JP6214117B2 - 点火コイル用dc/dcコンバータ,及び,車載用点火システム - Google Patents

点火コイル用dc/dcコンバータ,及び,車載用点火システム Download PDF

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Description

本発明は、点火コイル用DC/DCコンバータ及び車載用点火システムに関し、特に、一のコンバータに対して並列接続された複数負荷が協働機能するシステムに用いて好適のものである。
近年、自動車の点火システムでは、点火コイルの一次側にDC/DCコンバータを設けて、当該コンバータの昇圧電圧を印加させて点火コイルを駆動させることが検討されている(特開2002−180941号公報/特許文献1)。このような技術は、点火コイルの出力電圧向上に寄与し、また、多重点火技術といった供給エネルギーの高いシステムにも有用である。
特開2002−180941号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、コンバータの出力端が各点火コイルに並列接続されるので、このうち何れかの点火コイルで短絡故障(一次コイルに電流が流れ続ける故障)が発生すると、コンバータの出力低下を招き、他の点火コイルで十分な放電を発生できなくなるといった問題が生じる。また、点火コイル内の短絡故障は、回路部周辺の発熱及び火災の原因ともなる。
本発明は上記課題に鑑み、正常な点火コイルへの電路選択を可能とさせる点火コイル用DC/DCコンバータの提供を第1の目的とする。また、正常な点火コイルにのみ電力供給させ得る車載用点火システムの提供を第2の目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような点火コイル用DC/DCコンバータの構成とする。即ち、電源ラインを介して昇圧電圧が出力される電力変換回路と、前記電源ラインへ電気的に接続され前記昇圧電圧を分枝させて出力する複数の分枝ラインと、前記複数の分枝ラインに対応して各々設けられるスイッチ回路の集合体であって各分枝ラインの通電規制を各々のスイッチ回路が行うスイッチ回路群と、各スイッチ回路を個別に制御し前記電源ラインを選択的に通電不許可とさせる第1の制御機能部とを備えることとする。
好ましくは、前記第1の制御機能部は、前記電力変換回路を制御する第2の制御機能部と供に一の制御回路へ組込まれていることとする。
好ましくは、前記電力変換回路と前記スイッチ回路群は、一の筐体内の空間へ格納されることとする。
好ましくは、前記第1の制御機能部は、判定情報に基づいて前記通電規制を行う異常判定処理、を機能させることとする。この異常判定は、履歴記録された判定情報に基づいて前記通電規制を行うこととしても良い。また、他の異常判定として、新たに作成された判定情報に基づいて点火コイルの駆動を許可する処理を設けても良い。
好ましくは、前記判定情報は、点火コイルの電流値情報又は点火コイルの電圧値情報のうち、少なくとも何れかの情報を用いて決定されることとする。
また、本発明では次のような車載用点火システムの構成としても良い。即ち、上述した発明のうち何れかに記載の点火コイル用DC/DCコンバータと、前記複数の分枝ラインの各々に対応して配置及び接続された複数の点火コイルとを備えることとする。
本発明に係る点火コイル用DC/DCコンバータによると、所定の分枝ラインを通電不許可とさせることが可能なので、故障状態の点火コイルに接続された分枝ラインを選択的に給電停止させることが可能となる。
本発明に係る車載用点火システムによると、点火コイル用DC/DCコンバータによって故障状態の点火コイルへ給電することが避けられるので、当該点火コイルでの発熱・火災といった事態を招かずに済み、点火システム全体の安全が保たれる。
実施の形態に係る点火コイル用DC/DCコンバータの回路構成を示す図。 実施の形態に係る点火コイル用DC/DCコンバータの変更例を示す図。 実施の形態に係る点火コイル用DC/DCコンバータの変更例を示す図。 実施の形態に係る点火コイル用DC/DCコンバータの変更例を示す図。 実施例に係る初期判定処理及び定常給電処理のフローチャート。
以下、本発明に係る実施の形態及び実施例につき図面を参照して具体的に説明する。尚、実施の形態,実施例は、各々が互いに関係する内容であって、既に説明された事項については同一符号を付し説明を省略する。
