JP6220604B2 - シュレッダ及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、モータに、供給電圧をパラメータとしたときに回転数の増加に対してモータトルクが略直線的に垂下する特性を具備させ、制御手段にて、細断機構に課せられた紙葉を細断するのに要する所要トルクが上昇することに伴ってモータの回転数を低下させ、商用電源から入力される電力が所定の値を超えないように制御するシュレッダが開示されている。
特許文献2には、インダクションモータを使用しているシュレッダに対して、細断物の無い時には、低速運転状態若しくは運転停止状態にし、モータや細断機構から発生する回転数に伴う音・振動を低減し、かつ、消費電力を抑える技術が開示されている。
特許文献3には、投入口から投入された紙葉類を縦方向に細断する一対のカッタローラと、回転軸の回りに螺旋状に形成されたスパイラルカッタと、スパイラルカッタと対向して配設され、カッタローラで細断された紙葉類をスパイラルカッタとともに横方向に細断するフラットカッタと、を備えた紙葉細断装置が開示されている。
この点について、本件出願人らは、細断機構として複数段のカッタ要素を採用する態様の細断挙動を解析したところ、紙葉が細断機構の第1のカッタ要素を抜けたとき、第1のカッタ要素による細断負荷がなくなることから、インバータ制御によってモータのトルクが減少することに伴ってモータの回転数が増加し、これによる第1のカッタ要素、第2のカッタ要素の回転の増加現象が騒音の要因になっているものと推測している。
また、細断機構による細断音を抑制するという観点から、特許文献2記載の技術を適用するに当たって、細断機構に細断物が無い条件として、紙葉が搬入経路の予め決められた場所を通過後一定時間経過するという条件を選定することは可能であるが、特許文献2記載の技術は、細断機構に細断物が無い条件で、モータを低速運転状態又は運転停止状態にするものであることから、例えば紙葉が細断機構の途中に存在する場合にはそのまま適用することは困難である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るシュレッダにおいて、前記搬入経路のうち前記細断機構の第1のカッタ要素よりも前記シート状物の搬入方向上流側に設けられ、前記シート状物の有無を検出する位置検出器を有し、前記制御装置は前記位置検出器により搬入されたシート状物の有無を検出することで前記駆動源による正転動作を開始することを特徴とするシュレッダである。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係るシュレッダにおいて、前記駆動源に供給される電力に関する負荷情報を検出する負荷検出器を有し、前記制御装置の第2の制御部は、前記負荷検出器による検出結果に基づいて前記シート状物が第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別し、前記駆動源の回転数を低速に切替制御することを特徴とするシュレッダである。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係るシュレッダにおいて、前記搬入経路のうち前記細断機構の第1のカッタ要素よりも前記シート状物の搬入方向上流側に設けられ、前記シート状物の有無を検出する位置検出器を有し、前記制御装置の第2の制御部は、前記位置検出器による検出結果及び前記シート状物の負荷に基づいて前記シート状物が第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別し、前記駆動源の回転数を低速に切替制御することを特徴とするシュレッダである。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係るシュレッダにおいて、前記制御装置の第2の制御部は、前記細断機構に対するシート状物の負荷に応じて前記駆動源の回転数を可変設定することを特徴とするシュレッダである。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、駆動系の構成を簡略化することができる。
請求項3に係る発明によれば、細断機構による細断動作を効率的に実施することができる。
請求項4に係る発明によれば、駆動源に供給される電力に関する負荷情報を検出することで、シート状物が細断機構の第1のカッタ要素を通過し終わるタイミングを容易に判別することができる。
