動させる。
ここで、このようにリンク軸166が摺動溝167aに沿って摺動しながら移動すると、回動リンク167を介して揺動ガイド149が、揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の下方向への付勢力によって下降する。このような揺動ガイド149の下降に伴い、やがて上部束排出ローラ130bがシート束SAに当接し、下部束排出ローラ130aと共にシート束SAを挟持する。そして、このようにシート束SAを上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aとにより挟持することにより、シート束SAを固定することができ、ステイプル処理を確実に行うことができる。
なお、上部束排出ローラ130bがシート束SAに当接すると、揺動ガイド149の下降動作は停止するが、このように揺動ガイド149の下降動作が停止してからも、更に回動円板165を時計方向に回転させる。これにより、図15の(b)に示すように、リンク軸166と回動リンク167の摺動溝上端部との間にクリアランスが形成され、リンク軸166と回動リンク167の摺動溝上端部とが当接しないようにすることができる。
ここで、このようなクリアランスを設け、リンク軸166と回動リンク167の摺動溝上端部が当接しないようにすることにより、回動円板165に、揺動ガイド149を下方へ付勢する付勢バネ163の下方向への付勢力が作用しないようにすることができる。これにより、確実に、上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aと共に、付勢バネ163の付勢力と揺動ガイド149の自重圧によってシート束SAを挟持することができる。
なお、このようにシート束SAを挟持した後、既述したように束排出ローラ対130を回転させ、シート束SAを積載トレイ137に排出する。そして、シート束SAの後端が束排出ローラ対130を通過した瞬間、これまでシート束SAの上面に当接していた上部束排出ローラ130bが、揺動ガイド149と共に、揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力によって落下する。
ここで、揺動ガイド149の落下に伴って上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに衝突する前に、垂線に対して角度βの中間位置で待機していたリンク軸166に下方へ移動してきた回動リンク167の摺動溝上端部が引っ掛かるようになる。そして、このようにリンク軸166に回動リンク167の摺動溝上端部が引っ掛かることにより、図16の(a)に示すように、上部束排出ローラ130bは下部束排出ローラ130aとの間でクリアランスtを持った位置で、落下運動を一旦停止する。この位置は、上部束排出ローラ130bと下部束排出ローラ130aとの当接位置の手前の中間位置である。
つまり、シート束SAの後端が束排出ローラ対130を通過してもリンク軸166に回動リンク167の摺動溝上端部が引っ掛かり、上部束排出ローラ130bは、シート束の厚み分移動する前に下部束排出ローラ130aの上方の中間位置で一旦停止する。このため、シート束SAの後端が束排出ローラ対130を通過しても上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに衝突することはない。
次に、揺動ガイド開閉モータM149を回転させ、図16の(b)に示すように、リンク軸166が垂線に対して角度βの厚み分の移動距離内の中間位置から角度γの当接位置になるように回動円板165を時計方向に回転させる。そして、このように回動円板165を回転させることにより、揺動ガイド149が自重と付勢バネ163の付勢力によって下降し、上部束排出ローラ130bは下部束排出ローラ130aに当接する。
しかし、このように下部束排出ローラ130aに衝突しても上部束排出ローラ130b(揺動ガイド149)の落下量(落下距離)は、クリアランスt分であって少ないことから、衝突時の衝突音や、ローラ同士が衝突する時に発生する衝撃負荷が低減される。なお、この時の揺動ガイド開閉モータM149の回転駆動速度は、揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力により、上部束排出ローラ130b(揺動ガイド149)が落下する場合の落下速度(移動速度)よりも遅く設定している。