図1は、本実施の形態に係る車載用点火システムの回路構成が示されている。車載用点火システム1は、コンバータ装置101と、複数の点火コイル11〜14とによって構成される。コンバータ装置101は、電力変換回路110とスイッチ回路群120と制御部130とが一の筐体内に格納され、この他、車載バッテリVb及び点火制御ECU20とが適宜に接続されている。点火コイルは、其の全てが適切なタイミングで各々駆動することにより一の内燃機関を制御させるシステムを構成するものである。
本実施の形態に係る車載用点火システム1は、一の筐体内に電力変換回路110とスイッチ回路群120と制御部130とを集約させることで、外部配線の簡素化が図られる。以下、点火コイル用DC/DCコンバータは、電力変換回路110,スイッチ回路群120,制御部130,この他,電源ラインLa〜Lb,分枝ラインLa1〜La4,各種信号ライン等によって構成されるものを指す。そして、以後、これを単にDC/DCコンバータと呼ぶこととする。
電力変換回路110は、電源ラインLa及びLbを具備し、電源ラインLaにてリアクトルLcとダイオードDcとの直列回路を形成させている。また、パワートランジスタTRcと平滑コンデンサCcより成る並列回路が形成され、パワートランジスタTRcがダイオードDcのアノード側に設けられ、平滑コンデンサCcがダイオードDcのカソード側に設けられる。また、パワートランジスタTRcの出力部には、シャント抵抗Rcが直列接続されている。このように、電力変換回路110は、昇圧式のコンバータ回路を形成するものであって、車載バッテリVbのバッテリ電圧(12V)をこれより高い昇圧電圧(数十V)へ電力変換させ、電源ラインLaを介して昇圧電圧を出力させる。尚、電力変換回路110は、電源ラインLaにシャント抵抗Rsが介挿され、信号ラインLsを介して出力電流に比例する信号が制御部130へ伝送させている。
図示の如く、スイッチ回路群120は、スイッチ回路RY1〜RY4の集合体であって、当該スイッチ回路が各分枝ラインに対応して配線されている。これらの分枝ラインLa1〜La4は、結合点trを介して電源ラインLaへ電気的に接続される。従って、電源ラインLaに昇圧電圧Voutが与えられると、各分枝ラインでは、結合点trにてこの電圧を分枝させ、各々から昇圧電圧Voutと略同一の電圧を出力させる。
本実施の形態では、スイッチ回路RY1〜RY4としてFET又はIGBTといったパワートランジスタを利用しているが、これに限らず、機械式のリレー回路を利用しても良い。但し、本実施の形態のように、パワートランジスタを用いる方が、回路構成が簡素化され且つ回路全体の小型化に寄与する。かかるスイッチ回路RY1〜RY4は、ゲート信号に応じて通過電流の通電/遮断を切換える。従って、本実施の形態に係るスイッチ回路RY1〜RY4は、各々が分枝ラインの途中に介在して配線されているので、各分枝ラインLa1〜La4に流れる電流の通電/遮断を行うこととなる。このように、分枝ラインに流れる電流を通電させたり遮断させたりする制御を通電規制と呼ぶこととする。
上述したスイッチ回路群120は、通過電流によって発熱するため、金属基板等の放熱性の高い回路基板へ実装させると良い。また、この基板は、十分な熱勾配を与えるため、ヒートシンクのような熱交換構造へ接触させておくと良い。また、スイッチ回路群120は、其れ単独の基板を形成させたものであっても良く、上述した電力変換回路110と共通の基板に実装させても良い。これらレイアウト上の変更は、筐体に与えられる空間に応じて好ましい形態を適宜選択すると良い。
制御部130は、PWM−IC132,中央演算処理装置131,及び,信号ライン等の適宜の配線によって構成される。このうち、PWM−IC132は、駆動信号又は停止信号(後述する),平滑コンデンサの両端電圧を現す電圧信号Sc,シャント抵抗Rcに流れる電流を現す信号Srが入力され、これらの入力信号に応じてPWM信号を生成し、当該PWM信号をパワートランジスタTRcに出力する。ここで、停止信号とはオフ期間を100%に設定させる指令信号を指し、駆動信号とはオフ期間が100%でないDUTY比(オン期間が存在するDUTY比)を出力許可させる指令信号を指す。
