JP6214514B2 - 断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、MgAlの多孔質焼結体からなり、1000℃以上の温度域での断熱性に優れた断熱材に関する。
特許文献1または2に、所定の気孔径分布を有するスピネル質セラミックス多孔体は、伝導伝熱及び輻射伝熱を抑制できること、それにより1000℃以上の高温での耐熱性にも優れた断熱材として使用できること、が開示されている。
特開2012−229139号公報 特開2013−209278号公報
上記の特許文献1,2に記載されたスピネル質セラミックス多孔体は、従来よりも高温の1000℃以上での低い熱伝導性と良好な耐熱性を有する一方で、高い気孔率のため、強度が十分とは言えなかった。
ところで、強度を向上させるには、気孔率を下げ、かさ比重を高くする手法が一般的である。しかし、特許文献1,2に記載の断熱材で単に気孔率を下げるだけでは、熱伝導率が上昇し、かつ、かさ比重も高くなるので、低い熱伝導率でありながら軽くて扱いやすい断熱材、という要望には、充分応えられるものではなかった。
本発明は、上記技術的課題に鑑み、1000℃以上の高温でも熱伝導率の増加が抑制されるという優れた断熱性を維持しつつ、軽量性にも優れた断熱材の提供を目的とする。
本発明の一の態様に係る断熱材は、MgAl中に、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維からなるアルミナ繊維を含み、気孔率が85vol%以上91vol%未満の多孔質焼結体からなる断熱材において、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下を占め、かさ比重が0.53以下であり、かつ、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.37W/(m・K)以下であって、1000℃以上1500℃以下における前記熱伝導率が、20℃以上1000℃以下における熱伝導率の1.6倍を超えないことを特徴とする。
かかる構成を有することで、低い熱伝導率を維持しつつ、軽量な断熱材の提供を可能とする。
前記断熱材は、破壊エネルギが8.8N/m以上であることが望ましい。
また、本発明の別の態様にかかる断熱材は、MgAl中に、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維からなるアルミナ繊維を含み、気孔率70vol%以上85vol%未満の多孔質焼結体からなる断熱材において、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうちの40vol%以上70vol%未満を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの10vol%以上30vol%未満を占め、かさ比重が0.81以下であり、かつ、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.36W/(m・K)以下であって、1000℃以上1500℃以下における前記熱伝導率が、20℃以上1000℃以下における熱伝導率の1.2倍を超えないことを特徴とする。
かかる構成を有することで、軽量でありながら、高温度域での熱伝導率の上昇がより抑制された断熱材の提供を可能とする。
前記断熱材は、破壊エネルギが4.3N/m以上であることが望ましい。
本発明に係る断熱材は、1000℃以上の高温でも熱伝導率の増加が抑制されて優れた断熱性が保持されつつ、軽くて扱いやすいものである。さらに、孔径の異なる気孔容積を適切に制御することで、用途により熱伝導率と軽量性を最適化でき、より好適である。
本発明の一の態様に係る実施例及び比較例に係る、各多孔質焼結体又は断熱レンガについての温度と熱伝導率の関係を示したグラフである。 本発明の他の態様に係る実施例及び比較例に係る、各多孔質焼結体又は断熱レンガについての温度と熱伝導率の関係を示したグラフである。 本発明に係る実施例及び参考例における、各多孔質焼結体の水銀ポロシメータによる気孔径分布を示したグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の一の態様に係る断熱材は、MgAl中にセラミックス繊維を含み気孔率が85vol%以上91vol%未満の多孔質焼結体からなり、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下を占め、かさ比重が0.53以下である。