これにより、上部束排出ローラ130bの落下速度が遅くなり、衝突時の衝突音や、ローラ同士が衝突する時に発生する衝撃負荷をさらに低減することができる。このように、当接位置の手前の中間位置で、上部束排出ローラ130bの下降動作を、揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力による落下から、揺動ガイド開閉モータM149の回転制御による移動に切り替え、移動速度を遅くする。
ここで、本実施の形態において、このような落下速度制御を行うのは、シート束の厚さが、予め設定されたクリアランスtよりも大きくなる場合のみである。なお、このクリアランスtは、シートの種類(シートの厚み、エンボス加工等)、シート束の枚数等に応じて設定される。そして、本実施の形態においては、クリアランスtを約2.5mmに設定し、坪量64g/m2(連量55kg)のシートの場合、50枚束(約5mm)以上を対象にして、既述した落下速度制御を行っている。
なお、本実施の形態においては、シート束を形成するシートの種類(シートの厚み、エンボス加工等)が予め入力されており、入力されたシートの厚みと画像形成装置本体602からの排出されたシートをカウントした値によりシート束の厚みが算出される。そして、シート束厚がクリアランスt以下の場合には、最終シートの中間処理トレイ138への排出が終了し、整合積載が終了すると、回動円板165をリンク軸166が垂線に対して角度αの離間位置から角度γの当接位置まで回転させるようにしている。
この場合は、シート束の後端部が束排出ローラ対130を通過した瞬間、シート束の上面に当接していた上部束排出ローラ130bが揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力によって落下して下部束排出ローラ130aに衝突する。しかし、このように落下しても、シート束厚が小さいため、つまり落下距離が短いため、上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに衝突する時の衝突音や、ローラ同士が衝突する時に発生する衝撃負荷は極めて小さい。したがって、動作上の問題になることはない。
なお、図17は、ステイプルジョブが画像形成装置本体の操作部601で選択された時のフィニッシャ制御部におけるステイプル制御のフローチャートである。
図17に示すように、ステイプルジョブ(Job)が選択されると(S710)、画像形成装置600のプリントが開始(Start)され(S711)、この後、フィニッシャ100の中間処理トレイ138へのシート排出が開始される。次に、シートの中間処理トレイ138への排出が完了すると(S712のY)、前及び奥整合板340,341による整合処理が行われる(S713)。この後、シートに対して幅方向の整合処理が終了すると、引き込みパドル131による、戻し処理が開始される(S714)。
この後、排出されたシートが束内最終排出紙かを判断する(S715)。そして、排出されたシートが束内最終排出紙でなければ(S715のN)、次のシートの処理トレイへの排出動作が行われる。一方、排出されたシートが束内最終排出紙であれば(S715のY)、ステイプラ132による綴じ処理制御を行う(S716)。
次に、綴じ処理が終了すると、束排出処理に移行する(S717)。即ち、綴じ処理が終了すると、まず、図18に示す処理するシート束の束厚tの判断フローに入る。すなわち、まずシート束の束厚がt以上かを判断する(S730)。そして、シート束の束厚がt以上の場合は(S730のY)、揺動ガイド開閉モータを駆動し(S731)、揺動ガイド149の下降量を決定するリンク軸166を、図15の(b)の角度βに示す中間位置まで移動させる。なお、このようにリンク軸166を角度βに示す中間位置まで移動させると、揺動ガイド149と共に上部束排出ローラ130bが下降してシート束SAに当接し、下部束排出ローラ130aと共にシート束SAを挟持する。
次に、揺動ガイド開閉モータの駆動によりリンク軸の角度βの中間位置まで移動が完了すると、束排出モータを駆動し(S732)、シート束の排紙トレイ方向への搬送移動が実行される。次に、シート束の搬送量判定フローに移行する。ここで、本実施の形態においては、シート束を排出する際の束排出ローラ対130の搬送距離は160mmとしている。なお、この搬送距離はシート束の後端が束排出ローラ対130のニップを通過した後、シート束をさらに20mm下流方向に搬送することができる量であり、この搬送量160mmは束排出モータM130の駆動クロックをカウントすることにより制御される。