中央演算処理装置131は、CPU(Central Processing Unit),AD変換回路,メモリ回路,インターフェイス回路等を集積させた装置であって、メモリ回路に格納されたプログラムと協働して適宜の機能部を構築させる。本実施の形態に係る中央演算処理装置131では、図示の如く、点火制御機能部F1,信号検出機能部F2,昇圧運転機能部F3,運転停止機能部F4,及び,通電規制機能部F5を各々機能構築させる。
点火制御機能部F1は、ECU20から与えられた点火信号を再成形させ、これを各点火コイル11〜14へと出力させる。点火制御機能部F1は、例えば、セルフシャットさせる波形に加工したり、プレイグニッションさせないように波形の立上を緩慢にさせる加工を施したりする機能を備えている。即ち、点火制御機能部F1は、点火コイルの制御デバイスとしての機能を担うものであり、これが中央演算処理装置131に組込まれることで、装置構成の簡素化が図られている。
信号検出機能部F2は、入力された信号をAD変換させ当該信号を現すデジタルデータを作成させる。このデジタルデータは、適宜のタイミングで、CPUのデータレジスタまたはメモリ回路に格納される。本実施の形態に係る信号検出機能部F2は、平滑コンデンサの両端電圧を現す電圧信号Scと、シャント抵抗Rsの電流を現す信号Ssとが入力され、これらの各信号を適宜のタイミングでAD変換させる。
昇圧運転機能部F3は、駆動信号をPWM−IC132に与えて、PWM信号(オンDUTYが割り当てられた信号)の出力を許可状態とさせる。一方、運転停止機能部F4は、ECU20からの点火信号が途絶えると、停止信号を出力させて、停止に係る信号(オフDUTYを100%とした信号)をPWM−IC132から出力させる。このように、昇圧運転機能部F3及び運転停止機能部F4は、電力変換回路110の主たる制御を担うものであり、これらの機能部が合わさって「特許請求の範囲における第2の制御機能部」を構成する。
通電規制機能部F5は、「特許請求の範囲における第1の制御機能部」を構成するものである。この通電規制機能部F5は、上述した電圧信号Sc及び電流信号Ssに基づいて、点火コイル11〜14の不具合又は電力変換回路130の不具合を解析し、この不具合の状態に応じてスイッチ回路を個別に制御させる。
即ち、通電規制機能部F5は、所定の分枝ラインを持続的に通電不許可とさせ、且つ、其れ以外の分枝ラインについて通電動作制御を実施させる、といったスイッチパターンの設定指令を行っている。当該スイッチパターンは、所定のスイッチ回路が持続的に通電不許可とされ、残りのスイッチ回路を対象として通電パターンが適宜に切換えられる。
点火コイルの短絡故障を放置しておくと、其の点火システムでは、故障状態の点火コイルに接続されたスイッチ回路を通電状態とさせている間、平滑コンデンサCcの電荷が低下し続けて昇圧電圧Voutが正常値を下回ってしまう。そこで、通電規制機能部F5では、平滑コンデンサの電圧状態Scを監視することで、短絡故障している点火コイルを特定し、これに接続されるスイッチ回路の通電動作をその後一切行わない。本実施の形態に係るDC/DCコンバータは、所定の分枝ラインを通電不許可とさせることが可能なので、故障状態の点火コイルに接続された分枝ラインを選択的に給電停止させ、平滑コンデンサCcの出力低下を回避させることができる。
また、本実施の形態では、電源ラインLaから一の選択されたコイルへ電力供給が行われるので、電流信号Ssを監視することで選択中のコイル電流を把握できる。そして、通電規制機能部F5では、適宜の閾値を設定して電流値信号Ssと比較することで、点火コイル(一次コイル)の短絡状態を判定し、故障状態の点火コイルについては電力の供給を断つ指令を行う。本実施の形態では、電圧信号Sc及び電流信号Ssの双方を監視することで、故障判定に係る判定精度を向上させている。但し、これに限らず、電圧信号Sc又は電流信号Ssの何れか一方のみを監視して、上述した故障判定を行っても良い。
また、本実施の形態に係る車載用点火システム1では、DC/DCコンバータの作用によって故障状態の点火コイルの給電を避け、当該点火コイルでの発熱・火災といった事態を回避できるので、点火システム全体の安全が保たれることになる。