本発明に係る多孔質焼結体の材質は、スピネル質のMgAl(マグネシアスピネル)である。スピネル質の多孔質焼結体は、高温での粒成長や粒界の結合によって生じる気孔の形状や大きさの変動が小さく、熱伝導率の変動を抑制する効果を長期間維持できる。
特にMgAlは、1000℃以上の高温域での構造安定性が高く、等方的な結晶構造を有するため、高温に曝された場合でも、特異な粒成長や収縮がほとんど起こらない。
このため、MgAlは、本発明の特徴である特定の気孔構成を維持することができるので、高温で使用される断熱材として好適である。なお、前記化学組成及びスピネル質の構造は、例えば、粉末X線回折法により測定及び同定することができる。
そして、本発明に係る多孔質焼結体はセラミックス繊維を含む。セラミックス繊維がMgAl中に含まれると、多孔質焼結体全体の気孔率を高くでき、かさ比重が下がるので、軽量化が図れる。また、繊維を入れずに単に気孔率のみ高くする場合に比べて、強度の向上も図ることが可能である。
セラミックス繊維には、断熱材に用いられる周知の材料を広く適用でき、一例として、アルミナ、ジルコニア、ムライト、等が挙げられる。ただし、高温大気中で酸化分解し、使用できない材料、例えば炭化ケイ素は、あまり好ましいものとは言えない。
セラミックス繊維の形状も格別制限はない。例えば、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維、前記短繊維を数百〜数千本束にした繊維束、あるいは連続した長繊維が含まれていてもよい。しかしながら、気孔率を本発明の範囲内に維持する、という観点からは、前記の短繊維を分散させる形態が好ましい。
セラミックス繊維の添加率は、特に限定されるものではないが、少なすぎるとかさ比重低減の効果がほとんど得られない恐れがある。また、多すぎると孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔、および、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全体に占める割合の低下により、後述する熱伝導率増加の抑制効果が十分に得られない、という懸念が生じる。
なお、本発明の一の態様において、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下を占めておれば、1000μm以上の気孔を含んでいてもかまわない。
好ましいセラミックス繊維の含有率は、多孔質焼結体に対して、0.05vol%以上37vol%以下、より好ましくは0.1vol%以上30vol%以下である。
なお、セラミックス繊維の含有率は、セラミックス繊維とセラミックス繊維以外の固形分の重量比で調整する。添加量で換算すれば、0.5wt%以上75wt%以下であり、より好ましくは、5wt%以上60wt%以下となる。
また、セラミックス繊維のMgAl中での分布についても、設計される断熱材の要求仕様に応じて適時調整できる。一例として、繊維の密度を、表層は大きく中心部は低くすると、表層が高強度のため型崩れしにくい断熱材とすることができる。
また、本発明の一の態様における多孔質焼結体の気孔率は、85vol%以上91vol%未満とする。前記気孔率が85vol%未満では、前記多孔質焼結体中においてMgAlからなる基材部の占める割合が高く、伝導伝熱が増加し、熱伝導率を十分小さくすることが困難となる。一方で、前記気孔率が91vol%以上では、前記多孔質焼結体中においてMgAlからなる基材部の占める割合が絶対的に低くなるため、極めて脆弱となり、十分な耐熱性が得られない。
前記気孔率は、JIS R 2614「耐火断熱れんがの比重及び真気孔率の測定方法」にて算出される。
前記多孔質焼結体の気孔構成は、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下を占めている。
前記多孔質焼結体の気孔は、そのほとんどが孔径10μm未満の小気孔である。孔径10μm以上の気孔が多く存在する場合は、赤外線散乱効果が十分でなくなる。そのため、孔径0.8μm以上10μm未満の範囲内に少なくとも1つの気孔径分布ピークを有すると好ましいものである。
そして、前記孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積に占める割合が、10vol%未満であると赤外線散乱効果が十分でなくなる。一方、40vol%超では85vol%以上の気孔率を得ることが困難となる。
そして、前記多孔質焼結体の気孔のうち、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔(微小気孔)が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下を占める。