請求項5に係る発明によれば、シート状物の容量及びその搬入位置を検出することで、シート状物が細断機構の第1のカッタ要素を通過し終わるタイミングを容易に判別することができる。
請求項6に係る発明によれば、シート状物の容量に応じて駆動源の回転数の低速への切替制御をより細かく調整することができる。
請求項7に係る発明によれば、複数段のカッタ要素が含まれる細断機構を採用し、駆動源をインバータ制御する方式のシュレッダを駆動するに当たり、シート状物の搬入に伴う騒音を抑制することができる。
図1は本発明が適用されたシュレッダの実施の形態の概要を示す。
同図において、シュレッダは、シート状物1が搬入される搬入経路2と、この搬入経路2に搬入されたシート状物1が当該シート状物1の搬入方向に沿う方向に沿って細断可能な第1のカッタ要素3a、及び、シート状物1の搬入方向に対し第1のカッタ要素3aよりも下流側に設けられ且つ第1のカッタ要素3aの細断方向に交差する方向に沿って細断可能な第2のカッタ要素3bを有し、当該搬入経路2に搬入されたシート状物1を細断する細断機構3と、商用電源6からの電力に基づいて細断機構3を駆動する駆動源4と、駆動源4と商用電源6との間に介在して駆動源4に供給される電力を制御する制御装置10と、を備え、制御装置10は、供給電力の制限内で、細断機構3に搬入されるシート状物1の負荷が大きい場合に駆動源4の回転数を減少方向に、シート状物1の負荷が小さい場合に駆動源4の回転数を増加方向に設定するように、当該シート状物1の負荷に応じて駆動源4の回転数を選択制御する第1の制御部11と、シート状物1が細断機構3の第1のカッタ要素3aを通過し終わったことを判別した条件では、第1の制御部11による選択制御にて設定された回転数よりも駆動源4の回転数を低速に切替制御する第2の制御部12と、を有するものである。尚、図1中、符号5は細断機構3に駆動源4からの駆動力を伝達する駆動伝達機構である。
また、細断機構3としては、第1のカッタ要素3a、第2のカッタ要素3bを具備している。ここで、第1のカッタ要素3aはシート状物1を長尺短冊片1aに一次細断し、更に、第2のカッタ要素3bが第1のカッタ要素3aで細断した長尺短冊片1aをこれに交差する方向に細断することで細かい細断片1bとして二次細断するものである。
更に、駆動源4は細断機構3の各カッタ要素3a,3bに対して共用してもよいし、個別に設けるようにしてもよい。
更にまた、制御装置10は駆動源4に供給される電力を制御するものであり、例えば電流(又は電圧)を高く設定すれば電力を増大でき、また、電流(又は電圧)を低く設定すれば電力を低減することが可能である。
第1の制御部11は、駆動源4への供給電力を可変させるインバータ制御に相当するもので、供給電力の制限内で、細断機構3に搬入されるシート状物1の負荷に応じて、高負荷であれば駆動源4の回転数を低減させ、低負荷であれば駆動源4の回転数を増加させるようにすればよい。
一方、第2の制御部12は、シート状物1が第1のカッタ要素3aを通過し終わったときに、第1の制御部11に代わって働くものである。
ここで、第1の制御部11がそのまま働くと仮定すると、シート状物1が第1のカッタ要素3aを通過し終わると、細断機構3の第1のカッタ要素3aに対するシート状物1の負荷がなくなるため、その分、シート状物1の負荷が軽減されるため、駆動源4の回転数が増加し、その分、細断音が増し、騒音値が高くなる。尚、騒音を低減させるため、予め決められた時間を経過した後に、駆動源4の回転数を低減させることは考えられるが、搬入するシート状物1の量がまちまちである場合に、シート状物1の負荷によってシート状物1の搬入速度も変化することから、シート状物1の量によっては駆動源4の細断音を完全には回避し得ない。
これに対し、第2の制御部12は、シート状物1の負荷が軽減されるが、駆動源4の回転数を低速に切替制御するものであることから、細断機構3に対するシート状物1の負荷が途中で軽減されたとしても、駆動源4の回転数が増加することはない。
先ず、シート状物1が細断機構3に突入すると、制御装置10からの供給電力の制限内で細断機構3に搬入されるシート状物1の負荷に応じて駆動源4の回転数を例えばr1に選択制御する第1の制御ステップが実施される(図2(a)参照)。
次いで、シート状物1が細断機構3の第1のカッタ要素3aを通過し終わったことを判別した条件では、第1の制御ステップによる選択制御に代えて駆動源4の回転数を低速r2(r2<r1)に切替制御する第2の制御ステップが実施される(図2(b)参照)。
