JP6216644B2 - 壁柱構造および建物 - Google Patents

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Description

本発明は、壁柱の構造およびこの壁柱を備えた建物に関する。
従来より、地震時の鉄筋コンクリート柱の損傷を低減するため、柱脚部の柱断面積を減少させて、柱の変形性能つまり回転性能を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
具体的には、柱脚部において、柱の断面積を下方に向かうに従って減少させる。また、この柱断面積が減少する部分には、柱と下部構造体に定着する軸方向鉄筋を設ける。
この提案によれば、柱と下部構造体とが半剛接合となるから、地震時における柱脚部の回転変形に伴う損傷を抑えて、柱の回転性能を向上できる。
特開2009−079397号公報
しかしながら、上述の提案では、回転性能は向上するものの、柱部材の回転剛性(曲げ剛性)が低下することになる。また、地震時に柱に曲げモーメントが作用すると、水平断面の端部に軸方向鉄筋を配した場合、圧縮側の軸方向鉄筋が座屈し易く、コンクリートのみの抵抗となり、地震エネルギの吸収が小さくなる。したがって、柱の回転剛性(曲げ剛性)、さらには、靭性能(エネルギ吸収性能)をより向上させることが要請されていた。
特に、水平断面が長方形となる壁柱では、柱の回転剛性(曲げ剛性)は、短辺方向に比べて長辺方向が大きくなるが、変形性能は、短辺方向に比べて長辺方向が劣る。したがって、地震により、あらゆる方向から外荷重が作用した場合、柱脚部の長辺方向端部のコンクリートや鉄筋に損傷が集中する。したがって、壁柱については、靭性能の向上が特に要請されている。
本発明は、柱の部材端部の回転性能を向上させつつ、柱の回転剛性および靭性能を向上できる壁柱構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の壁柱構造は、長方形断面を有する鉄筋コンクリート造の壁柱(例えば、後述の壁柱10、10A、10B、10C)の構造であって、当該壁柱の鉛直方向の部材端部でかつ水平断面視で長辺方向両端部には、前記壁柱の部材端部から鉛直方向中央部に向かうに従って柱断面積が増加するテーパ(例えば、後述のテーパ20)が形成され、前記壁柱のテーパが形成された部分(例えば、後述の絞り部11)において、前記部材端部の水平断面の長辺方向両端部には、それぞれ、太径軸方向鉄筋(例えば、後述の端部軸方向鉄筋31、31A、31B)と、当該太径軸方向鉄筋を囲んで配置された拘束せん断補強筋(例えば、後述の拘束せん断補強筋42)と、が設けられることを特徴とする。
この発明によれば、壁柱の長さ鉛直方向の部材端部にテーパを設けて、この壁柱の部材端部から鉛直方向中央部に向かうに従って柱断面積を増加させた。
地震時には、この壁柱に曲げモーメントおよびせん断力が作用するが、この地震時の曲げモーメントにより、壁柱の端面の一部は圧縮応力が生じる圧縮領域となる。このとき、圧縮領域の近傍に周辺領域が確保され、この周辺領域の一部は、コンクリートを拘束する拘束領域となる(今井他、RC部材端部におけるコンクリートの圧縮特性と曲げ耐力、日本建築学会構造系論文集、第587号pp.189−196、2005.1発行を参照)。その結果、圧縮領域のコンクリートが圧壊しにくくなるので、柱の部材端部の回転に伴う柱躯体の損傷を抑えて、部材端部の回転角が大きくなっても安定して耐力を確保できる。また、このように、柱を扁平形状としても安定した回転性能が得られるため、ダンパー等と組み合わせた架構を構成することも可能である。
また、テーパを設けていない部分は、テーパを設けた部分に比べて、水平断面積が大きくなるので、保持するせん断応力度が小さくなり、せん断ひび割れによる損傷を抑えることができる。
また、壁柱は、テーパを設けた部分においても、水平断面が正方形状や円形状である一般的な柱に比べて、水平断面が扁平であるため、高い回転剛性を維持できる。
