JP6219490B2 - 放射線画像撮影装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、乳房等の被写体を撮影して放射線画像を取得する放射線画像撮影装置および方法に関し、とくにインプラントを含む乳房の撮影に適した放射線画像撮影装置および方法に関するものである。
近年、乳がんの早期発見を促すため、乳房を撮影するための放射線画像撮影装置(マンモグラフィと呼ばれる)を用いた画像診断が注目されている。マンモグラフィで撮影された乳房の放射線画像(乳房画像)は、専用の操作端末等で画像処理された後、医師による診断に供される。医師は、乳房画像をディスプレイに表示して読影することにより、腫瘤や石灰化等の病変の有無を調べる。
このようなマンモグラフィにおいて、高品質な乳房画像を取得するためには、被写体である乳房の放射線透過率に応じた適切な放射線の照射条件を設定する必要がある。とくに被写体が乳房の場合、乳房の厚さおよび乳腺の密度に応じて、放射線の透過率が大きく異なる。このため、乳房の状態に応じて線源の管電圧、管電流、照射時間、放射線を発生させるターゲットの種類、放射線の高エネルギ成分または低エネルギ成分を選択的に吸収することができるフィルタの種類等の照射条件を適切に設定して、過剰な放射線が乳房に照射されてしまうことを防止する必要がある。
ここで、照射条件を設定する手法として、乳房を透過した放射線の線量を検出するAEC(Automatic Exposure Control)センサをマンモグラフィに設け、被写体に少ない線量の放射線を照射し、その透過放射線の線量をAECセンサによって検出して、撮影に必要な照射条件を設定するプレ照射を行った後、設定された照射条件からなる放射線を被写体に照射して放射線画像を取得する本照射を行う手法(特許文献1参照)が提案されている。また、プレ照射により得られるプレ放射線画像を解析することにより、本照射の照射条件を設定する手法も提案されている(特許文献2参照)。
ところで、例えば撮影対象である乳房に対して、乳がん手術後の乳房再建手術や美容のための豊胸手術が行われている場合があり、このような場合、乳房にはシリコンあるいは生理食塩水等のインプラントが埋め込まれている。このようなインプラントが埋め込まれた乳房と埋め込まれていない乳房とでは、撮影により取得した乳房画像の画質が大きく異なる。とくにインプラントは放射線の透過線量が小さく、乳房画像中に高輝度の領域として現れる。
ここで、乳房の撮影時における照射条件は、診断の対象となる関心領域である乳腺に合わせて設定することが好ましい。乳腺は放射線の透過量が比較的少ないため、放射線の透過量が比較的少ない領域に基づいて照射条件が設定されることが多い。しかしながら、乳房にインプラントが埋め込まれていると、放射線の透過量が少ないインプラントの領域に基づいて照射条件が設定されてしまい、その結果、過剰な放射線が乳房に照射されてしまうおそれがある。
このため、マンモグラフィにおいて、放射線の透過量が極端に少ない領域をインプラント領域として検出し、検出したインプラント領域を除いて照射条件を設定する手法が提案されている(特許文献3参照)。特許文献3の手法によれば、乳房にインプラントが埋め込まれている場合に適した照射条件を設定することにより、乳房にインプラントが埋め込まれていても、過剰な放射線が乳房に照射されるのを防止することができる。
特開2012−96084号公報 特開2007−236804号公報 特表2009−507595号公報
しかしながら、特許文献3に記載された手法を用いてインプラント領域を除いて照射条件を設定した場合、インプラントよりも放射線の透過率が高い乳腺の領域に基づいて照射条件が設定されるため、インプラント領域は殆ど放射線が透過しなくなってしまう。このため、乳房画像においてはインプラントの領域が非常に高輝度で白飛びした画像となり、インプラントに重なる部分に病変が存在する場合、その確認を行うことができなくなってしまう。
また、マンモグラフィにおいては乳房を圧迫板により圧迫して撮影を行うが、乳房にインプラントが埋め込まれている場合、インプラントの損傷を防止するために、乳房をあまり圧迫せずに撮影を行う場合が多い。しかしながら、乳房をあまり圧迫しないで撮影を行うと、撮影中に被写体が動きやすくなり、その結果、乳房画像がぼけてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、乳房におけるインプラントの有無に応じて適切に放射線の照射条件を設定することを目的とする。
本発明による放射線画像撮影装置は、被写体に放射線を照射する放射線照射手段と、
被写体を透過した放射線を検出して被写体の放射線画像を取得する放射線画像取得手段と、
被写体にインプラントが含まれているか否かを表すインプラント情報を取得するインプラント情報取得手段と、
インプラント情報に基づいて、インプラント有りの場合に被写体に照射する放射線についての第1の照射条件、およびインプラント無しの場合に被写体に照射する放射線についての第2の照射条件のいずれかを設定する照射条件設定手段とを備え、
放射線照射手段は、照射条件設定手段が設定した照射条件により被写体に放射線を照射する手段であることを特徴とするものである。
なお、本発明による放射線画像撮影装置においては、インプラント情報取得手段を、放射線画像の取得前に、被写体に少ない線量の放射線を照射することにより取得したプレ放射線画像に基づいて、インプラント情報を取得する手段としてもよい。
また、本発明による放射線画像撮影装置においては、第1の照射条件について、インプラント領域内に合わせた照射条件およびインプラント領域外に合わせた照射条件のいずれの照射条件を設定するかを選択する選択手段をさらに備えるものとしてもよい。
また、本発明による放射線画像撮影装置においては、第1および第2の照射条件は、放射線照射手段における放射線を発生させるターゲットおよび放射線の高エネルギ成分または低エネルギ成分を選択的に吸収することができるフィルタの組み合わせ、放射線照射手段が有する線源の管電圧、線源の管電流、並びに放射線の照射時間の少なくとも1つを含むものとしてもよい。
