JP6215418B2 - 排水口用ヌメリ取り器 - Google Patents
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この他、上記の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、多分子系ホスト化合物を使用して包接化合物とすることにより、皮膚刺激性や水に対する溶解性が低下したヌメリ防除剤(特許文献1参照)とし得ることや、有機ヨード系抗菌剤と固体酸とを加圧成形したヌメリ防除剤(特許文献2参照)が報告されている。さらに、さらし粉系酸化剤を有効成分とし、加圧成形した製剤は、溶解が進むにつれて表面積が減少することで、経時的にガス発生量が低下し、使用期間の終期においては充分な効果が得られなくなるという問題もあった。
ここで、さらし粉系酸化剤を有効成分とする薬剤であれば、発生する塩素ガスにより薬剤溶解液が接触しない部分も含めてヌメリ防除が可能であるが、特許文献1、2に記載のヌメリ防除剤は、薬剤の設置された周辺や薬剤に触れた排水が流れる場所にヌメリ防除効果が限定されるという問題があったため、これらヌメリ防除剤を排水口入り口部に設置するための排水口用ヌメリ取り器(特許文献3参照)も報告されている。
しかしながら、特許文献3に記載の排水口用ヌメリ取り器は、排水口入り口部に設置するものであるから、排水口に流れ込む水の量や温度により溶解する薬剤の量が大きく変化し、排水量が多いまたは排水の温度が高い場合には、設定している使用可能期間を経過する前に薬剤が完全に溶解して、それ以後にヌメリ防除効果が得られなくなるという問題があった。また、薬剤を長持ちさせるために排水口用ヌメリ取り器に入る排水の量を少なくすることも可能であるが、排水口に流れ込む水の量が少ない場合では必要とする薬剤量が排水に溶解せず、目的とするヌメリ防除効果が得られないという問題もあった。
また、本発明の排水口用ヌメリ取り器は、「AIT」を有効成分とする排水口用ヌメリ抑制剤を容器内に収納したものであり、容器全体が水不透過性の材料でできており、さらに、容器の一部または全部がアリルイソチオシアネート透過性の材料で構成されるものとすることにより、水に触れると失活する傾向がある「AIT」が排水と接触することなく、長期間安定に排水口のヌメリを抑制できることを特徴とするものである。
1.アリルイソチオシアネートを有効成分とする排水口用ヌメリ抑制剤を、低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの組み合わせにより構成される容器内に収納したことを特徴とする、排水口用ヌメリ取り器。
2.前記容器の内部に、アルミ蒸着フィルムまたはアルミ積層フィルムからなる防水機能を具備していることを特徴とする、1.に記載の排水口用ヌメリ取り器。
3.排水口用ヌメリ抑制剤が、さらにミリスチン酸イソプロピルおよび/またはトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルを含有することを特徴とする、1.または2.に記載の排水口用ヌメリ取り器。
また、「AIT」は揮散性の高い物質であるために、本発明の排水口用ヌメリ取り器を使用することで、排水口の入り口部や排水口内部の金属かごの中等、設置する場所によらず、直接接触していない部分であっても効果的にヌメリ除去あるいはヌメリ発生を予防することができる。さらに、排水に有効成分が溶解してヌメリ防除効果が得られる従来の排水口用ヌメリ取り器とは異なり、排水口に流れ込む水の量や温度に影響されず、安定したヌメリ抑制効果を得ることができる。
「AIT」は水との接触により失活する傾向がある物質であるが、本発明の排水口用ヌメリ取り器は、容器全体が水不透過性の材料でできているために、排水口用ヌメリ取り器内部に浸水することがなく、長期間安定したヌメリ抑制効果が得られる。また、容器の一部または全部が「AIT」透過性の材料で構成されているので、本発明の排水口用ヌメリ取り器を排水口に設置するだけで、「AIT」が長期間にわたり、安定的に徐放され、長期間のヌメリ防除効果が発揮される。
さらに、容器内部はアルミ蒸着フィルムやアルミ積層フィルム等の蓋材により有効成分である「AIT」を水から防御する防水機能を具備しているために、高温の排水や表面張力の低い石鹸水が排水口に流れ込んだ場合においても、「AIT」が排水と接触することは無く、ヌメリ抑制効果が低下することはない。
本発明のヌメリ抑制剤は、使用する場所に応じて適宜製剤の設計をすれば良く、液剤、粉剤、顆粒剤、打錠剤、ベイト剤、ペースト剤、ゲル剤、エアゾール剤、スプレー剤等の製剤に調製して、または、担体に担持させて使用することができる。