このような微小気孔が上記のような割合で存在していることにより、単位体積当たりの気孔数を多くすることができ、粒界におけるフォノン散乱量が増加し、伝導伝熱を抑制する効果がある。
前記微小気孔が全気孔容積に占める割合が5vol%未満であると、単位体積当たりの気孔数が少なく、伝導伝熱を抑制する効果が十分でなくなる。一方、10vol%超では85vol%以上の気孔率を得ることが困難となる。
前記多孔質焼結体は、孔径10μm超の範囲内に気孔径分布ピークを有していても差し支えない。しかしながら、粗大な気孔は輻射伝熱により断熱性の低下を招くため、一例として、孔径1000μm超の気孔の存在は好ましくない。
前記多孔質焼結体中の気孔径分布は、JIS R 1655「ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法」により測定される。
さらに、本発明の一の態様に係る断熱材は、かさ比重が0.53以下である。ここで、かさ比重は、JIS R 2614「耐火断熱れんがの比重及び真気孔率測定方法」にて計測される。
上記に示したように、MgAl中にセラミックス繊維を含み気孔率が85vol%以上91vol%未満、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下、という気孔形態において、セラミックス繊維が含まれることにより、強度を低減させることなく軽量化される、すなわち、かさ比重が低減される。
そして、前記断熱材の熱伝導率は、具体的には、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が、20℃以上1000℃未満における熱伝導率の1.6倍を超えないものとものとする。
このように高温域における熱伝導率の増加が抑制された断熱材は、1000℃以上の高温域においても、1000℃未満の低温域の場合と同等の断熱効果が保持される。
前記断熱材は、1000℃以上1500℃以下の高温域における熱伝導率が0.45W/(m・K)以下であると好ましく、0.37W/(m・K)以下であるとより好ましい。このような1000℃以上の高温域でも熱伝導率が増加することなく抑制されている断熱材は、高温域での使用においても断熱効果の変動が少ない。
ここで、かさ比重が0.53以下という範囲は、多孔質焼結体としては必ずしも軽量の部類ではないが、上記に示す本発明の熱伝導率の増加抑制効果を併せ持つ断熱材としては十分に軽く、かつ、かさ比重が適度にあることで強度が担保され、壊れにくいため扱いやすい、という点で優位といえる。かさ比重の下限は特に限定されないが、実用上断熱材として使用できる範囲であればよく、一例として0.3以上であればよい。
次に、本発明の他の一態様に係る断熱材について説明する。本発明の他の一態様に係る断熱材は、MgAl中に、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維からなるアルミナ繊維を含み、気孔率70vol%以上85vol%未満の多孔質焼結体からなる断熱材において、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうちの40vol%以上70vol%未満を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの10vol%以上30vol%未満を占め、かさ比重が0.81以下であり、かつ、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.36W/(m・K)以下であって、1000℃以上1500℃以下における前記熱伝導率が、20℃以上1000℃以下における熱伝導率の1.2倍を超えないものである。
本発明の一の態様に係る断熱材との違いは、気孔率、孔径0.8μm以上10μm未満の気孔、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔、の全気孔に占める容積の割合である。これにより、本発明の一の態様に係る断熱材と比べて気孔率が低いので、かさ比重はやや増加するが、熱伝導率をより低く抑えることが可能となる。
これは、特に、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔、および孔径0.8μm以上10μm未満の気孔の割合を、本発明の一の態様と比べて増やしたことによる効果であるといえる。