この場合、第1の照射条件は、第2の照射条件と比較して平均エネルギが高い条件、放射線の照射時間が短い条件、管電圧および管電流により決定される放射線の照射線量が大きい条件の少なくとも1つの条件を満たすものとしてもよい。
また、本発明による放射線画像撮影装置においては、インプラント情報取得手段によりインプラント情報を取得するか否かを設定する情報取得設定手段をさらに備えるものとし、
照射条件設定手段を、インプラント情報を取得しない設定がなされた場合、第3の照射条件を設定する手段としてもよい。
第3の照射条件とは、インプラントの有無を考慮することなく設定される照射条件である。第3の照射条件は、第1および第2の照射条件と必ずしも異なる必要はなく、例えばインプラントが含まれない被写体の場合は、インプラント無しの場合に被写体に照射する放射線についての第2の照射条件と同一となる場合がある。
本発明による放射線画像撮影方法は、被写体に放射線を照射し、被写体を透過した放射線を検出して被写体の放射線画像を取得する放射線画像撮影方法であって、
被写体にインプラントが含まれているか否かを表すインプラント情報を取得し、
インプラント情報に基づいて、インプラント有りの場合に被写体に照射する放射線についての第1の照射条件、およびインプラント無しの場合に被写体に照射する放射線についての第2の照射条件のいずれかを設定し、
設定した照射条件により被写体に放射線を照射することを特徴とするものである。
本発明によれば、被写体にインプラントが含まれているか否かを表すインプラント情報が取得され、インプラント情報に基づいて、インプラント有りの場合に被写体に照射する放射線についての第1の照射条件が設定され、インプラント無しの場合に被写体に照射する放射線についての第2の照射条件が設定され、設定された照射条件により被写体に放射線が照射されて放射線画像が取得される。このため、被写体におけるインプラントの有無に応じて、放射線の照射条件を適切に設定できる。
第1の実施形態による放射線画像撮影装置を含む医療画像支援システムの構成を示す概略ブロック図 マンモグラフィ撮影装置の構成を示す概略図 X線源の構成を示す概略図 第1の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図 プレ放射線画像を解析してのインプラント情報の取得を説明するための図 線量テーブルを示す図 第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート 第2の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図 第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート 第3の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図 第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による放射線画像撮影装置を適用した医療画像支援システムの構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、このシステム10は、医用施設等に設置されたマンモグラフィ撮影装置12と、マンモグラフィ撮影装置12を制御する制御装置14と、マンモグラフィ撮影装置12で撮影された乳房画像に対して画像処理を施す画像処理装置16と、乳房画像を保存する画像データベース(画像DB)18と、高精細なモニタ(不図示)を有する、読影を行う医師の端末装置20とから構成されている。これらの装置は、ネットワーク22により相互に接続されている。なお、マンモグラフィ撮影装置12および制御装置14が本発明の放射線画像撮影装置を構成する。
図2はマンモグラフィ撮影装置12の構成を示す概略図である。図2に示すように、マンモグラフィ撮影装置12は、立設状態に設置される基台30と、基台30の略中央部に配設される旋回軸32に固定されるアーム部材34と、被験者36の乳房に対して放射線(X線)を曝射するX線源を収納し、アーム部材34の一端部に固定されるX線源収納部38と、乳房を透過したX線を検出して乳房の放射線画像である乳房画像を取得する固体検出器を収納し、アーム部材34の他端部に固定される撮影台40と、撮影台40に対して乳房を圧迫する圧迫板42とを備えている。
X線源収納部38、撮影台40および圧迫板42が連結されたアーム部材34は、旋回軸32を中心として図1の矢印A方向に旋回することで、被験者36の乳房に対する撮影方向が調整可能に構成される。圧迫板42は、アーム部材34に連結された状態でX線源収納部38および撮影台40間に配設されており、図1の矢印B方向に変位可能に構成される。
X線源収納部38には、被験者36の顔面近傍をX線の曝射から保護するため、X線を遮断する部材からなるフェースガードシート44が配設される。また、基台30には、被験者36の撮影部位および撮影方向等の撮影情報、並びに被験者36のID情報等を表示するとともに、必要に応じて、圧迫板42による乳房の圧迫状態が解除されるまでの圧迫残り時間の情報を表示する表示器46が配設される。
図3は、X線源収納部38に収納されるX線源の構成を示す概略図である。X線源50は、電子線eを出力するフィラメント52と、電子線eが衝突することでX線xを発生させるターゲット54と、X線xのエネルギスペクトルを調整するフィルタ55とを備える。陰極のフィラメント52と陽極のターゲット54との間には、後述するように設定された照射条件に従って所定の管電圧が印加される。フィラメント52およびターゲット54は、絶縁油が充填された真空外囲器56に収納される。フィラメント52は、真空外囲器56の一端部に配設されるフィラメントホルダ58に保持され、図3の矢印A方向に移動可能に構成される。ターゲット54は、真空外囲器56の他端部に配設されるターゲットホルダ60にモータ62を介して保持され、図3の矢印B方向に回転可能に構成される。