また、有効成分である「AIT」を担体に担持させてガス透過性の袋に封入して使用することができる。上記担体としては、例えば、濾紙、パルプ、リンター、厚紙、ダンボール等の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポリマー等の樹脂類;セラミック;ガラス繊維、炭素繊維、ポリエステル,ナイロン,アクリル,ポリエチレン,ポリプロピレン等の化学繊維、木綿,絹,羊毛,麻等の天然繊維等からなる不織布や編織布等の布綿;ゼオライト、パーライト等の無機鉱物;多孔性ガラス材料;多孔性金属材料、セラミック等の無機多孔体や焼結体;多孔質セルロース材料、ケイ酸カルシウム、シリカゲル等の粒状物;小麦粉、コーンスターチ、デキストリン等の有機物等が挙げられる。担体にヌメリ抑制剤を保持させるには、薬剤保持担体に薬剤を滴下塗布する方法、練りこむ方法、含浸塗布する方法、スプレー塗布する方法等の方法が挙げられる。
上記混練用樹脂は、「AIT」と混練可能であれば特に限定されない。このような混練用樹脂の例として、ロジン、ロジンエステル又はこれらの変性物、ワックス類、高級脂肪酸、高級アルコール、シュガーエステル、ポリオレフィン、各種アクリル系樹脂等があげられる。上記のロジン、ロジンエステル又はこれらの変性物としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸等のアビエチン酸類、d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、レボピマル酸等のピマル酸類の有機酸の一種又は二種以上を含む天然産のロジン、あるいは、世界各国産の松脂を加工して得られたもの、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、これらのロジンに水素添加、不均化、重合等の処理を行った変性ロジン、または上記の各種ロジンをエステル化したエステルガム等のロジンエステル等があげられる。
上記高級脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等があげられる。また、上記高級アルコールとしては、ステアリルアルコール等があげられる。さらに、上記シュガーエステルとしては、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等があげられる。さらにまた、上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等があげられる。また、上記各種アクリル系樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等があげられる。
また、上記混錬物には、「AIT」の機能に影響のない限り、任意の添加物を混合することができる。上記添加物としては、不揮発性オイルや安定化剤などがあげられ、このうち、不揮発性オイルは、「AIT」の蒸気圧を低下させて揮散速度を調節することが必要な場合に使用される。不揮発性オイルの例としては、ヤシ油や脂肪酸グリセリドのような親油性溶剤が好ましい。また、安定化剤としては、「AIT」の変質を防ぐ目的で、酸化防止剤や光安定化剤が用いられる。この酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール類等があげられる。また、この光安定化剤としては例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等があげられる。
上記混練物は、上記混練用樹脂を溶融混練し、この溶融混練物に「AIT」を添加し、均一に混合することで得ることができる。
図1(a)は、本発明の排水口用ヌメリ取り器の一例を示す外観斜視図であり、図1(b)は、(a)中央断面図である。図2(a)は、本発明の排水口用ヌメリ取り器の他の一例を示す外観斜視図であり、図2(b)は、(a)中央断面図である。図3は、本発明の排水口用ヌメリ取り器の他の一例を、開蓋状態で模式的に示した外観斜視図である。図4は、図3の排水口用ヌメリ取り器を、施蓋状態で模式的に示した側面図である。図5は、図4の中央断面図である。また、図6は、本発明の排水口用ヌメリ取り器のさらに他の一例を、開蓋状態で模式的に示した外観斜視図である。図7は、施蓋状態の図6の排水口用ヌメリ取り器の中央断面図である。