また、テーパが形成された部分の水平断面の長辺方向両端部のそれぞれに太径軸方向鉄筋を設け、この太径軸方向鉄筋を拘束せん断補強筋で囲んだ。よって、地震時の曲げモーメントにより、太径軸方向鉄筋に圧縮力が作用すると、この拘束せん断補強筋で囲まれた部分では、太径軸方向鉄筋がこの拘束せん断補強筋により拘束され、引張だけでなく圧縮においても降伏させることができ、効率的かつ経済的にエネルギ吸収が可能となる。
これは、拘束せん断補強筋による拘束および壁柱の水平断面の変化による強拘束により、歪み量が大きくなるにもかかわらず、コンクリートが圧壊せずに安定的に圧縮応力を負担できるため、太径軸方向鉄筋が座屈せず、圧縮降伏する程度に歪み量が大きい領域まで安定的に抵抗するからである。
特に、長辺方向両端部の軸方向鉄筋を太径としたので、この太径の軸方向鉄筋が拘束せん断補強筋で拘束されて、この軸方向鉄筋が圧縮力を受けた場合にも、座屈することなく安定的に降伏してエネルギを吸収できる。
よって、高い回転剛性(曲げ剛性)と優れた靭性能(エネルギ吸収性能)を有する柱構造を提供できる。その結果、地震時の柱脚部の損傷を低減できる。
請求項2の壁柱構造は、前記壁柱には、軸方向に延びる拘束軸方向鉄筋(例えば、後述の拘束軸方向鉄筋32)および周縁部軸方向鉄筋(例えば、後述の周縁部軸方向鉄筋33)が設けられ、当該拘束軸方向鉄筋および周縁部軸方向鉄筋は、前記壁柱内に定着されることを特徴とする。
請求項3の壁柱構造は、前記太径軸方向鉄筋は、当該太径軸方向鉄筋に近い方から、環状の前記拘束せん断補強筋、第2せん断補強筋(例えば、後述の第2せん断補強筋41)、およびせん断補強筋(例えば、後述のせん断補強筋40)により三重に囲まれていることを特徴とする。
この発明によれば、強拘束領域Cでは、太径軸方向鉄筋が中央付近に配置された矩形状のコンクリート体を、環状の拘束せん断補強筋、第2せん断補強筋、およびせん断補強筋により三重に囲むことで拘束するので、コンクリート体の損傷やひび割れの発生を抑止できる。
ここで、前記太径軸方向鉄筋は、前記壁柱の部材端部の水平断面を貫通して、当該壁柱に接合される躯体(例えば、後述の支持躯体4)に定着されることが好ましい。
部材端部の水平断面での応力伝達は、太径軸方向鉄筋が負担する必要がある。そこで、この発明によれば、太径軸方向鉄筋を、前記壁柱の部材端部の水平断面を貫通して、当該壁柱に接合される躯体に定着させた。これにより、部材端部の水平断面での応力伝達を太径軸方向鉄筋が負担できる。
また、本発明の壁柱構造は、前記壁柱のテーパが形成された部分の長辺方向中央部には、第2の太径軸方向鉄筋(例えば、後述の中央部軸方向鉄筋30、30A、30B)が設けられることが好ましい。
この発明によれば、壁柱のテーパが形成された部分の長辺方向中央部に、第2の太径軸方向鉄筋を設けた。この中央部の第2の太径軸方向鉄筋は、両端部の太径軸方向鉄筋と異なり、圧縮応力により降伏させないため、柱の部材端部の回転を元に戻す(復元する)効果を発揮できるので、建物全体の残留変形を小さくできる。
本発明によれば、柱の部材端部の回転性能を向上させつつ、柱の回転剛性および靭性能を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る壁柱構造が適用された建物の平面図である。 前記実施形態に係る壁柱の柱脚部の正面図、側面図、および見上げ図である。 前記実施形態に係る壁柱の柱脚部の側断面図である。 図4のA−A断面図である。 図4のB−B断面図である。 前記実施形態に係る壁柱に曲げモーメントが作用した場合の応力分布を示す図である。 前記実施形態に係る壁柱に水平荷重が作用した場合の材端回転角を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る壁柱の柱脚部の側断面図である。 図8のC−C断面図である。 図8のD−D断面図である。 本発明の変形例に係る壁柱の柱脚部の正面図、側面図、および見上げ図である。 本発明の別の変形例に係る壁柱の柱脚部の正面図、側面図、および見上げ図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る壁柱構造が適用された建物1の平面図である。
この建物1は、建物の略中央に配置されたコア架構2と、建物外周に沿って設けられた外周架構3と、を備える。