なお、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.40W/(m・K)以下であると好ましく、熱伝導率が0.36W/(m・K)以下であると、より好ましい。あるいは、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が、20℃以上1000℃未満における熱伝導率の1.2倍を超えないと、さらに好ましいものである。
以上の通り、本発明に係る断熱材は、MgAl中にセラミックス繊維を添加し、さらに、気孔率や所定の範囲の気孔孔径の比率を適切に制御することで、熱伝導率増加抑制効果と軽量化を、任意のバランスで両立させることを可能にしたものである。
従って、従来のMgAl単体で構成される断熱材と比べても、所定の特性向上を目的とした材料設計が可能であり、より幅広い要求に応えられるものである。
なお、上記のような本発明に係る断熱材の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の多孔質焼結体の製造方法を適用できる。例えば、気孔構造の形成・調整は、造孔材や起泡剤の添加等により行うことができる。
また、本発明に係る断熱材は、断熱特性を著しく劣化させる、等の悪影響がない限りにおいて、様々な変形例が可能である。例えば、複数の材料から成る繊維が添加されていてもよい。また、微小粒子がさらに添加されていてもよい。あるいは、繊維のない領域を部分的に設けてもよい。さらには、本発明に係る断熱材の表層に、各種の膜を付与し、より耐熱性を向上させることもできる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は下記に示す実施例により制限されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1)
水硬性アルミナ粉末(BK−112;住友化学株式会社製)11molに対して、酸化マグネシウム粉末(MGO11PB;株式会社高純度化学研究所製)9molの割合で混合し、これに水硬性アルミナと酸化マグネシウムの合計重量に対して等倍の重量の純水を加え、均一に分散させてスラリーを調製した。そして、平均径3〜5μm、平均長100mm以下のバルク繊維のアルミナ繊維、造孔材として直径5〜10μmの粒状のアクリル樹脂をそれぞれ準備し、アルミナ繊維の添加率、造孔材の径及び添加量、焼成温度及び焼成時間を適宜変更し、下記表1の実施例1〜3、比較例1にそれぞれ示すような気孔構成を有する多孔質焼結体を作製した。なお、造孔剤は前記スラリーに対して40〜70vol%の範囲で、アルミナ繊維は50wt%を加えて混合、成形し、60mm×70mm×20mmの成形体を得たのちに、これらを、大気中、1500℃〜1600℃で3〜4時間の範囲で変更して焼成し、多孔質焼結体を作製した。
上記において得られた多孔質焼結体について、X線回折(X線源:CuKα、電圧:40kV、電流:0.3A、走査速度:0.06°/s)にて結晶相を同定したところ、マグネシアスピネル相が観察された。
(参考例1)
市販の繊維断熱材(耐熱温度1600℃)を、参考例1とした。
上記実施例1〜3、比較例1、参考例1について、水銀ポロシメータを用いて気孔容積を測定した。図3に、その気孔径分布を示す。JIS R 2614「耐火断熱れんがの比重及び真気孔率の測定方法」を参考にして、かさ比重を測定した。また、上記実施例及び比較例の各多孔質焼結体又は断熱レンガについて、JIS R 2616を参考にして熱伝導率の測定を行った。焼成体繊維含有率(vol%)は、各多孔質焼結体の任意の一断面を劈開後、顕微鏡観察を行い、観察視野内で繊維の占める面積にて算出した。破壊エネルギー値の測定は、荷重点変位速度一定の条件で試料を安定破壊させ、荷重−変位曲線が変位軸と囲む面積に相当する仕事量を、万能投影機などで測定した投影破断面積Aの二倍で除すことで算出した。これら各種評価結果を、図1及び下記表1にまとめて示す。
Figure 0006214514
表1に示した評価結果から、繊維を添加し、気孔容積の割合が本発明の一の態様に係る実施範囲にある実施例1〜3は、1000℃から1500℃における熱伝導率は0.40W/(m・K)を下回り、かつ、かさ比重も、0.6を下回っていることがわかる。
これに対して、繊維を含まない比較例1は、かさ比重が0.6を上回っていた。
(実施例4〜6、参考例2、比較例2、)
アルミナ繊維の添加率、造孔材の径及び添加量、焼成温度及び焼成時間を適宜変更し、それ以外は実施例1〜3と同様にして、下記表1の実施例4〜6、参考例2、比較例2にそれぞれ示すような気孔構成を有する多孔質焼結体を作製、評価した。
Figure 0006214514