更に、シート状物1が細断機構3の第2のカッタ要素3bを通過し終わったことを判別した条件では、駆動源4の回転を停止制御する第3の制御ステップが実施される(図2(c)参照)。
駆動源4の代表的態様としては、駆動系の構成を簡略化するという観点からは、細断機構3の第1のカッタ要素3a及び第2のカッタ要素3bの両者を駆動対象として共用されるものが挙げられる。
また、細断機構3による自動細断開始方式を採用する場合には、搬入経路2のうち細断機構3の第1のカッタ要素3aよりもシート状物1の搬入方向上流側に設けられ、シート状物1の有無を検出する位置検出器13を有し、制御装置10は位置検出器13により搬入されたシート状物1の有無を検出することで駆動源4による正転動作を開始するようにすればよい。
本態様では、位置検出器13は細断機構3に搬入されるシート状物1の有無を検出するものであるから、制御装置10はこの位置検出器13の検出出力を監視することで細断機構3による細断動作を事前に準備することが可能である。
本態様では、シート状物1が第1のカッタ要素3aを抜けると、細断機構3に対するシート状物1の負荷が軽減し、その分、負荷検出器14からの電力に関する負荷情報が変化し、この変化からシート状物1が第1のカッタ要素3aを抜けたことを判別することが可能である。
ここで、負荷検出器14は、駆動源4に供給される電力に関する負荷情報を検出するものであればよく、定電圧印加方式であれば電流検出器で検出された電流から供給電力を割り出すようにしてもよいし、定電流供給方式であれば電圧検出器で検出された電圧から供給電力を割り出すようにしてもよい。勿論、電力そのものを検出してもよい。
本態様では、シート状物1の通過位置、及び、シート状物1の負荷によって、シート状物1の搬入速度が事前の試験等で割り出すことが可能であり、これを予め参照用データとして格納しておけば、この参照用データを参照することで、シート状物1が第1のカッタ要素3aを通過し終わるタイミングを判別することが可能である。
更にまた、第2の制御部12の好ましい態様としては、細断機構3に対するシート状物1の負荷に応じて駆動源4の回転数を可変設定するものが挙げられる。本態様は、第2の制御部12で駆動源4の回転数を低速に切替制御するに当たり、シート状物1の容量に応じて駆動源4の回転数を可変設定し、シート状物1の容量に合わせて細断音の発生がより確実に抑えられるように駆動源4の回転数を切替えるものである。
◎実施の形態1
図3(a)は実施の形態1に係るシュレッダの全体構成を示し、同図(b)はその平面説明図である。
−シュレッダの全体構成−
同図において、シュレッダ20は、略直方体形状のシュレッダ筐体21を有し、このシュレッダ筐体21の上面には細断するシート状物としての用紙が投入される投入口22を開設し、この投入口22には一対のガイドシュートで区画された搬入経路23を設け、この搬入経路23の途中に細断機構24を配設し、シュレッダ筐体21内の細断機構24の下方には用紙の細断片が収容される屑容器27を出し入れ可能に配設したものである。
ここで、細断機構24は、図3(a)(b)及び図4に示すように、用紙Sの搬入方向に沿う方向に短冊状に細断する第1のカッタ要素25と、第1のカッタ要素25に対して用紙Sの搬入方向下流側に設けられ且つ短冊状に細断された各長尺短冊片Saを所定の細断ピッチ毎の細断片Sbに細断する第2のカッタ要素26と、を有している。尚、図3中、符号50は細断機構24を駆動する駆動装置、60はシュレッダ20を操作するための操作パネルである。
本実施の形態において、第1のカッタ要素25は、用紙Sを短冊状に細断する所謂ストレートカッタと称するものであって、一対のロールカッタ31,32からなるものである。これらのロールカッタ31,32は、例えば図3(a)(b)、図4及び図5(a)(b)に示すように、回転軸31a,32aの軸方向に予め決められたピッチp(w)で等間隔に円板状の切断刃31b,32bを取り付けたもので、各切断刃31b,32bを相互に噛合配置するようにしたものである。
また、第2のカッタ要素26は、例えば図3(a)(b)、図4及び図5(a)(c)に示すように、回転軸41aの周囲に螺旋状の刃41bを予め決められたピッチp(h)の間隔で複数有するスパイラルカッタ41と、このスパイラルカッタ41に対向して固定配置されるフラットカッタ42と、を有したものである。