これにより、シート束の搬送量判定では、シート束の後端が束排出ローラ対130のニップを通過してから20mm下流方向に搬送されたとき、すなわち駆動クロックカウントが所定の搬送量160mmに達したかどうかを判定する(S733)。そして、搬送量160mmに達するまで(S733のN)、束排出モータM130を駆動し、シート束の搬送(排出)を行う。なお、このようにシート束の後端が束排出ローラ対130のニップを通過した後も束排出モータM130を駆動することにより、シート排出時、束排出ローラ対130とシート束との間にすべり等が生じた場合でも、確実にシート束を排出することができる。
次に、シート束の搬送量が160mmに達すると(S733のY)、揺動ガイド開閉モータを駆動し(S734)、揺動ガイド149の下降量を決定するリンク軸166を図16の(b)の角度γに示す当接位置まで移動させる。これにより、シート束を搬送した後、垂線に対して角度βの中間位置で待機していたリンク軸166に引っ掛かっていた回動リンク167が下降し、これに伴い揺動ガイド149と共に上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに衝突(当接)する。そして、このように上部束排出ローラ130bを下部束排出ローラ130aに衝突させることにより、束排出処理が完了する(S737)。
一方、シート束の束厚がt以下の場合(S730のN)、揺動ガイド開閉モータを駆動し(S735)、揺動ガイド149の下降量を決定するリンク軸166を角度γの当接位置まで移動させる。次に、束排出モータM130を駆動し(S736)、シート束の排紙トレイ方向への搬送移動が実行される。そして、シート束の後端部が束排出ローラ対130のニップ位置を通過し、シート束が積載トレイ137に排出されると、上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに当接することにより束排出処理が完了する(S737)。
次に、このような束排出処理が完了した後、排出したシート束が最終束かを判断し(S718)、排出したシート束が最終束でない場合には(S718のN)、S712〜S717を排出したシート束が最終束となるまで(S718のY)、繰り返す。具体的には、排出したシート束が最終束でない場合には、揺動ガイド149を一旦停止させた後、揺動ガイド149と共に上部束排出ローラ130bを落下させる。また、この後、次に処理されるシート束の先頭シートの先端部が束排出ローラ対130に達する前に揺動ガイド149を上昇させるように制御する。この後、S712〜S717を排出したシート束が最終束となるまで(S718のY)、繰り返す。
以上説明したように、本実施の形態では、処理されたシート束が束排出ローラ対130を通過して揺動ガイド149が、上部束排出ローラ130bを下部束排出ローラ130aに当接させる第2位置に向かう際、揺動ガイド149を一旦停止させるようにしている。つまり、処理されたシート束が束排出ローラ対130を通過した際、揺動ガイド149の移動を規制するようにしている。言い換えれば、シート束が通過した際、中間位置において、上部束排出ローラ130bの移動速度が中間位置に到達する前よりも中間位置を通過した後のほうが遅くなるように下降動作を切り替えるように制御している。
これにより、シート束が束排出ローラ対130を通過した瞬間に上部束排出ローラ130bが下部束排出ローラ130aに対して揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力で勢いよく当接することにより発生する衝撃力Fを低減することができる。この結果、ローラ同士の衝突音や、ローラ同士が衝突する時に発生する衝撃負荷を低減することができ、シート束を排出した際の騒音及び衝撃を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、シート束が通過するとリンク軸166に回動リンク167が引っ掛かることにより、上部束排出ローラ130bを下部束排出ローラ130aとの間でクリアランスtを持った位置で一旦停止させていた。しかし、本発明は、これに限らない。
例えば、シート束が束排出ローラ対130を通過した瞬間に揺動ガイド149の自重と付勢バネ163の付勢力により落下させ、角度βの中間位置で待機していたリンク軸166を低速で回転させながら回動リンク167と係合させる。このようにして揺動ガイド149を停止させることなく、中間位置通過後の揺動ガイド149の移動速度を低く規制するようにしても良い。このように構成した場合には、ローラ同士の衝突音や、ローラ同士が接触する時に発生する衝撃負荷を低減させることができると共に、揺動ガイド149を一旦停止することがないため、シート束搬送に要する時間を短縮することができる。