ここで、本発明において水不透過性材料とは、実質的に水を液体状態でも気体状態でも透過させない材料を意味し、「AIT」透過材料とは、実質的に「AIT」を気体状態で透過させる材料を意味する。
図3〜5に示すように、本発明の排水口用ヌメリ取り器の他の一例は、所定の形状を有する容器本体部20の上面開口端23と、蓋部30の下面開口端33とが嵌合することにより内部を密封することができ、使用時に開蓋状態とならない形態となっている。
また、図6〜9に示すように、本発明の排水口用ヌメリ取り器のさらに別の一例として、「AIT」を有効成分とする排水口用ヌメリ抑制剤の格納部50と、該格納部50の上面開口部を覆う蓋材60をさらに具備する形態もあげられる。
上述のとおり、「AIT」は水との接触により失活する傾向がある物質であるから、「AIT」を容器内に密封でき、さらに、排水口用ヌメリ取り器内部に排水を浸水させない図6〜9に示す排水口用ヌメリ取り器の形態がより好ましい。
また、図1、図3〜9の蓋部3、30、30aや、図2の水不透過性の材料でできた容器構成部Xは、排水口用ヌメリ取り器1、10、10a全体としての強度をもたせるために、強度を有する材質で構成されていることが好ましい。この強度を有する材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ガラス、金属等が好適に使用できる。容器本体部2、20、20aや水不透過性で「AIT」透過性の材料でできた容器構成部Yをポリエチレン(PE)で構成した場合には、蓋部3、30、30aや水不透過性の材料でできた容器構成部Xをポリプロピレン(PP)で構成することが、排水口用ヌメリ取り器1、10、10a全体の強度を保ち、使用中の衝撃等によっても開放状態となることがなく、特に好ましい。
また、図7〜9に示すように、容器本体部20aの内部に排水口用ヌメリ抑制剤格納部50を有する場合には、この格納部50の上面開口部の全面を防水フィルム等の蓋材60等で覆うことにより、排水口用ヌメリ取り器10a内部の防水機能はさらに向上する。ここで、蓋材60は、有効成分である「AIT」を透過せず、防水できるフィルム状のものが好ましく、特に、アルミ蒸着フィルムやアルミ積層フィルムが好適に使用できる。
さらに、図8に示すように、容器本体部20aは底面部21aの一部にくぼみを有する構造や、図9に示すように、容器本体部20aは底面部21aの一部に支脚部70を有する構造とすることができる。このくぼみや支脚部70は、排水口用ヌメリ取り器10aを密着ピロー包装した際に、包装内部に「AIT」や溶剤による結露を抑制する効果を発揮する。また、排水口用ヌメリ取り器10aを排水口ゴミ受け用かごに設置した際に、例えば、銅製の排水口ゴミ受け用かごの変色を低減する効果も発揮する。これらは、底面部21aに形成されたくぼみや支脚部70により、「AIT」揮散面と、ピロー包装フィルムや排水口ゴミ受け用かごが密着することなく、ある程度の空間を形成することによる効果と考えられる。この底面部21aに形成されたくぼみの深さや形、支脚部70の大きさや形は、目的に応じて適宜定めることができる。例えば、本発明の排水口用ヌメリ取り器の容器を構成する部材の厚みが2mmの場合には、くぼみの深さは1mmまでが好ましく、0.5mmまでがより好ましい。また、図9〜12に示すように、容器本体部20aは底面部21aに支脚部70を有する構造とする場合は、支脚部70の配置は適宜定めることができるが、排水口設置時に、排水の流れを妨げない配置とすることが好ましく、その支脚部70の高さは0.5〜10mmが好ましく、1〜3mmの範囲がさらに好ましい。
まず、本発明の排水口用ヌメリ抑制剤の処方例を示す。なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
(1)試験検体(全ての検体にはヌメリ抑制剤は入っていない)
検体1:図6の容器本体部20a、蓋部30aがともに「LDPE」で構成され、蓋材60は無しの排水口用ヌメリ取り器。
検体2:図6の容器本体部20aが「LDPE」で、蓋部30aが「PP」で構成され、蓋材60は無しの排水口用ヌメリ取り器。
検体3:図6の容器本体部20aが「LDPE」で、蓋部30aが「PP」で構成され、防水機能として、蓋材60が防水フィルム(アルミ積層フィルム:PET12//AL9//PE40)からなる構成を有している排水口用ヌメリ取り器。
(2)試験水
水 :水道水(常温)1L
湯 :90℃以上の湯1L
石鹸水:中性洗剤1%の水1L
(3)試験方法1(モデル試験)
一般家庭の台所用排水口に設置されている排水口ゴミ受け用かごに検体を入れ、各試験水を約30秒間検体にあたるように流した。水で軽くすすいで容器内部への浸水の有無を確認した。試験は3回行い、その結果を表2に示す。