ターゲット54には、複数の異なる陽極物質、例えば、Mo(モリブデン)、Rh(ロジウム)、W(タングステン)が径方向の異なる位置に配設され、フィラメント52を図3の矢印A方向に移動させることで、ターゲット54に対する電子線eの入射位置を切り替えることができる。これにより、ターゲット54から発生するX線xのエネルギスペクトルを陽極物質に従って選択することができる。
ターゲット54から発生したX線xは、真空外囲器56に形成したBeの放射窓64を介して出力され、フィルタ55を通過して撮影台40に照射される。フィルタ55は、複数の異なる物質、例えば、Mo、Rhが図3の矢印C方向に配列され、フィルタ移動部66により図3の矢印C方向に移動することで、X線xが通過する物質が選択可能に構成される。なお、フィルタ55を構成する物質としては、上記のもの以外に、Nb(ニオブ)、Ag(銀)、あるいはこれらの単体を組み合わせた複合材料を用いることができる。
図4は第1の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図である。マンモグラフィ撮影装置12を制御する制御装置14は、設定された照射条件に従ってX線源50を駆動制御する線源駆動制御部70と、圧迫板42を駆動制御し、被験者36の乳房Mを撮影台40に対して圧迫する圧迫板駆動制御部72と、撮影台40に収納されている固体検出器74を制御し、放射線画像を取得する検出器制御部76と、乳房Mにインプラントが含まれているか否かを表すインプラント情報を取得するインプラント情報取得部80と、撮影時の照射条件を設定する照射条件設定部82と、後述する線量テーブルを含む各種情報を記憶する記憶部84とを備える。なお、制御装置14には、制御装置14に対して各種入力を行うための入力部90が接続されている。入力部90は、例えばキーボード、マウス等の他、タッチパネル、操作ボタン等を用いることができる。
以上述べたインプラント情報取得部80、照射条件設定部82、記憶部84、および入力部90は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムから構成することができる。
上述した照射条件とは、乳房Mに照射するX線のエネルギスペクトル(線質)を調整して適切なコントラストを有する乳房画像を得るための条件であり、例えば、X線源50を構成するターゲット54の種類、フィルタ55の種類、フィラメント52とターゲット54との間に印加される管電圧、および照射線量(管電流×放射線照射時間)を挙げることができる。
ここで、本実施形態においては、乳房画像の取得の前に、乳房Mに少ない線量の放射線を照射するプレ照射を行い、プレ照射により得られるプレ放射線画像PGを解析することにより、インプラント情報の取得および照射条件の設定を行い、設定された照射条件によりX線を乳房Mに照射して放射線画像の撮像を行う本照射を行うものである。なお、プレ照射による乳房Mの撮影をプレ撮影、本照射による乳房Mの撮影を本撮影と称するものとする。
インプラント情報取得部80は、プレ放射線画像PGを解析してインプラント情報を取得する。図5はプレ放射線画像PGを解析してのインプラント情報の取得を説明するための図である。図5に示すように、プレ放射線画像PGには乳房Mの像が含まれている。なお、乳房Mの像にはインプラントの像が含まれている。インプラント情報取得部80は、プレ放射線画像において胸壁側となる辺に平行な矢印A方向において、画素値のプロファイルを取得する。ここで、乳房Mに埋め込まれたインプラントはX線の透過線量が小さく、プレ放射線画像PGにおいては高輝度の領域S0として現れ、矢印A方向においては、乳房Mにおける乳腺の部分の画素値の変化と比較して、変化量が小さい。このため、インプラント情報取得部80は、例えば特開2011−10884号公報に記載されているように、プレ放射線画像PGから矢印A方向についての2つのプロファイルを取得し、2つのプロファイルに基づいて差分プロファイルを算出し、差分プロファイルに基づいてその中央を含む範囲のばらつき量(標準偏差)を求め、ばらつき量がしきい値以下の場合、乳房Mにはインプラントが含まれると判断する。
なお、インプラント領域とインプラントでない領域とがあらかじめ分かっている多数の乳房画像における濃度およびコントラスト等の特徴量を、公知のマシンラーニングの手法を用いて学習を行うことにより判別器を作成し、この判別器を用いてプレ放射線画像PGに含まれるインプラントらしさを表すスコアを算出し、グラフカット法等の公知の領域分割手法を用いて、インプラントと見なせる領域を認識するようにしてもよい。そして、インプラントと見なせる領域が、プレ放射線画像PGにおける乳房Mの領域に対して所定割合(例えば10%)以上である場合には、撮影する乳房Mにはインプラントが埋め込まれていると判断するようにしてもよい。
一方、乳房Mの撮影を行う前には、圧迫によるインプラントの損傷を防止するために、問診により患者に対してインプラントの有無を問い合わせる必要がある。このため、技師が問診の結果に基づいて、入力部90からインプラントの有無を入力するようにし、インプラント情報取得部80は技師が入力したインプラントの有無の情報に基づいて、インプラント情報を取得するようにしてもよい。さらに、同一患者について経過観察を行うために乳房画像を取得する場合には、画像データベース18に保存されている同一患者についてインプラントが埋め込まれているか否かを確認できる。このため、インプラント情報取得部80は、画像データベース18に保存されている同一患者の情報を参照して、インプラント情報を取得するようにしてもよい。
