JP2979642B2 - 高復元力特性を有する鉄筋コンクリート壁柱 - Google Patents
高復元力特性を有する鉄筋コンクリート壁柱Info
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Description
造のうち、壁式ラーメン構造に用いられる壁材、中でも
復元力特性を大きく向上させた壁柱に関するものであ
る。
「壁式ラーメン構造に関する設計施工指針」に示されて
いるように、主筋とせん断補助強筋を併用する通常の柱
とほぼ同様の配筋となっている。図3は、その壁柱の標
準的な配筋であって、1はコンクリート、2は主筋、3
はせん断補強用のフープ筋、4は幅止め筋を示してい
る。
壁柱構造として知られるもので、圧縮ヒンジを生じる区
域に、コンクリートの脹らみを拘束するスパイラル筋5
やサブフープ筋6を追設して耐荷力と塑性変形性能を高
めてある。
断面の短辺長Dと長辺長Lの比が大きいため(1:2.5
〜1:6程度)、同図の配筋であると、構造部材として
の変形が比較的小さい時点において圧縮域のコンクリー
トが圧潰し始め、耐荷力が失われやすい。従って、耐荷
力を向上させるには、コンクリートの圧縮靱性を高める
ことが必須となり、そのために、図4〜図6に示すよう
な特殊な配筋を行なって耐荷力と変形性能を向上させて
いる。
有していても、構造体としての崩壊を免れるだけであっ
て、荷重除荷後の変形回復性能は改善されない。従っ
て、図4〜図6の如き配筋によっても、大変形後は使用
性能が満足に維持されない。
の信頼性向上のために、その壁柱に高復元力を付与する
ことを目的としている。
題を解決するために、図1に示すように断面が矩形で、
断面の短辺長Dと長辺長Lの比が1:2.5〜1:6に設
計され、さらに、圧縮ヒンジを生じる区域に横拘束筋
(図はスパイラル筋5とサブフープ筋6)の設けられた
鉄筋コンクリート壁柱において、その壁柱が水平荷重を
受けたときに断面が引張り領域となる部分、即ち、断面
の中立軸を間にした両側に鉛直方向のPC鋼材7を同本
数ずつ設け、このPC鋼材7を緊張してコンクリートの
引張り領域となる部分に予め軽度のプレストレスを与え
るようにしたのである。
筋5やサブフープ筋6に横拘束されない領域が新たな圧
縮ヒンジ発生域とならないようにするため、横拘束筋に
拘束されたコンクリート部を貫く位置とする。
を付与すると、当該部におけるコンクリートのひび割れ
耐力が向上し、かつ、ひび割れが生じてもその幅が小さ
く抑えられる。
きな変形回復性能が生じて大変形後もほぼ本通り復元す
るようになる。
るコンクリートの強度と、設計時の軸力の取り方によっ
て適正レベルが変わってくるが、10kg/cm2 の力であ
っても、発明の効果が認められる。
6の配筋をタイプII、図1の配筋をタイプIII として各
タイプの荷重−変形曲線と復元特性の模式図を示す。こ
のように、タイプIは大変形後は荷重が取り去られても
変形したままとなり、また、タイプIIは除荷後の復元性
が思わしくないが、タイプIII は除荷されると載荷前の
状態に近いところまで性能が回復する。
コンクリート1中には主筋2、フープ筋3、スパイラル
筋5、サブフープ筋6及びPC鋼材7が配置されてい
る。PC鋼材7は、壁柱の引張りゾーンとなる両側の領
域に同一本数ずつ設けてその下端側を、圧縮ヒンジを生
じる領域を補強した5、6の鉄筋の内側に通してある。
そして、このPC鋼材7を適度に緊張し、上下端を定着
具8でコンクリート1に定着させてあり、このため、壁
柱に軽度の軸方向圧縮力が加わって、壁柱全体の耐荷
力、変形性能、変形回復力が高まっている。
鋼材7は、中立軸基準の対称位置にあるものを1対とし
て複数対設けてもよい。
状の面からはボンドタイプのものが好ましい。但し、施
工の利便性を重視するならばアンボンドタイプのものが
よく、このアンボンドタイプの鋼材を用いても発明の目
的は充分に達成される。
不要なこと、配筋時に自立する方がハンドリング性に優
れること、カップリングによる継ぎ足しの簡便さが求め
られることから、鋼棒タイプのものが適しているが、こ
れに限定されるものではなく、鋼棒以外にも鋼より線や
鋼線等を使用することができる。
する効果が得られ壁柱の信頼性が大きく向上する。
ストレスが入っているため、ひび割れ耐力が大きくな
り、また、ひび割れが生じてもその幅が小さく抑えら
れ、構造部材としての損傷が小さくなる。
取り去ればプレストレス構造物特有の大きな変形回復能
力が発揮されてほぼ元通りに復元するため、部材の構造
的安定性が失われず、適切な補修を行なって耐用年数を
延ばすことが可能になる。
して断面の引張力を分担する鉄筋の肩代わりの役目を果
たすため、鉄筋の使用量を低減でき、設計、施工の両面
の合理化が促進される。
は圧縮鉄筋として作用し、部材靱性の向上に寄与する。
特性の模式図
Claims (1)
- 【請求項1】 断面が矩形で、断面の短辺長Dと長辺長
Lの比が1:2.5〜1:6に設計され、さらに、圧縮ヒ
ンジを生じる区域に横拘束筋の設けられた鉄筋コンクリ
ート壁柱であって、断面の中立軸を間にした両側に鉛直
方向のPC鋼材を同本数ずつ有し、そのPC鋼材が上記
横拘束筋に拘束されたコンクリート部分を貫く位置に配
置されて緊張され、コンクリートに10kg/cm 2 以
上のプレストレスを与えている高復元力特性を有する鉄
筋コンクリート壁柱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2401946A JP2979642B2 (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 高復元力特性を有する鉄筋コンクリート壁柱 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2401946A JP2979642B2 (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 高復元力特性を有する鉄筋コンクリート壁柱 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04216741A JPH04216741A (ja) | 1992-08-06 |
JP2979642B2 true JP2979642B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=18511763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2401946A Expired - Lifetime JP2979642B2 (ja) | 1990-12-13 | 1990-12-13 | 高復元力特性を有する鉄筋コンクリート壁柱 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2979642B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6013028B2 (ja) * | 2012-05-24 | 2016-10-25 | 清水建設株式会社 | 外殻構造 |
JP6216644B2 (ja) * | 2014-01-16 | 2017-10-18 | 大成建設株式会社 | 壁柱構造および建物 |
-
1990
- 1990-12-13 JP JP2401946A patent/JP2979642B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04216741A (ja) | 1992-08-06 |
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