○は浸水なし、△はわずかに浸水、×は明らかに浸水を意味する。
(4)試験方法2(実地試験)
実際の家庭の排水口に検体を入れて通常通りに台所を使用した。60日後に検体を回収して、容器内部への浸水の有無を確認した。試験は69回行い、その結果を表2に示す。
○は浸水なし、△はわずかに浸水、×は明らかに浸水を意味する。
一方、さらに過酷な条件として、様々なpHの液体や熱湯なども使用される家庭の台所(実地使用)や表面張力の低い石鹸水を使用すると、「LDPE」と「PP」の組み合わせだけでは、容器内への浸水を完全に防止することはできなかった。
この結果より、図6〜9のヌメリ抑制剤格納部50の上面部を蓋材60により覆うことにより、実地使用にも耐え得る完全な浸水防止が図れるものと考える。
ヌメリの原因は菌に由来するものであるから、本発明のヌメリ抑制効果をその除菌活性により確認した。
(1)試験検体
AIT45重量%、ミリスチン酸イソプロピル55重量%で調製した内容液を2.5g充填した、ポリエチレンとポリプロピレンから構成され、かつ防水機能として、蓋材60が防水フィルム(アルミ積層フィルム:PET12//AL9//PE40)からなる構成を有している排水口用ヌメリ取り器を25℃条件下でエージングし、AIT揮散量が安定して約5mg/日となったものを試験検体とした。
(2)供試菌
「E.c.」:Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)
「P.a.」:Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275(緑膿菌)
「S.a.」:Staphylococcus aureus NBRC 13276(黄色ブドウ球菌)
(3)試験方法
図13に示す試験系(Aの直径:14.5cm、Bの底面直径:9cm、Bの高さ:7cm、Cの底面直径:10cm、Cの高さ:10cm)において菌液は処理していない状態としたものを、図14に示すように水を張った容量96.5L(39cm×75cm×33cm)のポリプロピレン製ケース内に設置し、ケースの天面をラップでしっかりと密閉した。このとき、ケース内の温度は25±2℃、99%加湿条件で行った。試験検体を使用しない系も対照として別のポリプロピレン製ケース内に設置した。その後24時間放置して、事前に暴露させた。
前培養した菌液を1/2希釈NB(Nutrient Broth)培地で100倍希釈し、さらに3g/L(3%)、もしくは0.3g/L(0.3%)牛血清アルブミン(BSA)溶液と1:1で混合した(菌液調製は「住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法」に準じる。)。
上記菌液をステンレス鋼性円盤に10μLを3滴に分けて滴下した。その後18時間加湿条件にて暴露した。
ステンレス鋼性円盤から菌をSCDLP培地(Soybean-Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80)で洗い出し、希釈した後SCDLP寒天培地に処理し、これを37℃で培養し、菌数をカウントした。
ステンレス鋼性円盤1枚あたりの菌数から以下に示す式より除菌率を算出した。試験は、ステンレス鋼性円盤を1枚使用して、「BSA」3%は2回、0.3%は4回行い、その結果を表3に示す。
なお、式中の「無処理区」は試験検体を使用しない試験系を、「処理区」は試験検体を使用する試験系を意味する。また、本試験の菌数検出限界が10CFU/mLであることから、生残菌数が10CFU/mLより少ない場合は、生残菌数を10として処理をした。
除菌率(%)={(無処理区菌数−処理区菌数)/無処理区菌数}×100
また、ミリスチン酸イソプロピルに代えてトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルを使用した排水口用ヌメリ取り器においても、上記ミリスチン酸イソプロピルを使用する排水口用ヌメリ取り器と同様に、高い除菌活性を有していることが確認された。
(1)試験検体
AIT45重量%、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル55重量%で調製した内容液を2.5g充填した、ポリエチレンとポリプロピレンから構成され、かつ防水機能として、蓋材60が防水フィルム(アルミ積層フィルム:PET12//AL9//PE40)からなる構成を有している排水口用ヌメリ取り器を25℃条件下でエージングし、AIT揮散量が安定して1.4〜1.6mg/日(検体a)、5.3〜7.0mg/日(検体b)となったものを試験検体とした。