照射条件設定部82は、インプラント情報を用いて乳房Mの本撮影時におけるX線の照射条件を設定する。以下、照射条件の設定について説明する。照射条件設定部82は、まず、圧迫板駆動制御部72から供給される圧迫板42の位置情報に基づいて、乳房Mの厚さを算出する。ここで、本実施形態においては、記憶部84に照射条件を設定するための線量テーブルが記憶されている。図6は線量テーブルを示す図である。図6に示すように、本実施形態においては、インプラントが埋め込まれている場合、すなわちインプラント有り用の線量テーブルT1と、インプラントが埋め込まれていない場合、すなわちインプラント無し用の線量テーブルT2とが記憶部84に記憶されている。各線量テーブルT1,T2は、乳房Mの厚さ(mm)に応じた、ターゲットおよびフィルタの組み合わせ(T/F)、管電圧(kV)および透過線量が対応づけられている。
ここで、X線の被写体透過力は高エネルギであるほど強くなる。X線のエネルギ分布は、X線源50のターゲットとフィルタとの組み合わせおよび管電圧により決定される。例えば、ターゲットがWの場合、Moをターゲットとした場合よりもX線は高エネルギとなる。また、フィルタはMoよりもRhを用いた方がX線は高エネルギとなり、管電圧は高いほどX線は高エネルギとなる。
このため、インプラント有り用の線量テーブルT1においては、乳房MにおけるX線の透過力を高くするために、高エネルギのX線が乳房Mに照射されるように、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧および透過線量が設定されている。これにより、インプラント有りの場合、固体検出器74に乳房Mを透過したX線が到達するようになる。逆に、インプラント無し用の線量テーブルT2においては、インプラント有りの場合と比較して、低エネルギのX線が乳房Mに照射されるように、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧および透過線量が設定されている。
照射条件設定部82は、インプラント有りの場合、線量テーブルT1を参照し、乳房Mの厚さに基づいて、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧および透過線量を照射条件として設定する。例えば、乳房Mの厚さが30mmである場合、ターゲット/フィルタの組み合わせとしてW/Rhが、管電圧として29kVが、透過線量として1.2が設定される。また、インプラント無しの場合、線量テーブルT2を参照し、乳房Mの厚さに基づいて、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧および透過線量を照射条件として設定する。なお、線量テーブルT1,T2においては、乳房Mの厚さは10mm間隔で離散的に規定されているため、線量テーブルT1,T2に規定されていない乳房の厚さにおける管電圧および透過線量の値は、隣接する乳房の厚さの値における管電圧および透過線量の値を用いた補間演算により算出すればよい。
さらに、照射条件設定部82は、設定された透過線量となるように、プレ放射線画像PGの解析結果を用いて、照射線量(mAs)を決定するための管電流および照射時間を照射条件として設定する。照射条件設定部82は、上述したプレ放射線画像PGを解析して管電流および照射時間を設定する。具体的には、プレ放射線画像PGを解析してインプラント領域を認識し、インプラント領域を除いた領域の画素値のヒストグラムを作成する。そして、上述した特許文献2に記載された手法を用いて、ヒストグラムにおける乳腺に対応する画素値を有する画素領域を乳腺領域として抽出し、乳腺領域の画素値およびプレ撮影時の照射線量から、乳腺領域の透過線量を算出する。なお、インプラント情報取得部80においてインプラント領域を認識した場合は、インプラント領域情報を取得してプレ放射線画像を解析することが好ましい。そして、プレ撮影時の乳腺領域の透過線量と、線量テーブルT1を参照して設定した透過線量との差分と、本撮影時の照射線量(すなわち管電流および照射時間)とを対応づけた不図示のテーブルT3を参照して、本撮影時の照射線量すなわち管電流および照射時間を設定する。
なお、照射線量は、管電流(mA)×照射時間(sec)により決定される値である。ここで、撮影時においては、X線の照射時間をできるだけ短くして、体動による放射線画像のぼけを防止することが好ましい。とくに、乳房Mにインプラントが埋め込まれている場合には、インプラントの損傷を防止するために、乳房Mをあまり圧迫せずに撮影を行う場合が多い。しかしながら、乳房Mをあまり圧迫しないで撮影を行うと、体動による乳房画像がぼけてしまうおそれがある。このため、テーブルT3は、X線の照射時間ができるだけ短くなるように、管電流および照射時間を設定するものとなっている。設定された管電流および照射時間は、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧とともに照射条件C1として線源駆動制御部70に供給される。
一方、インプラント無しの場合には、ヒストグラムにおける乳腺に対応する画素値を有する画素領域を乳腺領域として抽出し、乳腺領域の画素値およびプレ撮影時の照射線量から、乳腺領域の透過線量を算出する。そして、プレ撮影時の乳腺領域の透過線量と、線量テーブルT2を参照して設定した透過線量との差分と、本撮影時の照射線量(すなわち管電流および照射時間)とを対応づけた不図示のテーブルT4を参照して、本撮影時の管電流および照射時間を設定する。設定された管電流および照射時間は、ターゲット/フィルタの組み合わせ、管電圧とともに照射条件C2として線源駆動制御部70に供給される。なお、テーブルT3,T4は記憶部84に記憶されている。
インプラント有りの場合の照射条件C1は、インプラント無しの場合の照射条件C2よりも高エネルギのX線を照射されるように設定されているため、X線はインプラント領域を透過して固体検出器74に検出されるようになる。このため、本撮影により取得される乳房画像において、インプラントと重なる組織を観察することが可能となる。