そして、本例では、フラットカッタ42は、スパイラルカッタ41の上方空間に設置されている。ここで、スパイラルカッタ41は支持ブラケット43で支持されており、この支持ブラケット43の上部枠にフラットカッタ42が図示外の止め具を介して固着されている。本例においては、搬入経路23は、斜め下方に向かって延びてスパイラルカッタ41に至ることから、スパイラルカッタ41の直上に位置する上方空間としては比較的広いスペースが確保される。このため、フラットカッタ42の被取付部として支持ブラケット43の上部枠の厚さ、大きさを高剛性が得られるように構成することが容易になり、フラットカッタ42は支持ブラケット43の上部枠に強固に固着され、スパイラルカッタ41とフラットカッタ42との間のギャップを一定の間隔に維持することが可能になり、第2のカッタ要素26は切れ味の良い耐久性に優れたものとして提供されている。尚、フラットカッタ42の設置箇所は前述したものに限られるものではなく、スパイラルカッタ41の下方、側方等適宜選定して差し支えない。
本実施の形態において、駆動装置50は、図3(a)(b)及び図5(a)に示すように、第1のカッタ要素25及び第2のカッタ要素26に対して共用する駆動系を有している。
本例で用いられる駆動装置50は、駆動源としての駆動モータ51を有し、この駆動モータ51からの駆動力を駆動伝達機構53を介して第1のカッタ要素25及び第2のカッタ要素26に伝達するものである。ここで、駆動モータ51としてはインダクションモータが用いられる。
本例において、駆動伝達機構53としては、例えば駆動モータ51の駆動軸52及び第1のカッタ要素25の一方のロールカッタ31の回転軸31aに夫々プーリ53a,53bを固着すると共に、これらプーリ53a,53b間に伝達ベルト53cを掛け渡し、更に、各ロールカッタ31,32の回転軸31a,32aには伝達ギア53d,53eを互いに噛合させた状態で固着する一方、一方のロールカッタ31の回転軸31aにはプーリ53bと同軸にプーリ53fを固着すると共に第2のカッタ要素26のスパイラルカッタ41の回転軸41aにプーリ53gを固着し、これらのプーリ53f,53g間に伝達ベルト53hを掛け渡したものが用いられる。
尚、本実施の形態で用いられる駆動装置50は、第1のカッタ要素25及び第2のカッタ要素26に共用する駆動系を採用しているが、これに限られるものではなく、第1のカッタ要素25、第2のカッタ要素26に対して個別に駆動するように構成してもよいことは勿論である。
更に、本実施の形態では、図4に示すように、細断機構24を駆動する駆動装置50は制御装置100によって制御されるようになっている。
本例において、制御装置100はCPU、RAM、ROM及び入出力ポートを含むマイクロコンピュータシステムからなり、操作パネル60からの操作信号、搬入経路23に用紙Sが搬入されたか否かを検出する位置検出器28からの信号などを入出力ポートを介して受け取り、CPU、RAMによってROM内に予めインストールされている細断制御プログラム(図7参照)を実行し、入出力ポートを介して細断機構24の駆動装置50(具体的には駆動モータ51)に対し所定の制御信号を送出するようになっている。
つまり、本例では、この制御装置100は、商用電源110を整流した後にインバータ回路を介して駆動モータ51へ電力を供給する電源回路を有しており、商用電源110からの電力に基づいて駆動モータ51に供給すべき電力を細断制御プログラムに従って制御するものである。
そして、駆動モータ51には当該駆動モータ51に供給される駆動電流を検出する電流検出器120が設けられている。
また、本例では、操作パネル60は、図4に示すように、シュレッダ20に電源を投入するためのスタートスイッチ61(図中STと表記)と、細断機構24による細断処理の途中で細断処理を緊急中断又は停止させるために操作する緊急停止スイッチ62(図中MSと表記)と、シュレッダ20の動作状態を表示する表示器63と、を有している。また、位置検出器28は用紙Sが通過したことを検出可能な構成であれば、機械的、光学式センサなど適宜選定して差し支えない。
<トルク特性>
本実施の形態において、駆動モータ51は、図6(a)に示すトルク特性を有している。
図6(a)に示すトルク特性は、駆動モータ51におけるトルクTと回転数rとの関係を示している。
同図において、駆動モータ51は、供給される電圧(図中V1〜V6)をパラメータとしたときに、供給電圧毎に回転数rの増加に対して駆動モータ51のトルクTを略直線的に減少させるトルク特性を有している。尚、図中V1〜V6はV6からV1に向かって供給電圧を大きくしたものである。