(2)供試菌
「E.c.」:Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)
「P.a.」:Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275(緑膿菌)
「S.a.」:Staphylococcus aureus NBRC 13276(黄色ブドウ球菌)
(3)試験方法
図13(Aの直径:14.5cm、Bの底面直径:9cm、Bの高さ:7cm、Cの底面直径:10cm、Cの高さ:10cm)に示す試験系において菌液は処理していない状態としたものを、図14に示すように水を張った容量96.5L(39cm×75cm×33cm)のポリプロピレン製ケース内に設置し、ケースの天面をラップでしっかりと密閉した。このとき、ケース内の温度は26±1℃、99%加湿条件で行った。試験検体を使用しない系も対照として別のポリプロピレン製ケース内に設置した。その後24時間放置して、事前に暴露させた。
前培養した菌液を1/2希釈NB(Nutrient Broth)培地で100倍希釈し、さらに0.3g/L(0.3%)牛血清アルブミン(BSA)溶液と1:1で混合した(菌液調製は「住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法」に準じる。)。
上記菌液をステンレス鋼性円盤に10μLを3滴に分けて滴下した。その後18時間加湿条件にて暴露した。
ステンレス鋼性円盤から菌をSCDLP培地(Soybean-Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80)10mLで洗い出し、希釈した後SCDLP寒天培地に処理し、これを37℃で培養し、菌数をカウントした。
ステンレス鋼性円盤1枚あたりの菌数から以下に示す式より除菌率を算出した。試験は、ステンレス鋼性円盤を3枚使用して1回行った。その結果を表4に示す。
なお、式中の「無処理区」は試験検体を使用しない試験系を、「処理区」は試験検体を使用する試験系を意味する。また、本試験の菌数検出限界が10CFU/mLであることから、生残菌数が10CFU/mLより少ない場合は、生残菌数を10として処理をした。
除菌率(%)={(無処理区菌数−処理区菌数)/無処理区菌数}×100
(1)試験検体
AIT45重量%、ミリスチン酸イソプロピル55重量%で調製した内容液を2.5g充填した、ポリエチレンとポリプロピレンから構成され、かつ防水機能として、蓋材60が防水フィルム(アルミ積層フィルム:PET12//AL9//PE40)からなる構成を有している排水口用ヌメリ取り器を試験検体とした。
(2)試験方法
試験検体を、25℃条件下に静置して揮散させ、経時的に重量測定をして揮散量を測定した。
試験結果を表5、図15、16に示す。
2、20、20a:容器本体部
21、21a:底面部
22、22a:立ち上がり周壁部
23、23a:上面開口端
3、30、30a:蓋部
31、31a:天面部
32a:垂下がり周壁部
33、33a:下面開口端
4、40、40a:排水口用ヌメリ抑制剤
50:排水口用ヌメリ抑制剤格納部
60:蓋材
70:支脚部
X:水不透過性材料でできた容器構成部
Y:水不透過性かつ「AIT」透過性材料でできた容器構成部
Z:実施例の試験系概略図
A:排水口蓋(ゴム製)
B:排水口ゴミ受け用かご
C:カップ
D:菌液を滴下したステンレス鋼性円盤
E:試験検体
F:減菌水
G:ポリプロピレン製ケース
H:ラップによる蓋
J:試験系「Z」を載置する台
Claims (3)
- アリルイソチオシアネートを有効成分とする排水口用ヌメリ抑制剤を、低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの組み合わせにより構成される容器内に収納したことを特徴とする、排水口用ヌメリ取り器。
- 前記容器の内部に、アルミ蒸着フィルムまたはアルミ積層フィルムからなる防水機能を具備していることを特徴とする、請求項1に記載の排水口用ヌメリ取り器。
- 排水口用ヌメリ抑制剤が、さらにミリスチン酸イソプロピルおよび/またはトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の排水口用ヌメリ取り器。
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