ここで、インプラント有りの場合とインプラント無しの場合とで、乳房Mに対する被曝線量は同等であることが好ましい。しかしながら、インプラントと重なる領域における組織をより観察しやすくするために、インプラント有りの場合の照射条件C1については、照射線量をより多くするようにしてもよい。例えば、照射条件C2の場合の1.2倍程度となるように照射条件C1を設定してもよい。
なお、照射条件設定部82においては、上記特許文献1に記載されたように、マンモグラフィ撮影装置12にAECセンサを設け、プレ放射線画像PGに代えて、AECセンサによる検出結果を用いて照射条件C1,C2を設定するようにしてもよい。
画像処理装置16は、本撮影により取得された乳房画像に対して、所定の画像処理条件に基づく画像処理を行う。画像処理条件としては、例えば、放射線画像の規格化処理条件、周波数処理条件、ノイズフィルタリング処理条件、ダイナミックレンジ調整処理条件、および階調処理条件等を挙げることができる。なお、画像処理装置16には、液晶ディスプレイ等の表示部92が接続されており、処理済みの放射線画像を表示部92に表示することにより、画像の確認を行うことができるようになっている。
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図7は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。技師は、マンモグラフィ撮影装置12の撮影台40に対して、乳房Mをポジショニングした後(ステップST1)、圧迫板駆動制御部72により圧迫板42を移動させ、乳房Mを圧迫する(ステップST2)。乳房Mが所望の状態に圧迫されたところで、圧迫板42の移動を停止させ、そのときの乳房Mの厚さを照射条件設定部82により算出する(ステップST3)。照射条件設定部82は、圧迫板駆動制御部72から圧迫板42の撮影台40に対する位置情報を取得し、この位置情報から乳房Mの厚さを算出する。算出された厚さの情報は、表示器46に表示される。
次いで、技師によりプレ撮影の設定がマンモグラフィ撮影装置12に対して行われ、図示しない撮影スイッチがオンとされると、線源駆動制御部70はX線源50を駆動し、プレ撮影の照射条件に従ったX線を乳房Mに照射して、乳房Mのプレ撮影を行う(ステップST4)。この撮影により固体検出器74に記録された乳房Mのプレ放射線画像PGは、検出器制御部76によって読み取られ、制御装置14に供給される。
制御装置14のインプラント情報取得部80は、プレ放射線画像PGを解析して、乳房Mにおけるインプラントの有無を表すインプラント情報を取得する(ステップST5)。次いで、照射条件設定部82は、インプラント情報に基づいて、本撮影の際の照射条件を設定する。すなわち、インプラント情報がインプラント有りの場合には、線量テーブルT1およびプレ放射線画像PGの解析結果に基づいて、インプラント有り用の照射条件C1を設定する(ステップST6)。一方、インプラント情報がインプラント無しの場合には、線量テーブルT2およびプレ放射線画像PGの解析結果に基づいて、インプラント無し用の照射条件C2を設定する(ステップST7)。設定された照射条件C1,C2は、線源駆動制御部70に供給される。
線源駆動制御部70は、設定された照射条件に従ってフィラメント52を図3の矢印A方向に移動させ、ターゲット54を選択する。また、線源駆動制御部70は、設定された照射条件に従い、フィルタ移動部66を駆動してフィルタ55を図3の矢印C方向に移動させ、フィルタ55を選択する。
次いで、技師により図示しない撮影スイッチがオンとされると、線源駆動制御部70はX線源50を駆動し、設定された照射条件に従ったX線を乳房Mに照射して、乳房Mの本撮影を行う(ステップST8)。この撮影により固体検出器74に記録された乳房Mの放射線画像である乳房画像が検出器制御部76によって読み取られ、画像処理装置16に供給される。
画像処理装置16は、乳房画像に対して所定の画像処理条件に基づく画像処理を行い、処理済みの放射線画像を取得する(ステップST9)。すなわち、乳房画像を解析して、乳房画像の規格化処理条件、周波数処理条件、ノイズフィルタリング処理条件、ダイナミックレンジ調整処理条件、および階調処理条件を設定する。そして、設定された画像処理条件により、乳房画像に対して画像処理を行う。なお、インプラント有りの照射条件C1が設定された場合、X線は高エネルギとなるため、乳房画像のコントラストが低下してしまう。このため、照射条件C1が設定された場合には、コントラストを高くするように階調処理条件および周波数処理条件を設定することが好ましい。
以上のようにして画像処理された乳房画像は、表示部92に表示されて、技師による確認が行われ(ステップST10)、処理を終了する。
このように、第1の実施形態においては、インプラント情報に基づいて、インプラント有りの場合にはインプラント有り用の照射条件C1を設定し、インプラント無しの場合にはインプラント無し用の照射条件C2を設定するようにしたものである。このため、乳房Mにおけるインプラントの有無に応じて、X線の照射条件を適切に設定できる。
また、プレ放射線画像PGに基づいてインプラント情報を取得しているため、正確にインプラント情報を取得でき、これにより、本撮影時のX線の照射条件をより適切に設定できる。
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態による放射線画像撮影装置を適用した医療画像支援システムは、制御装置の構成のみが第1の実施形態と異なるため、ここでは医療画像支援システムの構成についての詳細な説明は省略する。
図8は第2の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態は、制御装置14Aにおいて、インプラント有り用の照射条件C1について、インプラント領域内に合わせた照射条件に設定するか、インプラント領域外に合わせた照射条件に設定するかを、入力部90からの指示により選択する選択部86を備えた点が第1の実施形態と異なる。