図2及び表2に示した評価結果から、繊維を添加し、気孔率、気孔容積の割合が本発明の他の態様に係る実施範囲にある実施例4〜6は、1000℃から1500℃における熱伝導率は十分低いものであることがわかる。
さらに、参考例2、実施例6は、1000℃から1500℃における熱伝導率は、さらに低いものであり、より好適である。
これに対して、気孔率、気孔容積の割合が本発明の他の態様に係る実施範囲外にある比較例2は、1000℃から1500℃における熱伝導率がやや高めであった。
なお、参考例1は、繊維のみで構成された断熱材である。これは、本発明品と比較すると、かさ比重はずっと低い値である。しかしながら、実施例は1000℃から1500℃における熱伝導率は0.51W/(m・K)である。
このことから、本発明に係る断熱材は、特に高温域での低い熱伝導率、および熱伝導率の上昇が抑制されるという特性を重視する用途に、より好適であるといえる。
さらに、実施例1〜、比較例1,2、参考例1,2について、破壊エネルギーの値を測定して比較を行った。破壊エネルギー値の測定は、荷重点変位速度一定の条件で試料を安定破壊させ、荷重−変位曲線が変位軸と囲む面積に相当する仕事量を、万能投影機などで測定した投影破断面積Aの二倍で除すことで算出した。
その結果、実施例1は8.8N/m、実施例2は10.5N/m、実施例3は17.3N/m、実施例4は4.7N/m、実施例5は5.2N/m、参考例2は1.7N/m、実施例6は4.3N/m、となった。これに対して、比較例1は0.5N/m、比較例2は8.7N/mであった。
上記結果より、本発明に係る繊維が添加された実施例1〜6、参考例2は、繊維を添加しない比較例1と比べて、破壊エネルギー値は高いものであった。なお、本発明の他の態様に係る多孔質焼結体の実施範囲である気孔率85vol%を超える比較例2は、1000〜1500℃での熱伝導率の上昇が、実施例4〜6、参考例2と比べて高く、高温での優れた断熱性が得られるという本発明の効果が、充分に得られていないものと言える。
なお、上記実施例において添加する繊維として、アルミナ繊維を例示したが、本発明に用いる繊維中にシリカが含まれていると、多孔質焼結体全体の耐熱性・断熱性を低下させる。アルミナ繊維に限らず、他の種類の繊維を用いる場合であっても、繊維中のシリカ含有量は5wt%以下にすることが好ましい。そうすることにより、多孔質焼結体を作製する時のみならず、高温で使用する過程で収縮が抑えられ、狙い通りの気孔径分布を維持することできる。すなわち、シリカ含有量が5wt%以下の繊維を用いることにより、耐熱性・断熱性に優れた多孔質焼結体にすることができる。

Claims (4)

  1. MgAl中に、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維からなるアルミナ繊維を含み、気孔率が85vol%以上91vol%未満の多孔質焼結体からなる断熱材において、
    孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうち10vol%以上40vol%以下を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの5vol%以上10vol%以下を占め、
    かさ比重が0.53以下であり、
    かつ、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.37W/(m・K)以下であって、1000℃以上1500℃以下における前記熱伝導率が、20℃以上1000℃以下における熱伝導率の1.6倍を超えないことを特徴とする断熱材。
  2. 破壊エネルギが8.8N/m以上であることを特徴とする請求項1記載の断熱材。
  3. MgAl中に、平均径3〜10μm、平均長0.2〜100mmの短繊維からなるアルミナ繊維を含み、気孔率70vol%以上85vol%未満の多孔質焼結体からなる断熱材において、
    孔径0.8μm以上10μm未満の気孔が全気孔容積のうちの40vol%以上70vol%未満を占め、かつ、孔径0.01μm以上0.8μm未満の気孔が全気孔容積のうちの10vol%以上30vol%未満を占め、
    かさ比重が0.81以下であり、
    かつ、1000℃以上1500℃以下における熱伝導率が0.36W/(m・K)以下であって、1000℃以上1500℃以下における前記熱伝導率が、20℃以上1000℃以下における熱伝導率の1.2倍を超えないことを特徴とする断熱材。
  4. 破壊エネルギが4.3N/m以上であることを特徴とする請求項3記載の断熱材。
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