また、同図において、ポイントP2とP4を結ぶラインは電流制限ラインIRを示し、商用電源110からの入力電流値の許容上限における回転数rに対する最大トルクを表している。例えば回転数rをP2のポイントからP3のポイントへと低下させることによって、駆動モータ51への供給電圧が低下し、駆動モータ51の運転はV1のラインからV4のラインへと変化する。このとき、駆動モータ51への供給電力が低下するため、商用電源110からの入力電流値を許容上限値まで増加させることにより、モータトルクを増加させることが可能になり、電流制限ラインIRは低速回転域に至るほど上昇している。
今、P1−P2の運転域では、細断機構24の負荷に応じて駆動モータ51への供給電圧を調整することにより、通常の細断運転が高速且つ一定速で為されるようになっている。
今、細断すべき用紙Sの容量が増えて細断機構24に投入されると、商用電源110からの入力電流が許容レベルを超えるという状況に至る場合がある。この場合には、例えばP1−P2ラインに沿った運転域からP2−P4ラインに沿った運転域に移行するように制御すればよい。
つまり、駆動モータ51への供給電圧を小さくして回転数を低下させると、V1のラインから例えばV2のラインへと駆動モータ51の運転状態が変更される。すると、入力電流値に余裕が生ずるため、この状態で再び入力電流が許容レベルに達するまで運転を行うことができる。このようにして電流制限ラインIRのP2−P4に沿って低速方向へ徐々に駆動モータ51の運転状態が変更される。
図6(b)は細断枚数に対する商用電源110からの入力電流を示している。
同図によれば、商用電源110からの入力電流の制限値IR内で駆動モータ51の回転数を低下させることにより、常に最大のトルクを得ることが可能になる。このため、入力電流の制限値IR内で細断可能枚数が増大し、過負荷による細断停止頻度を大幅に低減させることが可能である。
次に、本実施の形態に係るシュレッダの細断制御処理を主として図4及び図7に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、制御装置100は、操作パネル60のスタートスイッチ61がオン操作されたことを判別した後、位置検出器28の検出出力の有無から搬入経路23に細断すべき用紙Sが挿入されたか否かを判別する。
本例では、図8(a)に示すように、用紙Sの先端が位置検出器28を通過すると、当該位置検出器28が図9に示すようにオン動作し、位置検出器28がオン動作している間、用紙Sが通過中であることを検出する。
そして、本例では、位置検出器28が用紙Sの挿入を検出すると、用紙Sが細断機構24に至る前に、細断機構24の駆動を開始するオートスタートセンサとして働き、駆動モータ51の回転動作を開始する。
この状態において、制御装置100は、電流検出器120の出力を予め決められた時間毎に定期的に検出し、モータ電流のモニタを開始する。
今、用紙Sが細断機構24の第1のカッタ要素25に到達すると、第1のカッタ要素25には用紙Sによる負荷が作用することから、制御装置100は第1の制御ステップを実施する。
この第1の制御ステップは、図8(a)(b)に示すように、電流検出器120によるモータ電流をモニタし、用紙Sが第1のカッタ要素25に突入したことに伴うモータ電流変化ΔIaを検出する。このとき、用紙Sによる負荷が大きいと、電流検出器120によるモータ電流変化ΔIaが増加することから、駆動モータ51に作用するトルクが増加することが理解される。この状態において、制御装置100は、駆動モータ51に作用するトルクに応じて駆動モータ51の回転数を設定し、細断機構24による細断処理を開始する。
このため、本例では、用紙Sの容量が少ない場合には、用紙Sによる負荷が小さく、その分、駆動モータ51に作用するトルクが減少することから、駆動モータ51の回転数を増加方向に設定する。逆に、用紙Sの容量が多い場合には、用紙Sによる負荷が大きく、その分、駆動モータ51に作用するトルクが増加することから、駆動モータ51の回転数を減少方向に設定する。
特に、本例では、商用電源110からの入力電流の制限値内で、駆動モータ51に対して最大回転数と最大トルクの組み合わせを選択制御するようにすれば、同じ細断枚数で比較した場合、細断機構24による細断時間が大幅に短縮される点で好ましい。
次いで、制御装置100は、電流検出器120のモータ電流を定期的に検出し、モータ電流変化ΔIbの有無をチェックする。