ここで、上記第1の実施形態においては、インプラント有りの場合、プレ放射線画像PGにおける乳腺領域の解析結果および線量テーブルT1に基づいて照射条件C1を設定しているため、本撮影により取得される乳房画像において、インプラント領域についても組織を観察することはできる。しかしながら、インプラント領域に重なる病変等をより詳細に観察したい場合がある。
このため、第2の実施形態においては、選択部86において、インプラント領域外に合わせた照射条件を設定するか、インプラント領域外に合わせた照射条件を設定するかを、技師による入力部90からの入力により選択するようにしたものである。
照射条件設定部82は、選択部86によりインプラント領域外に合わせた照射条件を設定する選択がなされている場合、上記第1の実施形態と同様に、線量テーブルT1およびプレ放射線画像PGにおける乳腺領域についての解析結果に基づいて、インプラント領域外に合わせた照射条件(C1−1とする)を設定する。
一方、選択部86によりインプラント領域内に合わせた照射条件を設定する選択がなされている場合、線量テーブルT1およびプレ放射線画像PGにおけるインプラント領域についての解析結果に基づいて、インプラント領域内に合わせた照射条件(C1−2とする)を設定する。具体的には、プレ放射線画像PGのヒストグラムを作成し、ヒストグラムにおけるインプラントに対応する画素値を有する画素領域をインプラント領域として抽出し、インプラント領域の画素値およびプレ撮影時の照射線量から、インプラント領域の透過線量を算出する。そして、プレ撮影時のインプラント領域の透過線量と、線量テーブルT1を参照して設定した透過線量との差分と、本撮影時の照射線量とを対応づけたテーブルT5を参照して、本撮影時の照射線量すなわち管電流および照射時間を設定する。なお、テーブルT5はインプラント領域内に合わせた照射条件を設定するために、あらかじめ作成されて記憶部84に記憶されている。
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図9は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態においては、第1の実施形態のフローチャートにおけるステップST5以降の処理のみが異なるため、ここでは、ステップST5以降の処理についてのみ説明する。
第1の実施形態のステップST4に続いて、インプラント情報取得部80がインプラント情報を取得すると(ステップST11)、照射条件設定部82は、選択部86によりインプラント外の領域に基づく照射条件の設定が選択されているか否かを判定する(インプラント外が選択、ステップST12)。ステップST12が肯定されると、照射条件設定部82は、線量テーブルT1およびプレ放射線画像PGの乳腺領域についての解析結果に基づいて、インプラント領域外に合わせた照射条件C1−1を設定する(ステップST13)。一方、ステップST12が否定されると、照射条件設定部82は、線量テーブルT1およびプレ放射線画像PGのインプラント領域についての解析結果に基づいて、インプラント領域内に合わせた照射条件C1−2を設定する(ステップST14)。
一方、インプラント情報がインプラント無しの場合には、線量テーブルT2およびプレ放射線画像PGの解析結果に基づいて、インプラント無し用の照射条件C2を設定する(ステップST15)。
設定された照射条件は、線源駆動制御部70に供給される。線源駆動制御部70は、設定された照射条件に従ってフィラメント52を図3の矢印A方向に移動させ、ターゲット54を選択する。また、線源駆動制御部70は、設定された照射条件に従い、フィルタ移動部66を駆動してフィルタ55を図3の矢印C方向に移動させ、フィルタ55を選択する。次いで、技師により図示しない撮影スイッチがオンとされると、線源駆動制御部70はX線源50を駆動し、設定された照射条件に従ったX線を乳房Mに照射して、本撮影を行う(ステップST16)。この撮影により固体検出器74に記録された乳房Mの放射線画像である乳房画像、検出器制御部76によって読み取られ、画像処理装置16に供給される。画像処理装置16は、乳房画像に対して、所定の画像処理条件に基づく画像処理を行い、処理済みの放射線画像を取得する(ステップST17)。以上のようにして画像処理された乳房画像は、表示部92に表示されて、技師による確認が行われ(ステップST18)、処理を終了する。
このように、第2の実施形態においては、乳房Mにインプラントが含まれる場合に、インプラント領域外に合わせた照射条件C1−1を取得するか、インプラント領域内に合わせた照射条件C1−2を取得するかの選択を受け付けるようにしたものである。このため、インプラントに重なる領域の観察を行いたい場合、およびインプラントに重なる領域以外の観察を行いたい場合の双方に対応できる。
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態による放射線画像撮影装置を適用した医療画像支援システムは、制御装置の構成のみが第1の実施形態と異なるため、ここでは医療画像支援システムの構成についての詳細な説明は省略する。
図10は第3の実施形態におけるマンモグラフィ撮影装置および制御装置を構成する制御回路のブロック図である。なお、第3の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。
ここで、上記第1の実施形態においては、インプラント情報取得部80においてインプラントの有無を表すインプラント情報を取得し、インプラント情報を用いて照射条件C1,C2を設定している。しかしながら、インプラント領域の認識の精度にもよるが、乳房Mのインプラント領域を100%正確に認識することは困難である。また、インプラントが埋め込まれていない乳房Mに含まれる乳腺領域を、インプラントと誤認識してしまうおそれもある。このように、インプラント領域を正確に認識できない場合には、照射条件を適切に設定することができないため、インプラント情報を使用せずに照射条件を設定することが好ましい。とくに、照射条件が適切に設定されず、取得された乳房画像の画質が満足のいくものではなかった場合は、再撮影を行う必要があるが、その場合には、インプラント情報を使用して照射条件を再度設定することは好ましくない。