外周架構3は、建物外壁面に沿って所定間隔おきに設けられた鉄筋コンクリート造の壁柱10を備える。
図2は、壁柱10の柱脚部の正面図、側面図、および見上げ図である。図3は、壁柱10の柱脚部の側断面図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図3のB−B断面図である。
壁柱10は、長方形断面を有しており、支持躯体4の上に設けられている。この壁柱10の柱脚部でかつ水平断面視で長辺方向両端側には、壁柱10の部材端部である下端面から鉛直方向中央部に向かうに従って、つまり、上方に向かうに従って柱断面積が増加する直線状のテーパ20が形成されている。
このテーパ20の角度は、水平面に対して45度以下が好ましく、ここでは30度となっている。
以下、壁柱10のうちテーパ20が形成された部分を、絞り部11とし、それ以外の部分を、一般部12とする。
絞り部11の下端では、水平断面における長辺の短辺に対する比は、1.5〜5.0程度が好ましい。また、一般部12では、水平断面における長辺の短辺に対する比は、約3.0以上が好ましい。
壁柱10は、軸方向に延びて支持躯体4に定着される第2の太径軸方向鉄筋としての中央部軸方向鉄筋30、太径軸方向鉄筋としての端部軸方向鉄筋31、および細経の拘束軸方向鉄筋32と、軸方向に延びて支持躯体4に定着されない細経の周縁部軸方向鉄筋33と、一般部12に鉛直方向に所定間隔おきに設けられたせん断補強筋40と、一般部12の絞り部11寄りの部分に鉛直方向に所定間隔おきに設けられた第2せん断補強筋41と、絞り部11に鉛直方向に所定間隔おきに設けられた拘束せん断補強筋42と、を備える。
中央部軸方向鉄筋30は、1本であり、絞り部11を貫通して支持躯体4に定着される。この中央部軸方向鉄筋30は、水平断面視で、絞り部11の長辺方向中央部でかつ短辺方向中央部に配置されている。
端部軸方向鉄筋31は、2本であり、絞り部11を貫通して支持躯体4に定着される。これら端部軸方向鉄筋31は、水平断面視で、絞り部11の長辺方向両端部でかつ短辺方向中央部に配置されている。
拘束軸方向鉄筋32は、水平断面視で、絞り部11の周縁部に沿って複数本配置されている。
周縁部軸方向鉄筋33は、水平断面視で、一般部12の四隅に配置されている。
以上の太径の軸方向鉄筋30、31としては、D25〜D41程度が好ましく、細径の軸方向鉄筋32、33としては、D10〜D16程度が好ましい。
せん断補強筋40は、中央部軸方向鉄筋30、端部軸方向鉄筋31、拘束軸方向鉄筋32、および周縁部軸方向鉄筋33を囲む環状である。
第2せん断補強筋41は、中央部軸方向鉄筋30、端部軸方向鉄筋31、および拘束軸方向鉄筋32を囲む環状であり、せん断補強筋40同士の間に設けられる。
拘束せん断補強筋42は、端部軸方向鉄筋31および拘束軸方向鉄筋32を囲んで環状に配置されている。
拘束せん断補強筋42は、壁柱10の部材端部から壁柱10の鉛直方向中央部に向かう所定範囲内に、一定間隔おきに設けられている。
所定範囲とは、地震によって生じる壁柱10の端部での高圧縮応力状態の強拘束領域を含む鉛直高さであり、壁柱10の部材端部からの高さである。
この所定範囲は、例えば、絞り部11の下端の長辺長さ程度としてもよい。つまり、拘束せん断補強筋は、壁柱10の全長に亘って設ける必要はない。
以上より、端部軸方向鉄筋31は、この端部軸方向鉄筋31に近い方から、環状の拘束せん断補強筋42、第2せん断補強筋41、およびせん断補強筋40で三重に囲まれている。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)壁柱10の柱脚部にテーパ20を設けて、壁柱10の下端部から上方に向かうに従って柱断面積を増加させた。
地震時には、この壁柱10に曲げモーメントおよびせん断力が作用するが、この地震時の曲げモーメントにより、図6に示すように、この壁柱10の下端面の一部は、圧縮応力が生じる圧縮領域13Aとなる。このとき、圧縮領域13Aの近傍に周辺領域13Bが確保され、この周辺領域13Bの一部は、コンクリートを拘束する強拘束領域13Cとなる。その結果、圧縮領域13Aのコンクリートが圧壊しにくくなるので、柱脚部の回転に伴う柱躯体の損傷を抑えて、柱脚部の回転角が大きくなっても安定して耐力を確保できる。また、このように、柱を扁平形状としても安定した回転性能が得られるため、ダンパー等と組み合わせた架構を構成することも可能である。