また、本実施の形態では、通電規制機能部F5(第1の制御機能部)が、昇圧運転機能部F3及び運転停止機能部F4といった第2の制御機能部と供に一の中央演算処理装置131へ組込まれている。このため、スイッチ回路群120を制御する為の新たな回路構成を追加することもない。特に、本実施の形態では、第1の制御機能部及び第2の制御機能部のほか、点火制御機能部F1も中央演算処理装置131に組込まれている。従って、本システムは、コンバータ装置101の外部での回路構成が非常に簡素化される。
尚、本実施の形態によれば、図1に示す如く、電力変換回路110を動作させないときも、電源ラインLaを介して車載バッテリVbから電力供給を行っている。しかし、図2に示す如く、電力変換回路110にバイパス電源ラインLpを設けて、昇圧動作させないときにバイパス電源ラインLpを介して電力供給させても良い。この場合、電力変換回路側の結合点t2とスイッチ回路群側の結合点trとを電源ラインLaで接続させておけば、電力変換回路110がどのようなモードで動作しているかに関わらず、昇圧電圧Voutが各々の分枝ラインRY1〜RY4に等しく印加されることとなる。
このように、DC/DCコンバータ及び車載点火システムの変更例は種々検討されるものである。例えば、図3では、電力変換回路110と制御部130をコンバータ装置103として一の筐体へ収容させ、スイッチ回路群120をコンバータ装置103の外部構成とさせている。このような変更例によると、コンバータ装置103及びスイッチ回路群120の各々について小型化されるので、これらを個別に配置させることで、車両内のスペースを有効活用することが可能となる。
また、同図によれば、コンバータ側の中央演算処理装置131から点火制御機能部F1が取除かれ、これとは別体のイグナイタ30にて点火制御機能部F1が機能構築される。図示の如く、このイグナイタ30は、点火コイル11〜14の各々に対応して設けられる処理装置であって、ECU20から受けた点火信号に応じて、制御対象のパワートランジスタTRを適宜に駆動させる。同図の例によれば、中央演算処理装置131及びイグナイタ30は、制御対象に応じて個別に設けられ、其の機能が役割分担されることになる。
これによれば、ECU20,イグナイタ30,及び,点火コイル11〜14から成る点火システムは、広く知られたシステム構成であって、多くの自動車で広く採用されている。従って、同図の点火システム1は、このような普及された技術にコンバータ装置103及びスイッチ回路群120を追加構成させることで、本実施の形態に係るシステム構成を容易に構築させることができる。
また、図4では、点火コイル11〜14及びスイッチ回路群120に変更が加えられている。同図に示される点火コイル11〜14は、一の点火コイルに2個のトランスを配備させ、これらを相補的に通電させることで、放電時間を所定期間持続させるものである。かかる点火コイルは、多重放電用の点火コイルと同様に高エネルギーが要求される内燃機関で有用とされ、所謂、「DCO方式点火コイル」と呼ばれるものである。
これによれば、点火コイル11〜14に接続される分枝ラインは、トランスの数に応じて増加配設され、スイッチ回路群120にあっても、これに応じてスイッチ回路が増設される。同図の点火システムでは、点火コイル11にて短絡故障が発生している場合、トランス11a及び11bに接続される2本の分枝ライン(一群の分枝ライン)を持続的に通電不許可とさせれば良い。また、このうちの何れのトランスが短絡故障しているかを把握している場合、故障している一方のトランスに接続された分枝ラインの給電を断ち、他方のトランスによって点火コイル11を駆動させるようにしても良い。
ここでは、図3を参照して、中央演算処理装置131で実施される処理を具体的に説明する。本実施の形態では、後述する判定情報に基づいて、通電規制を行う異常判定処理が適宜実行される。しかし、車載バッテリVbからの電源供給が絶たれると、この判定情報が消去されてしまうので、中央演算処理装置131への電源投入段階(IG−ONの段階)にて、初期判定処理が実行され最初の判定情報が取得される。
図5(a)に示す如く、初期判定処理は、先ず通電動作処理S11を実行させ、検査対象のコイルに接続されたスイッチ回路を通電させる。その後、初期異常判定処理S12が実行され、信号Scを検出して平滑コンデンサCcの電圧値を取得し、この電圧値の値に応じて検査対象コイルの短絡故障を判定する。点火コイルが短絡しているとき、そのコイルへの通電が継続すると、平滑コンデンサCcの電位が低下する。従って、初期異常判定処理S12では、平滑コンデンサCcの両端電圧について閾値判定を行うことで、検査対象の点火コイルが短絡しているか否かを把握できる。