第3の実施形態においては、制御装置14Bにおいて、入力部90からの入力により、インプラント情報取得部80においてインプラント情報を取得するか否かを設定する情報取得設定部88をさらに備え、インプラント情報を取得しない設定がなされた場合、照射条件設定部82は、インプラント情報を使用せず、プレ放射線画像PGの解析結果にのみ基づいて、本撮影の照射条件を設定するようにした点が第1の実施形態と異なる。
次いで、第3の実施形態において行われる処理について説明する。 図11は第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、第3の実施形態においては、第1の実施形態のフローチャートにおけるステップST5以降の処理のみが異なるため、ここでは、ステップST5以降の処理についてのみ説明する。
第1の実施形態のステップST4の処理に続いて、インプラント情報取得部80は、情報取得設定部88により、インプラント情報の取得が設定されているか否かを判定する(ステップST21)。ステップST21が肯定されると、第1の実施形態におけるのステップST5の処理に進む。なお、ステップST5以降の処理は第1の実施形態と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ステップST21が否定されると、照射条件設定部82は、インプラント情報を使用することなく照射条件C3を設定する(ステップST22)。具体的には、プレ放射線画像PGを解析し、プレ放射線画像PGにおける乳腺領域の画素値に基づいて、乳房Mの厚さに応じた、ターゲットおよびフィルタの組み合わせ、管電圧および透過線量が対応づけられている線量テーブルを参照して、照射条件C3を設定する。ここで、プレ放射線画像PGの解析においては、インプラント領域の認識は行わず、インプラントの有無を考慮せずに乳腺領域の画素値を算出する。なお、この線量テーブルとしては、上記第1の実施形態におけるインプラント無し用の線量テーブルT2を用いてもよい。線量テーブルT2を用いた場合、照射条件C3は照射条件C2と同一となる。なお、インプラント情報を使用しない場合用として用意された線量テーブルを用いてもよい。設定された照射条件は、線源駆動制御部70に供給される。
線源駆動制御部70は、設定された照射条件C3に従ってフィラメント52を図3の矢印A方向に移動させ、ターゲット54を選択する。また、線源駆動制御部70は、設定された照射条件に従い、フィルタ移動部66を駆動してフィルタ55を図3の矢印C方向に移動させ、フィルタ55を選択する。次いで、技師により図示しない撮影スイッチがオンとされると、線源駆動制御部70はX線源50を駆動し、設定された照射条件に従ったX線を乳房Mに照射して、本撮影を行う(ステップST23)。この撮影により固体検出器74に記録された乳房Mの放射線画像である乳房画像、検出器制御部76によって読み取られ、画像処理装置16に供給される。画像処理装置16は、乳房画像に対して、所定の画像処理条件に基づく画像処理を行い、処理済みの放射線画像を取得する(ステップST24)。以上のようにして画像処理された乳房画像は、表示部92に表示されて、技師による確認が行われ(ステップST25)、処理を終了する。
このように、第3の実施形態においては、インプラント情報を取得しない設定がなされた場合に、インプラント情報を使用することなく照射条件C3を設定するようにしたため、インプラント領域の誤認識を防止して、適切に本撮影の照射条件を設定することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、第1の実施形態における制御装置に情報取得設定部88を設けているが、第2の実施形態における制御装置に情報取得設定部88を設けるようにしてもよい。この場合、インプラント情報を取得する設定がなされた場合は、第2の実施形態におけるステップST11以降の処理が行われ、照射条件C1−1,C1−2およびC2のいずれかが設定されることとなる。
また、上記実施形態においては、乳房を被写体としているが、これに限定されるものではなく、人体の胸部、腹部、頭部および四肢等の任意の部位を被写体とすることが可能である。この場合、人体の内部に何らかのインプラントが埋め込まれている場合、上記本発明の実施形態と同様に、インプラント領域を考慮した照射条件が設定されることとなる。
また、上記実施形態においては、ターゲットおよびフィルタの組み合わせ、管電圧、管電流および照射時間のすべてを照射条件と指定設定しているが、ターゲットおよびフィルタの組み合わせ、管電圧、管電流および照射時間の少なくとも1つを照射条件として設定してもよい。
また、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいことはいうまでもない。
以下、本発明の従属項の作用効果について説明する。
プレ放射線画像に基づいてインプラント情報を取得することにより、正確にインプラント情報を取得でき、これにより、放射線の照射条件をより適切に設定できる。
また、第1の照射条件について、インプラント領域内に合わせた照射条件およびインプラント領域外に合わせた照射条件のいずれかの選択を受け付けるようにすることにより、インプラントに重なる領域の観察を重点的に行いたい場合、およびインプラントに重なる領域以外の観察を重点的に行いたい場合の双方に対応できる。
また、インプラント情報を取得するか否かの選択を受け付け、インプラント情報を取得しない選択がなされた場合に、第3の照射条件を設定することにより、インプラントを含まない被写体について、インプラント有りとしてしまう誤認識を防止し、放射線の照射条件をより適切に設定できる。