また、一般部12は、絞り部11に比べて、水平断面積が大きくなるので、保持するせん断応力度が小さくなり、せん断ひび割れによる損傷を抑えることができる。
また、図7に示すように、壁柱10は、一般部12および絞り部11の水平断面が扁平であるため、水平断面が正方形状や円形状である一般的な柱に比べて、高い回転剛性を維持できる。図7は、テーパが形成されていない一般的な壁柱、本発明の壁柱、扁平形状ではない一般的な柱について、水平荷重Qと材端回転角Rとの関係を示す図である。
また、絞り部11の長辺方向両端部のそれぞれに太径の端部軸方向鉄筋31を設け、この端部軸方向鉄筋31を環状の拘束せん断補強筋42および拘束軸方向鉄筋32で囲んだ。よって、地震時の曲げモーメントにより、端部軸方向鉄筋31に圧縮力が作用すると、この拘束せん断補強筋42および拘束軸方向鉄筋32で囲まれた部分では、端部軸方向鉄筋31が拘束せん断補強筋42および拘束軸方向鉄筋32により拘束され、引張だけでなく圧縮においても降伏させることができ、効率的かつ経済的にエネルギ吸収が可能となる。
特に、長辺方向両端部の端部軸方向鉄筋31を太径としたので、この太径の端部軸方向鉄筋31が拘束せん断補強筋42で拘束されて、この軸方向鉄筋31が圧縮力を受けた場合にも、座屈することなく安定的に降伏してエネルギを吸収できる。
よって、高い回転剛性(曲げ剛性)と優れた靭性能(エネルギ吸収性能)を有する柱構造を提供できる。その結果、地震時の柱脚部の損傷を低減できる。
(2)強拘束領域13Cでは、端部軸方向鉄筋31が中央付近に配置された矩形状のコンクリート体を、環状の拘束せん断補強筋42、第2せん断補強筋41、およびせん断補強筋40により三重に囲むことで拘束するので、コンクリート体の損傷やひび割れの発生を抑止できる。
また、環状の拘束せん断補強筋42および第2せん断補強筋41は、端部危険断面および部材中央断面について、せん断補強効果を有する。
(3)太径の軸方向鉄筋30、31を、壁柱10の部材端部の水平断面を貫通して、この壁柱10に接合される支持躯体4に定着させた。これにより、部材端部の水平断面での応力伝達を太径の軸方向鉄筋30、31が負担できる。
ここで、拘束軸方向鉄筋32、32Aは必ずしも部材端部の水平断面を貫通する必要はない。構造性能および施工上、部材端部の水平断面に拘束軸方向鉄筋32、32Aが不要の場合は、本実施形態のように、太径の軸方向鉄筋30、31のみが部材端部の水平断面を貫通して支持躯体4に定着すればよい。
(4)壁柱10の絞り部11の長辺方向中央部に、中央部軸方向鉄筋30を設けた。この中央部軸方向鉄筋30は、両端部の端部軸方向鉄筋31と異なり、圧縮応力により降伏させないため、柱脚部の回転を元に戻す(復元する)効果を発揮できるので、建物1全体の残留変形を小さくできる。
(5)中央部軸方向鉄筋30および端部軸方向鉄筋31を、壁柱10の短辺方向中央付近に配置したので、短辺方向の曲げの影響を受けにくく、長辺方向の曲げに抵抗する耐震要素として、役割を明確にした設計が可能となる。
(6)太径の中央部軸方向鉄筋30および端部軸方向鉄筋31を、拘束せん断補強筋42および第2せん断補強筋41で囲まれた壁柱10の短辺方向中央部に配置したので、軸方向鉄筋30、31の周囲には十分なコンクリート被り厚さを確保でき、かつ、コンクリートをせん断補強筋で拘束することで、軸方向鉄筋30、31とその周囲のコンクリートとの間に働くせん断力(付着力)を抑制して、付着割裂ひびわれの発生を抑えることができる。
(7)軸方向鉄筋30、31を太径とすることで、鉄筋の全周面で生じる付着応力を小さく抑えることができる。また、太径の軸方向鉄筋30、31は、一般的な径の鉄筋に比較して鉄筋断面積が大きいので、鉄筋周囲のコンクリートによる拘束度合いが大きく、また、座屈長さが短くなるから、大きな軸力を負担できる。本実施形態では、太径の軸方向鉄筋30、31として、D25〜D41程度を想定している。