処理S12の判定結果は、判定情報としてメモリ回路へ記録される(初期判定情報記録処理S13)。この判定情報は、短絡していない旨を現す正常情報と、短絡状態を確認した旨を現す異常情報と、の何れかを現す情報である。従って、初期判定情報記録処理S13では、平滑コンデンサCcの両端電圧が所定の閾値より高ければ正常情報を記録させ、その逆であれば異常情報を記録させる。尚、処理S13にて記録される判定情報は、このようにメモリ回路に保存され後に利用されるところ、特許請求の範囲における「履歴記録された判定情報」に属するものとされる。
断線動作処理S14は、検査対象とされる点火コイルの判定情報が作成されると、この対象コイルへの給電を断つよう、これに対応するスイッチ回路を遮断させる。この場面では、他のスイッチ回路も遮断されていることから、全てのスイッチ回路の通電が絶たれたことになる。そして、断線動作処理S14は、検査対象が切換る毎に、一のスイッチ回路を通電させ、判定情報の取得が完了すると、通電状態であったスイッチ回路を遮断させる。
尚、初期判定処理は、検査対象毎に、処理S11〜処理S14までの一連の処理を実施させ、これが終わると、他の検査対象の判定情報を取得するものであっても良い。また、一度の処理S11にてスイッチ回路を順次切り替えて、ここで得られた各々の検出情報に基づいて各判定情報を作成するようにしても良い。
かかる初期判定処理が完了すると、履歴記録された判定情報が準備されたことになる。本実施例では、この後、定常給電処理が実施される(図5(b)参照)。定常給電処理は、内燃機関の全気筒#1〜#4の点火サイクルに対応して周期的に起動される。即ち、定常給電処理は、気筒#1の点火タイミングに達する前に起動され、この処理が終了すると、次の気筒の点火タイミングに達する前に起動される。そして、このような点火サイクルに同期した処理動作が順次繰り換えられ、全気筒#1〜#4についての定常給電処理が漏れなく実施されるのである。
定常給電処理が起動されると、先ず、判定情報認識処理S21(第1の異常判定処理)が実行される。処理S21は、履歴記録された判定情報をメモリ回路から参照し、これに基づいて通電規制を行う。具体的に説明すると、処理S21は、検査対象の点火コイルに関する履歴記録から判定情報を取得し、これが異常情報であれば速やかに定常給電処理を終了させる。この場合、定常給電処理の起動によって、点火動作させるタイミングが近づいている点火コイル(以下、点火動作対象と呼ぶ)に給電されることはない。
また、判定情報認識処理S21は、取得した判定情報が正常情報であれば、点火動作対象がこれまで正常に動作している為、通電動作処理S22へ移行させる。処理S22は、点火動作対象について通電許可させ、当該対象コイルに昇圧電圧Voutを印加する。
その後、異常再判定処理S23(第2の異常判定処理)が実行される。処理S23は、信号Scを検出して点火動作対象の短絡状態を把握する処理であり、其の処理ロジックは初期異常判定処理S13と同等の内容である。即ち、閾値判定によって、点火動作対象とされるコイルについて短絡が生じているか否かを判定する。また、この処理S23で得られた判定結果は、判定情報(正常情報,又は,異常情報)としてデータレジスタ及びメモリ回路へ記録される。
この処理S23で得られた判定情報は、起動中の定常給電処理が終了する前に処理S24及びS25で利用される場合、同定常給電処理にて新たに作成された情報であるから、特許請求の範囲における「新たに作成された判定情報」に属することとなる。一方、同じ判定情報であっても、起動中の定常給電処理が一度終了して次回到来する点火タイミングの為に定常給電処理が再度起動される場合、其の判定結果を示す情報は、履歴情報として参照されるので、特許請求の範囲における「履歴記録された判定情報」に属することとなる。
処理S23では、判定結果が得られると、新たに作成された判定情報に基づいて点火コイルの駆動許可を決定する。即ち、処理S23で異常判定が得られれば、機能部F1にその旨を知らせ、点火信号の出力を停止させる。この場合、点火動作対象に電力が給電されてはいるものの、点火信号が遮断されるので、点火動作対象のコイルが昇圧動作することはない。一方、処理S24で正常判定が得られれば、機能部F1から点火信号が出力され、これに接続される点火プラグがスパークすることとなる。