このとき、用紙Sが細断機構24の第1のカッタ要素25を抜けると、用紙Sと第1のカッタ要素25との係わり合いが無くなることから、第1のカッタ要素25に対する用紙Sによる負荷が低減することになり、電流検出器120には、図8(a)(b)に示すように、用紙Sと第1のカッタ要素25とが係わり合っていた場合に比べて、電流検出器120には用紙Sが第1のカッタ要素25を抜けたことに伴うモータ電流変化ΔIbが現れる。
この状態において、第1の制御ステップを続行する場合には、用紙Sによる負荷が低減することから、駆動モータ51の回転数を増加することになるが、本例では、第1の制御ステップに代えて、駆動モータ51の回転数を低減する方向に変化させる第2の制御ステップが実施される。
このように、第2の制御ステップが実施されると、用紙Sの後端が細断機構24の第1のカッタ要素25を抜けたとき、駆動モータ51の回転数が低速切替される。このため、図9に示すように、用紙Sの先端が位置検出器28を通過してから所定時間ta経過した後、用紙Sの後端が第1のカッタ要素25を抜けると、各カッタ要素25,26は直ちに低速に切替られる。このため、第1のカッタ要素25、第2のカッタ要素26が高速回転することがなく、高速回転に伴う第1のカッタ要素25、第2のカッタ要素26が騒音の要因に至る事態は少なく抑えられる。
これに対し、例えば図9中二点鎖線で示すように、用紙Sの先端が位置検出器28を通過した後、予め決められた時間tc経過した条件下で、駆動モータ51の回転数を低速に切替制御する方式では、用紙Sの容量によっては、駆動モータ51の回転数の低速への切り替えタイミングが第1のカッタ要素25を通過した時点から遅れが生ずることもあり、このような状況では、細断機構24による騒音レベルを十分に低減することは難しいという懸念がある。
次いで、用紙Sが第2のカッタ要素26を抜けると、細断機構24に対する用紙Sによる負荷がなくなるため、電流検出器120にはモータ電流変化ΔIcが現れることになり、制御装置100はこの電流検出器120の電流変化によって用紙Sが細断機構24を抜けたことを判別した後、駆動モータ51の駆動を停止する。
この状態において、細断機構24の各カッタ要素25,26が空回転することで騒音の要因に至る懸念はない。
尚、本実施の形態では、電流検出器120のモータ電流変化は、図8(b)に実線若しくは二点鎖線に示すように、用紙Sの容量によって相違することから、電流検出器120のモータ電流変化をより細かく解析することで、細断すべき用紙Sの容量に応じて、第1の制御ステップは勿論、第2の制御ステップについても駆動モータ51の回転数を複数レベルで切り替えるようにしてもよい。
本実施の形態では、電流検出器120によるモータ電流をモニタすることで、電流検出器120のモータ電流変化から細断機構24に対する用紙Sの搬入位置を直接検出するようにしているが、これに限られるものではなく、例えば図8(c)に示す手法にて、細断機構24に対する用紙Sの搬入位置を推測するようにしても差し支えない。
図8(c)に示す手法は、例えば電流検出器120によるモータ電流変化ΔIa(例えばΔIa1,ΔIa2,ΔIa3)から用紙Sの容量M(例えばM1,M2,M3)を割り出し、各用紙Sの容量Mに対する駆動モータ51のトルクT(例えばT1,T2,T3)、及び、各用紙Sの容量Mについての用紙Sの搬送速度を実験等で求めておき、図8(a)に示すように、例えば位置検出器28の位置から第1のカッタ要素25を抜けるまでの距離Lについて、用紙Sの容量M毎に用紙Sが細断機構24の第1のカッタ要素25を通過し終わるタイミングta(例えばta1,ta2,ta3)を参照用データテーブルとして作成し、この参照用データテーブルを検索することで、用紙Sが細断機構24の第1のカッタ要素25を通過し終わったことを推測するようにしても差し支えない。
Claims (7)
- シート状物が搬入される搬入経路と、
この搬入経路に搬入されたシート状物が当該シート状物の搬入方向に沿う方向に沿って細断可能な第1のカッタ要素、及び、前記シート状物の搬入方向に対し前記第1のカッタ要素よりも下流側に設けられ且つ第1のカッタ要素の細断方向に交差する方向に沿って細断可能な第2のカッタ要素を有し、当該搬入経路に搬入されたシート状物を細断する細断機構と、
商用電源からの電力に基づいて前記細断機構を駆動する駆動源と、