(8)第2せん断補強筋41を、せん断応力度の大きい絞り部11近傍のみに集中的に配置すればよいので、せん断補強筋を低減でき、経済的である。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態に係る壁柱10Aの柱脚部の側断面図である。図9は、図8のC−C断面図である。図10は、図8のD−D断面図である。
本実施形態では、壁柱10Aの構造が第1実施形態と異なる。
すなわち、壁柱10Aは、プレキャストコンクリートであり、中央部軸方向鉄筋30A、端部軸方向鉄筋31A、および拘束軸方向鉄筋32Aは、支持躯体4に定着していない。
中央部軸方向鉄筋30Aおよび端部軸方向鉄筋31Aは、絞り部11において機械式継手34により、支持躯体4の中央部軸方向鉄筋30Bおよび端部軸方向鉄筋31Bに接合されている。
このようにしても、上述の(1)〜(8)と同様の効果に加えて、以下のような効果がある。
(9)中央部軸方向鉄筋30Aおよび端部軸方向鉄筋31Aを、水平断面視で、短辺方向中央部に配置したので、機械式継手34を容易に設けることができ、施工性にも優れる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の各実施形態では、テーパ20を、水平断面視で壁柱10、10Aの長辺方向両端部のみに設けたが、これに限らず、図11に示すように、水平断面視で壁柱10Bの短辺方向両端部にも設けてもよい。このようにすれば、壁柱の短辺方向についても、柱端部の回転に伴う柱躯体の損傷を抑えて、柱端部の回転角が大きくなっても安定して耐力を確保できる。
また、上述の各実施形態では、テーパ20を直線状としたが、これに限らず、図12に示すように、半径Rの円弧状としてもよい。
また、上述の各実施形態では、端部軸方向鉄筋31、31A、31Bを、水平断面両端部にそれぞれ1本ずつ配置し、中央部軸方向鉄筋30、30A、30Bを、水平断面中央部に1本のみ設けたが、これに限らず、いずれも複数本配置してもよい。
また、上述の各実施形態では、壁柱10、10A、10B、10Cを、水平断面で一方向に延びる壁柱としたが、これに限らず、壁柱を水平断面が十字形状となるようにして、平面上で直交する二方向つまりXY方向に設けてもよい。
また、上述の各実施形態では、拘束軸方向鉄筋32を支持躯体4に定着させたが、これに限らず、拘束軸方向鉄筋を壁柱10内に定着させて、支持躯体4に定着させなくてもよい。
1…建物
2…コア架構
3…外周架構
4…支持躯体
10、10A、10B、10C…壁柱
11…絞り部
12…一般部
13A…圧縮領域
13B…周辺領域
13C…強拘束領域
20…テーパ
30、30A、30B…中央部軸方向鉄筋(第2の太径軸方向鉄筋)
31、31A、31B…端部軸方向鉄筋(太径軸方向鉄筋)
32、32A…拘束軸方向鉄筋
33…周縁部軸方向鉄筋
34…機械式継手
40…せん断補強筋
41…第2せん断補強筋
42…拘束せん断補強筋

Claims (4)

  1. 長方形断面を有する鉄筋コンクリート造の壁柱の構造であって、
    当該壁柱の鉛直方向の部材端部でかつ水平断面視で長辺方向両端部には、前記壁柱の部材端部から鉛直方向中央部に向かうに従って柱断面積が増加するテーパが形成され、
    当該テーパが形成された部分において、前記部材端部の水平断面の長辺方向両端部には、それぞれ、太径軸方向鉄筋と、当該太径軸方向鉄筋を囲んで配置された拘束せん断補強筋と、が設けられることを特徴とする壁柱構造。
  2. 前記壁柱には、軸方向に延びる拘束軸方向鉄筋および周縁部軸方向鉄筋が設けられ、当該拘束軸方向鉄筋および周縁部軸方向鉄筋は、前記壁柱内に定着されることを特徴とする請求項1に記載の壁柱構造。
  3. 前記太径軸方向鉄筋は、当該太径軸方向鉄筋に近い方から、環状の前記拘束せん断補強筋、第2せん断補強筋、およびせん断補強筋により三重に囲まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の壁柱構造。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の壁柱構造を備えることを特徴とする建物。
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