即ち、本実施例に係る定常給電処理は、点火動作対象に対応する履歴記録が異常情報であるとき、スイッチ回路のオン動作を与えることなく速やかに点火動作を回避する第1の処理ルートが形成される。一方、点火動作対象に対応する履歴記録が正常であるとき、直近の判定情報に基づいて点火動作の許可を行う第2の処理ルートが形成される。
そして、この定常給電処理は点火サイクル毎に周期的に起動されるので、次回の点火タイミングの為に起動された定常給電処理では、先の定常給電処理で記録された判定情報を利用し、これを履歴情報として処理S21で利用することとなる。このように、本実施例に係る定常給電処理は、点火コイルの短絡故障に関する情報が順次更新され、最新の判定情報に基づいてリレー制御が行われる。
また、本実施例によると、異常再判定処理S23が設けられているので、点火動作の直前に点火動作対象の短絡状態が再確認され、ここで異常が判明すれば点火コイルの無用な点火動作を回避させる。そして、処理S21及び処理S23を通じて点火コイルが正常と判断されたものに限り、点火動作が行われることとなる。
1 車載用点火システム, 11〜14 点火コイル, 101〜104 コンバータ装置, 110 電力変換回路, 120 スイッチ回路群, 130 制御部, 131 中央演算処理装置(制御回路), F1 点火制御機能部, F2 信号検出機能部, F3 昇圧運転機能部(第2の制御機能部の一構成), F4 運転停止機能部(第2の制御機能部の一構成), F5 通電規制機能部(第1の制御機能部)。

Claims (8)

  1. 電源ラインを介して昇圧電圧が出力される電力変換回路と、前記電源ラインへ電気的に接続され前記昇圧電圧を分枝させて出力する複数の分枝ラインと、前記複数の分枝ラインに対応して各々設けられるスイッチ回路の集合体であって各分枝ラインの通電規制を各々のスイッチ回路が行うスイッチ回路群と、各スイッチ回路を個別に制御し且つ所定の分枝ラインを持続的に通電不許可とさせるスイッチパターンの設定を指令する第1の制御機能部と、を備えることを特徴とする点火コイル用DC/DCコンバータ。
  2. 前記第1の制御機能部は、前記電力変換回路を制御する第2の制御機能部と供に一の制御回路へ組込まれていることを特徴とする請求項1に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  3. 前記電力変換回路と前記スイッチ回路群は、一の筐体内の空間へ格納されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  4. 前記第1の制御機能部は、判定情報に基づいて前記通電規制を行う異常判定処理、を機能させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  5. 前記第1の制御機能部は、履歴記録された判定情報に基づいて前記通電規制を行う第1の異常判定処理、を機能させることを特徴とする請求項4に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  6. 前記第1の制御機能部は、新たに作成された判定情報に基づいて点火コイルの駆動を許可する第2の異常判定処理、を機能させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  7. 前記判定情報は、点火コイルの電流値情報又は点火コイルの電圧値情報のうち、少なくとも何れかの情報を用いて決定されることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の点火コイル用DC/DCコンバータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の点火コイル用DC/DCコンバータと、前記複数の分枝ラインの各々に対応して配置及び接続された複数の点火コイルと、を備えることを特徴とする車載用点火システム。
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