JP3030695B2 - 三次元拘束コンクリ−ト構造部材のパイプア−チ橋梁 - Google Patents

三次元拘束コンクリ−ト構造部材のパイプア−チ橋梁

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JP3030695B2 JP28610697A JP28610697A JP3030695B2 JP 3030695 B2 JP3030695 B2 JP 3030695B2 JP 28610697 A JP28610697 A JP 28610697A JP 28610697 A JP28610697 A JP 28610697A JP 3030695 B2 JP3030695 B2 JP 3030695B2
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亜州夫 米倉
ケイ タドロス マ−ハ−
隆志 山根
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亜州夫 米倉
極東工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、三次元拘束コン
クリート構造部材のパイプアーチ橋梁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】橋梁の強度を受持つ多くのコンクリート
構造部材は、鉄筋コンクリートやプレストレストコンク
リートで構成されている。コンクリートは、引張強度が
極端に低く、容易にひび割れ等の損傷が発生する。その
ため、引張応力を受ける部分には鉄筋等を配置し、圧縮
部は主としてコンクリートで受けもたせる鉄筋コンクリ
ートとしている。
【0003】また、鉄筋コンクリートはひび割れが発生
するため、コンクリートの見掛け上の引張強度を改善す
るために部材引張部の長軸方向に予め圧縮力(プレスト
レス)が導入されたプレストレストコンクリート(以下
PCと記述する)の構造部材も橋梁に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の鉄筋コンクリー
トの構造部材は以上のように構成されていることによ
り、つぎのような課題が存在している。すなわち、鉄筋
コンクリートのみの構造部材では、荷重や構造部材の自
重を支持するために必要な部材断面とそれに伴う重量が
大きくなり、大スパンの大型構造部材を得ることは非常
に困難である。
【0005】また、各構造部材の重量が大きいことによ
り地震時の慣性力も大きくなり、耐震性が低くなる。他
方、従来のPCの構造部材では、コンクリートに導入さ
れるプレストレスはコンクリートの圧縮強度の精々3分
の1であり、また、一軸方向のみのプレストレスである
ため、大きな改善効果を期待することはできない。
【0006】本発明は以上のような課題を解決するため
になされたものであり、引張力に対する許容荷重を大き
く改善し、形状及び重量が小さくなる三次元拘束コンク
リート構造部材のパイプアーチ橋梁を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本件の発明者は三次元拘
束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁について鋭
意研究を行い、1軸すなわち部材の長軸方向にプレスト
レスを導入することによって、パイプ内コンクリートが
長軸方向に直交する方向に変形するのをパイプで拘束す
ることから長軸だけでなく長軸に直交する方向(2軸ま
たは3軸すなわち多軸)にもプレストレスがパイプ内コ
ンクリートに導入される三次元拘束コンクリート構造部
材をアーチの引張材として用い、他のアーチリブに、パ
イプ内にコンクリートを充填しただけの圧縮材を用いる
ことにより、耐力および変形能力を大きく改善する成果
を得た。
【0008】すなわち、両端支持の三次元拘束PC梁の
場合、梁に掛る荷重に対し、破壊するまでに、支点間距
離(スパン)の10分の1にも達する撓みを生じさせる
ことが可能であり、この撓み量は従来のPC梁の場合の
10倍にも相当するものである。また、プレストレスを
導入する場合、コンクリートの一軸圧縮強度の1.5倍
程度までのプレストレスを導入することが可能であり、
引張応力に対する許容荷重の改善に大きく貢献すると共
に、引張材として使用可能な部材となる。
【0009】一方、パイプ内にコンクリートを充填した
部材をアーチの圧縮材として用いた場合、荷重による圧
縮応力によってコンファインド効果が発揮されるように
なり、圧縮耐力および圧縮変形能力が場合によっては2
〜10倍も増大し、靱性の大きい構造部材となる。
【0010】上記目的を達成するために、本発明による
三次元拘束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁は
以下のように構成されている。すなわち、パイプの内部
にコンクリートを打設した部材の圧縮材を一の弧に用
い、この部材の管軸方向にプレストレスを導入した三次
元拘束コンクリート構造部材を引張部材として他の弦と
して用いるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による三
次元拘束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁の好
適な実施の形態について詳細に説明する。図1に示すも
のは本発明によるパイプアーチ橋梁であり、アーチリブ
の上部の弧にパイプ(1)内にコンクリート(2)を打
設した圧縮材(X)と、該圧縮材(X)にさらに長軸方
向にプレストレスを導入した引張材(Y)を下部の弦に
用いることを特徴とする三次元拘束コンクリート構造部
材のパイプアーチ橋梁から構成されるものである。
【0012】そして、これらに使用されるパイプ(1)
は、鋼管,FRPシート製パイプあるいは、鋼管にFR
Pシート等を外装した複合管から選ばれたものを使用す
る。
【0013】次に、本発明の他の実施の形態について説
明すると、図2に示すようなパイプアーチ橋梁であり、
アーチリブの上部の弦に水平の圧縮材(X′)を用い、
下部の弧にプレストレスを長軸方向に導入した弓状の引
張材(Y′)として用いることを特徴とする三次元拘束
コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁から構成され
るものである。
【0014】さらに、本発明の他の実施の形態について
説明すると、図3に示すようなパイプアーチ橋梁であ