前記駆動源と前記商用電源との間に介在して前記駆動源に供給される電力を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、供給電力の制限内で、前記細断機構に搬入されるシート状物の負荷が大きい場合に前記駆動源の回転数を減少方向に、前記シート状物の負荷が小さい場合に前記駆動源の回転数を増加方向に設定するように、当該シート状物の負荷に応じて前記駆動源の回転数を選択制御する第1の制御部と、
前記シート状物が前記細断機構の第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別した条件では、前記第1の制御部による選択制御にて設定された回転数よりも前記駆動源の回転数を低速に切替制御する第2の制御部と、を有することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
前記駆動源は、前記細断機構の第1のカッタ要素及び第2のカッタ要素の両者を駆動対象として共用されることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1又は2記載のシュレッダにおいて、
前記搬入経路のうち前記細断機構の第1のカッタ要素よりも前記シート状物の搬入方向上流側に設けられ、前記シート状物の有無を検出する位置検出器を有し、
前記制御装置は前記位置検出器により搬入されたシート状物の有無を検出することで前記駆動源による正転動作を開始することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1ないし3いずれかに記載のシュレッダにおいて、
前記駆動源に供給される電力に関する負荷情報を検出する負荷検出器を有し、
前記制御装置の第2の制御部は、前記負荷検出器による検出結果に基づいて前記シート状物が第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別し、前記駆動源の回転数を低速に切替制御することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1ないし4いずれかに記載のシュレッダにおいて、
前記搬入経路のうち前記細断機構の第1のカッタ要素よりも前記シート状物の搬入方向上流側に設けられ、前記シート状物の有無を検出する位置検出器を有し、
前記制御装置の第2の制御部は、前記位置検出器による検出結果及び前記シート状物の負荷に基づいて前記シート状物が第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別し、前記駆動源の回転数を低速に切替制御することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1ないし5いずれかに記載のシュレッダにおいて、
前記制御装置の第2の制御部は、前記細断機構に対するシート状物の負荷に応じて前記駆動源の回転数を可変設定することを特徴とするシュレッダ。 - シート状物が搬入される搬入経路と、
この搬入経路に搬入されたシート状物が当該シート状物の搬入方向に沿う方向に沿って細断可能な第1のカッタ要素と、前記シート状物の搬入方向に対し前記第1のカッタ要素よりも下流側に設けられ且つ第1のカッタ要素の細断方向に交差する方向に沿って細断可能な第2のカッタ要素とを有し、当該搬入経路に搬入されたシート状物を細断する細断機構と、
商用電源からの電力に基づいて前記細断機構を駆動する駆動源と、
前記駆動源と前記商用電源との間に介在して前記駆動源に供給される電力を制御する制御装置と、を備えたシュレッダを駆動するに際し、
前記制御装置からの供給電力の制限内で、前記細断機構に搬入されるシート状物の負荷が大きい場合に前記駆動源の回転数を減少方向に、前記シート状物の負荷が小さい場合に前記駆動源の回転数を増加方向に設定するように、当該シート状物の負荷に応じて前記駆動源の回転数を選択制御する第1の制御ステップと、
前記シート状物が前記細断機構の第1のカッタ要素を通過し終わったことを判別した条件では、前記第1の制御ステップによる選択制御にて設定された回転数よりも前記駆動源の回転数を低速に切替制御する第2の制御ステップと、
前記シート状物が前記細断機構の第2のカッタ要素を通過し終わったことを判別した条件では、前記駆動源の回転を停止制御する第3の制御ステップと、を有するシュレッダの駆動方法。
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