10 医療画像支援システム
12 マンモグラフィ撮影装置
14 制御装置
16 画像処理装置
38 X線源収容部
40 撮影台
42 圧迫板
50 X線源
74 固体検出器
80 インプラント情報取得部
82 照射条件設定部
84 記憶部
86 選択部
88 情報取得設定部
90 入力部
92 表示部

Claims (9)

  1. 被写体である乳房に放射線を照射する放射線照射手段と、
    前記乳房を透過した放射線を検出して前記乳房の放射線画像を取得する放射線画像取得手段と、
    前記放射線画像を取得する際の前記乳房に照射する放射線についての照射条件を設定する照射条件設定手段とを備え、
    前記照射条件設定手段は、前記乳房の厚さを算出し、前記乳房の厚さに応じた透過線量を設定するための線量テーブルを参照して、前記算出した乳房の厚さに基づいて透過線量を算出し、前記照射条件設定手段が設定した前記照射条件により前記乳房に放射線を照射することによる前記放射線画像の取得前に、前記乳房に少ない線量の放射線を照射するプレ撮影を行うことにより取得したプレ放射線画像を解析して、前記乳房に含まれるインプラントに対応するインプラント領域を前記プレ放射線画像において認識し、前記プレ放射線画像における前記インプラント領域を除いた領域から乳腺領域を抽出し、前記乳腺領域の画素値から前記プレ撮影時における前記乳腺領域の透過線量を算出し、前記プレ撮影時における前記乳腺領域の透過線量と前記線量テーブルを参照して算出した透過線量との差分に基づいて前記照射条件を設定し、
    前記放射線照射手段は、前記照射条件設定手段が設定した前記照射条件により前記乳房に放射線を照射する手段であることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記照射条件について、インプラント領域内に合わせた照射条件およびインプラント領域外に合わせた照射条件のいずれの照射条件を設定するかを選択する選択手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記プレ放射線画像に基づいて、前記乳房にインプラントが含まれているか否かを表すインプラント情報を取得するインプラント情報取得手段をさらに備え、
    前記照射条件設定手段は、前記乳房にインプラントが含まれている場合、前記プレ撮影時における前記乳腺領域の透過線量と前記線量テーブルを参照して算出した透過線量との差分に基づく前記照射条件を、インプラント有りの場合に前記被写体に照射する放射線についての第1の照射条件として設定する請求項1または2記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記照射条件設定手段は、前記乳房にインプラントが含まれていない場合、インプラント無しの場合に前記被写体に照射する放射線についての第2の照射条件を設定する請求項3記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記照射条件設定手段は、前記放射線照射手段における前記放射線を発生させるターゲットおよび前記放射線の高エネルギ成分または低エネルギ成分を選択的に吸収することができるフィルタの組み合わせ、並びに前記放射線照射手段が有する線源の管電圧および該線源の管電流の少なくとも一方により、前記第1の照射条件および前記第2の照射条件のいずれかを設定する請求項4記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記照射条件設定手段は、さらに前記放射線の照射時間により、前記第1の照射条件および前記第2の照射条件のいずれかを設定する請求項4または5記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記第1の照射条件は、前記第2の照射条件と比較して平均エネルギが高い条件、前記放射線の照射時間が短い条件、前記管電圧および前記管電流により決定される前記放射線の照射線量が大きい条件の少なくとも1つの条件を満たすことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記インプラント情報取得手段により前記インプラント情報を取得するか否かを設定する情報取得設定手段をさらに備え、
    前記照射条件設定手段は、前記インプラント情報を取得しない設定がなされた場合、第3の照射条件を設定する手段であることを特徴とする請求項3から7のいずれか1項記載の放射線画像撮影装置。
  9. 被写体である乳房に放射線を照射し、前記乳房を透過した放射線を検出して前記乳房の放射線画像を取得する放射線画像撮影方法であって、
    照射条件設定手段が、前記放射線画像を取得する際の前記乳房に照射する放射線についての照射条件を設定するに際し、前記乳房の厚さを算出し、前記乳房の厚さに応じた透過線量を設定するための線量テーブルを参照して、前記算出した乳房の厚さに基づいて透過線量を算出し、前記照射条件設定手段が設定した前記照射条件により前記乳房に放射線を照射することによる前記放射線画像の取得前に、前記乳房に少ない線量の放射線を照射するプレ撮影を行うことにより取得したプレ放射線画像を解析して、前記乳房に含まれるインプラントに対応するインプラント領域を前記プレ放射線画像において認識し、前記プレ放射線画像における前記インプラント領域を除いた領域から乳腺領域を抽出し、前記乳腺領域の画素値から前記プレ撮影時における前記乳腺領域の透過線量を算出し、前記プレ撮影時における前記乳腺領域の透過線量と前記線量テーブルを参照して算出した透過線量との差分に基づいて前記照射条件を設定し、
    放射線照射手段が、前記設定した前記照射条件により前記被写体に放射線を照射することを特徴とする放射線画像撮影方法。
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