り、アーチリブの上部の弧に緩い弓状の圧縮材(X″)
を用い、下部の弧にも緩い弓状の引張材(Y″)を用い
た三次元拘束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁
から構成されるものである。
【0015】また、図4において、長軸方向にプレスト
レスを導入した引張材(Y)は、三次元拘束を受ける引
張材であり、側面図で示している。図4において、符号
(1)で示すものは長尺のパイプであり、この内部に貫
通して配置される緊張材(3)を定着させている定着板
(4)及びパイプ(1)内に打設されたコンクリート
(2)により構成されており、また、コンクリート内に
鉄筋を配置することもある。
【0016】なお、前記緊張材(3)は一本に限定され
るものではなく、パイプ(1)の内径の大きさ、あるい
は要求強度に応じて二本以上を適宜配置してもよい。該
緊張材(3)の両端部にはネジ部、ナット(6)、定着
板(4)等を含む定着具(5)が設けられている。しか
しながら、緊張材(3)の両端部に装着する定着具の方
式には上記のネジ式のほか、クサビ式のものもあり、そ
の手段は特に限定しない。
【0017】このように構成されるパイプ(1)におい
て、パイプ(1)内に打設されたコンクリート(2)
は、緊張材(3)、定着板(4)及びナット(6)によ
り軸芯方向にプレストレスが導入されると、軸直角方向
に拡がろうとする。しかし、コンクリート(2)は、パ
イプ(1)により拡がりを拘束され、結果的に軸直角方
向にもプレストレスが導入されたことになる。
【0018】すなわち、コンクリート(2)は、軸芯方
向を緊張材(3)、定着板(4)及びナット(6)によ
り、軸直角方向をパイプ(1)により拘束される、すな
わち、三次元拘束を受ける引張部材となる。なお、コン
クリート(2)にプレストレスを導入する方法として
は、プレテンション方式とポストテンション方式とがあ
るがいずれの方法を用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明による三次元拘束コンクリート構
造部材のパイプアーチ橋梁は、以上のように構成されて
いることにより、以下のような効果を得ることができ
る。すなわち、パイプ内にコンクリートを打設した部材
をアーチリブとして使用すると、部材は主として圧縮力
を受け、部材のコンクリートは軸力によって、円周方向
に拡がろうとするが、パイプによってコンクリートの拡
がりが拘束される結果、三軸方向の圧縮応力が導入され
る。また、コンクリートが三軸方向の圧縮応力を受けた
場合、圧縮耐力と変形能力が著しく増大し、圧縮剛性や
曲げ剛性も増大する。すなわち、コンファインド効果が
発揮されるようになる。
【0020】さらに、プレストレスを導入した上記の部
材を引張部材として用いれば、三軸方向の圧縮応力が導
入されているため、曲げ剛性が大きくなっていると同時
に、プレストレスの分だけコンクリートの見掛けの引張
強度が増大するため、コンクリートにひび割れが発生し
にくくなり、また、大きなプレストレスのため剪断ひび
割れも生じなくなる等の効果を奏する。
【0021】その結果、圧縮耐力や変形能力が著しく増
大し、圧縮剛性や曲げ剛性も増大することにより、従来
の鉄筋コンクリートやプレストレストコンクリート構造
に比べて、同一荷重を受ける場合、部材断面を小さくで
きるため、軽量化が図れ、従って橋梁の長大化が図れる
等極めて有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアーチリブの一実施例を示す側面
図である。
【図2】本発明によるアーチリブの他の実施例を示す側
面図である。
【図3】本発明によるアーチリブのさらに他の実施例を
示す側面図である。
【図4】本発明に使用する引張材の一実施例を示す一部
欠截断面図である。
【図5】本発明に使用する圧縮材の一実施例を示す一部
欠截断面図である。
【符号の説明】
1 パイプ 2 コンクリート 3 緊張材 4 定着板 5 定着具(ナット、定着板、等定着治具の総称) 6 ナット X 圧縮材 X′圧縮材 X″圧縮材 Y 引張材 Y′引張材 Y″引張材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 隆志 東京都練馬区光が丘三丁目9−1−2208 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 4/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーチリブに、パイプ内にコンクリート
    を打設した圧縮材と、該圧縮材にさらに長軸方向にプレ
    ストレスを導入した引張材とからなることを特徴とする
    三次元拘束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁。
  2. 【請求項2】 パイプが、鋼管,FRPシート製パイプ
    あるいは、鋼管にFRPシートを外装した複合管である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の三次元拘
    束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁。
  3. 【請求項3】 アーチリブが、上部の弧に弓形の圧縮材
    を用い、下部の弦に水平の引張材を用いるものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の三次元拘束
    コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁。
  4. 【請求項4】 アーチリブが、上部の弦に水平の圧縮材
    を用い、下部の弧に弓状の引張材を用いるものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の三次元拘束
    コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁。
  5. 【請求項5】 アーチリブが、上部の弧に緩い弓状の圧
    縮材を用い、下部の弧にも緩い弓状の引張材を用いるも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    三次元拘束コンクリート構造部材のパイプアーチ橋梁。
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